当社を中心とする神奈川中央交通グループは、以下のとおり経営理念を掲げ、事業活動を通じて社会に貢献するとともに、関わり合うすべてのステークホルダーの発展と企業価値の向上を目指すことを経営の基本方針としております。
当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、持ち直しの動きが見られるものの、人口減少や新しい生活様式の定着などにより、特に一般旅客自動車運送事業において、コロナ禍以前の需要には戻らないことが想定されます。また、持続可能な社会の実現に向けて、カーボンニュートラルやSDGsなど、企業のサステナビリティへの取り組みがより重要視されております。
このような状況のもと、当社グループがさらなる成長を志向するためには、バス事業を中心として、多様化するお客さまニーズに合わせたビジネスモデルを構築し、新たなサービスの創造に挑戦していかなければなりません。そして、ESGなどサステナビリティの視点に立った経営を進め、企業価値の向上に努めるとともに、当社ステークホルダーからの「信頼」を高めていく必要があります。
2021年4月に策定いたしました中期経営計画(2021年度~2023年度)では、さらなる成長を遂げるため、「多様化するお客さまニーズに応え続けるために、時代の変化に柔軟に対応し、新たなサービスの創造に挑戦し続ける」をありたい姿に掲げ、以下の重点課題に取り組んでおります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 持続的な成長を支える基盤づくり
新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループが営む多くの事業に対し深刻な影響を与えております。当社グループは本中期経営計画(2021年度~2023年度)の3ヵ年を「体質変革期」と位置付け、構造改革による生産性の向上に取り組み、コロナ禍で悪化した収益力の回復と財務状況の改善に努めてまいります。また、成長の原動力となる社員の働きがいを創出するために業務改革や職場環境の整備を推進するとともに、ESGの視点に立った経営に取り組み、当社グループの持続的な成長を支える基盤を構築してまいります。
② モビリティサービスの変革
一般旅客自動車運送事業は、少子高齢化や人口減少による人口構造の変化に加えて、コロナ禍における「新しい生活様式」の定着に伴い、旅客人員が大幅に減少しております。コロナ収束後も感染症拡大前の水準には戻らないと推測され、事業を存続していくためには、抜本的な対策を講じていかなければなりません。一方で、テクノロジーの進化により、自動運転実現に向けた取り組みや、交通を中心に多様なサービスを統合するMaaSの実証実験が進むなど、新たなモビリティサービスを提供できる土壌が形成されつつあります。当社グループは、これまで築き上げてきた神奈中ブランドに「先進性」を加えることで、新たなモビリティサービスの創出を目指すとともに、需要の変化に柔軟に対応したサービスの提供と、安心・快適な旅客輸送に努めてまいります。
③ 「ゆたかなくらし」への貢献
当社グループでは、一般旅客自動車運送事業を中心に不動産事業、レジャー・スポーツ事業、飲食・娯楽事業など、生活に密着した様々なサービスを通じて、長年にわたり地域の人々のくらしを支えてきました。コロナ禍における「新しい生活様式」の定着は、当社グループのお客さまの行動や価値観を大きく変化させております。この変化に柔軟に対応するため、お客さまのニーズを的確に捉え、先進のテクノロジー等を活用しながら、新たな生活サービスの創出に努めてまいります。また、SDGsの目標達成への貢献と、地域社会の課題に意欲的に取り組み、新たなニーズを自社の強みで解決していくことで、「ゆたかなくらし」の実現に貢献してまいります。
(3) 目標とする経営指標
持続可能な経営を実現するために、本中期経営計画(2021年度~2023年度)の3ヵ年を「体質変革期」と位置付け、厳しい経営環境下においても利益を創出できるように構造改革に取り組み、2023年度を目安に売上高営業利益率および有利子負債/EBITDA倍率を感染症拡大前の水準に回復させることを掲げております。
しかしながら、コロナ禍からの回復の遅れや、飛躍期に向けた設備投資の実施により、目安としていた経営指標については、現時点では未達の見通しではありますが、引き続き体質変革期の取り組みを推進し、指標の達成を目指してまいります。
また、当社グループは、2023年4月に、2030年を目標年度とする長期ビジョン(Vision 2030 NEXT 神奈中)を策定し、新中期経営計画(2024年度~2026年度)に向けて取り組みを開始いたしました。
なお、当社グループでは、経営理念の実現と持続的な企業価値の向上を図るため、将来への事業投資や財務の健全性の維持に努めるとともに、業績の動向を踏まえた安定的な配当を実施し株主還元の充実を図ることを資本政策の基本的な方針としております。
当社グループでは「持続可能な社会の実現」と当社グループの「持続的な企業価値の向上」に向けて、2023年4月に「サステナビリティ基本方針」を策定し、この方針のもとで取り組む5つのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社は、全社的な事業リスクやサステナビリティ、環境リスク等について検討し、取り組みを推進するため、総務部担当役員を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しております。さらに、下部機関の「リスク・コンプライアンス分科会」、「環境分科会」および「サステナビリティ分科会」において具体的取組み内容や目標を設定しております。各分科会は定期的に開催され、検討された重要な事項については、リスクマネジメント委員会および執行役員会へ報告を行うとともに、取締役会が監督を行っております。
当社は、サステナビリティ課題を含む事業へのリスクについて、リスクマネジメント委員会で検討・モニタリングを実施しています。その他、個別のテーマについては、それぞれのリスクに対してシナリオを設定し、分析・評価することで重要リスクを抽出・検討しています。特に気候変動に関するリスク管理については、(3)戦略、指標及び目標内の②脱炭素社会への貢献に記載しております。
当社グループは、サステナビリティへの取り組みを推進していくための指針として、以下の通り「サステナビリティ基本方針」を策定しております。
<神奈中グループ サステナビリティ基本方針>
また、マテリアリティ(重要課題)として「安全・安心の追求」「脱炭素社会への貢献」「地域社会との共創」「多様な人材が活躍できる職場づくり」「ガバナンスの充実」を特定し、各目標の達成に向けた取り組みを推進しております。
<マテリアリティ(重要課題)>
①安全・安心の追求
〔戦略〕
当社グループでは、安全の確保が事業経営の根幹であることを深く認識して、安全を最優先に事業活動に取り組み、お客さまに常に安心してご利用いただけるサービス・商品の提供を目指しております。
主力事業である乗合事業においては、経営トップから従業員一人ひとりに至るまで一丸となった安全管理体制の充実・強化に取り組んでおり、安全方針および基本方針を次のとおり定めています。
〔指標及び目標〕
輸送の安全に関する目標は、国土交通省が策定した「事業用自動車総合安全プラン2025」の事故削減目標に基づき、2025年度までに達成すべき目標として以下の通り策定し、各重点実施事項に取り組んでおります。
②脱炭素社会への貢献
気候変動に関する取り組み及び体制について
〔ガバナンス〕
気候変動に係る基本方針や重要事項、リスクや機会などの検討、審議については、会社のリスクに関する具体的な施策について全社的な調整にあたる組織である「リスクマネジメント委員会」において行います。
当委員会において多角的な検討を行うとともに、重要な事項については取締役会に報告を行い、取締役会は各部門の事業運営の監督を適切に行います。
〔戦略〕
「気候変動」を中長期的なリスクの一つとして捉え、当社グループの事業におけるリスク及び機会について検討を行うにあたり、今回は当社グループの主要な事業であり売上規模が大きい一般旅客自動車運送事業(乗合事業)を対象とし、2℃未満(※)シナリオ及び4℃(※)シナリオを用いて分析を行いました。
なお、当社グループが運営するその他の事業に関しても、順次シナリオ分析を進めていきます。
(※)産業革命前と比較した今世紀末の世界の平均気温の上昇温度
〔リスク管理〕
上記シナリオ分析を行った結果、リスク及び機会の発生可能性と影響度が大きいと考えられる事項について、下表のとおり取りまとめました。今後、継続的に「リスクマネジメント委員会」において確認していきます。
気候関連リスクの管理プロセスとして、「リスクマネジメント委員会」を通じて、当該リスクに関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践していきます。
なお、「リスクマネジメント委員会」で検討した内容のうち重要なものは、取締役会に報告し、全社的なリスク管理を行います。
〔指標及び目標〕
当社は、国が定める2050年度のカーボンニュートラル実現に向けて、グループ全体のCO2排出量削減の具体的な目標数値の設定及びロードマップを策定しました。
当社グループは、Scope1(※1)排出量の比率が高い事業特性を持つ一般旅客自動車運送事業を中核事業としておりますが、脱炭素社会へ貢献するため、CO2排出量削減に取り組みます。具体的には、ロードマップに示すCO2排出量削減策を実行し、当社グループ全体として2030年度に35%削減(2013年度比)、及び2050年度にカーボンニュートラルを目指します。
≪神奈中グループカーボンニュートラル達成に向けたロードマップ≫
(CO2排出量実績及び目標)

(単位:万t-CO2)
(主なCO2排出量削減策)

(※1)自社での燃料の使用等、直接的な排出。
(※2)自社が購入した電気・熱等のエネルギーの使用に伴う間接的な排出
(※3)Power Purchase Agreementの略。電気販売契約と直訳され、PPA事業者がサービス利用者の所有する敷地や屋根のスペースなどに太陽光パネルを設置する。そこで発電された電力をサービス利用者が使用し、電気料金をPPA事業者に支払う仕組み。
≪気候変動に関する主なリスクと機会及び対応(乗合事業において検討)≫

(※1) Greenhouse Gasの略称。温室効果ガス。
(※2) Scope3は15種のカテゴリーに分類され、カテゴリー7は従業員の通勤を指す。
③地域社会との共創
〔戦略、指標及び目標〕
当社グループでは、ステークホルダーと共に新しい価値を創造し、地域社会と当社グループの持続的な成長・発展を目指すため、地域の人々のくらしを支える取り組みを推進しております。
現中期経営計画下においては、持続可能なまちづくりへの取り組みとして、UR都市機構と包括連携協定を締結し、神奈川県茅ヶ崎市内の浜見平団地にてイベントを実施するなどコミュニティ活性化に向けた取り組みを推進しました。また、「神奈中スイミング本厚木校」および学童保育「ASHITA∞キッズ神奈中本厚木」の開業や、小児ICバス運賃の一律50円化等、子育て応援への取り組みを実施いたしました。
引き続き当社グループの事業を通じ、地域課題の解決に努めてまいります。
④多様な人材が活躍できる職場づくり
〔戦略〕
・基本的な考え方
当社グループ経営理念および行動指針のもと、地域社会の課題解決に取り組み、ステークホルダーとの共創を通じて新しい価値を創造し「持続可能な社会の実現」と「持続的な企業価値の向上」を目指すため、多様性の確保に向けた取り組みを推進しております。
・人材育成
当社グループでは、バス事業を中心として、多様化するお客様ニーズに応え続けるため、先端技術を積極的に取り込み、新たなサービスの提供、生産性の向上など、成長の種を蒔き育てることを実施し、その土壌を大きく育てていく役割を担う人材の育成を進めております。
主力事業である乗合事業においては、2019年にはバス専用教習コースを設置し、安全・安心な高い運転技術とお客様の目線に立った接遇・サービス意識を持つプロドライバーの育成に注力しております。
・ダイバーシティ&インクルージョン推進体制
当社では、働き方改革およびダイバーシティ推進体制の構築に向けて取り組み、2023年度に自動車運送事業者の「働きやすい職場認証制度」で二つ星を取得いたしました。
また、多様な人材が活躍する働きがいのある職場を目指し、人事部内プロジェクトチームを発足し、定期的な意見交換や研修会等を開催しております。今後は、当社グループの各部門と連携の上、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを全社で横断的に推進してまいります。
今後も、多様性を尊重し、働くよろこびを実感できる職場風土づくりを目指し、従業員一人ひとりの「ゆたかなくらし」の実現に向け、従業員が能力を最大限発揮できる環境の整備を進めてまいります。
〔指標及び目標〕
(注)1 自動車運送事業者の「働きやすい職場認証制度」二つ星は2023年度取得。
2 当社の取り組みが連結グループに属する全ての企業において行われてはいないことから、連結グループにおける主要な事業を営む会社単体(当社)の指標および目標の開示をしております。
⑤ガバナンスの充実
〔戦略、指標及び目標〕
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指すため、リスクマネジメントの強化やコンプライアンスの徹底など、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
当社においては、2022年6月に監査等委員会設置会社へ移行するとともに、2023年6月には独立社外取締役を増員する等、取締役会の監査・監督機能の実効性を一層高めるとともに、迅速な経営の意思決定が可能となる体制を構築しております。
また、リスクに対する具体的な取組みや数値目標の策定等を行うため2022年11月にリスクマネジメント委員会の下部機関として「リスク・コンプライアンス分科会」、「環境分科会」および「サステナビリティ分科会」を設置し、事業継続活動の強化を図りました。
さらに、コンプライアンス違反は企業の社会的信用を失墜させ、長期にわたり甚大な被害が及ぶことが想定されることから、コンプライアンスをリスクマネジメント強化の一環として位置付け、経営層の意識改革と従業員への継続的な教育に努めております。
当社グループは、公共性の高い一般旅客自動車運送事業をはじめとして、不動産事業、自動車販売事業、その他の事業を展開しておりますが、特にグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクについては、以下のようなものがあります。
当社グループといたしましては、これらのリスクを認識したうえで、その発生の抑制、回避および発生した場合の対応に努めてまいります。
なお、各事項中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。また、以下のリスクは、当社グループにおける事業等のすべてのリスクを網羅したものではありませんのでご留意願います。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、持ち直しの動きが見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化や資源価格高騰に伴う物価の上昇、急激な円安など先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループ各社は、各部門において積極的な営業施策を図るとともに、経営の効率化に努めた結果、当期における売上高は、103,865百万円(前期比6.2%増)、営業利益は4,323百万円(前期比328.6%増)、経常利益は4,910百万円(前期比89.8%増)となりましたが、乗用事業において固定資産の減損損失を計上したことなどにより親会社株主に帰属する当期純利益は、1,149百万円(前期比37.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(一般旅客自動車運送事業)
乗合事業においては、4月に東海大学湘南キャンパスの通学需要増に伴い、平塚駅北口~東海大学1号館前~東海大学前駅南口間の直行便の運行を開始するとともに、1月に横浜ゴム㈱の本社移転に伴い、平塚駅北口~横浜ゴム間の直行便を開始するなど利便性の向上を図りました。なお、新型コロナウイルス感染症拡大により厳しい状況が続いていた旅客需要に一部回復が見られたことに加え、前期に開始した東京ディズニーリゾート®線において利用者数の動向に応じ繁忙期に増便対応を行うなど収入確保に努めたことなどにより増収となりました。
乗用事業においては、神奈中タクシー㈱にて新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、飲食店等の営業時間が延長されたことで夜間を中心に旅客需要の回復が見られたことにより増収となりました。
貸切事業においては、神奈中観光㈱にて学生団体などの需要に回復が見られたことや、契約輸送の獲得により増収となりました。
以上の結果、一般旅客自動車運送事業全体の売上高は49,236百万円(前期比9.4%増)、営業利益は633百万円(前期は営業損失3,357百万円)となりました。
(不動産事業)
賃貸事業においては、「相模原中央ビル」における新規テナントの獲得に伴い、稼働率が上昇したことにより増収となりました。
分譲事業においては、デベロッパーとのマンション分譲共同事業による藤沢市羽鳥の「プレミスト湘南辻堂」を完売するとともに、横浜市内を中心に戸建および宅地分譲を実施しましたが、新規分譲計画戸数の減少により減収となりました。
以上の結果、不動産事業全体の売上高は5,907百万円(前期比24.0%減)、営業利益は2,499百万円(前期比18.3%減)となりました。
(自動車販売事業)
商用車販売事業においては、神奈川三菱ふそう自動車販売㈱にてトラック・バスの販売台数が増加したことに加え、既存のお客さまに対する車検や点検等メンテナンスの営業活動に努め、車両整備が増加したことにより増収となりました。
輸入車販売事業においては、神奈中相模ヤナセ㈱にて前期にフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツ「Cクラス」の新車販売が好調に推移したことなどにより増収となりました。
以上の結果、自動車販売事業全体の売上高は29,022百万円(前期比8.7%増)となりましたが、商用車の仕入原価増などにより、営業利益は723百万円(前期比17.9%減)となりました。
(その他の事業)
流通事業においては、㈱神奈中商事にて軽油の販売単価が上昇したことに加え、大学施設や物流施設の空調設備工事を受注したことなどにより増収となりました。
資源活生事業においては、㈱アドベルにて前期に開業したペットボトルリサイクル施設「小山マテリアルリサイクルセンター」が通期寄与したことなどにより増収となりました。
レジャー・スポーツ事業においては、㈱神奈中スポーツデザインにて前期に時短営業を実施していた温浴施設における利用客の反動増に加え、前期に開業した神奈中スイミング本厚木校にて新規会員の獲得を図ったことにより増収となりました。
ビル管理事業においては、横浜ビルシステム㈱にて複合オフィスビルの清掃管理業務を新規受注しましたが、設備修繕工事の受注が減少したことなどにより減収となりました。
飲食・娯楽事業においては、前期に開店した「箱根そばイトーヨーカドー立場店」が通期寄与したほか、「ドトールコーヒーショップ」の新規出店や営業譲受などにより増収となりました。
ホテル事業においては、宿泊部門において団体利用が増加し、稼働率が上昇したことに加え、料飲部門において外食需要に回復が見られたことなどにより増収となりました。
以上の結果、その他の事業全体の売上高は27,871百万円(前期比8.7%増)、営業利益は684百万円(前期比15.9%増)となりました。
②財政状態
(資産の部)
流動資産は、自動車販売事業の新車在庫の増加による商品及び製品の増加などにより、前連結会計年度末に比べて6,774百万円増加し、25,205百万円となりました。
また、固定資産は、賃貸施設の建設に伴い建物及び構築物が増加したものの、減価償却による減少や、投資有価証券の時価評価額が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて3,112百万円減少し、125,363百万円となりました。
この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて3,662百万円増加し、150,568百万円となりました。
(負債・純資産の部)
負債は、借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて3,943百万円増加し、97,689百万円となりました。なお、借入金、社債及びリース債務残高は、前連結会計年度末に比べて1,457百万円増加し、59,143百万円となりました。
また、純資産は、利益剰余金が増加しましたが、その他有価証券評価差額金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて280百万円減少し、52,879百万円となりました。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて1.2ポイント減少し、32.0%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて783百万円減少し、2,621百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2,928百万円に、減価償却費などを加減した結果、4,891百万円の資金収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出7,927百万円などにより、6,518百万円の資金支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、843百万円の資金収入となりました。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、その主要な事業である一般旅客自動車運送事業をはじめ、受注生産の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
なお、販売の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの経営成績に関連付けて示しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況を勘案し合理的と考えられるさまざまな要因に基づき、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断および仮定設定を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の重要な会計方針のうち、連結財務諸表の作成において当社の重要な見積り、判断および仮定設定に大きな影響を及ぼすものは以下のとおりです。
(投資の減損)
当社グループでは、時価のある有価証券について個々の銘柄ごとに有価証券の期末時価が取得価額に比べ50%以上下落し、かつ、その下落が一時的でない場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。また、期末時価が取得価額に比べ30%以上50%未満下落した場合につきましては、対象銘柄の過去3年間の毎月末の時価の平均値が、30%以上の下落率の場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。
(固定資産の減損)
当社グループは、一般旅客自動車運送事業および不動産事業を中心に多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づき算出しているため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または算出の前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額は将来年度の課税所得の見込額等を考慮して計上しますが、将来の業績変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、評価性引当額の追加計上又は取崩が必要となる場合があります。
(退職給付費用)
従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。当社グループの採用した見込額は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または見込額自体の変更により、退職給付の費用および債務に影響を与える可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
(売上高および営業損益)
売上高は、一般旅客自動車運送事業における旅客需要が概ね回復基調で推移し、乗合事業の運送収入は期末時点で新型コロナウイルス感染症感染拡大前の9割程度まで回復したことや自動車販売事業では商用車販売、輸入車販売ともに新車販売台数が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ6,088百万円増加し、103,865百万円(前期比6.2%増)となりました。
営業利益は、上記の増収に加え、一般旅客自動車運送事業における減価償却費など固定費削減が寄与したことなどにより、前連結会計年度に比べ3,314百万円増加し、4,323百万円(前期比328.6%増)となりました。
なお、セグメントごとの売上高および営業利益については、前掲の「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業外損益および経常損益)
営業外収益は、雇用調整助成金等の助成金収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ981百万円減少し、1,000百万円となりました。
営業外費用は、金融費用が減少したものの、持分法投資損失の増加などにより、前連結会計年度に比べ9百万円増加し、414百万円となりました。
この結果、経常利益は4,910百万円(前期比89.8%増)となりました。
(特別損益および親会社株主に帰属する当期純損益)
特別利益は、補助金収入や投資有価証券売却益の減少などにより、前連結会計年度に比べ776百万円減少し、446百万円となりました。
特別損失は、乗用事業において減損損失を計上したことなどにより、前連結会計年度に比べ1,468百万円増加し、2,428百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,149百万円(前期比37.5%減)となりました。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資金調達)
当社グループの資金調達は、社債および市中金融機関からの借入金のほか、㈱日本政策投資銀行からの借入金など、市場環境や金利動向を総合的に勘案しながら決定しております。
なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。
(資金の流動性)
当社グループは一般旅客自動車運送事業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しております。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、前掲の「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(3)目標とする指標の進捗状況
当社グループでは、持続可能な経営を実現するために、本中期経営計画(2021年度~2023年度)の3ヵ年を「体質変革期」と位置付け、厳しい経営環境下においても利益を創出できるように構造改革に取り組み、2023年度を目安に売上高営業利益率および有利子負債/EBITDA倍率を感染症拡大前の水準に回復させることを目指しております。
当連結会計年度においては、前年度と比較すると、一般旅客自動車運送事業の利用客数は回復基調ではあったものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大により回復が鈍化したため営業利益が計画を下回りました。その結果、当連結会計年度における売上高営業利益率は4.2%、有利子負債/EBITDA倍率は5.8倍となりました。
当連結会計年度における実績と当初業績予想数値については以下の通りであります。
引き続き本中期経営計画を確実に推進するとともに、新たな施策を講じるなど、経営指標の達成に向けて取り組んでまいります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。