当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、永続的かつ総合的な企業価値の創造と向上を図るに当たって、事業活動の中で革新的な商品開発や質の高いモノづくりを進めることが、お客様満足度を向上させるとともに社会への貢献につながると考えております。そして、そのことが、従業員の自信と誇りを高め、新たな挑戦を生み出すと信じております。当社グループでは、こうした活動の循環を一人一人が取り組むCSV(本業による社会課題の解決=共通価値の創造)と位置付け、真摯に取り組むことで、ステークホルダーの皆様にとって魅力溢れるものにすることを、経営上の重要な命題の一つとして位置付けております。また、これら事業活動によって生み出される付加価値が、競争力を強化する事業投資のための内部留保と、株主・従業員・地域社会などのステークホルダーの皆様に適切に配分、又は還元されることが必要であり、そのことについて全てのステークホルダーの皆様のご理解とご協力を得ることが肝要と考えております。
このような観点のもと、当社グループは、世界市場をリードする商品の開発を進めるとともに、独自の生産技術を駆使することによりコスト競争力のある高品質な商品を永続かつ大量に供給し、世界の半導体・電子部品市場のリーダーシップをとっていくことを基本方針としております。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、営業利益率やEBITDA(※)などの利益に関する指標や、ROEといった資本効率を示す指標を重視しております。
※ EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略)
税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて求めたもの。グローバルに企業の収益力を比較する際によく使用される指標。当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、グローバルに進化を続ける市場に対応し、すり合わせ技術・垂直統合・商品の総合力・顧客志向を強みに中長期的な成長を目指してまいります。また、地球環境問題の解決に向けた取り組みを推進してまいります。具体的な戦略は以下のとおりです。
<1>市場戦略
①自動車・産業機器関連市場
電動化と省エネルギー化の流れの中で自動車関連市場、産業機器関連市場は、当社グループが得意とする高品質、高信頼性、安定的な供給が求められる市場です。成長を続ける自動車関連市場や産業機器関連市場におきましては、SiCをはじめ、IGBT、MOSFETなどのパワーデバイスや絶縁ゲートドライバIC、電源ICなどを電動車やサーバー向けに拡充し、売上を伸ばしてまいります。また、電動車向けのSiCパワーモジュールや基地局・データセンター向けに先進技術を搭載したLSIなどの新商品を開発し、中長期での新しい需要を獲得いたします。
②民生機器関連市場
省エネ家電やデータストレージ向けなど小型化や高効率化が要求される分野については、LSIやパワーデバイスなどで高付加価値化を追求しシェアを拡大する一方、汎用デバイスについては高シェアを維持し、継続して高収益を獲得してまいります。
<2>営業・開発・モノづくり戦略
①営業戦略
SSE(System Solution Engineering)本部が個別の商品に加え、顧客視点でのソリューション提案を行うとともに、技術サポート力の強化を図り、国内営業本部と海外営業本部が全拠点で一体となり、全社戦略に沿った拡販体制を構築してまいります。
②開発戦略
顧客志向を重視するため、先端技術とマーケット情報に精通したPME(※)を海外に配置し、商品企画力を強化することで、顧客の課題に配慮した強い商品を効率的に開発してまいります。
※ PME(Product Marketing Engineer)
高度な技術バックボーンを持ち、商品のマーケティング・企画を行うエンジニア
③モノづくり戦略
中長期的に安定した成長を続けるため、グローバルに安定した商品供給ができる生産体制の強化を進めます。具体的には、既存の同一品種・大量生産に適した生産ラインの生産性向上の推進に加えて、多品種・少量生産に適した自動化されたフレキシブルラインの拡充を図り、事業継続計画(BCP)を強化してまいります。
<3>地球環境への貢献
サステナブル社会の実現に向けて、当社グループでは、「気候変動」「資源循環」「自然共生」の3つのテーマを柱にした「ロームグループ環境ビジョン2050」を掲げています。カーボンゼロ(CO2排出量実質ゼロ)及びゼロエミッションを目指すとともに、生物多様性の保護に向けて自然サイクルと調和した事業活動を一層推進し、環境問題の解決に向けて取り組みを加速しております。
商品を通じた環境負荷軽減においては、「脱炭素」をキーワードに当社の主力製品である半導体の役割がますます大きくなるなか、全世界の電力消費量の大半を占めると言われる「モータ」や「電源」の効率改善に向けて、様々な省エネルギーデバイスの開発を進めております。
生産工程など事業活動全般における環境負荷軽減については、国内主要事業所(京都駅前ビル、新横浜駅前ビル)やタイ工場、SiCウエハとデバイス製造の主要な生産工程で使用する電力を、再生可能エネルギー100%で賄っており、継続して環境配慮型の事業体制構築にも取り組んでまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界のエレクトロニクス市場は、省エネルギー化のニーズ拡大や自動車の電動化などにより中長期的な成長が続くものと予想されますが、技術競争はより激化しております。グローバル市場に対応した新商品・新技術の開発を進めるとともに、コストダウンにも取り組み、国際的に競争力の高い商品を世界中に供給していく必要性がますます高まると考えられます。
このような状況のもと、当社グループは、自動車関連市場、産業機器関連市場に重点を置くとともに、白物家電や情報通信関連などの幅広い市場において、継続して市場のニーズを先取りする高付加価値商品の開発に努め、CSV(本業による社会課題の解決=共通価値の創造)を生み出し、事業継続のためのリスク管理体制等につきましても継続して強化してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
当社グループは、社会の変化を的確に捉え、お客様をはじめとする世界中のステークホルダーの皆様から選ばれる企業を目指し、「企業価値」を更に向上させるべく、創業当時より「企業目的」「経営基本方針」などの目的・方針を具現化し、サステナビリティの取り組みを進めております。そして、この目的・方針を基盤として、ステークホルダーごとに持続可能な社会に向けた対応を明言した「ロームグループサステナビリティ方針」を定めています。
サステナビリティ課題に関する取り組みを推進するためのマネジメント体制は、サステナビリティ経営委員会とEHSS統括委員会、EHSS統括委員会傘下の8つのマネジメントシステムで構築しています。経営の執行権限を持つ取締役とそれに準ずる権限を持つ執行役員及び、事業本部責任者、各マネジメントシステムの責任者から構成されるEHSS統括委員会は、8つの下部マネジメントシステム(安全衛生、リスク管理・事業継続、環境、サプライチェーン、倫理、労働、情報、品質)を司り、それぞれのPDCAが適切に回っているかを確認しています。また、意思決定の迅速化と監督機能の強化を目的として設置されたサステナビリティ経営委員会は、COOが委員長を務めており、サステナビリティに関する方針・方向性・長期目標等について議論します。そして決定した内容をEHSS統括委員会に落とし込み、実現に向けた活動が行われているかを監督しています。両委員会の事務局であるサステナビリティ推進室は、EHSSマネジメントシステムを司り、各マネジメントシステムが適切に運用されているかどうかを、監査等を実施して確認することで、サステナビリティマネジメントの精度の維持向上を図る役割を担います。
なお、当社は株主の皆様との一層の価値共有を進めるため、取締役に対する業績連動型譲渡制限付株式報酬制度において、「温室効果ガス排出量」「ダイバーシティの推進」を業績評価指標の一つに採用しています。
当社の企業統治体制図は、「
②戦略
当社グループは、将来にわたって環境・社会課題を解決し、ステークホルダーから選ばれ続ける会社となることを目指して「パワーとアナログにフォーカスし、お客様の“省エネ”・“小型化”に寄与することで、社会課題を解決する」という経営ビジョンを2020年から掲げています。2021年4月には「ロームグループ環境ビジョン2050」を定め、カーボンニュートラル、ゼロエミッションを宣言しました。また、社会と当社の持続的成長に必要なサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)を再特定し、その中から中期視点で達成すべき具体的な指標を、中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」の非財務目標として設定しています。
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サステナビリティ 重点課題 |
リスク |
機会 |
目指す姿 |
具体的な目標 |
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持続可能な技術の強化、革新的な製品の開発、供給 |
・省エネ・小型化に寄与する製品の開発停滞による売上の低下 ・省エネ・小型デバイス開発競争の激化 ・新興国を含む競合の台頭によるマーケットシェアの低下 ・顧客の要求品質を満たさないことによる品質の低下 |
・xEV市場の新車販売台数拡大による電子部品需要の高まり ・再生可能エネルギーの導入に伴う太陽光パネル向けなど産業機器市場向け売上の拡大 ・省エネ化のニーズの高まり、電子機器の高機能化に伴う電子部品搭載点数の増加 |
省電力化を実現する技術開発・供給を通じて、エネルギー問題の解決に貢献する |
省エネ製品の開発、市場への供給による貢献 |
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デバイスの小型化を通じて、材料、廃棄物の削減に貢献することで地球環境負荷を最小限に抑制する |
小型化製品の開発供給による貢献 |
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交通事故を起こさない車を生み出す技術開発を推進する |
機能安全を追求した製品の開発供給による貢献 |
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気候変動への対応(※) |
・温室効果ガス排出量削減の義務化や温室効果ガス排出量に応じた炭素税の本格導入 |
・xEV市場の新車販売台数拡大による電子部品需要の高まり ・再生可能エネルギーの導入に伴う太陽光パネル向けなど産業機器市場向け売上の拡大 |
低炭素・循環型・自然共生社会の実現に貢献できる製品・サービスを開発・普及させる |
・温室効果ガス排出量削減 ・エネルギー消費量削減 ・再生可能エネルギーの導入促進 |
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資源の有効活用 |
・資源不足(希少金属、水など)に伴う材料価格の高騰や生産活動の制限 |
・廃棄物削減、リサイクル、エネルギー供給源の見直しによるコスト削減 ・環境対策先進企業としてのブランド価値の創出 |
循環型経営につながる事業基盤を構築する |
・水資源の削減 ・廃棄物量の削減 |
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従業員エンゲージメントの強化 |
・人財確保の競争激化、定着率の低迷 ・旧来型人事制度・企業風土の改革の遅れによる人財力の低下 |
・従業員エンゲージメント向上による組織力の向上 ・優秀な人財の獲得・維持 ・従業員の能力・自律性を高めることによる生産性の向上 |
当社で働く従業員が、失敗を恐れず社会・企業の成長のために挑戦できる職場環境を実現する |
・チャレンジを生み出す風土の醸成 ・働きがいの向上 ・従業員エンゲージメントスコアの改善 |
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ダイバーシティの推進 |
・人財確保の競争激化、定着率の低迷 ・旧来型人事制度・企業風土の改革の遅れによる人財力の低下 |
・優秀な人財の獲得・維持 ・ダイバーシティ経営推進による競争力の強化 |
広い視野で主体的に物事を考え、新たな価値を創造できる人財を増やす |
・女性活躍の推進 ・グローバルレベルでの能力開発と人財配置 |
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従業員の健康と安全の確保 |
・労働災害、業務上疾病の発生による従業員への悪影響 ・労働環境が改善しないことによる従業員エンゲージメントの低下 |
・労働環境改善による生産性の向上 ・人財の確保・モチベーションUP |
従業員が安全に、かつ心身ともに健康に働くことができる職場環境を実現する |
・安全な職場の確保 ・健康経営の推進 |
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コーポレートガバナンスの強化 |
・法令違反及び企業倫理違反等による不祥事の発生 ・ESG投資の増加等による株主からのマネジメント評価の厳格化 |
・強固な財務基盤による経営の安定性の確保と変化への適切な対応 ・強固なガバナンス体制の確立による意思決定の透明性の向上 |
企業価値向上に向けた強固な経営基盤を構築する |
・経営者の多様性の確保 ・中長期的企業価値向上に向けた報酬制度の見直し ・経営の実効性の担保 |
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リスクマネジメント |
・大規模災害の増加(地震、洪水、台風、火災など) ・セキュリティ違反による情報漏えいやサイバー攻撃への対応の遅れ ・他社の保有する特許権等の知的財産権侵害などの法的訴訟 |
・リスクの変容に対応したリスク管理体制の構築による、事業継続と事業成長の実現 |
従業員と家族の安全確保・事業継続のために、将来予想される危機に対して有効に機能するシステムを構築する |
BCM管理体制の強化 |
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持続可能なサプライチェーンマネジメント |
・生産拠点の稼働停止や稼働率の低下による顧客への安定供給の停止 ・国際情勢の変化による、海外企業との取引停止や希少金属などの材料供給停止 ・サプライチェーン上の人権侵害や使用禁止物質の調達によるコンプライアンス違反 |
・持続可能な原材料調達によるレジリエンスの向上 |
パートナー企業とともに、未曽有の事態にも対応でき、かつ高品質な商品を社会に提供するサプライチェーンを構築する |
・BCM体制の強化 ・グリーン調達の推進 ・CSR調達活動の推進 |
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製品安全・品質の強化 |
・品質管理体制の不備による品質トラブルの発生と顧客の離反 ・法令違反による信用低下 |
・徹底した安全・品質管理による顧客満足度の向上 ・お客様ニーズに即した新しい商品提供による販売機会の拡大 |
顧客のニーズに応える製品品質を確保し、お客様に選ばれる商品・サービスを生み出す |
・フロントローディングによる品質保証の体制構築と定着 ・顧客視点を取り入れた適正品質の実現 |
※詳細は「
■人的資本経営への取り組み
当社グループでは、経営基本方針の中で、「広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。」と掲げています。創業以来、蓄積されてきた会社の歴史や技術、資産は会社にとって重要な財産であり、それを培ってきたのは紛れもなく人財です。だからこそ、当社グループでは、一人一人の成長に対して意思を持って投資する人財育成に注力することに加え、広く有能なる人財が活き活きと活躍できる舞台を整備することを通じて、会社と従業員の循環的な成長を目指しています。
中期経営計画において、2030年の当社のあるべき姿として掲げている「グローバルメジャー」を目指す上でも人財との関わりを重視しており、とりわけ、「従業員エンゲージメントの強化」「ダイバーシティの推進」「従業員の健康と安全の確保」が重要であると考えサステナビリティ重点課題として特定しています。
半導体ビジネスにおけるグローバル競争が激化する中、顧客から選ばれる製品を開発するためには、従業員のエンゲージメントを強化し、変化する世の中の需要に迅速、かつ柔軟に対応できる人財を育成していくことが必要です。そのために、従業員の自律的なキャリア形成、及び能力開発を促進する仕組みを設けています。
研修においては、階層ごとに全員が受講する研修だけではなく、自身のキャリアに必要な知識・スキルを自身に必要なタイミングで、自ら学ぶことができる「選択式研修」を設け、従業員個人の課題やキャリアに応じた学びの機会を提供しています。2019年度には「スペシャリスト職制度」を創設し、高度な専門スキルをもって会社に貢献する従業員を「スペシャリスト職」として認定することで、その道の第一人者としてのキャリアパスを明確にする仕組みを整備しています。
また、2022年度より開始した「ジョブポスティング制度」では、注力事業の強化・増員時の求人を、社内にも開示・公募することで、自ら手をあげて異動を実現できる機会を提供しています。
これらの仕組みによって、従業員一人一人が主体的・継続的に自らのキャリア形成に向き合い、会社もそれを支援することでキャリア開発が活性化するとともに、人財の内部流動性が高まることで、急速な環境変化への機動的対応を可能にし、注力事業に必要な人財を確保することにもつながっています。
また、多様なバックグラウンドを持つ人財が集い、チームワークを発揮することが企業のイノベーションにつながるとの考えから、ダイバーシティの推進にも注力しています。組織の多様性を高め、異なる背景や価値観を受容することで、多様な知見に基づくアイデアを創出することが可能となり、特に、意思決定の場面においては、同質性に依存するのではなく、多様な考えを取り入れることこそが、優位性のある決定に必要であると認識しております。そのため、「当社グループ全体の女性管理職比率」「女性又は外国人役員比率」等の指標を当社は重視しており、重要な意思決定の場面に多様な人財が参加することを期待しています。
なお、一連の取り組みについては、従業員が心身ともに健康であり、安心して働ける環境が確保されていることが前提となります。心身の健康が損なわれることがないよう、職場でのハラスメント等の未然防止に加え、従業員への健康投資を積極的に行うことで、一人一人の健康を担保し、組織の活性化につなげていきます。そして、従業員が活き活きと働ける会社になっているかを定点観測すべく、「従業員エンゲージメントスコア」の指標を定めています。
今後も、会社と従業員の循環的な成長を目指し、豊かな人間性と知性を備えた多様な人財を育成し、個々の能力が最大限に発揮される環境を整備していきます。
③リスク管理
上記のサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)と中期目標は、外部評価の結果やISO26000などの国際ガイドライン・規範、社内外のステークホルダーの皆様との対話から頂いたご要望等を総合的に分析・検証した上で定めています。また、特定に当たっては、本業による社会的課題の解決(CSV)といった、機会につながる課題と、事業活動が社会に及ぼすネガティブなインパクトを把握し、ステークホルダーに与える負荷を軽減するといったリスクの観点から評価・分析・検証を行っています。
■特定プロセス
<Step1:重点課題候補の抽出>
当社グループの企業理念や行動指針、ビジネスモデルを踏まえ、国際的なCSRガイドラインであるISO26000やGRIスタンダード、持続可能な開発目標(SDGs)、DJSI、MSCI、FTSE、Sustainalytics等のESG評価結果をベースに、重点課題候補を抽出。
<Step2:ステークホルダー視点での評価>
当社グループの企業活動に関わりが深いステークホルダーとしてお客様、サプライヤー、機関投資家、地域社会、従業員の5つのグループを選定。各検討課題候補について、ステークホルダーの視点からの重要性をアンケート調査を通じて確認し、結果を分析。
<Step3. 重点課題の特定と優先順位付け>
当社グループが取り組むべき重要な課題の特定と優先順位付けを、社会の持続可能性への影響だけでなく、グループの企業価値向上の両視点から実施。「ステークホルダーからの期待」「当社グループにとっての重要性」の2つの側面から、当初重点課題候補として抽出された35項目(E:11項目、S:17項目、G:7項目)の重要度合いをマッピングして整理し、その結果、特に重要な課題10項目を特定。
<Step4. 承認>
全取締役とそれに準ずる権限を持つ責任者から構成されるCSR委員会(2020年当時)※にて承認。
※2022年4月よりサステナビリティ経営委員会とEHSS統括委員会による新ガバナンス体制に変更。
EHSS統括委員会は、経営の執行権限を持つ取締役とそれに準ずる権限を持つ執行役員及び、事業本部責任者、各マネジメントシステムの責任者から構成され、環境(Environment)、健康・衛生(Health)、安全(Safety)、サステナビリティ(Sustainability)に関連するマネジメントシステムの運用を統括し、取締役会に対して適宜、報告・相談を行うとともに、取締役会から監督・指示を受けています。
EHSS統括委員会の傘下に、安全衛生、リスク管理・事業継続、環境、サプライチェーン、倫理、労働、情報、品質の各マネジメントシステムを推進する体制を構築し、それぞれ担当する分野に関して発生する経営上の諸問題やリスクに対し、その対策・指導・解決に努め、適切に管理しています。特定しているサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)についても、該当するマネジメントシステムにて取り組みを進めています。また、その進捗はEHSS統括委員会に定期報告し、EHSS統括委員会にて取り組み実績の評価・監督を行います。この体制を通じて、会社全体でサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)の達成に向けた活動を推進してまいります。
更に、当社では業務執行上発生する可能性のある重要なリスクを抽出・分析・統括管理するリスク管理・BCM委員会も組織しています。突然の自然災害等不測の事態の発生に対してもその影響を回避又は極小化し、結果として事業の存続を可能とするため、リスク管理・BCM委員会において、各リスクの主管担当部署の活動状況を検証するとともに、BCPを策定し、あらゆる事前対策や準備に務めるよう、グループ全社に徹底を図ります。
④指標及び目標
当社グループが特定したサステナビリティ重点課題(マテリアリティ)には、本業による社会的課題の解決(CSV)といった、機会につながる課題と、事業活動が社会に及ぼすネガティブなインパクトを把握し、ステークホルダーに与える負荷を軽減するといったリスク対応としての課題があり、それぞれに目標を設定しています。目標及び実績は以下のとおりです。
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持続可能な技術の強化、革新的な製品の開発、供給 |
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取り組み背景・課題 |
「脱炭素」は全世界共通の達成しなければならない課題です。その課題達成に向けて、世界中で、電気自動車や再生エネルギーの活用など、環境負荷の大幅軽減に向けた技術革新が進んでいます。一方、自動運転などの技術が社会に広く浸透するに伴い、安全性の確保も大きな課題となってきています。当社の強みは「パワー」「アナログ」技術です。これらの技術を活用し、付加価値のある新たな技術・製品を開発・提供することで、地球環境問題、そして安全な社会の実現に貢献してまいります。 |
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テーマ |
①省エネ製品の開発、市場への供給による貢献 ②小型化製品の開発供給による貢献 ③機能安全を追求した製品の開発供給による貢献 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
売上を社会貢献の総量として、売上額6,000億円以上※を達成する ※ 当初の目標4,700億円以上から6,000億円以上に変更 |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
2022年度目標:5,100億円 / 実績:5,078億円 ⇒ 2023年度目標:5,400億円 |
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気候変動への対応 |
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取り組み背景・課題 |
気候変動に対する危機意識は、パリ協定の制定など、グローバル規模で高まりを見せています。またこのことを、決して他人事ではなく、私たちの事業活動そのものを脅かす課題であると強く認識し、この度「ロームグループ環境ビジョン2050」を策定しております。 地球環境をより良い状態で次世代へ引き継ぐために、当社グループでは製品を通じての課題解決はもちろん、事業活動全体での省エネルギー化の推進、再生エネルギーの導入を図り、脱炭素社会実現に貢献してまいります。 |
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テーマ |
①温室効果ガス排出量削減 ②エネルギー消費量削減 ③再生可能エネルギーの導入促進 |
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達成目標 (達成年度:2030年度) |
①2030年に温室効果ガスを2018年度比50.5%削減する ②排出量原単位を2030年に、2018年度比45%削減する ③2050年に導入比率100%を目指し、再生可能エネルギー化を推進する |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
①2022年度目標:2.5%以上(前年度比) / 実績:17.8% ⇒2023年度目標:15.0%以上(前年度比) ②2022年度目標:29.7%以上 / 実績:38.5% ⇒2023年度目標:47.1%以上 ③2022年度目標:19%以上 / 実績:24% ⇒2023年度目標:43%以上 |
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資源の有効活用 |
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取り組み背景・課題 |
地球上の限りある資源を枯渇させず、将来に向けて持続可能な社会を創造していくためには、最小の資源やエネルギーで最大の効果を生み出すことのできる「循環型社会」の実現が求められます。当社グループにおいては、地球環境負荷を軽減する仕組み、生産技術を新たに構築することで、地球環境への負荷を最小限に抑制する、循環型経営を追求してまいります。 |
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テーマ |
①水資源の削減 ②廃棄物量の削減 |
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達成目標 (達成年度:2030年度) |
①水の回収・再利用率を2019年度実績より5.5%向上する ②国内海外連結で再生資源化率ゼロエミッションを目指す |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
①2022年度目標:0.4%以上向上 / 実績:1.3%向上 ⇒2023年度目標:2.3%以上向上 ②国内連結 2022年度目標:ゼロエミッション / 実績:達成 ⇒2023年度目標:ゼロエミッション 海外連結 2022年度目標:94.5%以上 / 実績:94.7% ⇒2023年度目標:95%以上 国内外連結 2022年度目標:97.0%以上 / 実績:98% ⇒2023年度目標:98%以上 |
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従業員エンゲージメントの強化 |
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取り組み背景・課題 |
経営ビジョンに掲げた社会課題を解決する会社になるためには、当社グループの従業員一人一人が活き活きと働くことができる会社でなくてはなりません。そのためには様々なライフスタイル・ライフステージに身を置く従業員一人一人が、働きやすく、成果を上げることができる環境を整えることが重要です。当社グループは従業員とのエンゲージメントの強化を通じて、あらゆる職場で失敗を恐れず果敢に挑戦し続ける企業風土の醸成と、挑戦を促す職場環境の整備に取り組んでまいります。 |
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テーマ |
①チャレンジを生み出す風土の醸成 ②働きがいの向上 ③従業員エンゲージメントスコアの改善 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
①世界で通用する次世代リーダー、プロフェッショナル人財を育成する制度を確立する ②-1.新常態において、従業員の志向やライフスタイルに適応した選択型サービスを提供する ②-2.配属後のミスマッチをなくすことでパフォーマンスの最大化を図るため、各部門における求人に関する職務記述を明文化する ②-3.人事基幹システム内で、従業員の能力・期待・経験・資格等をデータ化し、適正な採用・配置に活用する仕組みを構築する ③ワールドワイドでのエンゲージメントサーベイ(※)を導入し、スコアを毎年改善、業界平均以上を目指す ※当社グループでは、WTW(ウイリス・タワーズワトソン)の従業員エンゲージメント調査を通して、エンゲージメントスコアを管理しております。 |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
① 2022年度目標:自律的な自己管理と自己改革を進めるためのマネジメントサーベイ実施の上、アセスメントを拡大 2022年度実績:マネジメント層の自己改革の促進を目的として360°フィードバック(上司・同僚・部下からのフィードバック)を実施 2023年度目標:ジョブ型人事制度の対象を拡大し、より戦略的かつ競争力のある処遇を実現する。 ②-1.2022年度目標:従業員の嗜好やライフスタイルに適応した選択型福利厚生サービスの導入検討 2022年度実績:ベネフィットステーションを当社に導入 2023年度目標:GLTD(団体長期障害所得補償保険)の導入 ②-2.2022年度目標:公式採用HPに掲載する求人票の更なる情報量の拡充 2022年度実績:情報量拡充。合わせて社内での人財流動性を高めるためのジョブポスティング(社内公募)制度を導入 2023年度目標:ジョブポスティング(社内公募)制度の対象拡大、リファラル採用の導入、外国籍人財の採用拡大 ②-3.2022年度目標:当社での人事基幹システム運用を通じたデータ収集と、一部国内関係会社へのシステム展開の実施 2022年度実績:BIツール活用による人事基幹システムに蓄積されるデータの見える化と、一部の国内グループ会社に対し、人事基幹システムを展開 2023年度目標:グループ横断でのデータ収集と、海外を含めたグループ会社への人事基幹システムの展開 ③ 2022年度目標:ワールドワイドのグループ会社にてエンゲージメントサーベイを実施(2022年9月を予定) 2022年度実績:導入完了とともに、業界平均以上の結果を達成(グループ全体:91%) 2023年度目標:当社におけるエンゲージメントスコアの改善 |
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ダイバーシティの推進 |
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取り組み背景・課題 |
世界各地に生産・販売拠点を有する当社グループでは、様々な国籍、また多様なバックグラウンドを持つ従業員が集まっています。これらの多様な人財が個性・能力を発揮し、「ONE ROHM」としてチームワークを発揮することで、イノベーションが創出され、社会課題の解決につながる商品の提供が可能となります。また、そのためには、性別や国籍等にとらわれず、主体的に物事を考え、広い視野に立って異なる文化や思想・考えを受け入れ、新たな価値をも創造できるグローバルマインドを持った従業員の人財開発が不可欠です。この考え方から、当社グループはダイバーシティ推進を重要な経営課題と特定しました。誰もが自身の能力を最大限発揮できるよう、施策を講じてまいります。 |
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テーマ |
①女性活躍の推進 ②グローバルレベルでの能力開発と人財配置 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
①2025年に当社グループ全体の女性管理職比率を15%にし、2030年には20%を目指す ②-1.当社グループ全体での人財開発体系を確立する ②-2.キャリアプランの充実や適切な人財配置、多様な人財の管理・登用を推進するため、混在する人事システムを統合し、グローバルシステムとしてグループ内に展開する ②-3.評価・報酬・昇進昇格・配置における戦略的データを蓄積する |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
① 2022年度目標:10.9% / 実績:12.6% ⇒2023年度目標:12.9% ②-1.2022年度目標:・次世代リーダー研修の継続と実践の場を順次提供 ・人事システム内で上司・従業員の研修履歴や所有スキルを可視化 ・国内グループ会社におけるOJTを中心とした人財開発体系を確立 2022年度実績:部門長、課長級を対象とした次世代リーダー研修に、延べ48名が参加し、全プログラム修了 2023年度目標:従業員の能動的・選択的・自己決定的なキャリア形成の機会として、選択式研修の拡充及び一部国内グループ会社へ展開 ②-2.2022年度目標:・人事基幹システムを国内グループ会社への展開 ・人事基幹システムから収集した人事データベースを活用し、選択型・選抜型研修に反映 2022年度実績:・人事基幹システムの国内グループへの展開を開始 ・選択型及び選抜型研修の受講履歴を人事データベースに蓄積し分析に活用 2023年度目標:人事基幹システムの海外グループ会社への展開に加え、共通管理項目を設定することで人的資本情報開示の基盤構築に着手 ②-3.2022年度目標:グレーディングを活用した年功的昇進等の慣習排除施策・環境づくり、ジョブ型雇用の一部導入 2022年度実績:ジョブ型・年俸制・個別契約型の人事制度を一部導入 2023年度目標:ガバナンスの観点から、グループ会社役員の選解任・報酬・契約管理をアップデート |
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従業員の健康と安全の確保 |
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取り組み背景・課題 |
労働現場における災害の発生は、従業員の生命を脅かし、また事業継続性にも影響を及ぼすおそれがあります。このため、当社グループは、全ての従業員、また業務に携わるステークホルダーが安全に働くことができる職場を実現することが、従業員の命や人権を守る上で重要だと捉えています。更に、従業員一人一人がやりがいを持ち、自身の能力を最大限に発揮するためには、従業員が心身ともに健康である必要があります。これらの考え方から、当社グループは、安心・安全で衛生的な職場の確保を重要な経営課題だと認識し、快適で安心して働ける職場環境づくりと、心身の健康の保持・増進に積極的に取り組んでまいります。 |
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テーマ |
①安全な職場の確保 ②健康経営の推進 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
①当社グループでの休業災害件数「0」を達成・維持する ②-1.グループレベルでの未知なる感染症への防疫体制を確立・維持する ②-2.当社の運動習慣比率を全国平均値以上に向上・維持する ②-3.運動習慣定着に向けた取り組みをグループレベルで行う |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
① 2022年度目標:休業災害「0」/ 実績:2件(1日以上の休業) 2023年度目標:休業災害「0」 ②-1.2022年度目標:COVID-19構内クラスター発生「0」/ 実績:達成 2023年度目標:達成したため別目標策定 ②-2.2022年度目標:非運動習慣者率:15%以下(対象:当社)/ 実績:11% 2023年度目標:達成したため別目標策定 ②-3.2022年度目標:国内グループ各社にて運動習慣定着に向けた数値目標を設定 2022年度実績:設定完了 2023年度目標:達成したため別目標策定 <2023年度「②健康経営の推進」の目標> ・「ヘルスアップチャレンジ7※」重点3項目(睡眠・ストレス・運動)のうち、2項目以上達成した従業員が前年度比10%以上改善 ・心身の健康状態の向上によるプレゼンティーズムの改善
※睡眠・ストレス・運動・食生活・飲酒・禁煙・コミュニケーションの健康に関する7項目について一人一人が一つでも多くクリアするために取り組むことで、プレゼンティーズムの改善、Well-beingの実現を目指すランキング |
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コーポレートガバナンスの強化 |
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取り組み背景・課題 |
企業活動全体が社会のルールを守り、多様なステークホルダーの期待に応えるには、経営の透明性を確保しつつ、競争力の強化を目指したコーポレートガバナンスの充実が必要です。そのためには、取締役会等の役割・責務を明確にし、迅速な意思決定を行うとともに、独立・客観的な立場による社外取締役を活用することで、経営の執行と監督の分離を進め、取締役会による監視・監督機能を強化することが欠かせません。当社グループは、コーポレートガバナンスの強化を図り、持続的な成長と企業価値・株主価値の向上を目指してまいります。 |
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テーマ |
①取締役会の多様性の確保 ②中長期的企業価値向上に向けた報酬制度の見直し ③経営の実効性の担保 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
①女性又は外国人役員比率を10%にする ②-1.独立社外取締役の人数を、過半数に引き上げる ②-2.中期経営計画(財務・非財務目標)に連動した報酬制度を導入 ③外部機関による評価を3年に1回実施する |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
① 2022年度目標:女性及び外国人の取締役会に占める割合を向上(2021年度実績 女性役員比率:9%、外国人役員比率:0% 計9%) 2022年度実績:14%向上(2022年度実績 女性役員比率:15%、外国人役員比率:8% 計23%) 2023年度目標:女性及び外国人の取締役会に占める割合を維持・向上 ②-1.2022年度目標:独立社外取締役の取締役会に占める割合を向上(2021年度実績 45%) 2022年度実績:9%向上(2022年度実績 54%) 2023年度目標:独立社外取締役の取締役会に占める割合を維持・向上 ②-2.2022年度目標:中期経営計画(財務・非財務目標)に連動した報酬制度を導入 2022年度実績:「業績連動型譲渡制限付株式報酬制度(PSRSU)」を導入完了 2023年度目標:報酬構成のバランスや水準等について、取締役の当社株式の保有率や保有期間に対する考え方等も含め総合的な検討を行う ③ 2022年度目標:取締役会の実効性評価に外部機関によるサポートを導入 2022年度実績:2023年3月実施の実効性評価において、結果の評価・分析に関して外部機関によるサポートを導入 2023年度目標:実効性評価における外部機関によるサポートを継続実施 |
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リスクマネジメント |
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取り組み背景・課題 |
経済のグローバル化や社会の変化とともに、企業を取り巻くリスクが多様化する中、事業に関する社内外の様々な不確実性を適切に管理することは、経営戦略や事業目的を遂行していく上で欠かせません。大規模な自然災害や事故、感染症等の流行等で被害を受けたとしても、重要業務が中断されないこと、また万が一中断しても可能な限り短い期間で復旧・再稼働することは、企業としての重要な責任です。当社グループは、「リスクマネジメント」を事業基盤の重要な経営課題と位置付け、業務及び業績に支障をきたすおそれのある事象を「リスク」として捉え、その発生を最小限に止めるとともに、事象が発生した場合でも円滑に事業継続・復旧を行うための対策に取り組みます。 |
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テーマ |
BCM管理体制の強化 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
継続的なリスクの洗い出しを通じてBCP体制の強化を図る |
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2022年度目標 |
・2021年度に実施した活動の継続 ・EHSS統括委員会の各マネジメントシステムとの連携による、より強固なリスクマネジメント体制の構築 ・従業員一人一人の防火・防災意識を向上するための取り組みを実施 |
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2022年度実績 |
・四半期毎開催のリスク管理・BCM委員会にてグループのリスクの洗い出し・評価・対策状況の確認を実施の上、主要なリスクについてEHSS統括委員会へ報告。リスク発生の予兆や対策の進捗状況をモニタリングするための指標を作成 ・経営層も参加するBCM対策本部を中心とした地震対応BCM訓練をリモートワークツールも活用して実施し、災害時の対応の有効性について検証 ・火災・水災に特化したリモートリスクサーベイを国内・海外主要生産拠点にて実施し、火災・水災リスクへの対応状況を確認 ・国内海外グループ会社に赴き、防火・防災内部監査を実施 ・クリーンルームの「火災予防ガイドライン」を策定し、グループ内に展開 ・新型コロナウイルス対策として、行政のガイドラインに沿った社内基準の見直しと柔軟な対応 ・当社従業員を対象とし防災意識向上のためのeラーニングを実施 |
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2023年度目標 |
・2022年度に実施した活動の継続 ・EHSS統括委員会の各マネジメントシステムとの連携による、より強固なリスクマネジメント体制の構築 ・従業員一人一人の防火・防災意識を向上するための取り組みを実施 ・火災の未然防止を目的とした火災リスクアセスメント体制の構築 |
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持続可能なサプライチェーンマネジメント |
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取り組み背景・課題 |
社会のニーズに応えられる高品質な商品を安定的に世の中に送り出すには、強固な調達体制の確立と、重要なパートナーであるサプライヤーとの強いパートナーシップの構築が欠かせません。 また、昨今事業継続リスクの脅威となっている自然災害や感染症に備え、高品質な商品を社会に提供するためには、サプライヤーとともに品質・安全・環境・人権・BCMの点から、当社グループを取り巻く全てのサプライヤーを総合的にマネジメントできる体制を構築し、サプライチェーン全体での経営品質を向上させることが不可欠です。 サプライヤーとともに、「相互信頼・相互繁栄」の概念のもと、高品質な商品を社会に提供するため、社会からの期待に応える調達体制の確立、そして健全なサプライチェーンの構築に取り組みます。 |
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テーマ |
①BCM体制の強化 ②グリーン調達の推進 ③CSR調達活動の推進 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
①-1.購買先活動総合評価実施済みのサプライヤーからの購入比率90%以上 ①-2.Tier1サプライヤーの生産拠点調査100% ①-3.重要サプライヤーの有事対応における事前合意率100% ②環境管理体制自己評価合格率100% ③CSRセルフアセスメント結果B以上のサプライヤーからの購入比率90%以上 |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
①-1. 目標:92.0% / 実績:95.4% ⇒ 2023年度目標:80.0% ①-2. 目標:30.0% / 実績:31.0% ⇒ 2023年度目標:60.0% ①-3. 目標:10.0% / 実績:45.9% ⇒ 2023年度目標:60.0% ② 目標:95.0% / 実績:92.6% ⇒ 2023年度目標:96.0% ③ 目標:65.0% / 実績:78.3% ⇒ 2023年度目標:80.0% ※①、②は2022年度までは単体での目標策定。2023年度よりグループレベルでの目標に対象範囲を見直し。 |
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製品安全・品質の強化 |
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取り組み背景・課題 |
「われわれは、つねに品質を第一とする。」という基本理念は、当社のものづくりの基本となっています。「品質」とはお客様の満足度を表わすものであり、当社グループでは、新製品の開発、生産システムの開発、原材料の購入、そして全ての製造プロセスにおいて細心の注意が払われ、かつ、営業をはじめ管理部門に至るまでの全てのスタッフが「品質第一」という企業目的を守り抜くため、日々努力しています。この基本の考えを踏まえ、当社グループは製品安全はもちろんのこと、顧客満足度の向上を目指した取り組みを行ってまいります。 |
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テーマ |
①フロントローディングによる品質保証の体制構築と定着 ②顧客視点を取り入れた適正品質の実現 |
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達成目標 (達成年度:2025年度) |
品質満足度スコア10%改善(2020年度比) |
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2022年度目標と実績 及び 2023年度の目標 |
2022年度目標:2%改善 2022年度実績 ・顧客からの総合スコア:3.1%改善 ・「満足」「やや満足」の回答選択率:4.8%改善 (理由:「車載対応」スコア向上によるもの。注力市場である車載市場は対応強化の活動を進めた成果が大きい) ・「不満足」「やや不満足」の回答選択率:1.0%改善 ※上記3項目は、いずれも2020年度比で数値を算出 2023年度目標:5%改善 |
(2)気候変動
①ガバナンス
2021年4月、地球環境課題に対する企業の社会的責任を果たすため、「ロームグループ環境ビジョン2050」を制定しました。また、2021年5月に発表した中期経営計画“MOVING FORWARD to 2025”においても、サステナビリティ重点課題(マテリアリティ)の一つとして「気候変動への対応」を挙げています。
当社では、気候変動問題への対応は、CSOが委員長を務めるEHSS統括委員会において審議、決議される体制を構築しています。その傘下には8つのマネジメントシステムを設けており、その一つである環境マネジメントシステムを担当する環境保全対策委員会は、事業本部責任者を委員長とし、積極的に気候変動への対応に取り組んでいます。委員会では、2030年中期環境目標を作成するとともに、その達成に向けた環境マネジメントの進捗状況や再生可能エネルギーの導入などを含む気候変動問題への対策に関する課題について審議しています。また、監査等委員である取締役は、EHSS統括委員会及び毎月開催される環境保全対策委員会に出席し、代表取締役社長を中心とした環境マネジメント全体の執行状況を継続的に監視・検証しています。
また、株主の皆様との一層の価値共有を進めるため、取締役に対する業績連動型譲渡制限付株式報酬制度において、「温室効果ガス排出量」を業績評価指標の一つに採用しています。
②戦略
当社では、「ロームグループ環境ビジョン2050」に基づき、半導体製品の効率改善や環境配慮型の事業体制構築などの気候変動対策を加速させるため、国際エネルギー機関(IEA)や国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などが公表しているシナリオを参考にしながら、気候変動が自動車・産業・民生その他全ての分野の事業活動に与える影響を分析しました。具体的には、社会全体が脱炭素に向けて変革を遂げ温度上昇の抑制に成功する「1.5℃/2℃シナリオ」と、経済発展を優先し世界の温度上昇とその影響が悪化し続ける「4℃シナリオ」のそれぞれについて、2050年の気候変動が当社を取り巻くステークホルダー(政府・金融機関・投資家・サプライヤー・顧客)とその事業活動に関係するバリューチェーン(コーポレート・研究開発・調達・製造・販売)にどのような影響を及ぼすのかを検討しました。
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シナリオ |
参考情報 |
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移行リスク 機会 |
1.5℃/2℃シナリオ |
Sustainable Development Scenario(SDS)※1 Net Zero Emissions by 2050 Scenario(NZE)※1 |
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4℃シナリオ |
Stated Policies Scenario(STEPS)※1 |
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物理リスク |
1.5℃/2℃/4℃シナリオ |
代表的濃度経路(RCP)※2 共有社会経済経路(SSP1/5)※2 |
※1.出典:IEA「World Energy Outlook(WEO)2021」
※2.出典:IPCC「第5次評価報告書」
<リスクと機会別財務インパクト>
上記2つのシナリオ分析に基づき特定した気候関連のリスクと機会の項目、重要度、蓋然性及び当社グループの事業活動に与える財務的な影響を以下のとおり評価しています。
※1.重要度:「高」「中」「低」の程度は、気候関連のリスクと機会の「発生可能性」と「影響の程度」を勘案して評価しています。
※2.発生時期:「短期」は2022年~2025年、「中期」は2026年~2030年、「長期」は2031年~2050年での発生を見込んでいます。
※3.影響度:「小」は10億円以内、「中」は10億円超100億円以内、「大」は100億円超の財務的なインパクトを見込んでいます。なお、試算が困難であるリスク・機会の影響度については、項目における定性評価に留め、「-」として表示しています。
■気候変動が営業利益に与える影響のイメージ
1.5℃/2℃、4℃のシナリオ分析に基づき、移行リスク、物理リスク、機会について営業利益に与える影響を試算し、イメージ化しています。
また、特定されたリスク・機会とそれらの影響に鑑み、種々の対応策を講じることにより経営の強靭化を図ってまいります。具体的には、リスク低減のため、サプライヤーを含めバリューチェーン全体における温室効果ガス排出量の削減に向けた取り組みを継続的に実施するとともに、BCP対策の強化などを推進していきます。また、特定された機会の最大化を図るため、xEV向け部品などの脱炭素化に寄与する製品や、空調向け製品の研究開発・販売などを強化していきます。
③リスク管理
当社では、EHSS統括委員会の傘下のリスク管理・事業継続マネジメントシステムにおいて、事業継続に関わる全ての重要なリスクを統括管理しています。その中でも、著しいリスクに特定された「気候変動」について、2021年度には、全社、グループを巻き込んだプロジェクトを立ち上げ、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)(※)のフレームワークに沿って複数のシナリオにおけるリスクを抽出・分析しております。この「気候関連」のリスクを物理リスクと移行リスクに分類し、物理リスクに関してはリスク管理・事業継続マネジメントシステム、移行リスクに関しては環境マネジメントシステムが主体となり、事業部を含む全社各部門が横断的に参画するリスク管理・BCM委員会及び環境保全対策委員会がその影響度と発生可能性を勘案して重要リスクを洗い出し、分析・評価の上、対応方針を決定・実施する体制を構築しております。
更に、両委員会は、リスク管理体制の監督や各マネジメントシステムの責任者がEHSS統括委員会へ報告するとともに、リスクが顕在化した場合に備えたBCPの策定とグループ全社への周知徹底を図っています。
※ TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)
金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び金融機関の対応方法を検討する目的で設立された組織。企業等に対して気候変動関連リスク及び機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」を把握・開示することを推奨しています。
④指標と目標
当社は、2021年4月に策定した「ロームグループ環境ビジョン2050」に基づき国内外で環境経営を推進しており、2050年までに「温室効果ガス排出量実質ゼロ」及び「ゼロエミッション」を目指しています。また、中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」において、「国内外の全ての事業活動で使用する電力を2050年度に100%再生可能エネルギー電源由来とする」計画を公表しました。
現在、この中期経営計画に基づき、再生可能エネルギーの導入量を段階的に引き上げており、事業活動で使用する電力における再生可能エネルギー導入比率を2030年に65%、2050年に100%達成を目標としています。2022年度においてはタイ工場の再生可能エネルギーの導入を完了し、累計24%の導入率となりました。
また、2030年環境目標は、「ロームグループ環境ビジョン2050」に掲げる「気候変動」「資源循環」「自然共生」の3つの重点課題ごとに策定しました。「気候変動」については、「事業活動に伴う温室効果ガス排出量(スコープ1、2)を2030年度に2018年度比で50.5%以上削減する」「温室効果ガス排出量原単位(スコープ1、2)を45%以上削減する」「販売した製品の使用による排出量(スコープ3:カテゴリー11)を2030年度に2018年度比で15%以上削減する」という目標を定めています。
これらの目標が、パリ協定の「2℃目標」を達成する上で科学的な根拠がある(1.5℃水準)と認められ、2022年2月に「SBTi(Science Based Targets initiative)」より認定を取得しています。また、2022年4月には、事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す国際企業イニシアティブ「RE100(100% Renewable Electricity)」(※)に加盟しました。更に、気候変動のみならず、水の回収率の向上や廃棄物排出量原単位に関する目標を掲げて、資源循環の推進などにも取り組んでいます。
※ RE100(100% Renewable Electricity)
The Climate GroupがCDPとのパートナーシップのもとで主催し、We Mean Business連合の一部としても運営している国際企業イニシアティブ。日本では2017年より日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が、RE100の公式地域パートナーとして日本企業の参加と活動を支援しています。
<再生可能エネルギーの導入実績・計画>
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導入実績 |
導入計画 |
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2017~2022年度 |
2023~2026年度 |
2027~2030年度 |
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・ローム㈱(一部) 京都駅前ビル、新横浜駅前ビル ・ローム・アポロ㈱(一部) 筑後工場SiC新棟、行橋工場、長浜工場 ・ローム浜松㈱(一部) ・ローム・ワコー㈱(一部) ・サイクリスタル・ゲーエムベーハー ドイツ工場 ・ローム・インテグレイテッド・システムズ・タイランド・カンパニー・リミテッド タイ工場 |
・ローム・エレクトロニクス・フィリピンズ・インク フィリピン工場 ・ローム・メカテック・フィリピンズ・インク フィリピン工場 ・ローム・ワコー・エレクトロニクス・マレーシア・センディリアン・バハッド(一部) マレーシア工場 |
残りの海外生産拠点及び国内生産拠点に順次導入予定 |
(1)リスクマネジメント体制
事業活動を進めていく上で、様々なリスクが財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性が考えられます。当社グループではこうしたリスクを回避、あるいはその影響を最小限に食い止めるため、「リスク管理・事業継続方針」に基づき、リスクマネジメントの強化に取り組んでおります。2022年に設置された「EHSS統括委員会」のもと、「リスク管理・BCM委員会」(年4回開催)を組織しており、グループにおいて発生する可能性のある重要リスクを抽出した上で、発生頻度と事業に与える影響度の側面からリスクマップにて評価し、対策を管理・推進しております。また、各マネジメントシステム及び部署の活動状況を確認するとともに、BCPの策定等を進め、あらゆるリスクに対応できるよう、全社に徹底を図っております。
(リスク管理・事業継続方針)
「企業目的」「経営基本方針」などの目的・方針を実践し、当社グループにおけるリスク管理と事業継続マネジメントを推進するため、以下のとおり定める。
リスク管理
●グループ一体となったグローバルなリスク管理を推進する。
●重要リスクを特定・評価するとともに、損失を最小限に抑えるための対策を行う。
●重要リスクの評価や対応状況を定期的に見直し、経営陣と共有する。
●事案発生時には速やかに情報収集・報告を行い、適宜、事業継続・復旧計画に移行する。
事業継続
●社員及び関係者の安全確保・安否確認を最優先事項とし、火災や環境汚染などの二次災害の発生防止に努める。
●サプライチェーンを維持するため、迅速な生産復旧・事業復旧を図る。
●会社として求められる社会的責務の遂行を図る。
●事業継続マネジメントの推進及び復旧活動は、経営陣の指揮のもと全社一丸となって取り組む。
●事業継続計画を事業環境の変化に応じて定期的に見直し、事業継続マネジメントシステムの継続的な改善に努める。
(リスクマネジメント体制図)
(リスクマネジメント活動概要)
(リスクマップによる評価イメージ)
(2)事業等のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。各リスクについて、影響度と発生頻度を「大」「中」「小」の3段階で評価しております。影響度については、社内で定めた指標に基づき、財務、事業中断、評判・イメージ、安全・人命のいずれかの観点から評価しております。ただし、以下は全てのリスクを網羅したものではなく、記載された項目以外のリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
経営戦略リスク
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(1) 事業戦略・市場変動に関するリスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
当社グループは注力市場として「自動車関連分野」、「産業機器関連分野」、「海外市場」を、また注力商品として「パワー」、「アナログ」、「汎用デバイス」を掲げるなど、より成長が見込める市場、あるいは当社グループの強みを発揮できる市場や技術に、重点を置いております。こうした重点分野においては、今後グローバルな競争がより激化する可能性があり、コストダウンの限界を超えた価格競争や熾烈な開発競争に巻き込まれる可能性があります。また、社会ニーズの様々な変化等により市場成長の鈍化や市場の縮小が起こる可能性があります。こうした市場の動向や競争環境の変化により、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローが悪影響を受けるリスクがあります。 |
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主な対策 |
このようなリスクに対し、EV化へのシフトが期待される自動車関連分野や中長期的に成長が期待される産業機器関連分野などへの製品ラインアップを強化し、顧客ニーズを先取りする提案型の営業体制への見直しなどを進めております。また、当社グループが強みを持つ「パワー」、「アナログ」及び「汎用デバイス」などの技術領域を中心とした新製品・新技術の開発を進め競争力を高めております。 グローバルな競争力を持つ商品開発を行うために、技術や市場に精通したPME(Product Marketing Engineer)を海外に派遣し、欧州、中国、台湾、米国を中心にグローバルレベルで市場のニーズを先取りする新製品の商品企画と製品の詳細仕様の落とし込みを行います。これにより、幅広い地域の顧客に喜んでいただける新製品の市場へのインプット数を増やしております。 また、海外市場での売上を上げるため、世界中の販売ネットワークが全体最適の戦略の下に活動できる販売体制を整えております。また、顧客である完成品メーカーの開発動向などの技術情報を熟知したFAE(Field Application Engineer)を中心に据えた「SSE(System Solution Engineering)本部」を組織し、ソリューション提案力の強化を進めております。営業担当者とFAEとの連携によって、顧客が求める最適なソリューション提案ときめ細かな技術サポートが全世界で提供できる体制となっております。 |
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(2) M&Aリスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
当社グループでは企業価値の向上を目的として、将来的な事業展望を見据えた既存事業の拡大や、既存技術を元にした新規分野への進出、及び新規技術の獲得や有望な人財の確保を視野に入れたM&Aをワールドワイドに検討・実施していく必要性があると考えております。一方、買収前のデューデリジェンスで検証すべきガバナンス・マネジメントの仕組みや体制、業務体制、シナジー仮説などの検証が不十分であると、買収見積額が実際の価値を上回ってしまい、結果的に損失を被る事態にもなりかねません。 買収後においてもPMI(Post Merger Integration)が適切に行われず、想定外の事態の発生や市場動向の著変等が原因で、買収事業が所期の目標通りに推移せず、場合によっては損失を生む可能性があります。 |
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主な対策 |
M&Aに当たっては、自社の事業戦略に沿った買収候補企業の探索を事前に行います。 また、実施段階においては、専門のプロジェクトチームを組成し、適正な意思決定をするために必要に応じて外部のアドバイザー企業も起用して第三者視点を織り込み、買収前の十分な調査・検討・審議の上、判断を行ってまいります。 買収後のPMIを有効なものとするためにも、買収前から視野に入れ計画を策定、実行しております。 |
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外部環境リスク
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(3) 為替リスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
当社グループは開発・製造・販売の拠点を世界各地に展開しており、多通貨での収益・費用及び資産・負債が発生しております。各拠点の会社通貨の財務諸表への換算、連結財務諸表への円換算は為替レートにより変動し、業績及び財政状態に影響を与えます。 また、当社グループは日本、アジア及びヨーロッパにて生産活動を行うとともに、世界市場において販売活動を行っております。このため、生産拠点と販売拠点の取引通貨が異なり、常に為替レート変動の影響を受けております。概して言えば、円高の場合は業績にマイナスに、円安の場合にはプラスに作用します。 |
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主な対策 |
為替変動リスクを軽減するため、外貨建ての営業債権に対して、一定程度の為替予約を行っております。 |
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(4) 自然災害・感染症に関するリスク |
発生頻度:小 |
影響度:大 |
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内容 |
当社グループは日本のみならず世界各地で開発・製造・販売活動を行っており、地震や洪水等の自然災害の発生や感染症の蔓延による稼働率の低下など、当該地域の生産や営業拠点が損害を受ける可能性があります。また、これらのリスクが複数の地域で同時に発生する可能性があり、当社グループのみならず、顧客やサプライヤーなども含めたサプライチェーン全体に大きな影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
当社グループでは、リスク分散のために生産ラインを世界の複数拠点に配置するなどの対策をとっております。また、リスク管理・事業継続方針の下、各拠点で活動しており、中でも生産機能を持つ国内外の主要拠点では、外部専門機関と協力し、自然災害、感染症、安全、操業・経済・政治リスクの観点からリスクアセスメントを行い、工場ごとにトップリスクを特定・分析・評価しております。その上で、対策委員会等を組織し、事業継続計画の立案や、それに基づく訓練など、有事に備えた様々な取り組みを行っております。 また、感染症については、従業員、顧客及びサプライヤーの安全を第一に考え、感染リスクの継続的な低減のために、在宅勤務などフレキシブルな働き方の実施とそれを可能とするITツールの導入と活用の促進など種々の対策を実施しております。 顧客に対する供給維持対策としましては、稼働縮小や一時停止に対応するため、一部の機種を当社グループ他拠点及びOSAT(※)への移管を進め、更にフレキシブル生産ラインや省人化ラインの開発など、起こりうるリスクの低減に向けて長期視点で対策に取り組んでおります。 ※ OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test) 半導体製造における後工程である組み立てとテストを請け負う製造業者のこと。 |
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(5) 気候変動に関するリスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
世界的な気候変動により、過去に例のない異常気象による被害、炭素税の導入やステークホルダーからの要請への対応に伴う想定を超える費用の発生、また、リスクの顕在化に伴うブランド価値の低下等、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
環境課題について、2021年4月に「ロームグループ環境ビジョン2050」を策定し、「気候変動対策」、「資源循環型社会の実現」、「自然サイクルと事業活動の調和」を目標として設定し、取り組みを進めております。当社グループでは、気候変動対策に関して、継続的な省エネ施策に取り組むことによる温室効果ガス排出量の抑制に努め、更に太陽光発電を含めた再生可能エネルギーの導入に取り組むなど、グループ全体において気候変動対策を推進しております。 2021年9月に脱炭素社会実現に向けた「2030年中期環境目標」を改定しました。同時に、気候関連財務情報開示タスクフォース(以下、TCFD)の提言に賛同し、TCFD提言に沿った情報開示を行っております。 また、2022年4月には事業で使用する電力を100%再生可能エネルギーとすることを目指す国際企業イニシアティブ「RE100」に加盟しました。 |
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(6) 地政学的リスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
ロシア・ウクライナ問題の長期化、台湾近辺における軍事的緊張の高まり、米国・中国の二国間関係など、各国・地域の国際関係は不確実性を増しています。グローバルで事業を行う当社グループにとって地政学上のリスクは事業撤退や操業停止など直接的な生産・営業活動への影響だけでなく、材料調達や顧客との取引などサプライチェーン全体に影響をもたらす可能性があります。 また、あらゆる産業の製品に使用される半導体をめぐっては各国・地域が経済安全保障上の重要物資として保護主義的な政策を進めており、それらに適切に対応できなければ、行政罰や法的制裁により当社グループの事業活動や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
当社グループでは、リスク管理・BCM委員会を中心に経営に影響を及ぼす可能性のある地政学上のリスクについて情報収集やモニタリング、対策を実施しております。 各地域の事業拠点においてもリスクの特定からリスク管理対策や事業継続計画の策定・推進を進めており、従業員の安全を確保しながら事業への影響を最小限に抑えるための活動に取り組んでおります。 また、半導体関連製品の輸出規制に関しては、全社の関連部署からなる輸出管理専門部会が弁護士と連携しながら適正な安全保障輸出管理を実施しております。 |
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経営基盤リスク
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(7) 法的リスク |
発生頻度:中 |
影響度:中 |
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内容 |
当社グループでは、他社製品と差別化できる製品を製造するために様々な新技術やノウハウを開発しており、こうした独自の技術を背景に世界中で製品の製造・販売を行っております。そのため当社グループで保有する知的財産権の保護並びに他社との紛争の回避が必要不可欠になってまいります。 また、当社グループが事業を行うあらゆる領域において、排気、排水、有害物質の使用及び取扱い、製品含有化学物質の管理、廃棄物処理、土壌・地下水汚染等の調査並びに環境、健康、安全等を確保するためのあらゆる法律・規制を遵守しております。しかしながら、事前に予期し得なかった事態の発生などにより何らかの法的責任を負う場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
当社グループが使用している技術やノウハウは、知的財産権等で保護し自社技術を守りつつ事業競争力を高めるとともに、他社の保有する知的財産権を侵害しないように社内調査や、製品開発時のチェックなどを通じて厳重に管理しております。 また、当社グループでは、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001に準拠した環境マネジメントシステムをグループ全体で構築し、運用することで環境負荷削減をはじめとする環境保全に向けた継続的な環境改善を進めております。取り組みに当たっては、当社に設置した「環境保全対策委員会」が中心となり、法令や規制等に基づく生産や各拠点における活動・サービスに起因する環境影響を管理し、拠点ごとの内部監査で明らかになった改善点などをグループ各社に水平展開を行っております。 |
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(8) 人財確保に関するリスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
デジタル化や脱炭素といった大きな転換期の中、少子高齢化に伴う構造的な労働力不足の影響もあり、事業活動における人財確保の必要性がより一層高まってきております。当社グループにおいても、特に高度専門人財を継続的に育成・確保できなければ、競争力の低下につながる可能性があります。 長期的に人財を育成、確保し続けるためには、いかに広く有能なる人財が活き活きと活躍できる舞台を整えられるかが重要です。従業員の会社に対するエンゲージメントと生産性を高め、一人一人の能力が最大限に発揮されるよう人事施策・制度の充実・強化も重要となっております。 |
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主な対策 |
当社グループでは、経営基本方針の中で、「広く有能なる人材を求め、育成し、企業の恒久的な繁栄の礎とする。」と掲げております。10年後の飛躍的な成長を見据え、その礎となる人財を確保するため、ここ数年は、100名以上の中途採用を進めており、多様なバックグラウンドを持った人財を積極的に採用しております。 また、そういった人財が長期的に活躍できる環境も整備しております。当社の持続的成長を支える高度専門人財が、持てる力を存分に発揮できるよう、従業員のキャリア制度を大幅に見直し、2019年度に「スペシャリスト職制度」を創設しました。高度な専門スキルを以て会社に貢献する従業員を「スペシャリスト職」として認定し、その道の第一人者としてのキャリアパスを明確化する制度です。技術・専門性の継承、後進の育成、イノベーションを通じた企業価値の向上を目指し、高度専門人財の計画的育成を図っております。 加えて、2022年度より開始した「ジョブポスティング制度」では、注力事業の強化・増員時の求人を、社内にも開示・公募することで、自ら手をあげて異動を実現できる機会を提供しております。人財の内部流動性が高まることで、急速な環境変化への機動的対応を可能にし、注力事業に必要な人財を確保することにもつなげております。 更に、一人一人がそれぞれのライフスタイル・ライフステージに合わせて柔軟に働くことができるよう諸制度の導入を行っています。育児・介護休暇の充実に加え、在宅勤務制度や勤務地変更制度等を通じて、安心して働き続けることができる環境づくりにも注力しております。 今後も、優秀人財が活き活きと活躍できる舞台を整えていくため、エンゲージメントサーベイを活用し、組織のあるべき姿と現状・課題のギャップを把握の上、効果的なエンゲージメント向上施策に取り組んでまいります。 |
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(9) 情報セキュリティに関するリスク |
発生頻度:中 |
影響度:大 |
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内容 |
顧客やサプライヤーに関する情報、並びに、当社の保有する情報を適切に管理することは、社会により良い商品やサービスを提供し、信頼される企業経営を行う上で欠かすことができません。一方で、近年、企業を標的にした組織犯罪化された高度なサイバー攻撃や、退職者による機密情報の持ち出しといった人に起因する情報漏えい事案なども多数報道されており、技術的・物理的なセキュリティ対策の強化のみならず従業員一人一人の情報リテラシーの向上が急務となっております。 これらに適切に対応できなければ、機密情報並びに個人情報の漏えいやシステムダウンによる事業停止など、当社グループの企業活動や業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、各国で個人情報保護法令やデータ保護規制の制改定や運用強化が行われており、これらに違反した場合には、社会からの信用を喪失し、企業活動の差し止めや多額の罰金を課される可能性があります。 |
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主な対策 |
当社グループでは、事業活動を行う中で取扱う当社グループ及びステークホルダーの機密情報並びに個人情報について、情報セキュリティ方針や機密情報管理方針、プライバシーポリシーなど、情報の管理ルールを整備し、適切に管理・運用しております。 情報セキュリティマネジメントシステムの認証である、「ISO/IEC27001」を2013年より取得し、運用及び認証範囲を拡大することで、機密情報並びに個人情報について、漏えいの防止、不正利用の排除などの適切な情報管理を推進しております。従業員が使用するパソコンは外部の専門機関が24時間365日体制で監視しており、サイバー攻撃の予兆を早期発見、早期対処する体制を整備しております。有事の際には、被害を局限化、最小化し、速やかな復旧につなげることを目的とする、組織内対応チームを設けています。また、同様の対策をグローバルで展開しております。 併せて、従業員の情報リテラシーの維持・向上のための施策として、従業員に標的型攻撃メールを模したメールを配信する訓練や、eラーニングなどの教育・啓発活動を定期的に実施しております。 |
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(10) 人権リスク |
発生頻度:小 |
影響度:大 |
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内容 |
世界的な人権配慮の高まりにより、自社だけでなく調達先から顧客までのサプライチェーン全体で人権配慮が求められております。特に開発途上国における強制労働や児童労働、低賃金、職場や地域における安全衛生配慮などが不十分な場合、社会的な信頼の損失につながる可能性があります。 また各国や国際団体等で人権関連のガイドラインや法規制の制定が進む中、サプライチェーンを含めた自社の人権に関するリスクを特定し対応しなければグローバルで事業を行えなくなる可能性があります。 |
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主な対策 |
当社グループはグローバルに事業を展開する企業として、人権が尊重された持続可能な社会の構築が重要との認識のもと、国連グローバル・コンパクトなどの国際原則・規範を支持・準拠し、尊重しております。また、ロームグループ人権方針を定め人権尊重への取り組みやデューデリジェンスに取り組むことを宣言しております。具体的には従業員やサプライヤーを対象としたホットラインの整備、英国現代奴隷法に関する声明の発行等が挙げられます。 また自社だけでなくサプライチェーン全体でその取り組みを進めており、RBA(※)行動規範などの国際規範に基づき自社やサプライヤーの労働状況や取り組みに問題がないことを監査や調査票を通じて確認し、必要に応じて改善を要請しております。また、販売代理店を通じた販売等においても、その供給先が各種法令のみならず、人権に関する準則等に違反しないことを誓約いただくなど供給先においても人権侵害が生じないように取り組んでおります。 <当社グループが支持する国際原則・規範> 国連グローバル・コンパクトの10原則 世界人権宣言 国際労働機関(ILO)「労働における基本原則及び権利」 国連ビジネスと人権に関する指導原則 OECD多国籍企業行動指針 ISO26000 RBA(Responsible Business Alliance)行動規範 ※ RBA 電気・電子機器(エレクトロニクス)産業又はそれらを主部品とする産業のサプライチェーンにおいてCSRを推進するアライアンス。労働、安全衛生、環境、倫理、管理システムの分野について行動規範を定めている。 |
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事業遂行リスク
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(11) 研究開発活動リスク |
発生頻度:小 |
影響度:大 |
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内容 |
エレクトロニクス分野における研究開発は激しいグローバル競争の中にあり、新製品等の開発の遅れは競争力の低下に直結し、新市場を失うリスクにつながります。 研究開発の遅れを招く要因として、最適人財不足による停滞、人財の画一性による狭窄、技術の陳腐化による劣敗、規制逸脱やコンプライアンス違反がもたらす活動停止といった具体的なリスクが想定されます。結果として、将来的な業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
5年程度先を見据えたリソースの重点配分に留まらず、長期的ビジョンに基づく新規分野へのリソース配分を担保し、シームレスな持続的成長につながる研究開発活動を実現します。グローバル採用・キャリア採用を含めて多様な人財を獲得しつつ、オープンイノベーションや不断のテーマ見直しを行うことで、常にニーズを先取りするアクティブな研究開発を展開します。加えて、適法かつ公正な研究開発体制を維持することで、インシデントリスクを未然に回避する研究開発を継続します。 また、10年後あるいはそれ以上先の将来に関しては、国内外の多くの大学との共同研究など、外部との連携を強化しております。更に、オープンイノベーションの取り組みとしてCVC(Corporate Venture Capital)を実施しております。 |
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(12) 製品の欠陥リスク |
発生頻度:中 |
影響度:中 |
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内容 |
当社グループでは、企業目的で「われわれは、つねに品質を第一とする」を基本理念に掲げており、厳しい品質管理のもとに生産を行っておりますが、全ての製品について欠陥がなく、将来において販売先からの製品の欠陥に起因する損害賠償請求等が発生しないという保証はありません。万一、損害賠償請求があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
当社グループでは、各事業本部の品質部門が設計品質を保証し、各生産本部の品質部門がつくり込み品質を保証しております。 また、社長直轄部門の一つである品質本部は、事業本部、生産本部の枠を超えた全社の品質保証システムの構築や情報展開及び各事業・生産本部の業務監視を行っております。また、社外で頻発している品質コンプライアンス違反に対するリスクを低減するため、品質保証部に「品質監査室」を設置しております。 事業本部、生産本部における新製品開発では、顧客要求を満足する安全で、信頼のおける製品をタイムリーに提供するため、開発検討、設計審査、初期流動、量産の各段階で評価を行います。改善情報は源流にフィードバックするとともに、次期設計に展開します。 また、生産本部のものづくり革新部における自社開発の組立加工装置では「設備で品質をつくり込む。不良を作れない設備」を目標に、装置自身が自己診断したり、不良を作らないようにすることを目指しております。 万一、製品に起因する不具合が発生した場合、当社製品は現品から生産情報(製造時期若しくはロッ卜情報)がトレースできます。ロッ卜情報からは、全工程の4M情報(Man、Machine、Material、Method)が確認でき、それぞれの生産条件、出来映えについて迅速に調査でき、波及性を限定できる体制となっております。 加えて、当社グループでは以下の国際的な品質マネジメントシステム等に基づき、欠陥が発生しない管理体制の構築を進めております。 ・ISO9001:品質マネジメントシステム ・IATF16949:自動車産業品質マネジメントシステム規格 ・ISO26262:車載電子制御の機能安全に関する国際規格 |
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(13) 生産・調達活動に関するリスク |
発生頻度:中 |
影響度:中 |
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内容 |
当社グループでは、垂直統合型のビジネスモデルを採用しておりますが、電子部品の製造にはレアメタルを含む様々な素材を必要とします。そのため、特定の供給元からの調達に制約が発生した場合、生産活動やコスト構造に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
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主な対策 |
事業部門においては、材料などの複数購買を進めるとともに、サプライヤーのBCP状況等に基づき適切な在庫管理を推進しております。 調達部門においては、有事の際にいち早くサプライヤーの被災・安否状況や供給状況の確認が取れるよう、調達部材の製造会社・製造場所の情報を調査し、データベース化するとともに、その調査範囲を二次サプライヤーまで拡大し、サプライチェーンのBCP状況の全体把握に取り組んでおります。 また、重要材料を扱うサプライヤーとは有事発生の際の対応方法を、当社とサプライヤーとの間で事前に合意する取り組みを進めております。 |
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文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
業績の全般的概況
当連結会計年度における世界経済は、中国におけるゼロコロナ政策終了による経済活動の回復が期待されましたが、ロシア・ウクライナ問題の長期化、世界的な金利上昇による金融不安などの影響もあり、先行きの不透明感が一段と強まってきております。
エレクトロニクス業界におきましては、前半は上海のロックダウン、後半は中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの乱れなどが各市場に影響を与えました。自動車関連市場は一部の半導体不足による自動車の生産調整が継続しておりますが、脱炭素社会に向けた電動化・電装化の促進による車載半導体へのニーズの高まりにより、全体としては順調に推移しました。また、産業機器関連市場では各国における工場の脱炭素化の促進や、生産能力増強・自動化・デジタル化投資の拡大などにより順調に推移しました。一方、民生機器関連市場や通信機器関連市場、コンピュータ&ストレージ市場は特需も落ち着き、減速してきました。
このような経営環境の中、中長期的に成長が期待される自動車関連市場や産業機器関連市場などに向けて当社グループが強みを持つパワー・アナログの新製品・新技術の開発を進め、お客様の省エネ・小型化に広く貢献できるトータルソリューションでの提案を推進しました。
生産面においても、継続して全社最適化を進めるとともに、「モノづくり改革」による省人化・自動化ラインの構築を推し進めました。また、更なる受注に対応するための生産能力増強や生産性向上を進めるなど、お客様への安定供給体制の向上に努めました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は外国為替市場の円安進行による増収効果を受けたことで増加し、前期比12.3%増の5,078億8千2百万円となり過去最高の売上高を達成しました。営業利益は前期比29.2%増の923億1千6百万円となり、当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の15.8%から18.2%に上昇しました。
経常利益につきましては、営業利益の増加に加え、為替差益の増加により、前期比32.7%増の1,095億3千万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.3%増の803億7千5百万円となりました。
業績のセグメント別概況
<LSI>
市場別では、自動車関連市場向けで、電動車の普及加速に伴いパワートレイン向けに絶縁ゲートドライバICなどの高付加価値商品の採用が増えたことに加え、ADAS、インフォテインメントやxEV向けの電源ICなどが好調でした。また、産業機器関連市場向けでは、エネルギー関連向けを中心に堅調に推移し、コンピュータ&ストレージ市場ではSSD向けの電源ICがシェアアップしたことにより売上を伸ばしました。
これらに加え円安進行もあり、当連結会計年度の売上高は2,337億4百万円(前期比14.6%増)、セグメント利益は481億5千8百万円(前期比46.0%増)となりました。
<半導体素子>
事業セグメント別では、トランジスタ、ダイオード、パワーデバイスにつきましては、自動車関連市場のxEV向けを中心に好調に推移したことに加え、産業機器関連市場でも太陽光発電向けなどが堅調に推移しました。また、発光ダイオードにつきましては、民生機器関連市場向けで、アミューズメント関連を中心に売上が増加しましたが、半導体レーザーにつきましては、民生機器関連市場向けなどで売上が減少しました。
これらに加え円安進行もあり、当連結会計年度の売上高は2,122億4千1百万円(前期比12.8%増)、セグメント利益は345億2千9百万円(前期比5.4%増)となりました。
<モジュール>
事業セグメント別では、プリントヘッドにつきましては、プリンタなどの事務機向けを中心に売上が増加し、オプティカル・モジュールにつきましては、通信機器向けでセンサモジュールの売上が減少しました。
これらに加え円安進行もあり、当連結会計年度の売上高は343億2千6百万円(前期比4.5%増)、セグメント利益は42億8千4百万円(前期比3.6%減)となりました。
<その他>
事業セグメント別では、抵抗器につきましては、自動車関連市場向けに高電力抵抗・シャント抵抗等の高信頼品が堅調に推移しました。
これらに加え円安進行もあり、当連結会計年度の売上高は276億1千万円(前期比1.1%増)、セグメント利益は50億8千8百万円(前期比1.4%増)となりました。
上記「業績のセグメント別概況」の記載は、外部顧客に対するものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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LSI(百万円) |
243,562 |
18.9 |
|
半導体素子(百万円) |
224,791 |
15.6 |
|
モジュール(百万円) |
35,085 |
4.8 |
|
報告セグメント計(百万円) |
503,439 |
16.3 |
|
その他(百万円) |
28,070 |
△4.3 |
|
合計(百万円) |
531,510 |
15.0 |
(注)上記の金額は期中平均販売価格によっております。
②受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
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LSI |
198,061 |
△25.2 |
92,962 |
△27.7 |
|
半導体素子 |
188,276 |
△22.4 |
95,743 |
△20.0 |
|
モジュール |
29,423 |
△28.0 |
15,354 |
△24.2 |
|
報告セグメント計 |
415,762 |
△24.2 |
204,060 |
△24.0 |
|
その他 |
23,084 |
△21.6 |
7,214 |
△33.9 |
|
合計 |
438,846 |
△24.0 |
211,274 |
△24.4 |
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
LSI(百万円) |
233,704 |
14.6 |
|
半導体素子(百万円) |
212,241 |
12.8 |
|
モジュール(百万円) |
34,326 |
4.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
480,271 |
13.1 |
|
その他(百万円) |
27,610 |
1.1 |
|
合計(百万円) |
507,882 |
12.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(3)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表作成に当たって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づいて、見積り及び判断を行っております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 棚卸資産
当社グループでは、棚卸資産が適正な価値で評価されるように評価損を計上しております。簿価と市場価格の状況を検討し、市場価格が簿価を下回る場合は評価損を計上しております。また、一定の保有期間を超える棚卸資産を滞留若しくは陳腐化しているとみなし評価損を計上しております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、実際の需要動向又は市況が想定した見積りより悪化した場合、追加で評価損を計上することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
② 有形固定資産及び無形固定資産
当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、減損の有無を判定しております。この判定は、事業用資産については継続して収支の管理を行っている管理会計上の事業区分に基づきグルーピングした各事業単位の将来キャッシュ・フローの見積りに基づいて、遊休資産については個別に回収可能価額に基づいて行っております。経営者は、将来キャッシュ・フロー及び回収可能価額の見積りは合理的であると考えておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、将来キャッシュ・フローや回収可能価額が減少し、減損損失が発生することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
③ 退職給付費用及び債務
当社グループでは、従業員の退職給付費用及び債務は、割引率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等を含む前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件は年に一度見直しております。割引率は一定の格付けを有し、安全性の高い長期社債の期末における市場利回りを基礎として決定しております。長期期待運用収益率は年金資産の種類ごとに期待される収益率の加重平均に基づいて決定しております。経営者は、これらの前提条件は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異や前提条件の変更が将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産
当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、各社・各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社・各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定することにより損益に影響を及ぼす可能性があります。
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度の売上高は外国為替市場の円安進行による増収効果を受けたことで増加し、前期比12.3%増の5,078億8千2百万円となり過去最高の売上高を達成しました。営業利益は前期比29.2%増の923億1千6百万円となり、当連結会計年度の営業利益率は前連結会計年度の15.8%から18.2%に上昇しました。
経常利益につきましては、営業利益の増加に加え、為替差益の増加により、前期比32.7%増の1,095億3千万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前期比20.3%増の803億7千5百万円となりました。
また、当社グループで重視している経営指標について、当連結会計年度のEBITDAは前期比30.8%増の1,484億5千6百万円となり、当連結会計年度のROEは前連結会計年度の8.3%から9.2%に上昇しました。
当連結会計年度末の財政状態といたしましては、総資産は、前連結会計年度末に比べ941億5千1百万円増加し、1兆1,232億8千3百万円となりました。主な要因といたしましては、有形固定資産が716億8千1百万円、棚卸資産が409億9千5百万円、それぞれ増加した一方、有価証券が111億6千3百万円、投資有価証券が105億3千万円、それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ190億3千9百万円増加し、2,078億1千7百万円となりました。主な要因といたしましては、未払金が179億5千5百万円、未払法人税等が98億8千1百万円、それぞれ増加した一方、繰延税金負債が64億4千4百万円、支払手形及び買掛金が19億4千8百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ751億1千1百万円増加し、9,154億6千5百万円となりました。主な要因といたしましては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により株主資本が598億5百万円、為替換算調整勘定が204億4千4百万円、それぞれ増加した一方、その他有価証券評価差額金が53億6百万円減少したことによるものであります。
これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.6%から81.4%に低下しました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(921億8千1百万円のプラス)に比べ64億4千7百万円収入が増加し、986億2千8百万円のプラスとなりました。これは主に、プラス要因として税金等調整前当期純利益の増加、売上債権が増加から減少に転じたこと、減価償却費の増加、マイナス要因として棚卸資産の増加額の増加、法人税等の支払額の増加によるものであります。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(554億3千7百万円のマイナス)に比べ333億1百万円支出が増加し、887億3千8百万円のマイナスとなりました。これは主に、プラス要因として有価証券及び投資有価証券の取得による支出の減少、マイナス要因として有形固定資産の取得による支出の増加、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入の減少によるものであります。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度(162億3千万円のマイナス)に比べ59億2千3百万円支出が増加し、221億5千3百万円のマイナスとなりました。これは主に、マイナス要因として配当金の支払額の増加によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、上記の要因に換算差額による増加が112億9千3百万円加わり、前連結会計年度末に比べ9億6千9百万円減少し、当連結会計年度末には2,942億5千4百万円となりました。
また、翌連結会計年度のキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象といたしまして、設備投資額は1,600億円、減価償却費は840億円を予定しております。
(参考)当社グループが重視している主な経営指標の推移
|
回次 |
第61期 |
第62期 |
第63期 |
第64期 |
第65期 |
|
|
決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
|
|
営業利益率 |
(%) |
14.0 |
8.1 |
10.7 |
15.8 |
18.2 |
|
EBITDA |
(百万円) |
101,325 |
73,817 |
78,656 |
113,507 |
148,456 |
|
自己資本利益率(ROE) |
(%) |
6.0 |
3.5 |
5.0 |
8.3 |
9.2 |
|
総資産利益率(ROA) |
(%) |
5.2 |
3.0 |
4.2 |
6.8 |
7.5 |
|
総資産回転率 |
(回) |
0.46 |
0.42 |
0.41 |
0.46 |
0.47 |
|
固定資産回転率 |
(回) |
1.11 |
1.05 |
1.03 |
1.16 |
1.16 |
|
株価収益率(PER) |
(倍) |
16.0 |
23.9 |
28.7 |
14.1 |
13.4 |
|
株価純資産倍率(PBR) |
(倍) |
0.94 |
0.83 |
1.38 |
1.12 |
1.18 |
|
棚卸資産回転月数 |
(月) |
3.72 |
4.17 |
3.75 |
3.73 |
4.46 |
※各指標は、いずれも連結財務諸表に基づいて算定しております。
・営業利益率:営業利益/売上高
・EBITDA:営業利益+減価償却費
・自己資本利益率(ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本
・総資産利益率(ROA):親会社株主に帰属する当期純利益/総資産
・総資産回転率:売上高/総資産
・固定資産回転率:売上高/固定資産
・株価収益率(PER):期末株価終値/1株当たり当期純利益
・株価純資産倍率(PBR):期末株価終値/1株当たり純資産
・棚卸資産回転月数:棚卸資産/(第4四半期売上高/3)
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、安定的な営業キャッシュ・フローの創出により事業活動のための適切な資金確保、流動性の維持並びに健全な財政状態を常に目指しております。
主な短期的な資金需要は、営業活動上の運転資金に加えて、設備投資及び研究開発のための資金や配当支払等であります。自動車・産業機器関連市場、海外市場を注力市場とし、また、「パワー」、「アナログ」、「汎用デバイス」を注力商品としてそれぞれ定め、設備投資、研究開発及びM&Aなどの事業成長のための投資や、グローバルに安定した製品供給ができる生産体制の強化を最優先に行うことを通じて、業績拡大に注力してまいります。
当連結会計年度の設備投資額は、前期比57.7%増の1,261億1千6百万円、研究開発費は前期比17.8%増の425億6千万円となりました。これらの設備投資や研究開発費、運転資金につきましては主に営業活動によって得られた自己資金を充当しております。
株主還元の方針については、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載しております。
当社グループのキャッシュ・フローに大きく影響を与える事象の過去5期の推移は次のとおりであります。
|
回次 |
第61期 |
第62期 |
第63期 |
第64期 |
第65期 |
|
|
決算年月 |
2019年3月 |
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
|
|
減価償却費 |
(百万円) |
45,415 |
44,328 |
40,167 |
42,027 |
56,140 |
|
研究開発費 |
(百万円) |
39,578 |
33,384 |
31,537 |
36,126 |
42,560 |
|
設備投資額 |
(百万円) |
57,291 |
38,941 |
44,114 |
79,985 |
126,116 |
|
年間配当金総額 |
(百万円) |
15,771 |
15,300 |
14,720 |
18,156 |
19,629 |
|
配当性向 |
(%) |
34.8 |
60.6 |
39.9 |
27.2 |
24.4 |
該当事項はありません。
当社グループは、「エレクトロニクスの技術で社会課題を解決する」ことを経営理念に、あらゆる開発業務を通じて社会課題解決に役立つ製品作りを進めております。更に次世代を見据えた新技術開発においても、材料、設計技術、製造技術、品質向上にいたるまで調和の取れた研究開発活動を継続的に進展させております。また、SDGs、ESGの観点から、エネルギー、環境、人口、安全食料などの社会課題に真摯に向き合い、社会の皆様の幸せと文化の進歩向上に貢献することを目指します。
なかでも、環境保全に対する世界的な意識の高まりを背景に、小型化と同時に高効率化による省エネ製品のニーズが高まっています。電力消費量や温室効果ガス排出量の削減による環境保全への貢献に加え、生活の質や利便性の維持向上といった相反するニーズにも対応可能なSiCをはじめとするパワーデバイスや、それを駆動する絶縁ゲートドライバICなどの普及拡大を図っていきます。
当連結会計年度におけるセグメント別の主な成果は下記のとおりであります。
(1)「LSI」における製品開発
・機能安全規格「ISO 26262」準拠、 次世代自動車のカメラモジュール向けPMICを開発。
・ナノレベルの極小コンデンサ容量でも安定動作する 新回路搭載、車載LDOレギュレータ「BD9xxN1シリーズ」を開発。
・業界トップクラスの安定動作を実現した、先端ADAS向けDC-DCコンバータIC「BD9S402MUF-C」を開発。
・xEV向けアプリケーションの小型化とノイズ設計工数の削減に貢献する絶縁型DC-DCコンバータ「BD7Fx05EFJ-C」を開発。
・中・大型車載ディスプレイの低消費電力化に貢献する液晶バックライト向け4ch / 6ch LEDドライバを開発。
・GaNデバイスの性能を最大限引き出す「超高速駆動制御」IC技術を確立。
(2)「半導体素子」における製品開発
・当社のSiC MOSFETが米国Lucid MotorsのハイエンドEV「Lucid Air」の車載充電システムに採用。
・当社とデルタ電子(Delta Electronics, Inc.)が電源システム用パワーデバイスの戦略的パートナーシップを締結。
・セミクロンと当社、SiCパワーデバイスの新たな協業をスタート。
・マツダ及び今仙電機と、SiCパワーモジュールを活用したe-Axle向けインバータの共同開発契約を締結。
・当社の第4世代SiC MOSFETが日立Astemoの電気自動車用インバータに採用。
・業界トップクラスのノイズ特性と業界最速の逆回復時間を両立した600V耐圧Super Junction MOSFET「R60xxRNxシリーズ」を開発。
(3)「その他」における製品開発
・幅広いアプリケーションの小型化に貢献!1220サイズで業界最高クラスとなる定格電力1Wのシャント抵抗器「LTR10L」を開発。
・車載・産業機器の両面冷却パワーモジュールに最適!定格電力12Wクラスで業界最低背の金属板シャント抵抗器「PSR350」を開発。
当連結会計年度のセグメント別の研究開発費は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
|
LSI |
|
|
半導体素子 |
|
|
モジュール |
|
|
報告セグメント計 |
|
|
その他 |
|
|
合計 |
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