当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、企業理念を「高付加価値サービスの創造・提供を通じて お客様の満足と豊かな社会の発展に貢献します」と定めています。
具体的には、暮らしと社会の安心・安全と、快適で環境に配慮されたサステナブル(持続可能)な社会の実現に向け、日本の社会インフラや人々の生活、産業やサービスを支え、発展させるICTシステム(エネルギー:電力・ガス、交通、次世代通信、公共、防災、決済、モビリティ、医療・ヘルスケア、産業機器等)の開発・提供に加え、これらICTシステムのDX・IoT化に向けたAI(人工知能)、BI(データ分析や可視化)、セキュリティ等の先進的なデジタル・テクノロジーを提供しています。
引き続き、ICTソリューションの提供を通じて、「安心」「安全」「快適」「環境」に配慮したサステナブル(持続可能)な社会の実現(SDGsの達成)に貢献してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループの事業領域である、社会インフラ領域、先進インダストリー領域ともに、DX・デジタル化による企業変革、デジタル・データを利活用した新たなサービスの創出、業務効率化を通じた生産性や収益性の向上などを目指す投資需要は非常に旺盛であり、これらテーマがICT市場の成長・拡大を牽引することが期待されています。
また、ICTテクノロジー(AI:人工知能、BI:データ分析・可視化、セキュリティ等)を活用した新サービスが次々に創造・提供され、その勢いは日々加速しています。
加えて、情報のデジタル化が急速に進展する中、サイバー攻撃の脅威は益々高まり、社会システム全体に加え、機密情報やデジタル・データの保護など、安全保障につながるセキュリティ対策・サイバー攻撃対策が重要課題となっており、その対策が急がれております。
当社の主要顧客(社会インフラを支える企業や、日本のモノづくりを担う先進的なインダストリー企業等)においても、コロナ禍によって中断・延期していたICTシステムプロジェクトが続々と再開しているほか、DX・デジタル化、システム刷新/モダナイゼーション、カーボンニュートラル等をテーマとした新たなICTシステム投資も予定されており、当社への引き合いは増加しています。
このような経営環境及び課題に対し当社グループは、具体的な対応策として中期経営計画として取り纏め、2030年以降の持続的成長を見据え、サステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献する「事業戦略」と、企業価値・株主価値の向上につながる「企業戦略」の両軸で推進しております。
「中期経営計画」の概要
①スローガン
デジタル社会の“ あした ” をリードするイノベーションカンパニー
②事業戦略の概要 ~サステナビリティ(ESG/SDGs)に貢献~
・成長事業への対応強化:①次世代エネルギー
②スマートインフラ/スマートライフ
・ベースロードビジネスの拡充:エンタープライズ領域のDX/モダナイゼーション
・エリア戦略 :中部地区での展開
・アライアンス戦略 :グローバル・アライアンス(日米欧)によるソリューション展開
③企業戦略
・企業価値・株主価値の向上につながる経営高度化戦略の推進
(投資/M&A、人的資本/エンゲージメント、グローバル、研究開発・R&D、サステナビリティ)
当社グループは、企業理念「高付加価値サービスの創造・提供を通じてお客様の満足と豊かな社会の発展に貢献します」を掲げ、事業活動、企業活動を通じて未来の価値を共創することにより、サステナブル(持続可能)な社会の実現に取り組んでいます。
尚、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているために、実際の結果と異なる可能性があります。
(1)ガバナンス
当社は、経営の意思決定・監督機関としての取締役会と、その意思決定に基づく業務執行体制として経営会議を設け、経営の意思決定と業務執行の分離・確立を図るガバナンス体制を構築しています。
気候変動などの地球環境問題への配慮や人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇など、サステナビリティ関連のリスク及び機会の監視及び管理についても、このガバナンス体制の中で実施しています。
さらには、サステナビリティ関連の重要なテーマについて、全社横断的に各種委員会を設置し、テーマごとに検討・決定・推進を行うとともに、取締役会及び経営会議に報告し、サステナビリティ関連のガバナンスの統制の強化を図っています。
(2)戦略
当社は、企業の社会的責任を全うすることが、企業価値向上につながるとの認識のもと、すべての行動の基本となる方針として、「サステナビリティ方針」を策定しています。
サステナビリティ関連のリスク及び機会への対処は、サステナビリティ方針に基づき実施しています。
サステナビリティ方針(企業行動規範)
1.法令等を遵守し、立法の趣旨に沿って公明正大な企業活動を遂行します
2.市場における自由な競争のもとに、顧客のニーズにかなう高付加価値サービスを創造・提供するとともに、正しい商品情報を的確に提供し、顧客の信頼を獲得します
3.公明正大な取引を通じて取引先との信頼関係を築き、相互の発展を図ります
4.公正かつ透明な企業経営により、株主・債権者の理解と支持を得ます
5.従業員が企業の一員として連帯感を持ち、自己の能力・活力を発揮できるような環境づくりを行います
6.広く社会とのコミュニケーションを図るため、社会の要求に耳を傾けるとともに、必要な企業情報を積極的に開示します
7.個人等の情報、自社の秘密情報を適正に管理します
8.政治・行政と健全かつ透明な関係を維持します
9.社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは関係を持ちません
10.地域の発展と快適で安全な生活に資する活動に協力するなど、地域社会との共生を目指します
また、当社では、「社員の成長が会社の成長の源泉」であるととらえ、社員の成長を支援するための人材育成に積極的に取り組んでいます。
特に、変化の激しい市場環境に対応し、常に迅速に事業ポートフォリオの最適化を図ることができる組織力を醸成するため、人材の多様性を重視し、女性、外国人、高年齢者や様々な経験を持つキャリア採用者等、多様な人材の採用、起用を積極的に行っています。
これら多様な社員が、それぞれの特性や能力を最大限活かせる職場環境を整備し、新たな発想や価値を効果的に取り込むことで、当社の更なる飛躍につなげる環境づくりを目指しています。
<人材の多様性確保を含む人材育成に関する方針および取り組み>
①人材育成
イ.高度IT人材の育成
情報のデジタル化が急速に進展する現在のビジネス環境において、企業としての優位性を確保するためには、従業員一人ひとりの高度化(プロフェッショナル化)が求められています。高度IT人材が増えるほど、企業としての競争力は高まり、変化や危機に対し柔軟に対応できるようになると考えています。当社では、高度IT人材を「AIやDX等のIT先端技術に通じた人材」と定義し、200人の育成を目標に取り組みを強化しています。AI研究所を中心とした啓蒙活動に加え、社内の教育体制を整備し、全社で選抜した社員を対象とした「AIリテラシー研修」の開催や、社内の各組織が主催するセミナー、勉強会の実施、先端技術に関する資格取得奨励の強化等を通じて、技術力の向上、習得を推進しています。
ロ.基礎力強化の施策
様々なビジネスシーンにおいて保有するスキルや能力を十分に発揮するためには、社会人としての基礎力を向上させることが必要となります。当社では、基礎力を「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームワークで総合力を発揮する力」と定義し、知識やスキルを活かすために欠かせない力であるとの認識のもと、その向上に注力しています。具体的には、各階層に合わせて目標水準を見える化し、毎年2回の社内面談において、役職者と本人がその成長度合いを確認する機会を設けています。また、若手社員を中心として、毎年集合研修を行い、お互いに切磋琢磨し、刺激し合う機会を設けるなど、社員一人ひとりが成長できる環境づくりに取り組んでいます。
ハ.経営人材育成の施策
企業が永続的に成長し存続していくためには、常に次代を担う経営幹部を確保することが必要となります。当社においても次世代の経営幹部候補となる人材の育成に注力しており、優秀な人材の抜擢に積極的に取り組んでいます。また、候補者を選抜し、経営層幹部による講義や定期的な直接対話(面談)の実施を通じて、当社独自の人材育成を推進しています。
②ダイバーシティ
イ.多様な人材の採用
当社では、多様な人材の確保に向け、新卒採用においては、特に女性や外国人の採用に注力しています。当社の採用は技術職が中心ですが、文系理系を問わず、意欲や適性を広く考慮した採用活動を行っており、女性採用比率25%以上を目標に女性の採用を積極的に推進しています。
また、外国人採用に関しても注力しており、当社の海外拠点のあるベトナムからの留学生を中心に毎年数名を採用しています。また、日本語の習得支援の他、一時帰国支援制度を導入し、外国人特有の事情にも配慮した環境づくりに取り組んでいます。
ロ.女性の活躍推進
当社では、多様な人材の強みを生かせる風土づくりとして、特に女性が活躍できる環境づくりを推進しています。当社の管理職の女性比率は8.4%(2022年度末)となっていますが、その比率向上に向けて、新卒採用における女性比率向上(採用目標25%以上)や女性向けのキャリア研修の実施等を通じ、次世代の女性幹部候補者の育成、拡大に注力しています。
また、在宅勤務(テレワーク)、時差勤務、短時間勤務等の制度整備や、育児等の休業制度の整備・拡充を通じて、多様なライフスタイルに応じた働き方を選択できる環境づくりに取り組んでおり、育児休業を1ヶ月以上取得した社員に対する支援金支給制度を導入するなど、性別を問わない育児休業取得を推進しています。
ハ.高年齢者の活躍推進
労働人口が減少し、人材獲得競争が激化する中、高年齢者を含めた、幅広い人材の活躍が企業の成長に欠かせないものとなっています。当社では、60歳以上の高年齢者の継続雇用制度を見直し、評価により処遇が正社員時よりも高くなる制度を導入するなど、年齢を問わず活躍できる環境の整備に注力しています。また、社外からの経験者採用についても積極的に行っており、60歳以上の採用も、毎年数名実施しています。
これらの施策の結果、60歳以降の役職者が11名、60歳以降も継続勤務する社員も5年前の3.5倍に増加するなど、高年齢者の活躍が拡大しています。
<社内環境整備に関する方針および取り組み>
①ジョブ型要素を取り入れた人事制度改革
当社を取り巻くビジネス環境は、年々その変化のスピードを高めており、人材の確保とその成長が当社においても重要な経営課題の一つとなっています。
当社では従業員一人ひとりの成長こそが企業の成長の重要なベースとの考えのもと、これまでも社員一人ひとりの成長を評価し、処遇に反映できる仕組みを導入し、社員の育成に注力してまいりましたが、さらなる成長力強化を図るため、新たにジョブ型要素を取り入れた人事制度を導入しました。
新制度では、社員の担う職務や役割に焦点を当てた評価、処遇制度を導入し、社内外の優秀な人材を今まで以上に抜擢しやすい制度としました。また、複数のキャリアパスモデルを設け、社員が、自らのキャリアを設計し、自律的にスキルアップに取り組みながら、自己実現を図ることができるよう制度を改めた他、それらのキャリアに応じた教育制度を整備するなど、個人の成長を支える環境づくりに取り組んでいます。
②ウェルビーイングの向上
当社では、多様なライフスタイルを持った社員が、働きがいを持って仕事に取り組むことができる環境づくりに注力しています。そのために、社員一人ひとりがその能力を十分発揮し、自らが考えたキャリアを職場で実現できる環境を提供することが必要だと考えています。
イ.年次有給休暇の取得推進
当社では、ワークライフバランス向上を目的に、年次有給休暇の取得促進を含む休暇制度の充実化に取り組んでいます。具体的には、年間の年次有給休暇取得計画の設定や、夏季休暇に合わせた連続取得の推奨、社内会議を行わないノー会議デーの設定等、計画的に休暇を取得しやすい環境を整備しています。
ロ.テレワークを含む多様な働き方の制度化
当社では、自らの業務や家庭の状況等に合わせて時間や場所を選択できるよう、全社員を対象に在宅勤務制度(テレワーク制度)や時差勤務制度を導入しています。現在、全社員の69%が在宅勤務制度を利用しており、全勤務に占めるテレワーク利用率も25~30%を維持するなど、制度の利用が定着しています。
ハ.健康経営
当社では、社員が健康に、安全に、安心して、快適に働くことができる環境づくりに注力しています。具体的には、社員の健康診断受診を推奨しており、その受診率は毎年ほぼ100%を維持しています。また産業医との連携により、健康診断結果を業務上の疾病予防等を含む保健指導につなげています。
また、メンタル疾患対策として、ストレスチェック制度を活用して、その結果に基づく個人と職場へのフィードバックを行っている他、やむを得ず病気やケガで休業した社員に対し、復職前の柔軟なトレーニングプログラムや復職後の短時間勤務プログラムを導入し、確実な職場復帰を支援する体制を構築しています。
③経営への参画意識醸成
当社では、従業員の経営参画意識醸成と福利厚生(資産形成)とを兼ねて、従業員持株会制度を運営しています。当社従業員のうち、持株会に加入している社員は57%と高く、また株主構成においても、従業員持株会が第2位に位置するなど、従業員の経営参画意識醸成につながっています。
さらに、経営幹部を対象に「譲渡制限付株式報酬制度(RS)」を通じた、当社株式の付与を行っています。これは、中長期的なインセンティブ要素として機能することを図る制度で、株主との利益共有を通じて経営参画意識の醸成につながっています。
(3)リスク管理
当社は会社の事業展開に伴うサステナビリティ関連を含むあらゆるリスクに適正かつ迅速に対処できるようにするため、リスク管理規則をはじめとする社内規則を整備し、リスクの的確な把握、適正な対処、監視・責任体制を明確にしています。
また、内部統制委員会、情報セキュリティ委員会、安全衛生委員会、環境委員会など各種社内委員会の設置及び品質、情報セキュリティ、環境など各種マネジメントシステムを活用し、リスク管理が有効に機能するような仕組みを構築しています。
加えて、リスクコンプライアンス会議を設置し、リスク情報の共有促進・組織横断的な対策を推進しています。具体的には、定期点検モニタリングを行い、リスク情報を共有、対策検討し、重要事項については、内部統制委員会に報告しています。
さらには、従業員に対する教育研修によるリスク管理意識の向上や、モニタリング方法の改善によるリスクを検出する仕組みの強化などを通じて、個々の職務執行に伴う具体的なリスクの識別・評価・監視・管理の実効性を高め、リスク管理の充実化を図っています。
(4)指標及び目標
当社は、サステナビリティ方針に基づく取り組みの進捗を測るべく、KPI設定に関する議論を継続的に行っています。
現時点において、人材育成及び社内環境整備について、以下の非財務KPIの目標を設定し、目標達成に向けた取り組みを推進しています。
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テーマ |
指標 |
実績 (2020~2022年度平均) |
目標 |
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人材の多様性確保 |
女性 新卒採用比率 |
25.9% |
25%以上 |
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外国籍 新卒採用人数 |
0.7名/年 |
数名/年 |
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経験者 採用人数 |
5.6名/年 |
15名/年 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下の通りであります。尚、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から開示しています。尚、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であります。
尚、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在している為に、実際の結果と異なる可能性があります。
(1) 顧客の投資計画に係るリスクについて
顧客の投資計画の実行は、経済環境や収益動向等に影響を受け、それらが悪化したことにより、顧客のICT投資が凍結・延期・削減される可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクの低減を図るため、当社グループは、特定の事業セグメントや特定の顧客に過度に依存しないバランス経営を図ると共に、事業セグメント毎の主要顧客別戦略を推進しています。
(2) プロジェクトに係るリスクについて
当社グループが顧客にシステムやソリューションを提供する場合、顧客との間で予め対価を契約により定めておりますが、受注時におけるコスト見積の誤り、品質管理、及び工程管理等に問題が生じた場合は、技術者の追加投入や賠償等が発生することにより採算性が低下する可能性があります。
また、顧客との間で予め定めた期日迄に作業を完了・納品できなかった場合には遅延損害金が、最終的に作業完了・納品できなかった場合には損害賠償責任が、作業完了・納品後に不具合等が発見された場合には瑕疵担保責任が発生することに加え、当社グループの信用の失墜により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクの低減を図るため、当社グループは、次の施策により、高品質な情報システムの提供を図っています。
・「ISO9001:品質マネジメント・システム」に準拠した品質保証推進活動
・品質保証推進の専任組織を中心とした、全社横断的な各品質向上施策の推進
・見積書提出時や、プロジェクトの進捗過程における定期的なリスク診断、当社グループ独自のプロジェクト監視ツールによる各プロジェクトの進捗状況等の「見える化」、情報の一元管理、及び社内各層における情報共有の推進
・品質監査の充実による、品質保証推進の活動形骸化の防止
・プロジェクト・マネジメントの国際的な資格である「PMP資格」の取得を推進し、有資格者によるプロジェクト管理、品質管理、及びリスク・マネジメントを強化
(3) 協力会社の活用に係るリスクについて
当社グループは、顧客から受注したICTシステム開発は、多くの協力会社と協業し、推進しておりますが、協力会社との協業が計画通り推移しない場合、最先端技術を活用したICTシステムの提供や、旺盛なICT投資ニーズに応える開発体制の提供が難しくなることから、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、協力会社との円滑なアライアンス体制の維持・強化を通じて、これらのリスクの低減に努めています。
(4) 海外オフショア開発に係るリスクについて
当社グループは、オフショア開発を推進することで、不足する人材顧客ニーズの一つである「開発コストの抑制」に取組んでいますが、地政学リスクや、災害、人件費の高騰等により、安定した発注が出来なくなる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
これらのリスクの低減を図るため、当社グループは、海外オフショア開発を推進する100%子会社「アドソル・アジア社」が中心となり、開発委託国の多様化や開発拠点の整備・拡充に継続して取り組むことで、安定した海外オフショア開発体制の維持と、最適化を推進しています。
(5) 情報漏洩に係るリスクについて
秘密情報、及び個人情報の保護、並びにその漏洩対策は極めて重要な課題となっており、万が一、情報漏洩等の事故等が生じた場合、損害賠償責任や信用失墜により、当社グループの事業活動、及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、当社グループでは、「ISO27001:情報セキュリティ・マネジメント・システム」、「JIS Q 15001:プライバシー・マーク」の各認証を取得し、運用の徹底を図っております。当社グループ社員はもとより協力会社とも連携し、開発業務に従事する技術者を対象としたセキュリティ教育や啓蒙活動により秘密情報や個人情報の安全性・信頼性の確保を図っています。
(6) 情報システムの障害発生にかかるリスクについて
当社グループは、事業の特性上、多数のコンピュータ機器を利用していることから、大規模な災害・停電、システムまたはネットワークの障害、不正アクセスやコンピュータ・ウイルス等による被害が発生した場合、プロジェクトの中止や延期に伴う損害賠償責任や信用失墜により、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、当社グループでは外部のデータセンタを活用し、データの保全、電源確保、対不正アクセス等の対策を講じています。又、セキュリティ技術に関する研究を推進し積極的な活用を図っています。
(7) 知的財産権に係るリスクについて
当社グループが保有する独自技術については、特許権の取得に取組んでいることに加え、第三者の知的財産権を侵害する事態を可能な限り回避すべく特許事務所等にて適時確認をする等の最善の努力をしています。
しかし、当社グループが事業の展開を進めている分野において既に成立している特許権の全てを検証し、更に将来どのような特許権その他知的財産権が成立するかを正確に把握することは困難であります。
その為、現在、又は将来利用する技術と抵触する特許権等の知的財産権を第三者が既に取得している可能性も否定できず、万一そのような事態が発生した場合には、当該知的財産権侵害に関する提訴を受け、当社グループに損害賠償義務が発生する等、当社グループの経営成績、及び財政状態に影響が生じる可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、当社グループが保有する独自技術については、特許権の取得に取組み、あわせて、第三者の知的財産権侵害を回避すべく特許事務所等にて適時確認をする施策を推進しています。
尚、当連結会計年度末現在、20件の特許を取得し、加えて6件の特許を申請中です。
(8) 有能な人材の確保・育成に係るリスクについて
当社グループは、最も重要な経営資源である人材の確保、及び育成こそが企業の成長・発展の源泉であるとの方針から、有能な技術者、業務ノウハウの保有者、管理者等の確保・育成に努めています。
有能な人材の確保・育成が著しく停滞した場合、又は、退職者が増加した場合は、受注活動の停滞やプロジェクトの進捗遅延及び中止につながり、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、当社グループは、多様性にも配慮した積極的な採用活動(新卒・経験者)を推進し、人材確保に注力しております。また、人材育成においては、階層別・職種別の教育研修体系を整備し、年度教育計画を定め、社員一人ひとりの育成プランにつなげるなど、専門知識・実務知識や、最先端技術の習得をキャリア形成とともに育成を図っています。
(9) 労務管理に係るリスクについて
プロジェクトにおいては、予期しえないシステム障害への対応、開発遅延対応、開発品質の低下対応等により、追加的な労働時間の発生やストレスによる健康不良等が社員の健康問題や労務問題につながり、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、当社グループは、プロジェクト管理と連動した労務管理の徹底、有給休暇の取得推進、テレワークの奨励などの「働き方改革」に取り組み、労務環境の改善とリスク低減に努めています。
(10)法令遵守に係るリスクについて
当社グループが事業活動を行うに当たり、「個人情報保護法」「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」「下請代金支払遅延等防止法」「外国為替及び外国貿易法」等の関連法令の適用を受けています。これらの法令に違反した場合、それぞれの法令で定められている罰則の適用を受ける可能性に加え、社会的信用の失墜により、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、法令遵守に係るリスクを的確に把握していく必要があるという認識に立ち、当社グループは次の施策により、法令遵守体制を確立・推進しています。
・企業活動を行うに当たっての基本的な方針を纏めた「企業行動規範」の制定
・企業倫理の遵守に関する説明会や階層別教育による、従業員の意識向上と周知徹底の推進
・公益通報保護や内部通報制度の確立による、小さな問題が法令等違反へ発展することの未然防止
・顧問弁護士と連携した、法的リスクの回避体制の確立
(11)自然災害・パンデミック発生に係るリスクについて
地震・台風・集中豪雨等の自然災害や、新型コロナウイルス感染症などのパンデミックの発生は、プロジェクトにおける納期遅延等のみならず、当社グループの事業活動の継続そのものに多大な影響を及ぼす可能性があります。
これらリスクの低減を図るため、当社グループは、事業継続計画にて、事業活動に中断が生じた場合でも、確実に復旧するための対応方針を定めています。
また、当社グループオリジナルのリモート開発ツールを活用することで、テレワークや分散開発を推進し、自然災害やパンデミックが発生した場合においても、システム開発への影響を抑制する効果があるものと考えております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、コロナ禍を経た社会経済活動の平準化の歩みが進む一方、慢性的な人材不足に加え、グローバル・サプライチェーンの混乱や国際情勢不安とこれによる資源・エネルギー価格の高騰、物価や金利の上昇など、依然として国内景気の下押しリスクが懸念される状況が継続しました。
当社グループ(当社及び連結子会社)が属する市場においては、全産業でDX・デジタル化による企業変革、デジタル・データを利活用した新たなサービスの創造、業務効率化による生産性や収益性の向上などを目指す投資需要は非常に旺盛であり、これらテーマがICT市場の成長・拡大を牽引することが期待されています。
当社の主要顧客(社会インフラを支える企業や、日本のモノづくりを担う先進的なインダストリー企業等)においても、コロナ禍によって中断・延期していたICTシステムプロジェクトが続々と再開しているほか、DX・デジタル化、システム刷新/モダナイゼーション、カーボンニュートラル等をテーマとした新たなICTシステム投資も予定されており、当社への引き合いは増加しています。
このような環境下において、当社グループでは、中長期的な持続的成長を見据え、新・中期経営計画(2023年4月~2026年3月)の策定に取り組むとともに、「DX・デジタル化」「システム刷新/モダナイゼーション」「カーボンニュートラル」等のテーマで、事業拡大に向けた次の重点施策に取り組みました。
新たな価値の創造・提供への挑戦として、日本初となるSIパートナー契約を締結した仏・シュナイダーエレクトリック社と、製造業界やエネルギー業界向けDX・IoTサービスの拡大に注力しました(インダストリーDX、マイクログリッド・VPP、エネルギーマネジメント等)。
次に、ワシントンD.C.発のユニコーン企業 Mapbox Inc.とソフトバンク株式会社が共同出資するマップボックス・ジャパン合同会社と、地図を用いたDXの推進に向けてパートナー契約を締結しました。今後、当社が強みを有するエネルギーやインダストリー領域を足掛かりに幅広い業界へ展開し、3年後に100社への導入を目指すとともに、ソリューションパッケージなどの共同開発も行ってまいります。
さらに、株式会社データビークルと、同社が提供する「dataDiver(データダイバー)」と「dataFerry(データフェリー)」を活用した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の予防活動に関する「データ分析ソリューション」を共同で推進し、東京都に納入しました。今後、本ソリューションの機能拡充・アップデートに取り組み、パンデミックや激甚災害発生などに対応した「レジリエンス・ソリューション」としても展開を図ってまいります。
上記以外にも、複数の企業との新たなDX価値の共創に向けた協議を開始するなど、当社のエンジニアリングサービスやソリューションにおける新たな価値の創造に取り組んでおります。
競争優位の発揮としては、まず、中部地区での事業拡大と顧客リレーション強化を目的として、名古屋市で新オフィスの開設準備にあたりました(開設:2023年4月)。
次に、研究開発活動として、国立研究開発法人 産業技術総合研究所とともに「AIの品質ガイドライン」策定プロジェクト、及び「AIの品質評価プラットフォーム」開発プロジェクトに継続して取り組みました。
さらに、産学連携への取り組みとして、東京大学大学院との宇宙・衛星データ関連の共同研究に継続して取り組んだことに加え、新講座「実践宇宙データ活用」において、AI・IoT分野を中心に支援を行いました。加えて、立命館大学(IoTセキュリティや、次世代IoT機器向け、組み込み「マルチコア制御システム」)、慶應義塾大学(GIS:地理情報システム)や早稲田大学(EMS:エネルギー・マネジメント・システム)等との共同研究に継続して取り組みました。
これら研究開発活動の成果として、知的財産権の強化に注力しており、2023年3月末日現在、20件(前期比3件増)の特許を取得しております。今後も、技術の強化を図るとともに独自技術の特許化を推進してまいります。
変革と成長を支える多様な人材育成の取り組みとしては、新入社員研修(54名)のほか、「AIエンジニア」「DXコンサルタント」「データ・サイエンティスト」をはじめとしたDX人材教育に注力しました。加えて、品質力やプロジェクト・マネジメント力の強化として、プロジェクト管理の国際標準資格であるPMP(Project Management Professional)資格取得者の増員に継続して取り組みました。
企業価値向上に向けた取り組みとしては、「DX・デジタルのアドソル日進」ブランドの市場訴求に向け、当社グループのDXに関する取り組みやソリューションをご紹介する動画を作成・公開しました。
次に、デジタル技術による社会変革を踏まえ、DXを推進する準備が整った企業として、経済産業省より「DX認定事業者」に選定されました。
さらに、ベトナムでの海外オフショア開発やソリューションビジネスなどの推進に向け、日越外交の発展に向けた記念事業に賛同・協賛しました。(日越外交関係樹立50周年記念特設サイト:https://japanvietnam50.org/)
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、12,842百万円(前期は12,247百万円)と増収に転換しました。
利益面では「DX・デジタル/スマートシティのアドソル日進」ブランドの確立に向け、人材育成(新入社員:54名、DX・AI人材など)や、営業・コンサルティング体制の強化、研究・開発、社内システムのDX・デジタル化、エリア戦略(名古屋オフィス新設)等の戦略投資を推進した一方、収益性の向上に継続して取り組みました。
その結果、営業利益は1,210百万円(前期は1,088百万円)と増益に転換しました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
①社会インフラ事業
エネルギー分野(電力・ガス)は、ガス関連では前期までの大型法的分離案件が終了しましたが、電力関連で新たに、次世代スマートメーターや再生可能エネルギーの活用など、対応テーマの拡大に注力しました。加えて、中部地区での対応強化に取り組みました。
交通・運輸分野(道路・鉄道、航空・宇宙等)では、航空関連で新たにキャリア向け新規案件を受注しプロジェクトがスタートしたことに加え、宇宙関連や道路関連で対応テーマの拡大に取り組みました。
公共分野(防災等)では、防災関連が拡大しました。
通信・ネットワーク分野(次世代通信5G等)では、5Gを中心とした基地局開発等に、継続して取り組みました。
その結果、当連結会計年度の売上高は、7,203百万円(前期は7,348百万円)となりました。
②先進インダストリー事業
制御システム分野(スマート・モビリティ、先進医療、産業機器等)では、スマート・モビリティ(先進EVや、自動運転等)や先進医療関連が計画通り推移しました。
基盤システム分野(キャッシュレス・決済・クレジットカードを中心としたペイメント・システムや、業務基盤システム関連)では、ペイメント関連や業務基盤関連(メーカーやシステムインテグレーター向けDX案件)が拡大しました。
ソリューション分野では、「GIS:地理情報システム」を中核に、エネルギーやインダストリー分野でのDX対応、グローバル企業とのアライアンスビジネスの拡大と新サービスの創造に注力しました。また、セキュリティ・ソリューション:LynxSECUREが公共領域で継続採用されました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、5,638百万円(前期は4,899百万円)となりました。
2023年3月期(連結業績) セグメント別売上高
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事 業 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
||||
|
|
分 野 |
実績(百万円) |
構成比(%) |
実績(百万円) |
構成比(%) |
前期比(%) |
|
社会インフラ |
7,348 |
60.0 |
7,203 |
56.1 |
△2.0 |
|
|
|
エネルギー |
6,092 |
49.7 |
5,818 |
45.3 |
△4.5 |
|
|
交通・運輸 |
473 |
3.9 |
626 |
4.9 |
32.3 |
|
|
公共 |
141 |
1.2 |
288 |
2.2 |
104.5 |
|
|
通信・ネットワーク |
641 |
5.2 |
470 |
3.7 |
△26.6 |
|
先進インダストリー |
4,899 |
40.0 |
5,638 |
43.9 |
15.1 |
|
|
|
制御システム |
1,437 |
11.7 |
1,471 |
11.5 |
2.4 |
|
|
基盤システム |
2,849 |
23.2 |
3,527 |
27.5 |
23.8 |
|
|
ソリューション |
612 |
5.0 |
639 |
5.0 |
4.4 |
|
全社合計 |
12,247 |
100.0 |
12,842 |
100.0 |
4.9 |
|
(2)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
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事 業 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
|
分 野 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
社会インフラ |
5,349 |
△4.8 |
|
|
|
エネルギー |
4,262 |
△7.9 |
|
|
交通・運輸 |
473 |
31.6 |
|
|
公共 |
235 |
102.0 |
|
|
通信・ネットワーク |
378 |
△26.2 |
|
先進インダストリー |
4,116 |
14.2 |
|
|
|
制御システム |
1,098 |
1.1 |
|
|
基盤システム |
2,593 |
22.5 |
|
|
ソリューション |
424 |
5.9 |
|
合 計 |
9,465 |
2.6 |
|
(注)当社グループの生産実績の大半が提出会社によるものであるため、上記の金額は提出会社単独の金額を記載しております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
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事 業 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||||
|
|
分 野 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
社会インフラ |
7,554 |
4.9 |
1,484 |
31.0 |
|
|
|
エネルギー |
6,072 |
3.1 |
1,165 |
27.9 |
|
|
交通・運輸 |
678 |
32.2 |
124 |
72.2 |
|
|
公共 |
294 |
77.5 |
59 |
11.0 |
|
|
通信・ネットワーク |
509 |
△19.4 |
135 |
40.3 |
|
先進インダストリー |
5,599 |
7.9 |
1,127 |
△2.9 |
|
|
|
制御システム |
1,435 |
3.2 |
175 |
△17.0 |
|
|
基盤システム |
3,562 |
14.0 |
842 |
4.6 |
|
|
ソリューション |
600 |
△10.5 |
108 |
△23.9 |
|
合 計 |
13,153 |
6.2 |
2,611 |
13.9 |
|
(注)当社グループの受注実績の大半が提出会社によるものであるため、上記の金額は提出会社単独の金額を記載しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。
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事 業 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
|
分 野 |
売上高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
社会インフラ |
7,203 |
△2.0 |
|
|
|
エネルギー |
5,818 |
△4.5 |
|
|
交通・運輸 |
626 |
32.3 |
|
|
公共 |
288 |
104.5 |
|
|
通信・ネットワーク |
470 |
△26.6 |
|
先進インダストリー |
5,638 |
15.1 |
|
|
|
制御システム |
1,471 |
2.4 |
|
|
基盤システム |
3,527 |
23.8 |
|
|
ソリューション |
639 |
4.4 |
|
合 計 |
12,842 |
4.9 |
|
(注)最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次の通りであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合 (%) |
金額 (百万円) |
割合 (%) |
|
|
三菱電機(株) |
2,346 |
19.2 |
2,175 |
16.9 |
|
東京ガスiネット(株) |
1,635 |
13.4 |
1,348 |
10.5 |
|
東京ガス(株) |
1,227 |
10.0 |
134 |
1.0 |
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次の通りであります。
「流動資産」は、6,244百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,088百万円増加しました。
主な変動要因としては、現金及び預金の増加584百万円、売掛金及び契約資産の増加442百万円等によります。
「固定資産」は、3,093百万円となり、前連結会計年度末と比べ179百万円増加しました。
主な変動要因としては、無形固定資産の増加22百万円、投資有価証券の増加253百万円、繰延税金資産の減少54百万円、敷金及び保証金の減少56百万円等によります。
これにより、資産合計は9,338百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,268百万円増加しました。
「流動負債」は、1,945百万円となり、前連結会計年度末と比べ594百万円増加しました。
主な変動要因としては、買掛金の増加71百万円、未払金の増加148百万円、未払法人税等の増加176百万円、未払消費税等の増加74百万円、賞与引当金の増加89百万円等によります。
「固定負債」は、715百万円となり、前連結会計年度末と比べ33百万円減少しました。
主な変動要因は、退職給付に係る負債が33百万円減少したことによります。
これにより、負債合計は、2,661百万円となり、前連結会計年度末と比べ560百万円増加しました。
「純資産」は、6,676百万円となり、前連結会計年度末と比べ707百万円増加しました。
主な変動要因は、利益剰余金が506百万円、その他有価証券評価差額金が175百万円増加したこと等によります。
以上の結果、「自己資本比率」は、70.2%となり前連結会計年度末と比べ2.2ポイント減少しました。
当連結会計年度は、売上高は12,842百万円となりました。これは、当社は持続的成長を見据え「DX・デジタル化」「システム刷新/モダナイゼーション」「カーボンニュートラル」等のテーマで、事業拡大に注力しました。また、グローバル企業(仏・シュナイダーエレクトリック社、米・マップボックス社等)とのアライアンスビジネスの強化、エネルギー分野に次ぐ新たなビジネスの柱の開拓、新たな価値の創出(東京大学大学院工学研究科との宇宙・衛星データ利活用に関する共同研究)など、中長期的な企業価値向上につながる取り組みを推進したことによるものと分析しております。
利益面では、営業利益は1,210百万円、経常利益は1,244百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は841百万円となりました。これは、「DX・デジタル/スマートシティのアドソル日進」ブランドの確立に向け、人材育成(新入社員:54名、DX・AI人材など)や、営業・コンサルティング体制の強化、研究・開発、社内システムのDX・デジタル化、エリア戦略(名古屋オフィス新設)等の戦略投資を推進した一方、収益性の向上に継続して取り組んだことによるものと分析しております。
当連結会計年度における重点施策の取組み状況、セグメント別ごとの経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載の通りであります。又、当社グループの経営方針、対処すべき課題及びその課題に対応するための事業戦略、重点戦略等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りであります。
② キャッシュ・フローの状況並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析
(a)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは1,020百万円の収入(前年同期は1,781百万円の収入)となりました。主な要因は税金等調整前当期純利益は1,240百万円、売上債権の増加439百万円、法人税等の支払額253百万円等によるものであります。
(b)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは99百万円の支出(前年同期は241百万円の支出)となりました。主な要因は無形固定資産の取得による支出126百万円、敷金及び保証金の回収による収入52百万円等によるものであります。
以上により、フリー・キャッシュ・フローは、920百万円の収入となりました。
(c)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは336百万円の支出(前年同期は410百万円の支出)となりました。主な要因は配当金の支払い334百万円等によるものであります。
b.資金需要
当社グループの資金需要として主なものは、運転資金として、システム開発のための人件費、外注費、販売費及び一般管理費としての人件費、経費等の他、研究開発投資や、M&A並びに資本業務提携といった投資戦略も資金需要の一つと考えております。
c.財務政策
必要となる資金につきましては、内部資金を充当し、必要に応じて有利子負債の調達を実施することを基本としております。
又、運転資金の調達手段の利便性確保を目的として総額700百万円のコミットメントライン契約を締結しております。尚、この契約に基づく当連結会計年度末の借入残高はありません。
d.経営資源の配分
当社グループは企業価値向上を持続させるための積極的な戦略投資と、財務体質の安定化に向けた内部留保、さらに、株主の皆様に対する利益還元との適正なバランスを確保することを目指し、成長投資、手許資金、株主還元としての経営資源の配分を決定しております。株主還元については、持続的な安定配当に留意し、業績に裏付けられた成果の配分を行っております。具体的には、「連続増配」「配当性向40%以上」「年2回(中間・期末)」を配当方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、この連結財務諸表の作成に当たっては、経営者により一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。
これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っていますが、見積りには不確実性が伴う為に、実際の結果は、これらとは異なることがあります。
会計上の見積りのうち、特に重要な判断を要するものは以下の通りです。
a. 一定の期間にわたり履行義務を充足する収益認識
「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
b. 完成工事補償引当金
当社グループは、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載の通り、工事契約における完成工事のうち、完成工事の品質に関する補償費用の支出が見込まれる場合には、当該費用見込額を完成工事補償引当金として計上しております。想定していなかった原価の発生等により、当初の見積りを超える原価が発生する場合には、親会社株主に帰属する当期純利益及び利益剰余金に影響を及ぼす可能性があります。
尚、当連結会計年度末において、完成工事補償引当金は発生していないため、連結貸借対照表に計上しておりません。
c. 工事損失引当金
当社グループは、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載の通り、工事契約における未引渡し工事のうち、損失の発生が高く、工事損失額を合理的に見積ることができる工事等については、損失発生に備えるため、当該損失見込額を工事損失引当金として計上しております。想定していなかった原価の発生等により、当初の見積りを超える原価が発生する場合には、親会社株主に帰属する当期純利益及び利益剰余金に影響を及ぼす可能性があります。
尚、当連結会計年度末において、工事損失引当金は発生していないため、連結貸借対照表に計上しておりません。
d. 退職給付費用及び退職給付に係る負債
当社グループは、「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項 (4)退職給付に係る会計処理の方法」に記載の通り、従業員の退職給付に備える為、当連結会計年度末における退職給付債務の見込み額に基づき、退職給付費用及び退職給付に係る負債を計上しております。
退職給付債務は、割引率、退職率及び死亡率など数理計算上の基礎率に基づき見積られております。実績と見積りとの差は数理計算上の差異として、発生年度に一括して費用処理しており、退職給付費用及び退職給付に係る負債に影響を及ぼします。この数理計算上の仮定を適切と考えておりますが、実績との差異や仮定の変動により親会社株主に帰属する当期純利益及び利益剰余金に影響を及ぼす可能性があります。
尚、退職給付費用及び退職給付に係る負債に関する見積りや前提条件については、「注記事項(退職給付関係)」に記載の通りです。
e. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産についてその発生の原因ごとに回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる項目については、評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断については、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合には、回収可能性の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純利益及び利益剰余金に影響を及ぼす可能性があります。
尚、繰延税金資産の発生の主な原因別の内訳については、「注記事項(税効果会計関係)」に記載の通りです。
f. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、対象資産のグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判定しております。
減損するか否かを判断するための対象資産の収益性の評価は、その時の業績等により変動するため、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合には、固定資産の減損を実施し、親会社株主に帰属する当期純利益及び利益剰余金に影響を及ぼす可能性があります。
尚、当連結会計年度において減損損失の認識はしていないため、注記に記載はしておりません。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のあるリスクにつきましては、「3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
該当事項はありません。
当社の社名である「アドソル」とは、「Advanced Solution(アドバンスト・ソリューション)」を意味し、「デジタル社会の“あした”をリードするイノベーションカンパニー」を、スローガンとして掲げております。
国内外の大学・研究機関との共同研究や最先端企業との連携に加え、AI研究所や、米国サンノゼ・シリコンバレーの100%子会社であるAdsol-Nissin San Jose R&D Center,Inc.(アドソル日進サンノゼR&Dセンタ)を通じて、「DX」「AI」「IoT」「セキュリティ」などの最先端技術を駆使し、サステナブル(持続可能)な社会と豊かな社会の発展に寄与する革新的なキーテクノロジーの融合(セキュリティ・地図情報・IoT)による、バリューソリューションの創造と、強化・拡充が、研究開発活動の基本的な方針です。
加えて、ローコードやノーコードなどの高速開発技術を活用した当社グループ独自の開発モデルや、多様化する開発スタイルに適応した新たなインテグレーション・サービスの研究開発に取り組んでいます。
尚、当社グループにおける研究開発活動は、個別の事業セグメントに特化するものではなく、事業横断的に適用可能であるため、セグメント別に分計はしていません。
尚、当連結会計年度における研究開発活動の総額は、