当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、
1.社会に対し、食を通じて健康と豊かな食生活を提供する
2.コンプライアンス精神に基づいた事業活動を行い、社会的責任を果たす
3.フレキシビリティのある、かつ創造力に溢れた企業として発展する
4.事業活動の視点・範囲を海外にも向け[世界の理研ビタミン]としてのブランドを高める
5.人間尊重の思想に基づき魅力ある職場をつくる
の経営理念のもと、創業以来一貫して「天然物の有効利用」を事業展開の根幹に据え、独自の技術力・開発力を通じて食品・食品用改良剤・化成品用改良剤・ビタミンの各分野において多彩な製品を創り出し、日本のみならず世界各地にお届けしてまいりました。
当社グループを取り巻く事業環境については、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和により各国経済に緩やかな持ち直しの動きが見られます。一方で、ウクライナ情勢の長期化、世界的な資源・原材料価格高騰など、これまで以上に先行きが見通せない状況の中、これらの変化に対応していくことが重要であり、当社グループ各社とのさらなる連携のもと、的確かつ機動的な意思決定を行うことが強く要請されていると認識しております。
加えて、社会の信頼に応える公正で透明性の高いコンプライアンス体制、企業グループ全体での健全な事業運営を推進する上でのガバナンス体制のより一層の向上が求められております。
また、食品業界におきましては、国内市場では行動制限の緩和により外食産業や観光産業向け需要は回復の兆しが見られます。その一方で、原材料価格の高騰に加え、エネルギー費、人件費といった各種費用の上昇を受けた価格改定が相次ぎ、物価上昇に伴う消費者の生活防衛意識の高まりから節約志向がより一層強まっています。このような厳しい事業環境において、消費動向への対応が課題と認識しており、国内事業のさらなる深掘りと新領域への挑戦を推進してまいります。また、サステナビリティの観点からフードロス(食品ロス)問題への取組みも重要であると認識しています。
また、成長が見込める海外市場においても、新型コロナウイルスの感染縮小を背景に経済活動の再開が進みました。一方で、ロシアのウクライナ侵攻の長期化やインフレなどに伴う景気後退懸念が払拭できない状況です。このような事業環境において、当社グループが成長ドライバーと位置付けるアジア、北米市場に対して、営業・開発体制の強化や設備投資などにより事業の展開を加速してまいります。
当社グループでは、従前より3年間を対象とする中期経営計画を策定しております。2022年4月に開始した現中期経営計画の策定にあたり、当社グループのありたい姿として、中長期ビジョンと基本方針を次のように定めました。
<中長期ビジョン>
「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」
<基本方針>
(1)経営基盤(ガバナンス)の強化、新たな企業文化の構築
(2)アジア・北米での展開を加速、海外スペシャリティ製品の拡大
(3)国内の深掘りと新領域への挑戦、戦略的なポートフォリオの見直し
(4)サステナブル経営の推進
上記の中長期ビジョンおよび基本方針を踏まえ、さらなる国内事業の収益基盤の強化と海外事業の成長加速化を図り、社会とともに成長し続け継続的な企業価値の向上に取り組むべく、2022年4月より2025年3月までの3年間を対象とする現中期経営計画を策定し、2年目の取組みを推進しております。
現中期経営計画の基本戦略は以下のとおりであります。
(1)経営基盤(ガバナンス)の強化
・外部機関による取締役会の実効性評価、サクセッションプランの強化・推進、政策保有株式の縮減などにより、コーポレート・ガバナンスの実効性の強化を図ります。
・国内外子会社と本社との連携を深める組織体制の構築や、監査部門の強化等により、グループ・ガバナンスを強化します。
・事業内容や非財務情報について、正確でわかりやすい開示の充実を図り、市場との対話を強化します。
(2)アジア・北米での展開を加速
・海外事業の中でもアジア・北米を成長ドライバーと位置付け、主力のベーカリー向けの食品用改良剤をはじめ、化成品用改良剤、北米のポークエキス事業を中心に拡大を図ります。また、海外工場の生産能力増強に取り組みます。
(3)国内の深掘りと新領域への挑戦
・既存領域に隣接する市場に向けた新商品の開発、既存の取引先に対する未取扱い製品群の提案、コロナ後の新常態における成長市場である老健・中食市場に向けた商品開発、ビタミンやマイクロカプセル、機能性食品用原料など好調な健康関連製品の提案を強化し、人口減少による市場の縮小が予想される国内での成長を図ります。
・フードロス削減につながる製品の提案、海藻養殖産業の活性化につながる研究、バイオマスプラ・生分解性プラ向け製品の拡大など、事業を通じたサステナビリティ課題の解決に取り組み、新たな成長機会を捉えていきます。
・持続的な成長に向け、グローバルサプライチェーンを全体で支える生産体制への変革を図ります。
(4)サステナブル経営の推進
・GHG排出量削減、環境負荷の低減、ダイバーシティ&インクルージョンの推進、健康経営の推進に取り組み、サステナビリティと経営の一体化を目指していきます。
なお、現中期経営計画の最終年度における数値目標は、下表のとおりであります。
(1)連結目標
(単位:百万円)
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第87期 (2023年3月期) |
第89期 (中期経営計画最終年度) |
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実績 |
目標 |
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売上高 |
88,750 |
94,000 |
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営業利益 |
7,158 |
8,000 |
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経常利益 |
7,723 |
8,200 |
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親会社株主に帰属する 当期純利益 |
6,414 |
6,500 |
(2)事業別売上高目標
(単位:百万円)
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第87期 (2023年3月期) |
第89期 (中期経営計画最終年度) |
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実績 |
目標 |
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国内食品事業 |
58,186 |
61,000 |
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国内化成品その他事業 |
7,031 |
8,500 |
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海外事業 |
25,155 |
25,800 |
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セグメント売上高 |
90,373 |
95,300 |
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調整額 |
△1,622 |
△1,300 |
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連結売上高 |
88,750 |
94,000 |
(3)目標とする経営指標
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度としてROEの向上を追求してまいります。第89期(現中期経営計画最終年度)のROE8.0%以上を目指し、取組みを推進します。
(4)資本・財務政策
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2022-2024年度方針 |
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キャッシュアロケーション |
2022年4月から2025年3月までの3年間累計 IN :事業活動により獲得したキャッシュ(投資有価証券売却益を含む) 約300億円 OUT:設備投資 約100億円、配当金 約50億円、戦略投資(人財投資、追加設備投資、株主還元) 約50億円、財務基盤の強化(有利子負債返済) 約100億円 |
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株主還元 |
連結配当性向30%以上を目安に安定的な配当を継続して実施 |
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政策保有株式 |
2025年3月末までの縮減目標:連結純資産比率で20%未満 |
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自己株式 |
2023年3月期に700万株を消却(2022年5月に実施) |
新型コロナウイルス感染症は収束してきているものの、ロシアのウクライナ侵攻の長期化など不安定な世界情勢、引き続き原材料価格やエネルギー価格などが高水準で推移していることなど、先行き不透明な事業環境にあります。このような事業環境の中においても、中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」の実現に向け現中期経営計画を達成すべく、スピード感を伴った経営を推進してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは2022年4月に開始した中期経営計画の基本方針のひとつに「サステナブル経営の推進」を掲げ、経営戦略とサステナビリティ課題への取組みとの一体化を目指しております。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス
サステナビリティ課題に戦略的に取り組むため、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会を設置しています。また、サステナビリティ委員会の下部組織として「TCFD部会」「GHG削減部会」「ダイバーシティ部会」「サステナブルテーマ推進部会」を設置しています。各部会では担当するサステナビリティ課題に関する様々なリスクおよび機会の認識、必要な議論および評価を行い、課題解決に向けた取組みを推進しています。委員会はその結果をとりまとめ、取締役会に報告しています。
取締役会は委員会の活動報告を確認し、目標や施策の進捗などを監督しています。必要な場合は、委員会への指示などの措置を講じることとしています。
(2) サステナビリティ全般に関するリスク管理
当社グループは業務執行に係るリスクの評価、予防および発生時の対処のためにリスク管理委員会を設定しています。サステナビリティに関連するリスクについてもリスク管理委員会を中心とする全社的なリスク管理体制に統合されています。
(3) 気候変動への対応(TCFD提言に基づく情報開示)
当社グループでは、農産物や水産物を主要な原材料として使用しており、気候変動への対応を重要な経営課題と認識しています。この認識のもと、2022年4月にTCFD提言への賛同を表明し、6月にTCFDのフレームワークに基づく初の情報開示を行いました。次回の情報開示は、2023年9月に発行予定の統合報告書および同時期の当社ウェブサイトへの掲載を予定しています。
[ガバナンス]
当社グループは、サステナビリティ課題に取り組むため、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。気候変動に関わるリスクと機会、対応策については、サステナビリティ委員会の下部組織であるTCFD部会においてグループ横断的な議論を行い、経営会議での審議を経て取締役会へ年1回以上報告する体制としています。
TCFD部会の構成メンバーは経営企画部、CSR推進部、経理部、生産推進本部、生産統括本部、調達部です。
[戦略]
当社グループは植物油脂や海藻など、様々な天然物を原料として、製品を製造・販売しています。
植物油脂関連原料のほとんどは海外から輸入されたものを商社や油脂メーカーから購入し、当社グループの工場で乳化剤などの製品に加工して、お客さまにお届けしています。
また、海藻関連製品の原料の多くを占める養殖わかめは、養殖期間中の天候や、海水の温度および栄養状態によって生産量が大きく変動します。このため、気候変動は事業の継続性の観点から重要な経営リスクであると認識しています。
2021年度は当社グループ事業のうち、植物油脂を主要原料とし国内外で生産する「改良剤」、および海藻・ドレッシング・スープなど国内で生産する「食品」について、リスクと機会の分析を行いました。これらを合わせた連結売上高中の構成比は9割弱です。
・2℃シナリオにおける主要なリスクと機会
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想定リスク/機会 |
変動要因 |
当社グループ事業への影響 |
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移行リスク |
化石燃料への規制強化 |
炭素税の導入 |
全般的なコストの上昇 |
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電気・ガス料金の上昇 |
エネルギーコストの上昇、省エネへの投資費用の増加 |
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バイオ燃料の需要拡大 |
植物油脂の価格上昇 |
調達コストの上昇、代替商品開発コストの発生 |
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機会 |
消費者選考の変化 |
エシカル消費の拡大 |
植物由来化成品用改良剤の需要増加 |
・4℃シナリオにおける主要なリスクと機会
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想定リスク/機会 |
変動要因 |
当社グループ事業への影響 |
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物理リスク/ 機会 |
気温/海水温の上昇 |
原材料の生産量減少 |
調達コストの上昇、調達先切替コストの発生、代替商品開発コストの発生 |
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気候変動に対応した種苗供給による海藻の安定調達 |
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水調達リスク |
生産拠点の水ストレス悪化 |
原材料調達先の操業停止、自社工場の操業停止による売上高減少 |
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異常気象の激甚化 |
洪水・豪雨の頻度上昇 |
サプライチェーンの寸断、自社工場の操業停止による売上高減少 |
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[リスク管理]
当社グループでは、業務執行に関連するリスクの評価、予防および発生時の対処のために、リスク管理委員会を設置しています。特定した気候変動に関わるリスクについても全社のリスクマネジメント体制において管理しています。
[指標と目標]
2030年度GHG排出量(Scope1+2)2018年度比40%削減
(4) 人的資本への対応
[人材育成方針]
当社は、社員一人ひとりが自立性を高め、高度な専門性で課題を解決する「プロ人材」となることを目指しています。
その実現に向け、社員に対し階層別研修、キャリア研修、各部門別研修を実施するとともに、自己啓発支援として、外部ビジネススクール受講や会社奨励資格受験料、ならびに通信教育受講の補助制度を設けています。
一方で、入社後の人事異動や海外勤務など、多様な経験もプロ人材育成のために重要であると捉えています。人事部が定期的に主催する「人材最適化検討会」では、人的資源の各事業への適切な配分と、後継者候補の育成プランやキャリアパス等の全社的な視点も交えた議論を行い、その内容を踏まえた人事異動案を取締役会で決議しています。
[社内環境整備方針]
①ダイバーシティ&インクルージョンの推進
当社は2015年度から「ダイバーシティ推進」を掲げ、多様な人材が能力を十分に発揮することでイノベーションが起こる風土づくりを行い、新たな価値創造型企業になることを目指しています。
特に最近では、多様な経験や考えを持つ従業員が互いに意見を言い合える、心理的安全性の高い職場づくりに向けた取組みを行っています。行動規範にあるダイバーシティ&インクルージョンの考え方に関して職場で読み合わせを行うほか、色覚多様性についての勉強会や、育児・介護の両立支援についてのeラーニング等により、種々の多様性への理解を深めています。
○女性活躍の推進
当社は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく行動計画を策定し、実行しています。女性の管理職比率は2024年3月に6%とすることを目標としていますが、2023年3月末時点では3.8%となっています。
主な取組みとして、キャリア育成に関する研修会の定期的な実施、仕事と育児・介護の両立支援制度の整備、ならびにダイバーシティの重要性について認識を深めるための管理職研修を行っています。
また、仕事と家庭の両立については、特に育児関連を重点に整備し、厚生労働省の算定方法による男性の育児休業等(育児目的休暇を含む)取得率は111.5%(2023年3月時点)と、目標である100%をクリアしています。
主な取組みとして、男性育休推進のためのガイドブック作成や研修会を通じて育児休業取得を推進しています。なお、両立支援制度として、育児・介護休業、短時間勤務、フレックスタイム、カムバック制度等多様な働き方の選択を可能にしているほか、2022年11月には在宅勤務を新しい働き方の一つとして恒久化し、就業場所の多様化を図りました。
②健康経営の推進
当社は2018年度に「健康経営」を導入し、「働き方改革」と合わせて従業員が心身ともに健康で意欲的に活躍できる環境づくりに取り組んでいます。特に社内では生活習慣病やストレス疾患の予防についての健康指標に対して目標を定め、毎年効果を検証して向上を図っています。例えば、ストレス疾患の予防について、ストレスチェック受診率90%以上を目標にしていますが、2021年度は94.0%と目標を達成しました。また、ストレスチェック実施後の管理者教育の強化などを行っています。
なお、2023年3月には「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」(経済産業省と日本健康会議共同主催)に認定されました。
③グローバル人材の活躍支援
当社は現中期経営計画の基本方針の一つに「アジア・北米での展開を加速」を掲げ、グローバルな視点を持った従業員の育成を課題としています。英会話スクールやオンライン英会話レッスンの受講料全額補助の制度を有するほか、海外勤務への挑戦意欲を確保するため、海外赴任者規程により国内勤務よりも高いインセンティブや福利厚生を設定しています。
当社では海外事業または関連事業の従事者およびその候補者をグローバル人材と定義しており、2030年度にその比率を10%とすることを目標にしています。2023年3月時点での比率は8.4%に達しており、今後も更なる育成を進め、早期の目標達成を目指しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)市況変動のリスクについて
当社グループは国内外で事業を展開しておりますが、中でも食品事業は消費動向や販売先の業界の需要動向の影響を受けやすい傾向にあります。特に国内食品事業においては、人口減少、少子高齢化による市場縮小が進み、競合他社による新商品の投入や販売促進活動によりますます競争が激しくなっております。今後、更に市場の縮小が深刻になった場合や、経済状況及び業界の需要動向に想定外の変動があった場合には当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
これに対し当社グループでは、食品事業において市場ニーズの変化に対応した商品開発に注力するだけでなく、コア技術の水平展開を基盤として改良剤事業、ヘルスケア事業、化成品その他事業、海外事業といった多角的な経営を行うことでリスクの分散を図り、かつそれぞれの事業分野において高付加価値製品の開発・拡販により差別化を図ることに継続して努めております。
(2)安全性のリスクについて
食品をはじめとする当社が事業を営む業界においては、これまでも鳥インフルエンザ・口蹄疫・ノロウイルス等の感染症や放射能汚染等さまざまな事案が発生しております。品質については万全を期しておりますが、当社グループの取組みの範囲を超える事態の発生により、製品・商品の回収や多額の製造物賠償責任が生じた場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
これに対し当社グループでは、世界的に認められた品質管理システム(ISO、HACCP、FSSC等)に従って各種製品を製造するとともに、原材料から製品及び仕入商品について自主検査体制やトレーサビリティシステムを構築するなど、品質保証体制の強化に努めております。
(3)原材料の調達リスクについて
当社グループで使用する天然物を中心とする原材料は国内外から幅広く調達しておりますが、市況の急激な変動、原産地における天候、需給バランス、社会情勢などの変化や、自然災害の発生により、安定的な価格や品質及び十分な調達量を確保出来なくなった場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
これに対し当社グループでは、安全かつ安定的な供給先を複数確保することに努め、特定の調達先への集中を回避すると共に、計画的な在庫確保を行うことでリスクの低減を図っております。
(4)為替変動のリスクについて
当社グループは全世界で事業展開しているため、外国為替相場の変動により当社及び連結子会社が外国通貨で販売する製品及び調達する原材料に、取引リスクという形で影響を与える可能性があります。
これに対し当社グループでは、為替予約取引等によりリスクの低減を図っておりますが、急激な為替変動が生じた場合は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、連結財務諸表作成のために在外子会社の財務諸表を円貨に換算しているため、換算リスクという形で為替変動の影響を受けます。
(5)知的財産権のリスクについて
第三者が当社の知的財産権を侵害した場合、或いは当社が意図せずして第三者の知的財産権を侵害した場合には、当社ブランド価値の低下、訴訟費用や賠償費用の発生等により当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
これに対し当社グループでは、法務部及び関連部門が連携して当社商品に関連する知的財産権の取得及びノウハウ化等を行い、当社商品の保護に努めています。また、第三者による当社の知的財産権の侵害予防、侵害者への警告等を行うとともに、第三者の知的財産権を尊重した商品開発及び営業活動を推進しております。
(6)情報、管理システムのリスクについて
大規模災害(自然災害含む)、機器障害、情報システムへの不正なアクセスや予測不能なウイルスの侵入、その他不測の事態の発生により、情報システムが一定期間使用できなくなった場合には、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
通常時はもとより、上記のような有事が発生した場合に備えて、当社グループでは、開発・生産・販売・物流等の情報システムについて適切な管理体制をとり運営するとともに、重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、情報システムを含め、情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施するよう努めております。
(7)自然災害等のリスクについて
当社グループは、国内外に複数の製造拠点を有しておりますが、当該地域において大規模な地震や風水害等の自然災害の発生により製造設備に重大な被害を受けた場合や、新型インフルエンザ等の生命・健康に重大な影響を及ぼす感染性疾病が流行拡大して人員確保が困難になった場合には、操業停止に伴う製造能力の低下と売上高の減少、設備修復費用の発生などにより、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社グループでは、大規模地震及び新型インフルエンザ等に対応する事業継続計画(BCP)を策定して有事に備えると共に、リスク管理委員会の活動を通して安否確認システムの導入や設備の耐震補強、必要物資の備蓄強化、従業員に対する訓練やマニュアル配布による啓発等を行うなど社内体制を整備し、リスクの低減を図っております。
(8)法的規制のリスクについて
当社グループは、事業を運営する上で、食品衛生法、JAS法、薬事法、環境リサイクル関連法規等、さまざまな法的規制の適用を受けております。また、日本のみならず、事業を展開する各国の関係法令、規制等の適用も受けております。これらの法令、規制等が変更された場合、又は予期し得ない法的規制等が新たに導入された場合、当社グループの業績と財政状態に悪影響を与える可能性があります。
これに対し当社グループでは、各担当部門がコンプライアンスの遵守及び強化を第一義に、情報収集力の強化と法規制対応に注力しています。
(9)海外事業におけるリスクについて
当社グループは、日本国内のみならず、世界各地においても事業を展開しており、これまで挙げたリスクは海外事業についても同様に存在すると捉えております。
特に現在は米中両国間の貿易摩擦や新型感染症の流行等に起因する世界経済の減速について注視する必要があると共に、グローバルに事業を展開していく上では、言語、地理的要因、法制・税制度を含む各種規制、自主規制機関を含む当局による監督、経済的・政治的不安、食習慣、宗教の違い等のさまざまな潜在的リスク、特定の国や地域又はグローバルにおいて競争力を有する競合他社との競争が熾烈化するリスク、更には外国政府及び国際機関により関係する諸規制が突然変更されるリスクや、カントリーリスクを含む信用リスクについても常に注視していく必要があり、これらリスクが顕在化した場合は当社グループの海外事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクは完全に回避できない可能性もありますが、当社グループでは、当該リスクが顕在化する前に適切な対応が図れるよう情報収集に努め、リスク管理意識を高めると共に、社内規程に基づいた活動やリスクヘッジ対応を進め、有事においては構築済みの危機管理体制の中で迅速かつ的確に対応してまいります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の概況
当社グループは、2030年に向けた中長期ビジョン「持続可能な社会をスペシャリティな製品とサービスで支え、成長する会社になる」を掲げています。2022年4月より2025年3月までの3年間を対象とする中期経営計画においては、①経営基盤(ガバナンス)の強化、②アジア・北米での展開を加速、③国内の深掘りと新領域への挑戦、④サステナブル経営の推進を基本方針として、持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。
当連結会計年度(2022年4月1日~2023年3月31日)においては、新型コロナウイルス感染症による社会影響が緩和される一方、原材料価格およびエネルギー価格の高騰や急激な為替変動など、事業環境が大きく変化する状況が続きました。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は、『国内食品事業』、『国内化成品その他事業』、『海外事業』のいずれの事業も前期を上回る実績を確保し、887億50百万円(前期比95億19百万円、12.0%増)となりました。
利益面では、油脂関係や輸入原料などの原材料価格およびエネルギー価格高騰の影響を受けましたが、海外事業において価格改定が進んだことや、国内食品事業において広告宣伝費を効率的に使用した結果、営業利益は71億58百万円(前期比13億18百万円、22.6%増)、経常利益は77億23百万円(前期比15億40百万円、24.9%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に当社の連結子会社であった青島福生食品有限公司の全持分の譲渡による関係会社出資金売却益の計上および繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額の計上があったことなどにより前期から減少し、64億14百万円(前期比151億68百万円、70.3%減)となりました。
セグメント毎の経営成績の概況
〔国内食品事業〕
『家庭用食品』の売上高は、前期を下回りました。海藻商品では2022年9月発売の新商品「ふりかけるザクザクわかめ 韓国風ごま油風味」が好調に推移した一方、乾燥わかめ「ふえるわかめちゃん®」およびわかめスープは価格改定による数量減少の影響があり、売上高は前期を下回りました。ドレッシングは春夏にTVCMや「リケンのノンオイル セレクティ®」リニューアルキャンペーンなどのプロモーション活動を展開しましたが、食品値上げによる節約志向の高まりを受け、売上高は前期を下回りました。化学調味料・食塩無添加のだしの素「素材力だし®」は価格改定後にTVCM放映による需要喚起と顧客層の拡大を図った結果、売上高は前期を上回りました。
『業務用食品』の売上高は、前期を上回りました。原材料価格などの高騰を受けた価格改定や商品の見直しに加え、中食市場および老健市場への提案を強化しました。行動制限の緩和による外食産業向けの需要回復も寄与し、調味料類を中心に販売が伸長しました。
『加工食品用原料等』の売上高は、前期を上回りました。価格改定を進める一方で、原料の供給不安や食品ロス問題への対応など多様化する顧客ニーズに対応し、食品用改良剤の提案を進めました。また、ビタミンや機能性食品用原料の販売が好調に推移しました。
利益面では、原材料価格やエネルギー価格の高騰の影響を価格改定でカバーするには至らず、営業利益は前期を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、前期から40億56百万円(7.5%)増加した581億86百万円となり、営業利益は45億93百万円(前期比3億44百万円減)となりました。
〔国内化成品その他事業〕
『化成品(改良剤)』では、化学工業用分野(プラスチック・食品用包材・農業用フィルム・ゴム製品・化粧品など)において、顧客ニーズをとらえたソリューションビジネスを展開しています。原材料価格の高騰に伴う価格改定を推進したことから売上高は前期を上回りましたが、化成品業界における需要減少の影響により販売数量が減少し、営業利益は前期を大幅に下回りました。
『その他』の事業では、飼料用油脂の売上が前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、前期から4億13百万円(6.3%)増加した70億31百万円となり、営業利益は2億47百万円(前期比3億54百万円減)となりました。
〔海外事業〕
海外事業では、主に食品用改良剤、化成品用改良剤を世界各地に販売しています。原材料価格や物流コストが高水準で推移しましたが、価格改定や為替影響による増収効果により、売上高および営業利益ともに前期を大幅に上回りました。第3四半期以降は改良剤の原料となる油脂の相場下落や海外景気の下振れに合わせた対応が必要になるなど事業環境は変化しましたが、日本の「アプリケーション&イノベーションセンター」の技術スタッフによる海外顧客への直接提案の再開など、変化に対応した活動を行いました。地域別の売上高および営業利益はアジア、北米、ヨーロッパのいずれも前期を上回りましたが、アジアでは販売数量が前期を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は、前期から52億28百万円(26.2%)増加した251億55百万円となり、営業利益は26億88百万円(前期比19億82百万円増)となりました。
なお、前期実績には当社の連結子会社であった青島福生食品有限公司の実績(売上高3億99百万円、営業損失6億54百万円)が含まれています。
中期経営計画との比較分析
当社グループは2022年4月より2025年3月までの3年間を対象として「中期経営計画」を策定しており、当連結会計年度は初年度にあたります。
当連結会計年度は、売上高860億円、営業利益57億円、経常利益61億円、親会社株主に帰属する当期純利益47億円を目標としておりました。
売上高は国内食品事業では家庭用食品のドレッシング、乾燥わかめ等の販売が苦戦を強いられました。一方で、業務用食品では外食産業向け需要が回復傾向にあることや原材料価格などの高騰を受けた価格改定を推進し、加工食品用原料等では価格改定の推進に加えビタミンや機能性食品用原料の販売が好調に推移しました。その結果、国内食品事業は目標を上回る実績となりました。また、国内化成品その他事業では価格改定を推進しましたが関係先業界の需要の冷え込みもあり、目標を下回る実績となりました。一方、海外事業では価格改定の浸透および価格の維持に加え、為替影響による増収効果もあり、目標を大きく上回りました。その結果、連結全体では887億50百万円と目標を上回りました。
営業利益は国内および海外事業において引き続き原材料価格およびエネルギー価格上昇の影響を受け、価格改定の推進および経費の効率化を進めました。国内化成品その他事業では売上が振るわず目標を下回りましたが、国内食品事業、海外事業は目標を上回りました。その結果、連結全体では、71億58百万円と目標を上回りました。
また、経常利益は77億23百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は64億14百万円となり、ともに目標を上回りました。
目標とする経営指標との比較分析
当社グループは、持続的成長と資本効率向上の尺度として自己資本利益率(ROE)の向上を追求しております。第89期(中期経営計画最終年度)のROE8.0%以上を目指し取組みを推進いたします。
当連結会計年度のROEは、海外事業の営業利益が目標を大きく上回ったこと等が寄与し、親会社株主に帰属する当期純利益が目標を上回った結果、9.3%と中期経営計画の目標を上回りました。引き続き、当該指標の改善に取り組んでまいります。
(2)財政状態の概況
当連結会計年度末の総資産は1,052億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ25億62百万円増加しました。主な増加は、棚卸資産26億58百万円、現金及び預金18億53百万円、主な減少は、投資有価証券12億80百万円、機械装置及び運搬具10億13百万円であります。
負債は338億51百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億69百万円減少しました。主な増加は、未払法人税等9億37百万円、主な減少は、長期借入金26億6百万円、その他流動負債5億78百万円であります。
純資産は713億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億32百万円増加しました。主な要因として、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上で64億14百万円増加し、剰余金の配当15億83百万円により減少したことによります。また、自己株式の消却により、資本剰余金が6億5百万円、利益剰余金が115億27百万円、自己株式が121億33百万円それぞれ減少しております。
(3)キャッシュ・フローの概況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は166億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億92百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは78億35百万円の収入となりました。主な増加は、税金等調整前当期純利益78億57百万円、減価償却費37億18百万円であり、主な減少は、棚卸資産の増加額24億59百万円、売上債権の増加額11億40百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは20億34百万円の支出となりました。主な増加は、投資有価証券の売却による収入3億4百万円であり、主な減少は、有形固定資産の取得による支出21億12百万円であります。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは58億円の純収入となっております。
財務活動によるキャッシュ・フローは45億78百万円の支出となりました。主な減少は、長期借入金の返済による支出26億6百万円、配当金の支払額15億82百万円であります。
当社グループの資金需要は、製品の製造販売に関わる原材料費やエネルギー費、営業費用などの運転資金、設備投資資金及び研究開発などであります。資金調達は主としてフリー・キャッシュ・フロー及び銀行借入により十分な資金を確保しております。これらに加えて、取引銀行と借入枠60億円のコミットメントライン契約を締結することにより財務の安定性及び流動性を補完しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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国内食品事業 |
56,864 |
107.6 |
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国内化成品その他事業 |
6,465 |
104.3 |
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海外事業 |
23,513 |
123.2 |
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合計 |
86,842 |
111.1 |
(注)金額は生産者販売価格で算出しており、セグメント間取引については相殺消去しております。
b.受注実績
当社グループは一部の製品について受注生産を行っておりますがウエイトも小さく、大部分の製品は販売計画に基づく生産計画に従った見込生産を主体としております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
国内食品事業 |
58,186 |
107.5 |
|
国内化成品その他事業 |
7,031 |
106.3 |
|
海外事業 |
23,532 |
127.3 |
|
合計 |
88,750 |
112.0 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.セグメントの各事業内容は次のとおりであります。
国内食品事業……………………一般家庭向け加工食品、業務用市場向け加工食品、食品業界向け加工食品用原料・食品用改良剤・ビタミンなどの製造、販売
国内化成品その他事業…………化成品用改良剤、飼料用添加物などの製造、販売
海外事業…………………………食品用改良剤、化成品用改良剤、エキス・調味料類などの製造、販売
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当社は、キッコーマン株式会社と資本・業務提携を行うことを2008年6月18日開催の取締役会で決議し、同社との間で業務提携基本契約を締結しております。
その内容は次のとおりであります。
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契約締結日 |
契約締結先 |
資本提携の内容 |
業務提携の内容 |
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2008年6月18日 |
キッコーマン株式会社 |
当社株式の保有 |
・品質保証や食の安全性に関する相互協力 |
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ただし、2023年 |
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・原料及び包装資材の共同購入、共通化の検討 |
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4月1日に更新 |
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株式数 |
・調達ルートの相互活用、共通化の検討 |
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1,986,800株 |
・当社商品の海外での販売促進 |
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(発行済株式総数 |
・キッコーマン株式会社の商品開発と販売促進における |
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の5.89%) |
国内外の当社アプリケーションセンターの活用 |
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・両社が保有する原料を有効活用するための共同研究 |
研究開発活動は、当社の本社開発部門が中心となり、当社の各工場に設置されている研究部門及び連結子会社の研究部門と密接な連携のもとに、当社の得意分野における基礎研究及び応用研究、新市場創出に繋がる新商品開発を行っています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は、
セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりです。
(国内食品事業)
新型コロナウイルスの感染拡大により私たちの食生活は大きく変化しました。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などを経験しました。このコロナ禍での生活スタイルは新型コロナウイルス感染症の収束後もある程度残っていくと考えております。ウィズコロナ、アフターコロナ、生活、行動、ニーズを考察し「生活者を起点とした商品開発」を行うことで生活者の健康と幸せに寄与できる商品開発を進めております。
家庭用食品は既存商品の強化を行いました。ドレッシングは、2021年度に「セレクティ®シリーズ」の全面リニューアルを行いました。生活者の声をもとに容量、価格を見直し(150ml 230円 ⇒ 190ml 250円 本体価格)、パッケージは素材をお楽しみ頂きたいという思いから白基調で素材感を訴求するように変更した結果、2021年度から大幅に伸長しました。海藻商品としましては北海道エリア限定品として発売していた「ふりかけるザクザクわかめ」という新食感のふりかけを全国発売しました。当社の原料調達、加工技術、調味技術を活かした商品で、発売前から受注が殺到したため1ケ月発売を遅らせたにも関わらず半年で100万パックを販売し、「日経トレンディ」の「2023年ヒット予測100」に入選し、日本食糧新聞社の「第41回食品ヒット賞」において、一般加工食品部門の「優秀ヒット賞」を受賞しました。2023年2月にはシリーズ品の「ラー油味」を発売しました。
業務用食品は、当社の主力カテゴリーである海藻カテゴリーでは新たな海藻商品として「あおさ」を発売しました。また、学校給食需要に対応した加熱に強い「海藻ミックス」を発売しました。エキス・調味料類では「まぜそばのたれ」を発売し大変好評を得ております。2023年度は新型コロナウイルス感染症も収束に向かい、外食需要の回復が見込まれるため更に伸長すると考えられます。2025年には国内の平均年齢は50歳を超える超高齢化社会を迎えます。マーケティング調査と創造力を駆使して生活者の健康と笑顔に寄与する商品開発をテーマに需要創造、市場創造できる商品開発を行います。
○海藻養殖の生産安定化に向けて
2017年7月、当社の国内子会社である理研食品㈱は、宮城県名取市にわかめ加工と種苗の生産・研究拠点として「ゆりあげファクトリー」を開設しました。
近年のわかめ養殖産業を取り巻く課題として、①気候変動による生産量低下、②生産者の方々の高齢化、③寒冷期の過酷な労働条件などが挙げられます。特に、水温が不安定な年は、海上での養殖初期段階で「芽落ち」と呼ばれる生長不良が起こり、わかめ生産量低下の原因のひとつとなっています。
こうした環境下、「わかめの苗」ともいえる種苗を養殖水槽を用いて、高生長種苗、早生(わせ)・晩生(おくて)種苗など優良系統の選抜技術を開発・実用化するとともに、環境変動に対応したわかめ養殖の安定生産、労働の軽減化及び年に複数回の養殖による生産量の増加など生産性向上を目指した研究を行っています。
選抜した優良系統種苗を活用し、岩手県大船渡市の水産会社(㈲マルカツ水産)とJF綾里漁協と協力し、新たな手法でのわかめ養殖活動に取り組んでいます。この取組みは、生産性向上と共に、担い手不足による空き漁場の活用にも繋がっています。
また、わかめの研究成果を応用し、他海藻類の基礎研究と事業化に向けた技術開発にも取り組んでいます。2021年10月に岩手県陸前高田市に「陸前高田ベース」を開設し、「スジアオノリ」の陸上養殖生産を開始しました。この10年でその生産量は半減しており、安定した供給が望まれています。陸前高田ベースではわかめで培ったノウハウを応用し、スジアオノリを通年・安定して供給できるように進めています。
当社の「ときめき海藻屋」というブランドを通じて海藻の魅力を発信し、わかめ・海藻の需要創出や産地の課題に対して、研究開発の視点から多面的に提案を行い、海藻養殖産業全体の活性化に貢献していきます。
*「ゆりあげファクトリー」は、東日本大震災において甚大な被害を受けた閖上地区の復興と地域水産業の活性化を目的とした名取市の水産業共同利用施設復興整備事業でもあります。
健康機能食品への取組みでは、天然系色素の機能性開発及び海藻由来の機能性開発や応用研究を推進しました。サプリメント用途だけでなく、飲食品用途にも使用可能な製剤開発も進めています。
食品用改良剤事業部門では、2019年10月に千葉工場内にアプリケーション&イノベーションセンター(A&Iセンター)を開設し、これまで各工場にあった技術グループ、アプリケーションセンターを集約し、基礎研究から応用研究、市場調査、提案活動までが一貫して実施できる組織となりました。2020年以降は新型コロナウイルス感染症が拡大した事もあり、A&Iセンターでは取引先となる加工食品メーカーのご都合やご要望を反映した、リモートもしくは対面でのソリューション提案を柔軟に実施してまいりました。2022年度は、コロナ禍の落ち着きもみられたことで、A&Iセンターへの来訪や対面での面談も回復基調がうかがえ、また海外アプリケーションセンターへの出張、来訪を再開し、人的交流による情報交換、共有化を進めてまいりました。
食品用改良剤の対象食品は、パン、麺、豆腐、和菓子、洋菓子、飲料、製菓、加工油脂など多岐にわたっています。当社では、それぞれの食品に対して食品用改良剤の効果を検証し、加工食品メーカーへの新商品の提案や加工食品メーカーが抱える課題に対する問題解決、新しい価値の提案を実施しています。2022年度は取引先である加工食品メーカーでも、新型コロナウイルスの影響に加え、円安を伴う原材料高騰の影響もあり、コストダウンに関する検討を優先させる状況が散見されました。
ビタミン関係では、当社のキーマテリアルである天然ビタミンEを中心に、その生産技術の向上のほか、食品の保存性向上に寄与する酸化防止剤としての機能開発を実施しています。また、ビタミンの栄養強化向けの技術開発を行い、加工食品メーカーへの提案を実施しています。昨今の健康意識の高まりや簡便性や正確性による製造の省力化要望の拡大を背景に、ビタミンミックスのご要望が増えています。
天然系色素では、天然物である色素原料の調査のほか、生産技術の向上に取り組むとともに、加工食品メーカーへの提案を実施しました。
マイクロカプセルでは、医薬・食品用途への応用検討を推進しました。その中で、香料の固形製剤化技術が従来の錠菓だけでなくスナック菓子にも展開されるなど、用途拡大を進めています。
当事業に係る研究開発費は、
(国内化成品その他事業)
化成品用改良剤では、ユーザーニーズに対応して、プラスチック、ゴム、化粧品、トイレタリー、塗料、インキなどの化学品業界への改良剤の新規商材開発、機能開発及び応用研究を行っています。
安全性の高い化成品用改良剤の開発、新規機能を有するプラスチック改良剤の研究開発に加え、環境問題を考慮し持続可能な社会に対応したバイオベースマテリアルの応用研究に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、
(海外事業)
海外市場における研究開発活動は、食品用改良剤と化成品用改良剤についての展開を行っています。
食品用改良剤では、アプリケーションセンターをシンガポールと中国上海に設置して、海外市場に密着した、顧客視点での研究開発活動を推進しています。
RIKEVITA(SINGAPORE)PTE LTD内に設置されたアプリケーションセンターでは、パン、ケーキ、麺、冷菓、飲料、加工油脂、冷凍食品などの製造及び実験設備を備え、国内外の理研ビタミングループで製造している製品に関して、海外市場(特に東南アジア)の地域特性やユーザーニーズに対応した応用開発、新規製剤開発、取引先に対する技術サービスとその提案活動を行っています。
理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に設置されたアプリケーションセンターは上海中心部に立地し、末端市場及び顧客の視点から、顧客ニーズに対応したソリューションを提供できる体制を整備しています。パン、ケーキ、和菓子、麺、冷凍食品等の製造及び実験設備を備え、理研ビタミングループで長年培った知見、経験を生かし、中国国内顧客の製品の改良、工程改善、コストリダクション、新製品の開発などに貢献し、加工食品分野の情報発信基地となっています。上海からの出張だけではカバーできない中国内陸部の顧客に対しては、パンなどの試作設備も備える成都事務所と連携して対応いたしました。
2022年度は、国により新型コロナウイルス感染症の影響の強弱がありましたが、状況に応じてリモートもしくは対面による提案活動を実施いたしました。
化成品用改良剤においては理研維他精化食品工業(上海)有限公司内に化成品アプリケーションセンターを設置し、中国市場の地域特性に対応した製品開発、応用開発及び取引先への技術サービスを行っています。
これら海外アプリケーションセンターと国内の関連研究開発部門との連携をさらに強化し、人的交流、情報の共有化を進め、日本国内の知見、経験を取り込み、海外ユーザーのみならず日本国内ユーザーの海外展開への情報サービス提供活動を展開し、海外の食品用改良剤及び化成品用改良剤の研究機能の充実と強化に向けて積極的に取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は、