(1)経営の基本方針
[企業理念]
[ビジョン]
[行動指針]
[中期経営計画]
当社は、統合新会社 レイズネクスト株式会社として初めてとなる「第1次中期経営計画- RAIZNEXT SYNERGY POWER」(2019年度から2020年度まで)を策定し、次の経営数値目標を掲げ、活動しております。
①[業績計画]
第1次中期計画最終年度(2020年度 2021年3月期)業績目標
<連結>
②[投資計画]
2019年度~2020年度
⇩
70億円
③[経営指標の目標値]
自己資本当期純利益率(ROE)・・・ 9%以上
配当性向(連結)・・・・・・・・・ 40%以上
2021年3月期においては、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響は甚大であると予想されます。感染の完全な収束への見通しが立たない中、当社グループにおきましても、今後、工事の中断や中止・延期、工事従事者の確保等の事業上のリスクを抱えているものと認識しております。
2021年3月期は、プラントメンテナンス分野においては主要顧客である石油・石油化学業界において定期修理工事がピークを迎えることから、こうしたリスクに対処しながら、定期修理工事を完工させることが最優先課題となります。
また、メンテナンスの重要性が高まる中、設備の点検や補修などの現場作業だけでなく、保全業務全般に係る計画の立案から管理・遂行までトータルでサポートを行う体制を強化してまいります。
プラント建設分野においては、将来的な石油製品需要の減少を受け、石油・石油化学業界においては大規模な設備投資は見込めない状況にありますが、一般化学分野等において高機能製品生産のための投資も計画されていることから、顧客の事業計画段階からの参画や支援体制の強化などによるソリューション型サービスにより、これらの投資案件の受注を目指してまいります。
また、当社グループは、レイズネクスト株式会社として初めてとなる「第1次中期経営計画-RAIZNEXTSYNERGYPOWER」を2019年11月に策定・公表いたしました。2020年3月期から2021年3月期までの2年間を統合シナジー効果創出のための融合期間と捉え、各計画を着実に実行することにより、高度なエンジニアリング力を持つプラントメンテナンス事業の国内リーディングカンパニーとしての立場を一層強固なものとし、企業価値の向上、ステークホルダーの利益の向上に努めてまいります。
当社グループの事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のような項目があります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、これらの項目のうち、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(3) 特有の法的規制・取引慣行・経営方針
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおり
であります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、全体的には緩やかな回復基調で推移したものの、年度の終盤に新型コロナウイルス感染症が発生・拡大したことにより、景気は大幅に下押しされ、今後の先行きは不透明な状況となりました。また、海外経済においても米中貿易摩擦、英国のEU 離脱、中東の地政学リスク等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済活動の大幅な縮小が懸念されております。
当社を取り巻く事業環境については、石油業界では、燃費改善などの構造的な要因による国内需要減少への対応として、精製能力削減や稼働率の調整が行われており、石油化学業界では、国内のエチレン生産設備の稼働率は高い水準で維持されておりましたが、いずれも第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、製品需要の急速な減少が懸念される状況となりました。
また、非鉄金属業界では、銅価の下落やスマートフォン関連需要の在庫調整の影響がみられました。
こうした状況下、当社グループでは、当期(2020 年3月期)も定期修理工事が堅調に推移する中、プラント強靭化対策工事、経年化対策や安定稼働のための改造・改修工事のほか、高機能製品の生産のための新規プラント建設工事などの受注確保に取り組むとともに、材料費や人件費、外注加工費の上昇要因に対して、直接工事費や経費の削減などにより個々の工事における収益性の向上に努めました。他方、当社は、2019年7月1日をもってJXエンジニアリング株式会社と合併し、同社の権利義務の一切を承継しました。これに伴い、当社の当連結会計年度末時点の資産、負債等が大幅に増加しました。
当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染拡大防止のための移動の自粛や在宅勤務など事業活動の一部に制限が出たものの、懸念された業績への影響は、ほぼございませんでした。
(財政状態)
連結会計年度末における資産合計は、99,348,885千円で前連結会計年度末より、19,193,104千円増加しました。これは、現金及び預金が10,498,031千円減少し、受取手形・完成工事未収入金が15,398,203千円、未成工事支出金が6,099,630千円それぞれ増加したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、31,529,368千円で、前連結会計年度末より、637,971千円減少しました。これは、短期借入金が4,046,248千円増加し、電子記録債務が11,062,448千円減少したこと等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産合計は、67,819,517千円で前連結会計年度末より、19,831,075千円増加しました。これは、資本剰余金が10,156,120千円、利益剰余金が10,131,665千円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(経営成績)
当社グループの連結の業績としましては、合併前の新興プランテック株式会社の前期との対比となりますが、受注高は前期比58.1%増の165,404,444千円、完成工事高は前期比44.4%増の140,578,849千円となりました。また、営業利益は10,040,059千円(前期比30.7%増)、経常利益は10,239,365千円(前期比29.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12,258,106千円(前期比134.6%増)となりました。
なお、受注高は2019年7月1日のJX エンジニアリング株式会社との合併時に、同社の受注残高をレイズネクスト株式会社の当期の受注高として受け入れたことにより、前期比で大幅に増加しております。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、合併によって生じた負ののれん発生益を計上したことから、前期比で大幅に増加しております。
当社グループのうち、当社単体の業績につきましては、受注高は前期比61.2%増の155,350,618千円、完成工事高は前期比45.4%増の130,253,645千円となりました。また、営業利益は8,398,668千円(前期比28.8%増)、経常利益は8,893,694千円(前期比28.4%増)、当期純利益は11,579,904千円(前期比146.2%増)となりました。
受注高の工事種類別内訳 (単位:百万円)
完成工事高の工事種類別内訳 (単位:百万円)
(注)その他は、不動産の賃貸、保険代理店業務などであります。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10,453,248千円(前期比62.1%)減少し、期末残高は6,368,467千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は、6,384,779千円の支出(前年同期では9,842,906千円の収入)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益15,869,118千円、主な支出は、負ののれん発生益5,103,373千円、仕入れ債務の減少額15,269,548千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は、360,139千円の支出(前年同期では681,490千円の支出)となりました。主な支出は、有形及び無形固定資産の取得による支出1,159,712千円、主な収入は、投資有価証券の売却による収入777,744千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は、5,142,169千円の支出(前年同期では1,893,943千円の支出)となりました。主な支出は、短期借入金の純減少額2,936,000千円、配当金の支払額2,127,555千円の支出によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
事業セグメント別
事業セグメント別
工事種類別(その他の事業除く)
(注) 1 当社グループでは、エンジニアリング業以外は受注生産を行っておりません。
2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載を省略しております。
3 主な相手先別の完成工事高および総完成工事高に対する割合は、次のとおりであります。
4 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
5 JXTGエネルギー株式会社は、2020年6月25日にENEOS株式会社に商号変更されております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、期末日現在の資産、負債及び期間中の収益、費用の報告額に影響する判断および見積りが要求され、過去の実績および状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づいて行っております。
当社グループは特に以下の会計方針の適用において見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合もあります。
また、会計上の見積を行う上での新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 [注記事項](追加情報)(新型コロナウイルス感染症拡大の影響)」に記載しております。
1)貸倒引当金
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等の特定の債権については、保守的に見積った回収不能見込額を貸倒引当金として計上しております。
取引先の財政状態及び業績が見込以上に悪化した場合等、貸倒懸念債権等の特定の債権の回収可能性の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
2)工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末における未引渡工事のうち損失の発生が見込まれ、且つ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。
実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事損失発生の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において工事損失の追加計上が必要となる可能性があります。
3)完成工事補償引当金
当社グループは、完成工事に係る瑕疵担保等の費用に備えるため、過去の経験割合に基づく一定の算定基準を基礎に、期末日現在において予定されている瑕疵担保等の費用を合理的に見積った補償見込額を加味して完成工事補償引当金として計上しております。
瑕疵担保等の費用の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において補償損失の追加計上が必要となる可能性があります。
4)退職給付に係る負債
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、見積りを反映した各種の仮定に基づく数理計算により算出された退職給付に係る負債を計上しております。
これらの各種仮定には、割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率等が含まれており、実際の結果が見積りの前提と異なる場合、または前提が変更された場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において退職給付債務および費用に影響する可能性があります。
5)繰延税金資産
当社グループは、期末日後将来的に発生する課税所得を見積り、当該課税所得に係わる税金負担を軽減する効果を有すると判断した回収可能額を繰延税金資産として計上しております。
将来課税所得の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において繰延税金資産の調整額の計上により損益に影響する可能性があります。
6)完成工事高及び完成工事原価の計上基準
当社グループは、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を適用しております。
実際の工事施工状況が予定から乖離する等、工事収益総額、工事原価総額及び工事進捗率の見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において工事損益に影響する可能性があります。
7)固定資産の減損
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについては、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価格を下回る場合には、帳簿価格を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
減損の兆候の把握、並びに減損損失の認識及び測定の前提となる割引前将来キャッシュ・フローの見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、受注高(エンジニアリング業)は前期比58.1%増の165,404,444千円、完成工事高は同44.4%増の140,578,849千円、経常利益は同29.0%増の10,239,365千円、親会社株主に帰属する当期純利益は同134.6%増の12,258,106千円となりました。
1)受注高および完成工事高
受注高(エンジニアリング業)が前期比で60,815,987千円、完成工事高が同43,247,163千円それぞれ増加しました。受注高は、2019年7月1日のJXエンジニアリング株式会社との合併時に、同社の受注残高をレイズネクスト株式会社の当期の受注高として受け入れたことにより、大幅に増加いたしました。
完成工事高は、受注高の要因に連動して増加いたしました。
2)営業利益
営業利益は、上記の完成工事高の増加に伴い、前期比で2,356,558千円増加の10,040,059千円となりました。
3)営業外損益
営業外損益においては、支払利息、為替差損の増加により、利益が前期比で56,562千円減少いたしました。
4)特別損益
特別損益においては、投資有価証券売却益、負ののれん発生益の計上により、利益が前期比で5,719,886千円増加いたしました。
5)親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益が増加したことにより前期比で7,032,829千円増加いたしました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、2.「事業等のリスク」に記載したとおりであります。当社グループを取り巻く環境は、国内の石油製品の需要減少、国内生産設備の能力余剰対策の一環としてメンテナンス費用および設備投資の抑制により、経営環境は楽観できない状況が続くものと予想されます。
当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ10,453,248千円(62.1%)減少し、期末残高は6,368,467千円となりました。概要については「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フロー施策として、JXエンジニアリンク株式会社との経営統合により、新規分野、新規事業への参入により、健全なキャッシュ・フローを維持できる収益の確保に努めてまいりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、金融機関との取引関係の維持、調達先の分散など、資金調達リスクを軽減するため様々な対策をとっております。
当社グループは、1.「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載したとおり、レイズネクスト株式会社として、第1次中期計画を策定し、2019年度から2020年度までの2年間を統合シナジー効果創出のための融合期間と捉え、経営目標の達成と企業価値の向上に向けて着実に施策を実行してまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症による影響については、現時点で業績に与える影響を合理的に算出することが困難なことから業績予想には織り込んでおりません。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズに対してメンテナンス及びエンジニアリングによるソリューション・サービスを提供することを目指し、テーマを選択して取り組んでまいりました。
当期は経営統合による第1次中期経営計画の初年度として、メンテナンス技術力とエンジニアリング技術力の強化をキーワードとして、関連する13テーマについて活動を展開してきました。作業の非熟練化、軽労化、安全性向上に寄与する現場作業の機械化を積極的に推進すると共に、管理業務の効率化や業務品質の向上を目的とした業務のIT化にも継続して取組んでまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) メンテナンス作業の機械化
作業の機械化については、既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化及び安全性の向上を目的として6つのテーマに取り組みました。
まず熱交換器のメンテナンスに関連する技術として、定期修理工事において特殊な技能が必要とされる熱交換器チューブバンドルの抜出・挿入作業に関し、より一層の非熟練化を目指しました。操作性等を向上させる機能を追加した新型ハイドロエキストラクターを現場適用し、追加機能の有効性を検証しました。引き続き、現場適用を行いながら改善を図り、今後導入・更新する機材の標準化を図っていく所存です。
次に熱交換器チューブバンドルの洗浄作業においては、前期に遠隔操作による内面洗浄機としてチューブ位置合わせの自動化、位置合わせと連動したフレキシブルランスの動作及び高圧水のON/OFF制御機能を搭載した機材を開発し、当期にて現場への試験適用を行いました。その結果、各種課題から現行機での現場適用は難しいと判断し、引き続き有効な機材の調査および開発研究を行ってまいります。
また熱交換器のカバー類の脱着に関しては、前期に検討しました狭所における支保工材を活用した脱着工法を定期修理工事の現場に試験適用し、有効性を確認いたしました。今後はさらに軽量で取扱いが容易な部材や冶具開発を行うことで、標準工法化を目指してまいります。
配管切断技術に関しては、完全な無火気工法としてウォータージェットを利用した切断機を導入し、現場における大径配管の切断に初適用し、その有効性を検証しました。来期以降も現場での適用実績を積み重ね改良を図りながら、既存の技術を含めてコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
溶接技術に関しては、前期にタンク側板の自動溶接における危険物保安技術協会の溶接確認試験を受験し合格したことを受け、当期はタンク開放検査工事で発生した側板上部の部分更新工事へ適用いたしました。その結果、各種課題はあるものの現場適用が可能であることを検証しました。実績を積みながら改善を図ることで作業の効率化及びコスト低減を図ってまいります。また、現在の水平継手に加えて、縦継手についても適用を拡大していく所存です。
また将来的に懸念されている溶接工の不足に対応すべく、配管の自動溶接機を導入し溶接実験を開始いたしました。
来期も自動溶接機の現場適用に向けて活動を継続してまいります。
今後もメンテナンス技術力の強化を目標にメンテンナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2) 現場業務のIT化分野
現場で利用される情報の一元化、共有、連携や情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化すると共に業務品質を向上させることを目標として、ITツールの開発やその活用強化に関する5テーマに取り組みました。
まず自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、ユーザーの利便性のための機能改修およびクラウド化を実施いたしました。また、効果的な運用方法をマニュアル化し、複数の定期修理工事現場においてS-TORAGEが有効に活用されてきました。
次に位置情報の管理技術として、各種工事及び工事に使用するクレーン等機材の位置情報を管理するシステムについては機能改修を実施し一連の開発を完了いたしました。既に定期修理工事や日常保全工事の多くの現場で活用されており、浸透してきました。また現場の機器等の工事管理用に開発した位置情報システムについては、より高精度の位置測位方法や新しい通信方法について検討を重ね現場で試験適用した結果、位置測位については概ね良好な結果が得られました。引き続き、改善を図りながら現場への本格的な導入を目指してまいります。
エンジニアリング業務に使用するデータ等を一元管理するシステムを前期までに開発し、当期においてはそのデータを活用した計算機能を付加することで、業務の効率化と業務品質の向上を図ってまいりました。また積算業務の効率化にも取り組み、成果を上げることができました。
また、当期からVR(バーチャル・リアリティ)映像の現場活用化への取り組みを開始し、視線計測技術やVRを活用した危険体感訓練シミューレーター等を導入いたしました。来期も継続して現場活用に向けて取り組みを行ってまいります。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指し継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術
その他の技術として、溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施しております。当期は溶接条件の異なる各種試験片の製作と硬度及びクリープ試験による基礎データの採取が完了いたしました。来期は溶接補修を施した試験片の製作と硬度及びクリープ試験によるデータ採取を行い、未補修のデータと比較することで接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立してまいります。
また、第1次中期経営計画に掲げております新規分野における体制基盤の強化の一環として、コンサルティング会社等も活用しがなら、顧客のニーズや懸案事項に応えるソリューションの調査、検討等を進めており、来期も継続して取り組んでまいります。
当社グループの主要顧客業界である石油業界や石油化学業界においては、既存プラントの安全・安定操業のニーズの高まりや設備の経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加えて、保安力の向上・高度化に向けた動きがある中でプラントメンテナンスの重要性がますます高まるものと想定されます。このような事業環境において、メンテナンス請負企業に対する労働安全や品質管理に対する要求も厳しくなってきています。さらに社内においても時間外労働時間の削減は重要課題であり、更なる業務の効率化による働き方改革が求められております。
研究開発活動は、こうした顧客ニーズや事業環境に応えられるように相応しい研究開発テーマを選定し実施していく所存であります。なおテーマの選定にあたっては、国内はもとより欧州や米国等においても技術及び市場調査を継続して行い、その成果を有効に活用してまいります。
また、経営統合に伴い、旧両社の固有技術の適用拡大に係るテーマの選定やインフラの有効活用等により、シナジー効果の創出を図ってまいります。