第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は130年以上という長きにわたり、大きな社会変動を乗り越えて良質な製品とより良いサービスを提供してきました。この伝統と実績を受け継ぎ、「人を大切に、技を大切に」を経営理念とし、如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行うことを経営の基本方針としております。

 

(2)中期経営計画

当社グループでは、中期経営計画(2022年度~2024年度)において「成長戦略の推進と成果の実現」を最重要課題とし、3つの重点施策に取り組んでおります。

 

①成長事業の拡大

成長事業分野の製品においては、デジタル化社会の実現に貢献する電子材料向け製品への積極的な投資を継続し、事業の更なる拡大に注力します。また、新価値領域のプラットフォームとして「快適性の向上」・「エネルギーマネジメント」・「健康(命)を守る」を掲げております。このプラットフォームの拡充を図りながら社会課題の解決に繋げてまいります。

 

②グローバル化の推進

東南アジアを中心とした新興国市場のニーズの掘り起こしや海外現地企業とのアライアンス等のあらゆる可能性の探求を行い、海外市場における事業機会の獲得を図ります。また、海外販売拠点の活動を更に進め、新市場の開拓や営業拡販を引き続き強化してまいります。

 

③経営基盤の強化

原材料調達において、地政学リスクや物流における課題にも対応できる強靭なサプライチェーンを構築いたします。また、工場のスマート化を推進し、品質改善・設備管理及び業務改善に努め、安定操業の実現とコスト競争力の強化を図ります。成長分野や海外展開、製品開発等に経営資源を重点配分するとともに、事業ポートフォリオの最適化を進めてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

中期経営計画(2022~2024年度)の最終年度において売上高400億円、営業利益35億円を目標といたします。また、EBITDA75億円、ROE6.0%を重要経営指標に設定いたしました。

 

 

中期経営計画

最終年度(2024年度)

目標値

売上高

400億円

営業利益

35億円

重要経営指標

EBITDA(※)

75億円

ROE

6.0%

(※)EBITDA=営業利益+減価償却費

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、社会経済活動が緩和され、緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、ウクライナ情勢の長期化等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く経営環境は、デジタル化の加速、新たな価値観の創出、ニーズの多様化等による需要拡大が見込まれるものの、原燃料価格の高騰や円安の進行等によるコスト上昇が継続する懸念もあり、より慎重な経営のかじ取りが求められます。

当社グループでは、『如何なる市場環境変化の時代においても、高収益体質企業を実現させ、長年蓄積してきた「人と技術」を通して、高品質の製品とサービスを提供し、価値創造企業へ向けて更なる挑戦を行う』を経営の基本方針に掲げ、「(2) 中期経営計画」で示しました重点施策に加え、以下に示すサステナブル経営の推進に取り組んでまいります。

 

(サステナブル経営の推進)

当社の経営に影響を及ぼす外部環境として、環境面では脱炭素社会の実現にむけた温室効果ガス削減、社会面では少子高齢化による労働人口減少や多様化するライフスタイル、ガバナンス面ではコンプライアンス、コーポレートガバナナンス等の強化等が挙げられます。このような外部環境の変化に配慮したサステナブル経営をより一層推進するためにサステナビリティ推進委員会を設置しました。サステナブル経営を行うにあたり、まず当社の事業活動における重要課題(マテリアリティ)の特定を行いました。具体的には、CSR・ESGに関する国際的なガイドラインや評価指標等から、当社の事業領域を考慮し、当社が取り組むべきマテリアリティの候補として55の項目を抽出しました。その中からステークホルダーと当社にとって重要度が高いと思われる課題について、サステナビリティ推進委員会において協議を行い、9つのマテリアリティを特定しました。これらのマテリアリティに対し、リスクに関しては回避や抑制を、機会に関しては企業価値の向上や新しいビジネスへと繋げる取り組みを行ってまいります。

 

当社のマテリアリティ

 

マテリアリティ

リスク

機会

アプロ―チ

環境

温室効果ガス排出量の削減

・地球温暖化に伴う各種規制強化による原料、製造コストの上昇

・自然災害の激甚化に対応する設備投資の増加

・低炭素・脱炭素を実現する新製造技術の確立による製品価値の向上

・脱炭素社会への積極的な対応姿勢による企業価値やレピュテーションの向上

温室効果ガス排出量を把握するとともに再生エネルギーの活用、エネルギーの効率的利用等による温室効果ガス排出量削減に取り組む

環境保全

・環境負荷物資削減の停滞や重大な環境事故の発生による企業価値やレピュテーションの毀損

・環境の分析評価や保全活動による企業価値やレピュテーションの向上

製造工程の改善・管理強化により環境負荷物質排出量の低減に取り組む

社会

働きがいの向上

・働きがいの低下が組織力の低下に繋がる

・働きがいの向上により組織力を向上させる

多様化する働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の構築を進める

健康経営、労働安全衛生の推進

・従業員の健康を確保できず、組織力の低下に繋がる

・従業員の健康確保により組織力を向上させる

社員とその家族の安全・健康を第一に考えた対応を積極的に進める

地域社会への貢献

・地域社会との関りが希薄になり、事業活動の継続ができなくなる

・地域社会と良好な関係を構築し事業活動を安定させ、企業価値を向上させる

地域社会への貢献活動を通じ、長期的で良好な関係を構築する

ガバナンス

コーポレートガバナンスの強化

・社会的信頼度の低下

・収益性の低下

・投資採算性の悪化

・資金コストの増大

・コーポレートガバナンスの推進により社会的信頼度を向上させる

・コンプライアンスの徹底により社会的信頼度を向上させる

・重要な経営指標のさらなるモニタリングにより収益力が増し、企業価値向上につながる

・投資の将来性や健全性の確保

・財務健全性に配慮した最適資金調達の検討と政策保有株式縮減等による資金の効率的運用

社会から信頼される企業として、ガバナンス体制の強化と適時適切な情報開示を実施する

コンプライアンスの徹底

法令遵守の徹底および社員のコンプライアンス意識の向上に取組み、社会からの信頼と企業価値の保護に努める

提供価値

サプライチェーンマネージメント

・地政学リスク、世界秩序の変化、資源ナショナリズム等による原料供給不安が起こる

・安定供給による顧客信頼度の向上

・計画的生産による原価低減

サプライチェーン全体を通じた社会および環境課題への対応に取り組む

価値を生み出す開発の推進

・次世代のニーズを見誤り、持続的売上確保が困難になる

・次世代のニーズに応じた製品とソリューションの提案

・技術プラットフォームの拡大による開発の多様化

環境に配慮し社会課題の解決に貢献する製品の開発を促進する

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

1.サステナビリティ基本方針

当社グループは「人を大切に、技を大切に」の企業理念に基づき、ステークホルダーとの対話と価値創造を通じて社会課題の解決を図り、地球規模まで視野に入れたあらゆる「人」の幸せと持続可能な社会の実現に取り組みます。人の絆、自然環境と融和した技術の開発を大切にし、化学という無限の可能性で夢を実現させていく企業でありたいと考えております。

 

2.気候変動への対応

気候変動が経済・社会・環境に及ぼす影響は年々深刻さを増しております。世界規模で脱炭素社会の実現に向けた動きが加速しており、企業にも確実な対応が求められております。

当社グループは、2022年10月「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」へ賛同しました。

今後、TCFDの提言に沿った気候変動に対する取り組みを推進し、積極的な開示を進めてまいります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、企業理念に立脚して様々なステークホルダーと良好な関係を築き、信頼され必要とされる企業となるため、CSR(企業の社会的責任)活動から、企業活動を通じた価値創造により、全てのステークホルダーに貢献するサステナビリティ活動へ軸足を移し、スピード感を持った活動を推進することを目的にサステナビリティ推進委員会を設置しました。サステナビリティ推進委員会は、代表取締役社長が委員長となり、委員は生産技術本部、研究開発本部、営業本部、経営戦略本部、事業推進本部を担当する取締役及び執行役員と、その目的に照らし、委員長が適切と認めて選任したメンバーにより構成され、サステナビリティ基本方針を始めとしたサステナビリティに関する事項の審議を行います。サステナビリティ推進委員会の開催頻度は、原則年2回、また必要に応じて別途開催致します。

 取締役会は、サステナビリティ推進委員会で審議された重要事項についての報告や提言を受け、気候関連課題への対応方針および実行計画等についても指示・監督を行っております。サステナビリティ推進委員会のもとに、「サステナビリティ委員会」、「全社RC委員会」、「NBCP(日本化学事業継続計画)運営委員会」、「倫理委員会」の4つの委員会を配置し、サステナビリティ推進委員会はこれら4つの委員会の活動を統括・指導し、定例会議等を通じてマネジメント強化と推進に努めております。サステナビリティ委員会は、常務執行役員のもとで、全てのステークホルダーへの価値の提供や、気候変動や循環経済への対応等、サステナビリティに関する取り組みを進めております。全社RC委員会は、代表取締役社長を委員長とし、環境・安全におけるレスポンシブル・ケア活動を推進し、法規制の遵守、環境保全、保安防災、労働安全衛生、製品安全、物流安全等のレベルの維持向上に努めております。NBCP(日本化学事業継続計画)運営委員会は、生産技術本部を担当する執行役員を委員長とし、顕在化した危機および潜在的な危機に対する方針や計画、訓練の継続的改善を推進しております。倫理委員会は、事業推進本部を担当する執行役員を委員長とし、日々の企業活動において遵守すべき行動指針の周知徹底を図るとともに、定期的に遵守状況の確認を行い、継続的な改善に努めております。

 

 

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(2)戦略

シナリオ分析の概要

 当社グループでは、TCFD提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を元に、シナリオ分析を実施しました。

 シナリオ分析においては、2℃以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択、設定していく必要があるため、移行面で影響が顕在化する1.5℃シナリオと物理面での影響が顕在化する4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。

 

移行リスク・機会:脱炭素シナリオ(1.5℃)

 移行リスク・機会については、1.5℃目標達成に向けて、低炭素経済への移行に関連した様々な規制等が導入される脱炭素シナリオに基づいて検討しました。

 脱炭素シナリオ(1.5℃)においては、政府の環境規制強化にともなう炭素税導入や、再生可能エネルギー需要の増加による価格上昇等費用の増加、世界規模での地球温暖化対策が講じられることによる資源調達費用の増加が想定されます。一方で、当社グループの成長分野である電子セラミック材料、電池材料、半導体材料等をはじめとする各種機能性材料では、化学産業に求められる脱炭素イノベーションの高まりによる研究開発の推進、川下産業の環境貢献製品向け材料としての需要増加が想定されます。当社グループには、顧客ニーズに応える技術開発力、これを再現よく生産するための生産技術力があり、これらに磨きを掛けることで競合他社との差別化を図っています。この取り組みを継続することで、ビジネスチャンスが増え収益が向上していくものと考えています。

 また、当社グループは化学品・機能品を基幹事業としており、生産工程で使用される燃料、電気、蒸気の消費によるCO2排出量削減を重要な課題と認識しています。全工場における生産活動の中で、省エネ活動、電化、再エネ活用、燃料及びプロセス変換に着目し、自社排出のCO2発生量の削減に取り組んでいます。

 調達面のリスクに関しても、強靭な原料調達体制の確立を推進し、サプライチェーンを切らさずにお客様へ安定品質の製品提供を継続していきます。

 

物理的リスク・機会:温暖化進行シナリオ(4℃)

 物理的リスク・機会では、異常気象による自然災害の発生にともなう、事業活動の停止やサプライチェーンの断絶が大きなリスクとなります。

 自然災害は、発生の予測が難しく、一度発生すれば、当社グループの製造拠点が被災し、化学物質の漏洩等甚大な被害をもたらす可能性があります。

 設備損傷や化学物質漏洩による操業停止等を回避するためには、災害対策に関する設備投資が必要となり、投資による製造コスト上昇も想定され、温暖化進行シナリオ(4℃)では、この傾向はさらに強まることが想定されます。

 当社グループは気候変動リスクを含む大災害に対応できるよう、専門の委員会を設置しBCP(事業継続計画)体制を全社ベ一スで策定、緊急時においても事業活動への影響を最小限にとどめるよう備えています。引き続き、BCP体制の継続的改善を推進してまいります。

 

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(3)リスク管理

 当社グループのリスク管理についての審議及び決定機関はサステナビリティ推進委員会としております。また、リスク対応は、サステナビリティ推進委員会の指示を受けて、各本部長の指示により、各部長、各工場長が行うこととしております。

 気候変動に関するリスク・機会も重要な課題の一つと位置付けており、サステナビリティ委員会を中心に協議、検討しております。サステナビリティ委員会では、気候変動によって受ける影響を把握・評価し、TCFDの枠組みに基づいたシナリオ分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しています。気候変動リスク管理の状況や特定した重大な気候変動リスクに関しては、サステナビリティ推進委員会への報告・提言を行ってまいります。

 

(4)指標及び目標

 2020年度の当社グループの温室効果ガス排出量は、Scope1(事業による直接排出)は34,411t、Scope2(電力消費による間接排出)は35,619tとなり、合計70,030tでした。

 このたび、脱炭素社会の実現に向けて、パリ協定で求められるCO2排出削減レベルを考慮し、Scope1,2の排出量について、2020年度の排出量70,030tを基準に、「2030年度23%削減」の目標を設定しました。

 当社グループは社内の省エネ、節電を心掛けるとともに、製造現場における脱炭素技術導入及び再生可能エネルギー等を活用することで、温室効果ガス排出量を削減し、脱炭素社会の実現を目指します。

 

3.人的資本

「人を大切に、技を大切に」を企業理念とする当社は、人の絆、自然環境と融和した技術の開発を大切にしています。それは、当社独自の技術力を高める日々の努力や仕事の効率化を追求していくなかで生まれる斬新な発想の芽と、一人ひとりのほとばしる情熱を後押しし、化学という無限の可能性を持った分野のあらゆる所において、夢を実現させていく企業でありたいと考えているからです。今世界は急速なスピードで進化しています。当社も化学製品を扱う事業者として、自然と人との調和を念頭に、本物の技術力と一人ひとりの叡智を結集させていきたいと考えております。

 

(1)ガバナンス

 人材戦略に関しては、執行役員を中心に重要な組織の新設と改編、ジョブローテーション、人事制度の改定等の具体的な施策を議論し、執行役員をメンバーとする経営会議及び取締役会で審議・決定をしております。

 

(2)戦略

組織の発展につながる人材の拡充を実現するためには、社員一人ひとりの成長と、様々な能力を持つ人材の確保が重要です。社員の成長を支援するため、一人ひとりの自律的なキャリア形成の実現を後押しする体系的な教育体制と整えています。日常の業務活動を通じて、それぞれに必要な知識・技術・技能の啓発向上を図る職場内教育(OJT)に加え、新入社員から幹部職までの階層別研修や職層にかかわらず業務を遂行するうえで必要となるスキルアップ・プログラムやグローバル人材育成プログラム等に注力し、教育機会の拡充を図っています。

また、多様化する働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の整備を進めるとともに、社員の働きがいの向上、健康経営や労働安全衛生の推進にも取り組んでまいります。

 

a.人材育成

業務遂行上必要な知識・技術・技能を社員に修得させることを促進し、もって会社の発展と社員の能力育成を図ることを目的とし、以下の教育基本方針を定めております。

・教育は、会社の方針に沿って、計画的・組織的かつ継続的に行う。

・能力育成は、社員各自が向上意欲に燃え、自己啓発に努めることによって、その成果が期待されるものであり、会社は機会をとらえて必要な施設及び援助を行う。

・指導的立場にある者は、能力育成の環境を醸成すると共に、常に率先垂範して自己啓発に努めなければならない。

また、中期経営計画に掲げる重要施策のひとつである「グローバル化の推進」のために海外トレイニー制度を導入しております。

 

<教育体系図>

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<階層別教育体系図>

日本化学工業 階層別教育 体系図

 

対象

教育名

教育内容

必須能力

獲得スキル・知識・技能

管理職上級

部長・工場長

経営幹部教育

会社を経営して行くために、経営幹部として必要な知識、技術、技能を修得することを目的とし、役員および管理職上級者を対象として行う。

リーダーシップ

 

目標達成マネジメント/(創造型)問題解決/活力ある職場づくり/リーダーシップ/経営戦略構築

管理職

シニアマネジャー

マネジャー

管理者教育

管理者として、組織運営上必要な管理に関する知識、技術、技能を修得することを目的とし、管理職を対象として行う。

共通

専門

能力

マネジメントの原理原則/組織活性化/意思決定/問題解決能力/部下指導

10~15年

指導職層

監督者教育

監督者として、職場における指導、監督に関する知識、技術、技能を修得することを目的とし、総合職及び専任職の指導職層を対象として行う。

 

プロジェクトマネジメント/(潜在型)問題解決力/論理的思考力/表現・説得力/後輩指導力/仕事管理力(段取り)/業務改善/(顕在型)課題解決力

5~10年

一般職層

一般社員教育

会社の現状、業界の動向、その他業務遂行上必要な基礎的知識を深め、従業員としての自己啓発を図ることを目的として、総合職及び専任職の一般職層を対象として行う。

自律

行動

 

プロフェッショナル意識(コスト・協調・規律・行動意識)/企画・発想力

1~2年

若手

新人社員教育

新入社員に対し、会社の概要、業務上必要な基礎知識等を修得させて、社員としての自覚と誇り、仕事への意欲を持たせると共に、速やかに会社になじませることを目的として行う。

基本

動作

ビジネスマナー

基礎知識/自立心、客観的視点/報告・連絡・相談/モチベーション/コミュニケーションスキル

採用時

新入社員

 

心構え

ビジネスマナー

 

b. 職場環境の整備

多様化する働き方やワークライフバランスを重視し、働きがいの向上につながる職場環境の整備として以下の施策を実施しております。

イ.自己申告制度

社員の適切な配置、妥当な人事異動、潜在能力の発見、職場環境の整備等を目的とし年に1回実施しております。特に職場環境の整備につながる申告に対しては各部門の責任者である執行役員が当該社員との面談等を通じて、職場の環境改善を実施しております。

 また、総合職層には仕事の難易度、仕事の量、仕事の適性、自己の能力発揮度、趣味、やりがいについて5段階で評価してもらい、仕事の満足度を測定しております。

〇マネジメント層における主な申告内容

職場の人員の過不足・人材の充足度、職場における人間関係、職場の抱えている問題点、後継者や部下として欲しい人材の確認等

〇総合職層における主な申告内容

現在の仕事の継続や異動の希望、今後のキャリアプランの希望や習得したい専門知識や受講したい教育、職場の人間関係等

他に、仕事の難易度、仕事の量、仕事の適性、自己の能力発揮度、趣味、やりがいについてそれぞれ5段階で評価する。

 

ロ.人事制度委員会

社員の代表である労働組合本部と総務人事部による人事制度委員会を年3回以上開催し、社員のエンゲージメント向上につながる制度の見直しを実施しております。委員会で取り上げて、見直されたものとしては、リフレッシュ休暇利用回数の増加、積立年休の限度日数を50日に引き上げ、男性の10日間の育児休暇(有給)の導入、時間単位年休の導入等があります。

 

ハ.賃金改定・賞与(一時金)に関する委員会

社員の代表である労働組合本部と総務人事部による賃金改定・賞与(一時金)に関する委員会を開催し、賃金改定を実施しております。2023年は3.32%の賃上げを実施しました。

 

ニ.女性活躍推進

当社の女性社員の比率は2023年3月末で9.6%と少ないため、今後は女性社員を増やしていくこと、並びに女性社員の育児離職を防ぐことが重要な課題であると認識しております。

そのため女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の目標として「新規採用において応募者に占める女性の割合を30%以上」とすることを掲げております。

 

また、女性社員の育児離職を防ぐ施策として、上記「自己申告制度」において女性社員から女性が長く働きやすい職場環境を作るために会社に取り組んで欲しいことを提案する機会を設けるとともに「人事制度委員会」を通じて、職場の環境改善に取り組んでおります。その結果、育児短時間勤務制度、所定外労働の制限、時間外労働の制限(1か月24時間 1年150時間)、深夜業の免除は法定以上の期間に改善され、他にも子の看護休暇の有給化、育児のための時差通勤、学級閉鎖時の有給利用等の制度が整備されました。

 

c.健康を重視した経営

社員が心身ともに健康で働き続け、その能力を十分に発揮できる職場は、組織力を向上させることができます。社員がチームワークを重視し、主体的かつ創造的な行動をとることで企業の活力や生産性が向上し、家庭生活の充実にも繋がります。こうした考えに基づき、積極的な健康を重視した経営を推進します。そのため日本化学工業健康保険組合と総務人事部及び安全衛生委員会とのコラボヘルスにより、健康推進のための施策を立案しております。

 

〇生活習慣病対策として生活習慣病検診、特定保健指導実施率の向上、人間ドック補助、健康管理委員会による健康増進のための中期的な計画の立案と実行、外部健康相談窓口の設置を実施しております。なお、最近では特定保健指導実施率の向上に重点的に取り組んでおります。

 

〇メンタルヘルス対策としてストレスチェックの実施と改善活動、ラインケア・セルフケア研修、パワーハラスメント等の研修を実施しております。

 

d.労働安全衛生

『安全で安心できる職場環境づくり』

職場の「安全」は最重要課題です。労働災害ゼロを実現するために、潜在的な危険有害性の低減を図るよう取り組んでおります。経営者・社員・協力会社が一体となって、安全衛生活動を積極的に推進し、安全で安心できる職場環境の構築に努めていきます。

 

(3)リスク管理

 社員の働きがいの低下や社員の健康確保ができずに組織力が低下することが最大のリスクと考えています。

多様化する働き方やワークライフバランスを重視した職場環境の構築を進めるとともに社員とその家族の安全・健康を第一に考えた対応を積極的に進めることでリスク低減に努めてまいります。

 

(4)指標と目標

指標

目標

実績

・新規採用において応募者に占める女性の割合

30%以上

33%(2022年)

23%(2021年)

22%(2020年)

・特定保健指導実施率

100%

74%(2022年)

・当社社員休業災害発生件数

0件

1件(2022年)

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①経済状況の変動に係るリスク

当社グループは、クロム製品(自動車部品等のめっき、顔料等)、シリカ製品(土壌硬化剤、紙・パルプ向け等)、燐製品(液晶・半導体向け、食品添加物等)等の基礎化学品から、ホスフィン誘導体(量子ドット用原材料、触媒等)、農薬、電池材料(リチウムイオン二次電池用正極材等)、回路材料(液晶パネル向け導電フィラー等)、高純度電子材料等のスペシャリティーケミカルに渡る多種多様な製品を扱い、グローバルかつ幅広い用途に事業を展開しています。そのため、当社グループの製品及び商品が販売されている国又は地域の経済状況が大幅に変化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、最終用途が自動車、電子部品である製品を多く取り扱っており、これら業界の生産動向に大きな変化が生じた場合にも、同様の影響を与える可能性があります。

リスク対策:当社グループを取り巻く環境の変化を把握するために常に情報収集を行い、製品需要に応じた生産及び在庫調整等を行い、これらの影響の低減を図っています。

 

②海外事業活動に係るリスク

当社グループは、米国、中国、タイに現地法人を設置し、グローバルな事業展開を行っております。しかしながら、事業展開エリアにおいて経済成長の鈍化をはじめ、政情不安、労働問題、インフラ障害、テロ・戦争の勃発による社会的混乱、予期しない法的規制の変更、異常気象、天候不順等による自然災害、感染症等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:海外拠点ごとで定期的に情報を収集し、リスクの洗い出しを行い、グループで情報を共有することで、海外事業の戦略見直しを行っています。

 

③為替レートの変動に係るリスク

当社グループは、製品の一部を海外に輸出し、原材料の一部を海外から輸入しております。そのため、為替レートに大幅な変動があった場合は、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:短期的な変動の影響を最小限に抑えるため、一部の取引について為替予約によるヘッジを行っております。

 

④原材料調達及び価格変動に係るリスク

当社グループが使用する原材料のうち、地政学リスク等を受けた需給のタイト化による調達リスクや、相場上昇による仕入価格変動リスクを抱えております。いずれも、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:サプライヤーを分散させるために多国・複数購買化を推進し、地政学リスクや物流における課題にも対応できる強靭なサプライチェーンを構築いたします。

 

⑤在庫に係るリスク

当社グループは、顧客の需要予測をもとに適正在庫を保有しながら販売を行っている製品や商品があります。しかしながら、実際の受注が需要予測を下回った場合には、大量の在庫を抱える可能性があり、在庫の削減が進まなければ廃棄処分や評価損によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:適正な在庫量を保つため、顧客の需要動向と景気動向から生産量と購買量をマネジメントしています。また、定期的に在庫量と在庫回転数を管理評価し、適正在庫量の見直しを行っています。

 

⑥固定資産の減損に係るリスク

当社グループは、さまざまな有形固定資産及び無形固定資産を有しております。事業環境の急激な変化に伴う生産設備の遊休化や稼動率の低下等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:設備投資の計画段階から、将来の収益計画や投資額の回収見込を意識して取り組み、重要な生産設備の新設、改造及び処分については、取締役会の承認を経て、減損リスクの極小化に努めています。

 

⑦法的規制等に係るリスク

当社グループは、化学工業薬品の製造及び販売を主たる事業としており、それに関連した各種の法的規制を受けております。これらの法的規制の大幅な変更等があった場合は、生産活動に支障をきたし、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:化学品の法的規制の動向に関し、社内に専門部署を設置し最新の情報を入手して適切に対応しております。

 

⑧研究開発に係るリスク

当社グループでは、既存製品の改良や新規製品の開発を積極的に行っております。その開発には、多くの人的、財務的資源及び長い期間を必要とします。しかし、開発期間中の市場環境の変化や技術の進歩により、新製品の開発中止や開発後の利益計画が変更となり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:研究開発テーマの選択及びその後の管理の徹底、他企業や大学・研究機関との連携やアウトソーシング等による開発の迅速化を図っています。

 

⑨知的財産に係るリスク

当社グループは、研究開発や製品製造において独自の技術を有しており、その保護のため、知的財産権の取得を積極的に行っており、第三者の知的財産の尊重にも努めております。当社グループの知的財産が第三者により侵害を受けた場合、また第三者から知的財産権の侵害を訴えられた場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:知的財産権保護のための体制を整え、第三者の知的財産権を侵害しないよう、先行する技術の調査を行っております。

 

⑩情報セキュリティーに係るリスク

当社グループでは、サイバー攻撃や不正アクセス等により、情報の流出やネットワーク障害等の問題が発生した場合、競争力の低下、事業活動の停滞及び信用の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

リスク対策:当社グループで使用する情報システムに、様々なセキュリティーを施すことで、防衛策を施しております。

 

⑪気候変動に係るリスク

気候変動が経済・社会・環境に及ぼす影響は年々深刻さを増しております。世界規模で脱炭素社会の実現に向けた動きが加速しており、企業にも確実な対応が求められております。当社グループは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に賛同し、TCFDの提言に沿った気候変動に対する取り組みを推進し、積極的な開示を進めております。

気候変動1.5℃シナリオにおいては、政府の環境規制強化にともなう炭素税導入や、再生可能エネルギー需要の増加による価格上昇等費用の増加、世界規模での地球温暖化対策が講じられることによる資源調達費用の増加が想定されます。また、気候変動4℃シナリオにおいては、異常気象による自然災害の発生に伴う事業活動の停止やサプライチェーンの断絶が大きなリスクとなります。自然災害は、発生の予測が難しく、一度発生すれば、当社の製造拠点が被災し、化学物質の漏洩等甚大な被害をもたらす可能性があります。設備損傷や化学物質漏洩による操業停止等を回避するためには、災害対策に関する設備投資が必要となり、投資による製造コスト上昇も想定されます。

リスク対策:気候変動リスクを含む大災害に対応できるよう、専門の委員会を設置しBCP(事業継続計画)体制を全社ベ一スで策定し、緊急時においても事業活動への影響を最小限にとどめるよう備えています。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、社会経済活動が緩和され、緩やかに持ち直しの動きが見られたものの、原燃料価格の高騰や円安の進行、更にウクライナ情勢の長期化等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画に掲げる「成長戦略の推進と成果の実現」に向け、「成長事業の拡大」、「グローバル化の推進」、「経営基盤の強化」という3つの重点施策に全社一丸となって取り組んでまいりました。

 

「成長事業の拡大」

需要が拡大する成長分野向けの安定供給体制を強化すべく、機能品事業を中心に設備投資を行いました。主な投資状況は次の通りであります。

徳山工場においては、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の誘電体として使用されるチタン酸バリウムの設備能力増強に取り組んでおり、2024年度の完了を見込んでおります。

福島第二工場においては、2022年5月に半導体ドーパント材料や化合物半導体材料として使用される高純度赤燐の設備増強が完了し、更に2022年12月に次世代型ディスプレイ等に使用される量子ドット用リン原料の設備増強が完了しております。

 

「グローバル化の推進」

海外販売拠点の体制強化と機能最適化のため、バンコク駐在員事務所を閉鎖し、JCI (THAILAND) Co., Ltd.に業務を集約いたしました。

また、海外販売拠点との連携を高め、新市場の開拓を積極的に推進し、新規顧客の確保と売上拡大に注力いたしました。

 

「経営基盤の強化」

原材料調達においては、地政学リスクの高まり等厳しい環境が続いておりますが、多国・複数購買に注力し、安定調達に努めました。

また、事業ポートフォリオの最適化を目的とし、ケイ酸ソーダガラス事業を展開していた関東珪曹硝子株式会社の解散を実施しました。なお、ケイ酸ソーダガラスにつきましては、2021年度に資本業務提携を締結したタイのCT GLASS COMPANY LIMITEDより、安定的に調達、供給をしております。

 

この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下の通りとなりました。

 

a.財政状態

当連結会計年度末の資産は、前年同期に比べ24億6千6百万円増加し、728億9千7百万円となりました。

当連結会計年度末の負債は、前年同期に比べ20億9千2百万円増加し、306億5千6百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前年同期に比べ3億7千4百万円増加し、422億4千1百万円となりました。

 

b.経営成績

当連結会計年度の売上高は380億7千5百万円(前年同期比8億円増)となり、経常利益は14億1千2百万円(同24億5千2百万円減)となりました。この経常利益に投資有価証券売却益2千2百万円の特別利益を加え、固定資産除却損1億4千7百万円の特別損失及び法人税等9千6百万円を差引き、更に法人税等調整額3億3千4百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は8億5千5百万円(同28億7千9百万円減)となりました。

セグメントの業績は次の通りであります。

 

(化学品事業)

化学品事業は、クロム製品、シリカ製品、燐製品等の化学品の製造・販売を行っております。当社の燐製品は、燐酸、燐酸塩、無水燐酸等であり、工業薬品の原料としてばかりでなく、食品の添加剤、医薬原料、分析試薬、金属表面処理、近年では電材用途でご使用いただく等、数多くの分野に利用されています。クロム製品は、国内唯一のクロム化合物メーカーとして世界屈指の技術と設備を用いて製造され、国内の大部分の需要を賄っているばかりでなく、東南アジアをはじめ多くの国々に輸出されており、めっき、耐火レンガ、顔料等に用いられています。シリカ製品は、1902年(明治35年)に日本で初めて珪酸ソーダの試作に成功して以来、たゆまぬ研究と設備の拡充に努め、これまで世の中のニーズに合ったシリカ製品を数多く販売してまいりました。当社の製品は、古紙の脱インク、土壌硬化材、食品のろ過材原料等に用いられています。

その結果、化学品事業の売上高は203億2千7百万円(同42億1千7百万円増)、セグメント利益は11億3千万円(同1億8千万円増)となりました。

 

(機能品事業)

機能品事業は、ホスフィン誘導体、農薬、電池材料、電子セラミック材料、回路材料、高純度電子材料等の製造・販売を行っています。ホスフィン誘導体は、様々な化成品や樹脂を合成する際の触媒、量子ドットの原料等に利用されています。電池材料は、リチウムイオン二次電池用正極活物質として、コバルト酸リチウムを製造しています。最近では独自の製造方法技術により微粉化も成功しており、さまざま用途から高い評価を得ています。電子セラミック材料は、積層セラミックコンデンサの誘電体であるチタン酸バリウムと、誘電体材料である高純度炭酸バリウムから構成されております。長年にわたりバリウム原料を扱ってきた強みを生かし、蓚酸塩法、アルコキシド法等の製法でチタン酸バリウムを製造販売しています。次世代高速通信(5G)関連やIoT関連及び自動車向けで長期的な需要の拡大が見込まれます。回路材料は、主にACF(異方導電性フィルム)やACP(異方導電性接着剤)用の導電性粒子と、導電性粒子を使用した異方導電性接着剤を製造しています。高純度電子材料は、主に半導体向けの高純度ホスフィンガス、高純度赤燐で、半導体市場の拡大に伴い、需要の増大が見込まれます。

その結果、機能品事業の売上高は159億8千3百万円(同14億4千2百万円減)、セグメント損失は4億3千7百万円(同25億1千3百万円減)となりました。

 

(賃貸事業)

賃貸事業は、大阪府大阪市西淀川区と福島県郡山市において、病院・小売業等への土地・建屋の賃貸を行っております。

賃貸事業は堅調に推移し、賃貸事業の売上高は、9億1千5百万円(同1百万円増)、セグメント利益は5億4千1百万円(同3百万円増)となりました。

 

(その他)

報告セグメントに含まれない事業セグメントは書籍等の販売、環境測定、当社の原材料、製品等の分析業務を行っています。

報告セグメントに含まれない事業セグメントの売上高は、8億4千9百万円(同4千9百万円減)、セグメント利益は8千1百万円(同1千4百万円減)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは14億9千4百万円の収入(前年同期は19億7千5百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12億8千6百万円、減価償却費33億3千1百万円、貸倒引当金の減少額4億7千7百万円、売上債権の減少額2億9百万円、棚卸資産の増加額30億8千5百万円、仕入債務の増加額2億2千7百万円、法人税等の支払額3億2千6百万円を加減したことによるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは固定資産の取得による支出等があり、28億1千7百万円の支出(前年同期は30億8千2百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは借入金の返済による支出や配当金の支払等がありましたが、借入れによる収入により、1億2百万円の収入(前年同期は1億2千万円の収入)となりました。

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前年同期に比べ11億7千1百万円減少し、78億3千1百万円となりました。

また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額から、配当金の支払額を控除したフリーキャッシュ・フローは、20億6千9百万円の支出(前年同期は17億2千1百万円の支出)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

16,310

126.8

機能品事業(百万円)

17,787

106.5

賃貸事業(百万円)

 報告セグメント計(百万円)

34,097

108.8

その他(百万円)

合計(百万円)

34,097

108.8

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替後の数値によっております。

 

b.商品仕入実績

  当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

4,114

129.9

機能品事業(百万円)

886

273.8

賃貸事業(百万円)

 報告セグメント計(百万円)

5,000

117.0

その他(百万円)

428

88.9

合計(百万円)

5,429

114.2

 

c.受注実績

  当社グループ(当社及び連結子会社)は主として見込み生産を行っているため、受注実績を記載しておりません。

 

d.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

20,327

126.2

機能品事業(百万円)

15,983

91.7

賃貸事業(百万円)

915

100.2

 報告セグメント計(百万円)

37,226

102.3

その他(百万円)

849

94.5

合計(百万円)

38,075

102.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

   前連結会計年度(自  2021年4月1日  至  2022年3月31日)

(単位:百万円)

相手先

売上高

割合(%)

TDK株式会社

4,741

12.7

小西安株式会社

4,096

11.0

 

   当連結会計年度(自  2022年4月1日  至  2023年3月31日)

(単位:百万円)

相手先

売上高

割合(%)

TDK株式会社

5,278

13.9

小西安株式会社

4,568

12.0

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に際しては、経営者による会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、見積りに当たって過去の実績や状況等を勘案し合理的な判断を行っていますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5  経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1)財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前年同期に比べ24億6千6百万円増加し、純資産は、3億7千4百万円増加しております。

増減の主なものは次の通りであります。

流動資産では、現金及び預金が11億7千1百万円減少、商品及び製品が11億4千1百万円増加、仕掛品が4億9千8百万円増加、原材料及び貯蔵品が14億7千2百万円増加しております。

固定資産では、有形固定資産が8億8千7百万円増加、無形固定資産が3千7百万円減少、投資有価証券が9千2百万円減少、退職給付に係る資産が2億6千8百万円増加しております。

流動負債では、支払手形及び買掛金が2億2千7百万円増加、短期借入金が13億9千8百万円減少、未払法人税等が2億6千8百万円減少、設備関係未払金が13億7千7百万円増加しております。

固定負債では、長期借入金が22億5千5百万円増加、退職給付に係る負債が3億2千4百万円減少、繰延税金負債が4億3千1百万円増加しております。

株主資本では、利益剰余金が1億1百万円増加しております。

その他の包括利益累計額では、その他有価証券評価差額金が6千5百万円減少、退職給付に係る調整累計額が2億5千8百万円増加しております。

 

2)経営成績

経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 b.経営成績」に記載しています。

 

3)キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2「事業の状況」 3「事業等のリスク」」に記載しています。

 

c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備投資によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。また、短期運転資金の一部は、コミットメントライン契約を取引先金融機関と締結しており、機動的な資金調達を図っております。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2「事業の状況」 1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しています。

 

e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(化学品事業)

クロム製品は耐火物向けが大幅に落ち込み、めっき向けも低調に推移したものの、原燃料高を起因とする販売価格の改定により、売上高は大きく増加しました。シリカ製品は土木・工業用向けが低調に推移したものの、原燃料高を起因とする販売価格の改定により、売上高は大きく増加しました。燐製品は液晶や半導体、工業用向けが大幅に落ち込んだものの、原燃料高を起因とする販売価格の改定により、売上高は大きく増加しました。この結果、化学品事業の売上高は、203億2千7百万円(同42億1千7百万円増)となりました。

 

(機能品事業)

ホスフィン誘導体は量子ドット向けが堅調に推移したものの、海外向け触媒が大幅に落ち込んだことにより、売上高は大きく減少しました。農薬は主要顧客向けが大幅に落ち込んだことにより、売上高は大きく減少しました。電池材料は原燃料高を起因とする販売価格の改定により、売上高は大きく増加しました。電子セラミック材料は誘電体(チタン酸バリウム)のうち自動車向けは堅調に推移したものの、通信向けが低調に推移し、また誘電体材料(高純度炭酸バリウム)が大幅に落ち込んだことにより、売上高は減少しました。回路材料は接着剤向けが大幅に伸びたことにより、売上高は大きく増加しました。高純度電子材料は主要顧客向けが大幅に落ち込んだことにより、売上高は大きく減少しました。この結果、機能品事業の売上高は、159億8千3百万円(同14億4千2百万円減)となりました。

 

(賃貸事業)

賃貸事業は堅調に推移したことにより、売上高は前年同期並みとなりました。この結果、賃貸事業の売上高は、9億1千5百万円(同1百万円増)となりました。

 

(その他)

書店事業は低調に推移したことにより、売上高は大きく減少しました。この結果、報告セグメントに含まれない事業セグメントの売上高は、8億4千9百万円(同4千9百万円減)となりました。

 

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、特記すべき事項はありません。

 

6【研究開発活動】

研究開発活動は、当社が長年培ってきた技術やノウハウをベースとして、「快適性の追求」「エネルギーマネジメント」「健康(命)を守る」の3つの価値を社会に提供すべく、研究開発を行っております。

また、国内外の大学研究機関との連携を積極的に活用し、オープンイノベーションによる新規事業の開発を行っております。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,518百万円となっております。

 

主な研究開発活動

(化学品事業)

化学品事業では、優位な技術を活用して、各種のシリカ製品、燐製品、クロム製品、バリウム製品、リチウム製品などユーザーニーズに対応する各種機能を付与した製品の開発や基礎研究を進めております。シリカ製品関係では、土木関連向けや環境関連向けの材料開発を進めております。燐製品では高機能性を有する各種の燐酸塩、電子工業向けの高純度薬品などの開発を行っております。

なお、当連結会計年度の化学品事業に係る研究開発費は、249百万円となっております。

 

(機能品事業)

電子セラミック材料関係では、積層セラミックコンデンサー材料のチタン酸バリウムを中心に小型軽量化、高機能化が進む電子部品の要望に応えるべく、高性能な誘電材料の開発を進めております。

電池材料関係では、リチウムイオン二次電池用正極材、小型全固体電池材料の開発を行っております。

回路材料関係では、異方性導電接続に使用する金属被覆粉体と導電性ペーストの開発を行っております。

有機化学品関係では、新しい有機材料の研究開発に積極的に取り組んでおります。ホスフィンガスを出発原料とするアルキルホスフィン誘導体、ホスホニウム塩系イオン液体、各種不斉反応に用いられるキラルホスフィンリガンド、クロスカップリング反応で常用されるBuchwaldリガンド群、量子ドット用原料等の開発を進めており、今後の市場拡大が期待されます。

その他では、負熱膨張材料、非鉛圧電材料等の開発も行っております。

なお、当連結会計年度の機能品事業に係る研究開発費は、1,268百万円となっております。

 

(賃貸事業)

 該当事項はありません。

 

(その他)

該当事項はありません。