当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「HCI(Human Communication Integration)の実現」をビジョンに掲げ、人がコンピュータやAIに自然に意思を伝えられる「ソフトコミュニケーション注1)の時代」を拓くべく、有用な最先端技術を広く社会へ普及させ、その実用化を通して新しい価値観、文化を創造してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上高および営業利益を経営指標とし、2026年3月期に売上高100億円、営業利益30億円にすることを目標としております。
(3)経営環境、経営戦略及び対処すべき課題等
音声認識市場は、2021年度から2026年度のCAGRは23.6%との市場予測注2)にもあるように、当社グループは2026年3月期において売上高で100億円(2023年3月期比1.93倍)、営業利益で30億円を目標値としております。
これから、経済活動の本格化につれ人手不足が顕在化するとともに生産性向上が叫ばれ、DX化やAIの利用がより活発化してまいります。ここで、DX化にはマウスやキーボード操作が重要になりますが、その効率や効果を高めるのが音声認識です。また、現在注目を浴びている生成AI「Chat GPT注3)」などは人がうまく使えば効能を発揮する副操縦士であり、そのための手段としても音声認識が必要となります。これは、まさに当社が掲げている「AISH(AI Super Humanization)」のAIが人を助け、また、人がAIを使って能力を高めていくことそのものです。
このような中で、当社は、AI音声認識AmiVoice®の技術力や実績に基づき、各種の領域特化アミボイスエンジンの利用、コールセンター業務や営業業務の支援、文字起こし業務支援、DX化支援などの既存ビジネスを更なる進化によりプラットフォームビジネス化し、ユーザー数の増大を図るとともに、当社の音声認識分野での大規模言語モデル適用の先行体験、蓄積データやノウハウなどを活用した当社ならではのGPTビジネスを市場導入することで目標を達成してまいります。
2024年3月期においては、BSR展開期最終年度で伸長させた既存のフロー&ストックビジネスを土台に、展開中のアミボイスエンジン・プラットフォーム(ACP含む)に加え、上記の各種プラットフォームを市場へ導入することでBSR拡大期初年度の拡大に向けての足固めという役割を果たしてまいります。
これらによって2024年3月期につきましては、売上高は6,000百万円(前期比15.8%増)、営業利益は1,200百万円(前期比11.0%増)、経常利益は1,200百万円(前期比7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は900百万円(前期比3.7%増)を計画しております。
なお、上記の業績予想は本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。
(注1)キーボードやタッチしかできないコミュニケーションを「ハードコミュニケーション」と言い、それらに加え音声認識も使うことができるコミュニケーションのことを「ソフトコミュニケーション」と言う。
(注2)出典:ITR「ITR Market View:AI市場2022」
※ベンダー売上金額を対象とし、3月期ベースで換算。2022年後以降は予測値。
(注3)大規模言語モデルを巧みに使い質問に対して人のような回答を返す仕組み。
当社グループは、社会のサステナビリティに自らのサステナビリティの追求によって貢献するという考え方を有しております。当社グループのビジョンは、「HCI(Human Communication Integration)の実現」であり、これは、人がコンピュータやAIに自然に意思を伝えられることで利用が進み、働き方改革から働き甲斐改革へと社会をウェルビーイングに導きサステナビリティを実現することを指向したものです。
このビジョンのもと、環境・社会・ガバナンスを重視したESG経営の取り組みを行い、中でも、社会課題の解決が特に重要と認識し経営の取り組みを行っております。
具体的には、日本の大きな社会課題はDXの促進であり、それにはキーボードやマウス操作を前提としたITアプリケーションやITサービスの利活用を必要としますが、日本人のキーボード操作が欧米人に比べて極めて遅いという現実のため、当社のAI音声認識を利用しキーボードやマウス操作が起因する生産性の低さを改善するITアプリケーションやITサービスを市場投下してまいります。更には、当社のAI音声認識だからこそできる他の社会課題の解決にも取り組んでまいります。
(1)ガバナンス
急速に変化する社会環境や事業環境に対応し持続的成長を実現するために、多様性に対応した取締役会を構築してまいります。そして、取締役会を中心とした経営基盤を強化し、事業を成長させることで社会課題解決の成果をあげ社会のサステナビリティに貢献してまいります。
(2)戦略
(3)リスク管理
当社はリスク管理規程を定め、主に取締役および監査役から構成されるリスク管理委員会を定期的に開催することにより、当社が直面する可能性のあるリスクを識別すると共に予防策を講じております。そのような中で、サステナビリティ経営推進において想定されるリスクも含めて全体的に管理し、必要な対策を講じております。
(4)指標及び目標
社会課題の解決による事業成長がサステナビリティに対して、当社が貢献できる重要なことであると考えております。よって、掲げている経営目標がサステナビリティの目標であり、指標はその目標に対する乖離度と乖離を埋める活動の進捗度としております。
当社グループの業績は、今後起こり得る様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。
以下に当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、当社グループでコントロールできない外部要因や事業上のリスクとして具体化する可能性は必ずしも高くないと見られる事項も含め、投資家の投資判断上重要と考えられる事項については、積極的に開示しております。当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識したうえで、その発生の予防および対応に努力する方針ですが、当社グループの経営状況および将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 業績の変動について
A 経営成績について
当社グループは、従来の音声認識のアプリケーションやサービスを販売するビジネスからそれらの利用の促進に進化させるビジネスである、BSR(Beyond Speech Recognition)ビジネスを拡大させてまいります。これらによって、2026年3月期に売上高100億円、営業利益30億円を目指してまいりますが、BSRビジネスの拡大の遅延、音声認識市場や外部環境の変化等、当社が想定できない諸般の要因で、当社の事業が計画どおりに進捗しなかった場合には、想定している経営成績に影響する可能性があります。
B 四半期毎の業績の変動
当社グループの音声事業は、プロダクト販売やソリューションビジネスというフロービジネスとサブスクリプションサービスなどのストックビジネスで成り立っています。現状においてストックビジネスの比率が向上しているものの、フロービジネスの出荷および検収が毎年9月および3月に集中する傾向があり、売上比率の関係から当社グループ全体の売上も第2四半期と第4四半期に偏重しております。
C 予算編成
予算は経営推進本部を中心とした予算編成体制を構築し、予実精度の向上に努めております。しかし、音声認識市場の創造を行いながらビジネスを進めており、当社が手掛ける各事業の将来予測が難しい部分があることや、昨今の経済環境の急激な変化等想定できない外部要因による影響を受ける場合があります。よって、各事業で予算と実績の管理を徹底し、予実の乖離が起こらないように努めますが、今後も乖離が発生する可能性があります。なお、当社は予算と実績の乖離が発生した段階で、速やかに業績修正の開示を行います。
② 音声認識市場創造が遅延すること
当社は今後成長が見込まれる音声認識市場の分野をコールセンター、医療、議事録作成・文字起こし、教育・エンターテイメント、物流・産業用データターミナル、モバイル、カーナビゲーション、ホームエレクトロニクス、福祉・介護、障害者用機器、不動産・建築等と認識しており、こうした分野における事業創造および事業展開を行っていきます。しかし、これらのビジネス分野への市場創造が予想どおりに行えず、長い時間を要する可能性もあります。
③ AI音声認識について
A 新製品及び新技術の開発
現在、AI音声認識の基礎的な開発は終了し、既に様々な商品を販売しておりますが、今後とも技術の革新と向上が必須です。「音声入力インターフェース」として利用者が「ないと困る」を感じるためには、単なる音声認識精度の向上のみならず、対話機能の高度化、口語体文章認識能力の向上、辞書・言語モデルの広汎化および耐雑音性の強化等の技術開発が必要であり、当該開発に資金や時間が想定以上に必要となった場合、あるいは当社グループが想定する売上計画が達成できなくなり、先行的に支出された研究開発費等の回収が困難になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
B AI音声認識に代替する新技術の誕生
AI音声認識に代わる新しいインターフェース等の誕生、普及により、当社の技術優位性がなくなる等、当社が明確な競争優位性を確保できなくなった場合には、当社グループの経営に影響を与える可能性があります。
C 競合他社について
当社グループの音声事業の競合製品には、国内外の音声認識事業者や各社の音声認識事業部門が開発した製品やそれらを利用した製品等が挙げられます。現時点では当社の製品は、高い認識率、速い認識処理、不特定話者対応、発話スピードへのフレキシブルな対応、発話者のイントネーションやアクセント等の違いへの対応、耐雑音性能等の点で国内外の競合他社の製品と差別化されると考えておりますが、将来的に高い技術力および開発力を有する競合企業が出現することは否定できず、競争の激化によって当社の優位性が失われた場合、また、競合他社が他の有望な音声認識市場を創造開拓し、当社グループが後塵を拝した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社のAI音声認識が技術的に秀でていたとしても、他の音声認識事業者がアライアンス・パートナー戦略で優位に立った場合、当社のAI音声認識が音声認識市場での高シェアを獲得できない可能性があります。
④ 当社の組織について
A 人材の育成について
当社グループは、現段階では事業運営に適した従業員数および組織形態となっております。しかしながら、業務を従業員個人の技量や経験・ノウハウに依存している部分もあります。そのため、各部署における既存の人材の社外流出・病欠等による長期休暇・欠勤等が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、従業員間における技量、ノウハウの共有化を組織として進めるとともに、従業員個人の技量や経験・ノウハウなどの研鑽環境の充実と成長を促す仕組みの活性化を経営の重要課題と捉えています。
B 人材の確保について
当社グループでは優秀で意欲に満ちた魅力ある人材を確保できるよう、自由で創造性に満ちた企業文化の醸成に力を入れておりますが、今後当社グループが必要とする人材が、必要な時期に確保できる保証はなく、人員計画に基づいた採用が行えなかった場合、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 法的なリスクについて
A 知的財産権について
当社グループが第三者の知的財産権を侵害する可能性、および当社グループが今後進出する事業分野において知的財産を取得できず、さらに第三者から必要なライセンスを取得できない可能性があります。当社の音声認識技術及び音声認識ソリューションは広範囲にわたる技術を利用しており、その技術が第三者の保有する知的財産権を侵害しているという主張が当社に対してなされる可能性が皆無ではなく、その結果は予測できません。
B 特有の法的規制・取引慣行について
現在、当社グループの事業に悪影響を与えるような法的規制はありませんが、今後も制定されないという保証はありません。もし、かかる法的規制が制定されたり、解釈が不明瞭な規制が制定されたりした場合、当社グループの業績に影響を与えたり、事業展開のスピードに悪影響を及ぼす可能性があります。
C 個人情報保護について
当社はプライバシーマークを取得しており、個人情報の保護について最大限の注意を払っております。しかしながら、個人情報が当社グループ関係者や業務提携・委託先などの故意または過失により外部に流出したり、悪用されたりする可能性が皆無ではありません。このようなことが起こった場合、当社グループのサービスが何らかの悪影響を受けたり、ブランドイメージが低下したり、法的紛争に巻き込まれる可能性があります。
⑥ 投資・M&A等の事業展開について
当社グループは、AI音声認識を活用した新サービスの立上げおよびアジアを中心としたグローバルなビジネスの展開を計画しております。そのため、それらの計画を早期に達成するために投資やM&A等は、迅速かつ効率的・効果的手段の一つと考えております。
そこで当社グループは、投資やM&A等を行う場合においては、対象企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように努めてまいります。しかし、買収後その他における偶発債務の発生等、未認識の債務が判明する可能性も否定できません。また、投資やM&A等にあたっては、事業環境や競合状況の変化等により当初の事業計画の遂行に支障が生じ、当社グループの事業展開への影響が生じるリスクや、投資を十分に回収できないリスク等も存在しており、結果的に当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性もあります。また国外企業を対象とした場合には、上記のリスク以外にカントリーリスクや為替リスクを被る可能性もあります。
⑦ 感染症、自然災害に関するリスク
新型コロナウイルスなどの感染症で事業活動に何かしらの制限や要請がなされた場合、計画している事業が遅延する可能性があります。また、その影響が長期化する場合や、自然災害による不測の事態が生じた際には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
⑧ 配当政策について
当社は、株主の皆様に対して利益還元を経営の重要事項のひとつと位置付け、当社の事業拡大に向けた戦略的投資や財務体質強化のために必要な内部留保を勘案し、配当性向30%(1株当たり当期純利益の30%を1株当たりの配当金とする)を基準として、株主への利益還元に取り組むことを基本方針としております。
しかしながら、通期業績、財政状態及びその他の状況の変化によっては、配当政策に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和などにより社会活動の正常化が進み、緩やかな景気回復の兆しが見え始めました。一方で、世界的な金融引締めや為替相場の変動、エネルギー価格の高騰などもあり、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当社グループは、2023年3月期までをBSR展開期、2026年3月期までをBSR拡大期とし、BSR拡大期の最終年度では売上高で100億円、営業利益30億円の実現を目指しております。
そのような計画のもと、当連結会計年度につきましては、(ⅰ)既存フロービジネスの売上増大(ⅱ)「AmiVoice® Cloud Platform(ACP:アミボイスエンジンのクラウド利用のプラットフォーム)」と「AmiVoice® Cloud Service(ACS:アミボイスのクラウドアプリ/サービス)」のサブスクリプションユーザーの増大(ⅲ)顧客のDXを促進するスピーチDXのプラットフォーム「AmiVoice® DX Platform(ADP)」の市場導入を進めました。
その結果、各企業におけるDX推進のニーズに対してAI音声認識AmiVoice®の需要が増大しユーザー数が増加したことにより、特にCTI事業部及びVoXT事業部が増収増益となり売上高、営業利益、経常利益において過去最高を達成いたしました。
売上高に関しましては、BSR1(第一の成長エンジン)において、CTI事業部及びVoXT事業部の増収により前年同期比15.5%増となりました。また、BSR2(第二の成長エンジン)において、ビジネス開発センターが増収し、前年同期比で19.9%増となりました。よって、当社グループ全体で、前年同期比16.1%増収し過去最高の売上高となりました。
営業利益につきましては、BSR1(第一の成長エンジン)において、CTI事業部及びVoXT事業部の増益により、前年同期比25.4%の増益となりました。また、BSR2(第二の成長エンジン)において、ビジネス開発センターが増益し、前年同期比で赤字幅が縮小いたしました。よって、当社グループ全体で、前年同期比31.3%と大幅な増益となりました。経常利益につきましては、営業利益の増益等により前年同期比20.7%増益し過去最高益となり、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比93.6%と大幅な増益となりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は5,180百万円(前年同期は売上高4,461百万円)、営業利益1,080百万円(前年同期は営業利益823百万円)、経常利益1,121百万円(前年同期は経常利益929百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益867百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益448百万円)となりました。
音声事業の各分野別の状況は、以下のとおりであります。
BSR1の状況(連結調整前)
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売上高 |
(前年同期比) |
営業利益 |
(前年同期比) |
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BSR1(第一の成長エンジン) |
4,531百万円 |
15.5%増 |
1,154百万円 |
25.4%増 |
CTI事業部(BSR1)
SCSK株式会社、三井情報株式会社、株式会社野村総合研究所などの販売パートナー、りらいあコミュニケーションズ株式会社、トランスコスモス株式会社などの開発パートナー/エンドユーザー企業の活発な活動により、コンタクトセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice® Communication Suite」のビジネスが好調に推移し増収増益となりました。
ストック比率:前期末67.2%→今期末66.3%
ライセンス数(累計):前期末56,120→今期末66,730
VoXT事業部(BSR1)
AI音声認識AmiVoice®を活用した議事録作成・文字起こし支援アプリケーション/サービスの需要の増大により、ユーザー数が増加し増収増益となりました。
また、音声認識辞書をお客様ごとにチューニングするオプションサービス「AmiVoice® ScribeAssist チューニングプラン」や、地方自治体における行政機関専用のコンピュータネットワークである「LGWAN」に対応した、AI音声認識文字起こしサービス「ProVoXT for LGWAN」の提供を開始し地方自治体とのトライアルや提案を進めました。
ストック比率:前期末79.2%→今期末91.6%
導入施設数(自治体・民間:累計):前期末1,082→今期末1,416
医療事業部(BSR1)
2024年4月から開始される「医師の働き方改革」で、医師の勤務時間の適正化に向けた取り組みが必要となっております。それに伴い、病院における医師に加え看護師、医療従事者の長時間労働の削減や生産性向上へのニーズが高まっており、主力製品であるAI音声入力ソフト「AmiVoice® Ex7」シリーズや、医療向けAI音声認識ワークシェアリングサービス「AmiVoice® iNote」の提案を進めました。また、新製品として医療分野向けアプリケーション“声キーボード”「AmiVoice® VK-MED」及び、“声マウス”「AmiVoice® VM-MED」をリリースし、トライアルや提案を始めました。
一方で、病院やクリニックの一部の医師や看護師に対しての製品提案から、病院やクリニック全体に対する上記課題解決のソリューション提案への転換が遅れたこともあり、減収減益となりました。
ストック比率:前期末26.9%→今期末32.0%
ライセンス数(累計):前期末46,217→今期末49,398
SDX事業部(旧STF事業部)(BSR1)
顧客のDX化を促進するスピーチDXのプラットフォーム「AmiVoice® DX Platform(ADP)」の市場導入として、キーボードやマウス操作の効率化に資するアプリケーション“声キーボード”「AmiVoice® VK」及び、“声マウス”「AmiVoice® VM」シリーズを医療、官公庁、一般企業向けへリリースを開始しました。
また、AI音声認識AmiVoice®のAPIなどを提供するボイステックプラットフォーム(ACPを含むアミボイスエンジン・プラットフォーム)の利用企業数及び利用時間数が堅調に増加しました。
よって、増収するとともに前期の赤字から黒字へと転換いたしました。
ストック比率:前期末70.4%→今期末70.8%
API関連ユーザー数(累計):前期末1,872→今期末2,870
BSR2の状況(連結調整前)
|
|
売上高 |
(前年同期比) |
営業利益 |
(前年同期比) |
|
BSR2(第二の成長エンジン) |
681百万円 |
19.9%増 |
△82百万円 |
― |
海外事業部・ビジネス開発センター(BSR2)
ビジネス開発センターは、2024年4月から適用される建設業における残業規制に対するDX化による生産性向上へのニーズの高まりにより、建設業界向け建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice® スーパーインスペクションプラットフォーム(SIP)」のユーザー数を増加させ、増収増益となりました。
ライセンス数(累計):前期末33,682→今期末44,162
海外事業部は、収益改善を進め赤字幅を縮小させました。
連結子会社(BSR2)
AMIVOICE THAI CO., LTD.(タイ王国)は、主要顧客に対する案件獲得を進めたものの、新型コロナウイルス感染症による経済活動停滞の影響を受け、ほぼ前年同期並みの売上高と営業損失となりました。
株式会社速記センターつくばは、自治体向け・裁判所向け・民間向け案件の受注獲得等を進め増収増益となりました。
(財政状態の状況)
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は9,634百万円となり、前連結会計年度末に比べ167百万円減少いたしました。これは主に金銭の信託が200百万円増加したものの、現金及び預金が534百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は5,194百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,823百万円増加いたしました。これは主に金銭の信託が956百万円、投資有価証券が595百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は14,828百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,655百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,362百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,007百万円増加いたしました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が768百万円、売上に関する前受金が253百万円増加したことによるものであります。固定負債は2,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,660百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が2,680百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は5,120百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,668百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は9,707百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,012百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益867百万円を計上したものの、自己株式の取得等により2,790百万円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は65.2%(前連結会計年度末は88.7%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
営業活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額) |
1,149 |
1,266 |
|
投資活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額) |
△367 |
△2,861 |
|
財務活動により増加(△は減少)したキャッシュ(純額) |
- |
601 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
52 |
7 |
|
現金及び現金同等物増減額(△は減少) |
834 |
△985 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ985百万円減少し、5,704百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。
〈営業活動によるキャッシュ・フロー〉
営業活動の結果、獲得した資金は1,266百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,155百万円を計上したことによるものであります。
〈投資活動によるキャッシュ・フロー〉
投資活動の結果、使用した資金は2,861百万円となりました。これは定期預金の預入による支出2,300百万円、定期預金の払戻による収入1,600百万円、金銭の信託の取得による支出1,000百万円、投資有価証券の取得による支出846百万円等によるものであります。
〈財務活動によるキャッシュ・フロー〉
財務活動の結果、獲得した資金は601百万円となりました。これは主に長期借入れによる収入4,000百万円、長期借入金の返済による支出551百万円、自己株式の取得による支出2,848百万円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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音声事業(百万円) |
1,299 |
122.2 |
|
合計(百万円) |
1,299 |
122.2 |
(注) 生産実績は当期総製造費用で表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
音声事業 |
5,471 |
117.2 |
1,505 |
124.0 |
|
合計 |
5,471 |
117.2 |
1,505 |
124.0 |
(注) 上記の金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
音声事業(百万円) |
5,180 |
116.1 |
|
合計(百万円) |
5,180 |
116.1 |
(2)経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮説
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、重要な会計方針及び見積りによって作成されております。具体的には、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度につきましては、(ⅰ)既存フロービジネスの売上増大(ⅱ)「AmiVoice® Cloud Platform(ACP:アミボイスエンジンのクラウド利用のプラットフォーム)」と「AmiVoice® Cloud Service(ACS: アミボイスのクラウドアプリ/サービス)」のサブスクリプションユーザーの増大(ⅲ)顧客のDXを促進するスピーチDXの プラットフォーム「AmiVoice® DX Platform(ADP)」の市場導入を進めました。
その結果、各企業におけるDX推進のニーズに対してAI音声認識AmiVoice(アミボイス)の需要が増大しユーザー数が増加、特に、CTI事業部及びVoXT事業部の増収増益により売上高、営業利益、経常利益において過去最高を達成いたしました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
音声認識分野にGoogle、Apple、Amazonなどの欧米系巨大企業や、国内大手企業やベンチャー企業が参入し、市場競争が活発化する中での収益拡大が重要になります。そのような中、当社グループは巨大企業などの競合企業が提供する汎用型の音声認識ではなく、長年の経験、ノウハウとデータの蓄積に裏付けされた、領域特化型高精度のAI音声認識により市場競争に勝ち、収益拡大を行ってまいります。
また当社は、生成AI・「Chat GPT注)」で価値が顕在化した大規模言語モデルを音声認識に適用しビジネス化に成功した先駆的な会社です。この先行体験、蓄積データやノウハウなどで汎用型「Chat GPT」などではできない、利用企業に特化した特化型「GPT」を市場投下すると共に、「Chat GPT」が前提とするテキストによる質問入力などのキーボード入力の非効率性を改善する当社ならではのAI音声認識製品も普及させてまいります。
更には、「Chat GPT」などは人がうまく使えば効能を発揮する副操縦士であり、そのための手段としても音声認識が必要となります。これは、まさに当社が掲げている“AIが人を助け、また、人がAIを使って能力を高める”「AISH(AI Super Humanization)」の未来が始まりつつあり、AI音声認識が極めて重要な役割を担うと考えております。
一方で、想定通りの市場拡大ができず、想定していた以上の期間を要する可能性もあります。
その他の要因については、「3 事業等のリスク」を参照ください。
注)大規模言語モデルを巧みに使い質問に対して人のような回答を返す仕組み。
④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ985百万円減少し、5,704百万円となりました。
当連結会計年度においても、安定的に利益を計上しており、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出す財務体質への改善が進みました。今後も営業利益率を向上させることで、さらなる財務体質の改善を進めてまいります。
当社グループは流動性かつ安全性の高い現金及び預金を有しており、事業活動を推進する上で当面の必要な資金は既に確保しています。
(1)技術受入契約
① 第25期以前からの重要契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約書名 |
契約内容 |
契約期間 |
|
株式会社アドバンスト・メディア (当社) |
3M Health Information Systems,Inc. |
Development and (開発及びクロスライセンス契約) |
Multimodal Technologies, LLC(以下「MTL社」)の音声認識技術を組み込んだ日本語音声認識の製品・サービスを独占的に作成・販売(サブライセンス等による間接的な販売形態を含む。)する権利を、当社に付与する契約。 |
2003年2月20日から2023年3月31日。以後、1年毎の自動更新。 |
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株式会社アドバンスト・メディア (当社) |
3M Health Information Systems,Inc. |
Supplemental Agreement (補足契約) |
4,450千ドルを支払い、ソースコードの開示を受け、改変権を獲得するとともに、MTL社から当社社員に対して同ソースコード利用のトレーニングの提供を受けるための契約。 |
2006年7月4日から2023年3月31日。以後、1年毎の自動更新。 |
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株式会社アドバンスト・メディア (当社) |
3M Health Information Systems,Inc. |
FOURTH SUPPLEMENTAL AGREEMENT (補足契約書4) |
ロイヤリティの払込済期間を2025年9月30日までの5年間延長。 |
2014年7月11日から2025年9月30日まで。
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株式会社アドバンスト・メディア (当社) |
3M Health Information Systems,Inc. |
FIFTH SUPPLEMENTAL AGREEMENT (補足契約書5) |
2025年10月1日から2035年9月30日までの10年間のライセンス費用を一括して前払いする契約。 |
2019年7月25日から2035年9月30日まで。 |
Multimodal Technologies,LLCが3M社に買収されたことに伴い、上記のすべての契約について、2019年12月30日に相手方の名称がMultimodal Technologies,LLCから、3M Health Information Systems,Inc.へ変更になりました。
② 第26期に締結した重要契約
該当事項はありません。
(2)その他の契約
該当事項はありません。
当社グループは、「HCI(Human Communication Integration)の実現」をビジョンに掲げ、人がコンピュータやAIに自然に意思を伝えられる「ソフトコミュニケーションの時代」を拓くべく、AI音声認識および有用な最先端技術について研究開発活動を行っております。
当連結会計年度においては、「AI音声認識AmiVoice®」のさらなる認識精度向上、およびAI音声認識の周辺技術や関連技術の研究開発について取り組みました。そして、各分野別に新規製品・サービスの開発、既存製品の機能向上および強化について取り組みました。
当連結会計年度における研究開発活動の概要は、以下のとおりであります。
① 「AI音声認識AmiVoice®」において、「End-to-End型音声認識エンジン」「Transformer音響モデル」「Transformer言語モデル」など、最新のディープラーニング技術に関する研究、実装を進め、自然発話音声認識の認識精度向上を行いました。
② AI音声認識に関連する、AI対話技術、重要文抽出や自動要約を行うための自然言語処理技術、話者識別などの音声処理技術の研究開発を行うとともに、当社製品に付加価値を向上させるAI技術の研究を行いました。
③ コンタクトセンター向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice® Communication Suite」の機能強化を行いました。また、メタバース空間上で利用できる、AI音声対話アバター「AI Avatar AOI」を開発いたしました。
④ 音声録音からテキスト化、編集、会議のアジェンダ管理といった会議進行支援までをワンストップで実現するAI音声認識文字起こし支援アプリケーション「AmiVoice® ScribeAssist」やクラウド型でリアルタイムに会議の発言をテキスト化する議事録作成支援ツール「CyberScribe」などの、議事録作成や書き起こしに関する製品の機能強化を行いました。
⑤ 医療向けAI音声入力ソフト「AmiVoice® Ex7」シリーズや、AI音声認識ワークシェアリングサービス「AmiVoice® iNote」などの機能強化や、新たな医療向け製品・サービスを企画し開発を進めました。
⑥ キーボードやマウス操作の効率化に資するアプリケーション“声キーボード”「AmiVoice® VK」及び、“声マウス”「AmiVoice® VM」シリーズを医療、官公庁、一般企業向けを開発し販売を開始しました。
⑦ AI音声認識を中心とした音声関連技術を提供する開発者向けボイステックプラットフォーム「AmiVoice® Cloud Platform」の機能強化を行いました。
⑧ 建設・建築業界向け建築工程管理のプラットフォームサービス「AmiVoice® スーパーインスペクションプラットフォーム(SIP)」の機能強化を行うとともに、対話型AI音声入力で現場作業中のデータ入力を効率化するMicrosoft Excel向けアドイン「AmiVoice® スーパーボイスエントリー for Excel」を開発しリリースしました。
この結果、当連結会計年度の一般管理費に含まれている研究開発費は