文中の将来に関する事項は、提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる。」ことを目指し、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配を行うこと、著作物利用に対し迅速かつ柔軟に対応すること、最新のテクノロジーを活用した効率的な管理・運営によりコストを削減することなどを心がけております。
(2)目標とする経営指標
当社グループが重視している経営指標は、取扱高(※)であります。取扱高は、著作権管理業務やDD業務等の徴収額を示し、市場シェアや会社の成長性を見るために有効な指標であることが当該指標を重視している理由であり、取扱高のさらなる拡大を経営目標としております。
(※)取扱高とは、著作権管理業務においては音楽著作権の利用者から徴収した金額(権利者へ分配する金額と当社の管理手数料からなります)を示し、著作権管理業務以外の事業では、取引先に対して役務提供の対価として請求を行った金額を示しております。
取扱高と売上高の関係については、著作権管理業務では取扱高から当社の管理手数料を差し引いた金額を権利者へ分配しており、当社は管理手数料部分のみを売上高として計上しております。他方で、著作権管理業務以外の事業においては、取引先への請求金額を取扱高として認識しており、原則として取扱高をもって売上高として計上しております。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在の音楽市場の事業環境は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額が前年同期比104%(2022年1月~12月)、有料音楽配信売上金額は、前年同期比117%(2022年1月~12月)と9年連続の増加となりました。
このような状況を踏まえ、当社グループでは、経営理念である「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる。」の下、次代を奏でる著作権エージェントとなることを目指して、以下のような経営方針を定めております。
① 新しい時代の著作権エージェントとして、音楽文化の発展に貢献する。
② 公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配を行う。
③ 著作物利用に対して迅速かつ柔軟に対応する。
④ グループ事業のシナジー効果による権利者・利用者へのサービスを追求する。
(著作権管理業務を核として、デジタルコンテンツディストリビューション業務、キャスティング事業、音楽出版
業務、システム関連業務等の様々なサービスの提供に取り組む。)
⑤ 最新のテクノロジーを活用した効率的な管理・運営によりコスト削減する。
これらの経営方針に沿って、以下のとおり事業計画の基本方針を定めております。
① 取扱高のさらなる拡大のための施策を立案・実行する。
② 著作権等管理事業を中心に事業連携、シナジー効果を徹底する。
③ 全ての事業において権利者・利用者のニーズに対応する。
④ 権利者の利益を追求し、時代を先読みした更なるサービスを確立する。
各事業セグメントの基本戦略は以下のとおりです。
① 著作権等管理事業(著作権管理業務)
著作物の利用方法が多様化・複雑化する中、当社グループのDX(デジタルトランスフォーメーション)をより一層推進することにより、著作権使用料の徴収・分配精度の向上に努めます。さらに、グローバルに展開する大手利用者との協議を進め、著作権者のメリットとなるデータ・システム連携を推進してまいります。
また、権利者の様々なニーズにも対応した柔軟なサービスを実施し、音楽出版社の業務代行等をはじめとする各種サービスの提供などにより、著作物の効率的な管理サポートを行いながら著作物の円滑な利用促進に注力いたします。
② 著作権等管理事業(デジタルコンテンツディストリビューション(DD)業務)
原盤管理システムの機能拡充によって国内外の音楽配信サービスへの安定的な音源供給を継続しながら、音楽配信プラットフォームと連携した積極的なプロモーションや、ウェブメディア・SNSを通じた効果的なマーケティング等に注力し、権利者に対する付加価値提供を推進いたします。また、音楽配信サービスへの音源供給に留まらず、取扱原盤を有効活用するサービスの拡大により権利者のメリットを追求し、原盤使用料売上の拡大を目指してまいります。
③ キャスティング事業
既存大口取引先との連携を強化しつつ、新規取引先の開拓を推進し、中長期的な視点で収益に寄与する新規コンテンツの取扱機会創出、新規事業の開発に注力いたします。
中長期的な成長戦略については以下のとおりです。
当面は、著作権等管理事業が着実に成長曲線を描くように経営資源を投入し、中長期的には、第6区分(カラオケ演奏等、社交場における演奏等)の管理に参入し、全支分権・利用形態の管理を目指します。
また、当社の強みであり他の音楽著作権管理事業者に無いデジタルコンテンツディストリビューション業務、キャスティング事業、音楽出版業務、システム関連業務、更には現事業から発展してこれから生まれる各種事業を含めた音楽権利ビジネスに係るあらゆるサービスを提供する著作権エージェントとなることを目指してまいります。
利用促進のプロモーター
・楽曲の利用状況データは利用促進への重要なアセットとしても活用
・データを活用した配信プラットフォームへの原盤供給(DD)やキャスティングにより、楽曲の浸透を促進
・著作権の管理のみならず、利用促進まで手がけ「権利者に選ばれ、利用者から支持される」経営理念実現へ

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
順調に増加している管理作品数に対応するべく、引き続き業務効率の向上を目指し、作業プロセスの見直し及びシステム開発を継続いたします。またAI・RPA等の技術の導入により業務の自動化を推進し、これまで研究・開発を進めてきたシステムの実用化を進めています。
また、近年参入した海外徴収や演奏権(第1区分及び第5区分)管理においては、関係団体、利用者団体等と連携し、安定した事業スキームを構築のうえ、より精度の高い使用料徴収を実現してまいります。
サブスクリプション型音楽配信サービス(※)や動画配信サービスの拡大、ライブ配信サービスの普及等、音楽を取り巻く環境は大きく変貌しており、権利者ニーズにもより一層の細分化・多様化の傾向が見受けられます。
このような環境の中で、著作権管理業務においては、権利者の意向を反映した柔軟な管理手法を取り入れながら、時代の変化、権利者ニーズの変化に迅速に対応できる業務運営を行っております。また、デジタルコンテンツディストリビューション業務・キャスティング事業においてコンテンツの利用促進を図り、さらには、音楽出版業務・システム開発業務において、音楽出版社の計算業務代行や印税計算システムの開発運用を行い、音楽出版社の実務面に至るまで幅広いサポート体制を構築しております。
当社が展開する各種の業務・事業をより発展させ、複合的な提案を実施することによって、権利者の潜在的なニーズを掘り起こし、作品・コンテンツの取扱拡大に注力してまいります。また、作品・コンテンツの利用促進を図りながら、権利者へのマーケティングデータの提供や新規事業の開発にも引き続き注力し、当社サービスの付加価値向上に努めてまいります。
(※)サブスクリプション型音楽配信サービス…毎月一定額の利用料を音楽配信サービスの運営会社に支払い、インターネット上のサーバーに登録されている楽曲を無制限に聴くことができるサービス。定額制音楽配信サービスともよばれる。

当社設立以来の重要課題である演奏権管理において、2022年4月1日より、カラオケ演奏等及び社交場における演奏等を除く利用区分(主としてコンサート、映画上映等)に参入いたしました。残る第6区分につきましても、引き続き権利者・利用者団体らのご理解ご協力を得ながら可及的速やかに参入し、著作権エージェントとしてフルラインサービス体制を目指してまいります。
ビジネス・プロセスのシステム化による「安定的な業務品質の担保」を重要課題としつつ、様々なデータ活用による業務効率化やコスト低減、さらには営業施策としてのシステム活用等、多方面にわたりシステムの観点からのアプローチも継続してまいります。
また、各種の利用実績確認など、これまで以上に膨大なシステムデータの解析・処理が必要となる業務領域については、AI等を活用した品質向上施策のさらなる精度向上と他業務への展開を図り、次代に合わせた事業展開を推進してまいります。
当社グループは、内部管理体制の強化を経営上の重要課題の一つとして認識しており、グループ各社との連携のもと、内部統制機能の一層の充実とガバナンス体制の確立に努め、リスク管理の徹底を図ることで、株主の皆様をはじめ各ステークホルダーの皆様との良好な信頼関係を保ちながら、社会的責任を果たしてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのサステナビリティに関する活動は、当社サステナビリティポリシーに基づき、経営会議にて審議し、取締役会が監督を行っております。
<NexToneグループ サステナビリティポリシー>
当社は次代を奏でる著作権エージェントとして、音楽著作権の管理と利用促進を推進する事業を
継続的に拡大し、適正な徴収・分配を行うことで、豊かな社会の実現、音楽文化・音楽産業の
より一層の発展、持続可能でより良い社会の実現に貢献します。
サステナビリティに関する考え方や取組については全常勤役員と全執行役員をメンバーとする「経営会議」において協議・決定し、取締役会へ報告を行います。
取締役会は報告を受け、当社グループのサステナビリティ課題への対応方針及び実行計画等についての議論・監督を行います。
決定内容は全部門長をメンバーとする「部門長会議」を通じ全社員へ周知徹底を図ります。
当社グループではリスク管理をサステナビリティポリシーの実現や内部統制のための重要な手段として認識しております。
社会情勢やステークホルダーからの要請を把握し、経営会議において、当社のサステナビリティポリシーや中長期的な経営戦略との整合を図りながら、当社グループにおけるリスク管理の観点からも重要課題(マテリアリティ)を特定・見直し、対応策の策定・実行を行い、取締役会へ報告します。
取締役会では、リスクへの対応状況を定期的にモニタリングします。
次代を奏でる著作権エージェントとして、権利者から選ばれ、利用者から支持され、音楽文化・音楽産業のより一層の発展、持続可能でより良い社会の実現に貢献するため、以下のマテリアリティを特定し、特定したマテリアリティに対しては今後継続的に取り組んでいく予定です。
<マテリアリティ>
① DXの推進
IT技術の活用により、当社及び取引先の業務の効率化を図ることにより、省エネ・省資源・省スペースを促進し、取引先も含めた環境負荷の低減に寄与する。
② 音楽文化・音楽産業の持続的な発展
音楽著作物の利用において、権利者と利用者に安心と利便性を提供し、創造のサイクルに貢献することで、音楽文化と音楽産業の発展をサポートする。
③ 人材の育成・活用
著作権やシステムなど各部門の専門人材を育成・活用するとともに、ダイバーシティの促進、人権・労働環境への配慮等により働きがいのある職場を作る。
④ 信頼性の高いシステム
システムリスクを念頭に置き、著作権の権利処理システム等のシステムを常にリニューアルし、高い信頼性を確保・維持する。
⑤ ガバナンスの強化
ガバナンスを強化し、透明性を高め、成長に向けた投資とリスク管理のバランスをとりつつ、持続的な企業価値向上を図る。
当社グループは、事業内容や経営環境、企業価値への影響等を踏まえ、当社グループにとって人的資本に関する戦略を重要な戦略と位置付けております。
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
① 人材育成方針
当社グループは、次代を奏でる著作権エージェントとして、権利者・利用者双方のニーズに応え続け、音楽文化・音楽産業のより一層の発展に貢献できる人材を育成していきます。
<取り組み例>
・社員の能力を適正、公正に評価し、処遇に結びつけるとともに、個々の成長と当社グループ全体の成長を目的とした人事評価制度の実施
・専門性の高いスキルをもった人材を育成(新人勉強会、外部講座受講、社内勉強会などの機会提供)
・新任管理職研修、階層別研修の実施
・デジタルスキル強化(社内研修の充実) など
② 社内環境整備方針
当社グループは、社員の安全と心身の健康を守るとともに、働き甲斐のある職場環境の確保に取り組みます。
<取り組み例>
定年延長(65歳まで)、積立有給制度、時短勤務制度(子が中学卒業まで)、在宅勤務制度等をはじめとした就業支援制度の充実と各種制度を利用しやすい職場環境の提供 など
当社グループが重要戦略と認識している人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は以下のとおりであります。
(※)前年度の繰り越し分を含む。繰り越し分を除くと83.5%。
当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断において重要であると考えられる事項については積極的に開示しております。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
1.事業内容に関わるリスク
(1) 「著作権等管理事業」の市場構造に関するリスクについて
当社グループの中核をなす音楽著作権管理事業の市場規模は、過去10年以上、年間の「著作権使用料徴収額」が1,200億円前後で推移しております。当該市場は、2001年10月に「著作権等管理事業法」が施行され、広く民間に著作権管理業務に関する門戸が開放されましたが、現在に至るまでJASRACの寡占状態が続いております。
当社グループといたしましては、同事業領域において、デジタルコンテンツディストリビューション(DD)業務などを推進し、さらなる差別化戦略の遂行を通じて、著作権の管理のみならず、利用者への訴求強化による利用促進を図ることで「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる。」という経営理念を実現し、業界のポジションを確固たるものとしてまいります。
しかしながら、エンタテインメント業界の構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない場合、あるいは、当社グループの差別化戦略が奏功せず、業界ポジションの確立につながらなかった場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 法的規制について
当社グループが事業を展開するにあたり、主に「著作権等管理事業法」、「著作権法」、「著作権法施行令」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「個人情報の保護に関する法律」等の規制対象となります。
特に当社グループの主要事業である「著作権等管理事業」を展開するにあたり、その前提となるのは「著作権等管理事業法」であり、著作権等管理事業者としての届出を文化庁長官に対して行っております(2001年10月11日登録・登録番号01005)。当該登録は、「著作権等管理事業法」に定める民間管理事業者として著作権の管理等を行うためのものであり、満了日に関する定めはありませんが、以下のとおり登録者としての義務が定められております。
①対委託者 管理委託契約約款の説明、管理委託契約約款の公示、財務諸表等の備え付け等
②対利用者 使用料規程の公示、利用の許諾の拒否の制限、情報の提供
③対文化庁長官 各種届出(事業の変更・廃業等、管理委託契約約款、使用料規程)
当社グループでは、これらの法令を遵守して業務を行っており、事業の継続に支障を来たす要因は発生しておりません。しかしながら、これらの法令等が改正され規制が強化された場合、新たに当社の事業活動を規制する法令等が制定された場合、あるいは今後何らかの理由により、「著作権等管理事業法」第21条(登録の取消し等)に抵触し、著作権等管理事業者の登録が取り消しになった場合には、事業への制約や追加的な対応が生じることにより、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに重大な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスクについて
キャスティング事業においては、感染状況に応じ、ライブ・コンサート・イベントの延期・中止等の影響を受ける可能性があります。今後も引き続き音楽関連市場の動向に留意してまいります。
2.事業体制に関わるリスク
(1) システムリスクについて
大地震等の自然災害や事故の発生により、当社の各種サービスの提供が困難になったり、システム障害等が発生する可能性があります。
当社グループでは、自然災害や事故等に備えた業務マニュアルの整備、システムの定期的バックアップ、稼働状況の常時監視等によりトラブルの事前防止を図るとともに、複数のデータセンターでのデータ管理による可用性の強化に努めておりますが、当社所在地近辺において、大地震等の自然災害や事故等が発生した場合、当社グループの設備損壊や電力供給の制限等、事業継続に支障をきたす事象が発生し、当社グループの経営成績及び収益性に影響が生じる可能性があります。
現時点において当社は、第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、そのような事態が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。
システム障害等により当社のサービスが適切に提供できなかった場合、あるいは、情報漏洩などの各種の法令違反が発生した場合、訴訟を提起されたり、損害賠償責任が発生し、当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは著作権等管理事業において、効率的かつ精度の高い徴収・分配業務を実現するために、システムへの投資を継続的に行っております。また、のれんに関しては、イーライセンスとJRCが合併・事業統合し当社が発足された際に計上しております。
これらのソフトウェア及びのれんは、無形固定資産に計上しておりますが、これらの資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況等によっては、減損損失の認識の必要性が生じる可能性があり、その場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は、以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開する音楽関連市場は、一般社団法人日本レコード協会の調べによりますと、音楽ソフト(音楽ビデオ含む)の生産金額は前年同期比104%(2022年1月~12月)、有料音楽配信売上金額は前年同期比117%(2022年1月~12月)となりました。定額制音楽配信サービスや動画配信サービス等のストリーミング配信市場は拡大傾向が継続しつつ、CD/映像ソフトのリリース状況やライブ・コンサートの開催状況は新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」)の影響から徐々に持ち直し、回復基調にあります。
このような情勢において、当社グループは、「権利者に選ばれ、利用者から支持される著作権管理事業者となる。」という経営理念の下、新しい時代の著作権エージェントを目指して、公平・公正かつ透明性の高い著作権使用料の徴収・分配、著作物利用に対する迅速かつ柔軟な対応などに取り組んでまいりました。
2022年4月からは、当社管理作品について一部の利用区分に係る演奏権管理の著作権使用料の徴収を開始しております。
また、各事業間での情報共有やシナジー効果を高め、新規契約及び既存権利者の管理範囲の拡大による取扱高の増加、With/Afterコロナにおける新たなサービスの開発提供等に注力しております。
主力の「著作権等管理事業(著作権管理業務及びデジタルコンテンツディストリビューション(以下「DD])業務)」はリリースの復調、配信市場の伸長、管理作品と取扱原盤の増加、営業活動の強化等を背景に順調に進展しており、「キャスティング事業」は感染症の影響から徐々に持ち直し、増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は8,814,676千円(前年同期比117.7%)、営業利益は840,195千円(前年同期比118.6%)、経常利益は841,465千円(前年同期比118.0%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は税効果会計における繰延税金資産の回収可能性を見直した影響により631,269千円(前年同期比130.8%)と大きく増加しました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a. 著作権等管理事業
著作権管理業務においては、音楽著作物の利用時期と当社著作権管理業務の売上計上時期にはおおよそ1~2四半期のタイムラグが生じるため、当連結会計年度の音楽著作権使用料の対象となる利用時期は主に2022年1月~12月となります。
当該期間のCD/映像ソフトのリリース状況は感染症の影響が落ち着き、録音権にかかる著作権使用料徴収額は徐々に回復し前年同期比117%となり、ストリーミング音楽配信市場と動画配信サービス市場の引き続きの伸長や動画投稿サービスにおける作品特定精度の向上等によりインタラクティブ配信徴収額も順調に増加し前年同期比124%、放送・有線放送徴収額は当社管理作品のCM利用の減少はあったものの、管理作品の順調な増加等により前年同期比109%となりました。以上の結果、著作権徴収額全体で前年同期比121%となり、当社設立以降7期連続の増加となりました。
また、委託権利者や管理作品が順調に増加し、他管理事業者から11,187作品(うち、新規移管による純増6,049作品、委託範囲拡大5,138作品)の移管も実施いたしました。移管作品の中には当期に当社が管理を開始した演奏権の一部を管理する作品も多く含まれております。これらの作品は今後の当社事業基盤の強化につながり、業績のプラス要因となることが見込まれます。
DD業務におきましては、ストリーミング市場伸長を背景に、取扱原盤の増加に加え、動画配信サイトとの取り組みや動画投稿サービスにおける収益化業務の拡大、原盤売上最大化のための様々な販促活動の強化、精緻なマーケティングデータの提供等権利者向けサービスの拡充等により、売上高は前年同期比117%の増収となりました。
以上の結果、著作権等管理事業の売上高は8,072,448千円(前年同期比117.3%)、セグメント利益は1,488,256千円(前年同期比118.3%)となりました。
b. キャスティング事業
感染症による影響のため、上半期に予定していたライブビューイング等一部の案件において中止や延期を余儀なくされましたが、徐々にリアルイベントが活性化し、ミュージカルや音楽コンサートのライブビューイングの他、お笑いや歌い手ライブ等取扱いジャンルを広げた家庭向け動画配信コーディネート、楽曲や映像コンテンツの利用促進コーディネート、他社との共催イベントだけでなく新たに当社自主興行を開催する等、With/Afterコロナにおける様々なサービスの開発提供に取り組みました。
以上の結果、キャスティング事業の売上高は666,828千円(前年同期比126.2%)となったものの、セグメント利益についてはサービス構成の変化や人件費増による利益率低下により24,000千円(前年同期比57.9%)となりました。
(資産)
当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べて1,271,839千円増加し、7,821,376千円となりました。これは主に、現金及び預金の増加848,679千円、その他流動資産の増加104,721千円、固定資産の増加246,032千円によるものであります。
現金及び預金の増加は、著作権等管理事業が堅調に推移していることに加え、DD業務において海外取引が増加していることに起因する消費税の還付によるものであります。固定資産の増加は著作権等管理事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う増加及び繰延税金資産の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べて617,425千円増加し、4,246,981千円となりました。これは主に、未払金の増加295,144千円、支払手形及び買掛金の増加171,297千円、固定負債の増加111,466千円によるものであります。
未払金の増加は、主に著作権管理業務のインタラクティブ配信における徴収額の増加に伴い、権利者への分配額が増加したことによるものであります。また、支払手形及び買掛金の増加は、主にキャスティング事業において実施した有力アーティストのライブビューイング及び家庭向け動画配信コーディネートに係る権利者へのロイヤリティ分配額が増加したことによるものであります。固定負債の増加は、役員退職慰労引当金及び退職給付に係る負債の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて654,413千円増加し、3,574,395千円となりました。これは主に、利益剰余金の増加631,269千円によるものであります。
利益剰余金の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加によるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して848,679千円増加し、6,041,222千円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその原因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,160,025千円(前連結会計年度は1,121,653千円)となりました。これは主に、法人税等の支払額が263,078千円あったものの、著作権等管理事業の業績が好調に推移したことで資金が積み上がったことによるものであります。その主な内容は、著作権管理業務において権利者への分配が増加したことに伴う未払金の増加額312,339千円に加え、著作権等管理事業で使用しているソフトウェア等の減価償却費136,553千円及び税金等調整前当期純利益841,465千円が計上されたことにより資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△323,783千円(前連結会計年度は△228,024千円)となりました。これは主に、著作権等管理事業において使用しているシステムの継続的な改修及び新機能追加等に伴う無形固定資産の取得による支出260,688千円、オフィス移転に備えて差入保証金62,494千円を支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、12,437千円(前連結会計年度は△140,109千円)となりました。これは主に、ストックオプションの権利行使に伴う新株発行による収入12,780千円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売(売上)実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、見積りの不確実性により、実際の結果がこれら見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績及び財政状態の分析
経営成績及び財政状態の分析内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの財務政策は、安定的な運用を行うことを基本方針としております。
運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、自己資金を財源としております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」の記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の記載のとおり認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は常に市場ニーズや内部環境及び外部環境の変化に関する情報の入手及び分析を積極的に実施し、現在及び将来における内部環境及び外部環境を認識したうえで、当社グループの経営資源を最適に配分し、最適な解決策を実施していく方針であります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。