文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、年平均成長率が15%と創業以来右肩上がりで、安定的に高成長を達成してまいりました。
技術的にはメインフレーム時代からクライアントサーバー時代へ、そしてWebコンピューティング時代からクラウドコンピューティング時代、さらには現在のDX時代へと変わっていく中で、高い成長率を示すクラウド、ビッグデータ/AIなどの新しいデジタル技術を成長領域と捉え、いち早く取り組むことで成長し続けてまいりました。
今後もこのDX市場拡大の傾向は持続すると見ております。企業は多様な働き方と新たなビジネスモデルの創出を目指しており、これらの実現のためには、クラウドサービスなどのデジタル技術の活用は今や不可欠となっております。社内システムのクラウド化、企業が競争力を向上させるためのデータの分析・活用、社内のDX人材育成のためのIT教育などの需要は、更なる成長が期待されております。一方で、システム開発の手法も変化し、コードをなるべく書かないローコード開発や短い期間で開発を行うアジャイル開発などが求められ、これらを実現するためのプラットフォームやツールベースのシステム開発のニーズはますます高まると見ております。
このような環境の中で、当社グループは経営理念「お客様には"感動"を、社員には"夢"を」をベースにサステナビリティへの取組みや10年後の姿を明確にしております。お客様のDX推進と課題解決を通じて高付加価値サービスを提供するとともに、社員が働きやすい環境の整備など「超一流企業」としての基盤づくりを進めることで当社自身がイノベーションを起こし、成長スピードを加速し、2032年3月期の「売上高 1,000億円企業」に挑戦いたします。
その一歩として新たな中期経営計画(2024年3月期~2026年 3月期)を策定し、持続的な成長と高付加価値経営に向けての目標を設定いたしました。売上高は年平均成長率15%以上の持続的な成長、営業利益率は13%以上を確保する高成長・高付加価値経営を目指し、プラットフォームベンダーやツールベンダーとの連携を軸として次のステージへの成長を加速します。
この計画を達成していくためには、様々なステークホルダーの皆様と連携しながら、ともに繁栄し続ける企業であることが重要であると考えております。その中で当社グループが抱える事業戦略上での主要な課題は、①ベンダー連携によるDX領域へのシフトの推進、②提案力の強化、③人材リソース拡大の3点と認識しております。これに加え、経営基盤の強化や更なる成長に向けた投資も進めてまいります。
① ベンダー連携によるDX領域へのシフトの推進
当社グループは、これからもITの大きな変化の節目をしっかり捉え、技術革新にスピーディに対応し、絶え間ないイノベーションを続けることで、更なる成長を図ってまいります。そのためには、プラットフォーマーやツールベンダー各社との連携の強化が必要となります。資格者の育成、当社独自のソリューションメニューの整備などに取り組み、継続的な拡大が見込まれるDX領域を核とした成長領域に、他社に先駆け積極的に事業をシフトしてまいります。
更に、提案段階からの営業連携により高い成長が見込まれる市場環境を背景として常に受注予算の3倍の案件総量を確保することで、良質な案件を受注し収益力を向上させてまいります。
② 提案力の強化
高付加価値経営の実践のためには、当社グループが提供するサービスの付加価値を上げることが課題と認識しております。グローバルベンダーのプラットフォームやソリューションをベースにしたシステム構築の需要の高まりは、付加価値・収益性の高い提案機会の増加に寄与しております。さらには複合的にベンダー商材を組み合わせたソリューションの提供など、最適なものを組み合わせて提供することで複雑化するお客様のニーズにも対応しております。そのために、より高度なベンダー資格取得の促進による技術力向上に加え、ビジネスプロセスコンサルティングなどの付加価値の高いサービスを提供する部門の立ち上げ、ソリューションメニュー化やテンプレート化など、知の蓄積による提案力の強化にも積極的に取り組んでまいります。
③ 人材リソース拡大
人材は当社グループにとっての源泉であり、付加価値の高いサービスを提供するための最も重要な経営資源であります。お客様のDXを推進していくために、プロジェクトマネージャーや高度なベンダー資格の取得などによる次世代を担う高スキル人材の育成に加え、新卒採用や中途採用によるコアとなる適性の高い人材の積極的な採用、既存社員のリスキリングによるグループ横断でのリソースシフトなどにより、人材の育成と補強を進めてまいります。
また更なるリソース拡大のために、協力会社との連携によるリソース確保も重要な課題であり、コアパートナー化ににも取り組むなど、成長領域でのリソースの確保を進めてまいります。
中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)
経営理念
お客様には"感動"を、社員には"夢"を
サステナビリティ方針
わたしたちはお客様のDXを推進することで、経済・社会課題の解決と社会価値の最大化に貢献してまいります。
事業戦略
ベンダー(グローバルプラットフォームベンダー)連携
提案力強化
人材リソース拡大
経営基盤の強化
働き方改革
知の蓄積
業務プロセス改革
投資戦略
M&A
人材投資
事業・経営革新
(1) サステナビリティに関する考え方及び取組
これまでステークホルダーの皆様の期待に応えるよう、「お客様には"感動"を、社員には"夢"を」という経営理念に基づき、創業時からの「社会貢献」と「持続的成長」の両立を図ることで、持続的な社会の実現を目指してまいりました。
社会課題の解決に対する貢献と共に持続的成長を果たしていくためには、様々なステークホルダーの価値観と事業活動が環境や社会に与える影響を踏まえた長期的な視野に立つ事業運営が求められることとなります。サステナビリティに対する課題の解決で社会と共に成長し、また成長戦略を通してステークホルダーとともに持続的に発展していくことを目指しております。
方針に基づくサステナビリティに関する考え方及び取組については以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
経営会議の下部機関のひとつとしてサステナビリティ委員会を設置、委員長をコーポレート担当役員(IR・SR)とし、サステナビリティ活動の推進に向けた方針や戦略の立案、推進状況のモニタリング等を行っております。また、同委員会を四半期ごとに年4回開催、また、必要に応じ開催し、その内容を経営会議及び取締役会に報告することで、年間を通じサステナビリティ推進に対するガバナンスを確保しております。

サステナビリティ方針に基づき、マテリアリティを特定し、サステナビリティ委員会がマテリアリティに対するリスクと機会の識別及び評価を実施しております。
社会や環境の変化、およびマテリアリティに対する取り組みの中で識別されるリスクのモニタリングをサステナビリティ委員会で行い、定期報告のみならず適時に経営会議、取締役会に報告を行うこと、また必要な指示を受けたうえで推進部門と共に迅速かつ適切な対応をとってまいります。
なお、特定したマテリアリティに対するリスクと機会の詳細は当社ホームページ
(http://www.comture.com/company/sustainability/risk.html)に記載しております。
2023年5月12日公表の中期経営計画において、サステナビリティ方針に基づき具体的な取り組みを定めました。施策のひとつとして、人材や基幹業務プロセス刷新などの投資計画策定及び課題解決に取り組んでおります。
また、気候変動への対応に関しては、社会と共に持続的な成長を目指す中で気候変動が社会や企業に及ぼす影響について検討を行い、当社の責任において取り組む目標を定めております。
具体的には、温室効果ガス排出抑制のために使用電力量及び自社で使う紙の削減を目標として設定し、オフィス内の空調設定温度見直し及び業務システムの刷新によるペーパレス化の推進等の施策に取り組んでおります。
なお、戦略、指標及び目標の詳細については、事業の状況の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「(2)人的資本(人材の多様性を含む)に関する考え方及び取組」並びに当社ホームページに掲載した「中期経営計画(2024年3月期~2026年3月期)」(https://www.comture.com/ir/management/pdf/202305.pdf)の25~29ページに記載しております。
(2) 人的資本(人材の多様性を含む)の拡充に関する考え方及び取組
サステナビリティを推進するうえで人的資本の拡充は最重要課題と認識しております。人的資本の拡充に関する考え方及び取組については以下のとおりです。
① ガバナンス
経営会議の下部機関のひとつとして人事委員会を設置、委員長をコーポレート担当役員(人事・総務)とし、経営戦略と人材戦略の連携を図ったうえで、人材開発、育成及び採用の強化に努めております。また、同委員会を必要に応じて開催し、その内容を経営会議及び取締役会に報告しております。

② 戦略
2022年3月期策定の中期経営計画の中で、成長と持続可能性を高める高付加価値経営を実現すべく3つの事業戦略の一つに人材リソース拡大を掲げ、併せて投資戦略を定めております。
人材に関する社内環境整備においては、採用数の拡大と従業員のエンゲージメントを高めるための人事制度の改定、教育・研修プログラムの改定及びキャリアパスの再構築等に着手しております。多様な人材の確保と高スキル化のための主要な取り組みは以下のとおりです。
・人材の確保(新卒・中途採用拡大)と継続的な昇給
・ベンダー資格取得と成長領域へのリスキリングによるリソースシフト
・子会社の事業を通じたデジタル社会実現に貢献する人材教育・研修の実践
・従業員のエンゲージメントを高めるための人事制度やコミュニケーション環境の充実
人事制度の改定や新たな人材開発・育成の取り組みを通じてキャリア支援の充実と従業員のエンゲージメント向上を図ることにより、2023年3月期の提出会社における「全労働者に占める女性労働者の割合」は25.8%(前期比0.9ポイント上昇)、「管理職に占める女性労働者の割合」については9.9%(前期比0.5ポイント上昇)となりました。
一方、採用者に占める女性従業員の割合は24.3%(前期比6.7ポイント低下)となりました。性別・年齢に関わらず優秀な人材の採用に引き続き努めてまいります。
また、「全労働者の男女の賃金の差異」は83.6%となりました。等級に基づく賃金体系のため同一等級内での男女の賃金の差異はありませんが、賃金の高い管理職比率の違いに主因があることから、上述の施策を通じ継続的に従業員の男女の賃金の差異解消に努めてまいります。
③ リスク管理
多様な人材が集まりその能力を発揮していくことが成長の原動力であることから、IT人材の確保が情報通信業のみならず多くの一般企業や公的機関でも課題となるなか、採用競争力の低下及び離職率の高まりを最大のリスクと考えております。従業員のエンゲージメントを高める施策を強力に進め、人事委員会、経営会議及び取締役会でのガバナンスを確保することでリスクの低減に努めてまいります。
④ 指標及び目標
(注)1.提出会社の数値を記載しております。
2.2022年4月に当社ホームページ(https://www.comture.com/company/general.html)にて開示済みの女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の目標値(2022年3月期の女性管理職比率9.4%に対する増加率)であります。
3.2022年3月期の比率9.4%に対する2023年3月期の増加率であります。
以下において、事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は、本株式への投資に対するすべてを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
なお、本項目の記載内容については、特に断りのない限り本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業内容に関連するリスクについて
① 収益の認識基準とプロジェクトの採算管理に関するリスクについて
当社グループは、各種コンピュータシステムの提案、構築、保守及び運用に係る情報処理サービスの提供を行っております。顧客の課題やニーズに対して、コンサルティング・提案、システムの設計などの上流工程から入り、構築、保守及び運用までのシステムライフサイクルの全局面において最新のIT技術と業務知識に裏打ちされたトータルソリューションを提供することを基本としております。
顧客、他社のベンダーとの協同作業となる、基本設計フェーズなどの上流工程、および運用・総合テストなど川下工程については、その責任の所在から履行割合型の準委任契約を原則としております。なお、顧客の要求を受け、請負にて契約する場合でも、詳細設計・プログラム作成・結合テストの各フェーズについてのみ請負契約とし、それ以外のフェーズについては、履行割合型の準委任契約とすることを原則としております。
履行割合型の準委任契約でのプロジェクトは、主にサービス提供を行った工数に予め定められた単価を乗じる方法等により収益を認識しております。
他方、請負契約のプロジェクトは、一定規模以上のプロジェクトについて進捗度に応じて一定期間にわたり収益を認識し、それ以外のプロジェクトについて検収時点において一括して収益を認識しております。この進捗度は工事原価総額の見積額に対する実際発生原価の割合により測定しているため、進捗度の測定の際には原価総額を見積ることが必要となります。なお、原価総額の見積りの結果、将来の損失の発生が見込まれ損失金額を合理的に見積ることができる場合には、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。
履行割合型の準委任契約を原則とすることにより、受注時の工数見積りの不確実性や開発期間の超過に伴う採算性の悪化のリスクを極小化しております。また、契約の締結に際し、長期間にわたる大型かつ包括的な請負契約を避けて複数の個別契約に分割して影響を極小化する、あるいは部分的に検収を受ける、仕様追加や変更に対して追加受注を受ける等の方針を採用しております。
但し、一部のプロジェクトについては、そのプロジェクトの内容・規模により請負契約を行う場合もあり、このような場合には、受注時点で想定した見積工数や開発期間を超過する可能性があります。そのため、請負契約を締結する場合には、顧客への見積提示前に品質監理部による見積会議において契約の妥当性を検証することにより、受注時の見積精度の向上を図るとともに、週次での事業本部による進捗会議に加えて、品質監理部による品質確保のための施策を行ってプロジェクトの進捗管理及び工程管理の徹底を図っております。また、月次の業績を点検する会議(業績点検会議)において、主にプロジェクトの採算面からの管理も実施しております。
しかしながら、見積時点では想定できなかった事態の発生等により見積りと実績が乖離した場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、そうした事態が生じた場合、納期遅延の要因となり、債務不履行による損害賠償請求、契約の解除等につながるおそれがあるとともに、信用が損なわれ競争力が低下する可能性もあります。
さらに、システム構築に際してはシステム上の不具合等の発生を完全に防止することは困難であることから、当社グループの責任において不具合等を治癒するための追加的なコストが発生した場合、顧客の既存システムに影響を与えるようなシステムトラブル等が生じた場合、開発スケジュールや検収タイミングが遅延した場合及び債務不履行責任や契約不適合責任等の法的責任を負う場合等にも、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② デファクトスタンダード製品への依存度が高いことについて
グローバルなデファクトスタンダード(事実上の業界標準)のプラットフォームをベースにソリューションの提供をしております。クラウドソリューション事業において、Salesforce.com社やMicrosoft社が提供するクラウドサービスなどを中心に展開しております。デジタルソリューション事業においては、SAS社のデータ分析ツールなど、また、ビジネスソリューション事業では、SAP社のERPパッケージに係わるサービスを中心に展開しております。これらのプラットフォームが長期間に渡り市場占有率の高いものであると認識しておりますが、この状況が今後も継続される保証はありません。何らかの事情により、その優位性若しくは競争力が低下した場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 保守及び運用サービスにおけるリスクについて
プラットフォーム運用サービス事業は、当社グループの従業員等が顧客企業のシステム等の運用に関する各種要望に対応する業務であります。当該業務は一旦受注すると業務の性質上、継続受注する傾向にありますが、顧客の方針変更により契約内容が変更となる、あるいは何らかの理由により顧客との契約が終了する等した場合には、一時的に余剰人員が発生し、固定費負担が経営成績を圧迫する可能性があります。また、従業員等がオペレーションミス等で誤った処理を行った結果、顧客に損害が発生した場合には当社グループがその損害を負担し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制等の影響について
当社グループが行う事業に関しては、「特許法」、「商標法」、「著作権法」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下「労働者派遣法」といいます。) 、「下請代金支払遅延等防止法」、「個人情報の保護に関する法律」及びその他関連法令の規制を受けております。また、主に人材を活用する事業であることから、「労働基準法」及び関連法令の遵守にも特に留意する必要があります。これらの法的規制は、社会状況の変化等に応じて、今後も適宜改正ないし解釈の変更等がなされる可能性があり、これらに的確に対応できなかった場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業の契約形態には請負契約、準委任契約、および労働者派遣契約が存在しますが、現状では請負契約と準委任契約が大部分を占めております。請負契約は仕事の結果に責任を負うことになり、成果物についての契約不適合責任や製造物責任の追及を受ける可能性があります。請負契約と労働者派遣契約との違いを踏まえて適切な体制を整備するよう努めておりますが、請負により行われる事業と労働者派遣事業の区分に関する監督官庁による解釈等が変更された場合には、運営体制を変更する必要等が生じ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理について
個人情報や顧客の機密情報を取扱う場合があります。顧客情報管理に関しては、秘密保持を含めた契約の締結及び情報管理を実践し、社員の入社時と毎年、秘密保持等に係る誓約書提出を義務付けし、各部門、個人毎に情報管理・指導を徹底しております。また、2004年2月に社団法人情報サービス産業協会の認定のもと「プライバシーマーク」の使用許諾を受け、2022年2月の定期更新でも合格認定を得ております。このように情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じるよう努めておりますが、何らかの要因で顧客企業の情報や個人情報が漏洩した場合、信用失墜や損害賠償請求により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 優秀な人材の確保について
事業運営に当たっては、経営資源としての優秀な人材の確保が必要不可欠なものと認識しております。現在の流動的な労働市場の中で、必要な人材の採用と人材育成に努めております。また、ビジネスパートナー制度を採用し、業務の一部を外注先に委託しており、総製造費用に占める外注費の割合は2022年3月期においては49.5%、2023年3月期においては50.7%となっております。今後、必要とする優秀な人材を採用できない場合や多くの退職者が生じた場合並びに当社グループが求める技術レベルを満たす外注要員がタイムリーに確保できない等の場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 大規模な自然災害や感染症に関するリスクについて
大規模な地震、台風等の自然災害により、当社グループや顧客の建物、設備並びに従業員が被災した場合、或いは、インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、従業員による出勤や業務遂行に支障が生じ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの自然災害や感染症の拡大が国内景気の動向や顧客の業績に影響する場合には、顧客のIT投資が抑制され、新規プロジェクトの減少や既存プロジェクトの規模の縮小等により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧M&A及び資本業務提携について
M&A及び資本業務提携(以下、「M&A等」といいます。)を主要な経営戦略の一つと考えております。
M&A等を実施する場合、外部の専門家を利用して、デューデリジェンス及び株価算定を実施しております。これらの作業によって得られた情報を参考とし、また、被取得企業との協業によるシナジー効果も勘案して、経営会議において取得原価を含む契約の諸条件を協議・検討したうえで、最終的に取締役会において契約内容の審議・承認を行っております。さらに、必要に応じて、外部の専門家を利用して、企業結合時に被取得企業から受け入れた識別可能資産及び負債に対する取得原価の配分作業を実施し、のれんの計上額を決定しております。
このように、M&A等の実行に際しては、対象企業に対してデューデリジェンス等を行い、各種リスク低減に努めておりますが、当初想定したシナジー、事業拡大等の効果が得られない可能性及び経営環境や事業の状況の著しい変化等により対象企業の超過収益力が棄損して経営成績が想定どおり進捗しない可能性等があります。その場合、のれんの減損損失等、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営成績の季節的な変動について
経営成績は、顧客の業績変動による影響を受けます。また、顧客のIT投資予算の規模・予算の消化スケジュールの影響も受けます。このため、売上高は、上半期に比較して下半期の割合が高くなる傾向があります。ただし、下半期の売上高が当該期の上半期の売上高を上回る保証はありません。また、販売費及び一般管理費のほとんどの科目が毎月ほぼ均等額が発生すること、新卒採用者の受け入れにより、上半期は不稼働時間の発生や研修費用の発生等で固定費が増加することから、経常利益も、上半期に比較して下半期の割合が高くなる傾向があります。
(注) 下半期の数値は、通期の数値より上半期の数値を差し引いたものであり、独立監査人による監査を受けておりません。
(3) 知的財産権について
他者が保有する知的財産権を巡る重要な法的紛争が生じた事実はありません。知的財産権に十分留意しながら事業を行っておりますが、今後、知的財産権を巡る法的紛争が発生する可能性があります。何らかの理由から当社グループが法的紛争の当事者となった場合、損害賠償や差止請求を受ける可能性、紛争相手の主張に理由があると否とを問わずその紛争解決に多大な時間と費用を要する可能性及び今後の事業戦略や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
企業や行政などにおいて、デジタル技術を活用した新規ビジネスやサービスの創出、ワークスタイルの変革などの戦略的経営改革が求められている中で、デジタル・トランスフォーメーション(DX)領域への投資はますます加速しております。
当社グループはこの潮流を長期的な成長の機会と捉え、お客様のDXを支援していくことに加えて当社自身も変革していく「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」を掲げ、これからの10年先を見据えた戦略であるグローバルベンダー各社との連携強化を主軸に、当社独自のテンプレートやソリューションを付加価値として組み合わせて提供することで、お客様のビジネスモデル変革の担い手として事業活動を拡大してまいりました。
具体的には、以前よりLotus Notesなどのソフトウェアをベースにした付加価値の高いシステム構築にいち早く取り組み、時代の変化とともに取り扱うベンダー商材を増やしており、現在ではMicrosoft、Salesforce、ServiceNow、Amazon Web Services、Google Cloud Platformなどのクラウドサービスをベースにしたシステム構築、SASなどのデータ分析ツールを活用したデータサイエンス、SAPなどのERPやSuccessFactorsなどの人事系システムの構築など、DX関連のソリューションの提供に取り組んでおります。これらグローバルベンダーのプラットフォームやソリューションをベースにしたシステム構築の需要の高まりが、付加価値・収益性の高い提案機会の増加に寄与しております。さらには複合的にベンダー商材を組み合わせたソリューションの提供など、最適なものを組み合わせて提供することで複雑化するお客様のニーズにも対応しております。そのために、より高度なベンダー資格取得の促進による技術力向上に加え、ビジネスプロセスコンサルティングなどの付加価値の高いサービスを提供する部門を立ち上げ、提案力の強化にも積極的に取り組んでおります。
提案・営業活動においては、オンラインと対面を組み合わせた効率的な営業活動を強化し、日々の営業報告はSFAシステム(Salesforce)の活用によって経営層を含めタイムリーな情報共有を行うことで、チームでの知恵出しによる提案内容のレベルの向上に取り組んでいます。さらには成長領域の事業を加速させるため、顧客事例をテンプレート化し顧客ニーズに対応することで、次の成長に向け取り組んでおります。
受注環境が好調な一方で、エンジニアの確保が最優先課題です。中でも社員の待遇の向上は重要な課題の一つであり、前連結会計年度は平均10.6%、当連結会計年度も平均8.1%の昇給を実施いたしました。また、成長を実感できるキャリアパスのための人事制度と研修体系の改定を進めております。加えて、テレワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方の促進、小集団活動など自由な研究開発、経営と社員を結びつける場づくり、さらには部門を越えた議論ができるコラボレーションスペースの増床など、社員とのエンゲージメントの強化にも一層取り組んでおります。
リソース育成と確保においては新卒社員の早期戦力化や既存社員を対象にしたリスキリング等の取組みを進めることに加え、中途採用での採用エージェントとの連携強化により即戦力のエンジニアの採用も進めております。採用以外にも当連結会計年度4月に110名のエンジニアを有するソフトウエアクリエイション株式会社(以下、「ソフトウエアクリエイション」という。)の株式取得を行い、また当連結会計年度1月に同じく100名のエンジニアを有するタクトシステムズ株式会社およびタクトビジネスソフト株式会社の株式を取得するなど、グループの成長を加速させるためのM&Aにも積極的に取り組んでおります。
また、社員に加え、協力会社からのエンジニアの調達を増大させるため、主要な協力会社をコアパートナー化するなどの戦略的な連携を進め、即戦力エンジニアの優先的な提供を実現するとともに、当社グループのIT研修会社であるエディフィストラーニング社の教育コンテンツを活用した成長領域での人材育成支援を行うなど、エンジニアの確保を積極的に進めております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
(百万円)
売上高は、DX関連ビジネスへの更なるシフト、プラットフォーマーやツールベンダー各社との連携の強化による営業活動の推進などの取り組みに加え、ソフトウエアクリエイションの寄与により前期比で16.3%増の13期連続増収となりました。
売上総利益は、社員満足度向上のために労務費を大幅に増加させましたが、提案力の強化やサービス品質・生産性の向上、コンサルティング業務の拡大、成長領域へのシフトによる一人当たり売上高の伸長などにより、前期比で8.5%の増益となりました。
営業利益は、新卒・中途採用人数増に伴う採用費の増加などの更なる成長に向けた先行投資に加え、ソフトウエアクリエイションの連結子会社化に伴うのれんを第1四半期連結会計期間に即時償却したため、前期比で1.7%の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として受取保険金が計上されたことなどにより、前期比で7.1%増の12期連続の増益となりました。
企業経営の健全性の指標である自己資本比率は69.4%、効率性の指標であるROEは18.6%となり、健全性と高収益性を両立した経営を実践しております。
事業別の売上高と売上総利益の状況は、以下の通りです。
クラウドソリューション事業は、日本マイクロソフト社やセールスフォース・ジャパン社などとの連携による顧客情報システム構築、また大手企業を中心とした社内の情報系システムのクラウド化、業務プロセスのデジタル化に向けたコンサルティングなどの需要の増加により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
デジタルソリューション事業は、SASを使った金融業向けのアンチマネーロンダリングシステム構築やDatabricksのデータ分析ビジネスの拡大に加え、Google Cloud Platform上での大量データを蓄積する環境構築などのデータマネジメントビジネスの拡大により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
ビジネスソリューション事業は、リソース確保の改善によりS/4 HANA化などSAP関連ビジネスが2桁成長に回復したことに加え、当連結会計年度より連結した子会社の寄与により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
プラットフォーム・運用サービス事業は、クラウド環境の運用ビジネスの拡大に加え、システム運用業務のアウトソーシングやセキュリティサポートなどの需要の増加により売上高は増加したものの、不採算案件の一時的な発生により売上総利益は減少いたしました。
デジタルラーニング事業は、Microsoft、Salesforce、ServiceNowなどのベンダー資格取得のための教育ビジネスの拡大に加え、新人研修・DX研修などの企業向けの企画型研修の需要の増加により、売上高、売上総利益ともに増加いたしました。
(百万円)
それぞれの事業の範囲は以下のとおりとなります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
各種システムのコンサルティング、構築、保守、運用及び教育に係るサービスの提供を行っており、生産実績を定義することは困難であるため記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループの事業は単一セグメントであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 当社グループの事業は単一セグメントであります。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて2,804百万円増加し、21,738百万円となりました。これは主に、タクトシステムズ株式会社等の株式を取得して連結子会社化したことに伴い現金及び預金が1,063百万円減少した一方で、のれんが1,013百万円、受取手形及び売掛金が2,105百万円、投資その他の資産のその他に含まれている保険積立金が652百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,527百万円増加し、6,641百万円となりました。これは主に、法人税等の中間納付793百万円の支払に伴い未払法人税等が504百万円減少した一方で、一定の資金を確保するために短期借入金が500百万円増加し、また、上記連結子会社化に伴い退職給付に係る負債が425百万円、買掛金が440百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,277百万円増加し、15,097百万円となりました。これは主に、剰余金の配当1,414百万円を上回る親会社株主に帰属する当期純利益2,695百万円を計上したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて1,063百万円減少し、10,202百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果獲得した資金は1,947百万円(前期比55.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が3,865百万円、のれん償却額が207百万円、賞与引当金の増加額が203百万円、減価償却費が150百万円あった一方で、法人税等の支払額が1,858百万円、売上債権の増加額が848百万円あったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は1,707百万円(前期は31百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が148百万円あった一方で、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,782百万円、有形固定資産の取得による支出が114百万円あったことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は1,303百万円(前期比9.3%減)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額が310百万円あった一方で、配当金の支払額が1,403百万円、長期借入金の返済による支出が210百万円あったことによるものであります。
資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末において総資産のおよそ47%の手元資金を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はありません。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。