当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
経営理念 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」
経営方針
1.社会から信頼される活力ある企業文化の創造
2.株主価値を高める経営とコンプライアンスの徹底
3.誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材の育成
(2)経営戦略等
当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しております。
この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、本中期ビジョンという)を策定し、2022年10月31日に発表いたしました。
また、2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定いたしました。
(3)経営環境
少子高齢化が進むわが国において、高齢者の増加や生産年齢人口の減少が社会や経済に影響を与え、当社グループの各事業を取り巻く環境においても変化が起きてくると想定しております。セグメントごとの事業環境は以下のとおりです。
医療用医薬品等卸売事業
わが国では増大する医療・介護・福祉の社会保障費を抑制することが重要な課題となっております。その一環として、医療提供体制の見直しによる量から質への転換が求められており、予防医療やセルフメディケーションの推進、地域包括ケアシステムの構築など、さまざまな動きが起きてくるものと考えております。
医薬品業界においては、薬価基準制度の改革や後発医薬品の普及拡大などが進められています。これまで原則として2年に1度実施されていた薬価改定が2021年度からは中間年の改定が実施され、今後一段と厳しい事業環境になっていくことが予想されます。
製薬企業の開発はがんや希少疾病を対象とした医薬品、再生医療等製品にシフトしてきており、流通面においても厳格な温度管理を必要とするなど、高度な流通体制が求められております。一方、生活習慣病などのプライマリー分野では、後発医薬品の普及が進み、より一層効率的な流通が必要となっております。
さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大を契機として、医療業界においても、オンライン診療をはじめとしたデジタル技術の普及が加速しております。
これら著しい変化がある中で、本事業では、必要とされる商品を、適時適量に確実にお届けする仕組みを構築し、人々の安全・安心な医療を支える社会インフラとして、有事の際も止まらない盤石な流通の実現に努めているほか、SDGsの観点から、配送回数の見直し等を行い、温室効果ガス排出量の削減を図っております。加えて、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図るべく、卸機能を最大限に発揮するためのさまざまな取組みを行っております。
化粧品・日用品、一般用医薬品等卸売事業
2023年3月期は、新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きとともにコロナ関連需要は縮小しつつある一方で、外出機会の増加に伴って、メイクアップや洗顔などの化粧品、ドリンク剤や胃腸薬などの医薬品が好調に推移いたしました。また、前年に比べ気温が高く推移したこともあり、制汗剤や殺虫剤、花粉関連商材などの春夏季節品も好調に推移いたしました。
このような状況の中、当社の連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)は、お取引先様との連携・協働による「売れる仕組みの強化」や、差し迫る物流の2024年問題やホワイト物流※への対応を視野に入れた「配送改善」、組織的に強化した全ての取組みを支える「デジタルの活用」、中長期の成長を担う「人財の積極採用」など、サプライチェーン全体の最適化・効率化に向けた取組みを進めました。
[用語解説]
※ホワイト物流とは、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的とした「トラック輸送の生産性向上・物流の効率化」や「女性や60代の運転者等も働きやすい、よりホワイトな労働環境の実現」のことであります。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
動物用医薬品等
畜産向け市場において広域にわたる鳥インフルエンザなど、家畜伝染病の脅威が予断を許さない状況であります。また、コンパニオンアニマル※向け市場では、犬猫の飼育頭数は減少しているものの、治療薬の進歩等による長寿化が進んでおります。
食品加工原材料等
食品加工原材料等につきましては、食品事業を取り巻く環境において、国内人口の減少、少子高齢化により、食品市場規模の拡大が見込めない一方、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
[用語解説]
※コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
<主な連結経営目標・計画>
ROE 9% (2027年3月期)
経常利益 1,000億円 (2027年3月期)
成長投資 1,000億円 (2023年3月期から2027年3月期までの累計)
<サステナビリティ中長期目標>
温室効果ガス排出量削減目標(Scope1+Scope2) 2030年度 50%削減(2020年度比)
2050年度 カーボンニュートラル
管理職に占める女性割合 2030年度 20%以上
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
「医療用医薬品等卸売事業」につきましては、社会保障制度改革やポストコロナの持続可能な社会の確立などを背景に、薬価基準制度の改革や医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)の改正、データヘルス改革などが推し進められております。また、エネルギー価格の大幅な上昇などが起きており、これらへの迅速な対応が求められると予想されます。
そのような中で、ALCの高度な物流機能の活用などにより、製薬企業から患者さんに至るまでのサプライチェーン全体の最適化・効率化を図り、卸機能を最大限に発揮するとともに、環境負荷の軽減に向けた取組みも行ってまいります。
2024年3月期においては、医療用医薬品等の安定供給を継続するとともに、新型コロナウイルス感染症関連商品をはじめ、新型コロナウイルスワクチンや臨床検査試薬等の流通を担い、医療に貢献してまいります。ARによる情報提供活動や製造販売後調査(PMS)の拡充、医療機器や臨床検査試薬の販売強化、デジタルヘルスケア分野での取組みをさらに加速させ、収益基盤の強化に努めてまいります。併せて、物流のモーダルシフトや配送回数の適正化を進めることにより、環境に配慮した流通を推進してまいります。
また、2021年11月9日、当社連結対象の完全子会社である株式会社アトル(福岡市東区)は、独立行政法人国立病院機構本部が行う九州エリア所在の病院が調達する医薬品の入札に関し、独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会による立入り検査を受けました。
また、2023年3月24日、公正取引委員会から、独立行政法人国立病院機構本部が行う九州エリア所在の病院が調達する医薬品の入札参加業者に対し、独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)の規定に違反する行為を行っていたとして、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った旨の発表がありましたが、株式会社アトルは、本件に関し、公正取引委員会に対して課徴金減免制度の適用申請を行い、過去の違反行為を自主的に申告するとともに、同委員会による調査に全面的に協力してきたことなどにより、排除措置命令、課徴金納付命令のいずれも受けておりません。なお、本件行為は、2021年1月29日付で公表いたしました、当社グループのコンプライアンスの徹底に関する諸施策の策定・実施以前に行われていた事案ではありますが、本件を厳粛かつ真摯に受け止め、これまでに取り組んできた独占禁止法遵守に関する諸施策を、より一層徹底して推し進めてまいります。
当社グループでは、これらの事態を厳粛かつ真摯に受け止めており、引き続きコンプライアンスの徹底を図るとともに、社会から信頼される企業として、さらなる企業価値向上に努めてまいります。
「化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業」につきましては、未だ収束の見通しがつかない新型コロナウイルス感染症に加え、原材料価格やエネルギー価格の上昇など、経済が混迷するなか、深刻化する人手不足への対応をはじめ、多様かつ複雑な課題に面しており、中間流通業の果たす役割はますます重要になると予想しております。
そのような中で、生活必需品の中間流通プラットフォーマーとして、人々の豊かで快適な生活を実現するため、リテールソリューションやロジスティクスソリューションの機能を高めてまいります。2024年3月期においては、新型コロナウイルス感染症の動向など社会の変化に柔軟に対応し、生活必需品の安定的な供給を継続するとともに、デジタルトランスフォーメーションに積極的に挑戦するなど、サプライチェーン全体の最適化・効率化に向けた取り組みを着実に進めてまいります。
「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」の動物用医薬品等卸売事業につきましては、畜産向け市場では、飼料価格と燃料価格の高騰により、低価格な商材へのシフトが懸念されます。また、コンパニオンアニマル向け市場では、犬猫の飼育頭数は横ばいで推移し、動物用の治療薬の進歩等による長寿化が進んでおります。
そのような中で、全国展開の強みを生かした営業を推進するとともに、今後の市場環境の変化を的確に捉え、経営基盤の強化と顧客サービスの充実に努めてまいります。
食品加工原材料等卸売事業につきましては、食品事業を取り巻く環境において、国内人口の減少や少子高齢化をはじめ、原料相場の高騰など食品市場の拡大が見込めない一方、食の安全や健康に対する意識の高まり、消費者ニーズの多様化が進んでおります。
そのような中で、全国展開の強みを活かした営業を推進するとともに、今後の市場環境の変化を見据え、商品開発への取組みをはじめとした顧客サービスの強化に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティについて
当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念のもと、事業活動を行っています。環境問題などへの社会的な関心が高まるなか、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上をめざすために、当社グループのサステナビリティに関する基本的な考え方として「サステナビリティ方針」を明文化しました。
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サステナビリティ方針
未来へつなごう「元気と、かがやき」
私たちメディパルグループは、 「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」 の経営理念のもと、 地球環境と社会の課題をさまざまなステークホルダーとともに解決します。 この地球で、だれもが今日より元気でかがやける未来のために。 私たちは、持続可能な社会の実現と企業価値向上をめざしていきます。 |
また、当社グループの経営理念に基づく事業活動やSDGsをはじめとした社会課題との関連性を整理し、その解決と当社グループの持続的な成長を両立させるための重要課題(マテリアリティ)として6項目を特定しました。今後は項目ごとに指標・目標を設定し、リスク・機会の両面でマネジメントしていく予定です。
<重要課題(マテリアリティ)>
・持続可能な「医療と健康、美」の流通
・新たな価値創造による収益性の向上
・未来を担う人材の育成
・ダイバーシティ&インクルージョンの推進
・脱炭素への取組み
・健全で透明性の高い企業経営
① サステナビリティ推進体制(ガバナンス・リスク管理)
当社グループでは、サステナビリティ方針に基づき、グループ全体のサステナビリティの取組みや推進策、中長期目標などの重要事項について、サステナビリティ経営を推進するCSR委員会で議論しています。審議した内容は担当取締役(CSR委員会 委員長)から取締役会に上程し、決議しています。連結子会社は決定されたサステナビリティに関連する推進策について、担当部門主導のもと施策を実行し、具体的な内容や進捗をCSR委員会に報告しています。担当取締役はその内容を定期的に取締役会に報告することで、取締役会の監督が適切に図られる体制を整備しています。
また、厳しい経営環境の変化を踏まえ、当社グループにおけるリスクと機会の重要性をCSR委員会で定期的にモニタリングし、案件に応じて取締役会に報告・提言を行います。
(2)気候変動への対応
① 戦略
当社グループは、自動車などを使用した物流を行う企業として、より環境に配慮した流通体制を構築することが重要な課題と捉えており、2022年10月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同しました。TCFDが推奨する枠組みに則り、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオ※を参考に、気候変動が事業に与える影響を評価したうえで、戦略策定に取り組んでいます。
※ 参考にしたシナリオ
2℃未満シナリオ:温室効果ガス排出規制等が現状より進み、今世紀末までの平均気温が産業革命以前と比べて2度未満に抑えられる世界
4℃シナリオ :現状を上回る対策がとられず、今世紀末までの平均気温が産業革命以前と比べて4度上昇する世界
<想定されるリスク>
2℃未満シナリオでは、炭素税などの導入に伴うコスト増加や再生可能エネルギーの需要増による調達不足及び調達コストの増加などのリスクが高まると想定されます。また、4℃シナリオでは、防災機能を高めるための設備投資費用の増加や、自然災害による営業・物流拠点などの損害や操業停止、交通麻痺などによる配送遅延、供給網への被害などのリスクが想定されます。しかし、当社グループでは平時から大規模災害などのさまざまなリスクを想定し、1つの物流センターが供給できない状況でも、他の物流センターから配送を補完するバックアップ体制を整えています。そのため当社グループの気候変動に起因した自然災害によるリスクの影響は僅少であると考えています。
<想定される機会>
2℃未満シナリオでは、エシカル商材や健康食品などの需要拡大が見込まれると想定しています。また、いずれのシナリオにおいても、当社グループが築き上げてきた高度な物流機能を活かすチャンスであると考えています。安定供給を維持する物流基盤の構築や品質管理(GDPガイドライン)に準拠した業務手順の徹底により需要拡大が見込まれると想定しています。
上記のシナリオ分析結果を踏まえ、お得意様と協働した新たな医薬品流通最適化モデルの構築や中間流通機能の強化及びステークホルダーとの連携・協働を通じて、サプライチェーン全体での流通最適化・効率化に取り組んでいます。
なお、財務への影響については今後の検討課題として認識しており、想定される影響を踏まえた対応策の検討をさらに深めていくとともに、シナリオ分析を進めていく予定です。
② 指標及び目標
気候変動への取組みを評価するための指標として温室効果ガス(Scope1,Scope2)を用い、当社グループ全体で中長期的な温室効果ガス排出量削減目標を掲げています。
<脱炭素への取組みに関する中長期目標>
2031年3月期:50%削減(2021年3月期比)
2051年3月期:カーボンニュートラル
<基準値及び実績>
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単位 |
2021年3月期(基準値) |
2023年3月期(速報値) |
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温室効果ガス排出量 (Scope1※1,Scope2※2) |
t-CO2 |
82,532 |
75,622 |
※1 自社の燃料使用に伴う排出
※2 自社の電力使用に伴う排出
<今後の取組み>
既述の気候変動に伴うリスクと機会への対応策として以下の取組みを予定しています。
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対応策 ・環境配慮型電力への切り替えなど再生可能エネルギー利用量の拡大 ・太陽光パネルの設置など再生可能エネルギーの自家発電設備の導入 ・車両台数や配送回数の削減 ・営業車両、配送車両の電気自動車やハイブリッド車への切り替え ・ドローンの活用など持続可能な流通の実現に向けたサプライチェーンマネジメントの実施 ・異常気象を想定した災害対策マニュアルの見直し及び災害対策訓練の実施 ・気候関連情報開示の充実 |
(3)人的資本
当社グループは、「人」が事業の重要な基盤の一つと考えています。人権を尊重し、従業員のキャリアプランに寄り添いながら、人的資本への投資を積極的に進めています。心理的安全性の高い職場の中で、多様な価値観を肯定し、誠実で自由闊達な社風の醸成と創造性に富む人材を育成します。人を中心に事業の変革を促し「医療と健康、美」の事業フィールドにおいて多様な方向へ発展し続ける企業をめざしています。
① 人材戦略の基本的な考え方
社内外の環境変化が激しい時代において、企業価値を持続的に向上させるためには、経営戦略のみならず人材戦略も中核的な戦略となります。経営戦略を遂行する人材の重要性を認識し、経営戦略と人材戦略を連動させた取組みを行っていきます。そのため、従業員をはじめとするすべてのステークホルダーに対して、人材戦略を含め人的資本の可視化を進め、適所適材による人材価値の最大化をめざします。
a.未来志向型人材の育成
当社グループの経営理念を実現し、未来を担う人材像として「未来志向型人材」を定義しました。人材要件を明確にしたうえで、採用、育成、人事制度、評価・報酬などを見直しながら、「未来志向型人材の育成」を積極的に推進し、「創造性豊かな企業文化醸成」及び「多様な人材活躍」を促す施策を実践していきます。
<未来志向型人材の要件>
・共通の価値観
当社グループの人材は「誠実」「倫理観」「使命感」を共通の価値観として、意思決定の基準とし、大切にしています。
「誠実」 常に真心を持って、公正・正直に行動している。
「倫理観」 法律、業界ルールはもちろんのこと、世間一般の常識に沿っている。
「使命感」 組織や自らのあるべき姿に向かって、責任を持って行動している。
・当社グループの未来に向けて、事業基盤を強固にし、変革を推進しながら多様な方向へ事業を発展させるための人材(未来志向型人材)要件として、「経営理念を伝える」「豊かな創造性」「本質を見極める」「周囲を巻き込む」「コミュニケーション」「分析・課題抽出・解決」の6つを定めています。
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人材像 |
具体的行動 |
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経営理念を伝える (ビジョンを持って伝える) |
・常に経営理念を実現するための意思決定をする。 ・自ら明確なビジョンを設定し、情熱を持って周囲の人に語り共感させる。 |
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豊かな創造性 (新たな価値創造) |
・多方面からの情報を収集し、新たな社会価値・顧客価値を創造する。 ・既存のやり方にとらわれず、過去の延長線上から脱却できる革新的・独創的アイデアを提案する。 ・物事を外から見る目を持っている。 |
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本質を見極める (自分への問い) |
・メディパルグループの存在意義、自らの存在意義を自分に問い続ける。 ・何のために取り組むのかを自らに問い、手段が目的にならないようにする。 ・自他の成長のための努力を惜しまない。 |
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周囲を巻き込む (チームワークとネットワーク) |
・自らが所属する組織のみではなく、部門を超えて周囲の協力を引き出しながら一体感を醸成する。 ・組織目標達成のために、リーダーシップを発揮している人に自ら積極的に協力し、守備範囲以上の仕事をしながら建設的な意見を述べる。 ・常に自らのアンテナを高くし、情報・人的ネットワークを広げる。 |
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コミュニケーション (高い対話力) |
・他者と信頼を構築しながら話を傾聴し、本音ベースでの対話を実践する。 ・的確なフィードバックと自由闊達で建設的な意見交換を実践する。タフな会話ができる。 ・他人の意見を聴くことで、自らの成長につなげる。 |
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分析・課題抽出・解決 (組織課題への取組み) |
・科学的に自らが所属する組織の現状を分析・課題を抽出し、主体的に課題解決に取り組む。 ・出来ない理由を探すのではなく、どうしたらできるのかを考え、常にスピード感を持って行動に移す。 |
b.従業員エンゲージメント
当社グループでは職場風土調査を実施し、その結果を分析し、人材育成の施策立案に役立てています。同調査は、従業員エンゲージメントやワークエンゲージメントに関連する項目を含んでおり、社員と会社の結びつきや仕事に対する意欲を測定し、高めていくことを目的の一つとしています。今後も、定期的に同調査を実施しながら人材育成への取組みを検証し、事業成長を支える人材育成を進めていきます。
c.次世代リーダーの育成
中長期の視点に立ってグループ全体の戦略立案と実行ができる、自由な発想と創造性に富んだ人材を育成することを目的として、外部講師を招いた研修を実施しています。受講者は、業態の異なるグループ会社から、また管理部門から営業部門まで多様な人材を選出し、議論を重ねて新規事業を発案・企画し、最終的に経営陣の前で発表を行います。その案件は正式に採用されるケースもあります。2011年度から実施しており、これまでに、106名(2023年3月末現在)が受講し、経営中核人材の輩出に寄与しています。
d.適所適材の人材配置
当社グループは、社員一人ひとりとの対話を大切にし、個々のキャリアに寄り添うことを基本原則としたジョブローテーションを行っています。また、社内公募による意欲の高い人材が活躍できる機会の創出、当社グループ会社間の人材交流など、組織戦力の最大化を図るための適正な人材配置を実施しています。
e.ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み
重要課題(マテリアリティ)の1つに「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」を定め、従業員をはじめ、あらゆる人々の基本的人権を尊重し、一人ひとりが互いを認め合う企業文化を築いていくための取組みを行っています。異なる個性や能力を最大限発揮することで企業活力向上につなげ、だれもが「元気と、かがやき」をもって仕事ができる環境づくりに取り組んでいます。
|
ダイバーシティ&インクルージョン宣言
「かがやく個性で、未来をつくる」
性別・国籍・経歴などにとらわれない多様な価値観を持った人材が意見を 出し合い、互いを認め合うことで、自身の成長と会社の発展につなげていきます。 |
② 指標及び目標
ダイバーシティ&インクルージョンを推進するための中長期的目標として、当社グループ全体で管理職に占める女性割合の向上を掲げています。
対象会社:㈱メディパルホールディングス、㈱メディセオ、㈱エバルス、㈱アトル、
㈱MMコーポレーション、㈱メディスケット、㈱PALTAC、MPアグロ㈱、
住友ファーマフード&ケミカル㈱※、メディパルフーズ㈱
※2023年4月1日付で、MP五協フード&ケミカル株式会社に商号変更。
<ダイバーシティ&インクルージョンの推進に関する中長期目標>
・2030年度 管理職に占める女性割合 20%以上
<実績>
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単位 |
2023年3月期 |
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女性管理職比率 |
% |
7.9 |
今後も事業活動を通じて各課題を解決し、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値向上をめざしてまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)医療保険制度について
当社グループが主たる事業とする医療用医薬品等卸売業界は、わが国の社会保障制度や医療政策と密接に関連しております。わが国では、人口構造の変化による社会保障給付費の増大などの環境変化に伴い、医療制度改革が進められております。
今後、予測できない大幅な制度変更が行われ、当社グループの事業構造に関わるような事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)薬価制度について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、薬価基準に収載されており、薬価基準は保険医療で使用できる医薬品の範囲と使用した医薬品の請求価格を定めたものであります。従って、薬価基準は実質的に販売価格の上限として機能しております。
医療費抑制策の一環として、薬価基準で定められた価格(薬価)は市場実勢価格の調査結果に基づいて改定が行われております。
(2019年10月消費税増税に伴う薬価改定率(薬剤費ベース):▲2.40%)
(2020年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲4.38%)
(2021年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表)
(2022年度薬価改定率(薬剤費ベース):▲6.69%)
(2023年度薬価改定率(薬剤費ベース):未公表)
これまで原則として2年に1度実施されていた薬価改定が2021年度からは中間年の改定が実施されております。医療機関等への販売価格低下等の影響が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)特有の法的規制等に係るものについて
当社グループは、各種の医薬品及びその関連商品を取り扱っており、主に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」の規定により、各事業所が所轄の都道府県知事より必要な許可、登録、指定及び免許を受け、あるいは監督官公庁に届出の後、販売活動を行っております。このため、監督官公庁等の許認可の状況により、医療用医薬品等卸売事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、将来的に規制緩和等によって、異業種の事業者が当社グループの事業領域に参入した場合には、当社グループのビジネスモデルや従来有する強みを維持または拡大することが困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)医療機関等との取引慣行について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという特有の取引慣行が存在しております。かかる取引慣行を改善するために、2018年4月に流通改善ガイドラインの運用が開始されましたが、交渉が難航した場合には、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格により売上計上しております。
このため、決定した取引価格と見積価格との差異が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2023年3月期における医療用医薬品の売上高2.1兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.6%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2020年3月期:99.7%、2021年3月期:99.9%、2022年3月期:99.8%)
(5)製薬企業等との取引慣行について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品の仕入先である製薬企業等との間には、実質的な仕入価格の引き下げ効果のある「割戻金(リベート)」や「報奨金(アローアンス)」などの取引慣行が存在しております。(2023年3月期の医療用医薬品等卸売事業における報奨金(アローアンス)の未精算額185億68百万円)。製薬企業等とは良好な取引関係を継続しておりますが、製薬企業等の営業戦略に大幅な変更が生じ、かかる取引慣行に変化が生じた場合には、医療用医薬品等卸売事業の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)競争環境の変化について
当社グループが主たる事業とする化粧品・日用品、一般用医薬品卸売業界において、業種・業態を超えた競争の激化やM&Aによる規模拡大が続いております。このため、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業では取引先のニーズを捉え、環境の変化に即座に対応できる組織を構築しております。しかしながら、今後さらなる競争の激化や取引先の企業再編等により取引先の政策や取引条件が大幅に変更された場合には、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7)システムトラブルについて
当社グループでは、「医療と健康、美」の流通を安定的に支える社会インフラとして、サプライチェーンを効率化、高度化するために、IT化を積極的に推し進めております。
当社グループの事業運営は、コンピュータネットワークシステムに依拠していることから、基幹システムのサーバ・ネットワークの二重化やサーバ設置建屋の免震・防災・停電対策及びデータバックアップ環境の設置などのほか、ウイルス対策、不正アクセス対策、モバイルパソコンのデータ暗号化などのセキュリティ対策を講じておりますが、万が一、システムが機能停止した場合には、販売・物流に大きな支障が生じ、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報の漏洩について
当社グループが保有する顧客情報や機密情報等の情報資産の保護については、情報セキュリティポリシーに基づき、外部に漏洩しないよう管理体制の整備に努めるとともに、全従業員を対象に年2回の情報セキュリティ研修を実施しておりますが、不測の事態により、これらの情報が漏洩した場合には、社会的信用の低下による売上高の減少や対策費用の増加等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)災害、交通事故、感染症について
当社グループは、医薬品、日用品など、健やかな生活に欠かせない商品の流通を担っており、平時・有事を問わず、必要とされる商品を確実にお届けするために、さまざまな対策を施しています。
①災害について
当社グループは、地震・台風等の自然災害や新型インフルエンザの流行などに備え、危機管理体制や有事の際迅速に供給活動を行うためのBCP(事業継続計画)を策定しておりますが、万が一、大規模災害が発生した場合には、事業が停止し、販売機会損失による売上高の減少または復旧費用の発生等により、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②交通事故について
当社グループでは、お得意先への営業や商品の配送に多くの車両を用いております。当社グループ全体の車両台数は、約7,800台となっており、環境負荷の低い車両の導入を進めるとともに、交通事故を防ぐために、ドライブレコーダーの設置や自動ブレーキを装備した車両の導入などを進めております。
また、安全運転月間を定めたり、警察の指導による講習会を開催するなど、交通事故防止の啓発活動に積極的に取り組んでおりますが、万が一、重大な交通事故を発生させてしまった場合は、社会的信用が低下し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③感染症について
当社グループでは、生命関連商品の安定供給を担う企業グループとして、社会経済活動に影響を与えるような感染症の流行の際には、様々な事態の発生を想定し、安定供給体制維持(全国物流センターの相互連携によるバックアップ、商品在庫の充実、機器の定期メンテナンスを前倒しで実施)、感染拡大防止(従業員の感染予防の徹底、車両や設備の洗浄及び消毒の徹底、医療機関での感染拡大の防止)に取り組んでおります。
しかしながら、当社グループの従業員に感染が拡大するなどして、万が一、物流機能が停止する事態に陥った場
合には、医薬品等の安定供給が困難となり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10)気候変動について
当社グループは、さまざまなステークホルダーとともに脱炭素社会の実現に向けた取組みを実施しております。一部物流センター間の医薬品輸送において、トラックから鉄道コンテナを利用した輸送へと切り替えるとともに、お得意様と協業し新たな医薬品流通最適化モデルを構築することで温室効果ガス排出量削減を積極的に進めております。
しかしながら将来、災害対策の設備投資、炭素税等のコストが発生した場合や、風水害が甚大化し、営業・物流拠点等の被災や操業停止などが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11)労働力の確保について
当社グループが取り扱う医薬品や日用品などを安定的に流通させるためには、質の高い人材の確保、適正な要員配置が必要不可欠であります。
昨今は、人口減少、少子高齢化などによって、流通分野における労働力の確保は厳しさを増してきております。物流センターの省力化や配送見直しによる効率化を推進するとともに、働き方改革に取り組み、労働環境の改善と整備に努めておりますが、労働需給がさらに逼迫し、人材を十分に確保できなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、法令や制度の改正、物価変動等により従業員に関わるコストが大幅に増加した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)投資について
当社グループは、持続的成長に向け将来への積極投資を行っております。
①物流インフラ投資について
当社グループは、安全・安心な流通を担うという社会的使命を果たすため、物流やシステムに対する設備投資を積極的に行い、最先端技術を導入しております。これらは、当社グループの競争力を維持するためにも不可欠なものでありますが、投資コストが増大した場合や想定した投資回収ができない場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2023年3月期における設備投資額は174億円であります。
②事業開発投資について
当社グループは、事業基盤の拡大と収益源の多角化を進めるため、製薬企業等への新薬開発投資や、海外での新薬開発事業に取り組んでおります。これは、当社グループがもつ物流力や営業ネットワークなどの経営資源を有効に活用し、希少疾病の治療を待つ患者さんに医薬品を安定供給することを目的とした取組みでありますが、新薬の開発は時間を要するほか、中止に至るなど、必ずしも順調に進行しないことがあります。そのような場合には、想定どおりの収益獲得に至らず損失が発生する可能性もあり、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③資本提携、業務提携について
当社グループは、「事業ポートフォリオのシフトとパートナーとの協働で変革・成長する」という中期ビジョンの基本方針に則り、ライフサイエンス分野のベンチャー企業やスタートアップ企業への出資のほか、デジタル分野やロジスティクス分野といった業界の垣根を越えた提携を積極的に進めております。
こうした資本提携、業務提携の実施にあたっては、事前に収益性や投資回収の可能性について様々な観点から検討を行っておりますが、予期せぬ環境変化や想定した事業計画からの大幅な乖離が生じた場合には、減損損失等が発生するなどして、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(13)法令違反について
当社グループは、「コンプライアンスの徹底」を経営方針の一つに掲げ、社員教育や啓発活動を継続して行っております。
また、公益通報に関する窓口を社内及び社外に設置し、グループ内部の問題を早期に発見することに努めております。
なお、2021年1月29日に開催された取締役会において、経営トップがコンプライアンスを重視する姿勢を明確にするため、新たに企業活動指針を制定いたしました。経営トップが全国の拠点を行脚して、当該指針を制定した背景とその精神を全社員に浸透させております。
また、取締役会の諮問機関として、コンプライアンス委員会を設置し、当社グループのコンプライアンスを継続的にモニタリングし、遵法精神に則った企業風土を確立してまいります。
しかしながら、法令違反等の問題が発生した場合には、行政処分による課徴金や刑事訴訟による罰金、民事訴訟による損害賠償金等の支払いが生じるだけでなく、当社グループの社会的信用の失墜による悪影響など、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
これらの他にも、さまざまなリスクが存在しており、ここに記載されたリスクが当社グループのすべてのリスクではありません。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の概況
a.中期ビジョンの策定
当社グループは、「流通価値の創造を通じて人々の健康と社会の発展に貢献します。」の経営理念に基づき事業活動を行っております。「ありたい姿」として「『医療と健康、美』を広げ、支え、つなぐ 健康応援オーケストラ」を掲げ、「医療と健康、美」の事業フィールドで社会価値、顧客価値を創造する事業を「広げ」、強固な流通インフラで「支え」、また、様々な分野のパートナーが持つ価値を「つなぐ」ことで、誰もが心身ともに健やかに暮らせる社会の実現と、企業価値の向上を目指しております。この実現に向けて、「2027メディパル中期ビジョン Change the 卸 Forever~たゆまぬ変革を~」(以下、本中期ビジョンという)を策定し、2022年10月31日に発表いたしました。
b.中期ビジョンの実現に向けた主な取組み
本中期ビジョンでは、人材戦略・財務戦略を基盤とし、事業ポートフォリオのシフトに向けた成長戦略として「海外への進出」「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」「持続可能な流通の構築」「地域医療における価値共創」を掲げており、これら5つの成長戦略をパートナーとの積極的な協働により展開しております。
成長戦略①「海外への進出」
2022年10月、当社はJCRファーマ株式会社(兵庫県芦屋市、以下、JCRという)と、ライソゾーム病の中でも超希少疾病を対象疾患とする4つの新薬候補物質(以下、対象物質という)の、日本を除く全世界における事業化に関する独占的交渉権付与に関する覚書(以下、本覚書という)を締結いたしました。また、本覚書に基づき、両社は対象物質のうちフコシドーシス※1を対象疾患とする物質に関する実施許諾契約を併せて締結いたしました。今後は、世界中の治療薬を待ち望む人々のために、グローバルな研究開発を進めてまいります。
[用語解説]
※1 フコシドーシスとは、ライソゾーム病の一種で、遺伝子変異により糖たんぱく質の代謝酵素(α-フコシダーゼ)の活性が低下し糖鎖や糖たんぱく質が全身に蓄積する常染色体劣性遺伝性疾患であります。
成長戦略②「予防・未病、アグロ・フーズ領域の事業拡大」
2023年3月、住友ファーマフード&ケミカル株式会社(大阪市北区、以下、住友ファーマフード&ケミカルという)の全株式を取得し、完全子会社といたしました。住友ファーマフード&ケミカルが自社にて研究開発した天然由来の多糖類※2やヘルシーな機能性素材※3などの競争力のある製品と、当社グループが有する広範な流通ネットワークの活用により、予防・未病領域における高いシナジーが期待できるものと考えております。当社グループは住友ファーマフード&ケミカルのグループインにより、両社の事業価値を新たに創造し、より多くの人々にその価値を提供してまいります。なお、同社は同年4月1日付で、商号を「MP五協フード&ケミカル株式会社」に変更いたしました。
[用語解説]
※2 多糖類とは、グルコースやマンノース等の単糖が長くつながったものの総称で、広義では10個以上の単糖が結合することで構成されている炭水化物を指しております。たれ・ソース・ドレッシング・佃煮・ゼリー・プリン・アイスクリームなどの加工食品にユニークな食感を付与したり、つくりたての状態を保持するなどの機能を有するとともに、嚥下困難者の皆さま向けの食品にも活用されております。また、近年では、化粧品など、食品以外の商品にも用いられております。
※3 機能性素材とは、健康食品や飲料等に使用されるオリジナルの食物繊維類であります。
成長戦略③「デジタルを活用したビジネス基盤の強化」
株式会社エムティーアイ(東京都新宿区)との協業により、母子手帳アプリ「母子モ」の全国自治体への導入を進めており、2023年3月末現在520以上の自治体で導入されております。これをプラットフォームとし、当社グループがもつリアルの強みを活かし、情報の集約、整理、分析を行うことで、子育てを側面から支援し、収益を得られる仕組みを構築してまいります。また、2023年1月にはMEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて、かかりつけ医の医療DXを支援するプロダクトなどを提供する株式会社レイヤード(福岡市博多区)への出資を行いました。レイヤードのDX製品・サービスの社会実装を支援することで、クリニックにおけるDXを強力に推進するとともに、デジタルプラットフォームの構築を加速させ、クリニックの業務効率化と利便性向上に貢献してまいります。
成長戦略④「持続可能な流通の構築」
2022年4月、H.U.グループホールディングス株式会社(東京都新宿区)と、医療・ヘルスケア領域における物流合弁会社「株式会社メディスケット(埼玉県三郷市、以下、メディスケットという)」を設立いたしました。メディスケットは同年12月1日から地域別に順次稼働しており、GDPガイドライン※4に準拠した高品質な物流機能をプラットフォーム化することによって、医薬品・検査資材等の供給と臨床・治験・研究等の検体集荷の最適化実現に加え、様々なヘルスケア関連企業との協業に向けた参画促進を行っております。
また、当社は株式会社ジェイ・ウィル・パートナーズ(東京都千代田区、以下、JWPという)による日医工株式会社(富山県富山市)の再生支援に協力することが、安全・安心な後発医薬品を安定的に供給する医薬品生産流通モデルの実現及び当社の持続的な企業価値の向上に繋がると判断し、2023年3月、JWPが管理・運営する合同会社ジェイ・エス・ディー(東京都新宿区)に対してJWPファンド(JWPが管理・運営するファンドのこと)と共同で匿名組合への出資を行いました。
さらに、2023年2月1日、東七株式会社(長崎県佐世保市、以下、東七という)と株式交換契約を締結し、同年4月3日、東七を完全子会社といたしました。今後は長崎県、佐賀県の流通インフラをより強固にし、多くの人々の健康に貢献してまいります。
[用語解説]
※4 GDPガイドライン(Good Distribution Practice=医薬品の適正流通)とは、流通経路(仕入・保管・供給)の管理が保証され、医薬品の完全性が保持されるための手法、さらに、偽造医薬品の正規流通経路への流入を防止するための適切な手法を定めたものであります。
成長戦略⑤「地域医療における価値共創」
医薬品の専門知識とスキルを有するAR※5が、地域医療における新たな価値を創造するビジネスの推進役として、質の高い営業活動を展開しております。希少疾病領域に特化して活動するARを、RD-MR※6として任命し、主に病院市場において希少疾病用医薬品の情報提供・収集活動を行っております。また、2022年4月、女性特有の疾病(月経困難症・子宮頸がん等)に関する予防・診断・治療等の情報を総合的に医療従事者へ提供することを目的に「ウィメンズコーディネーター※7」を設置し、女性の健康を側面から支援する取組みを開始いたしました。いずれも、地域医療コーディネーターとして、地域の顧客である医療機関、自治体、学校等が抱えるヘルスケア課題を抽出し、その解決策を提案することで新たな価値共創を目指しております。
[用語解説]
※5 AR(Assist Representatives)とは、MR認定試験に合格したMS(医薬品卸売業の営業担当者)や薬剤師などに付与した社内呼称であります。
※6 RD-MR(Rare Disease MR)とは、希少疾病領域に特化したARなどに付与した社内呼称であります。
※7 ウィメンズコーディネーターとは、女性診療科領域の専門知識を有するARなどに付与した社内呼称であります。
国内外のベンチャー企業への投資による収益基盤の拡大と企業価値の最大化
当社は、MEDIPAL Innovation 投資事業有限責任組合を通じて、国内外のベンチャー企業への投資を行い、収益基盤の拡大と企業価値の最大化を目指すとともに、持続可能な経済社会の実現に貢献しております。
2022年5月、がん領域の研究開発に特化したバイオベンチャー企業であるChordia Therapeutics株式会社(神奈川県藤沢市)へ出資を行うとともに、業務提携に関する基本合意書を締結いたしました。同年8月には、CAR-T※8細胞療法を主とした新規がん免疫療法の開発を行うノイルイミューン・バイオテック株式会社(東京都港区)への、同年9月には医薬品向けヒト末梢血由来完全ヒト抗体の研究・開発を行う株式会社イーベック(札幌市中央区)への出資を行いました。
[用語解説]
※8 CAR-Tとは、白血球の一種であるTリンパ球に、がん細胞に特異的に発現する抗原を認識する抗体を導入した細胞製剤であります。
c.サステナビリティ方針の策定
2022年10月、メディパルグループサステナビリティ方針「未来へつなごう『元気と、かがやき』」を策定いたしました。また、当社グループの経営理念に基づく事業活動やSDGsをはじめとした社会課題との関連性を整理し、その解決と当社グループの持続的な成長を両立させるための重要課題(マテリアリティ)として、「持続可能な『医療と健康、美』の流通」、「新たな価値創造による収益性の向上」、「未来を担う人材の育成」、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」、「脱炭素への取組み」、「健全で透明性の高い企業経営」の6項目を特定いたしました。
さらに、同年10月、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同し、これに沿った情報を開示いたしました。今後もTCFD 提言に沿って、より精度を高めた開示に努めるとともに、財務に影響するリスクおよび機会を織り込んだ経営計画をもとに事業を継続し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
d.当期の業績
当連結会計年度における経営成績は、以下の通りであります。
・売上高
売上高は全てのセグメントで前期を上回りました。主に化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業が前期から584億16百万円増加し、前期から690億86百万円(2.1%)増収の3兆3,600億8百万円となりました。
・営業利益
売上総利益は、売上高の増加に加え、医療用医薬品等卸売事業において売上総利益率が改善されたことにより、前期から68億59百万円(3.2%)増益の2,243億4百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、将来の事業領域拡大に向けた事業投資費用が増加したことなどにより、前期から35億10百万円(2.0%)増加の1,753億31百万円となりました。
その結果、営業利益は、前期から33億48百万円(7.3%)増益の489億72百万円となりました。
・経常利益
経常利益は、営業利益が増加したことにより、前期から30億76百万円(5.0%)増益の651億22百万円となりました。
・親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益などを計上したことにより、前期から93億82百万円(31.9%)増益の388億6百万円となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
医療用医薬品等卸売事業
医療用医薬品等の市場は、薬価の引き下げ、新型コロナウイルス感染症の拡大による受診抑制の影響はあったものの、同感染症治療薬の販売が増加したことなどにより、前期と比べ伸長いたしました。
このような状況の中、本事業では、近年増加する厳格な温度管理が必要な医薬品等を安全・安心にお届けするため、高品質・高機能かつ災害対策を施したALC※1において、超低温を含む全温度帯に対応できる物流プラットフォームを構築しており、その技術やノウハウは新型コロナワクチンの保管・配送にも活かされております。また、医療従事者の業務効率化と新型コロナウイルス感染リスクの軽減を目的に導入を進めた「個口スキャン検品」※2の比率も83.3%まで上がっております。
営業面においては、専門知識とスキルを持つARの育成や医療情報ポータルサイト「Clinical Cloud」でのLIVEセミナーの実施など、デジタルを活用した情報提供にも力を入れております。また、専門領域に特化して情報提供・収集活動を行うことを目的に、「RD-MR」「ウィメンズコーディネーター」を設置し、疾患啓発活動にも取り組んでおります。
(当期の業績)
売上高については、医療用医薬品は前年同期を下回ったものの、新型コロナウイルス感染症関連商品を含むメディカル商材が順調に推移したため、前期をわずかに上回りました。
売上総利益は、利益率が改善されたことにより、前期から64億15百万円(5.1%)増益の1,322億47百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、将来の事業領域拡大に向けた投資費用等の発生を、配送の集約や発注の締め時間の前倒し、建屋・支店の統廃合などによる費用削減で吸収できず、前期から11億13百万円(1.0%)増加し、1,103億28百万円となりました。
これらの結果、医療用医薬品等卸売事業における売上高は2兆1,896億67百万円(前期比0.6%増)、営業利益は219億18百万円(前期比31.9%増)となりました。
[用語解説]
※1 ALC(Area Logistics Center)とは、医療用医薬品や医療材料などを扱う高機能物流センターで、主に調剤薬局、病院、診療所に商品を供給しております。
※2 個口スキャン検品とは、従来の伝票読み上げ方式から、納品箱単位でのバーコードスキャン方式に変更することで、検品時間を短縮する方法であります。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業
化粧品・日用品、一般用医薬品の市場は、新型コロナウイルスの感染状況の落ち着きとともにコロナ関連需要は縮小しつつある一方で、外出機会の増加に伴って、メイクアップや洗顔などの化粧品、ドリンク剤や胃腸薬などの医薬品が好調に推移いたしました。また、前年に比べ気温が高く推移したこともあり、制汗剤や殺虫剤、花粉関連商材などの春夏季節品も好調に推移いたしました。
このような状況の中、当社の連結子会社である株式会社PALTAC(大阪市中央区)は、お取引先様との連携・協働による「売れる仕組みの強化」や、差し迫る物流の2024年問題やホワイト物流※1への対応を視野に入れた「配送改善」、組織的に強化した全ての取組みを支える「デジタルの活用」、中長期の成長を担う「人財の積極採用」など、サプライチェーン全体の最適化・効率化に向けた取組みを進めました。
(当期の業績)
売上高については、小売業様の幅広いニーズに対応できるリテールソリューション※2機能の充実と、連携・協働による同機能の積極的な活用に注力いたしました。中でも、店頭活性化による売上拡大及びインストアシェア拡大を図りました。具体的には、店頭の活きた情報や業界最大の流通情報を活用した需要変動への迅速な対応や、これまでのメーカー様には取り扱いがなかった商品を含め、市場環境の変化を先読みした新たな品揃え提案に努めました。
販売費及び一般管理費については、中長期の成長に向けた人財の確保を進める中、電気代高騰などの影響を受けましたが、庫内作業の生産性向上に継続して取り組むとともに、配送費上昇とホワイト物流への対応を同時に実現する配送改善などに努めました。
なお、営業利益については、最大市場である関東エリアの出荷規模拡大及び生産性向上を目的とする栃木物流センターの新設に伴う一過性の費用等が発生し、約14億円の引き下げ要因となりました。
これらの結果、化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における売上高は1兆1,041億52百万円(前期比5.6%増)、営業利益244億72百万円(前期比5.6%減)となりました。
[用語解説]
※1 ホワイト物流とは、トラック運転者不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に役立つことを目的とした「トラック輸送の生産性向上・物流の効率化」や「女性や60代の運転者等も働きやすい、よりホワイトな労働環境の実現」のことであります。
※2 リテールソリューションとは、「商品が生活者にわたる現場(店頭)」を起点にマーチャンダイジングや生産性向上など流通全体の幅広い課題を解決することであります。
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業
動物用医薬品のコンパニオンアニマル※向け市場は、動物用治療薬の進歩による長寿化が進む一方、相次ぐ物価の上昇による節約意識の高まりなどにより、横ばいで推移いたしました。畜水産向け市場は、景気低迷と過去最大の鳥インフルエンザの感染拡大や飼料価格や生産コストの高騰による低価格商材へのシフトや使用中止などにより事業環境は厳しさが増しております。
このような状況の中、当社連結対象の完全子会社であるMPアグロ株式会社(北海道北広島市)は、コンパニオンアニマルの健康維持・増進に貢献できる取組みを行っております。また、家畜などの産業動物の疾病の予防とまん延を防止することで「食の安全・安心」に貢献すべく注力しております。
食品加工原材料の市場は、新型コロナウイルス感染症に伴う行動制限の解除などにより、外食産業等においても回復の動きが見られましたが、原料高騰や鳥インフルエンザの感染拡大などにより、価格上昇や鶏卵関連製品の供給不足など引き続き厳しい環境下にあります。
このような状況の中、当社連結対象の完全子会社であるメディパルフーズ株式会社(札幌市中央区)は、「食の安全・安心」と「おいしさ」をテーマに、人々の健康で豊かな食生活を支える取組みを行っております。
(当期の業績)
動物用医薬品等卸売事業では、自社企画品の普及・定着や、独自の動物病院向けWEB発注情報システム「MP+(エムピープラス)」の利用拡大、流通機能とマーケティング機能を融合させた新しい営業モデルの取組みを推進したものの、販売はやや低調に推移いたしました。
食品加工原材料卸売等関連事業では、全国展開の強みを活かした営業の推進や、商品の調達と提案、商品付加価値を高める新製品の企画開発の推進、お得意様の商品企画から流通に至るまでをトータルにサポートする取組みなどにより、販売は順調に推移いたしました。
これらの結果、動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業における売上高は739億54百万円(前期比2.9%増)となりましたが、営業利益はMP五協フード&ケミカルの株式取得関連費用が約2億円発生したことにより、前期から1億62百万円(6.0%)減益の25億25百万円となりました。
*当社は、2023年3月31日付で、住友ファーマフード&ケミカルを完全子会社といたしました。これに伴い、同社を連結子会社とするとともに、セグメントの名称を「動物用医薬品・食品加工原材料等卸売事業」から「動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業」に変更しております。なお、住友ファーマフード&ケミカルの株式取得日が当連結会計年度末のため、期末の貸借対照表のみ連結しております。
[用語解説]
※ コンパニオンアニマルとは、伴侶動物とも表現され、日常生活の中で人とより密接な関係を保つような動物を指しております。
(注)セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は1兆7,038億71百万円となり、前連結会計年度末より56億3百万円減少いたしました。
流動資産は1兆1,792億80百万円となり、前連結会計年度末より304億85百万円減少いたしました。これは主に、住友ファーマフード&ケミカルの株式取得や新株予約権付社債の償還により現金及び預金が481億19百万円減少したことによるものであります。
固定資産は5,245億90百万円となり、前連結会計年度末より248億82百万円増加いたしました。これは主に、住友ファーマフード&ケミカルの株式取得に伴うのれん(無形固定資産)の計上によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は1兆158億16百万円となり、前連結会計年度末より445億68百万円減少いたしました。
流動負債は9,715億19百万円となり、前連結会計年度より372億97百万円減少いたしました。これは主に、1年内償還予定の新株予約権付社債の償還による減少300億78百万円、支払手形及び買掛金の減少170億31百万円によるものであります。
固定負債は442億97百万円となり、前連結会計年度末より72億71百万円減少いたしました。これは主に、リース債務(その他の固定負債)の減少56億86百万円、繰延税金負債の減少22億33百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は6,880億55百万円となり、前連結会計年度末より389億65百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加291億11百万円、非支配株主持分の増加79億13百万円によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より668億89百万円減少し、当連結会計年度末には1,935億61百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、161億46百万円(前期比450億70百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が700億61百万円、減価償却費143億93百万円、投資有価証券売却益130億44百万円、売上債権の増加53億64百万円、棚卸資産の増加22億74百万円、仕入債務の減少233億41百万円、法人税等の支払247億9百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、394億94百万円(前期比151億51百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出104億83百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入178億32百万円、住友ファーマフード&ケミカルの取得関連の支出391億72百万円、匿名組合出資金の払込による支出43億22百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、435億41百万円(前期比270億70百万円の増加)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の償還による支出300億円、配当金の支払121億37百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
医療用医薬品等卸売事業 |
2,189,667 |
100.6 |
|
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業 |
1,104,152 |
105.6 |
|
動物用医薬品・食品加工原材料卸売等関連事業 |
73,954 |
102.9 |
|
計 |
3,367,774 |
102.2 |
|
調整額(セグメント間消去) |
△7,766 |
- |
|
合計 |
3,360,008 |
102.1 |
(注)セグメント間の内部売上高を含んでおります。
b.仕入実績
仕入実績と販売実績の差額は僅少であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況等に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況、②財政状態の状況、③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける資本の財源は、主に営業活動によるキャッシュフロー、現金および現金同等物、政策投資株式の売却に伴う収入等になります。当連結会計年度末の借入金残高はありませんが、今後は、財務健全性を確保しつつ、当社グループにとって最適な資本構成を追求してまいります。
資金の流動性につきましては、事業活動を支える観点で充分な流動性を確保するとともに、金融機関からの当座貸越枠として1,971億円を設定し、突発的な資金需要にも対応しうる体制の構築をもって、流動性リスクに備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目事象は以下のとおりです。
なお、当社グループの取り扱う商品は、医薬品や食品、日用品など人々が生活をしていくうえで必要不可欠なものであることから,その需要が大きく減少することは想定しづらいと考えております。従いまして、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定において、新型コロナウイルスの影響は軽微であります。
a.繰延税金資産
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.独占禁止法関連損失引当金
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
c.のれん
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
d.退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い国債利回りなどを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率などを考慮して設定しております。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
e.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、各社ごとに資産のグルーピングをセグメント別に行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、正味売却価額により測定しておりますが、売却予定の資産については売却予定価額を基に算定しておりますので、前提条件に変更があった場合、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
f.納入価格の見積り設定について
当社グループの主要取扱商品である医療用医薬品は、納入停滞が許されない生命関連商品であることから、取引価格が未決定のまま医療機関等に納入し、納入後に価格交渉を行うという取引慣行が存在しております。取引価格が決定するまでは、過去の実績等を勘案し、合理的に判断した見積価格で売上計上を行っておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際に決定した取引価格との差異が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2023年3月期における医療用医薬品の売上高2.1兆円のうち、取引価格の決定比率(金額ベース)は99.6%となっており、期末には取引価格がほぼ確定する傾向となっております。
(過去3年間の取引価格の決定比率 2020年3月期:99.7%、2021年3月期:99.9%、2022年3月期:99.8%)
簡易株式交換による完全子会社化
当社は、2023年2月1日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、東七株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換を行うことを決議し、同日付で株式交換契約を締結しました。
詳細は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)に記載のとおりであります。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業において、当社の連結子会社である株式会社PALTACは、労働人口減少が進行し、生産性の高い仕組みを構築することがますます重要である環境下において、物流ノウハウと融合することを目的にAI・ロボットなどの最新技術の研究開発活動を行っております。
化粧品・日用品、一般用医薬品卸売事業における当連結会計年度の主な研究開発活動は、大きさ、重さ、形状などが異なる何万種もの商品を自動で識別し、ピッキングするロボットアームの設計・開発であり、研究開発費の総額は