第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、2005年に「名鉄グループ経営ビジョン」を制定しました。この経営ビジョンでは、地域価値の向上に努め、永く社会に貢献することを使命とし、豊かな生活を実現する事業を通じて地域から愛される「信頼のトップブランド」を目指すことを経営理念としております。この経営理念のもと「お客さま満足を高める全社体制の確立」、「競争に打ち勝つ経営力強化と新しい事業への挑戦」、「一人ひとりの資質向上とチャレンジできる風土づくり」及び「社会的責任の完遂」の4つを経営方針としております。

 

(2) 目標とする経営指標・中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

当社グループでは、人口減少・少子高齢社会においても、持続的に成長するため、2030年までの間に当社グループが目指す方向性と戦略として、名鉄グループ長期ビジョン「VISION2030~未来への挑戦~」及び「長期経営戦略」を2018年に策定いたしました。

また、新型コロナウイルス感染症により影響を受けた事業の変革・再生と、次の成長に繋がる基盤の構築を図るため、2021年度からの3ヵ年計画として、名鉄グループ中期経営計画「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」を策定いたしました。

「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」では、新型コロナウイルス感染症がもたらした事業環境の変化によって浮き彫りになった当社グループの経営課題を踏まえて、「事業構造改革」と「成長基盤構築」の視点から基本方針と重点テーマを掲げています。

計画2年目となる2022年度は、鉄軌道事業の構造改革の深度化やバス事業の再編などの「事業構造改革」に加え、不動産事業・運送事業において他社との協業を進めるなど、「成長基盤構築」に向けた取組みを積極的に進めてまいりました。今後も、沿線・地域の活性化のさらなる推進とともに、不動産事業をはじめとした成長が見込まれる分野の収益力強化など「成長基盤構築」を一層進めるための取組みに注力し、次の成長に繋がる基盤を構築してまいります。

 

■長期ビジョン「VISION2030~未来への挑戦~」

―当社グループは、地域と共に生きる企業として、モビリティの提供やまちづくりを通じて、新たな魅力や価値を 創造し続ける企業グループとなります。

―変化する社会のニーズを積極的に取込み、新たなライフスタイル・豊かな生活の実現をサポートすることにより、持続的な成長を図ります。

 

■長期経営戦略

―日本一住みやすいまち、訪れたいエリアを創り上げ、定住人口と交流人口の拡大を図ります。

―積極的な投資や新たなビジネス領域への果敢なチャレンジにより、収益力の向上を図ります。

―人口減少、少子高齢社会においても持続的に成長するために、先端技術の活用などによる生産性の向上やイノベーションの創出に積極的に取組みます。

 

■中期経営計画「Turn-Over 2023 ~反転攻勢に向けて~」/基本方針・重点テーマ

 基本方針

地域価値の向上に努め、永く社会に貢献し続けるため、コロナ後の新たな社会経済情勢に対応して事業を変革し、強靭な企業グループに再生を図ることにより、次の成長に繋がる基盤を構築する。

 

 

重点テーマ

<事業構造改革>

 ① 交通事業の構造改革

当社グループの基盤である交通事業について、新たな生活様式の定着に伴って需要がコロナ前には完全に戻らないことを想定し、また、人口減少社会の到来を見据え、安全・安心を確保しつつ、公共交通サービスを安定的・持続的に提供するため、事業構造改革を行い、長期的な安定経営を実現します。

 

 ② 旅行事業・観光バス事業・ホテル事業の構造改革

新型コロナウイルスの感染拡大により需要が低迷し、大きな影響を受けている旅行・観光バス・ホテル事業について、需要構造等の変化に対応して事業構造改革を行い、いずれ回復する国内レジャー・インバウンド需要に応え収益を生み出すことができるよう再生します。

 

<成長基盤構築>

 ③ グループ一体となった沿線・地域の活性化

グループ一体となって沿線・地域を活性化するため、都心部、沿線拠点駅および駅周辺における開発事業をバランス良く展開するとともに、生活と観光の両面から事業活動を展開し、需要創出と保有資産の価値向上を図ります。

 

 ④ 名駅再開発の事業着手に向けたプロジェクトの推進

名駅再開発の事業着手に向けて、コロナ後の事業環境の変化に対応して交通施設整備計画および再開発施設計画の見直しを行うとともに、再開発エリアの価値最大化に向けた取組みを推進します。

 

 ⑤ 今後成長が見込まれる分野の収益力強化による収益構成の見直し

交通事業が過半を占めている収益構造を見直すため、今後グループとして成長が見込まれる分野である不動産事業や運送・航空など競争力のある事業、マーケティングの強化・高付加価値化および新たな事業領域の開拓に重点的に取組むことにより、鉄道以外の事業の収益力を強化します。

 

 ⑥ DXの推進

DXの推進により、お客さまへ新たなサービスを提供することを目的としたビジネスモデルの変革やコスト削減・業務高度化などを目的としたビジネス環境の変革を目指します。

 

 ⑦ 経営課題に対応した体制づくり

経営課題に対応した体制づくりを進めるとともに、様々な社会的要請に対応していくための取組みを行います。

 

また、目標とする経営指標につきましては、中期経営計画最終年度にあたる2023年度の連結経営数値目標として営業利益を設定するとともに、参考指標として、ROE(純利益/自己資本)、ROA(営業利益/総資産)、純有利子負債(※)/EBITDA倍率、及び株主資本比率をそれぞれ設定しております。

※純有利子負債:有利子負債-現預金・短期有価証券

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、2021年9月に「名鉄グループ サステナビリティ基本方針」を策定し、持続可能な社会の実現を目指していくことを宣言いたしました。当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

■「名鉄グループ サステナビリティ基本方針」

―私たち名鉄グループは、「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」という使命のもと、地域を活性化し、 また社会を支える事業活動を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。

 

(1) サステナビリティ全般に関する取組

 

 (ガバナンス)

 当社グループでは、2021年7月に名古屋鉄道の社長を委員長、総括役員およびESGに関係する部署の担当役員を委員とする「ESG推進委員会」を設置しております。本委員会では、グループ全体のサステナビリティに関する取組みを検討、推進するとともに、必要に応じて取締役会へ上程・報告を行っております。一方、取締役会はESG推進委員会を監督しており、サステナビリティに関する取組み全般におけるガバナンス体制を構築しております。

 


 

 

 (リスク管理)

当社グループでは、持続可能な社会の実現につながる取組みを推進するにあたり、2022年4月に名鉄グループのサステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)を特定しました。

 

 ① 重要課題(マテリアリティ)特定のプロセス

社内外からみた名鉄グループに関連のある社会課題を洗い出し、その中から重要度の高いものを選定し、重要課題(マテリアリティ)を特定しました。


[フェーズ1・2] 内部・外部情報調査による社会課題の認識・洗い出し

企業理念や経営計画などの内部情報および各種ガイドラインや評価機関などの外部情報をもとに、数ある社会課題から当社の社会課題の洗い出しを行いました。

 


[フェーズ3] 評価基準の設定・評価の実施

自社にとっての重要度およびステークホルダーにとっての重要度の2軸について、評価基準を設定しました。評価基準に沿って、フェーズ2で洗い出しした社会課題を一つずつ点数付けし、重要度を評価しました。

[フェーズ4] 重要課題(マテリアリティ)の特定・妥当性確認

フェーズ3の結果のうち、自社にとってもステークホルダーにとっても重要な社会課題を重要課題(マテリアリティ)として特定しました。ESG推進委員会において、特定された重要課題(マテリアリティ)の数や粒度について妥当性を確認しました。

 

 ② 重要課題(マテリアリティ)

上記のプロセスを経て5つの重要課題(マテリアリティ)を設定し、持続可能な社会の実現につながる取組みを推進していきます。また、それぞれの重要課題(マテリアリティ)にKPIを設定し、定期的にESG推進委員会にて確認、取締役会へ報告することでリスク評価・管理を実施しております。

1. 環境保全への貢献

当社グループでは、持続可能な社会の実現を目指して、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたCO排出量削減の取組みをはじめ、「環境保全への貢献」に取組んでまいります。

2. 安全・安心の確保

安全の確保は、多様な交通サービスを有する当社グループにおいて何よりも優先すべき社会的な責任であると考え、お客さまに安心してご利用いただけるよう「安全・安心の確保」に取組んでまいります。

3. 地域価値の向上

当社グループは、地域社会の発展とグループの発展は不可分であるとの認識のもと、「持続可能な社会の実現」に真摯に向き合い続けてきました。これからも、地域を活性化する事業や社会を支える事業を通じて、「地域価値の向上」に努め、永く社会に貢献してまいります。

4. 誰もが活躍できる職場づくり・人づくり

従業員は当社グループの持続的な成長に必要不可欠な財産です。個性や能力を発揮でき、心身共に健康で活き活きと働ける「誰もが活躍できる職場づくり・人づくり」に取組んでまいります。

5. ガバナンスとリスクマネジメントの強化

当社グループでは、コーポレートガバナンスの充実と的確なリスク管理を重要な経営課題の一つとして認識しています。適正な組織体制を整備し、経営の健全性や透明性、効率性の確保と充実に努めることにより、「ガバナンスとリスクマネジメントの強化」に取組んでまいります。

 

 

(2) 気候変動への対応

当社グループは、「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」という使命のもと、地域を活性化し、また社会を支える事業活動を通じて、持続可能な社会の実現を目指しており、中でも名鉄グループのサステナビリティを巡る重要課題(マテリアリティ)の1つとして「環境保全への貢献」を位置付けております。

2022年4月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFDという。)」提言への賛同を表明しており、今後、TCFD提言に基づく情報開示を進め、気候変動への対応をはじめとした環境保全への貢献に取組んでまいります。

 

 (ガバナンス・リスク管理)

「(1) サステナビリティ全般に関する取組」に記載しております。

 

 (戦略)

 ① シナリオ分析における大枠(世界観)の設定

産業革命前からの世界の平均気温上昇が2℃を十分に下回る場合(2℃シナリオ)と成り行きの4℃の場合(4℃シナリオ)を想定し、国際機関(※)が想定している情報を基に世界観を設定しました。

 

[想定する世界観]

産業革命前からの世界平均気温上昇

2℃

4℃

2030年、当社グループを取り巻く事業環境

炭素排出に関する制度、規制が進み、脱炭素技術の高い車両・設備が導入される

企業の脱炭素化のための政策が進まず、設備更新は従来水準にとどまる

政策として炭素の価格付けがなされ、炭素排出がコストとして事業活動に組み込まれる

炭素の価格付けがなされず、炭素排出に対してコストはかからない

主力電源が火力発電から、再生エネルギー発電へ移行され、再エネ比率が高まる

主力電源は火力発電のままで、再エネ比率は従来水準にとどまる

ステークホルダーのカーボンニュートラルに対する目線が一般化され、CO排出の低い移動手段として鉄道等が選好される

カーボンニュートラルに対する厳しい目線は一部のステークホルダーに留まり、利用者の行動変容は起きない

異常気象は、現在顕在化している水準から大きくは増えない

気象災害の規模・頻度が大きくなり、影響を受ける事業所・サプライチェーン・消費者が増加。事業継続に必要な対策コストが高騰する

移行リスク・機会

IEAによるWEO2021持続可能な開発シナリオ(SDS)等

IEAによるWEO2021公表政策を基にしたシナリオ(STEPS)等

物理的リスク

IPCCによるRCP2.6シナリオ

IPCCによるRCP8.5シナリオ

 

(※)IEA       国際エネルギー機関

WEO2021     World Energy Outlook 2021

IPCC      気候変動に関する政府間パネル

SDS       Sustainable Development Scenario (持続可能な開発シナリオ)

STEPS     Stated Policies Scenario (公表政策を基にしたシナリオ)

RCP       Representative Concentration Pathways (代表濃度経路シナリオ)

 

 

 ② 気候変動リスク・機会による事業影響評価

当社グループの交通、運送、不動産、レジャー・サービス、流通、航空関連サービス、その他の各セグメントを対象とし、TCFDの枠組みに基づいて当社グループ事業に影響のあるリスク・機会項目を抽出しました。抽出したリスク・機会項目に対して、ESG推進委員会にて重要度を審議し、重要度の高いリスク5項目、機会5項目を選定するとともに、2℃、4℃シナリオに基づき影響度を評価しました。このうちリスク項目については、各シナリオに基づいて財務への概算影響額を試算しました。気候変動による影響を分析した結果、2℃シナリオにおいては、炭素税の導入による大幅なコスト増加が見込まれる一方、CO排出量の少ない交通手段の需要増やMaaSの拡大、DX推進などにより、収益機会の増加や業務効率向上によるコスト低減を期待できることが分かりました。

また、4℃シナリオにおいては、燃料費の高騰によるコスト増加による影響を大きく受けることに加え、保有資産の洪水被害による損壊額の増加や風水害による鉄道営業停止に伴う収益減少のリスクが増大することが分かりました。

当社グループが長期にわたり安定的な経営を続け、持続可能な社会の実現に貢献するために、省エネ設備投資等を漸次進めて、化石燃料の使用量を順次減らしていくことなど、気温上昇が2℃を十分に下回る世界の実現に向けた取組みを進めてまいります。

 

[事業影響評価]

事業影響評価の対象項目

内容

対象範囲

炭素税導入によるコスト増加

全セグメント

再エネ電力調達によるコスト増加

全セグメント

燃料費の高騰によるコスト増加

全セグメント

保有資産の洪水被害による損壊額の増加

鉄軌道事業

風水害による鉄道営業停止に伴う収益減少

鉄軌道事業

CO排出量の少ない交通手段需要増に伴う旅客数の増加

交通

MaaS拡大による旅客輸送関連サービス利用増に伴う収益増加

交通、その他

配送ルート最適化等の排出削減に寄与するDX推進による業務効率向上(ドライバーの生産性向上等)

運送

再エネ電力発電(洋上風力発電等)の建設・維持に伴う物資輸送需要の増加

航空関連サービス

環境配慮型商品・サービスの提供による収益増加

不動産を中心とした全セグメント

 

 

 

 (指標及び目標)

当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、2030年度のCO排出量(Scope1+2)について、連結会社全体では2020年度比25%削減、名古屋鉄道の鉄軌道事業においては2013年度比46%削減を目標に掲げています。

当社グループは、省エネ設備投資や再生可能エネルギーの活用等のCO排出量削減に向けた取組みを進めることによって、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

[カーボンニュートラル目標]

対象

CO排出削減目標

(Scope1+2)

CO排出量

基準年度

2030年度目標

2022年度実績

名鉄グループ

(連結会社)

CO排出量を2030年度に2020年度比で25%削減する

675,759 t-CO

(2020年度)

506,819 t-CO

2023年10月頃発行の統合報告書にて開示予定

名古屋鉄道

鉄軌道事業

CO排出量を2030年度に2013年度比で46%削減する

238,479 t-CO

(2013年度)

128,779 t-CO

 

 

(3) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

 

 (戦略)

当社グループにおける、人財の多様性の確保を含む人財育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、次のとおりであります。

 

■「名鉄グループ人財育成・社内環境整備方針」

―当社グループは、大きく変化する社会の中においても「地域価値の向上に努め、永く社会に貢献する」企業グループであり続けるため、多様な人財の活躍の実現を目指し、従業員の採用・能力開発・専門性向上に取組んでまいります。また、心身ともに健康にその能力を最大限に発揮し、自律・挑戦できる環境を整えてまいります。

 

 (指標及び目標)

当社グループでは、上記 (戦略) において記載した人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内整備環境に関する方針に関する指標として、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

2022年度実績

女性管理職比率

2030年度までに 30% 以上

5.2%

中途管理職比率

2030年度までに 30% 以上

27.3%

男性の育児休業取得率

2030年度までに 85% 以上

35.2%

 

(注) 当社においては、上記指標のデータ管理及び具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属するすべての会社では行われていないため、連結会社ベースの記載は困難であります。従って上記の指標に関する目標及び実績は、当社及び主要な連結子会社(「4 関係会社の状況」に記載する連結子会社38社)を対象にしております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループ各社の事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであります。当社グループは、「名鉄グループリスク管理運用規則」に基づき、当社社長を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、原則として年1回、グループ全体のリスク管理の状況を把握するとともに、事態の発生の回避及び発生した場合の対応に努めております。

リスク把握の具体的な方法としては、リスクの棚卸調査を2022年度に実施し、グループ会社ごとに想定されるリスクを網羅的に洗い出し、影響度および発生頻度の2つの観点から評価を行い、リスクマップを作成しております。加えて、グループ各社の調査結果を集約し、グループ全体のリスクマップを作成したうえで、優先的に対処すべきリスクについて、リスク管理委員会で協議しております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判明したものであります。また、これらのリスクは当社グループのすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 自然災害・感染症のリスク

鉄軌道事業、不動産事業など多種多様な事業を展開する当社グループは、多くの設備等を保有しております。耐震補強工事の実施等により被害の軽減対策に努めるほか、大規模災害を想定した事業継続計画(BCP)を策定するなど事前対策に取組んでおりますが、南海トラフにおける巨大地震の発生等により施設や設備等に大きな被害が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、感染症のリスクについては、新型コロナウイルス等の感染拡大によって、外出自粛などの措置に至った場合、交通事業、レジャー・サービス事業、流通事業を中心に、幅広いセグメントで影響を受ける可能性があります。

 

(2) 事故等のリスク

当社グループでは、鉄軌道・バス等の交通事業、トラック等の運送事業を営んでおり、常に輸送の安全の確保に取組んでおりますが、人為的なミスや不慮の事故等により重大な事故が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、テロ等不法行為、火災などの事故によって、当社グループの施設・設備等への被害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、流通事業及びレジャー・サービス事業において、当社グループが販売する商品の品質及び食品の安全性に関わる信用毀損が発生した場合、減収等により当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 事業環境の変化に関するリスク

 ① 原油価格・原材料費等の高騰

当社グループの主要な事業である交通事業及び運送事業では、大量の電力を消費するほか、営業用車両及び船舶の燃料として軽油等を使用しております。これらの価格やその他原材料費等が大きく上昇した場合、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 ② 法律・制度・規制の改変

当社グループは、交通事業・運送事業・不動産事業等において、鉄道事業法、道路運送法、建築基準法等の関連法令等を遵守して事業運営を行っておりますが、安全・バリアフリー化をはじめ、各種法的規制が強化された場合や新たな法的規制が追加された場合には、これらの規制を遵守するために費用が増加する可能性があるほか、一方で規制が緩和された場合には、それぞれの事業で他企業との競争が激化することにより、グループが展開する各事業に影響を及ぼす可能性があります。

 ③ 調達金利の上昇

当社グループは、鉄軌道事業をはじめとする各種事業において、継続的に設備投資を行っており、借入金や社債等により資金を調達しています。市場金利が上昇した場合や格付け機関による当社格付が引き下げられた場合、資金調達コストが上昇し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ④ 地価及び株価の下落

当社グループは、不動産や株式などの固定資産及び棚卸資産を多く保有しております。これらの時価が著しく下落した場合、減損損失または評価損等の計上により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 ⑤ 経済情勢等の変化

当社グループは、中部圏を基盤に交通事業を中心とした各種サービス事業を展開しております。同地域の経済状況、消費動向及び人口動態の変化、他事業者との競合等、これらの経営環境の悪化が今後当社グループの見込みを上回るペースになった場合、グループの収益性低下の要因となるなど、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業遂行に関するリスク

 ① 人材の確保・育成

当社グループは、交通事業を中心とした各種サービス事業を展開しており、事業運営に必要な人材の確保・育成、働きやすい職場環境や健全な労働環境の維持に努めておりますが、これを達成できない場合、グループ各事業の運営に影響を及ぼす可能性があります。

 ② 個人情報の漏洩

当社グループでは、鉄軌道事業やバス事業におけるICカード発行等、また百貨店業、ホテル業及び情報処理業などの各種事業において個人情報を保有しております。こうした個人情報は、情報セキュリティポリシーや個人情報保護規則、特定個人情報取扱規則を制定して情報管理体制を整備して厳重に管理しておりますが、万一漏洩した場合、社会的信用やブランドイメージの低下、損害賠償による費用の発生等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 ③ 情報システムの故障・停止等

当社グループでは、各種事業において多くの情報システムを使用しており、様々な業務分野で重要な役割を果たしております。これらの情報システムが、自然災害、人的ミス、コンピュータウィルス、サイバーテロなどにより故障・停止等した場合、事業運営に支障をきたすおそれがあるほか、システムの復旧等に係る費用の発生や営業収益の減少などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで(以下、当期という。))における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

 ① 財政状態及び経営成績の状況

<経営成績>

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止と経済社会活動の両立が進む中で、個人消費等が改善するなど、緩やかな持ち直しの動きが続きました。一方で、ウクライナ情勢の長期化や円安の進行等を背景に、エネルギー価格の高騰や物価の上昇が続いており、先行きには不透明な要素もみられます。

このような状況のもと、当社グループでは、安全を最優先にした事業運営の継続と収支改善等に努めました。その結果、営業収益は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことに伴い、レジャー・サービス事業や交通事業を中心に需要が回復したことに加え、不動産事業における分譲マンション販売の引渡戸数の増加などにより、551,504百万円(前期比12.3%増)となりました。営業利益は、人件費や燃料費等が増加したものの、増収により22,731百万円(前期比675.1%増)となりました。経常利益は、雇用調整助成金の減少などにより営業外損益が悪化したものの、営業増益により26,362百万円(前期比100.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益の減少などにより特別損益が悪化したものの、経常増益により18,850百万円(前期比101.2%増)となりました。

セグメント別の主な取組み及び経営成績は、次のとおりであります。

 

(交通事業)

〔主な取組み〕

鉄軌道事業では、当社は、都市計画事業の一環として、若林駅付近など4ヵ所で高架化工事を進め、知立駅付近では、名古屋本線上り線の高架への切替えが完了しました。このほか、印場駅や聚楽園駅等でバリアフリー化工事を実施するなど、引続き安全面の強化やお客さまサービスの向上に努めました。輸送面では、新型コロナウイルス感染症をきっかけとした生活様式の変容に対応するため、ダイヤ改正を行い、輸送体制の効率化を図りました。このほか、中部国際空港の利用増加の見込み等を踏まえ、2年ぶりに全てのミュースカイの運転を再開しました。

営業施策面では、大河ドラマ「どうする家康」の放送にあわせ、自治体とタイアップした各種企画乗車券を発売するなど、鉄道利用の促進を図りました。

このほか、導入を進めている新型券売機の機能を拡充し、新たに通勤定期乗車券(継続manaca定期券)を購入可能にするなど、お客さまサービスの向上に取組みました。

エリア版MaaSアプリ「CentX(セントエックス)」においては、地域の様々なパートナーとの連携を進め、デジタルチケットの取扱商品を拡充するなど、公共交通の利用促進並びに地域の活性化に努めました。

バス事業では、中間持株会社「名鉄グループバスホールディングス㈱」を設立し、事業全体の経営の効率化と競争力の強化を図りました。また、名鉄バス㈱は、ジブリパークの開園にあわせ、直行バスの運行を開始し、来園者の移動需要の取り込みに努めました。

 

〔経営成績〕

交通事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴い、各事業の輸送人員が回復し132,483百万円(前期比14.5%増)となり、営業損益は、燃料費の増加があったものの、増収により前期に比べ9,574百万円収支改善し4,614百万円の利益となりました。

 

  (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

鉄軌道事業

80,839

71,107

13.7

4,489

△414

バス事業

34,328

30,314

13.2

10

△2,799

タクシー事業

18,989

16,463

15.3

△25

△1,899

調整額

△1,673

△2,139

140

152

132,483

115,745

14.5

4,614

△4,960

 

 

(提出会社の運輸営業成績表)

 鉄軌道事業

種別

単位

当期

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

対前期増減率(%)

営業日数

365

営業キロ

キロ

444.2

走行キロ

客車

千キロ

187,883

△0.8

 

貨車

0

△49.6

乗車人員

定期

千人

234,483

2.6

 

定期外

106,575

23.6

 

341,058

8.3

貨物トン数

千トン

2

△14.3

旅客収入

定期

百万円

34,226

2.1

 

定期外

40,791

28.2

 

75,017

14.8

手小荷物収入

8

△14.8

貨物収入

2

△27.5

運輸雑収

4,301

△2.4

収入合計

79,330

13.7

1日平均収入

217

13.7

乗車効率

27.8

 

 

 

(注)1 乗車効率の算出方法は

延人キロ

 ×100 によります。

客車走行キロ×1車平均定員

 

2 鉄道と軌道との乗車人員は重複しておりません。

 

 

(運送事業)

〔主な取組み〕

トラック事業では、名鉄運輸㈱は、資本業務提携先である日本通運㈱との協業を進め、長野県内や佐賀県内において、輸送ネットワークや施設の共同利用をグループ会社とともに開始しました。また、名鉄観光サービス㈱の国際貨物事業を分社化した名鉄ワールドトランスポート㈱は、昭和島(東京都)に新たな倉庫拠点を開設し、戦略的物流拠点の構築を図りました。

 

〔経営成績〕

運送事業の営業収益は、海運事業における旅客需要の回復などにより136,998百万円(前期比1.7%増)となり、営業利益は、トラック事業で人件費や燃料費の増加などにより減益となったものの、海運事業の増収により3,398百万円(前期比10.1%増)となりました。

 

  (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

トラック事業

153,610

154,789

△0.8

2,186

3,165

△30.9

海運事業

16,318

14,005

16.5

1,192

△170

調整額

△32,931

△34,027

19

91

136,998

134,766

1.7

3,398

3,086

10.1

 

 
(不動産事業)

〔主な取組み〕

不動産事業では、当社の不動産事業を名鉄不動産㈱と統合し、名鉄都市開発㈱として新たに事業を開始したほか、商業施設運営機能を名鉄プロパティマネジメント㈱に集約するなど、グループの不動産事業の再編を行いました。

不動産賃貸業では、所有する物件の稼働率の向上に努めたほか、当社は、東岡崎駅前再開発計画の一環として、同駅南口において商業施設の建設に着手しました。

また、不動産分譲業では、名鉄都市開発㈱は、「メイツ中小田井 エアリーテラス」や「メイツ上新庄 SHIN-CITY」(大阪府)の販売を行うなど、沿線内外における分譲マンション開発に取組みました。

 

〔経営成績〕

不動産事業の営業収益は、分譲マンション販売の引渡戸数の増加に加え、不動産ファンドからの配当収入の計上もあり96,696百万円(前期比8.1%増)となり、営業利益は、増収により13,830百万円(前期比24.8%増)となりました。

 

   (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

不動産賃貸業

50,822

45,649

11.3

9,980

8,509

17.3

不動産分譲業

39,338

36,658

7.3

3,333

2,118

57.4

不動産管理業

13,487

13,182

2.3

449

503

△10.9

調整額

△6,952

△6,074

67

△46

96,696

89,416

8.1

13,830

11,085

24.8

 

 

 

(レジャー・サービス事業)

〔主な取組み〕

ホテル業では、中間持株会社「㈱名鉄ホテルホールディングス」を中心に、各ホテルの収益力と付加価値の向上に努めました。

観光施設事業では、当社と奥飛観光開発㈱は、新穂高ロープウェイのリニューアルを実施しており、その第一弾として、山頂エリアに「頂の森」Ⅰ期エリアをオープンし、展望デッキ等を新設しました。また、中央アルプス観光㈱は、ホテル千畳敷をリニューアルし、レストラン部分をプレオープンしました。

旅行業では、全国旅行支援の実施等を受け、回復傾向にある国内観光需要の取り込みに努めました。

 

〔経営成績〕

レジャー・サービス事業の営業収益は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴う観光需要の回復に加え、全国旅行支援の効果もあり81,049百万円(前期比70.4%増)となり、営業損失は、増収により前期に比べ8,010百万円収支改善し375百万円となりました。

 

   (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

ホテル業

16,459

9,352

76.0

△1,793

△5,941

観光施設事業

17,595

12,886

36.5

297

△1,093

旅行業

47,624

25,819

84.4

1,158

△1,326

調整額

△630

△486

△37

△24

81,049

47,572

70.4

△375

△8,385

 

 

(流通事業)

〔主な取組み〕

当社は、サービスレベルの向上や独自の小売ブランド創設のため、グループの小売事業を㈱名鉄生活創研に集約する再編を行ったほか、雑貨店運営会社「㈱オンセブンデイズ」を子会社化し、小売事業の運営ノウハウの取り込みを図りました。

また、㈱名鉄生活創研は、名古屋市千種区の商業施設内に「星が丘ロフト」を開業するなど、収益力の向上に努めました。

 

〔経営成績〕

流通事業の営業収益は、百貨店業の増収に加え、㈱オンセブンデイズの連結加入による収益寄与もあり66,263百万円(前期比2.5%増)となり、営業損失は、百貨店業では収支改善したものの、輸入車販売業の減益などにより前期に比べ420百万円収支悪化し2,475百万円となりました。

 

  (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百貨店業

17,412

16,274

7.0

△2,412

△2,611

その他物品販売

48,953

48,502

0.9

204

455

△55.0

調整額

△103

△124

△267

101

66,263

64,652

2.5

△2,475

△2,054

 

 

 

(航空関連サービス事業)

〔経営成績〕

航空関連サービス事業の営業収益は、航空整備事業の受注増加や機内食事業における需要回復により25,578百万円(前期比9.5%増)となり、営業利益は、増収であったものの、人件費や減価償却費の増加などにより1,346百万円(前期比7.4%減)となりました。

 

  (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

航空関連サービス事業

25,890

23,747

9.0

1,344

1,448

△7.1

調整額

△311

△383

1

5

25,578

23,364

9.5

1,346

1,453

△7.4

 

 

(その他の事業)

〔経営成績〕

その他の事業の営業収益は、設備工事やシステム関連の受注増加などにより50,070百万円(前期比7.5%増)となり、営業利益は、増収により2,619百万円(前期比32.9%増)となりました。

 

  (業種別営業成績表)

 

営業収益

営業利益

当期

前期

増減率

当期

前期

増減率

 

百万円

百万円

百万円

百万円

設備保守整備事業

27,292

24,983

9.2

1,190

1,043

14.1

その他事業

23,542

22,394

5.1

1,421

953

49.0

調整額

△764

△816

7

△26

50,070

46,560

7.5

2,619

1,971

32.9

 

 

 

<財政状態>

当期末における総資産は、設備投資等による有形固定資産の増加や、資金調達により現金及び預金が増加したことなどにより、前期末に比べ44,481百万円増加し1,231,378百万円となりました。

負債は、鉄道高架化工事等に関する工事負担金の前受金や有利子負債の増加などにより、前期末に比べ26,524百万円増加し802,289百万円となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより、前期末に比べ17,956百万円増加し429,089百万円となりました。

 

 ② キャッシュ・フローの状況

当期末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ4,448百万円増加し54,879百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の増減額の増加などにより、前期に比べ21,896百万円増加し61,217百万円となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、20,345百万円減少し△59,372百万円となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出が減少したことなどにより、5,948百万円増加し2,608百万円となりました。

 

 ③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの事業は、交通事業のほか運送事業、不動産事業、流通事業等の広範囲かつ多種多様なサービス業が主体であり、また受注生産形態をとらない事業がほとんどでありますので、セグメントごとに網羅的に生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「① 財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社経営陣は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらのうち主なものは以下のとおりでありますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、新型コロナウイルス感染症の影響に関する仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、事業の特性上、多額の固定資産を保有しており、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施する可能性があります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を判断するに際して将来の課税所得や税務計画を合理的に見積っております。従って、将来の課税所得の見積額や税務計画が変更された場合には、繰延税金資産が増額又は減額される可能性があります。

 

(退職給付債務及び費用の計算)

当社グループは、従業員退職給付債務及び費用の計算について、割引率や年金資産の期待運用収益率等の前提条件に基づき行っております。従って、前提条件または制度に変化や変更が生じた場合には、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

 

 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(財政状態の分析)

当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(経営成績の分析)

当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

 

(キャッシュ・フローの分析)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループは、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金または借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資などの長期資金については、社債及び長期借入金での調達を基本としております。また、当社グループにおいて、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。

なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載しております。

 

(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

当社グループは、前連結会計年度を初年度とする3ヵ年計画、グループ中期経営計画「Turn-Over2023 ~反転攻勢に向けて~」の中で、最終年度である2023年度の連結経営数値目標として、「営業利益350億円」を設定し、取組んでおります。また、参考指標として、「ROE(純利益/自己資本)」、「ROA(営業利益/総資産)」、「純有利子負債/EBITDA倍率」及び「株主資本比率」も設定しております。

当連結会計年度における各指標は、以下のとおりであります。

 

経営指標

2023年度(目標値)

当連結会計年度(実績)

 

百万円

百万円

 

営業利益

35,000

22,731

(参考)

 

 

ROE(純利益/自己資本)

6%程度

4.8%

ROA(営業利益/総資産)

3%程度

1.9%

純有利子負債/EBITDA倍率※

6倍程度

7.2倍

株主資本比率

中長期的に25%程度

24.3%

 

(注)※EBITDA:営業利益+減価償却費

    純有利子負債:有利子負債-現預金・短期有価証券

 

同計画の2年目である当連結会計年度は、鉄軌道事業の構造改革やバス事業の再編などの「事業構造改革」、不動産事業・運送事業における他社との協業や、雑貨店運営会社の子会社化などの「成長基盤構築」の両面から取組みを進めました。

前連結会計年度よりも新型コロナウイルス感染症の影響が一段と縮小したことにより、交通事業やレジャー・サービス事業の収支が大幅に改善したため、2期連続の営業黒字となりましたが、利益水準はコロナ前と比較し低い水準に留まりました。

今後も、沿線・地域の活性化や、不動産事業や運送事業をはじめとした成長が見込まれる分野の収益力強化など「成長基盤構築」のための取組みにも注力し、次の成長に繋がる基盤を構築してまいります。また、将来にわたり安定的に事業を継続するため、引き続き鉄軌道事業の構造改革に取組み、需要に応じたコストの適正化・省力化と収益力の向上を図ってまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。