第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

下記の文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社は、「人々のかけがえのない暮らしや豊かな営み、また、文化的かつ歴史的な価値を有した人類の共同財産を創出する」ことを社会的使命として掲げ、覚悟と情熱、専門性に溢れ、業界内外に向けて、無類の存在感を放つ誇り高きプロフェッショナル集団となることを目指しております。

そのための経営方針として、目まぐるしく変わる事業環境に対して迅速かつ的確に対応できる態勢構築を進めるとともに、常に先を見通した経営戦略の推進や財務基盤の強化を図ることにより、将来の安定的な収益確保を担保しております。

また、主力の戸建販売事業のみならず、アセットソリューション事業においては、不動産を取り巻くあらゆるビジネスの可能性を模索し、当社の存在意義と存在感を世の中に示してまいりたいと考えております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は成長性を重視し、売上高の増大及びシェアの拡大を目指しており、売上高経常利益率5%を経営目標としております。これらの目標達成のため、戸建販売事業及びアセットソリューション事業における収益性、生産性の向上に努めてまいります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

当社は、2009年4月の創業以来、長きにわたるデフレ経済のなかで、自社設計・自社施工管理による商品の差別化によって、戸建住宅の分譲を中心に事業を展開してまいりました。

昨今の日本経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化による行動制限の緩和により経済活動に回復の兆しが見られましたが、ウクライナ問題の激化・長期化による資源・エネルギー価格の高騰、欧米における金融不安など、景気の先行きには依然として不透明感が漂っております。
 当社の属する不動産業界におきましては、低金利融資の継続や省エネ住宅を対象とした補助金・税制優遇策、在宅勤務の浸透に伴うライフスタイルの多様化による消費者の住宅に対する関心の高まりなどが追い風となり、年度前半における住宅需要は堅調に推移いたしましたが、年度後半におきましては、実質賃金が伸び悩む中、事業用地価格や建材・住設機器価格の上昇による住宅価格の高騰や住宅ローン金利の先高観などにより、いわゆる住宅のコロナ特需が一服するなど、事業環境に変化の兆しが見られました。

このような中にあって当社は、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下の課題を自らに課して業務を推進しております。
 
① お客様への商品訴求力の強化
 当社は、大半の戸建プロジェクトにおきまして、不動産仲介業者を介さず、当社従業員が直接お客様と相対して商品のご説明及び商談を行う自社販売を行っております。

これは、ご購入いただいたお客様だけでなく、ご成約に至らなかったお客様からも、当社従業員が直にご意見・ご感想を頂戴し、次のプロジェクト・プランに反映・活用させていただくことで、より魅力のある商品を世に送り出したいという考えに基づいたものです。

当社の業容規模・陣容からして、全てのプロジェクトの販売を自社販売形態で行うことは困難ですが、社内研修・OJT等による自社人材の育成及びSNSの積極活用により、お客様への商品訴求力を更にブラッシュアップさせ、自社販売比率(目標8割)を高めていく方針であります。

 
② 既存エリアの深耕及び分譲エリアの拡大
 当社は、2020年9月に東京都新宿区へ本社機能を移転し、新宿本店を含む戸建販売事業4拠点とアセットソリューション事業をとおして、都心部の情報収集能力を強化してまいりました。また、2021年4月に、たまプラーザ支店を東京都世田谷区へ移転し、「自由が丘支店」として新たに営業を開始し、神奈川エリアでの業容を保持しつつ、本格的に東京都城南エリアに進出いたしました。

各拠点において人材・陣容の充実に向け継続して取り組み、既存エリアの深耕と併せて未開拓エリアである国道16号線沿線まで分譲エリアの拡大を図ってまいります。
 
③ 生産性の向上・人材育成
 当社は、これまで多くの専門知識や豊富な経験を持った人材を確保し、事業を推進してまいりましたが、継続的な成長のためには、生産性の向上及び人材育成が必要不可欠であると認識しております。

ITを活用したマンパワー業務の自動化や業務内容の見直しによる無駄の排除に取り組むとともに、社内外での研修・OJTの充実を図ることで人材の育成に取り組んでおります。また、テレワーク・時差出勤・時短勤務の導入といった様々な働き方を推奨することにより、生産性の更なる向上に努めてまいります。
 
④ コンプライアンス体制及びリスク管理体制の充実
 当社の展開する事業に関連する法規は多岐にわたり、また、関連法規の制定・改廃が相次いでおります。また、業務内容の多様化等に伴う取引の継続性や資産性等に関する潜在的なリスク要因を把握して適切に管理していく必要があります。これらに対応するため、コンプライアンス体制及びリスク管理体制をより一層充実させるとともに、社員への教育を徹底し、経営管理体制の強化に努めてまいります。
 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

当社は、持続可能性の観点から企業価値を向上させるため、2022年4月に代表取締役社長 大林竜一を委員長とする全社横断的なサステナビリティ委員会を設置しております。事業活動を通じて社会への新しい価値を創造し、社会や地域、相互の持続可能性を追求するサステナビリティ経営に取り組んでまいります。

 

(1) ガバナンス体制

当社は、サステナビリティ経営を推進するため、サステナビリティ委員会にて、サステナビリティ戦略及び取り組みに関し企画・立案・提言を行っております。また、同委員会は3ヶ月に1回開催され、同委員会で審議した内容は、取締役会に上程・報告をし、取締役会はこの内容について監督・指示を行い、将来的なリスクを役員以下従業員全員が認識・対応ができるようにするため監視体制をとっております。

 

(2) 戦略

 ① 環境に配慮した住宅の供給について

当社のコア事業である戸建販売事業においては、建築過程における温室効果ガスの削減だけでなく、コストパフォーマンスと環境の双方に配慮した住宅の供給が求められております。具体的には、以下の項目について積極的な推進を図っております。

 

(a) ZEH基準住宅の普及

当社は、2023年1月27日付でZEHビルダー登録をしており、2026年3月期に自社の供給する戸建住宅のう   ち、ZEH基準住宅の占める割合を50%とする目標設定をしております。2023年3月期より一部のプロジェクトにおいて太陽光パネルを搭載した物件の供給を行っておりますが、今後も普及に向けた継続的な取り組みを進め、再生可能エネルギーの利用促進に努めてまいります。

 

(b) 高い省エネ基準への取り組み

当社は、2016年の改正省エネ基準法をもとに、より高い性能基準(ZEH基準)を満たすよう設定をしております。主な点として、外壁・窓等の断熱性能を向上させ、外皮計算による計算で確認をしており、また、省エネ効果の高い住宅設備機器、電気自動車用コンセントや太陽光パネルの設置により、住宅で消費されるエネルギー量(一次エネルギー消費量)を通常より20%削減することを基準としております。これらの高い省エネ基準をクリアすることにより、冷暖房効率の向上を図ることのできる省エネ性能に優れた高品質な住宅を実現してまいります。

 

(c) 長く安心していつまでも住み続けられる家づくり

当社は、創業以来戸建販売事業において自社設計・自社施工による自社一貫体制により事業を推進してまいりました。自社設計による考え抜かれたプランや間取り、自社施工による丁寧でしっかりとした家づくりを通してメンテナンスフリーの住宅、長く安心していつまでも住み続けられる家づくりを目指しております。これらの取り組みについては、今後も継続して取り組んでまいります。

 

 ② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社は、誰もが活躍できる組織風土、より多くの人材の活躍と成長を実現する組織風土の実現を重要課題として認識しており、人材育成及び社内環境整備に関して以下の取り組みを行っております。

 

(a) 人材育成方針

当社は、2023年4月より新しい人事評価制度を導入いたしました。これまでも評価制度は存在していましたが、社員一人一人が役職に応じて、業績・業務・理念の3つの目標設定を行い、上位者・役職者による、より具体的かつ明確なフィードバックをとおして、評価・育成を行っております。評価項目には柔軟性を持たせ、業務遂行に必要な知識の習得だけでなく、直接的には関係がない自身のスキルアップを企図した研修の受講なども評価に取り入れる等しております。

 

(b) 環境整備方針

当社は、自社一貫体制が生み出す付加価値のさらなる強化が重要であると考えております。用地仕入れから、企画・設計、施工、販売、アフターサービスまでを自社一貫体制で行っており、それぞれの部門間における連携、情報の共有、フィードバックがより良い商品の創造・価値の提供につながる源泉であることを認識しております。当該、部門間での建設的なディスカッションや部門横断的な情報共有は、風通しの良い組織風土の醸成が重要であり、また、当該内容が、経営会議等の会議体で報告・共有され、経営に反映される体制構築を推進しております。また、働き方の多様化に伴い、時短勤務や在宅勤務を導入し、また、フリーアドレス、デジタルデバイスの普及等を通じて、より生産性の高い、誰もが働きやすい環境づくりを推進しております。

 

(3) リスク管理

当社は、気候変動や多様性におけるリスクや機会について、サステナビリティ委員会を中心に、全社横断的にリスク管理を行っております。特に環境面については、脱炭素社会への移行期に伴う、政策、規制、技術、市場及び顧客の嗜好等の変化による影響を受けることが想定されるため、自社のGHG排出量(Scope1及び2)の算定及び削減並びに事業環境の変化に応じて、柔軟に事業計画や商品の企画設計の見直しを継続して取り組んでまいります。

なお、2022年度における算定結果は以下のとおりです。

 

     Scope1:104(tCO2e)

     Scope2: 81(tCO2e)

 

 

(4) 指標及び目標

省エネ、メンテナンスフリーなど、環境に配慮した住宅の供給をとおしてGHG(温室効果ガス)の削減を進めてまいります。当社は2026年3月期に自社の供給する戸建住宅のうち、ZEH基準住宅の占める割合を50%とすることを目指しております。また、太陽光パネル等の再生可能エネルギーの発電設備を積極的に導入するとともに、少ない消費エネルギーで快適な暮らしを実現すべく、断熱性能などの仕様の向上を進めてまいります。

また、女性管理職比率については、2027年3月期において10%を目指すとともに、誰もが活躍できる組織風土、より多くの人材の活躍と成長を実現する組織風土の実現を推進してまいります。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 不動産市況の悪化

当社の主要事業である戸建販売事業は、消費者の需要動向に大きく左右される傾向にあります。そのため、景気動向、金利動向、地価動向及び物価動向の変動、消費税及び住宅減税等の税制変更、公的融資制度の変更・廃止、少子化による人口減少、新型コロナウイルス感染症の再拡大などにより、消費者の需要が低下した場合には、着工・引渡し棟数の減少や販売価格の低下等が生じ、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(2) 事業エリアの集中について

当社の事業展開は、対象エリアを首都圏とし、その中でも特に多摩エリア及びそれに隣接する地域を中心としております。したがって、当社の業績は首都圏内の景気動向、経済環境、住宅需要、地価の動向等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合について

当社の属する戸建販売業界は、技術の独自性等に基づくものではないため、参入障壁は高くありません。

当社は、企画設計から施工管理、販売、建築請負業務など不動産業、建築業の事業領域において様々なノウハウの蓄積に努めておりますが、競合他社の参入に伴い、差別化のための各種方策等が必要になった場合、又は、当社が提供する物件の競争力が低下した場合は、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(4) 販売期間の長期化等について

当社の主力事業である戸建販売事業における用地仕入決済日から引渡までの平均事業期間は約11ヶ月となっております。景気動向・需要動向の悪化や競争激化、新型コロナウイルス感染再拡大といった影響により販売が長期化した場合、販売価格の下落や棚卸資産の評価損の計上等により、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 季節変動について

当社の主要事業である戸建販売事業においては、物件の完成・引渡しが9月、12月、3月に集中する傾向があります。そのため、当社の第1四半期の売上高は、他の四半期に比して少なくなり、また、第2四半期及び第4四半期、特に3月の売上高が相対的に多くなる傾向があり、2023年3月の戸建販売事業に係る売上高は4,302,602千円(構成比20.2%)であります。なお、2022年3月期から2023年3月期における四半期別の売上高及び営業損益の構成は、次のとおりであります。

 

 

(2022年3月期)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

売上高

3,189,846

13.4

4,583,391

19.3

4,732,026

19.9

11,258,521

47.4

営業利益

171,510

7.6

388,440

17.3

462,502

20.5

1,229,664

54.6

 

 

(2023年3月期)

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

金額
(千円)

構成比
(%)

売上高

4,150,415

16.1

7,171,053

27.7

5,789,701

22.4

8,738,479

33.8

営業利益

224,041

10.9

676,687

32.8

435,129

21.1

728,526

35.3

 

 

(6) 自然災害・人災等に係る影響について

地震や台風等の大規模な自然災害が発生した場合、当社において、物件の点検や応急措置等により、多額の費用が発生する可能性があります。また、建築用資材・部材については複数の発注先を確保するよう努めておりますが、社会インフラの大規模な毀損で建築現場の資材・部材の供給が一時的に途絶えた場合等には、完成引渡しの遅延等により当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

また、新型コロナウイルス等の感染症の流行が急速に拡大した場合、当社の本社や事業所の一時的な閉鎖の可能性があり、当社の業績に影響が生じる可能性があります。当社としては、複数の事業拠点を有しており特定の事業所において感染症が発生した場合にも事業継続が可能な体制を構築しており、また、在宅勤務が可能な環境を整備しており、感染症流行時に出社しなくても業務遂行が可能となっております。

 

(7) 用地取得について

当社の主要事業である戸建販売事業においては、戸建住宅用の用地を、立地条件や周辺環境等に応じて、適正価格で継続的に取得することが必要です。当社としては、土地売却情報の入手先を複数確保するとともに、土地取得に際しては立地条件・周辺環境・面積等について調査の上、適正価格で取得するよう努めております。

しかしながら、他社との競合、情報収集の遅れ・不足等により相場よりも高価格で土地を購入することとなった場合や土地の仕入れが想定どおりに進捗しない場合には、当社の経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(8) 外注先について

当社は、戸建分譲住宅における施工面の大部分を外注に依存しております。当社としては、外注先の確保に注力しておりますが、万が一、職人不足等に伴って外注先が減少した場合、販売棟数の増加に伴って選定基準に合致する外注先を十分に確保できない場合、または外注先の経営不振・繁忙等により工期が遅延した場合等には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(9) 資材及び住宅設備機器等の調達・価格の変動について

国内外の市場の動向等により、木材・建材等の資材価格が上昇した場合、当社又は外注先の原材料調達状況に影響が及ぶ可能性があります。また、当社としては適正な利益を確保するよう努めておりますが、資材価格の上昇分を販売価格へ転嫁することが困難な場合には、当社の利益が減少するなど、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

新型コロナウイルス感染症の流行下における世界的なリモートワークの普及等を背景とした、アメリカを中心とする住宅需要の増加により、住宅の主要材料であります輸入木材の不足が懸念されております。今後、輸入木材の価格高騰や納期遅延により、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(10) 組織・人材・陣容の充実

当社は今後も戸建住宅の販売を中心に事業を展開してまいりますが、不動産業界の競争激化の中で業績拡大を図るためには、継続して優秀な人材を確保・育成していくことが最重要課題であると認識しております。そのため、中途・新卒採用の強化及び不動産関連の資格取得支援並びに当社の経営理念及び行動規範を理解した責任ある社員の育成を行っていく方針であります。しかしながら、当社の求める人材の確保が困難となった場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(11) 金融機関からの資金調達にかかるリスクについて

当社は戸建販売事業の分譲用地、アセットソリューション事業のマンション用地の取得資金及びマンション建設資金について、主に金融機関からの借入金により調達しているため、有利子負債への依存度が高い水準にあります。今後、有利子負債の圧縮を図るとともに自己資本の充実に注力する方針ではありますが、金融政策や経済情勢等により金利水準及び金融環境等に変動があった場合、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(12) 個人情報の管理について

当社は、事業の特性上、仕入先、顧客(潜在顧客含む。)等に関して、住所、氏名等の個人情報を多数お預かりしております。個人情報保護につきましては、個人情報の保護に関する法律に従い、全社的な対策を継続的に実施しておりますが、万一個人情報の漏えい等が発生した場合には、信用を大きく毀損することとなり、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(13) 法的規制について

当社の業務は、分譲用地の仕入から企画設計業務、施工管理業務、販売業務、建築請負業務など不動産業、建築業に関連する業務を幅広く行っております。そのため、当社の事業に関連する法規は多岐にわたり、宅地建物取引業法、建設業法、国土利用計画法、都市計画法以外にも土地区画整理法、農地法、住宅の品質確保の促進等に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法等の規制を受けております。今後これらの公的規制を強化する改正や、当社の事業に関連する法規の新設等がなされた場合には、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

また、当社では、当社の主要事業の継続に必要となる、宅地建物取引業法に基づく宅地建物取引業者免許(東京都知事免許(1)第106450号)、建設業法に基づく特定建設業許可(東京都知事許可(特-3)第153663号)及び建築士法に基づく一級建築士事務所登録(東京都知事登録 第56852号)を行っておりますが、本書提出日までの間において、これらの免許、許可及び登録の取消事由は存在しておりません。しかしながら、将来においてこれら免許、許可及び登録の取消等があった場合には、主要な事業活動に支障をきたすとともに業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

なお、本書提出日現在における当社の許認可取得状況は以下のとおりです。

 

 

許認可等の名称

宅地建物取引業者免許

特定建設業許可

一級建築士事務所登録

所管官庁

東京都

東京都

東京都

登録番号等

東京都知事免許

(1)第106450号

東京都知事許可

(特-3)第153663号

東京都知事登録

第56852号

取得日

2021年6月18日

2021年5月25日

2021年2月10日

有効期限

2026年6月18日

2026年5月24日

2026年2月9日

主な許認可

取消事由

・欠格事由等に該当するとき

・不正の手段により免許を受けたとき

・業務に関し取引の関係者に損害を与え又は公正を害する行為をした場合等において情状が特に重いとき

・業務停止処分に違反したとき等

・欠格事由等に該当するとき

・不正の手段により許可を受けたとき

・建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼした場合又は法令違反等があった場合等において情状が特に重いとき

・営業停止処分に違反したとき等

・免許取消の申請

・死亡等の届出

・虚偽又は不正の事実に基づいて免許を受けたことが判明したとき

・建築士法若しくは建築物の建築に関する他の法律又はこれらに基づく命令若しくは条例の規定に違反したとき

・業務に関して不誠実な行為をしたとき等

 

 

(14) 住宅品質保証について

住宅供給業者は、「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(以下「住宅瑕疵担保履行法」)により、新築住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分については、住宅の引渡日から10年間、瑕疵担保責任を負い、また、住宅の瑕疵担保責任履行のための資力の確保が義務付けられております。

当社では、当社が供給する住宅の品質確保のため、住宅の設計、施工及び監理に万全を期し、また、住宅瑕疵担保履行法による資力確保の方法として保険に加入しております。

しかしながら、万が一、当社の販売した物件に重大な瑕疵があることが判明した場合、売主としての瑕疵担保責任を負い、その結果として、当社が負担すべき費用の増加や信用の低下等が発生し、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) コンプライアンス体制について

当社は、コンプライアンス体制の整備及びその運用により訴訟及びクレーム等の発生の回避に努めております。

しかしながら、今後、当社が販売した物件における瑕疵の発生、建築に際しての近隣住民からのクレーム等、及びこれらに起因する訴訟やその他の請求が発生する可能性があります。これらの訴訟等の内容及び結果によっては、当社の事業展開及び経営成績に影響が生じる可能性があります。

 

(16) 特定人物への依存について

当社の代表取締役社長である大林竜一は、最高経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、事業活動上の重要な役割を果たしております。当社においては、同人に過度に依存することがないよう、合議制や権限委譲の推進を図っておりますが、現時点において同人が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合には、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)小規模組織であることについて

当社は社歴が浅く、また、組織規模が小さいため、内部管理体制もこのような事業規模に応じたものとなっております。今後、事業規模の拡大に伴い人員の増強や内部管理体制の一層の強化・充実を図る方針でありますが、事業の拡大及び人員の増加に適時適切に組織的対応ができなかった場合には、当社グループの事業遂行及び拡大に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の沈静化による行動制限の緩和により経済活動に回復の兆しが見られましたが、ウクライナ問題の激化・長期化による資源・エネルギー価格の高騰、欧米における金融不安など、景気の先行きには依然として不透明感が漂っております。

当社の属する不動産業界におきましては、低金利融資の継続や省エネ住宅を対象とした補助金・税制優遇策、在宅勤務の浸透に伴うライフスタイルの多様化による消費者の住宅に対する関心の高まりなどが追い風となり、年度前半における住宅需要は堅調に推移いたしましたが、年度後半におきましては、実質賃金が伸び悩む中、事業用地価格や建材・住設機器価格の上昇による住宅価格の高騰や住宅ローン金利の先高観などにより、いわゆる住宅のコロナ特需が一服するなど、事業環境に変化の兆しが見られました。 

このような事業環境のもと、コア事業である戸建販売事業におきましては、引き続き良質な事業用地の取得に注力するとともに、自社設計・自社施工管理によるデザイン性・機能性に優れた戸建住宅の供給に努め、お客様に対する商品訴求力の更なる強化を目的に、SNSを積極的に活用するなど自社販売手法のブラッシュアップに努めてまいりました。

また、主に投資家向けの収益マンションの建設・販売及びマンション等の建設を目的とする事業用地の販売を手掛けるアセットソリューション事業におきましては、希少性の高い都心部における用地情報の収集に注力するとともに、戸建販売事業で培ったデザイン性の高い商品企画に注力してまいりました。

この結果、当事業年度の経営成績は、売上高25,849,649千円(前年同期比8.8%増)、売上総利益4,250,350千円(同4.5%増)、営業利益2,064,386千円(同8.3%減)、経常利益1,871,106千円(同8.3%減)、当期純利益1,291,498千円(同8.5%減)となりました。

 

セグメント別の業績を示しますと、次のとおりであります

(戸建販売事業)

戸建販売事業においては、自社ブランドである「アグレシオ・シリーズ」を中心に戸建住宅281棟、戸建用地33区画、その他5棟(注文住宅5棟)の引渡しなどにより、売上高21,302,362千円(前年同期比6.0%減)、経常利益1,904,748千円(同24.9%減)を計上いたしました。

なお、内容別の引渡件数・売上高は以下のとおりであります。

内容

件数(棟・区画)

売上高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅

281

18,000,893

△11.4

戸建用地

33

3,171,008

+45.4

その他

5

130,460

△16.7

合計

319

21,302,362

△6.0

 

 

(アセットソリューション事業)

アセットソリューション事業においては、投資家向け収益マンション6棟、マンション等の建設を目的とする事業用地4区画の引渡しなどにより、売上高4,547,286千円(前年同期比312.8%増)、経常利益583,015千円(同435.6%増)を計上いたしました。

なお、内容別の引渡件数・売上高は以下のとおりであります。

内容

件数(棟・区画)

売上高(千円)

前年同期比(%)

収益マンション

6

2,520,953

+517.4

マンション等事業用地

4

2,022,476

+195.2

その他

3,857

△52.3

合計

10

4,547,286

+312.8

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して44,796千円減少し、5,967,813千円となりました。
 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度末における営業活動によるキャッシュ・フローは2,689,331千円の資金の減少(前年同期は1,645,160千円の資金の減少)となりました。これは主に、税引前当期純利益1,871,106千円を計上した一方、事業用地の仕入れの進捗に伴い棚卸資産が3,653,516千円増加したことによるものであります。
  
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度末における投資活動によるキャッシュ・フローは52,056千円の資金の減少(前年同期は64,490千円の資金の減少)となりました。これは主に、事務所移転に係る敷金保証金の返還に伴う収入が23,509千円あった一方、敷金保証金の差入による支出が44,012千円、有形固定資産の取得による支出が33,154千円あったことによるものであります。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度末における財務活動によるキャッシュ・フローは2,696,591千円の資金の増加(前年同期は3,157,609千円の資金の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入が9,774,600千円あった一方、長期借入金の返済による支出が10,420,253千円あったことによるものであります。

 

当社の運転資金需要のうち、主なものは戸建住宅の分譲用地の取得資金のほか、土地の造成や建築等の製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

当社は、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
 

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は15,235,794千円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は5,967,813千円となっております。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

    a 生産実績

  当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)の生産実績は次のとおりであります。

セグメント区分

件数(棟・区画)

生産高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅

291

19,032,467

△7.4

戸建用地

33

3,171,008

+45.7

その他

5

130,460

△14.9

戸建販売事業 計

329

22,333,936

△2.4

収益マンション

6

2,520,953

+517.6

マンション等事業用地

4

2,022,476

+195.5

その他

3,857

△52.3

アセットソリューション事業 計

10

4,547,286

+313.1

合計

339

26,881,223

+12.1

 

(注)当事業年度中に完成した物件の販売価格をもって生産高としております。

 

    b 受注実績

当事業年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)の受注実績は次のとおりであります。

セグメント区分

期首受注高

期中受注高

期末受注高

件数

(棟・区画)

受注高(千円)

件数

(棟・区画)

受注高(千円)

件数

(棟・区画)

受注高(千円)

戸建住宅

26

1,817,312

265

16,919,038

10

735,457

戸建用地

2

248,800

32

2,956,818

1

34,610

その他

3

52,906

3

98,190

1

20,635

戸建販売事業 計

31

2,119,018

300

19,974,047

12

790,703

収益マンション

7

4,560,953

1

2,040,000

マンション等事業用地

1

381,000

4

2,251,476

1

610,000

その他

3,857

アセットソリューション事業 計

1

381,000

11

6,816,286

2

2,650,000

合計

32

2,500,018

311

26,790,334

14

3,440,703

 

 

    c 販売実績

  当事業年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)の販売実績は次のとおりであります。

セグメント区分

件数(棟・区画)

販売高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅

281

18,000,893

△11.4

戸建用地

33

3,171,008

+45.4

その他

5

130,460

△16.7

戸建販売事業 計

319

21,302,362

△6.0

収益マンション

6

2,520,953

+517.4

マンション等事業用地

4

2,022,476

+195.2

その他

3,857

△52.3

アセットソリューション事業 計

10

4,547,286

+312.8

合計

329

25,849,649

+8.8

 

(注)主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社の当事業年度の事業全体及びセグメントごとの経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであり、経営者の視点によるこれらの経営成績等に関する知識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、当社のセグメントは、「第5.経理の状況 1.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 セグメント情報」に記載のとおり、「戸建販売事業」「アセットソリューション事業」の2つを報告セグメントとしており、セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。

 

(i)戸建販売事業

戸建販売事業は、当社の主力事業であり、成長戦略の骨子は東京都心の希少エリアへの供給注力と千葉・埼玉を含む国道16号沿線へのエリア拡大であり、当事業年度は東京23区を中心に分譲棟数を拡大いたしました。2020年9月に開設した新宿本店、吉祥寺支店、自由が丘支店、東京支店の計4拠点にて戸建住宅を供給しておりますが、YouTubeやInstagramといったSNSや、オウンドメディアでの有益な投稿やメルマガ会員への物件情報の優先配信などを積極的に行うことで広告宣伝費を圧縮を図り、また、これまでの以上に拠点内・他拠点間の情報共有を図ってまいりました。

以上の結果、売上高は21,302,362千円(前年同期比1,359,820千円減)、引渡し件数は戸建分譲281棟(同62棟減)・土地分譲33区画(同13区画増)、その他5件(同1件減)、セグメント利益は1,904,748千円(同630,983千円減)となりました。
 なお、戸建販売事業における戸建住宅の平均単価は64,060千円(前年同期比59,254千円)であります。

 

(ⅱ)アセットソリューション事業

アセットソリューション事業は、主に都心部において希少エリアでの投資用収益マンションの建設・販売を行う事業であります。当事業は2021年4月に都心部における戸建販売事業以外の不動産ニーズへの対応を企図して新設し、新宿下落合のマンション用地等の販売・引渡し、品川大井のマンションの建設・販売を行い引渡しをしました。

以上の結果、売上高は4,547,286千円(前年同期比3,445,683千円増)、引渡し棟数は収益マンション6棟(同5棟増)・マンション等事業用地4区画(前年同)、セグメント利益は583,015千円(同474,173千円増)となりました。
 

(財政状態)

当事業年度における総資産は23,099,803千円となり、前事業年度末と比較して3,608,222千円18.5%増加いたしました。
 流動資産は22,772,119千円となり、前事業年度末と比較して3,574,534千円18.6%増加いたしました。これは主に、事業用地の仕入れの進捗に伴い棚卸資産が3,653,516千円増加したことによるものであります。
 固定資産は327,684千円となり、前事業年度末と比較して33,688千円11.5%増加いたしました。これは主に、吉祥寺支店と新宿本店の移転に伴い建物が38,578千円増加したことによるものであります。
 流動負債は13,559,713千円となり、前事業年度末と比較して4,090,456千円43.2%増加いたしました。これは主に、事業用地の仕入れが順調に推移したことにより短期借入金が3,895,210千円、1年内返済予定の長期借入金が620,983千円それぞれ増加したことによるものであります。
 固定負債は3,970,917千円となり、前事業年度末と比較して1,345,778千円・25.3%の減少となりました。これは主に、長期借入金が1,266,636千円、社債が100,000千円それぞれ減少したことによるものであります。
 純資産は5,569,173千円となり、前事業年度末と比較して863,544千円18.4%増加いたしました。これは主に、前事業年度末日を基準日とする剰余金の配当430,717千円を実施した一方、当期純利益1,291,498千円を計上したことによるものであります。
 以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末と同じく24.1%となりました。

 

なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
 なお、新型コロナウイルス感染症の影響は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。