OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。
OKIグループは、“OKIは「進取の精神」をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する。”という企業理念のもと、ミッションクリティカルなモノづくり・コトづくりを通じて社会課題を解決する「社会の大丈夫をつくっていく。」企業であります。
OKIグループを取り巻く経営環境については、気候変動などの環境問題や紛争等、グローバルな不確実性がさらに高まっていると認識しております。新型コロナウイルスの影響に加え、地政学リスクなどの影響による原材料費・エネルギー価格の変動など、様々な変化が続き、世界経済や人々の生活に大きな影響を与えております。このような環境の変化が事業に与えた影響は大きく、「中期経営計画2022」は未達となりました。こうした不透明な経営環境を乗り越え、持続的な成長を実現するためには「環境変化への対応力強化」が必要であると考えております。加えて、デジタル技術の進展、人々の意識・行動の変化やサステナビリティに対する意識の高まりなど、世の中の大きくかつ急速な流れのなかで、価値を創出し続ける企業文化への変革を推進してまいります。
2023年度は、2025年度を最終年度とする「中期経営計画2025」を策定し、創業150年を迎える2031年のありたい姿の実現に向けて、キーメッセージ「社会の大丈夫をつくっていく。」のもと、成長へ舵を切り、環境変化への対応力を強化してまいります。新中計では、縮小均衡から抜け出し、着実な売上確保と収益力の回復により、毀損した財務基盤の回復に取り組みます。具体的には、意思決定のスピードと総合力の向上を軸としたシンプルな事業体制の下、事業の位置づけを明確化し、事業毎に最適な戦略を実行する事で着実な売上確保と収益力の強化を図ります。そしてOKIの強みであるエッジ技術やノウハウを活用し、既存事業領域はもちろんのこと、成長が見込まれる新しい領域にも積極的にチャレンジし、将来事業の創出を目指してまいります。さらには新中計の策定とあわせ、アップデートしたマテリアリティ 「社会課題を解決するモノ、コトの実現」、「事業活動を通じた環境負荷低減」、「価値を創出し続ける企業文化への変革」、「持続的成長を支える経営基盤強化」を実践し、サステナビリティ経営を着実に進めてまいります。
OKIグループ(当社及び連結子会社)のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ全般
OKIグループは企業理念に基づき、「社会の大丈夫をつくっていく。」企業としてサステナビリティの取り組みを推進しております。商品・サービスを通して社会課題・環境課題の解決に貢献するとともに、自社拠点におけるCO2排出など環境負荷の低減、多様な人材が前向きに活躍できる職場づくりなどを進め、これらの活動を支えるガバナンスを整備してまいります。
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ガバナンス |
● OKIグループは気候関連リスクをはじめとするサステナビリティ関連リスクを管理し、特定したマテリアリティに基づく取り組みを推進するため、2020年度に代表取締役社長を最高責任者とするサステナビリティ推進ワーキンググループ(WG)を設置しました。2023年4月には同WGをサステナビリティ推進部として専任組織化し、新たにサステナビリティ担当役員を設置しております。 ● サステナビリティに関する重要事項については、経営会議において決定しております。上述の推進組織は、マテリアリティを具体化した環境・社会・ガバナンスの取り組み状況や課題について、経営会議への報告を行っております。 ● 取締役会に対しては、事業に大きな影響を及ぼす事項が報告されます。2022年度は、「OKI環境ビジョン2030/2050」の改定、及び「OKIグループ人権方針」の制定などについて審議が行われました。 |
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リスク管理 |
● OKIグループはサステナビリティ関連リスクを含む企業活動に関連するリスクを的確に把握し管理するため、代表取締役社長を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。同委員会はリスク管理に関する基本方針を審議・決定するとともに、これに基づいて管理すべきリスクとそのリスク主管部門を特定し、その顕在化予防のための方針、及び危機が顕在化した場合の対応に関する方針などを審議・決定しております。 ● 各社、各部門に存在するリスクは、経営レベルで検討すべきリスク(経営リスク)、事業に関連し認識・特定すべきリスク(事業リスク)、及び各社、各部門に共通に存在しグループ横断的に管理すべきリスク(共通リスク)の三つに定義・分類しております。このうち共通リスクについては管理すべきリスクを選定し、統括主管部門が顕在化予防のための施策をグループ内に展開して、その実施状況をコンプライアンス委員会が定期的に確認するマネジメントサイクルを構築・運用しております。 |
(2)気候変動への対応
OKIグループは、気候変動が深刻化するなか、社会課題の解決を通してより良い地球環境を次世代に継承することをミッションと捉え、環境に関連する経営上のリスクや機会を中長期の視点で考慮し、環境経営を推進しております。
<気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD※1)に沿った開示情報>
OKIは経済と環境の好循環の観点から2019年5月にTCFDに賛同し、気候関連のリスクや機会とそれらへの対応策を組織的に管理するとともに、その内容の情報開示の充実を図っております。
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ガバナンス |
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戦略 |
以下のとおり、シナリオ分析によるリスクと機会の特定及び対応を実施しております。 ● 国際機関が発行する気候変動に関するレポートなどを踏まえて、物理的/移行リスクを特定し、気温上昇が4℃になった場合の気候変動の激甚化、気温上昇を1.5℃に抑えるための社会変動を念頭にシナリオ分析を行っております。 ● シナリオ分析においては、後述のとおり気候変動、資源循環、汚染の予防の観点も網羅し、これらのシナリオ下におけるリスクと機会を特定、対応策を設定して、今後発生しうる事象への柔軟な対応力の向上を図っております。 |
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リスク管理 |
OKIグループ全体のリスク管理については ● 年に1回以上、気候変動に関連する最近の事象を抽出し、これらがもたらすリスクや機会の影響度/頻度/発生時期などを評価し重要度を特定しております。 ● 上記のリスクと機会に対する対応策を検討し、環境経営のグループ全体の計画を策定し、各組織や各拠点の環境実行計画に落とし込んでおります。これらの計画の実行状況は内部監査などによりチェックされ、必要に応じて是正されます。このプロセスはOKIグループ全体の環境マネジメントシステムにおいて統合的に管理されております。 |
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指標及び目標 |
<使用する指標> ● 自社拠点を含むサプライチェーンにおける事業活動に伴うCO2排出量(SCOPE1+2、SCOPE3) ● 環境貢献売上高 <目標> ● CO2排出量2030年度目標(SBT※2準拠):自社拠点のCO2排出量※3 42%削減、調達先と製品使用時のCO2排出量※4 25%削減(いずれも2020年度比)としております。 ● 環境貢献売上高2030年度目標:対グループ全体売上高比率 50%としております。 <実績> ● 当社Webサイトをご参照ください。2022年度の各指標に関する実績は、統合報告書「OKIレポート」発行時(2023年10月予定)に掲載いたします。 ・Webサイト 環境への取り組み:https://www.oki.com/jp/eco/ |
※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):気候変動に対する企業の対応について、投資家への情報開示の必要性を勧告する提言
※2 SBT(Science Based Targets):パリ協定が求める水準と整合した、温室効果ガス排出削減目標基準
※3 SCOPE1(燃料由来)+SCOPE2(電力由来)
※4 2020年度SCOPE3実績の67%以上を占める、SCOPE3のカテゴリー1(購入した製品・サービス)とカテゴリー11(販売した製品の使用)の合計
<シナリオ分析を踏まえた戦略>
気温上昇を1.5℃に抑えるための社会の変化が進むと、炭素税などの法制、技術進化、市場ニーズの変化などが生じ、OKIグループの脱炭素ソリューションへのニーズが高まると分析しております。気温上昇が3〜4℃となった場合、気候変動の影響による激甚災害に伴う物理的リスクが高まり、OKIグループの自社拠点を含むサプライチェーンに重大な影響が生じる可能性があります。また、激甚災害の予防策としての防災情報システムなどのニーズが高まると考えられます。
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シナリオ分析 |
戦略・施策 |
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カテゴリー |
想定する事象 |
リスク/機会 |
将来の財務への影響 |
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気候変動 1.5℃シナリオ <移行リスク>
IEAの持続可能な開発シナリオ(SDS)とIPCCのSSP1-1.9と1-2.6を参照 |
脱炭素ニーズの一層の高まり、広範囲化 |
リスク |
● ハードウェア製品に対する省エネ基準や顧客要求未達による販売機会の喪失 ● 製造プロセスに対するお客様からの再生可能エネルギー使用の要請への対応 ● 事業拠点における脱炭素強化に伴うコストアップ |
● SBT1.5℃に準拠したCO2排出量削減目標の設定と以下の施策の推進 ●商品:ハードウェア製品の省電力化 ・ 規制強化を先取りした開発目標の設定 ・ 研究開発や技術開発の強化及び商品化の加速 ●拠点:CO2排出ゼロ(ZEBなど)に向けての下記の施策を推進 ・ 省エネの徹底:拠点の生産設備、ファシリティの高効率化、全業務の効率化 ・ 省エネの導入:自拠点での再エネ設備設置、再エネ由来の電力契約など |
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機会 |
● OKIグループの以下の商品に対する需要の拡大 ・脱炭素/省力化ソリューション ・再生可能エネルギー普及を支援する技術 ・ハードウェア製品に対する再生可能エネルギー駆動型製品 |
● 商品:環境貢献商品の拡大と創出 ・ 環境貢献売上高の見える化と訴求 ・ IoTやAIを活用した脱炭素/省力化ソリューションの創出 例:交通分野、建設/インフラ分野、金融・流通分野、海洋分野、ビジネスコミュニケーション分野、ビルエネルギー管理分野 ・ 業務受託によるお客様業務の効率化支援 例:ATMのフルアウトソースサービス ・ 再生可能エネルギー駆動型ハードウェア製品の拡大 例:ゼロエナジーゲートウェイ ・ 研究開発の強化(AI軽量化など) ・ 社内における脱炭素タスクフォースの立ち上げ |
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気候変動 4℃シナリオ <物理的リスク>
IPCCのSSP5-8.5を参照 |
異常気象の増加と激甚化(風水害の増加/極端な熱波・寒波/落雷増加) |
リスク |
● 拠点・調達先:工場や調達先の被災による、事業所資産の損失/稼働停止/サプライチェーンの寸断 ● 拠点:気温上昇に伴う装置故障 |
● 拠点:気候変動BCP/BCMの強化 ・ 止水板の設置、設備の嵩上げ ・ 製造設備の落雷時停止装置 ・ 検査装置における空調設備の冗長化 ● 調達先:調達BCPの強化 ・ 調達先に対する気候変動リスクの調査の強化 |
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機会 |
● 商品:OKIグループの防災・減災高度化対応商品への需要の拡大(防災分野、海洋分野) |
● 商品:防災情報システムなどの事業展開強化 |
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シナリオ分析 |
戦略・施策 |
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カテゴリー |
想定する事象 |
リスク/機会 |
将来の財務への影響 |
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化学物質による 汚染の予防 |
対象法令物質の拡大、複雑化 |
リスク |
● 商品:含有化学物質の基準違反 ● 拠点:施設老朽化に伴う汚染 |
● 商品:グループ全体の運用共通化の強化 ● 拠点:施設の点検・交換基準の見直し |
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機会 |
● 商品:化学物質管理の効率化需要の拡大(製造分野) |
● 商品:製品含有化学物質の分析サービス、調査システムの展開 |
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資源循環 |
海洋プラスチック、マイクロプラスチック対応の法令強化 |
リスク |
● 拠点:廃棄物処理費用の高騰、処分業者による引き取り拒否 ● 商品:資源の枯渇リスク、部材の供給不足リスク |
● 拠点:廃棄物削減 ・ プラスチック梱包材のリユース ・ 金属素材からの採取率向上による廃棄率削減 ● 商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品からの部品回収とリユース |
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機会 |
● 商品:省資源製品やリサイクルサービスの需要拡大 |
● 商品:広域認定処理制度を活用した使用済み製品回収によるお客様負担の軽減 |
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(3)人的資本・多様性
OKIグループは、人材を最も重要な経営資源の一つと位置づけ、多様な人材が最大限能力を発揮できる環境の整備と人材育成に取り組んでおります。
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戦略 |
● 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針 OKIグループは、多様な人材が前向きに活躍することが持続的な成長の鍵であるとの考えに基づき、そのための環境づくりと、適材の確保・育成・配置を実現する人材施策を推進しております。 ・多様な人材が前向きに活躍できる環境づくり 1)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 多様な人材がやりがいを感じながら仕事に取り組み、最大限に能力を発揮できる企業文化の醸成に向け、社内の啓発活動や多様性に配慮した制度の構築、効率性を高める柔軟な働き方の実現、一人ひとりを評価し任用する仕組みの整備などに取り組んでおります。 2)多様な働き方を実現する人事制度や労働環境の整備によるエンゲージメント向上 誰もが仕事とプライベートの両立を目指すために、労使で労働時間や休暇取得状況を確認するとともに、仕事と育児・介護などの両立を支援する各種制度を整備しております。各施策が社員一人ひとりの働きやすさ、働きがいにつながっているかは、年1回、OKIグループ全社員を対象とした意識調査で確認し、改善の検討につなげております。 ・事業環境の変化に合わせた適材の確保・配置・人材育成 1)人材の採用、配置 持続的成長の観点から、新卒採用の拡大・継続とキャリア採用の拡大に取り組み、既存ビジネスにおける人材確保と同時に新しいビジネスを創出するための人材採用を進めております。また、キャリア・デベロップメント・プログラム(CDP)による上長との年1回の面談やFA制度の利用により、社員が納得して働ける環境や配置を実現しております。 2)「自律型社員」の育成 自らの役割に応じて柔軟な対応ができ、周囲の人を巻き込んで成果を創出する「自律型社員」を育成するため、「業務経験を通じた人材育成」と「研修・学習を通じた人材育成」を両輪として社員一人ひとりの自己成長を促進しております。
● 社内環境整備に関する方針 OKIグループ行動規範に「労働安全衛生に関する法令や社内規則を遵守し、安全で清潔な職場環境づくりに努める」ことを掲げるとともに、労働法関連リスクを(1)サステナビリティ全般「リスク管理」に記載した「共通リスク」として、社員の健康と安全に取り組んでおります。 ・労働安全衛生の取り組み OKIは、労使で構成する「安全衛生委員会」を各地区に設置して安全衛生体制を構築し、計画的に社員の危険及び健康障害の防止・健康増進対策を進めております。また、年に一度、「中央安全衛生委員会」を開催し、各地区の活動の評価や水平展開を行っております。 ・健康経営への取り組み 心身ともに健康であることによって社員一人ひとりが十分な力を発揮できることを目指し、「OKIグループ健康経営宣言」のもと、産業保健スタッフを含む会社と健康保険組合が連携する「コラボヘルス」体制で健康経営を推進しております。 |
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指標及び目標 |
上記戦略に記載した項目のうち、以下について具体的な指標・目標を定めております。 ● 人材の多様性の確保を含む人材の育成 ・多様な人材が前向きに活躍する環境づくり 1)ダイバーシティ&インクルージョンの推進 OKIの女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画(2020年4月1日~2023年3月31日)の目標と実績は以下のとおりであります。いずれの指標についても、2022年度の目標は未達となりました。正社員の時間外労働時間に関しては、新たな制度やプロジェクトへの対応のため労働時間が増加したことが、また女性管理職比率に関しては、登用の対象層において育児・介護などライフイベントとの両立が課題となり、計画通りに登用が進まなかったことが、未達の背景にあると認識しております。 <女性活躍推進法の事業主行動計画における目標と実績(OKI)>
※ 2019年度月平均以下を目標値としております。
2)多様な働き方を実現する人事制度や労働環境の整備によるエンゲージメント向上 国内グループ全社員を対象とした意識調査の「働きがい(働きやすく、働きがいをもって働けるか)」項目について、ポジティブ回答※を70%とすることを目標としております。実績は以下のとおりで、悪化傾向となりました。この背景には、コロナ禍を受けたリモートワークなどの環境整備状況や新たな環境における業務遂行プロセスの変化など、働きがいに影響を与えた複数の要因が考えられます。 <国内OKIグループ全社員を対象とした意識調査結果。()内はOKIの数値>
※ ポジティブ回答:とてもそう思う/どちらかと言えばそう思う
OKIは上記1)、2)に記載した目標未達に関する課題認識にたち、2023年4月に人事総務部 組織風土改革室を新設しました。同室を中心に、ダイバーシティ&インクルージョンの施策推進や、アフターコロナも踏まえた社員の働きがい向上などに取り組んでまいります。
● 社内環境整備に関する方針 ・健康経営への取り組み OKIグループが重点的に取り組むべき健康課題を「からだ」「こころ」「いしき」の3つの観点で整理し、2021年度から5年間の計画で指標と目標を設定して健康づくりの施策を推進しております。目標及び実績の推移(国内OKIグループ)は以下のとおりであります。
※ 1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施している社員の割合
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OKIグループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該事項は2023年3月31日現在においてOKIグループが判断したものであります。
また、業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。OKIグループはこれらのリスクを認識し、その影響の最小化に取り組んでまいります。
(1)世界の政治経済の動向に係るもの
OKIグループの製品に対する需要は、製品を販売している日本国内、海外の各地域の政治経済状況の影響を受けます。
OKIグループの海外市場は米州、欧州、アジア等であり、当該地域における売上は当連結会計年度においては610億円(連結売上高比率16.5%)となりました。これらの海外市場をはじめとする各地域においてエネルギー不足、物価上昇、サプライチェーンの混乱等が発生した場合、OKIグループ製品への需要縮小や、半導体等の部品供給不足によるハードウェア製品の製造遅延等が発生し、OKIグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、各国での急激な金融引き締めによる景気後退及びそれに伴う需要の縮小、製品に対する輸入規制を含む各地域の法律・規制等の変更により、OKIグループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
なお、各事業における海外向け売上については、定期的に売上状況等をモニタリングするとともに、海外各国の政治経済の変動による影響を極力早期に認識するよう努め、さらに売上が個別地域に過度に集中しないようにする等適切な対策が必要であることを認識しております。また、サプライチェーンの混乱に伴う影響については、調達先の拡大や設計変更による代替部材対応等によりその影響の低減を図っております。
(2)カントリーリスクに係るもの
OKIグループは海外に29の子会社を有しており、数多くの販売・生産拠点が存在しております。対象地域は、主な生産・製造拠点としてタイ、ベトナム、また、主な販売拠点として欧州、米国、中国のほか、インド等があります。
それらの国、地域において、感染症、公害病等の疾病の蔓延に起因した社会的混乱、生産、物流の停滞等が発生する可能性があり、それらの影響を受け、原材料部品の調達の支障、生産の遅延等により事業そのものに影響が及ぶ可能性があることを認識しております。
さらには、クーデター・紛争・革命、または、暴動・テロ・自然災害等による社会的混乱、それらに関連して、OKIグループの資産の接収、収用、また、人的・物的被害が発生する可能性があることを認識しております。
そのようなリスクが高まる場合、または、具体的な危機事象が発生した場合は、代替の原材料部品・物流ルートの確保、また、関連する拠点の機能の移管、それらの影響により人材が不足する場合は、補完人員の確保等の代替手段の確保が必要であると考えております。
また、発生した事象を的確に分析し、採算性も含め適切な事業運営が継続できないと判断した場合には、撤退も含めた対応の検討が必要であることを認識しております。
(3)外国為替の影響に係るもの
OKIグループは海外での事業展開、主要製品の生産を行っており、日本国内、海外の政治経済の状況に影響を受ける為替変動リスクにさらされております。その結果、OKIグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、外貨建て資産と負債のポジション不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリー取引等によりリスクヘッジを実施しております。さらに、投機的な取引は原則禁止しております。これらにより、OKIグループとして外国為替の影響を極力抑制するよう努めております。
(4)金融市場・金利変動に係るもの
OKIグループの有利子負債は、金融市場及び金利変動の影響を受けます。現在のOKIグループの長期・短期借入金残高の合計は1,180億円でありDEレシオは1.2倍となっております。また、当連結会計年度における支払利息は19億円となりました。金融市場、または、OKIグループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生した場合、OKIグループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、借入には、金利スワップ取引を行う等さまざまな対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持するよう努めております。従いまして、OKIグループとして金利上昇の影響は極めて限定的と考えております。
また、株式市場の低迷や資産の運用環境が悪化した場合には、OKIグループが保有する上場株式や年金資産の価値が下落し、評価損の計上や純資産の減少により、OKIグループの業績と財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
なお、政策保有株式については、毎年個別銘柄ごとに定量的・定性的要因を考慮し、保有株式の縮減に取り組んでおります。
また、年金資産は企業年金の積立金の運用を行っておりますが、その運用目標等は、資産運用委員会が起案し、代議員会にて決定しております。両会のメンバーは、従業員代表、並びに、財務及び人事部門の専門性を有するもので構成されております。
(5)法規制に係るもの
OKIグループは事業展開する日本国内、海外の各地域において、事業・投資の許認可、国家安全保障、環境関連法規制、情報保護関連規制、外国貿易及び外国為替法関連規制、競争法関連規制、経済制裁規制等の理由による輸出入制限、税務制度等、さまざまな法規制の適用を受けております。
また、日本国内においては、製品・サービスにかかわる法規制・技術基準、下請法、建設業法、労働安全衛生法、さらには、インターネットその他の高度情報通信ネットワークに関しては、サイバーセキュリティ基本法等の適用も受けております。
日本国内、海外において、これらの法規制(類似・同種の法規制含む)等を遵守できなかった場合、追加費用が発生し、事業活動に支障をきたす可能性があります。加えて、お客様の信用、社会の負託を失うこととなり、結果としてOKIグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、上記の法規制をはじめとしてOKIグループの事業に密接に関係する各法規制については、OKIグループ内にて法規制の遵守を徹底させるべく、統括する主体となる部署を指定し、社員教育の推進、遵守状況のモニタリング等、全社横断的に法規制の遵守を推進しております。
また、必要に応じ、弁護士、コンサルタント等の専門家並びに専門機関の協力を得て、対策を講じております。
なお、個別項目においても法規制が関係する場合には、当該項目にて法規制影響等について記載しております。
(6)事業別市場の動向・製品・サービスに係るもの
OKIグループでは、事業セグメントとして、①ソリューションシステム事業②コンポーネント&プラットフォーム事業に区分し、それぞれ取り扱う製品・サービス機軸について日本国内、海外の包括的な戦略を立案し、事業活動を展開しております。それぞれの事業において、OKIグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があるものを以下に記載します。
①ソリューションシステム事業
当連結会計年度は売上高1,794億円(連結売上高比49%)、営業利益85億円となりました。当事業におけるビジネス領域は、各種社会インフラシステム、通信キャリア向け機器、金融・流通関連システム、IoT関連システム等多岐にわたります。
特に近年ではDXに対する社会の期待と目覚ましい発展、IoT、AIの急速な技術進化と活用、5Gサービスの社会実装への展開が進展する等、ソリューションシステム事業において、それらの領域に注力し、持続的に成長することが重要課題であることを認識しております。
これらの技術進展と活用に後れを取った場合、社会インフラの領域においては、老朽化インフラを安心安全に利用するためのモニタリング、予兆保全といった新たな事業機会の獲得を逸する可能性があります。
また、民需の領域においては、お客様の事業環境の変化、要望の変化に対応できず、競争力を失い、新たなビジネス機会の喪失だけでなく、既存ビジネス領域における市場を喪失する可能性があります。
新規ソリューションの領域のなかには、お客様の課題に対するコンセプト検証段階のものも多く、本格的な市場の立ち上がり遅れが懸念されます。
こうしたリスクに対し、各ビジネス領域における事業拡大を目的に、各領域におけるお客様の事業環境、新規ソリューション導入の進捗等の情報共有、OKIのDXソリューション、プロダクトの事業領域間をつなぐ横展開の検討、DX領域の共創パートナーとの情報共有と活用を推進すべくタスクフォース活動を実施しております。また、OKIのDX戦略の柱となるAIエッジ技術拡大のため、社内AI人材の育成、AIエッジパートナーシップ構築による持続的な共創活動確保を進めております。
なお、ビジネス領域の拡大とポートフォリオ拡充による持続的な成長を目的として、特機システムの領域においては、2022年4月1日に事業を譲り受け航空機器市場に参入しました。統合による効率化など適切なPMI対応を推進しております。
②コンポーネント&プラットフォーム事業
当連結会計年度は売上高1,892億円(連結売上高比51%)、営業損失は1億円となりました。当事業におけるビジネス領域は、さまざまな自動化端末・機器の提供と運用サービスを行うコンポーネントビジネス領域と、EMS(Electronics Manufacturing Services)/DMS(Design & Manufacturing Services)を中心にモノづくりそのものをサービス提供するプラットフォームビジネス領域で構成されております。
コンポーネントビジネス領域は、現金処理機、ATM、発券端末、プリンターといった商品群を、社会インフラを中心とする多様なお客様に提供しております。キャッシュレス、ペーパーレスという大きな流れを認識しつつ、拡大する労働者不足・働き方改革・非対面/非接触といったグローバルな社会課題に応える自動化・省人化商品の継続的な開発・リリースが重要課題であることを認識しております。
また、プラットフォームビジネス領域は、プリント配線基板・ケーブルといった構成品レベルの提供から、受託製品の設計開発・生産・評価試験まで幅広くモノづくりプロセスをサポートしております。EMS、自動機、情報機器の3領域の統合効果を活かした受託プロセス・受託製品の対象拡大を行いながら得意とするハイエンド市場での売上拡大が重要課題であることを認識しております。
OKIグループとして、上記の2つの事業における市場動向への追随、お客様のニーズに叶う製品設計・サービスが実施できない場合、既存事業にとらわれない研究開発やイノベーションが功を奏せず、新商品・新技術の創出が為されない場合、新たな収益源となるような新事業が構築できない場合は、OKIグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、OKIグループでは、商品開発の加速、成長領域へのリソースの再配置、既存市場における一層深度ある事業展開等に継続注力し、事業の成長・継続に努めております。
なお、持続的成長に向けた事業戦略をスピード感をもって実行に移すため、2023年度に大幅な組織再編を実施しております。組織再編については、「第1 企業の概況 3 事業の内容」をご参照ください。
(7)調達に係るもの
OKIグループの調達活動では自然災害や調達先の事業方針転換等の不測事態の発生による資材調達不足、さらには、それらに影響を受けてOKIグループ自体の工場稼働率の低下等による納期の遅延等が発生する場合、OKIグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、サプライチェーンにおける人権侵害の発生も資材調達の不足、遅延を生じるリスクとなりOKIグループの業績に影響を与える可能性があります。
OKIグループでは、特定の製品、部品や材料を複数の調達先より調達する仕組みをとっております。資材不足、生産設備の非稼働が余儀なくされる場合は、資材調達先の代替確保、代替生産設備の確保や適切な在庫管理等に尽力する体制を構築しております。また、CSR調達を意識した確認等を実施しております。
これらにより、OKIグループとして調達に係るリスクの影響を極力抑制するよう努めております。
(8)重要な特許関連契約及び技術援助契約に係るもの
OKIグループは、日本国内、海外の複数の企業との間で知的財産関連契約または技術援助契約を締結しております。これらの契約が適正に遂行されない場合の他、不公平な内容で契約が締結された場合、また、その知的財産、援助技術が適正に活用されない場合には、OKIグループの関連する日本国内、海外の事業に影響を及ぼす可能性があります。
なお、OKIグループの製品・サービスには、OKIグループ独自の技術を効果的に活用し、多方面にわたり、その性能に反映させております。他方で、他者の知的財産を尊重すると共に、OKIグループの製品・サービスに許可なく実施することのないように侵害予防調査を実施しております。
また、関連する契約に関しては、社内の知的財産及び法務に関連する専門部署による内容の精査等を実施しております。
これらにより、OKIグループとして知的財産関連契約並びに技術援助契約に関するリスクの影響を極力抑制するよう努めております。
(9)品質に係るもの
OKIグループは提供する製品・サービスについて品質管理の徹底に努めておりますが、品質の責任が担保できない場合、その欠陥に起因したリコールの処置費用及びお客様あて賠償責任・費用が発生する可能性があります。
しかしながら、OKIグループ「品質理念」のもと、事業ごとに品質責任と権限を定め、個々の事業特性に則した品質マネジメントシステムを構築し、商品の企画から製造・保守・運用に至るまで、全ての業務プロセスにおいて、品質向上に努めております。
特に安全に関しては、法令遵守に留まらず、OKIグループ「商品安全基本方針」に従った安全・安心の確保に取り組んでおります。
また、品質不正を起こさない取組みとして、教育、品質アンケート、現場調査等を実施し、運用の徹底をはかっております。これらにより、OKIグループとして品質に関するリスクの影響を極力抑制するよう努めております。
(10)M&A、アライアンスに係るもの
OKIグループは、業容拡大、経営の効率化等を目的に、研究開発、製造、販売等、多岐にわたり他社とのアライアンス、事業買収、関係会社の統合等を日本国内、海外で適宜推進しております。
しかしながら、経営戦略、製品・技術開発、資金調達等について相手先と当初想定した協力関係が維持できない場合や、不公平な内容の契約締結、関連契約の相手先による一方的な反故、契約違反等が発生した場合、また、M&A、アライアンスにより参入を計画した市場において、当初想定した市場の開拓がなされない場合は、OKIグループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
一方で、相手先との取引開始時には、先方についての信用調査、コンサルタントの活用、また、各種の契約締結時には、社内の知的財産、及び法務に関連する専門部署による内容の精査、市場調査等を実施し、M&A及びアライアンスに関するリスクの影響を極力抑制するよう努めております。
(11)環境保全に係るもの
OKIグループでは、生産活動において、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる化学物質等を使用・排出する工場があります。また、工場やオフィスにおける電力等のエネルギーの使用やお客様による製品使用を通じて間接的にCO2を排出しております。
気候変動に伴う社会変動リスク(移行リスク)としては、投資家やお客様等から、再生可能エネルギーの導入等による温室効果ガスの排出量の抑制等への要求が急速に高まりつつあり、こうした要求に応えられない場合や、OKIが得意とするIoT、AI、制御等の技術を気候変動に伴うビジネス機会に活かせない場合には、販売機会の逸失等につながる可能性があるものと考えられます。
また、気候変動の影響による風水害等の激甚化に伴うリスク(物理的リスク)としては、自社及び取引先における工場や調達先の被災による、事業所資産の損失・稼働停止・サプライチェーンの寸断リスクなどが想定されます。このほか、風水害等に起因し許容範囲を超えて環境汚染が生じるリスクがあります。環境汚染が発生した場合、賠償責任の発生や販売機会を逸するリスクがあります。
OKIグループでは当該リスクを低減するために、ISO14001統合認証を取得し、環境法規制等の遵守、環境負荷の低減活動、環境関連データの監視、再生可能エネルギーの導入検討のほか、気候変動起因のBCP・BCM、環境貢献売上高の拡大等を推進しております。
その一環として、OKIグループ中長期環境ビジョン2030/2050において、工場を含む全拠点で使用するエネルギー起源CO2排出量を2050年に実質ゼロとする長期目標を掲げるとともに、2022年にはSBT(パリ協定と科学的に整合する温室効果ガス削減目標)にコミットし、脱炭素の2030年度目標をSBTに準拠した内容にビジョンを改定しました。この目標の達成に向け、本庄工場のH1棟が大規模生産施設として国内初の『ZEB(Net Zero Energy Building)』を取得するなど、再生可能エネルギーの導入を進めております。
これらの活動により、OKIグループに関連する環境リスクは限定的と考えております。
(12)社内システムに係るもの
OKIグループでは、社内業務において多種多様なコンピューターシステムを運用しております。システムの運用については、適切な使用、システムトラブルの回避、情報の社外漏洩の防止等を実施すべく、各種マニュアル類の制定、システム機器の適切な取扱いの励行、情報の暗号化等、多面にわたり対応を行っております。
しかしながら、防御策を講じてもなお外部からのサイバー攻撃、コンピューターウイルスの感染、システム機器の不適切な取扱等により、システムの停止、情報漏洩の発生等の可能性があることを認識しております。
特に企業を狙ったサイバー攻撃が多発しておりますが、OKIグループにおいても、2021年12月に海外子会社のサーバを経由して第三者による日本のファイルサーバへの不正アクセスを受けました。この事案を受け、OKIグループではエンドポイント・セキュリティツールの全端末への導入及び24時間365日の監視体制の構築等により対策を強化しております。
OKIグループでは、このような事態を極力抑制するため、再三にわたる社員教育の徹底、システムの運用状況のモニタリング、情報セキュリティの推進体制の整備を継続しております。特に新たに認識した課題については、是正並びに強化策の対応を推進しております。
(13)人材に係るもの
OKIグループが、社会やお客様のニーズを理解し、最適な商品・サービスを提供し続けるために、経営から現場まであらゆる領域で多様性を持ちながら適材を確保し、一人ひとりが十分に力を発揮する必要があります。また、OKIグループの年齢構成は50歳代にピークがあり、今後離脱が増えることが想定されます。加えて、特に、ニーズを理解しDXにつなげていける人材、グローバルに活躍できる人材、競争力あるモノづくりを実現する人材等は労働市場での獲得競争が激しいことが想定されます。
こうした背景のなか、離脱者の補完や事業計画で必要としている人材の確保ができない場合、今後のOKIグループの中長期的な事業推進に影響を及ぼす可能性があります。
OKIグループでは、質・量ともに十分な人材を確保するために、採用方法の見直し・強化、種々の採用形態・チャネル開拓等により採用増を実現し、全員参加型イノベーションの浸透を起点に人材を育成し、事業間の人員のシフトやシニア人材の活用を行っております。
また、時間と場所に制約されない働き方を実現する制度の導入や、役割とその遂行を軸足とする評価、さらには多様性についての継続的教育により、多様な人材が活躍できる職場づくりを行っております。
なお、カントリーリスクの項にて感染症の発生をリスクとして認識しておりますが、新型コロナウイルス感染症は、国・地域によって差はあるものの変異株の継続的発生等依然として感染拡大懸念を残しております。継続的な予防策の実施に加え、海外生産拠点では調達先の確認も含め事業への影響を極小化すべく対応を進めております。
新型コロナウイルス感染症については、2019年度に対策本部を設置し、OKIグループとしての状況を確認、対策を推進するとともに、当該対策を契機とした働き方の見直しにも取り組んでまいりました。なお、対策本部は政府方針、OKIグループの感染状況等を総合的に判断し、2023年3月31日に解散しましたが、感染予防対策は継続して対応しております。
2023年3月期の活動の成果は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当期は成長に向けた土台作りを継続しつつ、サプライチェーン影響対策を優先課題として取り組んできました。調達活動の強化、代替部材による設計変更、価格適正化などの取り組みを全社一丸となり実行した結果、来期以降の収益化に向けた準備は順調に進捗しております。
ソリューションシステム事業では、DX領域での共創が開発から成果を目指すフェーズへ移行しつつあり、また推進の要となるDXエコシステムの構築に引き続き取り組みました。OKIの注力分野である交通、建設/インフラ、防災、金融・流通、製造、海洋の各分野における共創パートナーは、101社、そして技術的なアライアンスをするAIエッジパートナーは122社となりました。これらパートナーの拡大、新商品の投入、POCなどの活動によりDXを推進しましたが、取り組んだDXの社会実装は想定通りに進展せず課題が残りました。その他、事業領域拡大のため買収した航空機器事業は、当期より事業活動を開始しました。
コンポーネント&プラットフォーム事業では、今後の成長を支えるための構造改革は計画通り進捗しており、一定程度の効果も出ております。しかしながら、成長戦略として掲げていたビジネスモデルシフトやパートナー向け新商品の開発は、サプライチェーン影響対策への対応もあり、進展に遅れが生じております。
2023年3月期の業績については、以下のとおりであります。
売上高は3,691億円、前連結会計年度比170億円の増収となりました。半導体等の部材不足による生産減の影響は通期で継続しましたが、前期からの期ズレ案件の取り込みの他、為替によるプラス影響があり、増収となりました。
利益面につきましては、部材不足や部材価格の高騰を中心としたサプライチェーン影響が大きく、前期からの期ズレ案件の取り込みによる物量増、販売価格の適正化、固定費削減によるプラスがあったものの、営業利益は前連結会計年度比35億円減益となる24億円となりました。なお、為替影響や前期に計上した一過性収益を除くとほぼ前期並みとなっております。また、今期優先課題として取り組んだ調達力強化や設計変更による代替部材対応など、サプライチェーン影響対策強化により、次期については売上及び利益が回復する見通しであります。
経常損失は、営業利益の減少に加え、営業外区分に含まれる為替差損益の悪化などにより、前連結会計年度比80億円悪化となる3億円となりました。
親会社株主に帰属する当期純損失は、構造改革に伴う特別損失が減少したことなどにより前連結会計年度比49億円悪化の28億円となりました。
事業別の業績状況は、以下のとおりであります。
ソリューションシステム事業の売上高は、1,794億円、前連結会計年度比で168億円の増収となりました。前期からの期ズレ案件の取り込みやパブリックソリューション事業領域において買収した航空機器事業による増収などを中心として、全ての事業領域において増収となりました。営業利益は、部材価格の高騰、為替によるマイナス影響に加えて、エンタープライズソリューション事業領域でのソフト開発案件のコスト増が影響し、85億円、同10億円減益となりました。
コンポーネント&プラットフォーム事業の売上高は、1,892億円、前連結会計年度比で2億円の増収となりました。モノづくりプラットフォーム事業領域はFA/半導体製造装置向けが引き続き好調でした。一方、コンポーネント事業領域は、情報機器事業での為替による増収影響がありましたが、自動機事業の部材不足による生産減の影響が大きく、減収となりました。営業損失は1億円、同36億円悪化となりました。モノづくりプラットフォーム事業領域の増収影響や海外子会社の構造改革による固定費削減効果により、コンポーネント事業領域の減収を補った結果、前期に計上した一過性収益を除いた実質ベースではほぼ前期並みとなりました。
その他の事業の売上高は、5億円、前連結会計年度比で1億円の増収、営業利益は4億円、同1億円増益となりました。
総資産は前連結会計年度末から212億円増加の3,904億円となりました。自己資本は、その他の包括利益累計額が30億円減少したこと及び親会社株主に帰属する当期純損失を28億円計上したこと等により、前連結会計年度末に対して83億円減少の991億円となりました。その結果、自己資本比率は25.4%となりました。
資産では主に、棚卸資産が182億円、有形固定資産が33億円増加しております。
負債では主に、借入金が増加しており、前連結会計年度末872億円から308億円増加し、1,180億円となりました。
また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは207億円の支出(前連結会計年度117億円の支出)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に運転資金が増加したことにより、31億円の支出(同59億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出があったことにより、176億円の支出(同176億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入れによる収入があったことにより、233億円の収入(同17億円の収入)となりました。
以上の要因に加え、現金及び現金同等物に係る換算差額による増加16億円により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末の334億円から375億円となりました。
事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。このうち、運転資金については短期借入金及び長期借入金で調達しております。また、生産設備などの長期資金については長期借入金により調達しております。長期資金については固定金利で調達し、金融機関等との個別借入の他、シンジケートローンも合わせて利用しております。
また、資金繰りについては、国内キャッシュ・マネジメント・システムを活用し、連結子会社の資金を当社に集中することで資金効率化を図り、借入金の圧縮に努めております。
現在保有している手元現預金は余裕を持った水準で推移しております。主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、事業活動に必要な運転資金、設備投資等の資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しておりますが、部材不足や原材料の高騰を中心としたサプライチェーン影響や不測の事態に備え資金調達の安定化を図るため、コミットメントライン契約を継続しております。
OKIグループ(当社及び連結子会社)は財務上の規律を重視し、今後も事業活動により創出されたフリー・キャッシュ・フローを基本的な原資としたうえで、必要な資金については効率的な調達を行うことを基本としております。
また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、528億円となっております。
なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下のとおりであります。
(単位:億円)
|
契約債務 |
年度別要支払額 |
||||
|
合計 |
1年以内 |
1年超 3年以内 |
3年超 5年以内 |
5年超 |
|
|
短期借入金 |
673 |
673 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
507 |
194 |
235 |
77 |
- |
|
リース債務 |
107 |
38 |
51 |
14 |
4 |
(注)1.連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(194億円)は、
本表においては、「長期借入金」として表示しております。
2.オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は49億円であります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
2023年3月31日現在における重要な契約は、下記のとおりであります。
① 技術援助契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約対象機器 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
当社 |
International Business Machines Corporation |
米国 |
情報処理機器 |
特許実施許諾 (クロスライセンス) |
契約特許 存続期間中 |
|
当社 |
キヤノン(株) |
日本 |
プリンター、 FAX、複合機 |
特許実施許諾 (クロスライセンス) |
契約特許 存続期間中 |
② その他の経営上の重要な契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
|
当社 |
Hewlett-Packard Company |
米国 |
1992年4月7日に情報通信分野でのシステムインテグレーションビジネスを強化することを目的として、双方向かつ長期的な関係を維持・発展させるための基本契約を締結しました。 |
|
当社 |
シスコシステムズ合同会社 |
日本 |
2000年2月9日に、同社製品の再販及びこれに付加価値化を行い、トータルソリューションをエンドユーザーに提供するパートナーとして基本契約を締結しました。 |
③ その他
借入契約
|
借入先 |
契約締結時期 |
契約の内容 |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2018年11月 |
安定資金の確保を目的とした総額199億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2020年1月 |
安定資金の確保を目的とした総額224億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2021年2月 |
安定資金の確保を目的とした総額112億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2022年3月 |
安定資金の確保を目的とした総額203億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2023年1月 |
安定資金の確保を目的とした総額222億円のシンジケートローン |
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2020年11月に発表した「中期経営計画2022」のとおり、「クリティカルなモノづくり・コトづくりを通じて社会課題を解決する企業」であり続けるために必要な先進技術を注力研究テーマとして研究開発活動を推進しております。
当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は
<ソリューションシステム>
物流分野におけるルート配送の配送計画をAIによって最適化する配送計画最適化サービス「LocoMoses™」(ロコモーゼ)を開発し、販売を開始しました。本サービスは、当社が開発した「コスト最小型ルート配送最適化AI」を用いて最適な積載量やルートを短時間で自動的に立案できるSaaS型のサービスであります。これまで熟練社員に属人化していた配送計画作業の負担解消に加え、「分割配送」の手法を取り入れた高効率なルート配送が実現でき、配送経費の削減やCO2排出量の削減に貢献します。
当事業に係る研究開発費は、
<コンポーネント&プラットフォーム>
(1)I-PEX Piezo Solutions株式会社との共同開発により、圧電単結晶薄膜とSOIウエハーの接合技術を確立し、超音波センサーなど圧電MEMSデバイスの性能を約20倍と飛躍的に向上させる「圧電単結晶薄膜接合ウエハー」の試作に成功しました。この技術により例えばスマートフォン指紋認証の方式を、指紋の凹凸検知による認証から静脈検知による認証に変えることができ、堅牢性と安定性を得ることができるようになります。
(2)世界最小カラーLEDプリンター「PLAVI(プラビ) Pro330S」をリニューアル発売しました。「PLAVI Pro330S」は幅狭用紙への多様なカラーオンデマンド印刷が行えるプリンターで、SIerと共創する業務改善システム用の出力端末として2020年9月に発売しました。このたび、ラベル紙のギャップ(ラベルとラベルの間)で自動カットする機能の実装と、専用オプションとしてロール紙ホルダーの開発を行い、カラーラベル印刷にも最適なプリンターとしてリニューアルしました。製造・物流現場や医療現場などで需要の高い幅狭カラーラベルの内製化・即時発行を実現する機能を加えました。
当事業に係る研究開発費は、
<全社共通等>
(1)人と多種ロボット、さまざまなエッジデバイスを連携し、遠隔からリアルタイムかつ直感的に現場対応を行うリモートDXプラットフォーム技術「REMOWAY™(リモウェイ)」を開発しました。本技術により、現場の業務プロセスの見える化だけでなく、業務特性にあわせたリアルタイムな業務の監視と制御ができます。
(2)光ファイバーを介して多数の小型レーザー照射部を接続する多点レーザー方式により複数の対象物の振動を計測する「多点型レーザー振動計」において、振動雑音影響を緩和する「光ファイバー外乱抑圧技術(特許出願中)」を開発し、敷設された光ファイバーに混入する環境由来の外乱振動を約99%除去することに成功しました。屋外に光ファイバーを設置した場合でも雨風の影響を受けずに対象物の振動が計測できるほか、さまざまな装置の振動が伝わる工場などの現場においても、高精度な振動計測が可能になります。
全社共通等に係る研究開発費は、2,084百万円であります。