(1)経営方針
当社グループの企業理念
1.「人と技術と環境の調和。無限の可能性に挑む。」という理念のもと、「創業の精神を忘れずに、アセチレンバウム(アセチレンの樹)の夢を追い求めて、限りない可能性の炎をもやし続ける」グループ企業をめざします。
2.「株主」及び「取引先」各位ならびに「従業員」を三位一体と考え、公正妥当な倫理基準に基づいた事業活動を通じて、社会に貢献できる経営を行ないます。
3. 全般的な経営の効率化を地道に推進し、企業体質の健全性を維持しながら、企業価値を高め、事業規模の拡大をはかります。
4.「安全・安心をすべての基本姿勢」とし、創業以来一貫して、この姿勢を貫いております。
5.「地域に密着した企業ブランド」を構築し、存在感のあるグループ企業をめざします。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、中期経営計画「チェンジ&チャレンジstageⅡ」(2021年4月~2026年3月)を推進し、持続的成長と企業価値の向上を目指した取り組みを進めてまいります。この中期経営計画の経営目標を達成するため、ガス事業、化成品事業、ITソリューション事業部門の3つの事業を柱に、「人と技術と環境の調和」という企業理念のもと、持続的成長に向けた5つの成長戦略である「事業拡大」・「人材育成」・「機能整備」・「戦略投資」・「社会調和」の着実な実行により、急速に変化する事業環境にも対応することができる経営基盤を構築し、さらなる企業価値の向上をはかってまいります。
(3)目標とする経営指標
目標とする経営指標につきましては、株主価値の最大化をはかるために資本効率を高め、売上高経常利益率及び株主資本利益率(ROE)を現在の水準よりさらに向上させることをめざしてまいります。
売上高経常利益率は前連結会計年度の6.5%から6.3%へと0.2ポイント減少しました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度末の6.4%から5.8%へと0.6ポイント減少しました。なお、当連結会計年度の株主資本利益率(ROE)の減少は主として、親会社株主に帰属する当期純利益の減少によるものです。
(4)経営環境及び対処すべき課題
今後のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、社会経済活動が回復に向かう一方で、地政学リスクの高まりによる原材料価格や燃料価格の高騰及び諸物価の上昇が継続すると予想され、依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。このような状況のもと、当社グループでは、引き続き、中期経営計画「チェンジ&チャレンジStageⅡ」の実現に向け、持続的成長のための「事業拡大」をはじめとする5つの成長戦略を着実に実行してまいります。加えて、当社の企業理念である「人と技術と環境の調和」に基づいたサステナビリティ構想として、地球温暖化対策をはじめとした多様化する社会的課題への対応を重要な経営課題と認識するとともに、組織の活性化と生産性向上のための人的資本への取り組みを推進することにより、経営環境の変化に対応した体制の強化をはかってまいります。
当社グループの事業成長を継続するために対処すべき課題は次のとおりです。
①収益力の強化
製造工程の合理化や原価の低減、経費の効率的配分、適切な在庫管理等に努めるとともに、生産体制の再構築及び製造設備の増強・新設のための積極的な投資を行ない、収益性・効率性の高い事業基盤を構築してまいります。また、地域に密着した事業展開を進めるとともに、今後の需要拡大が見込まれる成長分野への積極的な営業活動を継続し、収益基盤の強化をはかってまいります。
ガス事業においては、新規用途開発により新たな市場を開拓し、シリンダーガスビジネスの拡充をはかってまいります。特に環境負荷の低い液化アンモニア・水素ガス・新冷媒ガス、また、農業向け炭酸ガスの拡販に注力してまいります。
化成品事業においては、生活に密着した紙工、木工、化粧品分野に、引き続き、環境にやさしい製品を拡販するとともに、住宅・設備、自動車、弱電、食品、医療分野にユーザーニーズに合った高付加価値製品を販売してまいります。また、快適な生活環境の提供を目的とした製品として、雨音・振動を低減させる吸音・制振材や太陽光を高反射する遮熱塗料を拡販してまいります。
②研究開発・技術力強化
事業を継続、拡大していくためには、新技術の採用と研究開発により、技術ノウハウをさらに蓄積し、充実させていくことが重要であると認識しております。SDGsや脱炭素社会の実現、デジタル化の進展など、常に変化する市場環境を意識しながら、中長期的な視点で新規事業領域の研究開発及び社会的課題の解決に貢献する研究開発に取り組んでまいります。
ガス事業においては、非燃焼分野の拡大として、アセチレンを原料とする真空浸炭やカーボンナノチューブ、難燃剤など付加価値の高い製品の市場投入や水素社会実現に向けた、水素ステーション向け大型容器や超高圧、軽量容器の開発を行なってまいります。
化成品事業においては、バイオマス原材料等を使用した高付加価値製品や自動車向けの環境配慮型の難燃性接着剤、弱電向けの外部エネルギーを必要としない反応型接着剤や低温硬化型接着剤、住宅向けの塗り替え回数の削減ができる高耐候性塗料ならびにヘルスケア分野向けの低刺激性の皮膚縫合用高機能接着剤などの新用途製品の開発を行なってまいります。
③海外市場への展開
国内事業が主体の当社グループにおいて、海外展開は、事業の一層の発展のための重要な成長課題であると認識しており、ベトナムにガスの製造販売及び接着剤・塗料の製造販売を行なう子会社を有しております。日本市場で蓄積した事業ノウハウを活かし、現地子会社を拠点として、アジア圏を中心に、さらなる展開をはかり、事業体制の強化をはかってまいります。
④物流体制の強化
製造・販売・物流を一体とした事業モデルを追求している当社グループにおいて、物流コストの上昇、配送人員不足は大きな課題であると認識しております。安全かつ迅速に製品を安定供給するため、当社グループのネットワークを活かした物流体制の強化と物流コストの抑制をはかってまいります。
⑤人材の確保と育成
事業の安定化及び拡大をはかるためには、人材の継続的な採用及び育成が重要であると認識しております。
採用活動は今後も厳しい状況が続くと思われますが、新卒・中途ともに多様な人材の採用に向けて、多面的な採用活動を続けるとともに、教育研修制度の整備、福利厚生の充実、女性活躍の推進をはかるなど、社員がより長く安心して働くことができる労働環境の整備及び働きがいのある企業風土の醸成に取り組んでまいります。
⑥内部管理体制の強化
コンプライアンスは、企業の持続的な成長を実現し、社会に必要とされる企業グループであり続けるために不可欠な経営上の重要課題であると認識しております。
すべての役職員が法令・規程・社会規範などに沿って、常に高い倫理観とともに良識ある行動をとることができるよう、定期的なコンプライアンス研修、内部監査部門による実効性のある監査及び監査等委員や会計監査人との連携など、コーポレート・ガバナンス体制の強化を通じて公正で透明性の高い経営と責任ある企業活動を推進してまいります。
当社グループといたしましては、引き続き「安全」・「安心」をすべての基本姿勢とし、企業体質の健全性に留意して事業規模の拡大をはかり社業の発展に努めてまいる所存でございます。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、当社の企業理念である「人と技術と環境の調和」の実現を掲げ、社会的課題への積極的な取り組みが経営上の重要課題と認識し、「安全・安心」を念頭に置いた全社的なサステナビリティへの持続的な取り組みを推進することにより、中長期的な企業価値向上につなげてまいります。
(1)サステナビリティ全般に関する開示
①ガバナンス
サステナビリティの推進は当社グループの持続性及び発展性に重要な関連性があることから、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、方向性・取組テーマ等の報告と討議により全社的に推進しています。
サステナビリティ委員会は常勤取締役ならびに執行役員で構成していることから、特に気候変動対策分野ではTCFD提言を念頭としたシナリオ分析によるリスク・機会の評価及び管理を実施し、中長期的な経営施策を直結した協議が実施できる体制を構築しています。
③指標及び戦略
当社グループは、産業用・医療用等ガスや生活関連商材に使用される接着剤ならびに鉄道事業者向け運行支援ツール等の製品とサービスの提供など、社会インフラとの親和性や公共性が高い事業を展開しており、生活環境の安全性や安心して暮らせる社会の実現に向けて、当社グループの業務・設備における個々の施策ならびに環境全般への取り組みを通じて社会の持続可能性に貢献できるものと考えています。
気候変動への対策としては、CO2排出量を令和12年度(2030年度)までに令和2年度比で30%程度削減することを目標に、直接排出削減への取り組みとして製造工程での低炭素燃料への転換・製造設備の更新・フォークリフトの電動化・社用車のハイブリッド化・配送トラックのEV化検討・遮熱塗料や住宅塗り替え回数を削減できる高耐候性塗料の開発等を計画、間接排出削減である省電力化への取り組みとして事業場のLED化や基幹製造拠点への太陽光パネル設備の設置等を計画しています。
また、低炭素社会への機会の開発として、アセチレンを原料とする非燃焼分野製品の研究開発(カーボンナノチューブ、難燃剤他)及び生活環境の安全性に対しては接着剤・塗料製品の水性化の促進をはかっています。
(2)人的資本に関する開示
当社グループは、サステナブル構想をもとにした中長期的なビジョンにおける事業領域の拡充・拡大を実現するためには、健全で働きやすい職場づくりを念頭に、社員一人ひとりの多様な価値観や個性を尊重しながら、自立性・自主性を高める支援と職場環境の整備が不可欠であると考えています。
①人材の成長支援
入社時研修の標準化及び入社5年まで各年の研修制度の新設、知識取得・スキルアップのための資格取得支援としての通信教育制度の受講者負担軽減、自身が目指すキャリア形成に向けての定期的な評価や面談制度の充実等の施策により、社員エンゲージメントの向上に取り組んでいます。
②職場環境の整備
有給休暇の取得に関しての自主的な取得環境の整備促進により令和8年度までに年次有給休暇取得率を60%(令和5年3月期実績52%)とする自主行動計画を掲げるとともに、職場の健全性を高めるためのコンプライアンス研修等の定期実施、福利厚生制度の充実として生活支援のための家族手当等の増額や若年層に配慮した帰省手当の新設、健康管理面として検診等補助の拡充等を実施するとともに、福利厚生を含む就業環境全般に関して社員の要望等がより反映出来るよう定期会合の充実に努めています。
③人材の多様性
当社では、女性活躍推進法に基づき、令和8年度までに女性総合職割合を5%(令和5年3月期実績3%)とする一般事業主自主行動計画を掲げ、女性の管理職登用に関しても同様の比率を念頭に取り組んでいます。
中途採用者に関しては、概ね通年的な採用活動により全社員に占める比率、ならびに管理職に占める比率いずれも半数程度であり、知識・経験を発揮できる環境を促進しています。また、海外事業促進のために若干名の外国人を採用しており、管理職として登用できるよう教育や研修を実施しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、国内の需要先への販売が大部分を占めており、特にガス事業における鉄鋼、自動車、化学、半導体などの主要な需要先では国内市場成長力の限界を見込んだ事業の統廃合や海外での事業展開を進めています。
当社グループでは、積極的な事業投資、販売・物流・技術力の強化、品質管理の徹底、新たな付加価値の高い事業の創造などにより市場での他社との差別化をはかっておりますが、主要分野の国内需要の著しい鈍化により市場競争が激化した場合、全般的な製品・サービス・販売価格などにおいて競合他社に対し十分な競争優位性を維持できなくなり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループで製造、販売する石油系ガス及び化学品の原料であるナフサの仕入価格は、原油価格の変動の影響を受けます。原油価格は、国際的な原油市場での需給動向の影響を受けますが、石油化学製品の需要の動向、原油産出国の産出量のほか原油産出国及びその周辺地域の地政学的リスク等により著しく変動することがあり、価格の変動は原料の仕入れ価格に大きく影響する可能性があります。
また、輸入する産業用ガスの一部においても国際的な需給の逼迫により、供給の制限や調達コストの上昇が生じており、価格の上昇等が当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、貿易取引や海外事業を行なっております。貿易取引に関しては、外貨建ての取引があることから、為替レートの変動リスクを回避するため、為替予約による決済を採用しておりますが、リスクを完全に回避することは困難であり、為替レートの変動が当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外事業については、為替換算調整勘定を通じて自己資本が変動するリスク、期間損益の円換算額が増減するリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原材料の調達を複数のグループ外の供給元に依存しております。
グループ外の供給元とは取引基本契約を結び、原材料の安定的な供給関係の継続をはかっていますが、輸入原料においては地政学的要素、産出国の環境規制の強化等により、また、国内原料においては供給元の統廃合による生産の縮小、事業からの撤退及び不慮の事故・災害などによる原料市場の逼迫、供給不足が生じることで生産の遅れや原価を上昇させるリスクがあり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、需要先への製品供給を主にグループ内の物流組織により行なっております。
需要先のニーズを最優先に、配送効率の継続的な改善を推進していますが、原油価格の上昇による燃料費の高騰、労働市場の変化によるドライバー不足等による人件費の上昇等、物流コストが急激に上昇する可能性があり、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、企業価値を向上させるため事業の規模拡大と持続的な成長を目指して、計画的に事業投資を行なっております。事業投資の結果が当初計画から大きく乖離し、投資にかかる保有固定資産の経済的価値が低下した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、成長戦略のひとつとして、ガス事業及び化成品事業では市場の拡大が期待されるアジア地域での事業展開を行なっております。その地域における政治・経済情勢の変化や予期しない法的規制の変更、市場の急激な変化等の経営環境の変化によっては、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造拠点において製造設備の維持更新のための計画的な修繕及び一部交換等を行なっておりますが、年式が古い大型設備に、重大な故障が生じた場合において、部品の調達等が容易にできないことによる修繕の遅延や修理自体ができなくなることによる製造中断の可能性があります。また、予見し得ない大幅な法規制の変更により多額の設備投資が発生する場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループで製造する溶解アセチレンやLPガス等の可燃性ガス、酸素ガス等の支燃性ガスは、空気中への漏洩による火災・爆発事故の可能性があることから、災害発生の未然防止のため、平素から安全操業への社員教育を徹底するとともに、製造工程では保安対策を施した設備の維持管理、流通過程では、転倒防止等の容器取扱いや安全運転の徹底、また、需要先の保安設備の維持管理ならびに保安確保についても周知徹底しております。
ただし、当社グループの事業場及び流通時の事故において外部要因など想定外の事由による火災・爆発事故が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
国内外で地震や局地的な豪雨・豪雪などの自然災害及び新型ウイルス等感染症の大流行が発生した場合、当社グループの事業活動は長期の休止を余儀なくされることによる重大な損害を受ける可能性があります。
当社グループはBCPを策定し全国に製造拠点を分散しているものの、被害の発生を完全に回避することは極めて困難であり、生産能力の大幅な低下もしくは生産活動の遅れが生じた場合、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症が大規模に流行した場合、従業員や取引先に対する安全管理や事業継続のため、やむを得ない大幅な勤務体制の変更などによる稼働率の低下が生じた場合は、当社グループの事業活動が重大な損害を受ける可能性があります。
⑪情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業上の重要情報及び事業の過程で入手した個人情報や取引先等の秘密情報を保有し部署レベルで管理しておりますが、当該情報の盗難・紛失などを通じて第三者に不正流用される可能性があります。
また、基幹システムに登録された情報資産についても、情報セキュリティ基本方針に基づく対策とシステム対応による厳正な管理をしていますが、想定を超えるサイバー攻撃やインシデントなどの不測の事態、また故意の不正使用による重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性があります。これらのリスクは、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫組織体制維持に関するリスク
当社グループは、新卒、中途を問わず、有為な人材を確保するための採用活動を将来の事業継続を左右する最重要課題のひとつと位置づけており、人事制度においても、社員の能力を重視する制度への改革により従業員の定着と士気向上をはかっております。一方、少子高齢化に伴ない、採用競争が激化しており、新規雇用及び人材定着に著しい落ち込みが生じた場合、組織体制の維持が困難になり、事業継続に支障が発生し当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑬コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、健全な企業として存続していくために、法令及び「コンプライアンス基本規程」、「企業倫理行動指針」、「内部統制基本方針書」等の社内規定ならびに社会規範の遵守をグループ役職員へのコンプライアンス教育により徹底し、社内通報制度と相まってコンプライアンスを推進する制度を構築しています。しかしながら、万が一重大な法令違反が生じあるいは社会規範から著しく逸脱した行為が顕在化した場合には、当社グループの信用、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、規約型の確定給付年金制度を採用し、割引率や死亡率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて退職給付費用及び債務を算出しております。定期的に退職給付債務の将来予測に基づく資産運用の見直しを行なっておりますが、経済環境の激変等により運用環境が悪化する場合や、前提条件が変動する場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで社会経済活動の正常化が進み、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、サプライチェーンの制約やロシア・ウクライナ情勢に起因する世界的な資源・原材料価格の高騰、また、急激な為替相場の変動などにより、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のなかで、当社グループは市場が求める安全・安心な製品やサービスを供給することを基本とし、安定的な収益確保に向けた販売体制の強化や生産体制の効率化に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は909億6百万円(前連結会計年度比10.7%増加)、営業利益は51億16百万円(前連結会計年度比8.3%増加)、経常利益は58億9百万円(前連結会計年度比7.5%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億41百万円(前連結会計年度比5.0%減少)となりました。
当社グループのセグメント別の状況は次のとおりであります。
ガス事業を取り巻く環境は、半導体、自動車、建設など仕向け先において、需要が回復せず、更に原材料価格の高騰が続く厳しい状況で推移いたしました。
このような事業環境のなか、当事業ではシリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、生産・販売体制の見直しや安全・保安対策の強化、既存設備の更新などの投資を行ない、地域に密着した営業に努めてまいりました。また、カーボンニュートラル社会の実現に向け、環境負荷の低い液化アンモニアや水素ガス等の供給網整備や溶解アセチレンを用いた新素材の研究開発を進めております。
『溶解アセチレン』は、建設・土木などの現場関係及び造船業界向けの出荷数量が減少したものの、原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前連結会計年度を上回りました。『その他工業ガス等』は、全般的に出荷数量は減少しましたが、原材料価格の高騰による価格改定やアルゴンが現場工事及びスポット需要の獲得、エアゾールガスが新規獲得、また、LPガス等の石油系ガスでは輸入価格の高騰に伴なう販売価格の上昇によりそれぞれ増加し、売上高は前連結会計年度を上回りました。『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が回復し、売上高は前連結会計年度を上回りました。『容器』は、消火設備装置向け容器の需要回復と原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は669億94百万円(前連結会計年度比10.5%増加)、営業収入は5億63百万円(前連結会計年度比51.8%増加)、営業利益は56億90百万円(前連結会計年度比27.8%増加)となりました。
化成品事業を取り巻く環境は、原材料価格の高騰や、供給制限、供給不足が続く厳しい状況で推移しました。
このような事業環境のなか、当事業では仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術の開発に注力し、環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めてまいりました。
『接着剤』は、ペガールが木工用が減少したものの、塗料用及び紙用が新製品の開発により増加しました。シアノンが南米向けが減少したものの、北米向け高機能品及び韓国・東南アジア向けコンシューマー用の需要が増加しました。ペガロックが中国向けがロックダウンの影響により減少し、また、国内向けが住宅設備関係の需要が減少しました。売上高は、接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり、売上高は前連結会計年度を上回りました。
『塗料』は、建築用塗料が高機能品の「ウォ-ルバリアシリーズ」や「ビーズコートシリーズ」の伸長や塗料製品の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり増加し、また、エアゾール製品は需要が回復し、売上高は前連結会計年度を上回りました。
以上の結果、当事業の売上高は206億58百万円(前連結会計年度比11.6%増加)、営業収入は0百万円(前連結会計年度比変わらず)、営業利益は度重なる原材料価格の上昇の影響を大きく受け、9億37百万円(前連結会計年度比40.4%減少)となりました。
『その他事業』は、LSIカード関連の需要が減少したものの食品添加物の需要が増加し、価格改定もあり、売上高は32億53百万円(前連結会計年度比7.8%増加)、営業損失は31百万円(前連結会計年度は55百万円の営業利益)となりました。
(各事業別の売上高、営業収入および営業利益)
(単位:百万円)
(注) 各事業別営業利益合計65億95百万円と連結損益計算書「営業利益」51億16百万円の差額14億79百万円は、各事業に帰属しない一般管理費であります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、法人税等の支払額が22億50百万円、有形固定資産の取得による支出が69億4百万円、配当金の支払いが8億82百万円、売上債権の増加が19億86百万円あったものの、税金等調整前当期純利益が59億61百万円(前連結会計年度比4.9%減少)、減価償却費が26億10百万円、仕入債務の増加が13億39百万円、借入による資金調達43億30百万円があったため、22億12百万円増加(前連結会計年度11.5%減少)となり、現金及び現金同等物の期末残高は、258億84百万円(前連結会計年度比9.3%増加)となりました。
当連結会計年度における営業活動の結果、得られた資金は56億52百万円(前連結会計年度比2.4%減少)と前連結会計年度と比べて1億43百万円減少しました。これは主に減価償却費が前連結会計年度と比べて2億99百万円増加があったものの、売上債権の増加が前連結会計年度と比べ4億17百万円増加があったことによるものであります。
当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は66億72百万円(前連結会計年度比74.7%増加)と前連結会計年度と比べて28億54百万円増加しました。これは主に有形固定資産の取得による支出が前連結会計年度と比べ26億25百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は32億32百万円(前連結会計年度比454.1%増加)と前連結会計年度と比べて26億48百万円増加しました。これは主に長期借入による収入が前連結会計年度と比べて28億30百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しています。
2 金額は、製造原価であります。
3 その他事業については、生産活動は行なっていません。
受注生産は行なっていません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しています。
経営者の視点による当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり連結会計年度末時点での状況を基礎に、連結貸借対照表及び連結損益計算書に影響を与える項目・事象について見積りを行なう必要がある場合があります。
当社グループでは、連結財務諸表作成に影響を与える重要な項目・事象について見積りは過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により検証し、意思決定を行なっております。これらの見積りは不確実性を伴なうため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社グループでは、中期経営計画「チェンジ&チャレンジStageⅡ」(2021年4月~2026年3月)を策定し、当連結会計年度は、中期経営計画の2年目でコア事業の持続的成長を維持する収益基盤の構築をはかるため、新規事業の拡大への積極的な投資、グループ機能や体制の強化などに取り組んでまいりました。
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べ91億5百万円増加して1,075億6百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ50億22百万円増加して599億98百万円となりました。これは主に現金及び預金が22億90百万円、電子記録債権が14億34百万円、売掛金が12億96百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末と比べ40億83百万円増加して475億8百万円となりました。これは主に、中期経営計画に基づく設備投資の実施で有形固定資産が42億78百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比べ59億37百万円増加して384億35百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ27億92百万円増加して284億74百万円となりました。これは主に、電子記録債務が9億81百万円、長期借入金から1年内返済予定長期借入金の振替が11億10百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比べ31億44百万円増加して99億60百万円となりました。これは主に、1年内返済予定長期借入金の振替があったものの長期借入金の融資実行により借入金が31億8百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比べ、31億68百万円増加して690億70百万円となりました。これは主に、利益剰余金が30億58百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ87億93百万円増加して909億6百万円(前連結会計年度比10.7%増加)となりました。
売上高が増加した主な要因は、主力製品である「溶解アセチレン」は、現場関係及び造船業界向け需要が減少したものの、原材料価格の高騰による価格改定により、売上高は前連結会計年度を上回りました。「その他工業ガス等」は、全般的に出荷終了が減少したものの、原材料価格の高騰による価格改定やアルゴンがスポット需要獲得、また、LPガス等の石油系ガスが入札案件獲得と輸入価格の上昇に伴なう販売価格の上昇により増加し、売上高は前連結会計年度を上回りました。「接着剤」はペガールが木工用が減少したものの、新製品の上市により紙用及び塗料用が増加し、シアノンは南米向けが減少したものの北米向け高機能品及び韓国向けにコンシューマー用の需要が増加し、ペガロックは国内、海外向けの需要が減少しましたが、売上高は前連結会計年度を上回りました。「塗料」は、建築用塗料が高機能品の伸長及びエアゾール製品は需要が回復し、売上高は前連結会計年度を上回りました。
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度と比べ9億70百万円増加して234億5百万円(前連結会計年度比4.3%増加)となり、売上総利益に営業収入を加えた営業総利益は、前連結会計年度と比べ11億62百万円増加して239億68百万円(前連結会計年度比5.0%増加)となりました。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、販売運賃、人件費、旅費交通費、減価償却費等の増加により前連結会計年度と比べ7億67百万円増加して188億51百万円(前連結会計年度比4.2%増加)となりました。
当連結会計年度の営業利益は、販売費及び一般管理費は増加しましたが前連結会計年度と比べ3億95百万円増加して51億16百万円(前連結会計年度比8.3%増加)となりました。
当連結会計年度の経常利益は、4億5百万円増加して58億9百万円(前連結会計年度比7.5%増加)となりました。
当連結会計年度において、特別利益として投資有価証券の売却益1億52百万円等を計上しています。
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べ3億12百万円減少して59億61百万円(前連結会計年度比4.9%減少)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は、前連結会計年度と比べ1億22百万円減少して19億74百万円(前連結会計年度比5.8%減少)、非支配株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ17百万円増加して46百万円(前連結会計年度比61.4%増加)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ2億8百万円減少して39億41百万円(前連結会計年度比5.0%減少)となりました。
なお、セグメント別の売上高及び営業利益の分析については、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 [事業の状況] 4 [経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]](1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 [事業の状況] 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用、商品の仕入、販売費及び一般管理費等であります。
また、従来から製造設備及び販売設備の新設、更新等の設備投資を行なっております。当連結会計年度において68億34百万円の設備投資を実施しております。
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び銀行借入による調達を主としております。
銀行借入につきましては、主に長期借入金を利用することで安定的な資金を確保するとともに、日常の資金需要の変動については短期借入金により対応しております。
当社グループは、持続的成長と企業価値の向上をはかるために、事業の拡大に必要な資金需要に対応した資金調達をはかり、健全な財務バランスの実現を検討してまいります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利息支払額
(注)1.いずれの指標も連結ベースの財務数値により計算しています。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しています。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている借入金を対象と
しています。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、環境と人にやさしく付加価値の高い製品の開発に取組むとともに、変化する顧客ニーズに即応できるよう製品の研究開発活動を行なっています。
当社の土浦研究所を主体として、需要の多様化に備え、新規ガス及び供給システム、既存製品の新しい用途の研究開発に取組んでいます。
当社の東京研究所及びスズカファイン㈱において、酢酸ビニルエマルジョン系、アクリルエマルジョン系及びシアノアクリル系接着剤、ならびに塗料建材についての溶剤系から水系への市場ニーズの変化に沿って、環境対応型で付加価値の高い製品の開発に取組むとともに変化する顧客ニーズに即応できるよう製品の研究開発に取り組んでいます。
当社のITソリューション事業部において、LSIカード及びリーダライター等の研究開発に取り組んでいます。
当連結会計年度の研究開発費は