文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社経営の基本方針
当社グループは「~持続可能な社会実現のために~ 再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という2030年ビジョンのもと、経済合理性を追求しながら、再生可能エネルギーを基軸にして、国内及び海外で事業に取り組んでおります。当社グループは、気候変動への取り組みに対応しながら、これまで以上のベンチャー精神をもって本ビジョンのもと、業界や国境の垣根を超えて手を携える「共創」と信頼をベースに、再生可能エネルギーの開発促進、CO2フリー電気の供給拡大等を図り、脱炭素にむけた事業展開を確実に実行していきます。
(2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等により、資源価格、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等もあり、先行きは依然として不透明な状況にあります。エネルギー分野においても燃料価格、電力市場価格の上昇、下落に加え、カーボンニュートラルの推進、電力の安定供給の確保に係る施策の推進等、事業環境も大きく変化しており、電力の安定供給を低廉かつ持続的に行うことが求められるエネルギー事業を進めるに当り、事業環境の先行きが極めて見通しにくい状況にあります。
このような状況の中、当社グループは、この転換期を「第二の創業」と位置づけ、新たな局面に対応するための変革と海外事業拡大を推進してまいります。具体的には、より堅牢な事業体質を目指す“強守”と、海外事業を始めとする新たな事業領域への“展開”をテーマに、各事業の課題に積極的に取り組み、持続的な成長に繋げてまいります。
① 電力小売事業の取組み
当社グループの販売子会社は、販売パートナー、アライアンス先の強固な販売ネットワークや知見等を最大限活用し、需要家に対して多様な新サービス、料金プラン及び付加価値サービスを開発、提供してまいります。また、電力調達コストの上昇、下落等の環境変化を踏まえ、サービスメニューの抜本的改革及び管理コストの最適化を図るとともに、脱炭素を志向する環境意識の高い企業との協業等により、小売事業の変革を推進してまいります。
② 発電事業の取組み
土佐、佐伯、豊前、大船渡及び中城の各バイオマス発電所の安定稼働に注力してまいります。土佐発電所を除く稼働中4基及び建設中の香川県坂出市のバイオマス発電所の5発電所は、すべて固定価格買取制度(FIT制度)が適用され、安定稼働による収益への着実な貢献を目指します。なお、土佐発電所につきましては2023年2月にFIT制度から売電価格にプレミアムを上乗せするFIP制度に移行いたしました。糸魚川発電所(石炭火力)につきましては、2024年3月期上期において、バイオマス燃料の混焼を実施し、フューエルコンバージョン計画を推進してまいります。さらに、従来から取り組んでおります世界最大級のNon-FIT大型バイオマス発電所につきましては、環境アセスメントにおいて指摘事項が生じたことから、営業運転開始予定時期を2026年度から2029年度へと計画の変更を行いました。この他、2022年に実証事業として運転を開始した水素発電所において、連続性の確認やコスト低減への取組を進めるとともに、事業化に向けた検討も進めてまいります。
こうした取り組みに加え、国内及びベトナムにおいてフューエルコンバージョン計画を推進し、世界の脱炭素社会実現に向けて貢献してまいります。
③ 燃料事業の取組み
バイオマス燃料(PKS[Palm Kernel Shell:アブラ椰子の殻]、木質ペレット)につきましては、従来の商社からの調達に加え、当社自らインドネシア、マレーシア両国におけるサプライヤーからの調達を行っており、さらなる調達源の拡充を図ってまいります。PKS市況の高騰に左右されない競争力のある長期契約、サプライチェーン全体の一層の充実と強化を図り、自社発電所向けを主体とした調達量の拡大及び調達源の多様化をも進めてまいります。また、船舶燃料(輸送費)の先物予約を活用し、燃料価格高騰の影響を回避してまいります。さらに、既存の石炭火力発電所におけるバイオマス混焼・専焼向け燃料としての活用を前提に新燃料の開発を推し進めるとともに、持続可能性のあるバイオマス燃料の確保を目的に、サプライチェーンの管理等をカバーする各種認証の取得にも積極的に取り組んでまいります。今後ともバランスの取れた調達ポートフォリオを構築することにより、安定したサプライチェーンの確立を目指しつつ、バイオマス発電のリーディングカンパニーとして、着実に事業拡大を図ってまいります。
④ トレーディング事業の取組み
当社グループにおける電力小売事業の需要量に合わせて、自社電源、相対契約電源及び卸電力取引市場からの電力調達を組み合わせることにより、安定的かつ競争力のある電源最適化を図ることを基本としております。トレーディング事業をめぐる今後の動向は、極めて不透明な状況にあることから、自社電源と相対契約電源を主体とした電源調達を図るという基本方針を堅持しつつ、卸電力取引市場での売買や、電力デリバティブ取引等を活用し、安定的な電力調達と価格競争力の確保を行ってまいります。様々な価格変動リスクへの対応が要求される中、トレーディング事業の重要性は従来以上に増しており、取引対象となる商品の拡大や、取引手法の多様化を一層進め、この様な動きに対応すべく、トレーディング機能の強化、高度化を図ってまいります。
⑤ 海外事業の取組み
カンボジアにおける水力発電プロジェクトにつきましては、出資比率を今後拡大し、2025年の営業運転に向け、順調に工事を進めております。ベトナムにおいては、同国初の商用バイオマス発電所となるハウジャン省のバイオマス発電所も、2024年10月の営業運転開始に向けて順調に建設を行っております。同国での燃料事業においては、未利用のバイオマス燃料の確保に加えニューソルガム等のバイオマス燃料開発を継続的に行っており、2024年には燃料加工用にペレット工場を建設することを計画しております。さらに、同国のバイオマス発電事業に関して、バイオマス発電所の新設に加え、既存の石炭火力発電所をバイオマス発電に転換する事業も計画しており、同国の脱炭素化、エネルギー自給率の向上及び農業従事者の所得向上を含む地域経済発展等を企図しております。なお、今後は他のアジア諸国においても、再生可能エネルギー電源の開発等を積極的に推し進め、海外展開を加速してまいります。
⑥ 脱炭素戦略
当社グループは、脱炭素戦略として、2030年に2,500万tのCO2削減を掲げるとともに、2050年カーボンマイナスの実現に向け、挑戦を加速させます。今後、カーボンプライシングやグローバルな排出権取引等、環境価値のトレードが具体化するネットゼロ社会の実現を見据え、エネルギー事業者から、脱炭素のリーディングカンパニーへと変革を遂げ、環境価値を収益源として成長を加速させてまいります。
(1)サステナビリティに関する全般的事項
当社グループは、2030ビジョンである「~持続可能な社会の実現のために~ 再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」を実現すべく、サステナビリティに関する取組みを進めてまいります。
① ガバナンス、リスク管理
2022年度、当社はサステナビリティ委員会を設立し、サステナビリティに関するガバナンス体制の構築を行いました。経営企画管掌取締役が委員長、他の役員等が委員を務めるサステナビリティ委員会は、気候変動への対応や人的資本など持続可能な社会実現のための当社グループの活動を部門横断的に推進し統括するものであり、専任3名で構成する事務局も経営企画部内に新設されました。委員会の開催を通じ、短期的な視点だけでなく中長期的な企業価値向上の観点から適切な経営を行えるよう努力してまいります。
マテリアリティ特定については、経営企画管掌取締役の指示のもと、事務局が中心となり情報収集・整理を行い、サステナビリティ委員会に報告・審議のうえ、取締役会にて報告しております。
また、サステナビリティに関する個別の取組については、事務局のもと各部門から選出されたメンバーで環境・社会・ガバナンス部会を執り行い、部会で協議された内容は年に二回以上開催されるサステナビリティ委員会で報告され審議されます。
経営会議では、サステナビリティ委員会での審議事項や決定事項の上申を受けたうえで重要な経営・事業戦略として受け止め、必要な場合には諮問を行って経営上の意思決定を行います。取締役会へは、気候変動問題への実行計画等について報告を行うこととしております。
<サステナビリティマネジメント体制>
② 戦略、指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティに関する取組みを推進するため、サステナビリティ方針を制定するとともに、サステナビリティに関する重要課題として、マテリアリティを特定しました。
マテリアリティに関しては、順次対応を進めてまいります。具体的な取組等については、
<サステナビリティ方針>
<マテリアリティ>
表1 マテリアリティ(会社の重要課題)
(2)気候変動への対応(TCFDへの対応)
当社は、2023年3月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)による提言への賛同を表明しました。
今回の賛同表明を機に、事業活動が環境に及ぼす影響を再認識し、情報開示の充実を図ってまいります。また、サステナビリティ委員会を中心とし「カーボンニュートラルへ向けた取り組み」を積極的に行い、ステークホルダーの皆様と共にサステナブルな社会の実現を目指してまいります。
TCFDの枠組みに基づく情報開示の内容については、サステナビリティ委員会での議論を経て毎年見直しを行い、内容の充実を図ります。
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティ全般におけるガバナンスに組み込まれています。詳細については「
なお、本年度のサステナビリティ委員会ではTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に沿って気候関連リスクの識別・評価を実施するとともに、対応策の整理・検討を行いました。
② 戦略
当社の主軸を担う事業である発電事業を中心に、長期かつ不確実性の高い未来に対し事業のレジリエンスを高められるよう、世界の平均気温上昇に関し1.5℃シナリオ(脱炭素が進む未来、IEAのNZEシナリオ等)、4℃シナリオ(現在の延長線上、成り行きの未来、IEAのSTEPSシナリオ等)を参照し、2050年を想定して、自社への影響をリスクおよび機会に分け評価を行いました。
その結果、移行リスクとして再エネ発電・バイオマス発電に対する需要の高まりを受け、燃料の需要も増加すると想定しております。更には再エネの基準を満たす燃料の供給が需要に追い付かないことで、原価の増加がとりわけ事業活動へ大きなインパクトを及ぼすだろうという想定もしております。
一方、ニューソルガムの開発計画など多様なバイオマス燃料開発の推進や再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化することで、長期にわたり安定的な価格で原材料を調達できるようになり、原価の低減を通じ販売拡大の機会を得られる可能性もあると捉えております。
なお、当社の財務状況に及ぼす影響度合いについては、現時点では定量評価が難しいため大・中・小の三段階で定性的に評価しています。今後は継続的にシナリオ分析を進めることで当社の財務状況に及ぼす影響度の精度を高めながら気候変動に伴うリスクと機会への対応力を強化し、当社の事業を持続可能にするべく努めてまいります。
また、リスク、機会の発現時期については、短期は3年以内、中期は3年超2030年まで、長期は2030年以降を想定しております。
<気候変動に関連する主なリスクと対応策>
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分類 |
当社への影響 |
重要度 |
発現時期 |
対応策 |
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移行 リスク |
政策と法(既存の製品およびサービスに対する命令および規制) |
バイオマス発電に用いる燃料の規制が変更された場合、再エネとしての位置づけを維持するため、規制を満たす燃料への転換にかかるコストが発生する、ないし規制を満たす高コスト燃料への転換で燃料コストが増加する。 |
中 |
短期~ |
バイオマス燃料PKSの持続可能性の確保に関する自主的取組としてPKSや木質ペレットといったバイオマス燃料を海外から調達。また2020年にPKSを対象としたGGL認証(Green Gold Label)を取得するなど、自然環境保護や持続的なバイオマス燃料の活用に向けて、サプライチェーンの管理等をカバーする各種認証の取得に努めている。 |
|
排出目標の未達成や開示情報の不備(第三者認証未取得燃料の混在や認定されたバイオマス比率の相違を含む)に関するレピュテーションリスクや対応に係るコストの増加が発生する。 |
中 |
短期~ |
|||
|
テクノロジー(既存の製品・サービスを排出量の少ないものに置換) |
環境意識の高まりを受けた再エネ発電による発電量の増加に伴い、出力抑制の日数が増加し、売上が減少する。 |
小 |
中~長期 |
2050年CNに向けた布石として水素事業の実証、収益化やバイオマス以外の再エネへの投資、売価・販売量の最適化等を推進していく。 |
|
|
市場(原材料のコスト増加) |
再エネ発電・バイオマス発電に対する需要の高まりを受け、燃料の需要が増加する一方、再エネの基準を満たす燃料の供給が需要に追い付かないことで、原価が増加する。 |
大 |
短期~ |
再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化や自社燃料開発ニューソルガム計画など多様なバイオマス燃料の開発を推進していく。 |
|
|
評判(ステークホルダーの懸念または否定的なステークホルダーからのフィードバックの増加) |
気候関連課題への対応不備や情報開示ニーズへの対応不備による株価の下落や投資家離れにより、資金調達コストが増加する、ないし株価の下落により企業価値が低下する。 |
中 |
短期~ |
経営計画上、2030年2,500万t-co2を削減目標とし、自社GHG排出量の削減とバイオマス事業による削減貢献を推進していく。 |
|
|
物理的 リスク |
急性(サイクロンや洪水などの異常気象の重大性と頻度の上昇) |
風水害の激甚化により、バイオマス燃料の製造工場が被災、あるいはサプライチェーンの寸断により、燃料の調達が停止し、発電所の稼働が止まることで売上高が減少する。 |
中 |
中~長期 |
サプライチェーンの寸断により発電所が稼働できなくなるリスクを回避するために複数の国や販路から燃料調達を実施している。 |
|
風水害の激甚化により発電施設が損傷し、稼働が停止することで売上高が減少する。 |
中 |
中~長期 |
発電所立地エリアの高潮時の浸水深・洪水時の浸水深ともに2050年1.5℃、4℃ともに現状の浸水深予測から大きな変化はない旨を確認している。出所:[WRI]“Aqueduct GlobalFlood Analyzer” また有事に備え、避難経路の確保など人員に対してのリスク管理を徹底し、必要に応じてBCP対策等を計画に織り込む。 |
表2 気候変動に関するリスクと対応策
<気候変動に関連する機会と主な対応策>
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分類 |
対応課題 |
重要度 |
発現時期 |
対応策 |
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機会 |
テクノロジー(既存の製品・サービスを排出量の少ないものに置換) |
再生可能エネルギーのポテンシャルを生かす電力系統へシフトを促す政策の導入により、出力抑制の対象となる運転期間が短縮され、売上が増加する。 蓄電池を活用したエネルギーマネジメントシステムの効率化ビジネスの開発と実用化により、収益が増加する。 |
中 |
中~長期 |
2050年CNに向けた布石として水素事業の実証、収益化やバイオマス以外の再エネへの投資、売価・販売量の最適化等を推進していく。 |
|
新技術の進展により、発電効率の高いバイオマス燃料が開発され、発電量当たりコストが低下することで売上原価が減少する。 |
中 |
中~長期 |
バイオマスR&Dセンター(日、越)を設立し、自社燃料開発ニューソルガム計画など多様なバイオマス燃料の開発を推進していく。 |
||
|
BECCS(回収・貯留CCS)付きバイオマス発電)のニーズの高まりにより、バイオマス発電に対するニーズが高まり、売上が増加する。 |
小 |
中~長期 |
2050年CNに向けた布石として「更なる脱炭素への挑戦」を掲げBECCS等を検討する。 |
||
|
市場(原材料のコスト増加) |
再エネ基準を満たす燃料の自社調達を強化することで、長期にわたり安定的な価格で原材料を調達できるようになり、燃料コストが減少する。 |
大 |
短期~ |
ニューソルガムの開発計画など多様なバイオマス燃料開発を推進していく。 |
|
|
評判(変化する顧客行動) |
気候変動対応に取り組む企業等による再エネニーズの高まりにより、バイオマス発電を含む再エネで発電された電力に対するニーズが高まり、売上が増加する。 |
大 |
短期~ |
Non FITのバイオマス発電事業への挑戦やグループ会社のエバーグリーン・マーケティングによる、RE100加盟企業等へのCO2フリープランの販売をしていく。 |
|
|
気候変動対応の一環として、電化が拡大し、併せて再エネ電力に対する需要も高まることで売上高が増加する。 |
小 |
短期~ |
|||
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評判(ステークホルダーの懸念または否定的なステークホルダーからのフィードバックの増加) |
自社のESG課題へ積極的に取り組み、その状況を開示しESG投資を呼ぶことで、株価上昇により企業価値が向上する。 |
中 |
短期~ |
経営計画上、2030年2,500万t-co2を削減目標とし、自社GHG排出量の削減とバイオマス事業による削減貢献を推進していく。 |
表3 気候変動に関する機会と対応策
③ リスク管理
リスクの識別・評価と重要と評価されたリスク・機会に対する大まかな対応方針については、サステナビリティ委員会の事務局が主体となって情報収集、整理を行い、当該情報をもとに、サステナビリティ委員会にて協議、決定し、取締役会に報告しております。
なお、気候変動に関連した重要なリスク、機会に係る対応策の精緻化や進捗管理等のリスク管理体制については、体制の構築に向け、検討を進めております。
④ 指標及び目標
カーボンニュートラル達成に向けた指標として、当社グループは2021年度分よりGHGプロトコルに基づくGHG排出量の算定を始めました。算定の対象となる活動や排出源ごとの算出手法を特定・整理しSCOPE1,2および3を計算いたしました。今後も継続して算定し当社グループ事業による環境への影響をモニタリングしてまいります。
<GHG排出量(SCOPE1-3の合計値)>
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|
SCOPE1※1 |
SCOPE2 |
SCOPE3※2 |
合計 |
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2021年度 |
4,975 |
3,990 |
3,008,878 |
3,017,842 |
|
2022年度 |
483,134 |
1,382 |
1,980,456 |
2,464,981 |
表4 GHG排出量実績(単位:ton-CO2)
GHG排出量を今後の指標とするにあたって事業の拡大や海外への積極的進出および当社が取り組むフューエルコンバーション(石炭火力発電の漸次的バイオマス専焼化)計画(※3)などによって一時的なGHG排出量の増大も考えられますが、各種取り組みによって自社が排出するGHG排出量を削減してまいります。また、CO2フリーの電気を需要家に供給するなど「当社グループ事業によって削減される世の中全体のCO2削減量」を「削減貢献量」と定義し、今後この削減貢献量を増加させるべく取り組んでまいります。削減貢献量(※4)はグループ全体で2030年に2,500万ton-CO2/年を目標としています。
※1)2022年8月、当社はフューエルコンバーション計画の一環として糸魚川石炭火力発電所を買収いたしました。そのため2021年度から2022年度にかけてSCOPE1が増加しています。
※2)2022年度は販売電力量が減少したことに伴いSCOPE3が減少しています。
※3)フューエルコンバーション計画においては石炭火力発電所を購入することにより短期的には当社グループのGHG排出量のSCOPE1が増加します。しかしながら石炭燃料をバイオマス燃料へ一部置換え、その比率を増やしていくことで、一時的に増加した当社グループのGHG排出量SCOPE1を削減していくとともに、世界全体のGHG排出量を削減していくこと(=石炭退出による削減貢献)が可能です。
※4)削減貢献量は算定方法が確立されておらず、当社独自に試算を行ったものです。今後、国際基準等が定義された場合は数値を変更する可能性があります。
・文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(3)人的資本
① ガバナンス、リスク管理
人的資本に関するガバナンス、リスク管理は、サステナビリティ全般におけるガバナンス、リスク管理に組み込まれています。詳細については「
② 戦略、指標及び目標
2030ビジョン(2030年目標)の達成には、人材確保、高付加価値人材の育成が不可欠であり、制定した社内環境整備方針・人材育成方針を基に、人的資本に対する取組みを推進してまいります。
■社内環境整備方針、人材育成方針
「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という2030ビジョンを実現する為に、ジェンダーや国籍にとらわれることなく採用活動を行い、働きやすい労働環境や公正な評価と処遇の整備に努め、一人ひとりの価値を引き出しながら長期的な企業価値向上につなげてまいります。
なお、人材育成に関する各施策を推進するに際して、当社のバリューである「挑戦とスピード」、「共創」を各従業員へ浸透させると共に、職位に応じた「あるべき姿」を従業員育成の指針として導入しております。
■当該方針に基づいた具体的な取り組み(設定済みの指標及び目標を含む)
a.ダイバーシティ推進
脱炭素社会の実現に向けてグローバルに事業を展開していく上で、国籍やジェンダーを問わない優秀な人材の活躍が必要不可欠となります。当社におきましては、以下のような方針でダイバーシティを推進してまいります。
・「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」労働者に占める女性労働者の割合
男性比率:71.5% 女性比率:28.5% ※
・女性の活躍推進
女性管理職比率を2030年に10%超となることを目標といたします。
(2022年の女性管理職比率は5.5%)※
新卒採用における女性新入社員比率を2030年に50%とすることを目標といたします。
(2023年4月入社の新卒採用における女性新入社員比率は37.5%)
※上記の数値は子会社等を除いた実績や目標値となります。
・中途採用の活躍推進
新卒従業員の育成と共に新たな事業展開の局面に適した即戦力人材を採用することで、人材ポートフォリオの拡充を行います。
・外国籍の方の活躍推進
b.人材の育成
従業員一人ひとりが、そのステージに合わせて成長が出来るよう、以下のような施策を実施しております。
・職位に応じた研修制度
例:新卒社員向け各種研修、職位別管理職研修
・若手従業員へのフォローアップ
例:新卒入社研修に加えて四半期毎のフォローアップ研修(最初の3年間実施)
・外部ビジネスセミナーの受講
全従業員を対象としたオンライン形式でのセミナー受講環境を整備し、社員へ周知
・四半期毎の目標設定及び人事評価面談の実施
c.多様な働き方の導入
従業員一人ひとりの能力、生活スタイルを尊重し、価値を最大化出来るように多様な働き方の導入を推進してまいります。
・働き方改革(テレワークの導入、時差出勤、有休奨励期間の設定)
・性別に関わらない育児休業制度の運用徹底
d.公正な評価と処遇
従業員一人ひとりがやりがいを持って長期的に働いていく為には、公正な人事評価システムの運用が極めて重要となります。
同時に、ご家族含めて安心感を抱いて頂けるよう、福利厚生については充実を図って参ります。
・退職金・企業年金制度
・従業員持株制度
・ジェンダーや国籍に関係ない評価制度の実現(優秀な若手社員は積極的に登用)
・遺児育英年金
有価証券報告書に記載した事業の状況、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2023年6月27日)において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものです。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。また、以下の記述は、別段の意味に解される場合を除き、連結ベースでなされており、「当社グループ」には当社並びに当社の連結子会社及び持分法適用会社(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和51年大蔵省令第28号)の定義に従います。)が含まれております。
(1)電気事業制度改正による当社グループの影響に関するリスク
当社グループは「電気事業法」に基づいた事業を行っております。電気事業法については、電力システムに関する詳細制度設計、制度見直しの議論が継続的に行われており、その内容によっては、競争状況等への影響がでる可能性があります。また、エネルギー基本計画の改定により、電源構成の大幅な変化が生じる可能性もあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法令等の改正による当社グループへの影響に関するリスク
当社グループが運営する発電所は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT制度 再生可能エネルギー固定価格買取制度)の設備認定を受けた発電設備による発電事業を行っております。現行制度では、一度適用された買取価格は上記法で定める調達期間内において変更されることはありません。経済産業省・資源エネルギー庁による再生可能エネルギー固定価格買取制度の検討によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に何らか影響を及ぼす可能性もありえます。また、エネルギー政策及びその他当社グループの事業に関連する各種法令等が変更された場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす場合があります。
(3)気候変動問題へのリスク
当社グループは、バイオマス発電を中心にCO2フリー電源である再生可能エネルギーの拡大、バイオマス燃料の開発などにも取り組んでおります。日本国内では、2030年のエネルギーミックスにおいて石炭火力発電が電力供給の一定比率を担うとされているものの、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すという政府目標が示され、電力部門においては、再生可能エネルギーの最大限の導入や安全最優先で原子力政策を進めるとされている一方、非効率石炭火力のフェードアウトの検討も進められている事等を踏まえて、今後、気候変動問題への対応のために新たな法的規制等が導入された場合、その内容によっては、事業計画・事業運営に大幅な変更や制約等が生じる可能性あり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」にて具体的に世界の気温上昇に関し仮定した上で、リスク等を想定しています。
(4)競争激化に伴うリスク
当社グループの総販売電力量は、気温・気候の変化、経済・景気動向などの避けがたい外部環境の影響を受け
るほか、2016年4月に開始された電力小売全面自由化に伴う競合他社の新規参入などによる競争環境の変化、電力取引市場における卸電力取引の動向、相対取引の価格の動向などにより、影響を受ける可能性があります。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)卸電力取引市場の取引価格の変動リスク
当社グループが行う電力卸売事業は、主として一般社団法人日本卸電力取引所への電力販売によるものです。また、同時に一般社団法人日本卸電力取引所から電力の調達も行っております。日本卸電力取引所における取引価格は、ロシア・ウクライナ情勢等国際エネルギー情勢を反映した原油、天然ガス等の資源価格の動向、季節や時間帯の電気の需要動向、太陽光発電の稼働状況、原子力発電所等発電所稼働状況等、様々な要因によって変動します。同取引所の取引価格が大きく変動した場合、当社は、変動リスクの軽減のためのヘッジ取引も行っておりますが、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)需給バランス調整リスク
当社グループを含む小売電気事業者は一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給するにあたり、一般送配電事業者の定める託送供給約款等に基づき、発電計画と実際の発電量、需要想定と実際の需要量を、それぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っており、事前に計画した需給量と実際の需給量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されることになります。当社グループでは、需給管理システムを用い、時間毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量を達成できない場合において精算するインバランス料金が多額に生じる場合、当社グループの財政状態経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)電力調達先が当社グループ収益に与えるリスク
当社グループでは旧一般電気事業者、及び発電設備を有する事業会社等からも電力の購入を行っております。当社が電力の購入を行っている発電所の多くは、化石燃料を用いた火力発電を行っており、燃料調整条項が付されているケースでは、輸入化石燃料の価格の変動により調達先発電所からの電力購入価格が変動する場合があります。この場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、調達先電力会社等からの契約解除や契約更新の見送り、契約条件の変更等が行われた場合、並びに電力調達先の発電所のトラブル等により発電量が低下した場合も、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)燃料輸入元に関するリスク
当社グループが運営する発電所で使用するバイオマス燃料であるPKSや木質ペレットは、主に海外の国々を産地としています。これらの国において、法令の変更や政情不安、その他の理由から禁輸措置が執られた場合、または自然災害等により輸出が不可能になった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)バイオマス燃料の価格上昇リスク
当社グループが運営する発電所で使用するバイオマス燃料であるPKSや木質ペレットが、今後、産業構造改革や技術伸展、生産国による法令、税制変更、不可抗力事由(新型コロナウィルス感染症を含む)の発生、及び需要増加による価格上昇が生じた場合、原材料費が増加し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、バイオマス燃料の価格変動リスクに備えて、調達するバイオマス燃料の一部について外貨建て固定価格での長期バイオマス燃料調達契約を締結しております。
(10)為替相場の変動リスク
当社グループが運営する発電所では、海外からの輸入によるバイオマス燃料を用いた発電事業を行っており、為替相場の影響を受けます。また、今後もアジアでの発電事業、燃料事業の拡大も計画しており、為替レートの急激な変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、一部の外貨建て営業債務について為替相場の変動リスクに対するヘッジを目的とした為替予約取引を行っております。
(11)当社グループが運営する発電所の操業リスク
当社グループが運営する発電所においては、安全操業及び設備の安定運転を心がけております。保守・保安作業については当社グループ従業員のみならず、発電設備メーカー及びメンテナンス会社と協議を重ねた上で実施しております。定期点検において、数週間の稼働停止期間が見込まれ、同点検において想定外の設備故障等により、計画通りの操業ができなくなった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)当社グループの所有する発電所の出力制御のリスク
太陽光発電や風力発電といった発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源においては、電力需給バランスを保ち電力供給の安定化を図ることを目的とし、運転開始後における無制限・無補償の出力制御を受け入れることが系統への接続要件となる出力抑制ルールを拡充する制度改定が2015年1月に行われました。
バイオマス発電については電力広域的運営推進機関の定める送配電等業務指針に基づき、原則として火力発電に準じた電源として出力制御を受けることになります。今後、想定を上回る出力制御が実施された場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)多額の設備投資に関するリスク
当社グループは、小売電気事業者として電力の小売を行うとともに、安価な再生可能のベース電源を確保するため、バイオマス発電所に積極的な設備投資を実施してまいりました。今後も国内外での再生可能エネルギーの発電所建設を推進、計画してまいります。
当社グループでは、設備投資の決定は市場動向、競合他社の動向等も検討しつつ、事業戦略及び当該投資の収益性等を総合的に勘案し、慎重に実施していくことにしています。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、当社の想定どおりに需要が拡大しなかった等の場合には、使用設備の除却や減損が生じるなど、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(14)多額の借入金及び財務制限条項への抵触のリスク
当社グループの借入金のうち、融資契約(シンジケートローン)に基づく借入金については、財務制限条項が付されております。これに抵触した場合、貸付人の請求があれば期限の利益を失うため、直ちに債務の弁済をするための資金が必要になり、当社グループの財政状態及び資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。
当該財務制限条項は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結貸借対照表関係 6 財務制限条項」に記載しております。
(15)エネルギー情勢の変動に伴うリスク
ロシア・ウクライナ情勢等による、国外、及び国内の政治、経済、社会情勢や政策の変化などにより、国際的なエネルギー情勢は大きく影響を受ける可能性があります。前述(5)、(7)の通り、エネルギー価格の変動は、当社グループの電源調達に大きな影響を与える他、物流などの問題から燃料調達への支障が生ずる可能性もあります。当社グループの事業運営に影響が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)情報管理・セキュリティ
当社グループは、大量のお客様情報をはじめ、業務上の重要な情報を保有しています。社内規程の整備、社員教育等を通じて、情報の厳正な管理に留意しておりますが、サイバー事案などにより、これらの情報が流出した場合には、社会的信用が低下し、事業運営に影響が生じる可能性があります。
(17)海外バイオマス事業をはじめとする国内外での新たな事業への取組みについて
当社グループは、収益基盤の強化を目指して、ベトナムを中心とした東南アジアにおけるバイオマス燃料事業、ベトナムを始めとするバイオマス発電事業、石炭火力をバイオマスに転換するトランジション事業など国内外での新たな取組みを進めております。また、国内電気事業については、高効率石炭火力発電所等の新規開発や、フューエルコンバージョンによる再生可能エネルギーを利用した発電事業等に加えて、カーボンニュートラルの推進、デマンドレスポンスへの注力等にも取り組んでおります。
しかしながら、これらの事業は、状況の大幅な変化、需要や市場環境の変化、規制の変更等の予期せぬ事態の
発生等により、当社グループが期待したほどの収益を生まない可能性があり、これらの事情により事業計画の変更、事業・建設の取り止め等があれば、これに伴う関連費用の発生、追加資金拠出等により、当社の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性もあります。さらに、海外での事業については、為替リスクに加え当該国の政情不安等によるリスク(カントリーリスク)が存在します。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ア.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ14,320百万円増加し、171,480百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,750百万円増加し、97,089百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,569百万円増加し、74,390百万円となりました。
イ.経営成績
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
売上高 |
230,502 |
296,312 |
28.6 |
|
営業利益 |
12,498 |
14,884 |
19.1 |
|
経常利益 |
13,761 |
15,295 |
11.1 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
9,653 |
9,186 |
△4.8 |
当連結会計年度における連結経営成績におきましては、売上高は296,312百万円(前年同期比+28.6%)、一方、売上原価は270,577百万円(同+30.3%)となり、売上総利益は25,735百万円(同+12.6%)となりました。販売費及び一般管理費は10,850百万円(同+4.8%)となり、営業利益は14,884百万円(同+19.1%)、経常利益は15,295百万円(同+11.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,186百万円(同△4.8%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6,689百万円増加し、33,488百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(単位:百万円)
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
13,312 |
21,489 |
8,176 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△22,975 |
△14,576 |
8,399 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
4,659 |
△225 |
△4,884 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
26,799 |
33,488 |
6,689 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、21,489百万円(前年同期比61.4%増)となりました。主な要因は、法人税等の支払額2,705百万円、未払金の減少(資金の減少)1,393百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益15,295百万円、減価償却費5,564百万円、売上債権の減少(資金の増加)3,990百万円、未収入金の減少(資金の増加)1,553百万円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、14,576百万円(前年同期比36.6%減)となりました。主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入4,564百万円等があったものの、敷金及び保証金の差入による支出12,484百万円及び関係会社の増資のための支出6,280百万円等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、225百万円(前年同期は4,659百万円の収入)となりました。主な要因は、社債の発行による収入5,000百万円等があったものの、長期借入金の返済による支出4,649百万円及び配当金の支払額1,303百万円等が生じたことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは電力事業の単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
発電実績(MWh) |
発電実績(MWh) |
||
|
電源開発(連結子会社による発電) |
1,200,608 |
1,624,647 |
35.3 |
|
合計 |
1,200,608 |
1,624,647 |
35.3 |
b.受注実績
当社グループは電力事業を主たる事業として行っており、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
|
区分 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
増減率(%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
電力小売 |
93,890 |
98,525 |
4.9 |
|
電力卸売 |
133,308 |
190,844 |
43.2 |
|
その他 |
3,302 |
6,942 |
110.2 |
|
合計 |
230,502 |
296,312 |
28.6 |
(注)主要な販売先
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
一般社団法人 日本卸電力取引所 |
81,274 |
35.3 |
101,998 |
34.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア.財政状態の分析
|
区分 |
前連結会計年度 (2022年3月31日) |
当連結会計年度 (2023年3月31日) |
増減額 |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
|
|
流動資産 |
69,450 |
44.2 |
79,329 |
46.3 |
9,879 |
|
固定資産 |
87,708 |
55.8 |
92,150 |
53.7 |
4,441 |
|
資産合計 |
157,159 |
100.0 |
171,480 |
100.0 |
14,320 |
|
流動負債 |
42,955 |
27.3 |
48,400 |
28.2 |
5,444 |
|
固定負債 |
47,382 |
30.1 |
48,689 |
28.4 |
1,306 |
|
負債合計 |
90,338 |
57.5 |
97,089 |
56.6 |
6,750 |
|
株主資本 |
49,844 |
31.7 |
57,648 |
33.6 |
7,803 |
|
その他の包括利益累計額 |
5,871 |
3.7 |
4,420 |
2.6 |
△1,450 |
|
非支配株主持分 |
11,104 |
7.1 |
12,321 |
7.2 |
1,216 |
|
純資産合計 |
66,820 |
42.5 |
74,390 |
43.4 |
7,569 |
|
負債純資産合計 |
157,159 |
100.0 |
171,480 |
100.0 |
14,320 |
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は79,329百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,879百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金、デリバティブ債権が増加したことによるものであります。固定資産は92,150百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,441百万円増加いたしました。これは主にその他に含まれる関係会社の増資による支出が増加したことによるものであります。
この結果、総資産は171,480百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,320百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は48,400百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,444百万円増加いたしました。これは主に買掛金及びデリバティブ債務が増加したことによるものであります。固定負債は48,689百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,306百万円増加いたしました。これは主に長期借入金の減少があったものの、社債が増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は97,089百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,750百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は74,390百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,569百万円増加いたしました。これは主に繰延ヘッジ損益が減少したものの、当期純利益の計上による利益剰余金及び非支配株主持分が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は36.2%となりました。
イ.経営成績の分析
|
区分 |
上期 (自 2022年4月1日 至 2022年9月30日) |
下期 (自 2022年10月1日 至 2023年3月31日) |
通期 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
売上高 |
(百万円) |
137,577 |
158,735 |
296,312 |
|
営業利益 |
(百万円) |
10,809 |
4,074 |
14,884 |
|
営業利益率 |
(%) |
7.9 |
2.6 |
5.0 |
|
経常利益 |
(百万円) |
7,536 |
7,758 |
15,295 |
|
経常利益率 |
(%) |
5.5 |
4.9 |
5.2 |
|
区分 |
計画 2023年3月期 |
実績 2023年3月期 |
計画達成率 (%) |
|
金額(百万円) |
金額(百万円) |
||
|
売上高 |
290,000 |
296,312 |
102.2 |
|
営業利益 |
14,900 |
14,884 |
99.9 |
|
経常利益 |
14,700 |
15,295 |
104.0 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
8,000 |
9,186 |
114.8 |
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化等の影響による資源価格、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等もあり、浮揚感に乏しく推移し、先行きが依然として不透明な状況にありました。エネルギー分野においても、燃料価格、卸電力取引市場(JEPX)価格の上期における上昇、下期における下落に加え、カーボンニュートラルの推進、電力安定供給の確保に係る施策の推進等、事業環境及び政策動向ともに大きく変化しており、安定供給を低廉かつ持続的に行うことが求められるエネルギー事業を進めるに当たり、事業環境の先行きが極めて見通しにくい状況にありました。
このような状況の中、当社グループでは、~持続可能な社会実現のために~「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」というビジョンのもと、日本市場のみならず、ベトナムを始めとするアジア諸国においても脱炭素に向けた取り組みを段階的かつ着実に具現化し、創業より受け継ぐ「挑む文化」をもって「総合エネルギー企業」へと進化しております。また、事業基盤の構築と国内事業の再整備及びグローバル化への対応等、事業活動全般にわたる徹底した効率化を図るべく、今後ともグループ一体となって取り組んでまいります。
電力小売事業につきましては、当社グループの販売子会社であるエバーグリーン・マーケティング株式会社、エバーグリーン・リテイリング株式会社を中核として、株式会社沖縄ガスニューパワー、ティーダッシュ合同会社及び株式会社イーセルが販売を行っております。高圧分野では、暖冬等による需要減及び利益重視の施策による値上げを行った影響により販売電力量は大幅減となりましたが、販売単価の上昇等により利益率は改善いたしました。その結果、販売電力量は約2,475百万kWh(前年同期比△46.4%)となりました。低圧分野では、巣ごもり需要の減少影響があったものの、新規顧客獲得や収益性の高い需要家を中心に営業展開を図ったことにより、販売電力量は約1,379百万kWh(前年同期比+13.7%)、電力供給施設件数は約307,000件(前年同期比+約18,000件)となりました。
発電事業につきましては、佐伯、豊前、大船渡、中城の各バイオマス発電所が年度を通じて計画通り稼働いたしました。一方で、土佐発電所(バイオマス)は設備修繕期間の延長、糸魚川発電所(石炭火力)は石炭価格と卸電力取引市場の価格を考慮した抑制運転を実施したため、計画を下回る結果となりました。なお、土佐発電所につきましては2023年2月に固定価格買取制度(FIT制度)から、売電価格にプレミアムが上乗せされるFIP制度に移行し、適用しております。また、国内初の商用水素専焼発電所につきましては、引き続き実証運転を行いながら、今後の事業化への検討を進めております。Non-FIT大型バイオマス発電所につきましては、環境アセスメントにおいて指摘事項が生じたことから、営業運転開始予定時期を2026年度から2029年度へと計画の変更を行いました。さらに海外案件であるカンボジアにおける水力発電プロジェクトにつきましては、出資比率を引上げ、迂回トンネル出口掘削工事の実施等、2025年稼働にむけて順調に建設工事を行っております。また、ベトナムにおける初の商用バイオマス発電となるハウジャン省のバイオマス発電所も、2024年10月の運転開始にむけて順調に建設を行っております。
燃料事業につきましては、円安の影響に加え、燃料価格及び海上運送費の高騰によりバイオマス燃料の調達コストは上昇しておりますが、長期契約とスポット契約の適切な組合せや、自社ストックパイルの活用、サプライヤーの拡充等により、安定した燃料調達を継続しております。さらに、ベトナムにおいて木質残渣、もみ殻、稲わら等、未利用のバイオマス燃料を確保し、栽培中のニューソルガムと併せ、バイオマス燃料の開発を強力に推し進めております。
トレーディング事業につきましては、燃料価格の高騰と下落、卸電力取引市場取引価格の上昇と下落等、市場環境が大きく変化する状況の中、自社電源及び相対契約電源を活かした電力調達コスト削減、卸電力取引市場の適切な活用、相対卸売取引及び電力デリバティブ取引の活用等、様々な電力取引を組み合わせて機動的に運用することで、収益の安定化を図りました。
販売費及び一般管理費につきましては、国内外での業容拡大等により業務委託費、支払手数料等が増加したものの、従来に引き続き効率化を図ることにより、計画より減少いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における連結経営成績につきましては、売上高は296,312百万円(前年同期比+28.6%)、売上原価は270,577百万円(同+30.3%)となり、売上総利益は25,735百万円(同+12.6%)となりました。また、販売費及び一般管理費は10,850百万円(同+4.8%)となり、営業利益は14,884百万円(同+19.1%)、経常利益は15,295百万円(同+11.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,186百万円(同△4.8%)となりました。
ウ.キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
エ.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主要な資金需要は設備投資等であり、自己資金及び長期借入金により調達しております。
また、短期的な資金需要に対しては、短期借入金による調達に加えて当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保しております。
オ.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(1)バイオマス燃料調達契約
|
相手方の名称 |
契約締結日 |
契約期間 |
|
丸紅株式会社 |
2016年12月2日 |
2020年1月1日から2029年12月31日まで |
|
サムスン物産株式会社 |
2016年12月19日 |
2020年1月1日から2029年12月31日まで |
|
阪和興業株式会社 |
2016年12月21日 |
2020年1月1日から2029年12月31日まで |
|
サムスンC&Tジャパン株式会社 |
2018年7月20日 |
2021年4月1日から2031年3月31日まで |
|
阪和興業株式会社 |
2018年12月1日 |
2019年1月1日から2029年12月31日まで |
|
Asia Bio Hub Co., Ltd |
2018年12月12日 |
2019年7月1日から2029年6月30日まで |
(2)当社連結子会社における契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
契約期間 |
|
イーレックスニューエナジー株式会社 |
太平洋セメント株式会社 |
2012年10月11日 |
発電所用地の事業用定期借地権設定契約 |
2012年10月11日から 2033年3月31日まで |
|
イーレックスニューエナジー佐伯株式会社 |
太平洋セメント株式会社 |
2014年7月31日 |
事業用定期借地権設定契約 |
2014年9月1日から 2036年9月30日まで |
|
豊前ニューエナジー合同会社 |
九州高圧コンクリート工業株式会社 |
2016年11月17日 |
事業用定期借地権設定契約 |
2016年11月20日から 2041年11月19日まで |
|
糸魚川発電株式会社 |
明星セメント株式会社 |
2016年6月30日 |
事業用定期借地権設定契約 |
2016年7月31日から 2032年3月31日まで |
|
糸魚川発電株式会社 |
明星セメント株式会社 |
2016年6月30日 |
石炭中継契約書 |
2016年7月31日から 2032年3月31日まで |
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、