第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略等

当企業グループは、社是に加え、経営理念・経営戦略として事業活動の効率化、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進しております。一方でこれらの事業活動の持続的な成長を維持するために、中長期的な課題である気候変動を含むサステナビリティ課題について、優先順位を上げて対応しております。具体的には、企業価値の最大化を目指すために、また、広く社会的使命を果たすために社是に加え、社是に基づいたミッション・ステートメントを策定し、これらを行動計画の基礎としながら日々実践しております。

 

社是

「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」

「吾々はその繁栄を、常に怠りなき商品の開発と、たゆみなき販路の開拓によって達成させる。」

 

(ミッション・ステートメント)

Our Mission(社会に果たすべき使命)」

私達は、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供します。

 

Our Vision(実現したい内容)」

私達は、機械と技術の総合商社として、産業界の未来価値創造企業を目指します。

Advanced Technology for Optimum Machinery”「ATOM」

 

Our Concept(達成の為の基本的考え方)」

①私達は、社会に対する公正さを堅持し、地球環境の保全等社会の要請への積極的な対応により、企業の社会的責任を全うします。

②私達は、顧客への最適商品の供給を通じて、産業界の発展に寄与し、社会に貢献します。

③私達は、常に世界のトレンドと市場のニーズに目を向けて、先端技術商品を取り込み、新市場の開拓を行い、顧客とメーカーの信頼に応えます。

④私達は、情報力、技術力、提案力を常に錬磨し、結集して、価値を創造し、企業価値を高めて株主の負託に応えます。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当企業グループは、経営指標として、受注高・売上高の前期比成長率、各利益の前期比成長率、総資産経常利益率、売上高経常利益率、自己資本利益率(ROE)などを採用しております。これらの指標は業績拡大の目安であり、基本的に前期に比べ増加しているかどうかをもって会社成長の目安としております。特に利益額については、簡単にかつ正確に計測でき、株主をはじめとしたステークホルダーへの還元や社会貢献の原資でもある重要なものと考えております。また、連結ROEの目標は10%を継続的に維持することとしており、これにより、株主資本コスト以上の水準が確保できると考え、毎期達成努力しております。これらを重要な指標として認識し、今後も事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努めてまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

受注高

116,024

114,837

99.0

売上高

96,890

107,963

111.4

営業利益

4,396

5,102

116.1

経常利益

4,762

5,434

114.1

親会社株主に帰属する当期純利益

3,177

3,667

115.4

 

 

自己資本利益率(ROE)(%)

10.8

11.4

 

売上高経常利益率(%)

4.9

5.0

 

総資産経常利益率(%)

6.7

6.7

 

 

 

(3)中期経営計画方針

当企業グループは、業績の向上や企業体質の強化に加え、持続可能な社会の実現へ寄与することを目指し、2023年度から2025年度までの3カ年を対象とする新たな中期経営計画『ATOM2025』を策定いたしました。

 

①基本方針

新中期経営計画『ATOM2025』では、経営指標の一つとしてROEを重要視し、加えて配当性向を意識した経営を行うこと、持続可能な社会の実現に向けた社会課題の解決と積極的な情報開示を推進することを基本方針としております。スローガンのATOMとは、『Advanced Technology for Optimum Machinery』の頭文字であり、最先端の技術で最適な機械をお客様に提供することを意味しており、今後2030年度に向けて経常利益のさらなる増加を目指します。

 

②重点施策

1.重点業界の深耕

 物流、環境、自動車、健康、食品、交通インフラ、先端技術・素材関連への攻略を見据え、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。

 

2.新たな分野へのアプローチ強化

 先端半導体生産設備、ロボット(ロボティクス分野)、二次電池(EV分野)、ヘルスケア分野、物流(EC分野)、SDGs関連(環境保全・気候変動)など、新分野・新領域へのアプローチを強化いたします。

 

3.高付加価値商品の販売拡大

・モノづくり商社として、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します。

・国内外の販売ネットワークを拡充すべく地域戦略を推進いたします。また、開発商品の販売拡大を目指し、国内外子会社及び仕入先メーカーとの連携を強化いたします。

 

4.脱炭素社会における事業機会の探索

 脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の需要増加を見込んだ事業機会の探索(再生可能エネルギー・環境保全・EV・水素関連など)を実施いたします。

 

5.人的資本への投資 …人材採用・育成と社内環境整備

・一人当たりの生産性向上を図り、人的付加価値(労働生産性)の向上を目指します。

・多様な人材を採用するため、新卒の複数回採用及び経験者・有能人材採用等の採用手法の多角化を進めます。

・女性管理職候補となる対象者を増やすため、女性総合職の新卒及び経験者採用に注力するとともに、一般職からの職種転換を推進します。

・従業員の健康を向上させるための投資を行うことで、将来的に生産性と収益性の向上を目指すべく健康経営を推進いたします。

・知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。

・設備装置事業拡大のため、施工管理人員として計画的に有資格者数の拡大を図ります。

 

6.DXの推進

 DXに対する投資により、デジタル技術を活用した業務効率向上と生産性向上の実現を目指します。

 

7.サステナビリティ経営の推進

・サステナビリティ基本方針に則った各種方針(環境、品質・製品安全、労働安全、人的資本、人権、調達方針)を新たに策定し、各種方針に基づく事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。

・サステナビリティ推進委員会では、全社的なリスクや機会を抽出し、重要課題(マテリアリティ)を見直すとともに、全社方針や重要業績評価指標(KPI)の決定、取組状況のモニタリングを行います。

・事業部門と本社部門の連動により、環境・品質・人権・働き方改革など各分野におけるSDGsへの取組を加速させます。

 

 

③定量目標

指 標

2025年度目標

(財務目標)

 

経常利益 (注1)

53億円

ROE (注1)

10%

(非財務目標)

 

人的付加価値率 (注3、4)

108

女性総合職比率 (注2)

8%

男性育休取得率 (注2)

100%

特定資格保有者数 (注2、3、5)

115

 

(注)1 一時的な大口案件等を除く、ベースとなる通常営業活動によるものであります。

2 提出会社のみの数値であります。

3 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

4 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

5 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上の課題

当企業グループは、2020年度から2022年度の3年間に亘り、前中期経営計画を実施してまいりました。この間、新型コロナウイルス感染症等の影響を受け、経営環境が当初の想定から大きく変化しました。自動車・半導体関連の工場稼働率の低下や、中国のロックダウン、部品の供給不足及び物流停滞により、主な事業の業績は一時的に落ち込みました。

しかしながら、海外向け大型設備案件獲得や、衛生資材等のコロナ需要による産業資材事業の堅調な推移により、業績は緩やかでありますが回復いたしました。このような状況下において、需要に対する人材の不足感が高まり、経験者採用をはじめ人材の確保が急務となっております。

また、脱炭素社会への対応及び環境・少子高齢化をはじめとする社会課題解決に向けた需要拡大等、産業構造の変化が予測されています。このような外部環境の変化を背景として、人材の確保・育成や離職率の低減が、これまで以上に重要な課題となっております。

 

(5)対処すべき課題

当企業グループは、上述の通り中期経営計画を策定したところでありますが、現在対処すべき課題として位置づけているものは、次のとおりであります。

 

①人的資本への投資 …人材採用・育成と社内環境整備

多様な人材を採用するため、女性の総合職をはじめとする新卒の複数回採用及び経験者採用に注力し、採用手法の多角化を進めます。また、従業員の健康を増進させるための健康経営への投資、デジタル技術活用に向けたDX投資を行うことで、人材育成をはじめとする業務の改善と効率化をはかり、将来的に生産性と収益性の向上を目指してまいります。さらには、知・経験のダイバーシティ、リスキリングに向けた社内環境の整備を実施いたします。

②エリア制の進化と事業領域の拡大

当企業グループの事業領域拡大のため、営業拠点の強化をはかってまいります。各エリアにおける地域密着営業の強化を目指し、子会社の機動力をより発揮するため、地域特性に合わせた拠点の整備を行い、顧客数の増加を目指します。加えて、国内外子会社及び仕入先メーカーとの連携を強化し、販売ネットワークを拡充すべく地域戦略を推進いたします

③取扱商品・高付加価値商品の拡大

物流、環境、自動車、健康、食品、交通インフラ、先端技術・素材関連業界への深耕・攻略を見据え、新たな商品・仕入先の開拓を強化いたします。加えて、脱炭素への移行に伴う顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の増加を見込んだ事業機会の探索を実施します。また、モノづくり商社として、メーカーとの協働による新たな商品開発を進めることで、高付加価値商品の販売拡大と収益性向上の両立を目指します。

④サステナビリティ経営の推進

サステナビリティ基本方針に基づき、事業活動を通じた社会的価値の創造を目指します。また、新たに設置いたしました「サステナビリティ推進委員会」では、当企業グループのマテリアリティ(重要課題)を見直すとともに、全社方針やKPI(重要業績評価指標)の決定、取組状況のモニタリングを行います。さらには、事業部門と本社部門の連動により、様々な分野におけるSDGsへの取組を加速させます。

 

以上を重点課題と再認識し、その解決に向けて事業戦略と経営基盤強化の側面から重点施策を講じてまいります。さらには、変化する経営環境において、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。加えて、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築及び積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。

 

なお、当企業グループのSDGsへの取組活動を17の目標に対応させると次のとおりであります。

 


 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

また、サステナビリティに関しては、当社のホームページにも記載しております。ホームページアドレスは、次の通りであります。(https://tsubaki.co.jp/ja/ir/sustainability/)

 

(1)ガバナンス

① 取締役会の監督体制

当社の取締役会は、サステナビリティ課題対応を経営上の重要課題と認識し、中長期の経営戦略の中核に据えております。そして、この課題に対応するためサステナビリティ推進委員会を設置しております。同委員会は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の諮問機関として設置しており、管理部門を総括する取締役を委員長とし、他に取締役1名及び経営戦略担当の常務執行役員、財務・人事部門を担当するそれぞれの上席執行役員を委員とする5名体制であります。同委員会は、当企業グループのサステナビリティ課題に関する重要方針やその施策について取締役会、経営会議、執行役員会に適宜報告・連携することで、経営トップ層間の意思統一と周知徹底を図っております。

取締役会は同委員会での結論を、経営会議を経て報告を受け、必要に応じ「リスク」及び「機会」を検討し審議を行い、審議の結果を同委員会へ承認・指示する体制となっております。

同委員会は、毎年少なくとも1回は開催され、取締役会に対し開催内容についての報告を定期的に実施することになっております。また、取締役会から指示を受けた経営戦略上や事業運営上の課題への対応策について、該当部門に確実に実施させるべく適宜にサポート・進捗管理することで改善策実施の確実性を図っております。

 

(サステナビリティ推進体制図)

 


 

② 経営陣の役割

当社は、代表取締役社長が議長を務める経営会議の意思決定の諮問機関であるサステナビリティ推進委員会を設置しております。

同委員会は、管理部門を総括する取締役を委員長とし、他に取締役1名及び経営戦略担当の常務執行役員、財務・人事部門を担当するそれぞれの上席執行役員を委員とする5名体制で、経営戦略上や事業運営上の課題に対処することにしております。

同委員会は下部組織として、分野別に実務担当者を中心とした複数のサステナビリティ推進実行チームがあり、同実行チームから経営戦略上や事業運営上における気候変動課題や人的資本・多様性課題を含む、当企業グループに関するサステナビリティ課題全般への対応策を検討する報告を適時に受け、それに対し具体的な対応策の検討を行っており、この対応策を代表取締役社長が議長である経営会議を経て取締役会へ報告いたします。

取締役会は、これらのサステナビリティ経営重点テーマやKPI(重要業績評価指標)をグループ全体で共有させ、目標達成に向けた進捗管理を行い、グループ全社員が一丸となって事業を通じた社会課題の解決に取組めるように、企業として非財務情報の充実及び積極的な情報開示が可能になるように、サステナビリティ推進委員会を主導いたします。

なお、サステナビリティ課題全般に対応できるよう、下記の通り、取締役会にて承認したサステナビリティ基本方針を策定し、活動の基本方針としております。

 

(サステナビリティ基本方針)

当企業グループは、「吾々は社業を通じて、社会に貢献することをモットーとする。」という社是に基づき、機械と技術のプロフェッショナル集団として、社会に対し価値を提供するべく変革と進化を続け、産業界の未来価値創造に貢献してまいります。加えて、持続可能な社会の実現に向けて、環境問題をはじめとする社会課題の解決に積極的に取組むと同時に、それを実現するための透明性ある経営体制の構築及び積極的な情報開示を実施し、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指します。

 

(2)リスク管理

① サステナビリティ関連リスクの識別・評価・管理プロセス

当企業グループでは、サステナビリティ推進実行チームを中心にサステナビリティ関連リスクの特定・評価を実施しております。サステナビリティ関連リスクのうち、気候変動に関連するリスクについては、シナリオ分析を基本として識別し、評価しております。また、人的資本・多様性に関するリスクについては、当企業グループの人材育成方針や社内環境整備方針に基づいて人材育成や登用等の進捗状況を踏まえ、評価しております。

特定・評価された重要なリスクは適宜、サステナビリティ推進委員会から取締役会・経営会議に報告する体制であり、リスクの共有をすると同時に適切な対応策の検討が行われております。具体的には、サステナビリティに関するリスクのうち、経営戦略上・事業運営上のリスクについては必要に応じて経営会議や取締役会において審議しており、適宜リスクマネジメント委員会と連携しつつ、当該リスク事象の発生の回避及び発生した場合の対応策を検討しております。

 

② 上記プロセスとリスク管理全体との統合状況

当企業グループでは、リスクマネジメント規定を制定しており、取締役会の下に置いたリスクマネジメント委員会がグループ全体のリスク全般の監視及び対応について主導しております。

リスクマネジメント委員会は、年2回定期的に行うことと規定に定めており、サステナビリティ推進委員会と適宜連携しつつ、気候関連リスク及び人的資本・多様性に関するリスクに関するリスクを含め、事業等のリスクに記載している主要なリスクを含む全社的なリスクの特定及び評価を行っております。また、特定された重要なリスクについては、対応策の検討を行うために必要に応じて臨時に委員会を招集することにもなっております。

 

(3)戦略

① 気候変動に関する当社の取組

当企業グループでは、社是に準じるミッション・ステートメントの中にもある通り、従来から省エネ・環境関連機器(バイオマス機器、低炭素排出焼却炉、EV関連部品、水素関連装置、インフラ関連機器、風力発電関連部品等)を幅広く販売することで、地球環境の保全等社会の要請に対応してまいりました。今後は、中長期的に社会全体が脱炭素に移行する中で、顧客ニーズの変化による脱炭素関連製品の取扱いが更に増加すると考えております。営業部門においては、これらの省エネ・環境関連機器の販売が客先や社会全体へ役立つものとの信念を持ち続け、販売増加に努めております。また、ホームページや社外広報活動を通じて、当企業グループの取扱商品を広く周知する活動も実施しております。

一方で、TCFDの考え方に基づき、当企業グループにおいて気候変動リスク・機会が事業の戦略・財務計画に及ぼすインパクトを評価しております。この中で、シナリオ分析においては、2度シナリオ、4度シナリオを採用しております。2度シナリオにおいては、リスクの顕在化が想定される移行リスクの検討を行っており、4度シナリオにおいては、物理リスクの検討を実施しております。

なお、2度シナリオ、4度シナリオにおいても、当企業グループの事業における気候変動リスクに対するレジリエンスは確保されていると考えております。今後も引き続き、シナリオ分析及び財務インパクトの影響の精緻化、リスク・機会及び対応策の経営計画への具体的な反映を通じて、気候変動対応を進めていきたいと考えております。

 

 

② 人的資本・多様性に関する当社の取組

当企業グループは、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供することを企業ミッションとしております。そうしたミッション実現のためには、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるための、人材育成や社内環境整備が重要であるとの認識に基づき、具体的に以下の通り方針を定め、人材への投資を積極的に行っております。

 

(人材の多様性の確保を含む人材の育成方針)

機械と技術の総合商社として産業界の顧客に新たな価値を提供するために、異なるバックグラウンド、知識、スキルを持った社員一人ひとりが相互啓発し合うことで自律的な成長を促し、その能力を最大限発揮できる人材配置を行っていくことを人材育成の基本方針としております。

 

(社内環境整備方針)

当企業グループは、社員一人ひとりが自律的に成長し、その能力を最大限発揮できるよう、自由闊達で健全なる社内環境の整備を進め、多様で柔軟な働き方の実現に向けて取組むことを方針としております。

 

(4)指標及び目標

① 気候関連リスクの指標及び目標

当企業グループでは、気候変動に関連するリスクと機会を評価する指標として、当企業グループのGHG排出量(グループの国内全拠点におけるScope1、Scope2排出量)を採用しております。当企業グループのGHG排出量の推移は下記の通りであり、2022年度においては、2013年度比で約28%の削減となっております。再生可能エネルギーの活用などの脱炭素に向けた各種取組等により2030年度には2013年度比50%削減、2050年にはカーボンニュートラルの達成を目指します。

 

(GHG排出量)

 

排出量(t-CO2)

割合(%)

 

 

うちScope1(注1)

うちScope2(注2)

 

2013年度実績

1,293

710

583

100.0

2019年度実績

1,076

585

492

83.2

2020年度実績

983

515

468

76.0

2021年度実績

968

513

456

74.9

2022年度実績

928

533

395

71.8

 

(注)1 Scope1とは、自ら排出した温室効果ガスの直接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の燃料使用量(ガソリン、軽油、重油、都市ガス、LPG)から算出しております。

2 Scope2とは、他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出量と定義されております。従って、当企業グループの国内全拠点の電気使用量から算出しております。

 

② 人的資本・多様性関連リスクの指標及び目標

当社では、人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標として、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」欄における女性活躍推進法等に基づく「女性管理職比率」「男性の育児休暇取得率」「男女間賃金格差」の3つの指標に加え、人材育成・社内環境整備方針に関する指標として、下記の通りの指標を採用しております。

 

(人的資本・多様性に関連するリスクを評価する指標)

項目

2022年度実績

2025年度目標

人的付加価値率(注2、3)

100

108

女性総合職比率(注1)

5%

8%

男性育休取得率(注1)

82%

100%

特定資格保有者数(注1、2、4)

100

115

 

(注)1 提出会社のみの数値であります。

2 2022年度を100とした場合の指数表示であります。

3 付加価値額(連結売上総利益)を連結人件費総額で割ることにより算出しております。

4 各種の特定資格のうち、当社の業務遂行上、特に重要な指標として監理技術者資格保有者数を抽出し、指数化しております。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当企業グループはこれらのリスクの可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。特に、経営戦略上のリスクについては、必要に応じて経営会議や取締役会において審議を行っており、事業運営上のリスクについては、必要に応じて執行役員会において議論し、対応策を検討しております。また、それらを組織的かつ体系的に管理する必要があるため、リスクマネジメント規定を制定し、グループ全体のリスク全般の監視及び対応を当社のリスクマネジメント委員会が主導しております。

一方、サステナビリティの課題に関しては、当社にサステナビリティ推進委員会を設置した上、当企業グループの各部門から実務担当者を中心に選抜し、気候変動リスク及び人的資本・多様性リスクを中心にその回避策を策定し、グループの持続的成長を阻害する中長期的なリスク要因を特定・評価しております。特定・評価されたリスクが重大である場合は連携したリスクマネジメント委員会とともに取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。なお、以下の記載は当企業グループに関するリスクをすべて網羅するものではありません。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づいて当企業グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境にかかるリスク

①設備投資需要の変動
当企業グループの主力事業である動伝事業及び設備装置事業の売上は、各産業界における設備投資の動向や、メーカーの製品に組み込まれる部品供給量に大きく依存する傾向にあります。従って、景気の低迷等により設備投資や部品供給量が抑制される場合には、当企業グループ全体の業績に少なからぬ影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、グローバルでの経済状況の変化を注意深く見守り、各業界の設備投資需要やメーカーの生産計画の予測情報を入手するなどして、状況に応じた対応を迅速に取れるように対策を行っております。これらについては、定期的に取締役会や執行役員会で報告、検討をしております。

 

②競合の激化

当企業グループが関連するそれぞれの事業分野において、競合会社との競争激化により、価格競争や品質競争の結果、売上高や利益が減額するという事態になり、業績に悪影響が出る可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、各事業分野において、顧客価値を高める新商品の開発を継続的に実施しており、また、従来商品については、得意とするエンジニアリング力を生かしたトータルな設備導入提案を実施すること、顧客ニーズを徹底的にくみ取った商品提案を実施することなどにより、付加価値を高めた商品販売に尽力しています。これらについては、定期的に取締役会や執行役員会で報告・検討をしております。

 

③人材の確保

当企業グループの中長期的な成長は、従業員個々の力量に大きく依存しております。当企業グループで最も重要な資産は人材であるという認識のもと、人材の配置・育成を推進しておりますが、適切な時期に優秀な人材を計画通りに確保できない場合や人材育成や登用が長期間に渡る場合などは、当企業グループの中長期の成長が阻害される恐れがあります。

これに対し、当企業グループでは、上記をサステナビリティ関連リスクと認識し、人的資本・多様性リスクに対処するためにサステナビリティ推進委員会での中心テーマに据えております。この中で、人材育成と登用が現在の対処すべき課題に加え、将来のリスクでもあるものと認識しており、当社独自のきめ細かい人事制度の検討やOJTをはじめとした社員教育、ITを利用した合理化努力などを継続的に実施しております。

 

④海外事業の拡大と為替レートの変動

当企業グループでは、東南アジアを中心とした海外市場において事業の拡大を図っております。このため、海外子会社の進出地域を中心にそれぞれの国や地域において、テロや政情悪化、商習慣の違い等が発生した場合には、当該子会社の業績悪化に加え、当企業グループの海外における業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、海外の事業環境の全般についての情報については、海外子会社や駐在員事務所を通じ、必要に応じ収集することにしております。特にアジア各国企業・業界の設備投資動向、環境関連規制、輸出入関連規制等が当企業グループの業績へ与える影響を中心に情報収集しております。

また、在外連結子会社の売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成において円換算するため、換算時の為替レートが大幅に変動した場合には、円換算後の価値も大幅に変動し、当企業グループの経営成績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、為替相場の変動による影響を受ける外国通貨建ての取引については、外貨預金口座を通じての決済や為替予約取引等を原則とすることとしており、為替変動リスクをヘッジしております。

 

(2) 事業運営にかかるリスク

①長期大型工事案件の想定外の採算悪化や工期の遅延

工事の進捗度に基づく売上を計上する物件などの長期大型工事案件については、仕様変更や追加工事、下請業者や協力工場の経営悪化、納期遅延の要因等により追加原価の発生や工期遅延が発生する可能性があります。また、案件によっては将来の工事損失計上に備えるため、工事損失引当金の計上をする場合があり、それらにより収益性が低下する恐れがあります。

これに対し、当企業グループでは、工事ごとの管理体制を整備し、受注時における見積及び受注後の進捗管理を厳正に管理しております。採算性に変化があった場合は、速やかに見積原価の変更を行うなど、売上計上時に相応の精度を確保するように徹底しております。

 

②売上時期の変動

設備物件の顧客納期は年度末である3月期末時に集中する傾向にあります。従って、納品・稼動時期の遅れにより3月末予定の売上が翌期にずれ込む場合には、当企業グループの事前に予想していた期間の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、客先・仕入先との納品・稼働時期に関するスケジュール管理を厳格にするために、情報交換を緊密にすることを日頃から該当部門に指示することをはじめ、執行役員会では、各部門の当初の売上計画に対する進捗度を毎月報告するなどにより状況の推移を監視しており、可能な限り正確な3月末予定売上額の把握に努めております。

 

③与信管理

当企業グループの販売先は1万数千社を超える社数となっており、それら販売先には中小の事業者が相当数存在し、設備投資の状況等国内景気の動向によっては、今後、貸倒引当金の積増しを要する事態や貸倒損失が生じる可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、与信管理室を中心に、債権管理には各販売先別にその業容、資力に応じた与信設定を行うと共に、必要に応じ預り保証金の入手を行うほか、年1回必ずその見直しを実行し、信用状態の継続的な把握を行っており、不良債権の発生が極力少なくなるよう努めております。また、貸倒引当金の計上に関しては、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

 

④情報セキュリティ

当企業グループでの情報セキュリティを構築する上で、コンピュータウイルスの感染や不正アクセスその他不測の事態により、社外に情報が漏洩した場合は、当企業グループの社会的な信用力の低下を招き、業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当企業グループにおける情報セキュリティの確保については、サイバー攻撃に強いシステムの導入を行うとともに、個人情報や機密情報の保護のためグループ管理体制の下で徹底を図り、定期的に情報セキュリティ上の脆弱性の検証を行い、それに対する対策を行っております。

 

⑤有価証券投資

当企業グループでは、グループ企業の株式を保有すると共に、事業上の関係緊密化及び投資採算性等に鑑み、客先・仕入先・金融機関等に対し有価証券投資を行っております。有価証券投資は主として当社が行っており、連結貸借対照表上に計上されている投資有価証券の大半は、当社が保有するものであります。これらの時価については、今後の経済環境や企業収益の動向によって大幅に下落する可能性があります。また、「その他有価証券」で市場価格のないものについては、移動平均法による原価法で評価しておりますが、今後、投資先企業の財政状態が著しく低下したこと等の事実がある場合には評価減を行う可能性があります。

これに対し、当社では年度末において、保有の合理性を検証しながら継続保有が適当かどうかの判断を銘柄ごとに取締役会で審議しております。

 

(3) 環境・災害、その他にかかるリスク

①災害の発生

大地震等の自然災害や突発的な事故等によりグループの事業活動が不能になる場合に加え、客先・仕入先において生産設備等に多大な損害を受けた場合やインフラに問題が発生した場合には、予定している機械設備等の販売・仕入に支障が生ずる可能性があります。また、感染症の発生等により当企業グループの活動全般が阻害された場合には、当企業グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、自然災害に対し当企業グループに被る災害・事故等の発生を防ぎ、災害が発生した場合の被害を最小限に抑えるために、定期的に設備点検、防災訓練等を実施しており、社員の安否確認システムも導入しております。また、BCP(事業継続計画)を作成しており、業務全般の地域分散対応(他地域にて業務を代替して継続すること)や、営業活動や商品納入指示活動が在宅でも一部実施可能な仕組みを導入しております。これにより被災時でも重要な事業を継続し、早期に事業復旧できるよう準備を行っております。

気候変動リスクに関しては、産業革命前からの気温上昇を+2℃未満に抑えるシナリオ(主として移行リスク)においては、社会の脱炭素化に向けた規制強化によるコストの増加(炭素税等)が業績に与える可能性があります。一方、産業革命前からの気温上昇が+4℃となるシナリオ(主として物理リスク)においては、自然災害の甚大化の影響を被り、上記のような具体的な支障が生ずる可能性があります。

これに対し、サステナビリティ推進委員会を設置し、当企業グループ全体にわたる気候変動リスクや人的資源・多様性リスクを特定・評価しております。このうち、気候変動に関連する移行リスク及び物理リスクについては、シナリオ分析を踏まえたうえで、リスクと機会を特定し、財務的な影響を踏まえて重要性を評価し、対応策を合わせて検討することにしております。又、特定・評価されたリスクは適宜取締役会等に報告し、適切な対応策の検討をすることとしております。

 

 ②訴訟の提起

当企業グループでは、グローバルで多岐にわたる事業展開をしており、様々な訴訟を受ける可能性があります。訴訟が提起された場合に、その結果によっては、当企業グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、事業に関わる各種法令を遵守するとともに、当事者との協議の実施に努めるなどにより紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。

 

 ③特定の仕入先への依存

当企業グループにおいて、重要な仕入先として株式会社椿本チエイン及びそのグループ会社があります。

株式会社椿本チエイングループの製品は当企業グループの事業戦略展開上の重要なコアの一つであり、当企業グループ全体の仕入金額の約30%を占めております。同社製品の供給が万一滞る事態が発生する場合には、当社の商品販売について客先への商品納入義務や納期を遵守できない可能性があり、売上高も減少する可能性があります。

これに対し、当企業グループでは、同社グループと緊密な情報交換等を実施し、同社グループの生産計画等の情報も入手しながら継続的な商品供給体制を構築しております。

 

 

上記のリスクに関する発生可能性と影響度としての評価は、下記のとおりであります。

 

(リスクマップ及び凡例)

 


 

事業等のリスク

事業環境にかかるリスク

設備投資需要の変動

 

競合の激化

 

人材の確保

 

海外事業の拡大と為替レートの変動

事業運営にかかるリスク

長期大型工事案件の想定外の採算悪化や工期の遅延

 

売上時期の変動

 

与信管理

 

情報セキュリティ

 

有価証券投資

環境・災害、その他にかかるリスク

災害の発生

 

気候変動による移行リスク、物理リスク

 

訴訟の提起

 

特定の仕入先への依存

 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当企業グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状況、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

①経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度における世界経済は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の継続や原油をはじめとする資源価格の高騰に加え、各国の政策金利上昇による金融不安まで発生したことなどにより不安定な状況が継続いたしました。国内においても、為替相場の急激な円安による資源・エネルギー価格の高騰が続く中、新型コロナウイルス感染症も完全には終息せず、いずれも企業経済活動に引き続き影響を及ぼしました。

このような状況下にあって、当企業グループでは、お取引に関わる全ての皆様の安全・健康を第一に考え、新型コロナウイルス感染症の感染防止に努めながら企業活動を拡大してまいりました。また、発生した仕入商品不足や納期遅延、商品価格値上げの影響などにも出来る限りの対応努力をしてまいりました。特に、中国における大口案件を含む工事案件については原価管理や進捗管理を慎重にしながら受注残高を消化してまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は3期ぶりに1,000億円を超え過去最高となり、コロナ前の水準に戻りました。利益面では、売上高が増加したことに加え、経費使用を必要最小限にとどめた結果もあり、前年同期に比べ大幅に増加いたしました。また、受注高につきましても引き続き高水準を維持しており、受注残高は年度末残高として過去最高となりました。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

受注高

116,024

114,837

99.0

売上高

96,890

107,963

111.4

営業利益

4,396

5,102

116.1

経常利益

4,762

5,434

114.1

親会社株主に帰属する当期純利益

3,177

3,667

115.4

 

 

自己資本利益率(ROE)(%)

10.8

11.4

 

売上高経常利益率(%)

4.9

5.0

 

総資産経常利益率(%)

6.7

6.7

 

 

 

受注高は、前連結会計年度に比べ1.0%減少し、1,148億37百万円となりました。当連結会計年度についても新型コロナウイルス感染症の影響下、将来の売上高につながる受注獲得に特に注力いたしました。この結果、比較的好調な業種、即ち、半導体製造設備メーカー、食品・物流業界、環境関連設備業界向けの受注を中心に獲得することができました。

売上高は、前連結会計年度に比べ11.4%増収の1,079億63百万円となりました。営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は、それぞれ51億2百万円(前期比116.1%)、54億34百万円(前期比114.1%)、36億67百万円(前期比115.4%)となり、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。

この経営成績の主な要因は、比較的好調な業種に対して受注活動に注力した結果として、売上高もそれにつれ増加したものであります。また、中国における大口受注設備も、工事の進捗に応じその一部を売上計上しておりますので売上高に積み増しすることができました。一方、売上高増額の結果に加え交通費を中心とした経費削減を徹底して行いました結果、利益額も増加いたしました。

海外市場におきましては、新型コロナウイルス感染症からいち早く回復した中国を中心に、順次売上高が回復基調となりました。

 

②経営指標による連結経営成績の状況

経営指標による連結経営成績の状況は、上記の状況の結果、受注高の前期比成長率が△1.0%、売上高の前期比成長率が11.4%、営業利益の前期比成長率が16.1%、経常利益の前期比成長率が14.1%、親会社株主に帰属する当期純利益の前期比成長率が15.4%となりました。売上高経常利益率は5.0%、総資産経常利益率が6.7%、ROEが11.4%となり、前連結会計年度に比べ受注高以外の全ての指標において増加いたしました。これは、売上高増収に伴う利益額の増加が最大の要因でありますが、比較的利益率の高い設備装置部門や国内子会社の売上高の増加、経費削減効果が、営業利益率の増加となって現れております。また、かねてより10%維持を目標としているROEは11.4%となっており、収益力維持に努めている結果が反映していると考えております。

今後の当企業グループの企業活動は、コロナ前の水準へ戻りつつあり、受注高・売上高の拡大並びに収益力を堅持し、客先をはじめとするステークホルダーへの貢献や、喫緊の課題である環境問題への対処などの社会的責任について事業を通じて果たしていきたいと考えております。

 

③報告セグメントの業績の状況

 報告セグメントの業績は次のとおりであります。

  (単位:百万円)

 

受注高 (外部顧客からの受注高)

売上高 (外部顧客への売上高)

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

東日本本部

37,613

40,140

106.7

34,872

36,280

104.0

西日本本部

46,941

39,001

83.1

33,143

39,969

120.6

中日本本部

14,345

15,717

109.6

12,500

13,270

106.2

開発戦略本部

17,124

19,976

116.7

16,373

18,442

112.6

合計

116,024

114,837

99.0

96,890

107,963

111.4

 

 

(東日本本部)

北海道・東北・甲信越・関東地区が担当エリアであり、全体の売上高の約34%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、362億80百万円(前期比104.0%)となりました。当年度は、動伝部品は半導体製造装置関連を中心に売上高が回復したものの、設備装置関連の売上高は、新型コロナウイルス感染症による活動制限の影響や納入機器の納期遅れ等が発生し、年度末近くの納期案件の売上時期が想定より遅れ気味となったことから伸び悩みました。この結果、営業利益は、17億5百万円(対前期2億49百万円減)となりました。受注高につきましては401億40百万円(前期比106.7%)と、前期に比べ大幅増額となりました。この結果、受注残高も着実に増加していることから、来年度の売上高に反映できるものと考えております。

 

(西日本本部)

北陸・関西・中国・四国・九州地区が担当エリアであり、全体の売上高の約37%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、399億69百万円(前期比120.6%)となりました。当年度は、食品・物流業界向けの設備装置関連を中心に売上高の増加傾向が強く、一般産業・重工業向け等の動伝部品販売も堅調に推移いたしました。また、中国における大口案件の工事進捗も順調に推移し、来年度分には若干額の売上を残すのみとなりました。営業利益は、31億89百万円(対前期8億37百万円増)となりました。これは、上記の大口設備装置分の利益計上に加え、部品需要の売上増による増益の影響であります。受注高につきましては390億1百万円(前期比83.1%)となりました。受注高及び受注残高につきましては、中国の大口案件の影響により減額しているものの、それを除いた金額では前年同期を大幅に上回りました。

 

 

(中日本本部)

東海地区が担当エリアであり、全体の売上高の約12%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、132億70百万円(前期比106.2%)となりました。当年度は、設備装置関連については、前半に新型コロナウイルス感染症拡大により営業活動が制約されたため、自動車関連業界へのアプローチ不足となり、当年度を通じた売上高は前年同期に届かなかったものの、後半には受注活動が本格活動可能となったため、受注高や受注残高は、年度全体として前年同期を上回る増加となりました。一方、重工業向けや一般機械部品を中心とした動伝部品の売上高は前年同期に比べ増加いたしました。営業利益は、6億31百万円(対前期1億15百万円増)となりました。受注高につきましては157億17百万円(前期比109.6%)と増額いたしました。

 

(開発戦略本部)

当企業グループ全体の海外ビジネスやマテリアルビジネスを担当し、それらビジネスの拡大や、制御・センシングビジネスに向けた新商品の開発にも取組んでいる部門で、その売上高は全体の約17%を占めております。

当連結会計年度の売上高は、184億42百万円(前期比112.6%)となりました。当年度は、海外子会社については、中国において国内経済が回復傾向となった影響で、売上高が増加いたしました。その他のアジア各国は、年度前半に新型コロナウイルス感染症拡大により営業活動が制限されたものの、後半にかけ売上高は回復傾向となりました。また、マテリアルビジネスについては、海外展開している紅茶包装機等について、欧米顧客に向けた営業活動が新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢により制限され、売上高が伸び悩んだものの、介護・衛生関連商品にかかる不織布や一般消費財等を中心に売上高が増加したため、全体として前年度に比べ増収となりました。新規事業であるセンシング・画像処理ビジネスは、新規受注も前年同期に比べ着実に増加し、子会社を通じた売上高も増加しております。この結果、営業利益は8億75百万円(対前期2億1百万円増)となりました。受注高については、海外子会社の活動拡大や介護・衛生関連商品にかかる不織布等の引合いが好調であったこと、また、新規事業であるセンシング・画像処理ビジネスも確実に受注額が拡大していることから、受注高については199億76百万円(前期比116.7%)と増額いたしました。受注残高も前期に比べ増加しておりますので、これが今後の売上増加に寄与していくものと考えております。

 

(2)受注、販売及び仕入の状況

当連結会計年度における報告セグメントの業績を一覧表として示すと以下のとおりであります。

 

①受注実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

  東日本本部

37,873

40,461

106.8

  西日本本部

47,790

40,593

84.9

  中日本本部

14,763

16,040

108.6

  開発戦略本部

17,981

21,354

118.8

  調整額

△2,383

△3,611

合計

116,024

114,837

99.0

 

 

②受注残高実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度末

当連結会計年度末

前期比(%)

  東日本本部

20,544

24,568

119.6

  西日本本部

28,182

27,703

98.3

  中日本本部

5,864

8,138

138.8

  開発戦略本部

5,414

7,277

134.4

  調整額

△2,004

△2,813

合計

58,001

64,875

111.9

 

 

③販売実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

  東日本本部

35,169

36,436

103.6

  西日本本部

33,775

41,073

121.6

  中日本本部

12,941

13,766

106.4

  開発戦略本部

16,963

19,490

114.9

  調整額

△1,959

△2,803

合計

96,890

107,963

111.4

 

 

④仕入実績

(単位:百万円)

セグメントの名称

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

  東日本本部

29,982

31,524

105.1

  西日本本部

28,550

35,328

123.7

  中日本本部

10,938

11,684

106.8

  開発戦略本部

14,855

16,743

112.7

  調整額

△1,959

△2,803

合計

82,368

92,477

112.3

 

 

(3) 財政状態の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

流動資産

64,317

71,049

6,732

固定資産

12,456

13,424

968

資産合計

76,773

84,474

7,701

 

 

流動負債

43,435

47,730

4,295

固定負債

2,575

2,704

128

負債合計

46,010

50,434

4,423

純資産合計

30,762

34,039

3,277

 

 

自己資本比率(%)

39.8

40.0

 

 

 

当連結会計年度末の資産合計は844億74百万円であり、前連結会計年度末の767億73百万円に比べ、77億1百万円増加いたしました。このうち流動資産は、前連結会計年度末に比べ、67億32百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金が53億23百万円、商品及び製品と仕掛品が合計で8億67百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ、9億68百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券の時価が上昇したことにより前連結会計年度末に比べ5億55百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の負債合計は504億34百万円であり、前連結会計年度末の460億10百万円に比べ、44億23百万円増加いたしました。このうち流動負債は、前連結会計年度末に比べ、42億95百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金と電子記録債務が合計で48億30百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ、1億28百万円増加いたしました。主な要因は、繰延税金負債が1億38百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末の純資産合計は340億39百万円であり、前連結会計年度末の307億62百万円に比べ、32億77百万円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を36億67百万円計上した一方で、配当金の支払い9億48百万円を実施したこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は40.0%となり、財務安全性指標として維持する目標の30%を大きく超え、前連結会計年度に引き続き財務安全性を確保することができました。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

6,570

6,716

145

投資活動によるキャッシュ・フロー

△152

△461

△308

財務活動によるキャッシュ・フロー

△808

△971

△162

現金及び現金同等物の期末残高

17,604

22,927

5,323

 

 

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、資金)は、229億27百万円となり、前連結会計年度末より53億23百万円増加いたしました。当年度は、中国における大口の設備装置売上にかかる仕入代金の決済が次年度となったことから、現金及び現金同等物が一時的に大幅な増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ1億45百万円多い67億16百万円となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益は54億34百万円、仕入債務の増加額48億7百万円等による資金の増加があった一方、法人税等の支払額19億32百万円、棚卸資産の増加額8億83百万円等の資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億8百万円多い4億61百万円となりました。

これは主に、当年度には固定資産の取得が増加し、3億65百万円の支出があったため資金の使用が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によって使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億62百万円多い9億71百万円となりました。

これは主に、配当金の支払額9億48百万円等の資金の減少によるものであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

①財務戦略の基本的な考え方

当企業グループは、強固な財務体質と資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。当連結会計年度末の自己資本比率は40.0%でありました。また、短期・長期借入金は必要最小限となるよう資金繰りを徹底し、増加運転資金には手元資金を効率的に運用することで対応しており、加えて、万一に備えての資金調達が行えるよう金融機関と貸出コミットメント契約を締結しております。一方、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストを低減できる様に努めております。

 

②経営資源の配分に関する考え方

当企業グループでは、適正な手元現預金の水準について目安を持っており、時期によっては、大口取引案件にかかる残高の上下があるものの、概ね年間売上高の1~2か月分が安定的な経営に必要な手元資金水準と考えております。この水準を大きく超えることが継続すると予想されるものについては、企業価値向上に資する経営資源として適正に配分できるように努めております。

 

③資金需要及び資金調達

資金需要につきましては、売上原価又は棚卸資産に該当する仕入高、並びに販売費及び一般管理費の営業費用が、当企業グループの運転資金として要する主なものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費、出張旅費を主体とする旅費交通費、及び事務所家賃を主体とする地代家賃であります。

また今後、当企業グループの新たな収益の源泉となり、企業価値向上に貢献していくとの判断から、新規事業や海外事業について子会社の新設やM&Aも含めた投資の検討を行ってまいります。

資金調達につきましては、手元資金を効率的に運用することで対応しており、加えて、万一に備えての資金調達が行えるよう金融機関と貸出コミットメント契約を締結しております。

 

(6)重要な会計方針及び見積り

当企業グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」の項目に記載の通りであります。重要な見積りについては、財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り・予測・判断が必要となり、当企業グループでは過去の実績値や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報に基づき、継続的に見積り・予測・判断を行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 

当企業グループにおける重要な見積りとして、以下の事項が考えられます。

(進捗度に基づく売上高の計上)

 進捗度に基づく売上高の計上は、工事ごとの管理体制を整備した上で、受注時に工事内容が特定され、その見積原価が反映していること、また受注後に工事内容に変化があった場合には、速やかに見積原価の変更を行うなど進捗管理を厳正に管理することで進捗率を合理的に見積り、それに見合った売上高を算定しております。

 これらの見積りに対し、将来発生する様々な要因に伴い追加原価及び工期遅延が発生する可能性があるため、実際に生じた金額が見積りと異なる可能性があります。

 なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」として記載しております。

 

(7)その他

①重要な取引先との関係

当企業グループにおいて、重要な取引先として株式会社椿本チエイン及びそのグループ会社があります。その取引内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」の事項に記載の通りでありますが、株式会社椿本チエイングループの製品は当企業グループの事業戦略展開上の重要なコアの一つであり、従来から販売面のみならず、商品開発面及び相互間の業務処理の効率化といった面から継続的な協力・協働を進めてきております。同グループ製品群に係る市場でのコスト面、品質面での競争は激化しており、製・販一体となった更なる販売力・商品力の強化が求められております。

このような状況を踏まえ、当企業グループは、株式会社椿本チエイングループと共に統一した営業戦略の下での協力・協働関係を更に強化することとし、ターゲットとした事業領域・商品領域については、両者によるワーキングチームの編成等、一歩進めた共同営業の展開により同グループ製品の販売拡大を図って行くと共に、IT化により、相互間の事業処理面でも効率化を更に進めていくこととしております。

 

②資本収益性や市場評価への対応

当連結会計年度につきましてはROEは11.4%となり、株主資本コストを上回る資本収益性は達成できていると認識しております。しかしながら、以下の通り、PBR(株価純資産倍率)は1倍を割れている状況であり、十分な市場評価を得られておりません。このため、株主資本コストや資本収益性を十分に意識し、ROE10%を毎期継続して達成することを中期経営計画にも反映しております。更には、ROE向上のための資本政策や利益計画を策定し、投資家をはじめとするステークホルダーの期待に応えながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を図ってまいります。

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

ROE(自己資本利益率)(%)

10.8

11.4

連結会計年度末株価終値(円)

3,660

4,135

1株当たり純資産額(円)

4,884.10

5,396.74

PBR(株価純資産倍率)(倍)

0.75

0.77

 

(注)1 上記の連結会計年度末株価終値は、東京証券取引所におけるものであります。

2 PBRは、各年度末の株価終値を1株当たり純資産額で割って算出しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。