(1) 経営方針
当社グループは、産業用小型プリンタ専門の開発・製造・販売会社として、「世界的視野に立ち、社会の発展に必要な質の高い技術、商品知識、ノウハウを提供することにより、社会の構成員の一翼を担うと共に、社会的責任を履行する」を経営理念としております。
めまぐるしく進化する情報技術やお客様のニーズが多様化する中、この経営理念を確実に実行するために、「堅実経営」を柱としながら、国内外の市場に対し、当社独自の質の高い技術・商品・サービスを広く社会に提供し、社会とともに永続的な発展を図り強固な企業基盤を確立し企業価値を高めて行くことが重要な使命であると考えております。
また、当社グループは、顧客に提供するサービスの高品質化を図るとともに、環境と調和した社会基盤の形成に資する事業活動を推進しつつ、事業の生産性を向上させる事を目的として、全社レベルでのISO14001 の認証取得、開発・生産部門におけるISO9001の認証取得などに積極的に取り組んで参りました。
今後もお客様志向を基に、企業としての成長と利益を確実なものとして、株主・取引先・従業員・社会に対する責務を果たしていくために、事業に邁進して参ります。
(2) 経営環境
当連結会計年度末には欧米の大手銀行の経営破綻などもありましたが、過去におけるリーマンショック・欧州債務危機なども乗り切った世界経済全体としては、株価など経済指標への影響はすでに織り込み済みの感はあるものの、景気は緩やかに減速しており、世界的な物価高と金融引き締めによる内需の下振れが予測されております。
(3) 対処すべき課題
第46期の対処すべき課題として、以下の項目に重点を置いて事業活動を行っております。
① 市場開発企画部の新設
自社製品の販売拡大を行う部門を新設し、国内外の市場開拓と製品拡販、ブランド化を推進するとともに新商品、売れる製品を企画、開発し販路の開拓を行います。
② アフターコロナ販売戦略
ターゲットとする主な業種として、コロナ禍で低迷していた小売業や飲食業、旅行業、サービス業向けの機器を取扱う大手製造・販売メーカーを中心とした拡販活動を行います。
③ アフターコロナ営業戦略
テレワークから復帰した顧客担当者に対する直接コミュニケーション、製品デモやプレゼンの機会を増やし当社営業の得意とする従来型対面営業の利点をアピールするとともに、今後のテレワーク推進傾向に対応した自動受注システムの開発など、営業手法の多様化に取り組みます。
④ アフターコロナ商品流通戦略
半導体やCPUの不足が常態化していることに伴い顧客に先行受注をお願いしているため受注残高は増加しており、それに伴う製品在庫の積み増しを実施しているが、納期遅延やキャンセルが発生しないよう商品管理を徹底します。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社におけるサステナビリティへの取組としては、環境に配慮した商品づくりと市場への投入、主にISO14001に準拠した冷暖房温度の設定、産業用廃棄物の分別廃棄、休憩時間などのPC、照明の消灯、再生コピー用紙の裏面使用による節約など徹底した取組を行っております。
持続可能な社会の実現のための成長と分配の促進や社員の高齢化対策として有給休暇の取得率向上や残業時間の短縮など健康で長期間働ける社内環境の向上を目指しております。
(3) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
人的資本につきましては、当社は少人数であり、高年齢化が進んでいるため、育成という概念よりも役員及び社員自身による自己管理体制により、個性や経験、能力を最大限に発揮する事が出来、ステークホルダーや一般社会への貢献が出来るものと考えております。また、社会情勢の変化に対応し、ベテラン社員へはパワハラ講習、コンプライアンス講習などの時流の変化に対応した教育を実施、新入社員へは従来型の教育・育成方針を転換し、職能教育やSDGs教育などへの自発的参加を奨励し、若手社員の人的資産価値を高める手助けを行っております。
知的財産及び研究開発につきましては、当社子会社工場において、常時各種のミニプリンタの開発を行っております。また、製品開発の過程において生じた商標、意匠、特許などの知的財産権につきましては、常時グローバルな権利取得を行うこととし、他社権利の侵害防止についてのリスク管理を行っております。
サステナビリティについての環境指標としては、主にISO14001に準拠し、CО2排出量を計算した値となっており、具体的目標値は以下の通りとなっております。
(6) 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標
持続可能な社会の実現のための成長と分配の促進や社員の高齢化対策として有給休暇の取得率向上のため、最低5日の有給取得の強制を実施し、それ以外の有給休暇取得目標の設定や残業時間の短縮目標の設定は、社員各自の自己管理により行うことにより、健康で長期間働ける社内環境の向上を目指しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 仕入先・販売部門
当社の売上高の大半はプリンタメーカーからの仕入商品の販売によるものであります。一方、主要仕入先である大手プリンタメーカーまたはその販売子会社は、産業用小型プリンタに関して独自の販売部門を有しております。これらの販売部門と当社は常に競業関係にあります。当社は取引先ユーザーに対して定期的な訪問を行うことにより顧客ニーズの把握に努めております。
また、少量の受注であっても子会社である日本プリンタエンジニアリング㈱において、カスタマイズ等の対応を行うことにより、一定の顧客層を確保しております。しかしながら、今後、大手仕入先の販売方針の変更等が行われた場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
② 業界動向と業績の変動について
当社グループは、産業用小型プリンタの販売を主要業務としております。また、取扱商品及び製品は多品種となっており、ライフサイクルが長く、顧客の取替投資に対応する必要があるため、販売期間が比較的長期にわたっています。このような中、当社グループの取扱商品及び製品の需要動向は企業の設備投資動向に影響される可能性があります。当社グループでは幅広い業界に販売を行うことにより、個別企業からの受注減少による影響を軽減するよう留意しております。
しかしながら、長期にわたる不況の影響、メーカーの生産拠点の海外移転、競合商品に対するコスト競争力の低下、主要販売分野であるPOSや計測器分野におけるメーカーの統合、IT技術の急激な革新等により当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
③ 為替変動
輸出売上に関しましてはスポットレートにて決済を行っており、為替相場により売上および収益の計上額が影響を受けます。また、外貨取引におきましては、保有外貨(米ドル)を一部輸入代金の決済に回しておりますが、為替に対するヘッジ策をとっておらず外貨預金及び外貨建債権に係る為替差損益の発生等により業績が影響を受ける可能性があります。
④ 知的所有権の侵害について
当社グループは、子会社である日本プリンタエンジニアリング㈱において、新製品の開発を積極的に行っております。そのため新製品開発に係る知的所有権の調査、確認、管理、保全等に努めておりますが、当社グループの認識していない知的所有権等が既に成立している可能性もあるため、今後当社グループが第三者の知的所有権等を侵害しないということを現時点において保証することはできません。従いまして、当社グループが第三者の知的所有権等を侵害し、当該知的所有権等の所有者から当社グループに対して権利侵害を主張してきた場合、当社グループが損害賠償請求を受けたり、当該知的所有権等を使用する製品を提供できなくなったり、使用継続を認められる場合でもロイヤリティ等の支払いを要求される可能性があります。そのような事態が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
⑤ 製造物責任について
当社グループは、子会社である日本プリンタエンジニアリング㈱において、製品の製造、開発を行っており、製造物責任法(以下、PL法という)の適用を受けております。現時点までにPL法に関する訴訟は生じておりませんが、そのような事態が発生した場合、当社グループの製品への信頼性の低下や損害賠償請求等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。また、OEM製品及び自社製品の開発の遅れ等によりクレームが発生し、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
⑥ 災害について
当社グループは、大規模な地震、台風、噴火等の自然災害、火災、疾病、戦争、テロなどにより事務所・設備・社員・取引先などに被害が発生し、当社の財産や営業活動に直接的または間接的な影響を与える可能性があります。災害対策マニュアルの作成、事業継続計画(BCP)の策定などの対策を講じていますが、被害を完全に回避できるものではなく、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 新型コロナウイルス感染症について
当社グループは、新型コロナウイルスを原因とした海外における製造工場の操業停止が現在の在庫不足の原因となり回復需要を満たすことが出来ず、一部の部品や製品の入荷遅延が発生しており、取引先企業の在宅テレワークや臨時休業により営業活動にも支障が生じております。
今後につきましては、出荷遅延はあるものの長期的には耐用年数到来による製品の入替需要は回復するものと認識しておりますが、新たな変異株の発生による感染再拡大などの状況次第で、短期的には当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度は円安による光熱費や物流コスト増、輸入原材料価格の上昇が食料品、生活必需品の物価上昇を招いているものの、中国のゼロコロナ政策解除に伴う経済の上振れ期待や米国経済の底堅さを背景とした世界経済の安定化が期待され、国内ではコロナによる非接触の自動精算機向けや医療機器向け製品の需要増や、長期間のコロナ禍生活の日常化により消費が拡大傾向となり、コロナの影響が徐々に薄れていくことが期待されている事に起因する飲食業・小売業・サービス業を中心とした設備投資の復活に伴い当社の受注も徐々に拡大傾向となりました。
(2) 財政状態の分析
① 財政状態
資産、負債および純資産の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて6.5%増加し、70億55百万円となりました。これは、主として現金及び預金が2億30百万円増加、商品及び製品が2億23百万円増加したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて2.6%増加し、21億28百万円となりました。これは、主として投資有価証券が87百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて5.5%増加し、91億83百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて4.0%増加し、18億61百万円となりました。これは、主として支払手形及び買掛金が5億22百万円減少し、電子記録債務が6億21百万円増加したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて8.1%増加し、4億52百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて4.7%増加し、23億14百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.8%増加し、68億69百万円となりました。これは主としては利益剰余金が2億91百万円増加、その他有価証券評価差額金が84百万円増加したことによります。
1株当たり純資産は、前連結会計年度末に比べて71円45銭増加し、1,305円30銭となりました。また、自己資本比率は、前連結会計年度末の74.6%から74.8%となりました。
② 財政政策
当社グループの財政政策の基本につきましては、運転資金は内部資金により賄うこととしており、当面借入金による資金調達を行わない方針であります。
(3) 経営成績の分析
① 経営成績
売上高は、61億72百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
営業利益は、5億22百万円(前年同期比10.6%増)となりました。
経常利益は、主に為替差益が前年同期に比較して63百万円減少したことにより、6億34百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、3億96百万円(前年同期比4.8%減)となりました。
商品群別業績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における商品群別売上は、
ミニプリンタメカニズムが1億62百万円(前年同期比5.5%増)。
ケース入りミニプリンタの売上高は32億63百万円(前年同期比0.1%増)。
ミニプリンタ関連商品は10億80百万円(前年同期比21.9%増)。
消耗品は4億56百万円(前年同期比3.5%増)。
大型プリンタは1億17百万円(前年同期比1.1%増)。
その他は10億92百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
② 生産、受注及び販売の状況
当社グループの報告セグメントは「ミニプリンタの開発・製造・販売事業」のみですが、以下ではより詳細な区分に分類し開示を行っております。
※1 金額は、製造原価となっております。
※2 ミニプリンタメカニズムを含んでおります。
※ その他の商品のうち主な商品は、PC、タブレット、ディスプレイ、サイネージ、スキャナー、
カードリーダーとなっております。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、(以下「資金」という。)前連結会計年度に比べ14億12百万円減少し10億35百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によって獲得した資金は、3億7百万円(前年同期2億56百万円)となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の計上6億7百万円、減価償却費85百万円、仕入債務の増加98百万円のインフローに対し、為替差益89百万円、棚卸資産の増加2億1百万円、法人税等の支払額2億49百万円のアウトフローとなったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によって支出した資金は、16億62百万円(前年同期は収入2億98百万円)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入23億82百万円に対して、定期預金の預入による支出40億15百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動により支出した資金は1億36百万円(前年同期1億42百万円)であり、これは主に配当金の支払1億3百万円によるものであります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは 第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) に記載しております。
仕入関係契約
当社グループにおける研究開発活動は、従来どおり、市場ニーズを先取りし、顧客に信頼される耐久性ある商品の企画・開発を旨としております。
流通業向けのプリンタについては、従来の製品組込みタイプの他、PCと販売・在庫管理などのシステム、キャッシュドロワー(現金収納箱)、ディスプレーやタブレットと一体で販売される卓上プリンタの出荷も増加しており、I/ О機器とPCやタブレットなどのCPU相互のデジタル情報をコードレスでやりとりする無線LANなどのIT技術に対応するため、当社における営業情報や、営業受注の内容に基づき、日本プリンタエンジニアリング㈱において新技術の開発に注力すると同時に、新製品の開発、製造を行っており、具体的には以下の製品の開発製造を行っております。
(1) 様々な管理システムに対し、単独でキオスク端末のサービスを提供のできるプリンタの開発。
(2) 海外市場、主に北米や欧州のニーズに合った外観や機能を備えた海外市場特化製品の開発。
(3) 付加価値が高く利益を確保できる製品と低価格の製品の二極化への対応。
① 高付加価値製品としては、医療、金融、物流、駐車場、サービス、環境配慮など使用目的による特殊性に配慮した製品の開発や、特に医療機器向けにはスマートバッテリー制御の組み込み、新プリントエンジンの開発等を実施。
② 低価格の製品としては、利便性と価格を最優先とする様々なシーンにおいて手軽にプリントできるような汎用性の高い製品。
当社グループの報告セグメントは「ミニプリンタの開発・製造・販売事業」のみであり、当連結会計年度における研究開発費は