第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、「調和・創造・革新」の経営理念のもと、“顧客、株主、従業員、社会への喜びを創造する企業になる”ことを経営の基本方針としております。

特に、“食”に携わる企業として、“常に安全性を追求し、高品質な食品で安心と健康を顧客ならびに消費者の方へお届けする”ことが、企業活動において果たすべき最重要な使命と認識しております。

 この使命を果たしていく中で得られる顧客との信頼関係を、より広くより強固なものとしていくことが、企業価値を高めることに繋がり、ひいては株主のみなさまの期待にお応えできることになると考えております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、「製造直販」の販売スタイルを堅持し、技術力を核とした研究開発力の強化、ならびにチルド製品の安全性確保を根底においた独自の「コールドチェーン・システム(低温流通体制)」の整備に努めてまいりました。これらは、顧客ニーズへの迅速で確実な対応ならびに商品の“品質と安全”という面で、当社の強みとなっております。また、これまで安定した成長を維持している中食市場を中心とした業務用食品事業の基盤をより強固なものにするとともに、日本国内の少子高齢化が進行する中で、ヘルスフード事業や海外事業など、新たな成長事業の展開にも積極的に取り組んでまいりました。

 2022年3月期からは、“「需要創造」「利益構造改革」「経営品質向上」により「選ばれる企業」になる”という方針を経営の軸に据え、推し進めております。長期ビジョン“あじかんV30”の中では、その方針のもと『潜在ニーズを捉え、差別化された製品とサービスにより顧客に価値を提供できる需要創造型食品メーカー』として成長していくことを謳っております。

 その経営戦略は、国内事業基盤の強化、海外事業やヘルスフード事業の拡充、新規事業の開発であり、成長拡大戦略を基本としております。また、経営効率および経営品質の向上にも取り組み、より安定した収益基盤を構築してまいります。他方、近年経営を取り巻く環境は流動的で、変化の激しい状況となっているため、環境変化に強い経営基盤を構築するため、さらなる利益構造の改革にも取り組み、事業拡大と経営体質強化のバランスを志向した経営戦略を基本としております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、主な経営指標として売上高、営業利益率、総資産当期純利益率、およびEBITDAを用いております。これら各指標のさらなる向上を目指し、安定配当を継続して行うことができる企業体質の維持・向上に努めてまいります。

 2030年3月期を着地点とします長期ビジョン“あじかんV30”においては、売上高の目標を年商 600億円、営業利益率の目標を4%以上としております。

 

(4)経営環境

 為替や株価の変動は、当社の仕入原価やデリバティブなどの時価評価に大きな影響を与えます。特に近年の金融資本市場は不安定な動きとなっており、安定的な経営成績を確保することが困難になることも予想されます。また、当社主要原材料である鶏卵価格が過去に類を見ない鳥インフルエンザの影響などから高値で推移していることに加え、人件費、エネルギー関連コストの上昇など厳しい経営環境が継続しております。

 他方、販売面におきましても、食品の安全・安心への関心が高まる中で、同業他社との販売競争は以前にも増して激しくなってきており、引き続き厳しい経営環境となることを予想しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 鳥インフルエンザによる鶏卵の仕入価格上昇に加え、物価上昇、供給制約の長期化、労働需給の逼迫による人件費、物流費、エネルギー関連コストの上昇など、会社を取り巻く環境は引き続き厳しい状況が続くものと思われます。

 このような状況の中、当社グループは、「需要対応の効率化と需要創造力の強化」の期間と位置付ける第12次中期経営計画において、業務用食品事業の売上回復・拡大と利益構造改善、および成長事業・ごぼう事業の拡大を基本方針に掲げ、各施策を展開しております。

 次期におきましては、第12次中期経営計画のもと、長期ビジョン“あじかんV30”の実現に向けた設備・人的投資を進めるための安定した利益基盤を構築するとともに、安全品質を最優先にした仕組みやルールの有効性を検証し、改善に向けた取り組みを強化してまいります。

 次期の重点取組項目は、以下のとおりです。

 

① 原材料および諸経費の高騰に対する円滑かつ迅速な対応

 

② 業務用食品事業の利益構造改革の加速

 

③ 成長する新市場の開拓推進

 

④ 長期ビジョン“あじかんV30”の実現に向けた経営基盤の強化

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、2003年より環境保全に対して本格的に検討を開始いたしました。その活動の一環として、2003年12月に環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」の認証を取得するなど、社内体制を整備してまいりました。2021年4月以降は、それまでに培ったノウハウを継承しつつ、環境だけに止まらない取り組みへと範囲を拡大するため、「ISO14001」の認証を返還し、SDGsに基づく活動へ移行しております。

 サステナビリティマネジメントを推進するにあたり、当社グループでは「環境基本方針」を制定しております。また、代表取締役 社長執行役員をトップとするSDGs推進体制を構築し、SDGs推進委員会にて検討された方針案や活動内容は、経営層および関係部署が参加するSDGs推進会議にて議論され、意思決定を行ったうえで全社へ展開をしております。さらには、その後の活動状況につきましても、半期ごとに同会議に報告されており、その場での議論を踏まえ、必要に応じて適宜、軌道修正を行っております。

 当社グループの人的資本に対する考え方や取り組み内容につきましては、取締役会の中で議論され、課題を抽出したうえで人事部門を中心に具体的な実施内容を検討し実行しております。また、取り組みを行う上での一連のプロセスについては、社外取締役を主要な構成員とする指名報酬委員会が評価し、その結果を踏まえて取締役会が年に一回実施している取締役会全体の実効性評価を行う中で新たな課題を抽出し、次のアクションプランへと繋げる仕組みを構築しております。

 

(2)リスク管理

 当社グループでは、長期ビジョンや中期経営計画、年度計画の策定時に内外環境における機会と脅威を認識したうえで事業戦略を策定するとともに、サステナビリティ関連の機会と脅威を識別し、その対応策や方針案策定に向けた検討は、SDGs推進委員会が中心となって行っております。

 なお、主要原材料やエネルギーの価格変動リスクなど、短期的な変動要素が高いリスクにつきましては、毎月実施される経営会議にて状況を把握したうえで対策を講じており、迅速な対応を図っております。

 当社グループの人的資本については、ダイバーシティ(多様性)マネジメントが継続企業の前提にとって不可欠であるとの考えのもと、取締役会全体の実効性評価を行う中で、特に経営陣幹部の多様性の確保や女性活躍推進、多様な人材が活躍できる職場環境の整備が喫緊の課題であると認識し、人事部門を中心に具体的な対応策を検討し、徐々に実行に移しております。

 

(3)戦略

 気候変動は、世界各地で異常気象や大規模な災害をもたらすだけでなく、農作物の作況や漁獲量へ大きく関与するため、当社グループが取り組むべき重要な課題として捉えております。特に当社グループの主要原材料は鶏卵や、干瓢・椎茸・ごぼうなどの農作物、魚肉すり身であり、気候変動がこれらの調達価格や調達量へ大きな影響を与えます。また、家畜の飼料となる穀物の作況は、鶏卵生産事業者のコストアップに繋がるリスクがあり、間接的に当社グループの調達価格や調達量に影響します。

 気候変動リスク抑制を図るため、当社グループでは環境保全に向けた以下の取り組みを行っております。

 

①食品ロスの削減

 ・工場工程内ロスの削減

 ・原料の未利用部分の活用方法研究

 ・フードバンクの活用など

②CO排出量の低減

 ・太陽光パネルの導入

 ・社有車の燃料使用量の削減など

③プラスチック包材の削減

 ・製品包装形態の見直しによる包装の簡素化

 ・環境にやさしい包装素材への切り替えなど

 

 なお、これらの取り組みは、気候変動リスクの抑制だけでなく、コスト削減や生産性の向上による利益構造改善の機会としても捉えております。

 

 当社グループでは、上記のほか、生産工程で排出される生ゴミの再生利用の研究やSDGsの目標14“海の豊かさを守ろう”に貢献すべく、MSC CoC認証を取得したほか、子供向けの巻寿司教室の開催やSNSを活用した巻寿司文化に関する情報発信などを通じ、食育と日本伝統の食文化の継承にも努めており、人々の健康、おいしいものを食べる喜び、食文化の向上に貢献したいと考えております。

 また、当社グループでは、働きがいの向上に向けた仕組みづくりと職場環境の整備を行うため、行動計画を策定し、自社のコーポレートサイトで開示しております。具体的には、女性活躍と管理職登用の推進、高年齢者の活躍推進、外国人人材活用の高度化、障がい者雇用の推進に向けた実施計画を策定し、計画に沿った取り組みを行っております。さらには、社内環境の整備に向け、総労働時間の短縮や多様で柔軟な勤務形態・体制の整備についても実施計画を策定し開示するとともに、計画に沿った取り組みを行っております。これらの取り組みは、ダイバーシティマネジメントの推進による競争力強化へ繋がる機会としても捉えております。

 

(4)指標及び目標

 当社グループは、“共に咲く喜び”を実現するという創業の精神のもと、人々の健康、おいしいものを食べる喜び、食文化の向上に貢献するとともに、環境にやさしいバリューチェーンプロセスを構築し、環境保全に配慮した企業活動を行うことで、「人と環境にやさしい企業」を目指しております。

 環境保全への取り組みでは、以下の指標および目標値を設定し、取り組んでおります。

 

区分

指標

2030年3月期目標値(注)

食品ロスの削減

工場工程内ロス

50%削減

CO₂排出量の低減

再生可能エネルギー比率

5%以上

エネルギー使用量

工場20%低減

営業所10%低減

車輌燃料使用量(ガソリン+軽油)

30%低減

プラスチック包材の削減

プラスチック包材削減率

10%削減

新素材へ切り替え

30%以上

(注)各指標における目標値の基準は、2020年3月期の実績値を用いております。

 

なお、当社グループの環境保全への取り組みについての詳細は、当社コーポレートサイト(https://www.ahjikan.co.jp/about/eco.html)をご参照ください。

 

 また、当社では、上記「(3)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針および社内環境整備に関する方針に係る指標について、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取り組みを行っております。また、女性活躍の推進に向け、将来を見据えて定期採用における女性の採用比率を4割程度に高めるなどの取り組みも行っておりますが、現段階では連結グループに属する全ての会社で一律の取り組みが行われていないため、次の指標に関する目標および実績は、連結グループにおいて主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。

 

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2025年3月31日までに5%以上(7名以上)

3.2%

 

 なお、次世代育成支援法に基づく行動計画の詳細は、当社コーポレートサイト(https://www.ahjikan.co.jp/about/society_action_plan.html)をご参照ください。

 

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性のあると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)主要原材料の調達について

当社グループが生産する製品は、鶏卵、干瓢、椎茸、ごぼう、魚肉すり身を主原料としており、契約購買や分散調達により安定した数量の確保と特定の調達先への集中の回避を図っております。しかし、これらの原料は、作況、自然災害や大規模事故等の産地や生産者への影響、相場の変動、漁獲量制限、調達先の経済状況などによって、調達価格や調達量に影響を受ける可能性があります。特に鶏卵においては、近年、鳥インフルエンザの発生が日本各地で拡大する傾向にあり、採卵鶏の減少から需給バランスが崩れ大幅な価格変動や安定的な調達が困難となる可能性があります。

また、調味料、食用油といった副原料や包装資材などの原材料全般にわたって、需給動向や原油価格、穀物価格、為替などにより調達価格が変動し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2)業界動向および競合などについて

当社の主要取引業態であります中食業態(スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど)は、消費者の嗜好の変化および多様化の影響を強く受ける分野であります。そのため当社におきましては、商品開発力ならびに調達力を強化し、当社取扱品の差別化を推し進めるとともに、品揃えの充実を図っております。しかしながら、競合による新製品の投入や販売促進活動により、当社取扱品の競争力低下や販売機会の減少などの影響を受ける可能性があります。

また、中食業界や取引先の経営状態、販売政策などの変化によって、販売機会や販売価格に影響を受ける可能性があります。

 

(3)為替相場の変動による影響について

当社の取扱品には海外からの輸入品が含まれており、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約による対策を講じております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(4)年金債務について

当社の退職給付費用および退職給付債務は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率などの基礎率を前提に算出しております。この前提が経済環境の変化、その他の要因により変動した場合や、年金資産の運用実績が低下した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(5)固定資産の減損について

当社グループは、土地、建物、機械装置等の様々な資産を所有しております。工場の新設など新たな投資を行う場合は、投資効果や、回収可能性を十分に検証したうえで、投資をおこなっておりますが、外部環境の急激な変化や、時価の下落などにより、投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上する可能性があり、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(6)人材・労務関連について

当社グループは、継続的な新卒・中途採用による人材確保、労働環境の改善による人材の定着化に取り組んでおりますが、生産や販売を担う人材の不足によって、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、生産を担う従業員は、正社員に加え、パート、アルバイト、外国人技能実習生が多数従事しており、これら勤務者の就業等に関する法改正などが行われた場合は製造コストが上昇し、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(7)食品の安全性について

近年、食品業界におきましては、野菜の残留農薬問題、BSE問題、鳥インフルエンザ問題、無認可添加物の使用問題、ノロウイルス、中国品の農薬混入事件、産地の偽装表示等の諸問題が発生しております。

 これらに対し、当社グループでは、製造工程に導入しております「品質保証システム(ISO9001)」や「衛生管理システム(HACCP)」を構築し対処してまいりました。

 また、起源原料まで溯って追査できるトレーサビリティの仕組みに加えて、フードディフェンス面の強化をする目的で、食品安全のための規格である「FSSC22000」を認証取得しており、品質管理については万全な体制で臨んでおりますが、今後も当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な食品の安全性や品質に係る問題が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(8)自然災害およびウイルス感染症による影響について

当社グループは、国内および中国、米国に複数の拠点を構え、生産および営業活動を行っております。これらの拠点やその周辺で大規模な地震や風水害などが発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)を整備することにより早期に復旧できる体制を整えておりますが、自然災害を未然に防止することは困難であり、各拠点での事業活動に支障を来す可能性があります。また、新たなウイルス感染症の発生などにより、今後の事業活動に影響を与える可能性があります。

 

(9)気候変動による影響について

当社グループでは、気候変動などの環境問題に対し、食品ロスの削減、CO₂排出量の低減、プラスチック包材の削減などへの取り組みを進めておりますが、地球温暖化により、主要原材料である農作物などの調達価格、調達量に影響を及ぼす可能性があり、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(10)事業展開に伴うカントリーリスクについて

当社グループは、中国の関係会社に加え、東南アジア諸国の生産委託先にて、日本国内のみならず米国、アジア、オセアニア向けの製品を開発・生産・供給しております。また、近年は中国国内における販売事業へ注力する一方で、米国において販売拠点となる子会社を設立するなど、海外販売事業を強化してまいりました。

当社グループでは、これらの製品の供給先・販売先のカントリーリスクを事前に調査、把握して対処するよう努力しておりますが、不測の政治・経済的環境変化や法規制・税制の改正、反日デモの発生、鳥インフルエンザの感染拡大などにより、製品の生産や調達、販売ができなくなった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態および経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナの下、停滞していた景気の回復が期待される状況となりました。しかしながら、物価上昇や、世界的な金融引締めなどを背景とした海外景気の下振れなど、国内景気を下押しするリスクも台頭しており、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 食品業界におきましては、行動制限の緩和などにより、低迷していた弁当・外食・仕出しなどの業態は回復基調にありますが、資源価格の高騰や金融資本市場の変動によって仕入価格や諸経費が軒並み上昇したことに加え、過去に類を見ない鳥インフルエンザの流行によって鶏卵価格が高騰するなど、厳しい経営環境で推移いたしました。

 このような状況の中、当社グループは『需要創造型食品メーカーへの挑戦』および『利益構造改革と経営品質の向上』をテーマとした第12次中期経営計画の2年目をスタートさせ、第一に「利益構造改善への取り組み」、第二に「業務用食品事業の成長拡大」、第三に「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」、第四に「経営品質の向上」を重点施策とした取り組みを展開してまいりました。

 なお、小売業への組織的な対応力および提案力の強化、ならびに各エリアにおける競争力の強化を目的とし、当連結会計年度より業務用食品等の営業部門へ支店制を導入しております。

 

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ662百万円増加し25,102百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ784百万円増加し12,631百万円となりました。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ121百万円減少し12,471百万円となりました。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ379百万円増加し10,945百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ179百万円増加し9,737百万円となりました。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ200百万円増加し1,208百万円となりました。

 

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ282百万円増加し14,157百万円となりました。

 

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.4ポイント減少し56.4%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は、業務用食品等において、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアを中心とした中食業態の売上が伸張したことに加え、行動制限の緩和によって弁当・外食・仕出しなどの業態の需要が回復したことなどにより、47,433百万円(前連結会計年度比4.7%増加)となり、前連結会計年度の実績を上回りました。

 一方、利益面につきましては、売上高の拡大効果があったことに加え、徹底的な諸経費抑制に努めましたが、当社主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの影響を受け、大幅に上昇したほか、すり身、干瓢などの仕入価格も高止まりした結果、営業利益は89百万円(前連結会計年度比84.1%減少)にとどまりました。経常利益は、為替差益や持分法による投資利益の計上などにより466百万円(前連結会計年度比49.4%減少)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や固定資産除却損の計上などにより267百万円(前連結会計年度比57.8%減少)となりました。

 

 報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

(業務用食品等)

 販売面につきましては、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアを中心とした中食業態において、繁忙期である盆・年末・節分の売上が伸張したことに加え、行動制限の緩和によって弁当・外食・仕出しなどの業態の需要が回復したことなどにより、国内の売上高は前連結会計年度の実績を上回る結果となりました。他方、海外の売上につきましては、中国においてゼロコロナ政策による一時的な影響はあったものの、アジア、オセアニア、ヨーロッパにおける売上は前連結会計年度の実績を上回りました。しかしながら、北米において金融引締めなどによる景気下振れから需要が大きく減少した結果、海外売上全体では前連結会計年度実績を下回る結果となりました。

 生産面につきましては、省エネ活動や、生産技術力の向上による歩留まり率の改善などの原価低減活動を行ったものの、当社の主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの発生によって大きく上昇したことに加え、すり身、干瓢などの仕入価格も高止まりしたことや、ユーティリティコストの上昇などにより、製造原価率は前連結会計年度に比べ大幅に上昇いたしました。

 販売費につきましては、売上高の増加に伴い変動費が増加したものの、経費執行の抑制などにより、前連結会計年度に比べ若干の増加にとどめることができました。

 これらの結果、外部顧客への売上高は43,399百万円(前連結会計年度比6.3%増加)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は961百万円(前連結会計年度比35.6%減少)にとどまりました。

 

(ヘルスフード)

 通信販売は、機能性表示食品「ごぼう茶プリ イチョウ葉プラス」をはじめとした新製品投入により、一定の売上拡大効果がありました。しかしながら、テレビCMや紙媒体、電子媒体などの広告宣伝を抑制したことにより新規顧客獲得数が減少し、売上高は前連結会計年度の実績を下回る結果となりました。

 他方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、新規開拓やインストアプロモーションの強化に加え、「Dr.ナグモの青汁」をはじめとした新製品投入による売上拡大効果はあったものの、健康茶市場の需要に一服感が見られたこともあり、売上高は前連結会計年度を下回る結果となりました。

 販売費につきましては、広告宣伝費をはじめとした諸経費の抑制などにより、前連結会計年度以下にとどめることができました。

 これらの結果、外部顧客への売上高は3,498百万円(前連結会計年度比10.9%減少)、セグメント利益(営業利益)は634百万円(前連結会計年度比8.0%減少)にとどまりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ279百万円増加し2,030百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は959百万円(前連結会計年度比116.9%増加)となりました。これは、法人税等の支払302百万円や、売上債権・棚卸資産・仕入債務を合計した運転資金面での資金流出195百万円などもありましたが、減価償却費1,062百万円や、税金等調整前当期純利益の計上471百万円などが主な内容となっております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は533百万円(前連結会計年度比21.8%増加)となりました。これは、販売管理システムの再構築、生産設備の増強投資・メンテナンス投資などが主な内容となっております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は179百万円(前連結会計年度比129.3%増加)となりました。これは、短期・長期借入金の借入による収入101百万円(純額)や、リース債務の返済による支出133百万円、配当金の支払額116百万円などが主な内容となっております。

 なお、借入金の期末残高は、前連結会計年度末より101百万円増加し5,272百万円となっております。

 

③生産、仕入、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度のセグメントの生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

20,458,177

107.8

玉子焼類(千円)

13,111,874

105.4

味付かんぴょう・しいたけ類(千円)

3,680,748

110.7

蒲鉾類(千円)

2,319,566

116.6

その他(千円)

1,345,987

110.2

ヘルスフード(千円)

3,342,831

84.7

ごぼう茶関連製品(千円)

3,342,831

84.7

合計(千円)

23,801,008

103.8

 (注)金額は、販売価格で表示しております。

 

b.製品仕入実績

 当連結会計年度のセグメントの仕入実績を製品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

9,287,003

108.9

玉子焼類(千円)

1,228,174

115.6

味付かんぴょう・しいたけ類(千円)

101,823

87.0

自社企画ブランド品(千円)

6,676,913

106.3

その他(千円)

1,280,092

120.0

ヘルスフード(千円)

84,898

174.6

ごぼう茶関連製品(千円)

84,898

174.6

合計(千円)

9,371,902

109.3

 (注)金額は仕入価格で表示しております。

 

c.商品仕入実績

 当連結会計年度のセグメントの仕入実績を商品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

9,931,311

104.7

常温食品(千円)

1,959,842

92.8

冷凍・冷蔵食品(千円)

7,958,136

108.1

その他(千円)

13,332

105.2

ヘルスフード(千円)

25,553

99.4

その他(千円)

25,553

99.4

合計(千円)

9,956,865

104.7

 (注)金額は仕入価格で表示しております。

 

d.受注実績

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込み生産を行っており、受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

e.販売実績

 当連結会計年度のセグメントの販売実績を製商品別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前連結会計年度比(%)

業務用食品等(千円)

43,399,896

106.3

玉子焼類(千円)

14,826,317

105.1

味付かんぴょう・しいたけ類(千円)

3,356,992

110.8

蒲鉾類(千円)

2,292,010

114.3

自社企画ブランド品(千円)

7,932,010

103.5

その他(千円)

2,834,082

109.8

製品計(千円)

31,241,412

106.3

常温食品(千円)

2,620,337

99.7

冷凍・冷蔵食品(千円)

9,522,415

108.2

その他(千円)

15,730

106.3

商品計(千円)

12,158,484

106.2

ヘルスフード(千円)

3,498,524

89.1

ごぼう茶関連製品(千円)

3,398,341

88.9

その他(千円)

100,182

94.7

報告セグメント計(千円)

46,898,420

104.8

その他(千円)

534,967

97.0

合計(千円)

47,433,388

104.7

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ662百万円増加し25,102百万円となりました。

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ784百万円増加し12,631百万円となりました。主な増加要因は、売掛金の増加346百万円、現金及び預金の増加279百万円、商品及び製品の増加264百万円などであります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ121百万円減少し12,471百万円となりました。これは、投資その他の資産において投資有価証券や子会社出資金が増加したものの、減価償却の進行に伴い有形・無形固定資産が減少したためであります。

 

(負債)

 負債合計は、前連結会計年度末に比べ379百万円増加し10,945百万円となりました。

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ179百万円増加し9,737百万円となりました。主な増減要因は、買掛金の増加436百万円、未払法人税等の減少146百万円、短期借入金の減少140百万円などであります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ200百万円増加し1,208百万円となりました。主な増減要因は、長期借入金の増加241百万円、リース債務の減少34百万円などであります。

 

(純資産)

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ282百万円増加し14,157百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加267百万円、為替換算調整勘定の増加112百万円、剰余金の配当による減少114百万円などであります。

 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ0.4ポイント減少し56.4%となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の売上高は、国内販売におきましては、業務用食品等において特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアを中心とした中食業態の売上が伸張したことに加え、行動制限の緩和によって弁当・外食・仕出しなどの業態の需要が回復したことなどにより好調に推移いたしました。他方、ヘルスフードではテレビCMをはじめとした広告宣伝を抑制したことにより新規顧客獲得数が減少した結果、通信販売・市販ともに前連結会計年度に比べ減少いたしました。また、海外販売におきましては、北米において金融引き締めなどによる影響から需要が大きく減少した結果、前連結会計年度に比べ減少いたしました。以上より、売上高全体では増収(前連結会計年度比4.7%増加)となりました。

 営業利益は、売上高の拡大効果があったことに加え、徹底的な諸経費抑制に努めましたが、当社主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの影響を受け、大幅に上昇したほか、すり身、干瓢などの仕入価格も高止まりしたことや、ユーティリティコストが上昇した結果、減益(前連結会計年度比84.1%減少)となりました。

 経常利益は、為替差益や持分法による投資利益などもあり、減益(前連結会計年度比49.4%減少)となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益や固定資産除却損の計上などにより、減益(前連結会計年度比57.8%減少)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

(業務用食品等)

 業務用食品等は、販売面につきましては、特にスーパーマーケットやコンビニエンスストアを中心とした中食業態において、繁忙期である盆・年末・節分の売上が伸張したことに加え、行動制限の緩和によって弁当・外食・仕出しなどの業態の需要が回復したことなどにより、国内売上は伸張いたしました。他方、海外への輸出売上につきましては、北米において金融引締めなどによる景気下振れから需要が大きく減少いたしました。以上の結果、外部顧客への売上高は増収(前連結会計年度比6.3%増加)となりました。

 利益面におきましては、経費・投資の抑制を行ってまいりましたが、当社の主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの発生によって大きく上昇したことに加え、すり身や干瓢などの仕入価格が高止まりしたことや、ユーティリティコストの上昇などもあり、増収による効果を吸収するには至らず、セグメント利益(営業利益)は減益(前連結会計年度比35.6%減少)となりました。今後におきましては、営業と開発部門との連携をさらに強化し、需要創造型の営業・開発を推進してまいります。加えて、2019年4月に子会社化した株式会社井口産交とのシナジー効果を発揮していくなど、利益構造の改善を目指してまいります。

 

(ヘルスフード)

 ヘルスフードは、通信販売は、機能性表示食品「ごぼう茶プリ イチョウ葉プラス」をはじめとした新製品投入により、一定の売上拡大効果がありました。しかしながら、テレビCMや紙媒体、電子媒体などの広告宣伝を抑制したことにより新規顧客獲得数が減少し、売上高は前連結会計年度の実績を下回る結果となりました。一方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、規開拓やインストアプロモーションの強化に加え、「Dr.ナグモの青汁」をはじめとした新製品投入による売上拡大効果はあったものの、健康茶市場の需要に一服感が見られたこともあり、売上高は前連結会計年度の実績を下回る結果となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は減収(前連結会計年度比10.9%減少)となりました。

 利益面におきましては、減収に伴う変動費の減少に加え、広告宣伝費をはじめとした諸経費の低減に努めた結果、セグメント利益は減益(前連結会計年度比8.0%減少)となりました。今後におきましては、消費者ニーズに応える新製品開発を進めるとともに、焙煎ごぼう茶のさらなる販路拡大に向け、新市場開拓を進める予定であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報

 当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得したキャッシュ・フローと投資活動により支出したキャッシュ・フローの合計として定義しております。当社は、フリーキャッシュ・フローを借入金などの負債の返済に充当可能な資金であるとともに、戦略的投資など、事業拡大に充当可能な資金として有用な指標と考えております。前連結会計年度と当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは、次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

キャッシュ・フロー増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

442百万円

959百万円

+517百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△438

△533

△95

フリーキャッシュ・フロー

4

425

+421

 

 営業活動により獲得したキャッシュ・フローが前連結会計年度より517百万円増加し、投資活動に使用したキャッシュ・フローが前連結会計年度より95百万円増加した結果、フリーキャッシュ・フローは前連結会計年度より421百万円増加いたしました。また、当連結会計年度に財務活動に使用したキャッシュ・フローのうち、短期・長期借入金の借入額は101百万円(純額)となっており、負債は増加しましたが、経営資源となる資金を確保しております。

 また、現金及び現金同等物につきましては、厳密な目標水準は定めていませんが、事業展開に伴う資金需要への対応、および有利子負債の返済に対して必要十分な額を保有しているものと考えます。

 当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、持続的な成長拡大のための積極的投資と株主への安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに財務基盤の安定化を目的とし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。

 当連結会計年度末時点において、株主資本の増加を必要とする資本的支出の予定はなく、運転資金および設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。

 

③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や最も合理的と判断される前提に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

 

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 近年、食品業界におきましては、顧客のニーズが多様化しており、安全・安心かつ高品質な製品であることに加え、健康志向も高まっております。その一方で、食品ロス削減をはじめとしたSDGsへの取り組み推進など、幅広く、きめ細やかな対応が求められております。

 このような状況の中、当社開発本部では、安全性・嗜好性を追求しつつ、当社独自技術を用いた付加価値の高い製品の開発を志向しております。近年では、プラントベースフードの開発や、ごぼうの新たな機能性・用途の研究にも注力しています。

 

 当連結会計年度におきましては、当社の重点施策であります「利益構造改善への取り組み」「業務用食品事業の成長拡大」「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」「経営品質の向上」への取り組みとして、以下の6点に重点を置き、研究開発活動を実施してまいりました。

 

 ① ごぼうの基礎研究および製品開発

 ② 高品質な玉子焼の開発

 ③ 安心安全の維持に繋がる新技術開発

 ④ 業務用食品事業および海外事業の成長拡大に寄与する新製品開発

 ⑤ 新市場・新業態に適合した製品の開発

 ⑥ SDGsへの取り組み

 

 なお、研究開発費につきましては、各セグメントに配分できない基礎研究費用60百万円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は320百万円となりました。

 

(1)業務用食品等

 プロパー製品におきましては、ごぼうを使用した「具材を味わう釜炊きすし具」、「焙煎ごぼう茶香る鶏ごぼうめしの素」、「KC具だくさんばぁば巻芯デラックス」に加え、冷凍でありながらチルド同等の食感を維持させた「ミルフィーユ仕立ての玉子焼まどか」、「コクうま黒ゴマ麻婆ソース」を製品化しました。また、若鶏のおつまみシリーズとして「若鶏のおつまみもも肉」、「若鶏のおつまみせせり炭火焼」、「若鶏のおつまみ鶏チャーシュー炭火焼」を、野菜海鮮詰めフライシリーズとして「山芋の海鮮詰めフライ」、「れんこんの海鮮詰めフライ」を追加し、シリーズとしての品揃え拡充を図りました。その結果、23アイテムを開発し、市場へ投入しております。

 他方、顧客限定製品におきましては、前連結会計年度に引き続いてWeb商談を積極的に活用し、効率的かつ確実な顧客要望の把握を行い、開発精度の向上と納期の短縮に注力してまいりました。その結果、74アイテムを開発し、市場へ投入しております。

 

 これらの活動の結果、業務用食品等に係る研究開発費は216百万円となりました。

 

(2)ヘルスフード

 ヘルスフード市場におきましては、味や香りなど食品としての基本的な品質だけでなく、健康に良いとされる機能性も備えた付加価値の高い製品が求められております。当社では、特にごぼうの機能性に着目し、基礎研究および開発を行っております。当連結会計年度は8アイテムを開発し、うち6アイテムは機能性表示食品として市場へ投入しております。

 通信販売向け製品におきましては、機能性表示食品のサプリメント「ごぼう茶プリ イチョウ葉プラス」をリニューアルし、従来のイチョウ葉の認知機能向上(記憶力サポート)に、ごぼうが持つ便通改善の機能性を新たに加えました。また、ポタージュ「栄養とろけるごぼうスープ」は、“おなかの調子を整える”“食後の血糖値の上昇をゆるやかにする”“血中の中性脂肪を下げる”という3つの機能を備えた機能性表示食品としてリニューアル発売いたしました。

 他方、ドラッグストアなどの市販向け製品におきましては、食後の中性脂肪や血糖値の上昇を抑える機能を有する機能性表示食品「Dr.ナグモの青汁」、血管の健康維持を訴求した機能性表示食品のサプリメント「焙煎ごぼうサプリエラスチン+」を発売し、ごぼう茶シリーズ以外の品揃えを強化いたしました。また、体重やおなかの脂肪を減らす機能を有する葛の花をブレンドした機能性表示食品「焙煎ごぼう茶キレイブレンド」を製品化しており、2023年4月より販売を開始しております。

 

 これらの活動の結果、ヘルスフードに係る研究開発費は43百万円となりました。