第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

  当社グループは、「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げております。私達は、ITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献してまいります。さらに、行動指針として以下の「経営理念」を掲げ、長期ビジョンである「日本を代表する企業になる」ことの達成を目指しております。

 

(経営理念)

  「応える」    ラクスはお客様の期待に120%応えます。

  私達はロイヤリティの高い顧客層を作り出すことが経営の安定につながると考えます。お客様との良好な関係を長期にわたって構築するために、お客様の期待に応えてまいります。

 

  「育成する」  ラクスは結果が出せる人財を育成します。

  私達は一人一人の成長が会社の成長につながると考えます。実務に通用する知識を体系的に付与し、チャレンジできる場を積極的に提供します。

 

  「改善する」  ラクスは日々その活動を改善します。

  私達はITビジネスにおける優位性は改善によって生まれると考えます。一つ一つによる差異は小さくとも、それが積み重なったときには他社が決して追いつくことができない絶大な競争力となります。

 

  「偽らない」  ラクスはステークホルダーに対して偽りません。

  私達は常に真摯な態度で向き合うことが継続的に会社を発展させるために不可欠だと考えます。お客様・株主・社員全てに対して誠実な会社運営を行います。

 

  「進化する」  ラクスは変化の予兆を読み取り柔軟に進化します。

  私達は企業の永続的な発展のためには環境の変化への柔軟な適応が不可欠だと考えます。新市場への参入や既存市場からの撤退も恐れません。

 

(2)経営戦略等

  当社グループが競争力を高め、持続的な成長を実現するための施策として、当社の成長を牽引している「楽楽精算」「楽楽明細」をはじめとした「楽楽シリーズ」にリソースを重点的に配分し、その他のサービスについては競争優位性と市場の可能性を勘案し、利益貢献を重視しながら適切にリソースを配分することで、当社グループの成長スピードの加速を目指してまいります。

 

(3)経営環境

  当社が所属する情報通信サービス市場においては、人手不足や働き方改革の影響からデジタルトランスフォーメーションによる業務効率化を推進する企業が増加する等、IT投資への意欲は引き続き旺盛に推移しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

  インターネットは経済活動を支えるインフラとして不可欠なものとなっており、当社グループが提供しているクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスは今後も需要が拡大するものと予測されます。

  当社グループの更なる成長を実現するため、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。

 

①  成長サービスへの集中・強化

  クラウドサービス市場は、今後も規模が拡大すると予測されておりますが、一方で新規参入の増加、サービスの飽和等が進むものと考えております。

  当社グループは今後も継続的に事業を拡大するため経営資源を成長サービスに集中させ、それぞれの分野において一定の市場シェアを獲得することで収益の拡大に努めてまいります。

 

②  認知度の向上

  当社グループはこれまでインターネットやテレビ、雑誌への広告の掲載、展示会への出展や販売代理店を通じて顧客を獲得してまいりました。提供する各サービスの顧客数を拡大し、企業価値の向上を実現するには当社及びサービス名の認知度の向上が不可欠であると考えております。

  引き続き、費用対効果を見極めながら、インターネットやテレビ、雑誌などマスメディアの活用に加え、展示会への出展を通じて、更なる認知度の向上に努めてまいります。

 

③  営業力の強化

  クラウド事業では、東京・大阪・札幌・名古屋・広島・福岡の6拠点で営業活動を行っており、今後も既存顧客及び新規顧客の期待に応えるために営業人員を増員し営業力を強化するとともに、パートナー企業や販売代理店との連携を強化することにより販路の拡大も図ってまいります。

  また、中長期的には、既存顧客に対しても、当社グループの他のサービスを追加で提案していく販売アプローチを進め収益機会の最大化に努めてまいります。

  IT人材事業は、派遣先での業務を通じてITエンジニアのキャリアアップを行い、提供するサービスの高付加価値化を行う事業であり、多くの案件を常に確保し、ITエンジニアの成長機会を提供することが不可欠であります。そのため営業担当者が顧客のニーズを引き出し、最適なマッチングを行うことで継続的な案件確保に努めてまいります。

 

④  開発力の強化

  クラウドサービス市場においてサービスの機能優位性を維持していくためには機能の改善・追加をスピーディーかつ継続的に実施していく必要があります。

  当社グループでは、従来の国内開発に加え、ベトナムに開発拠点を設立する等開発リソースの確保に注力してまいりました。今後も国内外を問わず開発力の強化に努めてまいります。

 

⑤  マーケティングの強化

  現在クラウド事業において行っているマーケティング戦略は、時間とともに陳腐化する可能性があります。そのため新たなマーケティング手法を取り入れ、得られたデータを分析し販売力の強化に努めてまいります。

 

⑥  サービスラインナップの強化

  当社グループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスとして、多様なサービスを提供するサービスポートフォリオ管理を特色としております。

  サービスラインナップを拡充することで、主力サービスである経費精算システム「楽楽精算」への依存度を低下させるとともに、新たな事業成長の機会を確保し、持続的な成長の実現を目指してまいります。

 

⑦  人材の確保

  当社グループの成長のためには優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。そのため積極的な採用活動を継続することはもちろんのこと、労働市場において知名度の向上を図り採用力の向上に努めてまいります。

 

⑧  システムの安定性の確保

  当社グループは、インターネット上で顧客にサービスを提供しており、システムの安定稼働の確保は必要不可欠であります。安定してサービスを提供していくため顧客の増加に合わせたサーバーの増設等の設備投資を継続的に行い、システムの安定性の確保に努めてまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループは1株当たり利益(EPS)の持続的成長を最重要指標として掲げております。1株当たり利益(EPS)を中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化して売上高の拡大を目指してまいります。

 

 成長投資強化期間においては、高い売上高成長を優先するため、営業利益率は低い水準で推移することになりますが、最終年度においては、翌年度以降の成長に必要な投資は行いながらも効率化を追求し、高い営業利益率を実現することで、1株当たり利益(EPS)の持続的伸長を目指してまいります。

 

 なお、現在取り組んでいる中期経営目標数値は以下の通りです。

 ・5カ年の売上高      : CAGR(年平均成長率)26%~30%
 ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上
 ・2026年3月期 純資産   : 200億円以上

 

 売上高CAGRにつきましては、足元の数値を踏まえ、下限を27%に引き上げます。

見直し後の、中期経営目標数値は以下の通りです。

 ・5カ年の売上高      : CAGR(年平均成長率)27%~30%

  (最終年度に近づくに従って、蓋然性の高いレンジ幅に適宜数値を見直します)

 ・2026年3月期 当期純利益 : 100億円以上

 ・2026年3月期 純資産   : 200億円以上

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  国内においては、少子高齢化の進展による労働人口の減少や、価値観の多様化による労働環境の変化など、企業を取り巻く環境は不確実性が増しており、様々な社会課題が生まれてきています。

そのような中、ラクスは「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」というミッションを掲げ、国内で働くすべての人に最新のITによる恩恵を届けることで日本を豊かにすることができると信じ、事業に取り組んでいます。

  持続可能な社会の実現のためには、多様な価値あるサービスやプロダクトを通じて、継続して新たな社会的価値を創造することが重要であると考えます。

  ラクスはITサービスを通じてデジタル化を継続的に推進し、企業の成長と、そこで働く人々の幸せに貢献していきます。

  なお、当社は、自らの事業成長が多くの企業の業務効率化やペーパーレス化の促進を実現すると考えており、それを具現化するための組織構築に資する人的資本投資を含んだサステナビリティという観点で、個別の取り組み指標や目標を設けておりません。

 

(1)ガバナンス

  この「サステナビリティの考え方」を経営の基盤とし、社内外のステークホルダーとのエンゲージメントを向上させながら、社会・経済環境の変化に即応した的確な意思決定ができる組織体制を永続的に運用していきます。

 

(2)戦略

  中長期的な企業価値や事業活動の持続性に対してのリスクと機会を整理し、4つの持続的な成長のための重要課題(マテリアリティ)を定めています。これらのマテリアリティに対する継続的な取り組みを通じて、持続可能な社会の実現に貢献します。

 

① 優良なサービスの展開拡大

  顧客の業務理解を通じて、抱える課題と痛みをしっかりと捉えることで、最適なサービスが提供できます。ラクスはこの考えのもと、優良なサービスの展開により社会のデジタル化を推進していきます。

 

② 多様で優秀な人材の確保・育成

  顧客の業務を理解し、サービスとして提供できる人材は、ラクスの重要な成長基盤です。サービスと人材、この2つが両輪となって事業成長を牽引します。

 

③ 活躍・成長の場の提供

  成長基盤である人材が活躍できるポジション、成長を実感できる機会を積極的に提供しています。事業の成長に伴い、活躍・成長の場が拡大していくスパイラルを実現していきます。

 

④ 安定したサービス提供

  強固なセキュリティの構築により安定かつ安心できるサービスを継続して提供しています。多くの顧客の業務を支え、成長に寄与するサービスとして、信頼に応え続けます。

 

  マテリアリティとして特定しているとおり、ラクスでは「多様で優秀な人材の確保・育成」「活躍・成長の場の提供」への取り組みの重要性を認識しています。

  性別や年齢などにかかわらず多様な人材を積極的に採用するとともに、社員が成長するための機会及び環境を提供し、社員個人の自発的な成長を促進することで、一人ひとりの成長と組織パフォーマンスの最大化を実現できる仕組みづくりに取り組んでいます。

  その取り組みを支える体制として、「採用」、「教育・育成」、「評価」に特化した専門の組織を設置し、それぞれの業務レベルの高度化に取り組んでいます。

  この取り組みにより、多様な視点・能力を持つ中途人材を中心とした採用の実現や、事業環境の変化に柔軟に対応した組織づくりができています。

  また、ラクスリーダーシッププリンシプル(行動指針)をマネジメント層の取り組みの中心に据えることで、それぞれの活動を有機的に結びつけ、社員個人の成長と組織パフォーマンスの向上により事業の持続的成長を目指す企業文化の醸成を促進しています。

 

(3)リスク管理

  事業を取り巻く外部環境におけるリスクと機会を以下のとおり選定・抽出し、これらを見据えた事業推進の体制を構築しています。

  また、リスクの適切な管理・運営による経営の健全性を確保するために「リスク管理規程」を定め、具体的な事象を想定した経営に重大な影響を与えるまたはその可能性が高いリスクの発生に備えています。

 

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3【事業等のリスク】

  当社グループの事業においてリスクの要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。

  なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)経営環境の変化について

  当社グループは、インターネット業界においてクラウドサービス及びITエンジニア派遣サービスを提供しております。現在は顧客企業のIT投資マインドの上昇を背景として事業を拡大しておりますが、今後国内外の経済情勢や景気動向等の理由により顧客企業のIT投資マインドが減退するような場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合他社による影響について

  当社グループのクラウド事業では先行者メリットを活かしつつ、顧客のニーズに合ったサービスの開発を行うことで優位性を高めております。しかしながらクラウドサービスの新規参入の技術的な障壁は必ずしも高いものとは言えず、資金力、ブランド力を有する大手企業をはじめとする競合他社により類似したサービスが開発され価格競争が激化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)特定の製品への依存リスクについて

  当社グループは、法人向けに業務効率化に貢献するクラウドサービスの提供を行っており、経費精算システム「楽楽精算」(2023年3月期 売上:10,343百万円)が主力サービスとして、当社グループの業績を牽引しております。「楽楽精算」が当社グループの売上高に占める割合は大きく、今後、競合製品との競争激化により売上高が大幅に減少した場合には、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)技術革新等への対応について

  当社グループが各種サービスを提供するインターネット業界においては新技術の開発及びそれに基づく新サービスの導入が頻繁に行われており、非常に変化の激しい業界となっております。そのため常に新しい技術要素をITエンジニアに習得させてまいりますが、何らかの理由で技術革新への対応が遅れた場合当社グループが提供するサービスの競争力が低下する可能性があります。また、新技術への対応のため予定していないシステムへの投資が必要となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

  また、会計、税務、人事労務その他の規制に関する変更により、当社グループが提供するサービスについて重大な修正を要した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)ITエンジニア派遣市場の動向について

  現在、多様なインターネットサービスの登場や企業の情報システム化に伴い国内ITエンジニア派遣市場は活況を呈しておりますが、企業によるシステム開発の内製化、人件費や事業コストの安い新興国の企業・人材を活用して開発コストを削減するオフショア開発が当社グループの想定する以上に急激に進んだ場合、及び、主要な派遣先の業績不振等により派遣受入ニーズが減退した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)主要な取引先の喪失の可能性について

  IT人材事業においては数十名規模のチームで派遣を行う場合もあり、その結果1社当たりの売上額が大きい取引先が存在します。取引先とのコミュニケーションを頻繁にとることで取引先のニーズに合った人材を派遣し顧客満足度の向上に努めておりますが、何らかの原因によりそれらの取引先の喪失があった場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

(7)システムトラブルによるリスクについて

  当社グループはクラウドサービスを提供しており、同サービスの保守・運用・管理は通信ネットワークに依存しております。安定的なサービス提供のため、サーバー設備の増強や情報セキュリティ責任者が適切なセキュリティ手段を講じることで外部からの不正アクセスの回避等を行っておりますが、以下のシステム障害が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

①サービス提供を行っているコンピューターシステムへの急激なアクセスの増加や電力供給の停止等の予測不可能な様々な要因によって当該コンピューターシステム及び周辺システムがダウンした場合。

②コンピューターウィルスやハッカーの侵入等によりシステム障害が生じた場合。

③従業員の過誤等によって、当社グループの提供サービスのプログラムが書き換えられたり、重要なデータが削除された際、事態に適切に対応できず信用失墜や損害賠償による損失が生じた場合。

 

(8)法的規制によるリスクについて

①クラウド事業について

  当社グループは、電気通信事業者(旧一般第二種電気通信事業者)として総務省に届出(届出番号E17-2681)を行っており、電気通信事業法に基づく通信役務の提供を行っております。現在のところ、当社の事業に対する同法による規制の強化等が行われるという認識はありませんが、社会情勢の変化等により当社の事業展開を阻害する規制の強化等が行われる可能性は絶無では無く、万一かかる規制の強化がなされた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

  また、インターネットの普及に伴い、「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダー責任制限法)」、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」及び「特定商取引に関する法律」等の法令が整備されておりますが、今後、これらの法律による規制の強化、関連業者を対象とした新たな法的規制等が制定された場合、当社グループの業務が一部制約を受け、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②IT人材事業について

  当社グループのIT人材事業においては、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」という。)により規制されているため、当社は同法に基づき厚生労働大臣の許可を受け、一般労働者派遣事業を行っております(派遣:派13-310802、紹介:13-ユ-309573)。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行うもの(派遣元事業主)が、派遣元事業主としての欠格事項に該当したり、法令に違反した場合には、事業許可の取り消し、又は業務の停止を命じる旨を定めています。当社では、社員教育の徹底、内部監査等による関連法規の遵守状況モニター、取引先の啓蒙等により、法令違反等の未然防止に努めていますが、万一当社役職員による重大な法令違反等が発生した場合、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9)特定の人物への依存について

  代表取締役社長である中村崇則は、当社グループの創設者であり、会社経営の最高責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進において重要な役割を果たしております。

  当社グループは、中村崇則に過度に依存しない経営体制を整備するため、取締役間の相互の情報共有や事業部制導入による経営組織の強化を図っております。しかしながら、何らかの理由により中村崇則が当社グループの業務を継続することが困難になった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)人材の採用・育成について

  今後の業容拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。そのため人材の採用・育成を継続的に行っておりますが、今後各事業において人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)情報管理体制について

  当社グループは、提供するサービスに関連して多数の顧客企業の機密情報や個人情報を取り扱っております。これらの情報資産を保護するため情報セキュリティ基本方針を定め、この方針に従って情報資産を適切に管理、保護しておりますが、このような対策にもかかわらず重要な情報資産が外部に漏洩した場合には、当社グループの社会的信用の失墜、損害賠償請求の発生等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(12)知的財産の侵害におけるリスクについて

  当社グループは、提供しているサービスの名称について商標登録申請をしております。また、第三者の知的財産の侵害の可能性については、法務担当及び顧問弁護士並びに弁理士等を通じて事前調査を行い対応しております。しかしながら、万が一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合、当社グループへの損害賠償請求やロイヤリティの支払要求、使用差止請求等が発生し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(13)海外子会社について

  当社グループは、海外子会社においてクラウドサービスの一部を開発しており、当該国の政治・経済・社会情勢の変動に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規則の変更等により当地における事業の継続が困難となる等のカントリーリスクを有しております。カントリーリスクについては顧問契約を締結している現地の会計事務所や法律事務所と情報を共有し適切に対応することでリスクヘッジを行っております。しかしながら、このようなリスクが顕在化した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)自然災害について

  クラウド事業の顧客の情報資産が格納されるサーバーは、東京都内及び大阪府内に分散管理することでリスクを分散させておりますが、データセンターやその周辺ネットワーク設備等に被害を及ぼす災害、事故等が発生し情報資産の消失又はサービスの提供が維持できない状態に至った場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。また、災害、事故等によりIT人材事業における派遣先の重要な設備が損壊し事業活動の停止もしくは事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(15)有価証券の価格変動リスク

  当社グループでは、有価証券を保有しておりますが、市場価格のない株式等以外の有価証券については、株式市場の変動などにより時価が著しく下落した場合には、評価損を計上することとしております。また、市場価格のない有価証券については、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上することとしております。このような状況になった場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)のれんの減損による影響について

 当社グループは、企業買収に伴い生じたのれんを2023年3月期末時点で464百万円計上しております。買収時の収益計画と概ね相違ない進捗であり、減損の兆候はないと判断しているものの、収益性の悪化などによる価値の毀損により、当該のれんの減損処理を実施する場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

  当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する政府による各種政策効果もあり、ウィズコロナの環境下において経済社会活動の正常化の動きが見られました。一方、世界的な物価の高騰が継続するとともに、各国の金融引き締め影響による海外景気の下振れリスクが残っており、先行きについては不透明な状況が続いております。

  当社が所属する情報通信サービス市場においては、働き方の見直しや人手不足等による業務効率化への関心の高まりに伴い、企業業務のデジタル化が進展しており、企業の積極的なIT投資も継続いたしました。

このような経営環境の中、当社グループは、2021年3月期を基準として、2026年3月期までの5ヵ年で売上高をCAGR(年平均成長率)26%から30%、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益100億円以上、純資産200億円以上とする中期経営目標に取り組んでおります。この中で、特に重視している売上高目標の上限であるCAGR30%の達成に向けて、当初4年間は半期ごとに施策や予算を策定することで、外部環境への対応や施策の効果検証を迅速に行いながら、成長投資の強化に取り組むことを計画しております。

中期経営目標の2年目となる2023年3月期において、クラウド事業は、今後の更なる事業成長を見据え、組織体制の強化に取り組むとともに、主力サービスを中心に広告宣伝費の積極的な投下を継続いたしました。IT人材事業については、旺盛な顧客ニーズを背景に、採用を強化するとともに、稼働エンジニアの増加と新規取引先の開拓に取り組みました。

なお、連結子会社のレンタルサーバー等一部事業の会社分割に伴う特別利益、及び関係会社株式の減損処理等による特別損失の計上を行っております。

  この結果、当連結会計年度の業績は、売上高27,399百万円(前連結会計年度比32.8%増)、営業利益1,656百万円(前連結会計年度比4.9%増)、経常利益1,677百万円(前連結会計年度比5.1%増)、親会社株主に帰属す

る当期純利益1,274百万円(前連結会計年度比18.2%増)となりました。

 

 財政状態については次のとおりであります。

a.資産

  当連結会計年度末における流動資産は10,479百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,059百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が1,128百万円、売掛金が981百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は3,594百万円となり、前連結会計年度末に比べ313百万円増加いたしました。主な要因は、のれんが163百万円、顧客関連資産が61百万円それぞれ減少したものの、繰延税金資産が245百万円、差入保証金が164百万円、工具、器具及び備品が125百万円それぞれ増加したことによるものであります。

  この結果、総資産は14,073百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,372百万円増加いたしました。

 

b.負債

  当連結会計年度末における流動負債は4,347百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,369百万円増加いたしました。これは主に、未払法人税等が432百万円、未払費用が365百万円、未払消費税等が344百万円、未払金が157百万円、契約負債が36百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定負債は178百万円となり、前連結会計年度末に比べ72百万円増加いたしました。これは主に、預り保証金が52百万円、長期未払費用が23百万円それぞれ増加したことによるものであります。

  この結果、負債合計は4,525百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,442百万円増加いたしました。

 

c.純資産

  当連結会計年度末における純資産合計は9,548百万円となり、前連結会計年度末に比べ930百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金が剰余金の配当により344百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により1,274百万円増加したことによるものであります。

  経営成績については次のとおりであります。

a.売上高

  当連結会計年度の売上高は27,399百万円(前連結会計年度比32.8%増)となりました。クラウド事業においては「楽楽精算」「楽楽明細」が堅調に推移しており、売上高は22,276百万円(前連結会計年度比33.3%増)となっております。IT人材事業においては企業の旺盛なITエンジニア需要を背景に、売上高は5,122百万円(前連結会計年度比30.9%増)となりました。

 

b.売上原価、売上総利益

  当連結会計年度の売上原価は8,621百万円(前連結会計年度比30.7%増)となりました。これは主に労務費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は18,777百万円(前連結会計年度比33.8%増)となりました。

 

c.販売費及び一般管理費、営業利益

  当連結会計年度の販売費及び一般管理費は17,121百万円(前連結会計年度比37.5%増)となりました。これは主に、業容拡大に伴う給料手当、広告宣伝費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は1,656百万円(前連結会計年度比4.9%増)となりました。

 

d.営業外収益、営業外費用及び経常利益

  当連結会計年度の営業外収益は為替差益、助成金収入等により37百万円(前連結会計年度17百万円)となりました。

  当連結会計年度の営業外費用は関係会社貸倒引当金繰入額等により16百万円(前連結会計年度0百万円)となりました。これらの結果、経常利益は1,677百万円(前連結会計年度比5.1%増)となりました。

 

e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益

  当連結会計年度の特別利益は事業譲渡益等の計上により215百万円となりました。

  当連結会計年度の特別損失は関係会社株式評価損等の計上により52百万円(前連結会計年度52百万円)となりました。

  この結果、税金等調整前当期純利益は1,839百万円(前連結会計年度比19.2%増)となり、法人税等合計565百万円(前連結会計年度比21.5%増)の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は1,274百万円(前連結会計年度比18.2%増)となりました。

 

  セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

a.クラウド事業

  クラウド事業は、主力サービスである楽楽精算、楽楽明細を中心にTVCM等の広告宣伝を積極的に展開し、新規導入社数の増加に取り組みました。

  この結果、売上高は22,276百万円(前連結会計年度比33.3%増)、セグメント利益は1,215百万円(前連結会計年度比0.9%減)となりました。

 

b.IT人材事業

  IT人材事業は、旺盛な顧客ニーズを踏まえ、採用を積極的に行うとともに新たな技術領域への育成を強化し、稼働エンジニア数の拡大に取り組みました。

この結果、売上高は5,122百万円(前連結会計年度比30.9%増)、セグメント利益は440百万円(前連結会計年度比25.4%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,128百万円増加し、5,990百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,181百万円増加し、2,170百万円の収入となりました。増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,839百万円、減価償却費422百万円、未払費用の増加額388百万円、未払消費税等の増加額341百万円、未払金の増加額222百万円であり、減少の主な内訳は、売上債権の増加額902百万円、法人税等の支払額429百万円によるものであります。

 

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が178百万円減少し、699百万円の支出となりました。増加の主な内訳は、事業譲渡による収入161百万円であり、減少の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出625百万円、差入保証金の差入による支出312百万円があったことによるものであります。

 

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が53百万円増加し、348百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額344百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当社グループは、インターネット上での各種サービス及びITエンジニア派遣を主たる事業としており、生産に該当する事項が無いため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

b.受注実績

当社グループは、受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

  至  2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

クラウド事業(百万円)

22,276

133.3

IT人材事業(百万円)

5,122

130.9

合計(百万円)

27,399

132.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、成長投資にかかる人件費及び広告宣伝費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、サーバー等の設備投資、子会社株式の取得等によるものです。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金を基本としているものの、金融機関からの長期借入等について柔軟に対応することとしております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は36百万円であり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,990百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、次のとおりです。

当社グループは1株当たり利益(EPS)の中長期での成長を最重要指標として掲げております。1株当たり利益(EPS)を中長期で大きく伸長させていくために、成長投資を強化して高い売上高成長を実現した後に、効率化を追求して利益成長を実現する方針の中期経営目標を掲げております。

具体的には、2021年3月期を基準として、2026年3月期までの5ヵ年で売上高をCAGR(年平均成長率)26%から30%、2026年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益100億円以上、純資産200億円以上とする新中期経営目標を掲げておりましたが、足元の状況を踏まえ、売上高のCAGRの下限を27%に引き上げます。引き続き中期経営目標の中で、特に重視している売上高目標の上限であるCAGR30%の達成に向けて、当初4年間は半期ごとに施策や予算を策定することで、外部環境への対応や施策の効果検証をしつつ、最速での成長を目指して投資の強化に取り組むことを計画しております。

 

決算年月

第21期

2021年3月

第22期

2022年3月

第23期

2023年3月

売上高

(百万円)

15,387

20,629

27,399

営業利益

(百万円)

3,898

1,578

1,656

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

2,936

1,078

1,274

1株当たり当期純利益

(円)

16.20

5.95

7.03

EBITDA

(百万円)

4,346

2,158

2,263

EBITDAマージン

 

28.2%

10.5%

8.3%

純資産

(百万円)

7,842

8,617

9,548

  (注)1.EBITDA=税金等調整前当期純利益+特別損益+減価償却費+のれん償却費+支払利息

2.EBITDAマージン=EBITDA÷売上高

3.当社は、2020年9月1日開催の取締役会決議により、2020年10月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っておりますが、第21期期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり当期純利益を算定しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2023年5月15日開催の取締役会において、HOYA株式会社が運営するクラウド勤怠管理・給与明細閲覧サービス事業を会社分割(新設分割)して設立予定である新会社の全株式を取得し、100%子会社化することを決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

  当連結会計年度における研究開発活動の総額は14百万円となっております。

  当社グループは「ITサービスで企業の成長を継続的に支援します」をミッションに掲げ、将来を見据えた研究開発や新たな機能の開発スピードが重要な課題であると考えています。安定的な高成長を目指して、中長期の競争力確保につながる研究開発及びノウハウの蓄積を継続的に行っております。セグメント別の研究開発活動の概要は以下のとおりです。

 

(1) クラウド事業

当セグメントの研究開発活動の金額は14百万円であります。主な活動は以下のとおりであります。

 中長期視点での研究開発

中長期視点での技術力強化のために、国内外の様々な事例から調査・分析・検証に関する取り組みを実施しました。当取り組みの研究開発活動の金額は14百万円であります。

 

(2) IT人材事業

当セグメントにおいては研究開発活動を行っておりません。