当社グループの経営方針、経営環境及び対応すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社の社会的使命は「快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理は人々を『幸せ』にします。私たちは、それらを高品質で提供しながら、低価格で実現する努力を行う事によって、より多くの人に『幸せ』を感じてもらう事を使命とします。」と定めています。そして、その使命を全うするために『お客様から褒められる店を創ろう!』というわかりやすい言葉を経営理念としております。
お客様から褒められる店舗づくりを実現する為には、顧客ニーズをくみ取り、それに応えていく必要があり、そのためには従業員の「考える」「発言する」「行動する」「反省する」という主体性が不可欠です。当社は創業当時よりそうした「自奮自発の精神」を大切にし、従業員が自己成長することをサポートすることで、真のお客様サービスの追求と実践を行ってまいりました。今後もこの精神を伝承し、従業員の成長をもって会社の持続的な成長を実現してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は美味しい料理を提供して、より多くの人に幸せを感じてもらいたいという社会的使命に基づき、「売上の増収」を目標とするとともに、原価率の適正な水準やコスト管理を重視する方針から、「売上高営業利益率」を重要な指標としております。当期の「売上高営業利益率」は8.6%と、目標水準である8%を大きく上回る成果を上げました。
同時に、企業価値のさらなる向上を図るため、成長のための設備投資と人的資本への投資を推進するとともに、資本効率を重視し、安定的かつ持続的な配当による株主還元の向上に努めてまいります。
(3)会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度において、ウクライナ情勢の長期化や世界的な金融引き締め等の影響により、先行きに対する不確実性が増し、特に、食材や資源等の価格高騰が企業収益を圧迫する状況となりました。
そのため、当社は2022年5月及び11月に、一部商品の価格改定を実施し、各種取り組みの成果として、価格改定後も客足は伸び、これまで以上の多数のお客様にご来店いただくことができました。
しかしながら、今後の経営環境を考えた時、コロナの感染症法上の5類への移行によりサービス消費の正常化が進む半面、同業他社との競争が激化し、人件費の上昇とともに、人材確保が計画通り進まなくなり、その場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
当社はこうした課題に対し、時代に合った効果的な採用チャネルと採用手法の改善、結果検証を踏まえた求人広告媒体等の見直し、学生アルバイト等を対象にしたインナー採用などの強化に着手しております。さらには、当社店舗を選んでいただけるように、QSCのさらなる向上、どこか懐かしさを感じる「忘れられない中華そば」などの新商品の開発、新たに投入したテレビCMやお客様感謝キャンペーンなど各種販促施策の遂行、DX導入による業務効率の引き上げなどを着実に遂行しております。そして、今後もこれらを推進していくことで、コロナ禍でも強いレジリエンス(回復力)を発揮したように、成長路線を確実に進んでまいります。
次に、持続可能な社会の実現を目指すサステナビリティは、企業にとってリスクと機会の両面から、ますます重要な経営課題となっています。
我が国の喫緊の課題として少子化対策の必要性が叫ばれる中、当社は食を通じて社会に貢献していく企業として、こども食堂へのお子様弁当の無償提供など、将来を担う子どもたちの今と未来を支援する活動に精力的に取り組んでまいりました。「食に困らない豊かな社会の実現」のため、これからも全社を挙げて推進してまいります。
また、社内に目を向ければ、当社は従業員満足度の向上を重視し、従業員が成功体験を積み、働き甲斐を実感することが起点となって、お客様を始めとした「全てのステークホルダーとの共栄」を実現できると考えております。人材育成の成果としての従業員の成長が、全てのステークホルダーの皆様に波及する好循環のもととなるように、引き続き人的資本への投資に注力してまいります。
気候変動の問題では、脱炭素社会の実現を目指し、気温上昇を抑制するために世界が目標設定している2030年や2050年をターゲットにして、温室効果ガスの削減策を検討し、着実に実行していく方針です。
最後に、デジタル技術の導入です。当社のDX戦略は、eラーニングを含めた人材育成から始めて、従業員の働き方の改革まで目指すものであり、最終の目標は、お客様に向き合う時間とサービスの創出です。当社は創業時から、お客様に向き合い、オープンキッチンで「気持ち」も「熱」も伝わり、人の「温かみ」が溢れ、お客様に幸せを感じていただくことを追求してまいりました。そして、その根底にあったのは、「お客様に喜んでいただきたい」という従業員一人一人の「情熱」でした。
先行き不透明感が強まっている時代にあって、こうした時にも明るい未来を創っていく原動力となるのが「食」であると考えることから、当社は昨年から「おいしい力が、未来を変える。」をスローガンにして、料理の美味しさを追求しています。そして本年は、このスローガンとともに「情熱」をキーワードとして掲げ、従業員一人一人に「原点は情熱」であり、「情熱の先に感動がある」と伝えています。業務のデジタル化は、当社の原点を支えるための手段であるというのが、当社のDXに対する基本的な考えです。
こうした考えのもと、店舗では、シフト管理システム、複数のデリバリーサービスの注文を一元管理するシステム、テイクアウトのお客様の呼び出し番号をディスプレイに表示するシステム等を新たに導入しております。さらに、店舗での生産性の向上を目指し、自動釣銭機やセミセルフレジの導入、POSレジの2台体制化を進めているほか、配膳ロボットやモバイルオーダーのテスト導入を開始しております。
当社は、このように「デジタル技術が創り出す価値」を積極的に導入し、「人にしか創り出せない価値」を最大限に発揮することで、さらなる成長を実現してまいります。
当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社は、「快適な食空間、心温まる接客、そして美味しい料理は人々を幸せにします」という社会的使命のもと、「お客様から『褒められる店』を創ろう」という経営理念に則り、事業を遂行しております。サステナビリティは、その実現のための基礎となるものであるため、経営戦略を具現化するための中期経営計画の大目標の一つとして「サステナビリティの推進」を掲げるとともに、サステナビリティ基本方針を取締役会で決議し、「サステナビリティ委員会」を設置いたしました。
当社は、サステナビリティビジョンとして「食に困らない豊かな社会の実現」、「全てのステークホルダーとの共栄」、「地球環境の保全」を目指すことを表明し、積極的・能動的に取り組んでおります。
①「食に困らない豊かな社会の実現」に関する取組み
食を通じて社会に貢献するため、当社は安心・安全で美味しい料理の提供に取り組んでおります。そのために、主要食材は国産を使用することで安心・安全を確保するとともに、国内自給率の維持・向上に寄与しております。上質かつ安定的な国産食材の供給を確保するため、生産者との緊密な連携と公正な取引関係を構築しており、当社の持続可能性を高めております。
さらには、代金の一部を世界各地で子ども達のための支援活動を行う民間・非営利の国際組織 「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付するとともに、学校の休み期間中に全国の子ども食堂に対して「お子様弁当」の無償提供を行うなど、その時々に応じて必要とされている取組みを積極的に行っております。
② 「全てのステークホルダーとの共栄」に関する取組み
当社は、全てのステークホルダーとの共栄を目指し、事業遂行の成果の還元として、お客様に対する主要食材の国産化による安心・安全という付加価値のご提供、株主に対する配当水準の引き上げや自社株買いによる還元、取引先に対するサプライチェーン全体での付加価値向上を目指した取り組み、従業員に対する処遇や職場環境の改善などを実施してまいりました。 また、当社はスポーツを通じて健全な精神、強靭な身体、礼儀正しさなどを学ぶ青少年の育成活動の支援を行っており、企業や自治体のイベントに屋台を出店するなどして地域の活性化の一翼を担っております。
③「地球環境の保全」に関する取組み
営業活動及びお客様への料理の提供に係る環境影響を低減する為に、環境マネジメントシステム活動を推進し、水道光熱使用量の削減や一般廃棄物の排出削減に取り組んでおります。具体的には、2022年4月からの「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴い、「バイオマスプラスプーン」「プラスチックレンゲ」を有料化するとともに、「ストロー」の素材をプラスチックから紙に、「使い捨てミニスプーン」は プラスチックから金属製のデザートスプーンに変更するなど、同法に則り、環境保全のための取り組みを推進いたしました。さらに、食べ残しを防止するため、食べきりサイズの「ジャストサイズメニュー」を提供し、食品ロス削減にも取り組んでおります。また、環境配慮設備への更新による店舗や工場のエネルギーコストの削減などにより、CO2排出量の削減に取り組んでおります。
こうした取組みにより、地球環境への負荷を低減し、自然災害や気候変動のリスクに備えることが、お客様からの信頼獲得にもつながり、当社の持続可能性を高めると考えております。
様々な活動の中でまずは「気候変動に対する取り組み」、「人的資本・多様性に対する取り組み」内容を記載いたします。今後は更に、当社の重要課題の特定と目標の設定を進め、取り組みを拡大してまいります。
(2)ガバナンス
当社は、サステナビリティに係る課題の検討やモニタリング等の対応については、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会(原則年4回開催)で目標・計画の策定、重点取り組み課題の選定、計画に対する進捗を確認し、適宜、リスクと機会及び財務への影響をステークホルダーに開示します。
「気候変動対応」や「人的資本・多様性」を含むサステナビリティに関わる重要な議案は取締役会に上程、報告を行い、承認、助言、監督を受けます。
組織体制は下記図の通りです。
2022年度のサステナビリティ委員会、及び原則として毎週開催されている経営戦略会議において、人的資本及び人材育成への投資、Scope1、2排出量の削減、プラスチック使用量削減の推進、サステナビリティ・リンク・ローン、子ども達への「食」を通じた支援などについて議論を実施いたしました。
(3)戦略
①気候変動
a シナリオ分析
当社では、2100年における世界の気温上昇が2℃上昇と4℃上昇の世界観を想定し、2030年、および2050年におけるシナリオ分析を実施しました。
海外につきましては台湾に事業所と直営店2店舗がありますが、当社全体への影響は極めて小さいことから、対象を国内に絞り、シナリオ分析を進めました。
以下に示す政府機関及び研究機関で開示されているシナリオなどを参照して、重要度の評価及び財務的影響の分析を実施しています。
b リスク、機会
特に当社への影響が大きく、実際に起きる可能性も高いと想定されるリスク8項目、機会5項目を開示します。
c 対応策
特定したリスク、機会に対する中長期での対応策につきましては、継続的な実施と効果評価を行い、事業活動のレジリエンスを高めてまいります。
②人的資本・多様性
a 人が価値を創り出す企業
当社は常に従業員満足度が高まることによりお客様にご満足いただき、その結果として業績の向上という形で従業員へ還元される好循環が生まれると考えております。従業員ひとり一人が熱き情熱を持ち自ら考え成長することに喜びを感じ、笑顔あふれる店創り(職場づくり)を行ってまいります。
従業員の成長を促進するためには、個々の従業員に対して学びの機会を提供することが会社の重要な役割の一つだと考えています。そのため、人材育成に関しては、王将調理道場や王将大学の研修プログラムに加えて、eラーニングやデジタル技術の習得など、多様な投資を積極的に行っています。実際には、調理技術の向上を目指した調理講習会を王将調理道場でライブ配信し、2022年度だけでも約12,000人が受講しました。また、王将大学では役職に応じた知識とマネジメントスキルを身につけるための研修を実施し、2,000人以上が参加しました。さらに、新入社員や中途入社者向けの研修プログラムも実施し、人材育成への投資を継続しています。
待遇面においても、厳しい環境が続く中で業績向上に貢献した従業員に報いるため、2022年の夏期賞与では労働組合の要求に対して満額回答とし、さらに「特別加算金」(賞与テーブル8.5%)を上乗せして支給しました。同様に、2022年の冬期賞与でも「生活支援加算」として10%の上乗せ支給を行いました。これにより、一人当たりの平均賞与支給額は過去最高額を更新しました。さらに、2023年度の月例給改定においても、組合の要求に応える形で、一人当たり平均22,000円の引上げ(ベースアップを含めた賃上げ率7.0%)を実施しました。こうした取り組みにより、私たちは人的資本への投資に注力しています。
b 多様性の確保
当社は性別、年齢、国籍、新卒・中途に関係なく、様々な人材を採用しています。全従業員に占める女性の割合は約半数を占めており今後も引き続き女性の採用を積極的に進めてまいります。また、外国人については、店舗のマニュアル類の多言語表示を進めることで、言語の壁を感じることなく、働きやすい職場環境を構築するための工夫をしています。更に、中途採用者については、中途入社者研修を実施することで、当社に関する理解を深め、知識・経験・能力を培うことのできる環境を整備し活躍できる体制を構築しています。障がい者雇用についても、当社は「お客様から褒められる店づくり」を支援するための特例子会社を設立して全社的に積極的に推進しております。
人材の登用についても採用同様に性別、年齢、国籍、新卒・中途に関係なく、適性に応じ各ポジションへの登用を実施しており、適性のある女性ついては積極的に管理職に登用してまいります。中途採用者については当社での経験年数の長短に関係なく、実力と成果に応じ早期に管理職および上級管理職として活躍できる体制を構築しております。更に、パートタイマーに対しても育成のための教育プログラムを充実させ積極的に正社員への登用を行い、各自のライフプランに合わせて勤務時間や雇用形態などを選ぶことができるキャリアアップ転換制度を設けることで、柔軟な働き方を可能とし、各人がキャリアアップしながら長く安心して働ける環境の整備に努めています。
これらの対応によって、多様な価値観を取り入れ、持続的な成長を図っております。
(4)リスク管理
当社は、特定されたリスクについては、サステナビリティ委員会を中心にリスクの回避、軽減、コントロール、機会への早期着手に関する方針の策定や対応策の立案などを実施し、取締役会への上程、報告と承認、助言、監督を受け、全社を通じたリスクマネジメントを行っています。また、対応策の実施状況、およびその効果についてモニタリングを実施しています。
特定されたリスク及び機会に関して、当社は以下のように取り組みを行っています。
・ シナリオ分析
・ 短期・中期・長期のリスク及び機会の特定と重要度評価
・ 特定された重要なリスク及び機会に対する戦略的な取り組み方針
・ リスク及び機会への具体的な対応策の検討
・ リスク及び機会に関して採用された対応策の進捗管理
(5)指標及び目標
①気候変動
当社では事業活動におけるCO2排出量(Scope1、2)の把握に加え、2021年度より原材料の調達や輸配送、フランチャイズチェーンなども含んだサプライチェーンのCO2排出量(Scope3)の把握に取り組み始めました。
2021年度の事業活動におけるCO2排出量(Scope1、2)は82,858t-CO2、およびサプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)は213,731t-CO2でした。
・ 2021年度 売上百万円当たりの事業活動におけるCO2排出量(Scope1、2) : 0.98t-CO2 /百万円
当社2021年度のCO2排出量を基準値として、日本の2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、当社としても省エネルギー・創エネルギー活動を推進すると共に再生可能エネルギーの活用検討も進め、継続的な低・脱炭素活動を推進してまいります。
サプライチェーンのCO2排出量(Scope3)につきましても環境配慮型素材の探索や開発、環境負荷低減に貢献する活動を推進し、削減に貢献してまいります。
②人的資本・多様性
当社では、上記「(3)戦略」において記載した、人的資本・多様性について、次の通り目標を定めて積極的に取り組んでおります。
管理職に占める女性労働者の割合の目標は、2024年3月31日までに4%以上と定めており、当事業年度末で2.2%(対象は提出会社)となりました。女性の職場での活躍をさらに促進し、目標達成に向けて傾注してまいります。
また、障害者雇用率については、同雇用率が法定雇用率を上回る雇用水準を維持する目標を設定し、当事業年度末で2.7%(提出会社と特例子会社を合算)と目標を達成いたしました。今後も障害者雇用を積極的に進め、法定雇用率を上回る雇用水準を目標にしてまいります。
なお、当社では、定期的に全従業員を対象とした「従業員満足度調査」を実施しており、仕事への意識や職場の雰囲気、主体的な行動、姿勢、会社への信頼感などについて選択形式で調査を行い、経年の変化を把握しております。調査結果は組織単位に統計的に処理・分析され、組織リーダーにおける職場改善の参考指標として活用を進めることで、個々の職場の活性化につなげてまいります。
当社は、リスクマネジメント規程において、代表取締役社長をリスクマネジメント体制の最高責任者と定め、その直属の組織として、各部室長によって構成されるリスクマネジメント会議を定期的に開催しております。
当会議では、当社グループの事業に関するリスクを総合的に抽出・分析し、重点的に対応すべきと評価したリスクについて、発生の予防策および発生した場合の対応策の策定を行い、それらの施策の実行状況確認及び是正をしております。
また、当社はリスクが顕在化した場合に備えて危機管理対応に関する諸規程を整備しており、経営危機の発生時には直ちに経営危機対策本部を設置し、迅速かつ適切に対応することで、損失の極小化を図る体制となっております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)出店戦略について
当社グループは、現在は西日本と比較して出店余地の多い関東地域を中心に新規出店に取り組んでおりますが、出店にあたっては、商圏・立地条件や賃借料の水準等に基づく店舗の収益性を重視して決定しております。
したがって、条件に合う出店予定地を確保できない場合などにより、新規出店数が計画を下回ると、計画通りの売上利益を確保できないなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、人材補強等による専門部署の整備により市場分析能力の向上を図り、店舗開発力を強化して計画通りの出店を実現するとともに、出店にあたっては建築・設備コスト及びランニングコストを削減して新店の収益力を高めることで、リスク発現可能性の軽減を図っております。
(2)賃借物件について
当社グループは、土地もしくは建物を賃借して出店するビジネスモデルを基本としているため、賃貸借契約をめぐるトラブルに起因するリスクがあります。具体的には、賃貸人側の事情によって契約が解除または更新不能になった場合には、業績好調な店舗であっても当社グループの計画に拘わらず閉店を余儀なくされる結果、売上高が減少する可能性があります。また、賃貸人の財政状態が悪化した場合には、当社グループが預け入れている敷金・保証金の回収が困難となる結果、差入保証金の回収不能による損失が発生する可能性があります。
ただし、これらが一時期に集中して起きる可能性は低いため、一部店舗においてリスクが発現しても、当社グループの業績及び財政状態に及ぼす影響は極めて限定的であると判断しております。
対応策としては、賃貸人とのコミュニケーションを重視し、契約更新にあたっては期限に十分余裕のある段階から当社グループの意思を伝えて丁寧な交渉を行い、契約更新のトラブルを回避いたします。また、敷金・保証金の回収に関しては、適宜賃料との相殺を実行するなどのほか、賃貸借契約締結時に返還請求権を登記して保全に努めるなどして、リスク発現可能性の軽減を図っております。
(3)安全かつ安定的な食材の確保について
食材の産地、当社工場、及び輸送経路に、何らかの事件や事故、災害等による被害が発生した場合や、異常気象、天候不順などの気候変動により食材の極端な品薄や価格の上昇があった場合、食材の安定的な確保に問題が生じる可能性があります。
また、豚コレラや鳥インフルエンザ、残留農薬等に代表されるように、使用している食材にその安全性が疑われる問題が生じた場合、需給関係に変動が生じて食材の調達に支障を来す可能性があります。
こうした場合、提供できる料理の制約や仕入価格の上昇が業績に大きな影響を与える可能性がありますが、食材の調達は常に天候等の自然条件の影響を受け、市況にさらされているため、そのリスクは多少なりとも常時存在していると考えられます。
当社グループにおきましては、上質かつ安定的な国産食材の供給を確保するため、生産者と緊密な連携を実施し、産地を分散する等の工夫を行っており、さらに、産地の巡回、製造委託工場の視察・監査、製品規格書の整備、代替食材選定の検討等を実施し、リスク発現可能性の軽減を図っております。
(4)自然災害の店舗・工場運営及び本社への影響について
当社グループが出店、操業している地域やその周辺地域における大型の台風や地震等の自然災害により、店舗・工場の設備や電気・ガス・水道などのインフラの損傷、配送やサプライチェーンの分断、また従業員が出勤できない等の事情が発生すると、店舗・工場が正常な運営を継続できなくなる可能性があり、被害が広域で甚大である場合には、営業活動の休止が長期にわたる可能性があります。
近年、頻発している大雨や大型台風などの異常気象に対しては、本社、工場、店舗ごとに、大規模災害発生時の事業継続と損失軽減のための計画を策定しております。
具体的には、店舗・工場の耐震化やITインフラの冗長化等の対策とともに、災害時における従業員の出退勤や店舗の営業継続に関する判断基準の作成、従業員の安否確認・連絡網と避難場所の周知等により、お客様と従業員の安全を最優先とし、さらに、食材産地の分散化と被災工場をカバーする生産・供給体制の構築、借入枠の設定による被災時の資金面の手当など、事業継続または早急な事業再開につなげる態勢作りを行っております。
(5)気候変動への取り組みとTCFDへの対応
近年、世界的規模でエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策のための法規制等、気候変動抑制のための動きが強まっておりますが、気候変動問題は当社が目指す持続可能な社会の実現、及び事業の持続可能性の追求に重大なダメージを与えるリスクであると認識しております。
そのため、当社グループは、サステナビリティビジョンの1つとして、「地球環境の保全」を掲げ、サステナビリティのための活動の一環として積極的な取り組みを開始いたしました。実例をあげますと、レジ袋については、植物性由来の素材を含んだプラスチック製への切り替えを実施、「バイオマスプラスプーン」、「プラスチックレンゲ」を有料化するとともに、「ストロー」の素材をプラスチックから紙に、「使い捨てミニスプーン」はプラスチックから金属製のデザートスプーンに変更いたしました。また、工場では、環境配慮設計によりエネルギーコストを削減、AIを利用した配送編成により配送距離を適正化し、DXによりトータル物流業務時間を短縮するとともに、製品化率の引き上げにより食材ロスを削減するなど、カーボンニュートラルに向けた積極的な取り組みを図っております。
さらに、気候変動に係るリスク及び機会が当社グループの事業活動や収益等に与える影響について必要なデータの収集と分析をおこない、TCFD提言に沿った取り組みを進めております。
(6)消防法、建築基準法等について
当社グループは消防法、建築基準法及び都市計画法等による規制を受けておりますが、店舗内で調理を行う関係上、常時発生しているリスクとして、店舗での不慮の火災発生があります。
リスクが発現し、当社グループ店舗において火災による死傷事故等が発生した場合、当社グループの信用低下とともに、損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは直営全店に自動消火設備を設置するとともに、防火対策についてマニュアルを整備して社員教育を徹底し、とりわけお客様や従業員の生命や身体に被害が及ばぬように、年に2回の消防訓練を行うなど、リスクの軽減を図っております。また、店舗・工場等の建物・設備に対する火災保険や事業総合賠償責任保険に加入するなど、リスク発現時の損失の補填対応を行っております。
(7)食品衛生法について
当社グループの事業においては、食品衛生法に基づき、飲食提供に際して食品衛生責任者を設置して法令違反のないよう監督を行う必要があり、営業にあたっては食品衛生法第55条の規定により都道府県知事の許可を受けなくてはなりません。さらに、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成30年法律第46号)により、営業許可制度の見直し及び営業届出制度の創設が施行、新たに従来の32業種以外の業種に関しての届出制度が創設され、HACCPに沿った衛生管理が制度化されたため、これらに対しても規定に従った運用・監督を行うことが義務付けられております。その他、食品用器具・容器包装におけるポジティブリスト制度の導入、アレルゲン、消費期限等安全性に関わる食品表示法違反による回収情報の届け出義務化、遺伝子組み換え表示制度における任意表示に対応するための体制を整えております。
また、
・食中毒、異物の混入等、健康に影響を及ぼす事故等を起こした場合、若しくはその恐れがある場合
・法令若しくは条例によって規定された食品及びその表示、施設内外の清潔保持に係る規格・基準に違反する場合
・厚生労働大臣の命令により禁止された食品等を取り扱った場合
・業務を行う役員が食品衛生法第55条第2項第1号若しくは第2号に該当した場合
・許認可に際して付けられた条件に反した場合
・食品衛生法第60条の取消事由に該当した場合
などには、一定期間の営業停止、営業の全部若しくは一部禁止、又は営業許可の取消を命じられることがあります。
上記の法令違反となる事案については、常時存在しているリスクであり、リスクが発現した場合には、営業停止等の処罰はもちろん、食材の廃棄損や営業停止に伴う売上高の減少、さらには当社グループの社会的信用の低下を招いて企業イメージを大きく損ない、事業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループでは、店舗や工場における食材の管理・取扱い、及び設備機器・従業員等の衛生状態について常に最大限の注意を払うとともに、定期的に厳格な衛生検査を実施する等の対応を行い、リスクの発現可能性を軽減しております。
店舗においては、営業本部に設けられた営業サポート部衛生管理課のスタッフによる自主衛生チェック・店舗巡回指導の実施、HACCP制度に沿った衛生管理体制の整備、異物混入時のフロー体制の構築、年2回の検体提出(検便)、定期健康診断の実施等、衛生管理体制の強化を図っております。
工場においては、FSSC22000・HACCP・JFS-B規格の取得と継続維持、従業員に対しての食品衛生法及びその他関連法規に関する勉強会・モラル教育の実施、各工場のフードセキュリティ・フードディフェンスの強化、衛生問題や事故発生時を想定したシミュレーション訓練の実施、製造機器及び資材からの異物混入防止のための危害分析による危害の抽出と危害の排除とメンテナンスカレンダーの運用、さらにBCP(事業継続計画)の策定を行っております。
以上のとおり、当社グループは、食品衛生法に係るリスクを発現させないための徹底した取り組みを全社的に行っております。
(8)店舗における酒類提供について
当社グループの店舗において、20歳未満の者であることを知っての酒類提供及び車両等で来店されていることを知っての酒類提供等が発生した場合、当社グループ及び従業員は20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律や道路交通法違反等の罪に問われ、店舗は営業停止処分等を課されるリスクがあります。また、これらの違反が報道やSNS等で情報拡散され当社グループのブランドイメージが損なわれると、長期的な業績の下振れ要因になる可能性があります。
酒類を提供している店舗において、リスクが顕在化する可能性は常時あることから、当社グループでは酒類を注文されたお客様全員に対し、車両等の運転をしての来店でないこと、及び20歳未満の者でないことの確認を行っており、毎日の朝・夕礼においてその徹底を指導しております。さらに、飲酒運転、20歳未満の者への酒類提供禁止の確認バッチ着用や啓蒙ポスターの掲示、コンプライアンス研修時の酒類提供に関する確認テストの実施など、常に注意喚起を行ってリスク発現可能性の軽減を図っております。
(9)法的規制等の強化に関するリスク
当社グループは、上記の法令の他、食品の表示については食品衛生法以外にも食品表示法、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)等の規制を受け、また、フランチャイズ・チェーン運営に関しては私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)及び中小小売商業振興法等の規制を受けております。その他、環境への意識の高まりを背景に、食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック資源循環促進法)等が適用されるなど、様々な法的規制を受けております。
今後、社会環境の変化等により新たな法律の施行や法令の改正等を通じて規制が強化され、対応するための費用が必要となる場合は、当社グループの業績が費用増加による影響を受ける可能性があります。また、新たな法的規制への対応が遅れ、違反する事態となれば、当社グループに対する法的な制裁を受けるのみならず、社会的評価を落とし、大きな経済的損失に発展する可能性があります。
そこで、当社グループでは、法律の制定・改正情報の配信サービスの活用、公的機関による関係法令に関する説明会やフォーラムへの参加、各省庁のホームページ内の法規制に関連する通達の閲覧、法規制に関する社内勉強会の開催等を通して、関係法令の改正について情報収集に努めており、業務との関連性を常に調査し確認することで、リスク発現可能性の軽減を図っております。
(10)重要な訴訟事件等について
当社グループは、契約締結時の審査体制や決済手続きに関する規程を定めてこれを遵守しており、契約に関するリスクを適切に管理できる体制を構築しておりますが、事業を遂行していくうえで、お客様、取引先、フランチャイズ加盟店等利害関係人との間で契約上のトラブルによる紛争になった場合、契約上の責任に加え、訴訟のための時間と費用、訴訟の内容によってはブランドイメージが低下する等、業績に影響を及ぼす可能性があります。
そのため、商取引においては書面でのやりとりや契約書の締結により曖昧な点をなくして紛争の未然防止を図るとともに、利害関係者と十分な意思確認を行うことで、リスク発現可能性の軽減を図っております。
(11)固定資産の減損会計適用について
当社グループが保有する固定資産を使用している店舗の営業損益に悪化が見られ、回復が見込まれない場合、もしくは不動産の時価が著しく下落した場合には、当該固定資産について減損会計を適用し、減損損失を計上しております。
中食市場との競合、少子高齢化による需要の減退、人手不足等による人件費単価の上昇などの要因により事業環境は悪化しているため、減損損失を計上するリスクが翌期においても相応にあるものと認識しております。また、営業収支の悪化に減損損失が重なった場合には業績に与えるインパクトが増幅する可能性があります。
そのため、当社グループは、王将大学及び王将調理道場による社員の教育を通したQSCの向上や、店舗の生産性の引き上げ、販売促進の様々な営業施策の継続的な実施等により、各店舗の収益力を強化し、リスク発現可能性の軽減を図っております。
(12)人材確保・育成について
就職活動の早期化が進む一方、通年採用への動きが見られる等、企業にとって人材の確保のための新たな対応を迫られる状況に置かれております。特に当社グループの場合、多彩なメニューの調理技術、オリジナルメニューの考案力、接客技術及び店舗マネジメント力その他IT分野における専門性など、社内で求められるスキルを身に付けた人材を育成するには数年を要するため、従業員の計画的な採用及び育成が不可欠です。
従業員の採用と育成が順調に行かずに人的資源の不足を招いた場合、新規出店の鈍化と店舗のQSC低下、IT分野では、当社システム開発の停滞等を招き、当社グループの業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループは、人事・営業・製造部門が連携したインターンシップ等を活用した採用活動を強力に推進しております。さらに、インナー採用の強化に努め、即戦力となる人材の確保に努めております。また、研修・教育機関として社内に「王将大学」を設置して店舗運営に必要なスキルとルールのマニュアル化と、各等級の期待役割に応じたスキルを習得させるための一貫した研修体制を構築しております。コロナ禍においても1回当たりの人数を制限して継続、新たにリモート研修も導入する等、人材育成を強化しております。さらに「王将調理道場」を設置して調理技術の向上に努め、社員のみならずパートタイマーも参加できるようオンライン研修を拡充し、スタンダードな調理方法を全員が取得できるよう取り組み、上記のリスク発現可能性の軽減を図っております。
(13)労務管理について
適切な労務管理体制が整備されなかったことに起因し人材の定着が図れず、また、労使紛争や訴訟へと発展した場合、当社のブランドイメージが損なわれ、当社の営業その他人材の採用に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、当社グループにおいては、労務管理を適切に行うとともに、ハラスメント発生時の対応、再発防止、対応窓口等を明確にした「ハラスメント防止に関する細則」を制定し従業員に周知しております。また、社内相談窓口の他、外部機関、弁護士が窓口となる内部通報窓口を設置し、従業員が相談しやすい環境を整備しております。さらに、ハラスメントや労務管理をテーマにしたコンプライアンス研修や各階層別の定期的な研修を開催するなど指導・教育を行い、労務問題の発生を予防するための対策を実施しております。
(14)個人情報について
当社グループは、事業遂行上、顧客、株主、取引先担当者、従業員、採用応募者、懸賞応募者等、多くの個人情報を取り扱っており、特に「餃子の王将公式スマホアプリ」のリリースによって顧客のデジタル情報が増加傾向にあります。個人情報に係るリスクは常時存在していると考えられ、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、社会的信用の低下や損害賠償請求による経済的損失が発生して、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
そのため、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)の内容を踏まえ、個人情報の社内取扱責任者による監督、アクセス制御、管理・取扱区域の制限等の安全管理措置と個人情報の取扱いについて定めた社内規程を整備し、これを全社的に厳格に運用することでリスク発現可能性を軽減するとともに、事故発生時の危機管理体制を構築して、リスク発現時の損失を最小限とする対策を図っております。
なお、当社の各種システムについては、不正アクセス防止を含めた高度なセキュリティ対策を実施しております。
(15)フランチャイズ・チェーン展開について
当社グループの売上高の1割弱はフランチャイズ加盟店に対する当社工場からの出荷売上であり、フランチャイズ加盟店はフランチャイズ基本契約に基づいて、当社グループの店舗ブランド名で営業を行っております。そのため、一度に多数のフランチャイズ基本契約が解消された場合には当社グループの売上に直接影響を与え、またフランチャイズ加盟店において不祥事や業績悪化による信用不安が発生した場合には当社グループ全体のブランドイメージに影響を与える可能性があります。
こうしたリスクは潜在的には常に存在しているため、当社グループではフランチャイズ加盟店の状況把握とサポートを最重要の対策と位置づけております。具体的な取組みとしては、フランチャイズ加盟店経営者との定期的な面談や財務状況の把握、加盟店が抱える課題解決を全社的にバックアップできるように組織変更を行いました。営業本部の中にFC営業部を組み入れ、ショップアドバイザーがFC店舗を巡回して直営店と同様のQSCチェックを行うとともに、王将調理道場や王将大学の研修を受講する機会を提供して、王将スタンダードの徹底を図り、ブランド価値の維持向上に努め、リスクの発現可能性の軽減を図っております。
さらに契約満了で後継者がいないFC加盟店を直営店に移行して、これまでの固定客を維持しながら店舗価値の引き上げを図るなど、FC加盟店を含めたチェーン全体としての店舗展開を進めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症対策の緩和により経済活動の正常化が進むとともに、インバウンド需要の回復と全国旅行支援策も追い風となり、個人消費は緩やかな持ち直しの動きを見せました。しかしながら、世界的なインフレ傾向や円安の進行等を受けた諸物価の上昇、さらには米欧の金融システム不安等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続きました。
コロナ禍での落ち込みから客足が戻りつつあった外食業界は、人手不足の常態化に加え、人件費、食材原価、水道光熱費等のコストの大幅な上昇に対し、多くの企業で販売価格への転嫁が行われましたが、消費者が節約志向を強める中で、価格改定の成否によりその後の回復状況は分かれております。
このような環境下において当社グループは、「快適な食空間」、「心温まる接客」そして「美味しい料理」をお客様にご提供するという当社の社会的使命を全うするため、引き続きQSCの向上に注力いたしました。「おいしい力が、未来を変える。」との2022年スローガンを2023年スローガンでも引き続き掲げ、さらなる美味しさの追求に最優先で取り組みました。
今般の原材料価格等の高騰を受け、当連結会計年度において当社は2度の価格改定を実施いたしましたが、「おいしい力」をお届けしたいという考えのもと、調理レシピの改良・改善や充実した調理研修を実施することで、より一層の料理品質の向上を図りました。こうした地道な取り組みと、積極的な販売促進策が成果をあげ、価格改定後もこれまで以上に多くのお客様にご利用いただくことができました。コロナ禍で一時低調となった店内飲食をコロナ前の売上水準まで着実に回復させるとともに、テイクアウト&デリバリーの好調を維持することで、2022年2月以降、同月比過去最高売上を毎月継続しており、当連結会計年度の売上高は営業時間の短縮等のあった前年同期は勿論、コロナ前(2020年3月期)をも上回って創業以来過去最高を達成することができました。さらに、直営店売上高とフランチャイズ加盟店の店舗売上高を合わせたチェーン全店売上高は、当連結会計年度において1,078億12百万円と初めて1,000億円を超えました。
以下、当連結会計年度における主な取り組みと成果について、2年目を迎える中期経営計画の3つの主要戦略である「営業戦略」、「店舗開発戦略」、「FC推進戦略」、及び「サステナビリティの取り組み」の4項目に沿ってご説明をいたします。
①営業戦略
当社のスローガンである「おいしい力が、未来を変える。」との信念のもと、料理の一層の美味しさを実現するため、主要メニューと月替わりフェア商品を中心に、レシピと調理方法の改良・改善を行い、その徹底に全社一丸となって取り組みました。王将調理道場での実地研修や検定試験を再開するとともに、オンライン配信及び動画配信を効果的に活用することで、各店舗では研修を受講した従業員だけでなく、全従業員が最新のレシピと調理方法を習得することができました。
また、「美味しさのscience」と銘打って、食文化の思想背景を学びながらメニューへの造詣を深め、調理技法の習得につなげる「調理知識研修」を新たに開講する一方、接客スキルの向上に向けた外部講師によるオンラインでの「接客対応研修」を行うなど、新たな人材育成の取り組みにも着手いたしました。
販売促進では、「頑張っている全ての人においしい力を届けたい」をテーマにした新たなテレビCMを投入したほか、オリジナリティ溢れる賞品が人気で毎回多数のお客様に参加いただいている「2023年版ぎょうざ倶楽部お客様感謝キャンペーン」、コロナ感染が収束に向かうことで復活させた「生ビールキャンペーン」、ご家庭で焼く熱々の餃子の美味しさの訴求を図る「生餃子スタンプキャンペーン」など、各種販促施策を絶え間なく実施いたしました。
新商品の投入では、「カラダにウマイ」をコンセプトに販売した当社独自の薬膳ラーメン「辣菜麺(ラーサイメン)」、さらには、「懐かしいのに初めての味」をモチーフに当社が次のラーメントレンドとして提案する「忘れられない中華そば」(3月21日からの京都府の一部店舗での先行販売を経て4月から全国の店舗で販売開始)などがあり、大変好評をいただいております。
また、TBS系列のテレビ番組「ジョブチューン」において、一流料理人から当社の料理に対して高いご評価をいただくことができました。このご評価は、当社が長年にわたり継続してきた調理技術の向上のための研修や、料理のレシピの改良といった、品質向上への取り組みの成果であると確信しております。今後もお客様に満足していただけるような料理の提供を目指し、レシピ改良や調理技術のさらなる向上に努めてまいります。
②店舗開発戦略
当連結会計年度において、直営5店舗の新規出店及びFC加盟店2店舗の直営への移行を行いました。
出店にあたっては、出店候補エリアの商圏分析や立地調査の強化を行い、商圏・立地に応じた店舗タイプの検討や売上予測のさらなる精緻化を図っております。
新規出店では、2022年4月に「コトエ流山おおたかの森店」、10月に「ジョイ・ナーホ練馬高野台駅前店」及び「イオン天王町店」、11月に「藤沢弥勒寺店」、2023年3月には「新青梅武蔵村山店」をオープンいたしました。
「コトエ流山おおたかの森店」と「イオン天王町店」は、新たに開業する複合商業施設内への出店で、ともにオープン以来、家族連れの買い物客を中心に多くのお客様にご利用いただいております。
「ジョイ・ナーホ練馬高野台駅前店」は、テイクアウト&デリバリーを主体とする「ジョイ・ナーホ」の2号店となり、店内飲食がコロナ前の売上水準に戻ってきたことから22席のイートインスペースも備えました。テイクアウト&デリバリーが売上に占める割合は、これまでのところ約6割となっております。
「藤沢弥勒寺店」は、人口増加が顕著でありながら大手チェーンの飲食店がなく、地元から出店の要望があがっていたエリアへの出店です。地元飲食店等との併設店舗としたことで、好立地で、かつ広い駐車場を備えることができ、集客の相乗効果も見込まれます。
「新青梅武蔵村山店」については、都内では希少な単独ロードサイド店舗で、他の飲食チェーンも数多く出店している新青梅街道沿いへの出店となります。懐かしい昭和時代のデザインを進化させた「ネオ昭和」の路面デザイン店舗の1号店で、ロケーションとの相乗効果により広域からの集客も見込んでおります。
FC加盟店2店舗の直営への移行に関しては、5月に大阪府枚方市の「楠葉店」を、6月に愛知県名古屋市の「神の倉店」をそれぞれ直営化いたしました。ともにFCオーナーの高齢化により事業継続が困難となったものの、長年地域に密着して営業を行ってきた人気の高い店舗であることから、今後も新規顧客の獲得を十分に見込めると判断いたしました。
組織の面では、2022年8月の組織改編で「店舗開発・FC契約管理部」を新設し、FCも含めて店舗展開を効率的に推進できる体制といたしました。これにより、上記のようにFC店舗から直営店舗へのスムーズな移行が可能となりました。
③FC推進戦略
2022年7月に組織改編を行い、FC加盟店と直営営業部が一体となって「王将スタンダード」の徹底を図り、着実にFC加盟店のQSC向上を図る体制といたしました。
調理に関しては、FC加盟店において使用するレシピを直営店と統一した上で、調理方法の改良・改善を行うなど料理の品質の安定化と向上を図りました。とりわけ、餃子に関しては、全店舗で最もおいしい餃子を提供できるように、王将スタンダードである餃子レンジの鉄板に統一いたしました。衛生管理に関しては、当社ショップアドバイザーが、当社の衛生管理専門部署と連携しながら、FC加盟店舗を巡回して、直営店と同じマニュアルを使用した衛生管理・店舗清掃状況の確認を行っているほか、衛生管理専門部署がFC店長を対象とした衛生管理講習を実施するなど、FC加盟店における衛生管理体制の強化を図ってまいりました。
また、販売促進においては、全店イベント実施時にFC加盟店の店頭告知を強化するなど、直営店舗と一体となった取り組みを行いました。
その他、FC加盟店のPOSデータから販売状況を確認し、営業効率向上のためのアドバイスを行うなど、FC加盟店に対して積極的なサポートを実施いたしております。
こうした施策の遂行等により、FC加盟店の売上は過去最高となるなど好調に推移し、当連結会計年度における当社工場からFC加盟店に対する出荷売上は、過去最高売上を記録いたしました。
④サステナビリティの取り組み
当社が「サステナビリティ基本方針」とともに定めた「サステナビリティビジョン」では、「食に困らない豊かな社会の実現」、「全てのステークホルダーとの共栄」、「地球環境の保全」を掲げています。
「食に困らない豊かな社会の実現」では、2021年より実施している全国のこども食堂等への「お子様弁当」の無償提供を、2022年度も学校の春休み、夏休み、冬休みの期間に合わせて実施いたしました。コロナ禍の長期化や物価高による影響で、回を重ねるごとにお子様弁当を希望される施設が増加し、実施後には全国のこども食堂や子ども達から多くの喜びの声が寄せられました。これまで6回実施し、お子様弁当の提供数の累計は2023年3月末現在で39万9千食に上ります。また、本年3月の限定メニューである「野菜煮込みラーメン」の代金の一部(1杯につき30円、総額1,163万円)を、昨年に続いて世界各地で子どもたちの貧困問題等に対して支援活動を行う民間・非営利の国際組織 「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付させていただきました。このように当社は、日本の将来を担う子どもたちの今と未来を支援する活動に積極的に取り組んでおります。
「全てのステークホルダーとの共栄」では、当社は以前より株主還元や顧客満足度の向上等に努めるとともに、それを実現する上で起点となる従業員満足度を重視し、人的資本への投資に注力してまいりました。具体的には、前述の各種研修に加え、待遇面では、厳しい環境が続く中で業績向上に貢献した従業員に報いるため、2022年上期賞与で、労働組合からの要求に対して満額回答の支給(賞与テーブル100%)に「特別加算金」(賞与テーブル8.5%)を上乗せ支給し、2022年下期賞与では、10%を「生活支援加算」として上乗せ支給いたしました。その結果、一人当たりの平均賞与支給額は2022年の上期、下期ともに過去最高額を更新いたしました。さらに、2023年度の月例給改定においては、組合要求に対し満額回答となる一人当たり平均22,000円(ベースアップを含めた賃上げ率7.0%)と過去最高の引上げといたしました。
「地球環境の保全」では、気候変動に係るリスク及び機会が当社の事業活動や収益等に与える影響を特定し、温室効果ガス排出量の削減について、気候変動に関する情報開示を目的にした国際組織であるTCFDの提言に沿った取り組みを行い、その成果を開示いたしました(第48期有価証券報告書(2022年6月28日提出)にて詳細を開示:https://ir.ohsho.co.jp/ir/library/securities.html)。脱炭素社会の実現に向け、当社事業活動がもたらすCO₂排出量の算出を行った上で、排出量削減策の検討に継続して取り組んでおります。
こうした取り組みの一環として、当社の店舗が使用するプラスチック量の削減目標を設定した「サステナビリティ・リンク・ローン」の借入を行い、この目標を全社を挙げて達成することで、金利の引下げを受けながら脱炭素の社会的使命の一端を果たすことといたしました。
今後もサステナビリティを重視した経営を遂行し、当社の経営理念「お客様から褒められる店創り」を追求することで、企業価値の向上はもとより、持続可能な社会形成の実現を目指してまいります。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は、2022年2月から2023年3月まで14か月連続で過去最高売上を達成し、前年同期に比べて82億47百万円(9.7%)の増収で、コロナ前を上回り、過去最高となる930億22百万円となりました。
営業利益は、原材料の高騰や光熱費の単価上昇等があったものの、価格改定に伴う客単価上昇や客数増加による増収効果に加え、調理工程の改良・改善による食材の無駄の削減、水道光熱費増加の抑制、効率的なシフト編成による人件費コントロール等により、前年同期に比べて10億22百万円(14.7%)の増益で79億81百万円となりました。
経常利益は、前年同期に比べて38億83百万円(29.8%)の減益で91億40百万円となりましたが、営業時間短縮に伴う協力金収入の減少という特殊要因を除けば9億56百万円の増益となります。また、コロナの影響がなかった2020年3月期に比べても増益となっております。
親会社株主に帰属する当期純利益も同様の理由で、前年同期に比べて25億93百万円(29.5%)の減益で62億13百万円となりましたが、経常利益同様に協力金収入の影響を除けば実質増益であり、コロナの影響がなかった2020年3月期と比べても増益となっております。
当連結会計年度の店舗展開の状況につきましては、直営店5店・FC加盟店1店の新規出店、FC加盟店2店の直営店への移行、直営店1店・FC加盟店7店の閉店を行っております。これにより当連結会計年度末店舗数は、直営店542店、FC加盟店190店となり、合計店舗数は732店となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、主な品目を示すと次のとおりであります。
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
麺類 |
1,146 |
13.8 |
|
餃子の皮 |
829 |
3.6 |
|
餃子の具 |
5,550 |
1.0 |
|
成形餃子 |
6,863 |
1.6 |
|
スライス豚肉 |
682 |
8.8 |
(注)1 上記の金額は、製造原価額によっております。
2 成形餃子には餃子の具及び餃子の皮の生産高が一部含まれております。
② 商品仕入実績
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|
|
仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
酒類 |
1,839 |
66.6 |
|
清涼飲料水等 |
163 |
25.8 |
|
合計 |
2,003 |
62.3 |
(注)1 上記の金額は、仕入価格によっております。
2 当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、店内飲食売上が増加したこと等によるものであります。
③ 受注実績
当社グループは飲食業であり、見込生産によっておりますので、受注高及び受注残高について記載すべき事項はありません。
④ 販売実績
a 形態別販売実績
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
店舗数(店) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
直営店 |
542 |
85,131 |
9.9 |
|
フランチャイズ加盟店 |
190 |
7,891 |
8.2 |
|
合計 |
732 |
93,022 |
9.7 |
(注)1 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。
2 店舗数は、期末日現在のものであります。
b 地域別販売実績
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
店舗数(店) |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
直営店 |
|
|
|
|
京都府 |
42 |
7,365 |
7.0 |
|
大阪府 |
116 |
17,983 |
11.6 |
|
兵庫県 |
38 |
6,498 |
8.6 |
|
滋賀県 |
15 |
3,101 |
9.5 |
|
奈良県 |
15 |
2,630 |
6.6 |
|
和歌山県 |
9 |
1,508 |
5.3 |
|
北海道 |
19 |
2,316 |
12.4 |
|
宮城県 |
5 |
665 |
6.0 |
|
東京都 |
59 |
9,032 |
9.3 |
|
埼玉県 |
26 |
3,354 |
7.0 |
|
千葉県 |
27 |
3,767 |
11.6 |
|
神奈川県 |
34 |
5,388 |
10.7 |
|
群馬県 |
6 |
711 |
6.0 |
|
茨城県 |
4 |
611 |
15.8 |
|
栃木県 |
2 |
357 |
25.5 |
|
長野県 |
4 |
415 |
8.1 |
|
新潟県 |
3 |
334 |
8.9 |
|
山梨県 |
1 |
147 |
△4.1 |
|
愛知県 |
22 |
4,326 |
10.8 |
|
岐阜県 |
12 |
1,840 |
10.6 |
|
三重県 |
12 |
1,950 |
8.4 |
|
静岡県 |
7 |
1,125 |
19.0 |
|
富山県 |
4 |
599 |
7.0 |
|
石川県 |
8 |
1,201 |
10.6 |
|
福井県 |
4 |
582 |
5.0 |
|
岡山県 |
3 |
378 |
10.9 |
|
広島県 |
6 |
922 |
11.7 |
|
山口県 |
3 |
320 |
2.2 |
|
徳島県 |
1 |
69 |
△3.6 |
|
香川県 |
4 |
394 |
6.5 |
|
福岡県 |
18 |
3,472 |
13.1 |
|
熊本県 |
4 |
515 |
10.6 |
|
佐賀県 |
2 |
325 |
1.7 |
|
長崎県 |
4 |
425 |
8.1 |
|
大分県 |
1 |
177 |
7.4 |
|
台湾 |
2 |
313 |
21.2 |
|
小計 |
542 |
85,131 |
9.9 |
|
地域別 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
店舗数(店) |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
フランチャイズ加盟店 |
|
|
|
|
京都府 |
5 |
146 |
△7.3 |
|
大阪府 |
46 |
1,926 |
12.0 |
|
兵庫県 |
37 |
1,897 |
10.6 |
|
滋賀県 |
7 |
263 |
3.8 |
|
奈良県 |
2 |
127 |
17.4 |
|
和歌山県 |
3 |
88 |
11.2 |
|
北海道 |
1 |
24 |
△10.1 |
|
宮城県 |
1 |
55 |
△12.0 |
|
東京都 |
7 |
236 |
△11.6 |
|
茨城県 |
1 |
25 |
△18.6 |
|
埼玉県 |
6 |
313 |
8.4 |
|
神奈川県 |
5 |
220 |
2.1 |
|
群馬県 |
3 |
141 |
4.1 |
|
愛知県 |
21 |
923 |
6.0 |
|
岐阜県 |
5 |
237 |
11.4 |
|
長野県 |
1 |
29 |
16.6 |
|
三重県 |
6 |
242 |
7.0 |
|
福井県 |
2 |
77 |
9.0 |
|
岡山県 |
7 |
144 |
21.1 |
|
広島県 |
4 |
45 |
18.1 |
|
山口県 |
1 |
11 |
48.5 |
|
鳥取県 |
3 |
108 |
6.1 |
|
徳島県 |
5 |
251 |
4.4 |
|
香川県 |
3 |
113 |
15.6 |
|
愛媛県 |
2 |
45 |
12.0 |
|
高知県 |
2 |
115 |
13.5 |
|
福岡県 |
3 |
63 |
4.4 |
|
熊本県 |
1 |
15 |
10.0 |
|
小計 |
190 |
7,891 |
8.2 |
|
合計 |
732 |
93,022 |
9.7 |
(注)1 一部の複数の地域にまたがって店舗展開をしているフランチャイズ加盟店については、一部店舗の販売金額を当該フランチャイズ加盟店の本店所在地に含めて表示しております。
2 直営店は、直営店舗での中華料理等の販売高であり、フランチャイズ加盟店は、当社からの中華食材等の販売高であります。
3 店舗数は、期末日現在のものであります。
なお、国内直営店売上についての主な分析は下記のとおりであります。
第48期店内店外別全店売上
|
|
売上高(百万円) |
客数(千人) |
客単価(円) |
|
|
|
構成比 |
|||
|
店内飲食 |
47,005 |
60.9% |
51,892 |
906 |
|
テイクアウト・デリバリー |
30,216 |
39.1% |
20,523 |
1,472 |
|
合計 |
77,221 |
100.0% |
72,416 |
1,066 |
(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。
2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。
3 店内飲食は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言等に加え、営業時間の短縮及び酒類提供の制限要請等により落ち込みましたが、テイクアウト・デリバリーを一層強化したこと等により売上が大きく伸長し、店内売上の落ち込みをカバーいたしました。
第49期店内店外別全店売上
|
|
売上高(百万円) |
客数(千人) |
客単価(円) |
|
|
|
構成比 |
|||
|
店内飲食 |
58,703 |
69.2% |
60,185 |
975 |
|
テイクアウト・デリバリー |
26,114 |
30.8% |
17,010 |
1,535 |
|
合計 |
84,817 |
100.0% |
77,195 |
1,099 |
(注)1 店内飲食のお客様がテイクアウトを追加注文された場合など混在した売上は、店内飲食としてカウントしております。
2 レジ入力ミス等による売上高の修正は店内飲食に含めております。
3 店内飲食は、コロナ禍で一時低調となっておりましたが、コロナ前の売上水準まで着実に回復させるとともに、引き続きテイクアウト・デリバリーの好調を維持いたしました。
|
第48期既存店月別売上構成比 |
|
第48期既存店曜日別平均売上対比 (月曜日を100として対比) |
|||||||||||
|
月別 |
売上構成比 (%) |
営業日数 |
|
曜日別 |
平均売上対比 |
||||||||
|
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
祝 |
合計 |
|
||||
|
4月 |
7.7 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
4 |
4 |
1 |
30 |
|
月曜日 |
100.0 |
|
5月 |
7.8 |
4 |
3 |
3 |
4 |
4 |
5 |
5 |
3 |
31 |
|
火曜日 |
104.3 |
|
6月 |
7.9 |
4 |
5 |
5 |
4 |
4 |
4 |
4 |
0 |
30 |
|
水曜日 |
110.2 |
|
7月 |
8.4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
4 |
2 |
31 |
|
木曜日 |
105.9 |
|
8月 |
8.2 |
4 |
5 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
1 |
31 |
|
金曜日 |
128.1 |
|
9月 |
7.5 |
3 |
4 |
5 |
4 |
4 |
4 |
4 |
2 |
30 |
|
土曜日 |
168.8 |
|
10月 |
8.6 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
5 |
5 |
0 |
31 |
|
日曜日 |
166.5 |
|
11月 |
8.7 |
5 |
4 |
3 |
4 |
4 |
4 |
4 |
2 |
30 |
|
祝日 |
152.4 |
|
12月 |
9.1 |
4 |
4 |
5 |
5 |
5 |
4 |
4 |
0 |
31 |
|
|
|
|
1月 |
8.9 |
3 |
4 |
4 |
4 |
4 |
6 |
5 |
1 |
31 |
|
|
|
|
2月 |
8.3 |
4 |
4 |
3 |
4 |
3 |
4 |
4 |
2 |
28 |
|
|
|
|
3月 |
8.9 |
3 |
5 |
5 |
5 |
4 |
4 |
4 |
1 |
31 |
|
|
|
|
合計 |
100.0 |
46 |
50 |
49 |
50 |
50 |
53 |
52 |
15 |
365 |
|
|
|
(注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。
2 元旦は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。
|
第49期既存店月別売上構成比 |
|
第49期既存店曜日別平均売上対比 (月曜日を100として対比) |
|||||||||||
|
月別 |
売上構成比 (%) |
営業日数 |
|
曜日別 |
平均売上対比 |
||||||||
|
月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
日 |
祝 |
合計 |
|
||||
|
4月 |
7.9 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
4 |
1 |
30 |
|
月曜日 |
100.0 |
|
5月 |
8.7 |
5 |
4 |
3 |
3 |
4 |
4 |
5 |
3 |
31 |
|
火曜日 |
101.3 |
|
6月 |
7.7 |
4 |
4 |
5 |
5 |
4 |
4 |
4 |
0 |
30 |
|
水曜日 |
109.4 |
|
7月 |
8.2 |
3 |
4 |
4 |
4 |
5 |
5 |
5 |
1 |
31 |
|
木曜日 |
103.6 |
|
8月 |
8.2 |
5 |
5 |
5 |
3 |
4 |
4 |
4 |
1 |
31 |
|
金曜日 |
121.6 |
|
9月 |
7.6 |
3 |
4 |
4 |
5 |
4 |
4 |
4 |
2 |
30 |
|
土曜日 |
158.8 |
|
10月 |
8.5 |
4 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
5 |
1 |
31 |
|
日曜日 |
159.7 |
|
11月 |
8.3 |
4 |
5 |
4 |
3 |
4 |
4 |
4 |
2 |
30 |
|
祝日 |
146.7 |
|
12月 |
8.8 |
4 |
4 |
4 |
5 |
5 |
5 |
4 |
0 |
31 |
|
|
|
|
1月 |
8.9 |
3 |
4 |
4 |
4 |
4 |
5 |
6 |
1 |
31 |
|
|
|
|
2月 |
8.1 |
4 |
4 |
4 |
3 |
4 |
3 |
4 |
2 |
28 |
|
|
|
|
3月 |
9.2 |
4 |
3 |
5 |
5 |
5 |
4 |
4 |
1 |
31 |
|
|
|
|
合計 |
100.0 |
47 |
49 |
50 |
48 |
51 |
52 |
53 |
15 |
365 |
|
|
|
(注)1 新規出店、閉鎖及び改装を行った店舗を除いております。
2 元旦は祝日としてカウントしておらず、1月2日は土曜日、1月3日は日曜日としてカウントしており、営業日数については営業していない店舗もあります。
(2)財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産の残高は、前連結会計年度末に比べ53億1百万円(5.9%)減少し、841億3百万円となりました。主な減少要因は次のとおりであります。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ50億11百万円(12.3%)減少し、358億69百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少等であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ2億90百万円(0.6%)減少し、482億34百万円となりました。主な要因は投資有価証券の減少等であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ89億73百万円(29.6%)減少し、213億33百万円となりました。主な減少要因は次のとおりであります。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ128億22百万円(50.4%)減少し、126億24百万円となりました。主な要因は1年内返済予定の長期借入金の減少等であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ38億49百万円(79.2%)増加し、87億9百万円となりました。主な要因はサステナビリティ・リンク・ローン契約に伴う長期借入金の増加等であります。なお、流動負債と固定負債を合わせた借入金の残高は前連結会計年度末に比べ、70億63百万円減少し、借入金の残高は90億円となりました。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ36億71百万円(6.2%)増加し、627億70百万円となりました。主な要因は配当金の支払い24億43百万円に対し、親会社株主に帰属する当期純利益62億13百万円の計上により増加した事によるもの等であります。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末66.1%から74.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ54億11百万円減少し、320億29百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べて62億71百万円(46.1%)減少し、73億25百万円となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益の減少であります。
営業活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、税金等調整前当期純利益87億58百万円に減価償却費26億72百万円を加えた額から法人税等の支払額51億91百万円等を減じた額であります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、前年同期に比べて2億87百万円(9.8%)増加し、32億29百万円となりました。主な要因は有形固定資産の取得による支出の増加であります。
投資活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、有形固定資産の取得による支出32億6百万円等によるものであります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は、33億円(25.8%)減少し、95億8百万円となりました。主な要因は長期借入れによる収入の増加であります。
財務活動によるキャッシュ・フローの主な内訳は、長期借入金の純減少額70億63百万円による支出及び配当金の支払額24億43百万円による支出であります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、安定した資金調達基盤を維持しつつ、資金効率を重視して資金調達を行っております。2020年6月末に取引金融機関から合計250億円の長期借入を行い、新型コロナウイルス感染拡大に伴う万一の資金流出に備えましたが、結果として、資金繰りへの影響は限定的でありました。そのため、当該借入金の全額を一括返済する一方、新たに当社が「サステナビリティビジョン」に掲げる「地球環境の保全」を目指す活動をさらに強化する目的をもって、シンジケーション方式での「サステナビリティ・リンク・ローン」契約を締結し、総額100億円の資金調達を行いました。引き続き事業拡大のための設備投資と人的資本への投資を積極的に行う方針から、資金効率を重視しつつ、今後も必要に応じて最適な資金調達方法を検討し実行してまいります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。
|
|
第47期 2021年3月期 |
第48期 2022年3月期 |
第49期 2023年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
58.1 |
66.1 |
74.6 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
119.9 |
126.1 |
134.6 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
4.6 |
1.2 |
1.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
95.7 |
224.2 |
240.4 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、ならびに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り等を行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
フランチャイズ加盟店(FC店)等との間で、飲食店として当社の指導のもとに継続して営業することを目的とし、次のとおり契約を締結しております。
(イ)契約の名称 フランチャイズ基本契約
(ロ)契約者 フランチャイズ加盟店等
(ハ)契約の本旨 当社の許諾による飲食チェーン店経営のために食材、資材等の指定品目の購入義務を伴うフランチャイズ契約関係を形成すること。
(ニ)加盟料、保証金等
|
区分 |
店舗面積 |
加盟料(千円) |
保証金(千円) |
広告負担金(千円) |
|
小型店 |
100㎡以下 |
750 |
1,000 |
20~40 |
|
中型店 |
100㎡超~200㎡ |
1,000 |
2,000 |
40~80 |
|
大型店 |
200㎡超 |
1,250 |
2,500 |
50~100 |
(注)1 当社従業員が独立してフランチャイズ加盟店となった場合については、加盟料は免除されます。
2 広告負担金は月額であります。
3 上記の他、当社より配達する食材運送費の分担金として、店舗の規模別、地域別に20~100千円の運送費を徴収しております。
4 一部契約店舗より改装費を毎月預かっております。
5 複数店舗を所有する場合、2店舗目以降よりロイヤリティを徴収しております。
(ホ)契約期間、契約の更新等
契約の期間 フランチャイズ基本契約は契約日より満9年
契約更新の条件 契約日より3年ごとに期間満了3か月前までに当社又は加盟店のいずれか一方からの異議がない場合
契約更新料 300~800千円
(注) 契約更新料は、小型店300~400千円、中型店400~600千円、大型店500~800千円であります。
該当事項はありません。