第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、グループミッションである「はたらく力で、イキイキをつくる。」を実現するため、「はたらく人」と「企業」双方を顧客として捉える「ツインカスタマー戦略」を推進し、事業展開しております。

2030年に向けた長期経営ビジョンとして「これからのはたらき方のプラットフォームになる」を掲げ、2025年3月期をターゲットとする第4次中期経営計画では「より多くのはたらく人に応えられるキャリアプラットフォームへ」を中期経営目標として、持続的な企業価値の向上を目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、成長と安定のバランスをとりながら持続的に企業価値を向上させることを経営の目標としております。経営指標としては、成長性を評価する観点から「EBITDA(営業利益に減価償却費、のれん償却額及び株式報酬費用を加算した額の金額)成長率」、投資と財務安定性を確保するために「グロスDEレシオ」としております。

第4次中期経営計画においては、EBITDA成長率は2021年3月期からの年平均成長率30%以上、グロスDEレシオは2025年3月末で1.0以下を目標として、高い成長率と財務の安定性の両立を目指してまいります。

また、当社グループは、株主へ還元することを重視しており、将来の事業展開や経営環境の変化等を勘案の上、「総還元性向30%以上」を基本方針として継続的な株主還元に努めてまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

(第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)の前提)

わが国の生産年齢人口(15歳~64歳)は、少子高齢化の進行によって1995年の8,176万人をピークに減少に転じ、平成27年国勢調査によれば2015年には7,629万人まで減少しております。人口動態のトレンドは大きく変わることはなく、2030年には約7,000万人程度まで減少することが予測されています(国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年4月)」(出生中位・死亡中位推計))。このような生産年齢人口の減少に対応するため、政府では、はたらく人の個々の事情に応じた多様な働き方ができる社会に向けた働き方改革が進められています。

このような状況下において、当社グループは、2020年3月期に終了した第3次中期経営計画において、「日本全土に仕事をつくる」をビジョンとして掲げ、主な事業領域として製造業の中でも全国の大規模工場に特化することで、製造オペレータからエンジニアへのキャリアアップを可能とするキャリアプラットフォームを構築し、技術職社員数は計画開始前の10,926名から19,634名へと大幅に増加、売上高も44,050百万円から101,103百万円と事業規模を大幅に拡大することができました。

一方、事業モデルの特性上、対象となるはたらく人は男性の若年層が中心となり、それ以外の働く意欲を持った方々への機会提供は十分とは言えませんでした。

また、新型コロナウイルス感染拡大の影響は、2020年1月頃の発生以降、長期化の様相を呈しています。感染拡大を防ぐ措置としての人の移動制限等から2020年春に「新しい生活様式」が示され、テレワークを含む働くスタイルの多様化は、今後も不可逆的なものとして継続し、より一層強まることも想定されます。従来は全国の職場での転勤を伴うキャリアアップが志向されていたはたらく人の価値観も今後は大きく変化する可能性があります。

 

 

(第4次中期経営計画の概要)

これらの状況を踏まえ、当社グループでは2020年5月に「より多くのはたらく人に応えられるキャリアプラットフォームへ」を中期経営目標とする第4次中期経営計画を策定いたしました。

① モノづくり人材の育成と供給

第3次中期経営計画において確立した業界トップの製造業向け人材サービスをさらに強化、拡充し、中核事業としての基盤を盤石にします。具体的には、採用と育成という当社グループの中核機能にHRTech等の技術を取り入れ、機能の強化と効率化を追求することで、企業に対するサービス品質を高め、キャリアを重視する働き方に応え、はたらく人のキャリア形成を効果的に促進することで、「キャリアアップを意識してイキイキ働ける環境づくり」を目指します。

 

② 地域プラットフォームの拡充

はたらく人のライフステージによっては、キャリア形成よりも安定を重視する時期があります。また、新型コロナウイルスの影響によって地元志向の求職者が増加することも想定されます。これらに対応するため、これまでの「キャリア形成の場」としてのキャリアプラットフォームに「安定した生活基盤」としての機能を拡充し、その役割をさらに拡大していきます。

そのため、地域毎に異なる顧客ニーズに迅速に対応できるよう、地域の有力企業との業務提携やM&Aを推進するとともに、既存地域オフィスが営業から採用までを独自の判断で行えるように再編すると同時に効率性を高めるため、オフィス共通のITインフラを整備します。

また、対象となる企業属性を従来のような製造領域だけに限定せず、地域における職場数の拡大を図り、はたらく人の雇用を安定化させることで、「地元でイキイキ働ける環境づくり」を目指します。

 

③ 外国人がイキイキ働ける環境整備

が国では、少子高齢化によって生産年齢人口の減少が続いており、将来的にもこのトレンドが継続するものと予測されております。改正入国管理法により、外国人技能実習生の活用範囲が拡がるとともに、習熟した人材が日本で働くことが可能となりました。同時に、新興国では経済成長に伴い製造業の発展、拡大が見込まれます。日本で身につけた技術を生かして母国で働きたい人のニーズや新興国で製造拠点を作る企業のニーズの拡大を想定し、日本国内と海外新興国における人材の育成と橋渡しとなることで、「日本で外国人がイキイキ働ける環境づくり」と「日本で学んだ外国人が母国でイキイキ働ける環境づくり」の両立を目指します。

 

④ 高スキルエンジニア領域の開拓

企業が生産性を向上させるには、テクノロジーの活用が欠かせません。また、ソフトウエアやネットワークとモノづくりが一体となった製品開発の増加により、領域横断での知識・経験等高度な技術を持った人材がより多く必要となっていきます。

当社グループは、この領域に対し、実績のある大手企業との提携やM&Aを活用して規模拡大と機能強化を図ります。技術の領域で働き続けたいエンジニアや高度なスキルを身につけたい人材等のニーズに応えることで、「技術を追求しながらイキイキ働ける環境づくり」を目指します。

 

 

⑤ 人材流動化支援の推進

働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなく、その能力を十分に発揮できるよう改正された高齢者雇用安定法では、企業に対して定年後も就労を希望する高齢者の再雇用を求めています。当社グループでは、特に従業員数が多い大企業向けに、合弁会社の設立等により、継続雇用を支援し、高齢者の豊富な経験を様々な領域で生かすことができる職場の開拓を目指します。

また、事業環境や経営戦略の変化に伴う事業再編によって発生する中核製品以外の製造事業・事務派遣事業等のノンコア事業のオペレーションやそこではたらく人材を当社グループが譲り受ける人材ソリューションの提案を行います。主に人材関連の事業を当社グループ内に取り込むことにより、間接コストを削減する等、経営効率の改善を図ります。

当社グループが提供するキャリアプラットフォームに参加することにより、はたらく人にとってはこれまでのキャリアの一貫性を保つことができると同時に、事業譲渡した企業では中核事業に経営資源を集中することで新たな成長戦略に取り組むことができます。

このような大企業特有の人材活用に関する経営課題に対して最適なソリューションを提供し、人材の流動性を高めることで、「経験豊富な人材がイキイキ働ける環境づくり」を目指します。

 

⑥ 新たな職域での事業基盤の構築

当社グループは、製造業の生産工程を中心とした人材派遣事業が中心であることから、派遣先企業で働く技術職社員の属性は若年層の男性中心となっております。今後は、女性を含む多様なはたらく人のニーズに応えるため、生産工程以外の新たな職場領域の開拓を計画しております。しかし、これらの職場領域を事業領域とする事業者が多数存在する市場に新規参入して規模を拡大することは困難なことが想定されることから、当社独自の事業モデルであるソリューション事業を活用して規模の拡大を図ってまいります。

これまでに大企業向けの人材流動化支援により譲受けた事務派遣事業やBPO事業を基盤として、新たな事業基盤を構築することで「女性を含む多様な人材がイキイキ働ける環境づくり」を目指します。

 

(第4次中期経営計画の進捗)

当社グループは、第4次中期経営計画の2年目である2022年3月期において、売上高とシェアの拡大に注力した結果、当該計画の売上高目標を1年前倒しで実現する等、好調な進捗であることから、2022年5月に2023年3月期から最終年度である2025年3月期の売上高・EBITDA目標を修正いたしました。当連結会計年度ではグループ内の大幅な組織再編や新しい業務システムの段階的な導入を行い、生産性の向上と人員配置の最適化を進めるとともに、採用効率の改善のための採用オペレーションの最適化を図ることで、当社グループが中長期的に成長加速を実現していくための筋肉質な事業基盤を整え、収益性の向上に取り組みました。

以上の結果、当連結会計年度は売上高170,631百万円(目標値180,000百万円に対して5.2%未達成)、EBITDA(※)15,714百万円(目標値15,000百万円に対して4.8%超過)となりました。

※ EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+のれん償却額+株式報酬費用

 

(4) 気候変動への対応

当社グループでは、2021年4月に策定した「サステナビリティ基本方針」のもと、「はたらく人の可能性を広げる」「事業基盤の継続的な強化」「公正で透明性の高い組織統制」「環境への適切な配慮」を重点課題に据えております。とりわけ気候変動に関連して大規模な自然災害が発生した場合には、顧客企業等の製造設備の被害等により生産活動が停止する可能性があり、サプライチェーンに関わる物理的なリスクが高まります。このように気候変動をはじめとする世界規模で顕在化している環境課題に対しては、2021年4月に策定した「環境方針」のもと、上述の重点課題「環境への適切な配慮」を踏まえた環境マネジメント体制の構築を進めております。さらに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が提唱するフレームワークに則り、「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標と目標」の4つの項目について、推奨される情報を継続的に開示してまいります。

全ての従業員がこれらの重要性を理解し、当社グループの持続的成長の実現に向けて、当社グループの価値の源泉である“はたらく人の成長”を支えるための事業基盤と組織統制体制の一層の強化に努めてまいります。

 

 

① ガバナンス

a.取締役会が気候関連課題について報告を受けるプロセス、議題として取り上げる頻度、監視対象

UTグループでは全社でのリスクマネジメント体制において気候変動を含むリスクを管理・分析し、その分析内容を経営会議及び取締役会に年1回以上報告する体制を構築しております。

b.経営者の気候関連課題に対する責任、報告を受けるプロセス(委員会等)、モニタリング方法

気候関連課題に対する最高責任権限を有する代表取締役社長は、経営会議及び取締役会においてサステナビリティ推進を行うサステナビリティ事務局を設置し、気候変動を含むサステナビリティ課題に関する取り組みを管理・推進しています。

 

② リスク管理

a.気候関連リスクの特定・評価プロセスの詳細、重要性の決定方法

UTグループでは全社でのリスクマネジメントプロセスの一環として、網羅的なリスクアセスメントを定期的に行っており、その中で気候変動に関するリスクを抽出しております。その後、関連部署へインタビューを経て発生頻度、影響度などにより重要性を決定しております。

b.重要な気候関連リスクの管理プロセスの詳細、優先順位付けの方法

気候関連リスクを含む重要なリスクは、リスクモニタリング事務局がその対策状況のモニタリングやリスク情報を経営会議及び取締役会へ報告する体制としております。

c.全社リスク管理の仕組みへの統合状況

UTグループでは気候変動を含む重要なリスクは定期的に行われるリスクアセスメントを経て、経営会議で管理され、その状況は取締役会によってモニタリングされております。

 

③ 戦略

 

シナリオ

財務影響

取り組み

移行リスク

脱炭素への取り組み強化に関する法的・社会的な要求度が高まりにより、その対応に要するコスト負担が増加する

各種施策を講じることで脱炭素社会への適応を図る

物理リスク

気候変動に起因する自然災害により派遣先企業が被災した際の稼働停止によって売上機会が喪失する

・取引契約への休業補償の導入等による売上減少インパクトの低減

・迅速な従業員の安否確認体制の強化

森林減少により気候変動が加速する

オフィスで使用する紙使用量の抑制

 


④ 指標と目標

a.気候関連リスク・機会の管理に用いる指標

UTグループではオフィスで使用する紙の使用量について抑制するため、売上高に対する紙使用率(2020年3月期実績を100とする指数)を指標として設定しております。

b.実績

 

単位

2021年3月期

2022年3月期

2023年3月期

売上高に対する紙の消費量 ※

79.8

57.0

42.0

 

※ 2020年3月期を100とした指数

 

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

(1)~(3)に記載の長期経営ビジョン及び第4次中期経営計画を実行し、持続的な企業価値の向上を目指す上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。

 

① 景気変動の影響を受けにくい事業基盤の構築

当社グループの事業は、製造工場の生産現場を中心とした職種への人材派遣や製造請負の占める割合が高いため、景気変動、自然災害及び感染症等の事象に影響される派遣先企業の生産調整によって、人材需要低下等の影響を受けやすい構造にあります。従来はマニュファクチャリング事業において、半導体・電子部品関連分野の割合が高かったことから、シリコンサイクルの影響を低減するため、異なる製品分野への分散を図ってまいりました。分散化により、個別の製品分野に対する生産変動への耐性は高まったものの、経済全体の減速に伴い全ての製品分野において生産量の減少が生じた際には、依然として解約リスクをゼロにすることは難しいと認識しています。

そのため、大幅な景気後退が生じた際の解約リスクを低減するための顧客工場内シェアの拡大や製造業の中でも景気変動の影響を受けにくい製造技術領域等の職種開拓を進めております。併せて、地域密着型で多様な職場を開拓するエリア事業、大企業を中心とした構造改革需要を取り込むソリューション事業、建設技術者・IT技術者の派遣事業を行うエンジニアリング事業の強化を進め、景気変動の影響を受けにくい事業基盤を構築してまいります。

 

② 恒常的な欠員確保

当社グループの事業は、派遣先企業で働く派遣労働者を当社グループで正社員として無期雇用することで、はたらく人の雇用の安定化と企業へのフレキシビリティの提供を両立させております。この事業モデルを機能させるためには、ある職場で人員が余剰となった際に、異なる職場への配置転換を迅速に行わなければなりません。そのため、全国各地の職場において、欠員(受注残)を恒常的に確保しておくための活動が必要となります。

当社グループでは、人材管理とともに顧客への提案活動を行う管理者を顧客毎に配置して欠員の確保を行っております。また、事業部毎に設置した営業組織により、事業会社を横断したサービス提案や新規顧客開拓等の活動を通じた欠員の確保を行っております。

 

③ 多様な人材の活躍促進と安定的な採用体制の構築

わが国では、少子高齢化によって生産年齢人口の減少が続いており、将来的にもこのトレンドが継続するものと予測されております。当社グループの技術職社員の大多数が若年層であり、中長期的にはこの影響を大きく受けることから、人材採用が困難になる可能性があります。

このような環境の中、女性・シニア・外国人など多様な属性の人材が活躍できる職場を増やしていくことが重要課題であると認識しています。このため当社グループでは、新たな顧客企業の開拓を進めるとともに、従業員から寄せられる職場改善に関する意見や求職者のニーズをもとに、顧客企業側により多様な人材を受け入れることができる職場づくりの提案を積極的に行っております。

当社グループは人材の安定的な採用のため、求人広告をはじめとする様々な採用媒体の活用や当社グループ独自の求人サイトの構築、全国の拠点における面接担当者のスキルの標準化等により採用効率を高め、安定的に人材を採用できるための体制を構築してまいります。

 

 

④ 技術職社員の離職率低下とスキル向上

当社グループが属する製造派遣業界における派遣社員の離職率は、いわゆる正規雇用と呼ばれる正社員と比較すると高水準と言われており、流動性が高いことが特徴となっております。これは、製造派遣業界では有期雇用が一般的であることに起因し、製造派遣業界の派遣社員は、一貫したキャリア形成やスキルを向上させることが困難になっております。また、製造派遣業界の派遣社員の離職率の上昇は、派遣社員数を維持するために採用コストを生じさせ、利益率の低下を招きます。加えて、派遣社員のスキル向上が図れない場合は、派遣単価を上昇させることが困難になります。

このような状況認識の下、当社グループでは、顧客企業に派遣する社員を正社員(無期雇用)として雇用し、雇用の安定化を確保した上で、社内認定のキャリアカウンセラーが一人ひとりに合ったキャリアプランを一緒に考え、教育・訓練等を通じたスキルアップやキャリアアップに取り組んでおります。引き続きこれらの施策を進めるとともに体制を一層強化することにより、技術職社員の離職率低下と付加価値の継続的な向上を図ってまいります。

 

⑤ 経営管理・事業運営体制の強化

当社グループは、持続的に高い売上高を達成し、利益成長を続けることを目指しております。それに伴い、経営管理や事業運営を行う人員を育成・確保するとともに、事業規模に応じた組織基盤を確立させることが欠かせません。

そのため当社グループでは、これらの経営管理や事業運営を支える人員の確保・育成とともに、柔軟な組織運営やそれを支える業務システムの構築等を重要課題として取り組んでおります。

 

⑥ コーポレート・ガバナンスと内部統制体制の継続的な強化

当社グループの持続的な成長と企業価値の向上を実現するためにはコーポレート・ガバナンス体制の強化が重要であると認識しております。

当社グループは、的確かつ迅速な意思決定及び業務執行体制とそれを適切に監督・監視する体制の構築を図っております。経営の健全性や透明性を確保する観点から、今後も事業規模に応じたコーポレート・ガバナンス体制の強化を継続的に図ってまいります。また、企業規模の拡大やグループ会社の増加、海外での事業展開等、内部統制の重要度が増してきていることから、グループ全体での内部統制につきましても継続的な強化を図ってまいります。

 

⑦ M&Aによる事業拡大

当社グループの主力事業である製造業向け人材派遣事業は、業界に先駆けた無期雇用派遣と高い人材供給力や高品質な人材育成・管理体制によって、特に大企業において大きなシェアを獲得しております。一方、地域における職場数や技術者領域や事務領域等の製造工程以外での職種等、当社グループが未だ競争力を発揮できていない領域があります。これらの今後開拓すべき事業領域では、M&Aが有効な手段であると考えております。

当社グループは、採用・育成プラットフォームや既存事業とのシナジーを考慮した上で、ターゲット企業に対して事業の評価を行い、企業価値の向上に資するM&A戦略を推進してまいります。また、買収後には、グループ全社の経営基盤機能を有する経営基盤部門内に設置したPMI担当組織が、ガバナンス強化を行い早期にグループシナジーが実現できる体制を構築してまいります。

 

⑧ 業務プロセスの効率化とITによるグループ共通業務基盤の構築

当社グループの各拠点における採用・営業・事務等の業務には、帳票類やプロセスの標準化等、システム導入による効率化の余地があると認識しております。

当社グループでは、全社横断のプロジェクトチームを設置し、課題の抽出やITによる効率化の可能性の検討を重ね、段階的にシステム導入を進めております。2022年4月には、共通の事業特性を持つ子会社を統合する等、大幅なグループ内組織再編を実施いたしました。第4次中期経営計画の各戦略をより明確な道筋で推進することにより、中長期的に筋肉質で強固な業務基盤を構築してまいります。

 

 

⑨ 外国人材の活用促進

わが国では、生産年齢はもとより総人口の減少が続いており、将来的にもこのトレンドは継続するものと予測されております。2019年4月に施行された改正入国管理法では、新たな在留資格が創設される等、外国人を受入れるための法整備が進んでおります。また、当社グループが持続的に成長していく上では、国内だけでなく海外での事業展開も視野に入れることが必要であると認識しております。

当社グループは、2017年より外国人技能実習生を対象とした労務管理代行事業を開始し、企業が外国人を活用する際に、外国人の権利保護等のコンプライアンスを遵守する体制を構築してまいりました。当社グループは、外国人が活躍できる環境をつくるため、技能実習により技術を身につけた外国人が特定技能ビザに基づいて日本国内で継続的に働くための就労支援や、企業に対する労務管理の代行事業を推進してまいります。また、母国に帰国したあとにその技術を活かして働くことを支援するために、現地の有力企業との資本・業務提携を通じた人材サービス事業の構築を進め、海外における事業基盤の拡大を図ってまいります。

加えて、日系人を海外から招聘する・国内在住の日系人を採用するためのネットワークの強化と安心して働くことのできる職場環境づくりを進めてまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) ガバナンス

当社グループでは「はたらく力で、イキイキをつくる。」というミッションステートメントの下、一人でも多くの人がイキイキと人生の可能性を追求できる良質な職場をお客様とともに作り上げ、人と企業の成長が好循環する場を世の中に増やし続けていくためにサステナビリティ基本方針を定めております。取締役会において定期的にサステナビリティに関する議論を行いガバナンスの強化を図っております。

 

(2) 戦略

当社グループでは、働く意欲を持つ一人ひとりが、働くという行為を通じて自分自身の個性を発揮する能力を身につけ、その力を発揮できる機会や環境を作り出すことを事業の根幹に据えております。当社グループを通じて働く人材一人ひとりが重要な資産であり人的資本として捉え、その価値向上に向けた人的資本経営に取り組んでおります。

 

① 企業理念

当社グループでは「はたらく力で、イキイキをつくる。」というミッションステートメントを頂点とした理念体系を構築しています。この理念体系の中心にあるのは当社グループを通じて働く一人ひとりが尊重され成長を実感しながらイキイキと働くことにあります。一人ひとりの成長と顧客の成長が相互に影響を与え合い好循環する「ツインカスタマー戦略」はこの理念体系を体現した事業戦略となっています。

 

② 人的資本経営の取り組み

当社グループでは、当社グループを通じて働く人材が会社にとって最も重要な資産であり、人的資本の価値向上が企業価値向上にとって不可欠であると考えております。当社グループでは人的資本を「多様性」「市場価値」「エンゲージメント」の3つの要素で独自の捉え方をし、その価値向上に向けた取り組みを強化しています。

多様性と市場価値を高めるための人材採用や育成に関しては、年齢、性別、国籍、学歴、経歴等によらず、一人ひとりの自己実現に必要となる就業、教育、カウンセリング等のキャリア形成の機会を等しく提供するとともに、その役割や成果に対して常に公正な評価と処遇がなされるよう「UTグループ人材採用方針」及び「UTグループ人材開発方針」を定めております。

一方、当社の主力事業は人材派遣事業であり、人材が働く環境は主に派遣先企業の中にあります。このような環境下でも多様な人材が働き公正に処遇される職場を作るために「UTグループ職場開発方針」を定め、派遣先企業との協働により安全で働きやすい労働環境の継続的な改善に取り組んでおります。

なお、当社グループの管理下にある間接部門につきましては、多様な人材が柔軟に働けるようリモートワーク制度やフレックス制度を導入しております。

エンゲージメントを高めるためには、当社が働く人に提供する基本的価値である「安心」「つながり」「成長」を提供し続け、それを実感できることが大切であると考えております。これらも「UTグループ人材開発方針」や「UTグループ職場開発方針」等のもとで、様々な施策に取り組んでおります。

 

 

③ 脅威と機会

現在日本では少子高齢化が進み生産年齢人口の減少が深刻になっています。国立社会保障・人口問題研究所による将来人口の推計では2030年には日本の人口の1/3が高齢者になると予測されることから、時間とともに人手不足は深刻な問題となっていく事と考えられます。また、近年ではいわゆる日本型雇用は現在の経済社会環境に適応していくことが困難なことが明らかになるとともに、働く人の意識もコロナ禍以降で大きく変質してきました。人口減少や求職者ニーズの多様化は当社グループでの採用を困難にする可能性がありますが、事業機会にもなると捉えています。

当社グループでは、今後日本において働く人が一つの会社だけで働き続ける状況は減少していき、求職者のニーズに合わせた柔軟な働き方が増えていくと考えています。これは、いわゆる非正規雇用のような働き方が増えていくことを意味すると捉えています。一方で、非正規雇用では正規雇用と比較して賃金が低く、人事制度や評価の仕組みがないことや教育訓練の機会なども少ないなどの課題が存在します。

当社グループでは創業以来、派遣は不安定であり、成長できない働き方であるという既成概念に疑問を抱き、無期雇用や習熟に応じて賃金が上がる制度などをいち早く導入することで、雇用の安定や働く人が成長できる職場を数多く作り、製造派遣業界トップシェアの地位を築いてまいりました。

今後の日本の労働市場の変化は、当社の強みを活かすことで、非正規雇用と呼ばれる働き方を選ぶ人達がよりイキイキと働ける環境を作り出すための新たな事業機会になると考えています。

 

(3) リスク管理

当社グループではサステナビリティ関連のリスクの中でも人的資本に関するものは事業の根幹に関わるリスクであると認識しています。そのためリスクマネジメントプロセスの一環として、サステナビリティを含む網羅的なリスクアセスメントを定期的に行っております。これら重要リスクは経営会議で管理され、その状況は取締役会によってモニタリングされております。

 

(4) 指標及び目標

当社グループは、以下を目標として設定しております。

 

指標

目標

実績

2022年3月期

2023年3月期

女性の管理職比率(※1)

2025年3月期に15%

11.2%

12.7%

年収の中央値の上昇率(※2)

2025年3月期に2021年3月期比で20%上昇

3.7%

11.8%

 

(※1) UTグループ株式会社、UTエイム株式会社、UTコネクト株式会社、UTテクノロジー株式会社及びUTコンストラクション株式会社

(※2) マニュファクチャリング事業及びエンジニアリング事業の技術職社員

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、別途明記している場合を除き、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) グループ共通のリスク

① 特定の市場への依存について

当社グループは、半導体・電子部品関連メーカーが売上高のおよそ3分の1を占めていることから、半導体業界特有のシリコンサイクルと呼ばれるおよそ4年周期の景気変動の影響を受ける可能性があります。業績への影響はプラス面マイナス面双方ありますが、その程度につきましては想定が困難であります。このような景気変動による業績への影響を軽減するため、半導体・電子部品関連分野で培った専門性を活かし、事業領域を自動車等の製造業全般へ広げ、各地域の職場を開拓するとともに、景気変動の影響を受けにくいエンジニア派遣領域の拡大やソリューション事業における構造改革需要の取り込みの強化を進めております。

 

② 業界の競争の激化、競合について

当社グループが属する製造派遣・エンジニア派遣の領域では、競合他社において、営業の強化を行うとともに、M&Aにより規模拡大を目指す動きも見られることから、競争の激化により、事業運営が想定どおり進まない可能性があります。当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、当社グループにおきましても、既存顧客のシェア拡大、新規顧客の開拓、同業のM&Aにより積極的な事業拡大を目指してまいります。

 

③ 許認可について

当社グループは、労働者派遣法に基づく労働者派遣事業及び職業安定法に基づく有料職業紹介事業の許可を厚生労働大臣から取得して事業を行っております。労働者派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業者として欠格事由(派遣法第6条)に該当する場合や当該許可の取消事由(派遣法第14条)に該当した場合には、許可の取り消しや事業の全部又は一部を停止できる旨が定められています。また、職業安定法では、有料職業紹介事業者としての欠格事由(職業安定法第32条)に該当する場合や当該許可の取消事由(職業安定法第32条の9)に該当した場合には、許可の取り消しや業務の全部又は一部の停止を命じることができる旨が定められています。

本書提出日現在において、当社グループが認識している限り、当該許可等の取り消し又は事業の停止等となる事由は発生しておりませんが、万一、当社グループ各社にて、重大な法令違反が発生し、許可の取り消し又は事業の停止を命じられた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、コンプライアンス教育の徹底、継続的な内部統制の強化を図っております。

 

当社グループの許可・届出状況

会社名

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の番号

取得年月

有効期限

UTエイム株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派13-300427

2004年1月

2026年12月31日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

13-ユ-301531

2006年9月

2024年8月31日

UTコネクト株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派13-314179

2003年6月

2026年5月31日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

13-ユ-310980

2003年8月

2026年7月31日

UTスリーエム株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派23-300139

2004年9月

2027年8月31日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

23-ユ-300787

2009年6月

2027年5月31日

 

 

会社名

許認可等の名称

所管官庁等

許認可等の番号

取得年月

有効期限

FUJITSU UT

株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派13-314180

1998年5月

2026年4月30日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

13-ユ-310982

2007年1月

2024年12月31日

UT東芝株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派14-300874

1999年7月

2027年11月30日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

14-ユ-300568

2000年10月

2023年9月30日

UT MESC株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派08-010031

2001年4月

2024年3月31日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

08-ユ-300392

2022年1月

2024年12月31日

UT エフサス・クリエ
株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派14-300913

1996年11月

2023年11月30日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

14-ユ-300637

2001年1月

2023年12月31日

UTテクノロジー

株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派13-305240

2013年1月

2025年12月31日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

13-ユ-306625

2014年8月

2027年7月31日

UTコンストラクション

株式会社

労働者派遣事業許可

厚生労働省

派13-305176

2012年10月

2025年9月30日

有料職業紹介事業許可

厚生労働省

13-ユ-305580

2012年9月

2025年8月31日

 

 

④ コンプライアンスの徹底について

当社グループは、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、厚生労働省告示第518号、健康保険法、個人情報保護法等、多岐にわたる法律に基づいて事業を行っております。

当社グループは、常にコンプライアンスを徹底しておりますが、万が一法令違反等が発生した場合、許認可の取り消しや社会的信用の失墜等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、事業活動の中で顧客企業の機密情報等に触れる可能性があり、万が一これらの情報管理に不足が生じ、外部に漏洩した場合、派遣契約の解除や損害賠償の請求及び社会的信用の失墜等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、これらのリスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、コンプライアンス教育の徹底、継続的な内部統制の強化を図っております。また、顧客企業へ向けてコンプライアンスへの正しい理解を促す啓蒙活動を行う他、派遣業界全体の健全化にも注力しております。

 

⑤ 労働者派遣法等の改正について

2015年9月30日施行の改正労働者派遣法につきましては、キャリア形成支援や教育訓練が義務付けられるとともに、雇用安定措置が明記されました。雇用の安定と派遣事業の健全な発展へ向けての法改正であると認識しており、無期雇用の派遣社員は期間制限なしでの雇用が可能となったことから、当社グループにとって事業機会が拡大する要因となったものと考えております。しかしながら、競争の激化等により、当社グループの想定どおりに需要が拡大せず、事業が進まない可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、派遣先企業に加え、派遣ではたらく人も顧客として捉えるツインカスタマー戦略の推進により、派遣先企業とはたらく人の双方から最も選ばれる企業を目指し、事業の拡大に取り組んでまいります。

 

⑥ 財政状態について

当社グループは、事業拡大に必要な資金を金融機関からの借入によって調達しております。現状、金融緩和措置等により借入金利も極めて低い水準で推移しておりますが、一部の金融機関との取引について、借入契約に財務制限条項が付されたものがあります。万が一、これらの条件に抵触した場合には、借入金利の上昇や期限の利益を喪失する可能性等があり、その場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、経営の重要指標としてグロスDEレシオが1.0以下となることを目安としており、借入と自己資本のバランスをとった経営を行っております。

 

 

⑦ 有価証券の価格変動等について

当社グループは、既存の事業基盤を拡大及び新たな事業への進出をするために、中長期的な友好関係の維持を目的とした資本提携や戦略的な企業買収等を行っております。当社グループが保有している投資有価証券及び関係会社株式の時価又は実質価額が著しく下落した場合、その程度によっては、売却損や評価損の計上を強いられることも想定され、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、資本提携先や買収先企業については、取締役会及び経営会議等で定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、業績向上を目指した経営を行っております。

 

⑧ 技術職社員とその雇用について

当社グループ各社が受託した業務を遂行するのは、「技術職社員」 (※) であります。当社グループにおける技術職社員は、無期雇用を基本としております。当社グループ各社では受託した業務において経験ある社員が組織化して指揮命令系統を確立し、チーム単位で業務を遂行する場合が大半を占めます。経験やスキルが不足している場合には、受入研修やOJT等により技術職社員の技能を向上させております。欠員等が発生した場合は、他の部署で雇用している技術職社員の戦略的異動又は新たな採用を行っておりますが、技術職社員の雇用に関しては、以下のようなリスクがあります。

a.技術職社員の採用にあたっては、労働市場の状況により、当社グループ各社が必要とする技術職社員の確保が難しい可能性があります。

b.技術職社員の定着率の低下により、採用費が増加する可能性があります。
c.2000年以降若年層を中心に労働人口が減少傾向にあります。技術職社員は、比較的若年層が多く労働人口の減少により、人材の確保が困難になる可能性があります。

d.当社グループ各社は、採用環境の悪化等により地元採用が困難になった場合、他の地域で採用した技術職社員の配属を行うため、イニシャルコストとして移転費用が発生し、売上総利益率が低下する可能性があります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、働く意欲を持った全ての人にスキルアップやキャリア形成の機会が等しく提供される社会の実現を目指し、女性やシニア、外国人等多様な求職者層へのアプローチとともに各地域の職場開拓にも注力することで、はたらき方の多様性を支えるプラットフォームの構築を進めてまいります。

※ 当社グループでは、顧客企業の生産工程に従事する社員を「技術職社員」と呼んでおります。技術職社員の雇用形態には、正社員の他、契約社員も含まれます。

 

⑨ 自然災害・公衆衛生上のリスク等による影響について

大規模な自然災害や感染症等による公衆衛生上のリスクが発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、当社グループでは、「有事対応に関する規程」や「事業継続計画(BCP)に関する規程」を整備し、有事に備えております。

加えて、気候変動を含むリスクを管理・分析し、その分析内容を経営会議及び取締役会においてモニタリングする体制を構築しております。

 

⑩ 個人情報や顧客情報について

当社グループは、技術職社員を含む従業員及び採用応募者の個人情報を取り扱っております。また、顧客情報につきましても事業部門にて取り扱っております。これらの情報が漏えい又は流出した場合は、当社グループの業績に多大な影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、各種個人情報、顧客情報につきましては、当社グループが定める「個人情報保護方針」や「特定個人情報等取扱規程」等に従い、一定のセキュリティ基準を持たせた上で、アクセス可能な担当者に制限を設ける等、管理体制と仕組みの構築について継続的な改善を行っております。

 

 

⑪ 情報セキュリティについて

当社グループは、大量の個人情報及び機密情報等を含むデータを保有しておりますが、サイバー攻撃や不正アクセス、その他の不測の事態によりこれらのデータが外部へ流出した場合は、当社グループの業績に多大な影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、当社グループが定める「情報セキュリティ基本方針」のもと「情報セキュリティ管理規程」や各種細則に従い、情報資産の特性に応じた施策を整備し、高い情報セキュリティレベル及びサイバーセキュリティレベルの確保に努めております。また、技術職社員を含む役職員に対し、継続的に倫理観を高め、情報セキュリティリテラシーを向上させるため、定期的に情報セキュリティ教育を実施しております。

 

⑫ M&Aや資本提携等について

当社グループは、戦略的なM&Aや資本提携を進めておりますが、各種デューデリジェンスの実施による重要リスクの特定や、買収後の事業経営の統合プロセス及び事業推進が適切に進捗しない場合には、投下資本の回収が困難になる可能性があり、のれんの減損リスクが発生する等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、M&Aや資本提携専任の組織を設け、各領域で十分な経験を積んだ担当者が案件の調査や提携交渉、買収後の事業計画策定を行っており、候補案件は具体的なデューデリジェンスを行ったのち、案件会議、取締役会にて決議しております。また、買収後についても、取締役会及び経営会議等で定期的にモニタリングし、監督機能を強化することにより、業績向上を目指した経営を行っております。

 

⑬ 有能な人材の確保と維持について

当社グループが顧客企業の人材需要や構造改革需要を取り込み、企業規模を拡大する中で、経営管理や事業運営を行う人員及びバックオフィス業務等の事業基盤を支える人員が想定するよりも多く流出する等、有能な人材の安定的な確保ができない場合は業務遂行に支障をきたし、当社グループの競争上の優位性の確保や持続的成長を妨げる可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、事業環境の変化に即した人事制度の設計やリモートワーク等の柔軟な職場環境の整備、さらに、人材の多様性を確保し、仕事へのやりがい及び組織の成長とともに自身の成長が実感できるような良好な職場づくり等、従業員がイキイキと活躍できる土壌の整備を進めております。加えて、バックオフィス業務等の標準化やシステム化等、人に依存しない体制の構築を併せて進めております。

 

⑭ 経営陣について

当社グループの創業者であり、代表取締役社長兼CEOの若山陽一氏をはじめとする重要な経営陣に不測の事態が発生した場合は、当社グループの事業展開に支障が生じる可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、そのような場合に備え、サクセッションプランを定め、他の役員による職務の代行が可能な体制構築を推進しております。

 

⑮ 人権の尊重について

近年、企業のサプライチェーンにおける強制労働や児童労働、差別・ハラスメント等の人権に関する問題提起がなされています。当社グループでは国内の事業活動に加え、外国人技能実習生管理代行事業や海外での人材派遣事業を展開しております。事業活動を行うそれぞれの国と地域において、人権に関する法令及び規制が遵守されず権利が侵される場合、事業運営への支障や社会的信用の失墜等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、当社グループでは、国際的な人権基準である「国際人権章典」及び「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を支持し、2021年4月に制定した「個人の尊重と成長に関する基本方針」に基づいて、2021年12月に「UTグループ 人権方針」を策定しました。また、毎年のリスクアセスメント実施により、人権リスクを含む当社グループ全社におけるリスクを特定し、重要なリスクを優先した対応策及び損失最小化に向けた行動計画の策定を進めております。

 

 

(2) 事業におけるリスク

① 製造拠点の海外移転について

顧客である国内メーカーの製造拠点が海外に移転し、国内における生産拠点が減少した場合には、当社グループ各社は業績に大きな影響を受ける可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点で認識しておりませんが、国内既存顧客の工場内シェア拡大に加え、新規顧客の開拓等を行うことで、持続的な売上の拡大を目指しております。

 

② 業績の変動要因について

顧客である国内メーカーは、人件費の変動費化をニーズの一つとしております。すなわち、専門性の高い即戦力となる人材の確保に加え、景気の影響で変動する生産量にフレキシブルに対応するための戦略として、当社グループ各社の人材派遣・請負事業者が活用されていると認識しております。したがって、顧客である国内メーカーの減産に伴って、当社グループ各社との契約数が減少することや同業他社との価格競争が激化するといった傾向があります。

その一方で、当社グループ各社が雇用している技術職社員については、無期雇用を原則としておりますので、技術職社員の配置転換等が円滑に進まなかった場合には、待機人員となり、当社グループ各社の収益を圧迫する可能性があります。また、当社グループ各社の契約数が急激に増加する場合には、売上高の増加よりも先行して発生する技術職社員の採用費の負担が大きく影響し、損益に悪影響を与える可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、これらの変動要因を回避するため、顧客企業とパートナーシップを構築して、長期的かつ安定的な人材供給を目指しております。

 

③ 「構内作業業務請負」について

製造派遣事業において、国内メーカーの工場での生産工程における作業を受託する「構内作業業務請負」を一部行っており、顧客企業との業務請負契約の付属契約として設備等の賃貸借契約を締結し、その中で請負業務を遂行する際に発生する設備等の破損について責任を負っております。また、当社グループ各社は、生産性低下のリスクや不良品発生リスクも担っております。また、業務を遂行する技術職社員が労働災害に見舞われた場合において、その損害についての責任を負っております。したがって、これらの損害により当社グループの費用負担が増加した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、請負業務を行う従業員については、製造工程を熟知した人材を配置するとともに、安全衛生教育等を含む継続的な研修や訓練を行っております。

 

④ 技術革新への対応について

当社グループが技術職社員の多くを派遣する製造業において、技術革新や事業環境の変化のスピードは増しており、顧客企業のニーズを的確に捉えて対応していく必要があります。技術革新の急速な進展に対し、その対応が遅れた場合、特に顧客企業における技術革新の方向性を適時適切に把握し、顧客企業に派遣する技術職社員におけるスキルセットやスキルアップ、職種転換を適切に図ることができない場合、あるいは派遣管理手法や採用手法等、当社グループの強みを発揮したサービスや技術を提供できない場合には、当社グループの競争上の優位性が確保できず、ビジネスモデルそのものが陳腐化する等、当社グループの事業運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当該リスクが顕在化する可能性や業績への影響については、現時点では認識しておりませんが、市場や顧客企業のニーズの変化を見極め、柔軟な対応能力を発揮するべく、顧客企業とのリレーションの維持・強化に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による社会経済活動の制限緩和を背景に、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られるものの、ロシアのウクライナ侵攻等の影響による原材料価格やエネルギー価格の上昇と物価の高騰、各国での政策金利の引き上げや円安の進行に加え、世界的なサプライチェーンの混乱による供給制約の問題が継続する等、先行きが不透明な状況が続きました。

当社グループを取り巻く環境としましては、情報通信技術の拡充や世界的な脱炭素化の加速等を背景に半導体需要の中長期的な増加が期待されるものの、足元では在庫調整等の影響を受け半導体製造装置メーカーや半導体メーカーにおける設備投資及び生産活動の減速が見られました。自動車関連メーカーでは断続的な生産調整が継続しました。

このような状況の下、当社グループは第4次中期経営計画(2021年3月期~2025年3月期)で掲げる「より多くのはたらく人に応えられるキャリアプラットフォームへ」の中期経営目標のもと、「大手製造業向けワンストップ戦略」、「地域プラットフォーム戦略」及び「ソリューション戦略」を成長戦略として推し進めております。中核事業領域である大手製造業向け人材派遣において、半導体製造装置エンジニアの育成・強化による顧客工場内の全工程でのシェアの拡大を進めるとともに、地域の有力派遣事業者との業務提携やM&Aによる地域の職場での安定的な雇用環境の整備、併せて大手企業グループ向けの人材流動化支援を進め、事業基盤のさらなる強化・拡大に取り組んでおります。

当連結会計年度は、当計画の3年目であり、前連結会計年度における徹底した採用活動の強化で積み上げた技術職社員数を起点としてトップラインの引き上げを図るとともに、当社グループが中長期的に成長加速を実現していくための筋肉質な事業基盤を整え、収益性の向上に努めました。

当社グループは、2022年4月1日付でグループ内の大幅な組織再編を行いました。上述の中期経営計画における各成長戦略の実行力を高めるための組織再編を実施し、共通の事業特性を持つ事業会社を統合しました。併せて、2022年4月から新しい業務システムの段階的な導入を進め、事業会社間のアドミニストレーション業務等を標準化、共通化することによって、生産性の向上、さらには人員配置の最適化を進めてまいりました。加えて、採用活動において、事業会社毎に保有する求人情報等のデータベースをグループで統合し、採用オペレーションを最適化することにより、採用効率を改善する取り組みを進めました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,523百万円増加し、71,630百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,173百万円減少し、41,702百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ8,696百万円増加し、29,928百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度は売上高170,631百万円前年同期156,769百万円8.8%の増収)、営業利益8,914百万円前年同期6,257百万円42.5%の増益)、EBITDA(※)15,714百万円(前年同期7,502百万円、109.5%の増加)、経常利益8,834百万円前年同期5,954百万円48.4%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益3,831百万円前年同期3,140百万円22.0%の増益)、技術職社員数は45,530名前年同期45,386名144名の増加)となりました。

※ EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+のれん償却額+株式報酬費用

 

 

セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。なお、当連結会計年度の期首より、セグメントを従来の「マニュファクチャリング事業」「ソリューション事業」「エンジニアリング事業」の3セグメントから、「マニュファクチャリング事業」「エリア事業」「ソリューション事業」「エンジニアリング事業」「海外事業」の5セグメントに変更しております。このため、前年同期数値につきましては、変更後のセグメント区分に組み替えて比較分析を行っております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(セグメント情報等)に記載のとおりであります。

(マニュファクチャリング事業)

「輸送機器関連分野」では、依然として部材不足による自動車関連メーカーの生産調整が継続しました。

「産業・業務用機械関連分野」「エレクトロニクス関連分野」では、秋口以降、半導体の在庫調整等の影響を背景とした新たな増員需要の先送りや欠員補充の見送り等の顧客状況を踏まえ、慎重な採用活動を進めました。また、顧客に密着した課題解決型の提案等により顧客企業とのリレーションを強化し、派遣先工場内シェアを高めてきたことで人材需要低下の影響を最小限に留めることができました。

このような状況のもと、前年同期比で技術職社員数は減少しましたが、高水準の人材管理の訴求や自社で育成した高スキル人材の派遣を進めたことにより増収となりました。費用面においては、採用関連費の効率化等の販売費及び一般管理費の削減への取り組みが奏功し、大幅な増益となりました。

以上の結果、売上高82,089百万円前年同期76,003百万円8.0%の増収)、セグメント利益10,988百万円前年同期6,345百万円73.2%の増益)、技術職社員数14,001名(前年同期14,963名962名の減少)となりました。

 

(エリア事業)

求職者の多様なニーズに応えるために、各地域において新たな顧客開拓と既存顧客における求人案件の多様化に注力し、これをもとにした採用活動を進めたことで、技術職社員数が大きく増加し、増収となりました。費用面においては、2022年4月1日付のグループ内の大幅な組織再編に伴い業務基盤の共通化を進めたこと等により、販売費及び一般管理費の削減への取り組みが奏功し、大幅な増益となりました。

以上の結果、売上高51,222百万円前年同期44,611百万円14.8%の増収)、セグメント利益1,902百万円前年同期は941百万円の損失)、技術職社員数13,332名前年同期12,225名1,107名の増加)となりました。

 

(ソリューション事業)

2021年10月に連結子会社化したUTエフサス・クリエ株式会社による増収効果が一巡したことに加え、2022年3月末のUTシステムプロダクツ株式会社の売却による影響が生じたことで減収となりました。一方利益面では、既存子会社の技術職社員数の増加や一部の請負現場における稼働の増加により、増益となりました。

以上の結果、売上高18,645百万円前年同期21,081百万円11.6%の減収)、セグメント利益146百万円前年同期76百万円91.8%の増益)、技術職社員数3,134名(前年同期3,060名74名の増加)となりました。

 

(エンジニアリング事業)

従前より新卒入社社員の育成・配属体制の構築に注力してきたことが奏功し、2022年4月に迎え入れた新卒入社社員約200名の稼働開始・戦力化が前期よりも早期に実現しました。さらに、建設、ITともに受注動向は堅調であり、前年同期比で技術職社員数が増加したことにより、増収増益となりました。

以上の結果、売上高9,040百万円前年同期7,934百万円13.9%の増収)、セグメント利益1,131百万円前年同期787百万円43.6%の増益)、技術職社員数1,469名(前年同期1,388名81名の増加)となりました。

 

(海外事業)

ベトナム経済は、新型コロナウイルス感染症に関する規制が撤廃され、国内総生産(GDP)は高い伸びを続けており、その回復状況は鮮明であります。従前より拠点を有するホーチミン市を中心とする南部地域から、ハノイ市を中心とする北部地域まで営業活動を拡大し、日系企業からの案件獲得に注力いたしました。加えて、2021年10月の新型コロナウイルス感染症に関する規制緩和以降、ベトナム国内の生産活動が回復したことにより増収増益となりました。

以上の結果、売上高9,663百万円前年同期7,180百万円34.6%の増収)、セグメント利益326百万円前年同期13百万円)、技術職社員数13,594名前年同期13,750名156名の減少)となりました。

なお、海外事業につきましては、決算日が12月末日であることから2022年1~12月期の実績を3ヶ月遅れで当連結会計年度に計上しております。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、31,969百万円前連結会計年度末比6,142百万円増)となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、13,004百万円前年同期は2,279百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益8,734百万円(株式報酬費用5,562百万円を除いた場合の税金等調整前当期純利益14,296百万円)が計上されたことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、2,139百万円前年同期は6,300百万円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出2,446百万円が計上されたことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、4,748百万円前年同期は4,554百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出3,648百万円及び配当金の支払額975百万円が計上されたことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは生産活動を行っていないため、記載を省略しております。

 

b.受注実績

当社グループが行う事業は全て受注時の業務量をその後の顧客の要望に合わせて変更することが多いため、記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

マニュファクチャリング事業

82,086

8.0

エリア事業

51,207

14.8

ソリューション事業

18,634

△11.6

エンジニアリング事業

9,040

13.9

海外事業

9,663

34.6

合計

170,631

8.8

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、10%未満のため記載を省略しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は55,784百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,036百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が6,142百万円増加したことによるものであります。固定資産は15,846百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,486百万円増加いたしました。これは主に当社グループのシステム構築への投資進捗に伴い、ソフトウエアが1,473百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は71,630百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,523百万円増加いたしました。


(負債)

当連結会計年度末における流動負債は27,903百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,436百万円増加いたしました。これは主に預り金が984百万円減少したものの、未払法人税等が3,699百万円増加したことによるものであります。固定負債は13,798百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,609百万円減少いたしました。これは主に長期借入金が3,589百万円減少したことによるものであります。

この結果、負債合計は41,702百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,173百万円減少いたしました。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は29,928百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,696百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金による配当を968百万円行ったものの、親会社株主に帰属する当期純利益が3,831百万円計上されたこと及び新株予約権が5,561百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は31.8%(前連結会計年度末は30.8%)となりました。

 

b.経営成績の分析

当連結会計年度は、第4次中期経営計画の3年目であり、前連結会計年度における徹底した採用活動の強化で積み上げた技術職社員数を起点としてトップラインの引き上げを図るとともに、当社グループが中長期的に成長加速を実現していくための筋肉質な事業基盤を整え、収益性の向上に努めました。

その具体的な取組みとして、2022年4月1日付でグループ内の大幅な組織再編を行いました。上述の中期経営計画における各成長戦略の実行力を高めるための組織再編を実施し、共通の事業特性を持つ事業会社を統合したことで、特にエリア事業における人件費や採用関連費の効率化を実現しました。併せて、2022年4月から新しい業務システムの段階的な導入を進め、事業会社間のアドミニストレーション業務等を標準化、共通化することによって、生産性の向上、さらには人員配置の最適化を進めてまいりました。加えて、採用活動において、事業会社毎に保有する求人情報等のデータベースをグループで統合し、採用オペレーションを最適化することにより、採用効率を改善する取り組みを進めました。これらの取組みにより、売上高は過去最高を更新するとともに、販売管理費効率(株式報酬費用を除く)が改善し、持続的な事業成長のための基盤構築を進めました。

これらの結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高170,631百万円前年同期比8.8%増)、営業利益8,914百万円前年同期比42.5%増)、EBITDA(※)15,714百万円(前年同期比109.5%増)、経常利益8,834百万円前年同期比48.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,831百万円前年同期比22.0%増)となりました。

※ EBITDA=営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)+のれん償却額+株式報酬費用

 

 

c.経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの主幹事業が属する製造業界におきましては、為替変動や国内外の景気変動の影響等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

そのほか、経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のものがあります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上債権の回収サイクルと仕入債務の支払いサイクルのギャップ及び営業活動上において必要な人件費や手数料等の販売費及び一般管理費であります。設備投資資金としては、主に自社利用のソフトウエア等への投資であります。

所要資金は、運転資金需要が中心であるため、自己資金をベースとしつつも、M&Aを含む成長局面の需要に対しては金融機関からの借入を適時組み合わせ、必要資金を賄っております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(のれんの回収可能性)

当社グループは、のれんについて、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。

のれんに係る減損要否の検討は、のれんの発生原因である超過収益力やシナジー効果が将来にわたって発現するかに着目して行っており、のれんが帰属する事業の事業計画に沿って営業利益等が計上されているかを毎期モニタリングしております。

事業計画の達成が危ぶまれる状況など減損の兆候が認められる場合には、事業計画の合理性について見直しを行い、これに基づく割引前将来キャッシュ・フローによって、減損損失の認識の要否を判定いたします。減損損失を認識する場合においては割引後将来キャッシュ・フローで算定する回収可能性に基づき減損損失を測定することとしております。

検討に用いる将来の事業計画には、在籍人数及び派遣単価等の項目が重要な仮定として用いられております。これらについては、その性質上、一定の仮定を設定した上での判断を伴うものであり、当該仮定に変化が生じた場合は、減損の兆候の有無の判断、認識するか否かの判定、又は測定する減損損失の金額に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

2022年8月30日開催の取締役会において、Green Speed Joint Stock Companyが所有するGreen Speed Co.,Ltd.の全株式を売却することを決議いたしました。また、同日付で持分譲渡契約を締結いたしました。

2023年5月26日開催の取締役会において、株式会社アーキ・ジャパンの親会社である株式会社AJホールディングス、株式会社アクト・ジャパン及びJAGフィールド株式会社の全株式を所有するJ-CEP株式会社の全株式を売却することを決議いたしました。また、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。