第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、当社グループの強みであるアルミニウムに関する広範な知見の蓄積と多様な事業群を最大限に活用して、企業価値の向上を目指すとともに、事業活動を通じて様々な社会課題の解決を図ることにより、持続可能な社会の実現に貢献していくことを目指しております。当社の経営理念や目的を定義した「日軽金グループ経営方針」は次のとおりです。

 

日軽金グループ経営方針

 

◆ 経営理念

アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、

人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく

 

◆ 基本方針

・健康で安全な職場をつくり、「ゼロ災害」を達成する

・グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する

・持続可能な社会を実現するため、カーボンニュートラルに積極的に取り組む

・人権を尊重し、倫理を重んじて、誠実で公正な事業を行う

・多様な価値観を尊重し、長期的かつグローバルな視点で人財を育成する

 

(改定: 2022年5月16日)

 

(2)日本軽金属グループの経営環境

①事業領域

 当社グループはアルミニウム素材から中間製品、加工製品まで、アルミニウム総合メーカーならではのトータルソリューションの提供により、幅広く事業を展開し、高品質で付加価値の高い製品を生み出しております。

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②事業基盤

 当社グループの総合力は、異なる事業ユニットをマーケットインの発想で横断的につなぐ《横串》体制を基盤とした「チーム日軽金」としての一体感によって発揮されます。全従業員が「お客様のニーズを探索し、解決に導く」というマインドを持ち、「探って、創って、作って、売る」という一連の流れを担うことで、お客様とともに、市場競争力のある付加価値の高い商品・サービスの創出を行っております。

 

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(3)重要課題(マテリアリティ)

当社グループは、SDGsが目指す持続可能な社会の実現のために、アルミニウムに関する総合的かつ広範な事業領域を通じて貢献していきます。その中で当社グループが特に取り組むべき課題は何かを認識し、当社グループの持続的な成長および企業価値創造のための重要な経営課題としていくため、当社取締役会において『当社グループの重要課題(マテリアリティ)』を特定しています。

 

①5つの重要課題テーマ

◆地球環境保護

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◆持続可能な価値提供

◆従業員の幸せ

◆責任ある調達・生産・供給

◆企業倫理・企業統治

 

 

②特定した重要課題

5つの重要課題テーマ

重要課題

地球環境保護

自社での温室効果ガス削減(スコープ1、2)

サプライチェーンでの温室効果ガス削減(スコープ3)

気候変動への対応(TCFD)

水ストレスへの対応

環境汚染の防止

持続可能な価値提供

再生可能エネルギーの利用拡大への取組み

低炭素商品・サービスの開発、提供

循環型経済・社会の推進

強靭なインフラ整備、提供

食糧の安定供給への貢献

イノベーションによる未来づくり

従業員の幸せ

労働の安全衛生

働きがいのある職場づくり

ダイバーシティ&インクルージョン

人財の確保、育成

責任ある調達・生産・供給

安全、安心な商品・サービスの提供

人権の保護、尊重

安定したサプライチェーンの構築

変化に柔軟で強靭なバリューチェーン

企業倫理・企業統治

ガバナンスの強化

コンプライアンス体制の強化

 

 

 

 

(4)対処すべき課題と中期経営計画

 今後の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響沈静化による経済活動の正常化が進む中、緩やかな回復が期待されますが、ロシアによるウクライナ侵攻のさらなる長期化、資源・エネルギー価格の高騰、さらに世界各国で続く物価上昇とそれを抑制するための金融引締めの影響などにより、全く予断を許さない状況が続くものと思われます。

 不確実性を増す経営環境において、当社グループの持続的な成長を実現するためには、ガバナンス体制の強化を柱として経営基盤の整備を進め、環境の変化に積極果敢に挑戦することで、お客様のニーズと社会課題への対応を両立させた価値創出を実現し、外部環境に左右されない収益基盤を構築することが必要であると認識しております。

 当社グループは、2022年度を初年度とする中期経営計画のもと、2つの基本方針である「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」「経営基盤の強化」に基づく諸施策を着実に実行してまいりました。さらに、東洋アルミニウムの株式譲渡、当社グループの自動車部品事業の統合、カーボンニュートラル実現に向けた戦略的な取組み、および2021年に判明した品質等に関する不適切行為に係る再発防止への取組み(詳細は、下記「当社グループの品質等に関する不適切行為について」をご覧ください。)等、当社グループの企業価値をさらに向上すべくグループの事業構造の変革および経営の改革に取り組む中、新たに2023年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画を策定することとし、基本方針を以下のとおり定めました。

<基本方針1「新生チーム日軽金への取組み」>

 お客様をはじめとするステークホルダーの皆さまへ確かな価値を提供することで、当社グループがステークホルダーの皆さまから信頼される企業グループに生まれ変わるべく、経営トップが先頭に立ち、強い決意と覚悟をもって経営改革に取り組んでまいります。

 具体的には、東洋アルミニウムの株式譲渡、自動車部品事業統合をはじめとした、グループシナジーを創出するためのグループ資源の最適配分、事業構造の変革を進めてまいります。

 また、脱炭素・循環型社会の実現に向けて素材としてのアルミニウムが注目される中、当社グループの脱炭素戦略全般の立案・実行を統合的に推進するため、本年4月に当社内に「カーボンニュートラル推進室」を新設し、グループを挙げて最適な脱炭素戦略を実行してまいります。

 さらに、品質問題の再発防止の取組みにあたっては、本年4月に新設した当社社長直轄の「改革推進室」が中心となり着実に実行してまいります。

<基本方針2「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」>

 事業部門や開発体制の再構築によるグループ連携体制の強化によりグループシナジーを追求し、サプライチェーン・ライフサイクル全体を通してお客様のニーズを満たし、社会課題の解決にも寄与する多様な商品・ビジネスを提供してまいります。特に、今後の成長分野である環境対応車関連事業においては、既存の関連事業部門を統合して新会社「日軽金ALMO株式会社」を本年10月に発足させ、当該分野における当社グループの確固たる地位の確立を目指してまいります。

 また、経済安全保障の高まりを受けた国内での半導体生産工場増設に対応するため、当期において生産能力増強を決定したクリーンルーム用ノンフロン断熱不燃パネルをはじめ、半導体関連ビジネスに積極的に取り組んでまいります。

 加えて、放熱性や軽量性といった素材としてのアルミニウムの強みを活かした商品の開発・提供により、お客様のニーズが高まっている温室効果ガス削減にお応えするとともに、地球環境保護に貢献してまいります。

 

(当社グループの品質等に関する不適切行為について)

 当社は、当社グループ会社において「鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格(JIS)への適合性の認証に関する省令」に定める基準に関する不適切行為の事実が判明したことを受け、2021年6月に外部専門家等によって構成する特別調査委員会を設置し、調査を実施いたしました。特別調査委員会の調査範囲がJIS認証事業所以外に拡大されたことにより、調査に多くの時間を要することとなり、結果として株主の皆さまをはじめステークホルダーの皆さまへの調査結果のご報告が遅くなりましたことをお詫び申しあげます。

 本年3月29日、特別調査委員会より「調査報告書」を受領いたしました。特別調査委員会による調査の結果、製造方法、試験・検査方法、試験・検査結果の取扱い、報告・公表に関する不適切行為が当社グループにおける18社36事業所にて214件確認されました。

 このような不適切行為により、お客様、株主の皆さまをはじめとするステークホルダーの皆さまに多大なるご迷惑をおかけいたしましたことを改めて深くお詫び申しあげます。また、調査の結果およびその影響を厳粛に受け止め、経営責任を明確にするため、当社代表取締役社長を含む当社役員の報酬を一部減額することといたしました。

 当社は、特別調査委員会による調査結果を真摯に受け止め、後述の再発防止の取組みを経営トップが先頭に立ち、当社グループ全役職員が真剣に実行してまいります。なお、グループ全体の再発防止の取組みの進捗を一元管理する組織である「改革推進室」を設置し取組みの推進を図るとともに、その進捗は定期的に当社ウェブサイトを通して報告いたします。

 当社グループは、ステークホルダーの皆さまから信頼していただける企業グループに生まれ変わるべく強い決意と覚悟をもって再発防止に取り組んでまいる所存です。

 

 特別調査委員会による調査結果、および当社グループの再発防止等の詳細は、下記当社ウェブサイトに掲載しておりますが、再発防止の要点は以下のとおりです。

 当社ウェブサイト https://www.nikkeikinholdings.co.jp/news/news/p2023032901hd.html

 

当社グループの再発防止の取組み

1.経営改革の推進

 ①グループ・ガバナンス体制の再構築 ― グループ連携の強化

   当社グループにおける小規模な事業をより大きく括ることにより、当社グループが保有する開発・製造・品質保証あるいは管理機能を最大限に活用し、個別事業単独での取組みに付随していた経営資源の制約を克服してまいります。

 ②当社とグループ会社の関係再構築

   当社グループ会社間の連携強化によるシナジーの創出を図ることを目的に、当社グループ会社各社が直面する経営課題に対する具体的な方向性や施策について幅広く議論し、当社グループ全体で認識を共有した上で、連携を強化しながら対処することにより、グループ一体経営を図ってまいります。

 ③グループでの経営課題・リスクへの対処

   当社グループ会社各社の独自性を重視しながらも、グループ横断的なリスクマネジメントの取組みを強化し、取り組むべき事項についてマイルストーンやKPIを明確にしながら、実効的な取組みを推進してまいります。

 ④営業・開発・製造・品質保証・その他部門による組織横断的な対応

   当社は不適切行為の動機・正当化の原因または背景として「納期対応」の問題が重要な要因の一つであったと判断しております。こうした納期対応の問題への対処と、営業・開発・製造・品質保証の関係性を再構築すべく、営業・開発・製造が合意できるルール・体制づくりを進めてまいります。

 ⑤品質保証体制の再構築

   急務となっている品質保証体制の再構築という経営課題に対して、開発・製造の現場に対して十分な指導・支援ができるよう、独立性および権限の強化などを柱として品質保証機能・体制を強化するとともに、品質監査の強化、グループ全体での品質保証体制の強化を図ってまいります。

 ⑥不断の検証

   今後、上記の各再発防止の取組みを進め、不適切行為が再発・存在しないかを不断に検証し、不適切行為の防止とともに、その発見と是正に努めてまいります。

 ⑦当社取締役会による監督強化

   当社取締役会は、再発防止のための施策が実効的に進められているかを注視し監督責任を果たしてまいります。また、取締役会の監督機能の実効性を高めるべく、経営課題に即した体制・構成を確保するための取組みや、取締役会での実質的な審議を図るための運営面の改善を継続してまいります。

 

2.内部統制機能の強化

 ①取締役会の監督のもとでの、実効的な内部統制システム構築・運用

   当社取締役会にて決議された内部統制システムの基本方針に基づき、実効的な内部統制システムが構築・運用されるよう監督責任を果たしてまいります。

 ②企業風土の改革

   再発防止の基盤として、不適切行為の背景となった当社グループ役職員の意識や組織の風土を改革していかなければならないと考えております。風土改革は長い期間、不断の努力を必要としますが、経営方針、行動理念、行動規範の見直し、企業理念の役職員への浸透、忌憚なく声を上げられる風土づくりを進めてまいります。

 ③情報の報告・連携の強化

   内部統制システムの実効性を支える情報の報告・連携を強化すべく、「悪い情報ほど早く伝える」ことの徹底を図ってまいります。

 ④コンプライアンス強化活動の推進

   不適切行為の原因または背景にあった「製品の安全性に実害がなければ、仕様・手順・規格等への軽微な不適合があっても構わない」という誤った自己都合的解釈による不適切行為の正当化が行われないよう、今後は法令・規制・規格等の違反リスクを当社グループの「重点対策リスク」に指定し、品質コンプライアンスの向上・浸透のため、教育・指導・支援を継続的に実施してまいります。なお、当社は特別調査委員会の調査結果を受領・公表した3月29日を当社グループの「品質の日」と定め、今般の教訓を忘れず、今後の再発防止の取組みの成果を確認する日としていきます。

 ⑤内部監査部門の強化

   いわゆる「3ラインモデル」で強調されるように、営業・開発・製造(第1ライン)が自らリスクの把握・評価・対処に努め、品質保証部門(第2ライン)が第1ラインのリスク管理を支援・牽制するとともに、内部監査部門(第3ライン)を拡充し、第2ラインひいては第1ラインへと深度を深め実効的な内部監査を行ってまいります。

 ⑥内部通報制度改革

   信頼できる内部通報先として当社グループ役職員に認識されるよう、通報者保護の強化、秘密保持の強化、リニエンシー制度の充実などを図るとともに、内部通報制度の理解・浸透とアクセシビリティの向上に継続的に取り組んでまいります。

 ⑦外部リソースの活用

   再発防止策が確実により効率的に、かつ継続的に実行されるよう、専門人材の登用、外部サービスの利用等、外部リソースの活用を図ります。

 

(5)中期経営計画 主なアクションプラン

 当社グループの事業領域は実に多彩であり、グループ各社が異なる得意分野を持つ特性上、具体的アクションは多岐にわたります。その中でも主なものは下記のとおりです。

 

◆基本方針1「新生チーム日軽金への取組み」

▶ グループの企業価値向上のための構造改革

▶ カーボンニュートラルへの対応

▶ 経営改革の推進および内部統制機能の強化

・お客様、ステークホルダーの皆様に確かな価値を提供し、改めて信頼をいただける企業グループに生まれ変わるべく、東洋アルミニウムの株式譲渡、自動車部品事業をはじめとするグループシナジーを更に創出できるグループ資源の最適配分や事業構造の変革を進めてまいります。

・2030年度での温室効果ガス30%削減(2013年度比)、2050年度でのカーボンニュートラルに向けて、当社に設置した「カーボンニュートラル推進室」により、当社グループの脱炭素戦略全般の立案・実行を統合的に推進いたします。

・経営トップが先頭に立ち、強い覚悟を持って経営改革に取り組んでまいります。4月に当社に設置した「改革推進室」を核に、品質等に関する不適切行為に対する再発防止策を着実に遅滞なく推進します。なお、再発防止の取組みの進捗は定期的に当社ウェブサイトを通して報告いたします。

 

◆基本方針2「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」

▶ お客様ニーズを満足する商品・ビジネスの提供

▶ サプライチェーン・ライフサイクル全体を通じた多様な商品・ビジネスの提供

▶ 社会的課題を解決するためのグループ連携体制の強化

・自動車市場における環境対応車の需要拡大をはじめ市場環境の変化に対応した競争力の向上を図るため、当社グループの自動車部品事業を新会社「日軽金ALMO株式会社」に統合し、お客様へのサービス向上とグループシナジーを追求してまいります。

・経済安全保障の高まりを受けた国内での半導体生産工場増設に対応するため、日軽パネルシステム下関工場に第二工場を設置しクリーンルーム用ノンフロン断熱パネルの生産能力を増強する等、半導体関連ビジネスに積極的に取り組んでまいります。

・放熱性や軽量性といった素材としてのアルミニウムの強みを活かした商品の開発や提供を行っていくことで、お客様からのニーズが高まっている温室効果ガス削減にお応えするとともに、地球環境保護に貢献してまいります。

 

(6)経営指標

①財務指標

 当社グループが持続的に成長していくことを可能とするため、300億円台の経常利益を恒常的に達成できる体制を目指します。「23中計」では、事業部門個々の成長戦略による価値創出とともに、グループ課題への対応を図り、外部環境の変化への耐性が高い収益基盤を構築してまいります。

 

(金額単位: 億円)

 

2022年

3月期

(実績)

2023年

3月期

(実績)

2024年

3月期

(予想)

2026年

3月期

(23中計目標)

売上高

4,866

5,170

5,500

5,300

営業利益

222

75

170

300

経常利益

229

89

160

300

親会社株主に帰属する

当期利益

168

72

75

200

R O C E(%)*

8.7

3.2

5.2

10.3

*ROCE(使用資本利益率):

金利差引前経常利益÷使用資本(自己資本+有利子負債―現預金)

 

②利益配分の基本方針

 「財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、中長期的な視点から連結業績等を総合的に勘案し株主の皆さまへの配当を実施する」ことを基本方針としております。利益還元の指標といたしましては、自己株式の取得を含む総還元性向を30%以上とし、配当額等を決定させていただきます。

 

2023年3月期

 

2024年3月期

 

23中計最終年度

2026年3月期

中間実績

期末予定

中間予想

期末予想

年間目標

配当

40円

10円

10円

40円

100円

 

 自動車や半導体関連をはじめとする成長分野における事業拡大と、基盤ビジネス分野における需要創造・収益力拡大に向けた投資に加え、経営基盤の強化、研究開発や人財育成、及びカーボンニュートラルなど将来に向けての投資を行い、企業価値の向上に努めます。

「23中計」の諸施策の実施により収益力を高めたうえで、事業構造の見直しや資本効率の改善を図り、PBR向上を意識した経営に努めてまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組み

 ① 戦略

 当社グループは「アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく」ことを経営理念としており、サステナビリティを巡る課題への対応について、社会の持続可能な発展を実現すべく、サプライチェーン全体での環境負荷低減や責任ある調達・生産・供給、従業員の幸せの追求などに取り組んでおります。具体的な事業を通じた取組みとしては、アルミ二次合金(リサイクル)事業はもとより、環境対応車関連事業、半導体(5G)関連事業、インフラ関連事業、コールドチェーン関連事業などを推進してきたとともに、それらの基盤となるものとして、最優先事項である労働の安全衛生の確保や、働きがいのある職場づくりなどに取り組んできました。

 当社グループがサステナビリティを巡る課題への対応に関しどのような外部環境の変化を予測し、それをどのようなリスク・機会と捉えているか、また、財務・非財務の各資本を事業活動へ投入し、ステークホルダーへの価値提供、社会的価値の創出による各資本の循環を通じて人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していくプロセス、今後取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を、統合報告書の価値創造プロセスで開示しております。また、各事業におけるサステナビリティの取組み、価値創造の基礎となる活動についても、統合報告書で開示しております。

 統合報告書2022(https://www.nikkeikinholdings.co.jp/ir/ir-data/p3.html)

 今後、特定したマテリアリティを基に長期的視野で描いた目指すべき姿に照らして現在の事業や各種取組みを評価し、評価結果に基づくサステナビリティ課題への短期・中期の取組み方針を中期経営計画・サステナビリティ推進計画に盛り込み、評価、改善、計画、実行のプロセスを回して、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を推進していきます。また、これと併せて、サステナビリティ経営の視点を踏まえた長期的な取組み方針を、経営方針に織り込んでいきます。

 2022年度においては、上記方針を盛り込んだ当年度を初年度とする中期経営計画・サステナビリティ推進計画を策定するとともに、サステナビリティ経営の視点を踏まえた重要課題(マテリアリティ)を盛り込んだ経営方針(日軽金グループ経営方針)の改定を行いました。その後、当社グループを取り巻く事業環境の変化を受け、改めて2023年度を初年度とする中期経営計画・サステナビリティ推進計画を策定しました。

 また、脱炭素・循環型社会の実現に向けて素材としてのアルミニウムが注目される中、当社グループの脱炭素戦略全般の立案・実行を統合的に推進するため、2023年4月に当社内に「カーボンニュートラル推進室」を新設し、グループを挙げて最適な脱炭素戦略を実行するべく、活動を進めております。

 

 ② ガバナンス

 当社グループの持続的な成長及び企業価値創造のためには様々な経営課題があります。その中で特に重要な21の課題を重要課題(マテリアリティ)として特定し、それらを「地球環境保護」「持続可能な価値提供」「従業員の幸せ」「責任ある調達・生産・供給」「企業倫理・企業統治」の5つの重要課題テーマに再分類し、グループCSR委員会、グループ経営会議の審議を経て、取締役会で承認しております。重要課題(マテリアリティ)についてはそれぞれのKPI(評価指標)及び目標値を設定し、その達成に向けて、取締役会やグループ経営会議での議論だけでなく、グループ経営会議の下部組織である各種委員会等において、具体的なアクションプランの立案・審議を行っております。

 例えば、「地球環境保護」や「持続可能な価値提供」というテーマに対しては、社長を委員長とする「グループ環境委員会」や「グループCSR委員会」を設置しており、当社取締役(社外取締役を除く)、執行役員及び当社グループ内より広く選出されたメンバーなどで構成されたこれらの委員会のもとで、気候変動への対応を含むサステナビリティ推進計画を策定しております。

 また、「従業員の幸せ」というテーマに対しては、「グループ安全衛生委員会」や主要グループ各社の人事担当部長が参集する定例会議などを設置し、労働の安全衛生、働きがいのある職場づくり、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)、人財の確保・育成といった重要課題についての対応方針を協議し、その達成に向けての取組みを進めております。

 なお、コーポレート・ガバナンス体制については、「第4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 2.企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由 ①企業統治の体制の概要」に記載しております。

 

 ③ リスク管理

 当社グループでは重要課題(マテリアリティ)を管理するために、各重要課題におけるリスクと機会の分析を進め、分析の内容については上記の各種委員会等に報告し、リスク管理計画の策定を進めると同時に、取締役会への定期的な報告も行うことでリスクへの対応を強化していきます。

 

 ④ 指標及び目標

 当社グループの重要課題(マテリアリティ)に設定したKPI(評価指標)、目標値及び2021年度の実績は次の通りであります。なお、2022年度の実績については、統合報告書2023及び当社ホームページにて開示いたします。

5つの

重要課題テーマ

重要課題

主なKPI(評価指標)及び

2021年度実績

目標(*1)

地球環境

保護

●自社での温室効果ガス削減

(スコープ1、2)

●サプライチェーンでの温室効果ガス

 削減(スコープ3)

●気候変動への対応(TCFD)

●水ストレスへの対応

●環境汚染の防止

●スコープ1、2総排出量

(売上高原単位、国内のみ)

 2021年度:1.58㌧‐CO2/百万円

●2013年度比△30%

●2050年度:実質ゼロ

●スコープ3総排出量

(売上高原単位、国内のみ)

 2021年度:4.51㌧‐CO2/百万円

●2013年度比△30%

●2050年度:実質ゼロ

●環境事故・苦情件数

 2021年度:環境事故3件、環境苦情7件

●0件

●2050年度:0件の継続

持続可能な

価値提供

●再生可能エネルギーの利用拡大への

 取組み

●低炭素商品・サービスの開発、提供

●循環型経済・社会の推進

●強靭なインフラ整備、提供

●食料の安定供給への貢献

●イノベーションによる未来づくり

●環境対応車向け売上高伸長率(国内)

●2021年度比:300%増

●外部スクラップ購入比率

●グループ全体:30%超

従業員の

幸せ

●労働の安全衛生

●働きがいのある職場づくり

●ダイバーシティ&インクルージョン

●人財の確保、育成

●休業災害件数

 2021年度:国内15件

●0件

●2050年度:0件の継続

●男性の育児休暇取得率

 2021年度:18.5%(国内)

●2024年度:30%以上(国内)

●2030年度:50%以上(国内)

●女性管理職比率

 2021年度:5.4%(連結)

●2024年度:7%以上(連結)

●2030年度:10%以上(連結)

●次期経営者層研修受講者

 2021年度:13名(国内)

●管理職層研修受講率

 2021年度:100%(日本軽金属㈱単体)

●次期経営者層:毎年10名以上の継続

●管理職層:管理職登用者の100%

 

 

5つの

重要課題テーマ

重要課題

主なKPI(評価指標)及び

2021年度実績

目標(*1)

責任ある

調達・生産・供給

●安全、安心な商品・サービスの提供

●人権の保護、尊重

●安定したサプライチェーンの構築

●変化に柔軟で強靭なバリューチェーン

●CSR調達方針の理解と賛同を確認するアンケートに回答した主要サプライヤー(*2)の回答回収率

 2021年度:35%

●100%

●品質速報件数

 2021年度:15件

●0件

●2050年度:0件の継続

企業倫理・

企業統治

●ガバナンスの強化

●コンプライアンス体制の強化

●取締役会の自己評価実施回数

 2021年度:1回

●社外役員への事業所視察等の機会提供の回数

●年間1回以上実施の継続

 

●年間2回以上の実施

●内部通報制度への信頼度

 2021年度:管理職46%、一般29%

●従業員匿名サーベイでのポジティブ回答率:管理職60%、一般50%

●コンプライアンス教育実施率

 2021年度:11%

●役員・従業員の教育実施率:年間80%以上

 (注)*1.特に言及のないものは2030年度目標

    *2.グループ総購買金額カバー率80%を満たすサプライヤー

 

 

(2)気候変動への対応(TCFDに基づく開示)

 ① 戦略

 当社グループはTCFDの提言に基づいた開示を行うにあたり、シナリオによる影響の違いが分かりやすいように、成り行きで想定される4.0℃と最も強い規制が整備された場合である1.5℃の、2つのシナリオに基づいた分析を進めております。対象年度については、分析結果に一定程度以上の確からしさを担保するため、2030年度としております。

 また、当社グループはさまざまな事業領域を抱えるため、2022年度は日本軽金属㈱を対象とした分析からはじめております。リスクと機会の影響度については、日本軽金属㈱における主要部門である、化成品事業と板事業を中心とした算定を進めております。現時点では、2030年度の世界観を外部参考資料を基に想定し、そこで発生し得るリスクと機会をリストアップしました。

 そして、それぞれの項目について想定されるシナリオごとの影響度を、発生可能性と実際に発生した場合の影響の大きさの2つの観点から評価し、マッピングしました。その主な項目は次の通りとなっております。

 

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区分

リスク・機会のシナリオ内容

影響度

4.0℃

シナリオ

影響度

1.5℃

シナリオ

リスク

移行

政策・法規制

リスク

炭素税の導入や炭素価格の上昇が、自社商品にかかわる原材料の調達や製造コストを増加させ、収益を圧迫するリスクがある。

移行

政策・法規制

リスク

CO2排出権取引に係る直接的なコストが発生するほか、排出削減目標の国ごとの相違によるサプライチェーンの地域バランスの変化により、原材料コストが上昇する可能性がある。

中~高

移行

技術リスク

脱炭素やリサイクル新技術の開発などに向けた投資コストが増加するほか、新技術の開発遅延により市場での優位性が低下する可能性がある。

低~中

中~高

移行

市場リスク

気候変動への対応が遅れた場合、顧客要求水準を満たせずにビジネス上の悪影響が発生する可能性があるほか、金融機関の脱炭素方針により資金調達コストが増加する恐れがある。

中~高

物理

急性

大規模な台風や豪雨が高頻度で発生すると、浸水・洪水による生産活動停止やサプライチェーン寸断リスクのほか、設備等の損傷及び補修コスト、損害保険料の上昇リスクがある。

機会

移行

商品・

サービス

環境対応車をはじめとする低炭素製品へのアルミニウム部材の採用が増加し、拡販による増収及び商品ライフサイクルを通じた低炭素社会への貢献が期待できる。

移行

資源の効率性

リサイクル率の向上や水平リサイクルの推進により、資源効率のよい素材として見直され、アルミニウム商品の需要や認知が高まる。

中~高

 

 

 ② ガバナンス

 気候変動への対応に関する体制として、社長を委員長とする「グループ環境委員会」や「グループCSR委員会」を設置しており、これらの委員会のもとで、気候変動への対応を含むサステナビリティ推進計画を策定しております。また、当社グループ内より広く選出されたメンバーによるタスクフォースチームが「2050年カーボンニュートラル対応」や「リサイクル推進」をテーマとして活動を展開しております。

 さらに、2023年4月に当社に設置した「カーボンニュートラル推進室」が、温室効果ガスを2013年比で2030年に30%削減、2050年度に実質ゼロという目標に向けて、当社グループの脱炭素戦略の立案・実行を統合的に推進いたします。

 

 ③ リスク管理

 当社グループは、気候変動リスクを経営上の重要なリスクの一つとして捉え、管理するために、2030年までのリスクと機会のシナリオ分析を行っております。重要性が高いと判断した項目については、今後、定量分析を行った上で開示内容を拡充し、目標達成に向けた取組みを推進していきます。

 また、現時点では日本軽金属㈱のみを対象にしておりますが、2023年度は当社グループ全体における影響度の分析へと範囲を広げる予定としております。その後はさらに長期的な視点に立ち、2050年のシナリオ分析も行っていくことを目標にしております。

 分析内容については「グループ環境委員会」や「グループCSR委員会」に報告し、リスク管理計画の策定を進めると同時に、取締役会への定期的な報告も行うことで、気候変動リスクへの対応を強化していきます。

 

 ④ 指標及び目標

 スコープ1、2にスコープ3も加えて、2050年のカーボンニュートラルを目指し、2030年の温室効果ガス排出量(売上高原単位)を2013年度(スコープ1+2:2.07㌧-CO2/百万円、スコープ3:5.60㌧-CO2/百万円)比で30%削減する目標に向けた取組みを推進していきます。

 当社グループのCO2排出量(スコープ1、2、3)の実績(2021年度)は、次のとおりであります。2021年度の実績は増産に伴い前年度比で総排出量は増加したものの、2021年度のCO2排出量売上高原単位目標は達成しました。なお、2022年度の実績については、統合報告書2023及び当社ホームページにて開示いたします。

 

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 (算定基準)

 *集計範囲:国内連結子会社(製造)31社/海外連結子会社(製造)13社

 *温室効果ガス排出量(スコープ1、2)は、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)」および「地球温暖化対策の推進に関

 する法律(温対法)」に基づいて計算しており、次のCO2排出係数を使用しております。/国内電力:電気事業低炭素社会協議会公表の前年度

 使用端CO2排出係数/海外電力:IEA「CO2 FCOMB 2017」の各国別CO2排出係数/燃料:環境省令の各燃料の単位当りのCO2排出係数(日本軽金属

 ㈱蒲原製造所の水力発電由来の電気は、国内電力CO2排出係数を使用)

 *実績値はエネルギー起源CO2排出量のみです。

 

(3)人的資本

(ア)人財戦略

 当社グループは、経営方針で「グループ内外との連携を深化させ、お客様へ多様な価値を継続的に提供する」という基本方針を掲げております。お客様への価値提供の前提となるグループ内連携にはグループエンゲージメントの強化が欠かせません。そして価値創出につながるグループエンゲージメントの前提となるのはグループ各社と各従業員との強固な従業員エンゲージメントであると認識しております。当社グループでは「働きがい」と「働きやすさ」が両立した職場づくりを通じて「従業員の幸せ」を向上させることでエンゲージメントの強化に努め、同時にグループ横断的なイベント等の開催を通してグループエンゲージメントの強化に努めております。

 

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(イ)人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針

 当社グループの人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針(人財育成方針)は次の通りです。

 

〇人財育成方針

 ◆人財が全ての基盤との認識の下、以下の三要件を兼ね備えたグループ中核人財を計画的に育成します。

  ・グループ内外との連携を通じて新たな価値を創出する人財

  ・強い達成志向と高い倫理観を同時に持ち合わせた人財

  ・周囲の人財に健全な関心を持ちその成長を支援する人財

 ◆計画的な人財育成に向けて多様な教育プログラムを整備、提供します。

 ◆従業員の自主性を尊重し本人意向を踏まえたキャリアパスにより個の力の強化を図ります。

 ◆永続的な人財輩出のために後進育成への注力を成果創出と同等に評価します。

 

〇体制

 人財育成の体制としては、グループ各社で実施される研修・教育に合わせて、近年は特にグループ全体で実施される研修・教育に注力しております。現在では多種多様な研修に延べ約30社のグループ会社が参加するに至っております。

 従来は日本軽金属㈱の研修体系にグループ各社が任意で参加する形を採っておりましたが、総合職に関しては2025年度をめどに国内グループ全社を対象とした必須受講の統一研修に移行する計画です。統一研修への移行によりグループ全体の育成体制のレベルアップを図り、同時に経営方針の共有・理解、教育機会を通じた人的つながりの促進により「チーム日軽金」のさらなる強化を目指していきます。

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(ウ)社内環境整備に関する方針

 当社グループの社内環境整備に関する方針(社内環境整備方針)は次のとおりです。

 

〇社内環境整備方針

 ◆全ての人財が健康で安全に働ける職場をつくります。

 ◆コミュニケーション豊かな安心と働きがいにあふれた職場をつくります。

 ◆多様な価値観を尊重し全員が生き生きと働ける職場をつくります。

 

〇体制

 職場づくりは、グループ各社の職場単位での取組みによる部分が大きい一方、当社グループとしてはマクロの視点で「従業員の幸せ」につながる取組みについて、主要グループ各社の人事担当部長が参集する定例会議で検討を行い、さらに年1回開催するグループ人事担当者会議で計画及び成果を共有する体制を採っております。

 特に従業員の「働きやすさ」に資する部分の大きい福利厚生投資については、主要グループ会社の投資計画・実績及び中期計画について年次で調査・共有を行っております。好事例のグループ内展開などを通じてより効果的な福利厚生投資を追求しております。

 

  (エ)指標及び目標

 当社グループは5つの重要課題(マテリアリティ)のテーマの一つである「従業員の幸せ」に関して、指標及び目標を設定し、具体的なアクションプランに基づいてその達成に取り組んでおります。KPI(評価指標)、目標値及び2021年度の実績は「(1)当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組み ④ 指標及び目標」に記載しております。なお、2022年度の実績については、統合報告書2023及び当社ホームページにて開示いたします。

3【事業等のリスク】

 当社グループは、事業戦略に対して直接または間接の損失発生、事業の中断や停止、信用・ブランドイメージを損なう等のリスクについて管理を行っております。

 なお、紛争や政治的な不安による地政学的リスク、原材料価格の高騰のような経済的リスク等をはじめとするサプライチェーンリスクに対しても、事業別に総合的分析を行い、事前に軽減策を検討しております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあると考えております。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済情勢及び景気動向等

 当社グループは、コモディティビジネスから脱却して経済情勢及び景気動向に左右されにくい強固で安定した経営基盤の構築を目指して事業運営をしておりますが、当社グループの製品需要は販売している国・地域の経済情勢及び景気動向の影響を免れるものではなく、特に日本国内の景気後退による需要の縮小、あるいは顧客ニーズの大幅な変化は、販売減少等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替相場の変動

 当社グループの外貨建ての売上、費用、資産、負債等の項目は、連結財務諸表作成のために邦貨換算しており、換算時の為替相場により現地通貨ベースの価値に変動がなくても邦貨換算後の価値に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、為替変動が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するために、外貨建ての資産・負債の一部について先物為替予約等によりヘッジを実施しておりますが、為替変動が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 金利動向

 当社グループの金融機関等からの借り入れには変動金利によるものが含まれており、これに係る支払利息は金利変動により影響を受けます。当社グループは、金利変動が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するために、変動金利の借り入れの一部について金利スワップ契約によりヘッジを実施しておりますが、金利変動が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 商品市況変動等

 当社グループは、主要原材料であるアルミニウム地金等を海外(国内外商社経由を含む)から調達しております。アルミニウム地金等の価格変動に対しては長期契約や先渡取引によるヘッジの実施に加え、基本的に価格変動部分は製品価格に転嫁しております。また、重油等の燃料価格や補助原材料の価格、原材料等を輸入する際の船賃等の仕入に係る価格変動についても、価格上昇を当社グループの製品価格に転嫁することを基本としております。しかしながら、価格上昇の製品コストへの影響を完全に排除できるわけではなく、特に最終ユーザーに近い加工製品等については、アルミニウム地金等の価格上昇分等を直接製品価格に転嫁することが困難となる場合があります。当社グループは商品市況変動等が財政状態及び経営成績等に及ぼす影響を軽減するため、コスト削減及びより高付加価値の製品への転換等により対処を図っておりますが、商品市況変動等が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事故・自然災害

 火災、地震、水災、停電等の災害を想定して、近隣まで含めた災害発生時の対処、復旧計画、各種損害保険加入による対策、データのバックアップ体制等について、製造設備関連のみならず情報システム関連についても訓練・点検等を実施し、定期的に内容の見直しを行っておりますが、災害発生により損害を被る可能性があります。
 かねてより大地震発生の可能性が言及されてきた、東海、東南海、南海トラフの連動巨大地震に対して、当社グループとしても、製造現場での防災対策等、重点的に対処しておりますが、大地震発生により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 公的規制

 当社グループは、日本国内のみならず事業展開する各国において、事業の許認可、国家安全保障、独占禁止、通商、為替、租税、特許、環境等、様々な公的規制を受けております。当社グループは、これらの公的規制の遵守に努めておりますが、将来、コストの増加につながるような公的規制や、当社グループの営む各事業の継続に影響を及ぼすような公的規制が課せられる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 係争事件等

 当社グループは、日本国内のみならず各国において法令遵守に努めておりますが、広範な事業活動の中で、今後係争事件等の対象となる可能性があり、裁判等で不利益な判決や決定がなされる場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 債務保証等

 当社グループは、投資先の借入金等に対しての債務保証契約等を金融機関等との間で締結しております。当社グループでは、債務保証等の履行を要求される可能性は僅少であると判断しておりますが、将来、債務保証等の履行を求められる状況が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製品・サービスの品質

 当社グループでは、社会やお客様からの要求事項や関連法令を把握し遵守することを徹底し、安全で安定した製品やサービスを提供し続けていくために、品質保証・管理活動を推進しておりますが、製品・サービスに関する品質問題が生じた場合は、顧客等から代品納入や補償等を求められるほか、製品・サービスへの信頼性低下から売上が減少する等により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 雨畑ダム堆砂対策

 当社の連結子会社である日本軽金属㈱が保有する雨畑ダム(山梨県南巨摩郡早川町)上流の雨畑川の水位が2019年8月の台風10号、同年10月の台風19号などによる豪雨の影響を受け上昇したことにより、周辺地域で浸水被害が発生いたしました。現在、地域の皆さまの安全を最優先に、関係各所との連携により浸水被害を防ぐための対策を進めております。また、国土交通省より抜本的な解決に向け、堆砂対策の計画を取りまとめ、計画的に取り組むよう指導されております。
 この状況を厳粛に受け止め、日本軽金属㈱は国土交通省、山梨県及び早川町との4者で構成する雨畑地区土砂対策検討会を設立し、周辺地域における浸水被害発生に対する応急対策、及び堆積土砂の抜本対策について検討を重ね、その内容に基づき雨畑ダム堆砂対策基本計画を策定し、その実行に伴う費用等を合理的に見積り、堆砂対策引当金という名称で連結貸借対照表に計上しております。今後の工事等の進捗状況によって見積りの前提となっている仮定に変更が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があり、そのリスク内容は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 日本軽金属㈱は、基本計画に基づき対応を進めており、応急対策(堤防設置)、短期計画(2020年度~2021年度の土砂搬出計画)を概ね計画通り進捗させました。2022年度からの中期計画(2022年度~2024年度の土砂搬出計画)についても、関係機関との協議を重ね、具体的な搬出計画に基づき着実に実行し、今後も、地域の皆様の安全確保を最優先に、関係機関のご協力もいただきながら、誠心誠意対応してまいります。

 

(11) 品質不適切行為に関する対応

当社グループ会社において「鉱工業品及びその加工技術に係る日本産業規格(JIS)への適合性の認証に関する省令」に定める基準に関する不適切行為の事実が判明したことを受け、2021年6月に外部専門家等によって構成する特別調査委員会を設置し、以降、特別調査委員会の調査範囲をJIS認証事業所以外に拡大して調査を実施いたしました。当社は、2023年3月29日に特別調査委員会より「調査報告書」を受領し、同日公表しております。

なお、同調査において判明した不適切行為については、関連する顧客等への事実関係および製品の安全性の説明等を進めております。今後の進捗次第では、顧客等への補償費用を始めとする損失等の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

当社は、特別調査委員会による調査結果を真摯に受け止め、再発防止の取組みを経営トップが先頭に立ち、当社グループ全役職員が真剣に実行してまいります。なお、グループ全体の再発防止の取組みの進捗を一元管理する組織である「改革推進室」を設置し取組みの推進を図ります。

 

 なお、現時点では予想できない上記以外の事象により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による影響の緩和が進みましたが、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、原燃料価格の高止まり、半導体の供給不足等によるサプライチェーンの停滞に加えて、期の後半は世界的な金融引締め等、経済活動抑制の影響により、景気減速懸念が広がりました。わが国においても、景気は昨年夏場までは持ち直しの動きがみられたものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、注視が必要な状況が続きました。

 アルミニウム業界においては、自動車関連をはじめとして総じて需要は低迷し、アルミニウム製品の国内総需要は前期を下回りました。また、原料となるアルミニウム地金などの価格は、前期まで続いた価格上昇の動きから下落基調に転じましたが、なお高い水準で推移しました。

 当期の業績は、以下のとおりです。

 アルミニウム地金市況や原燃料価格を反映した販売価格の改定により、売上高は前期を上回りました。他方、自動車関連やトラック架装事業での販売減少や半導体製造装置向け厚板の出荷低迷に加えて、原燃料価格の高騰によるコスト上昇が利益を圧迫したことにより、営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、前期を大きく下回りました。

 

連結経営成績

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

当連結会計年度

(2023年3月期)

前連結会計年度

(2022年3月期)

比較増減

(△印減少)

売上高

516,954

486,579

30,375

(6.2%)

営業利益

7,539

22,198

△14,659

(△66.0%)

経常利益

8,859

22,928

△14,069

(△61.4%)

親会社株主に帰属する

当期純利益

7,203

16,759

△9,556

(△57.0%)

 

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。

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(アルミナ・化成品、地金)

アルミナ・化成品部門におきましては、主力の水酸化アルミニウムおよびアルミナ関連製品では、凝集剤向けで販売が堅調に推移し、化学品関連でも有機塩化物を中心に販売が増加したことに加えて、販売価格を改定したことにより売上高は前期を大幅に上回りました。損益面では原燃料価格の高騰の影響が大きく、ほぼ前期並みとなりました。

地金部門におきましては、主力の自動車向け二次合金分野において、国内の自動車減産や中国での都市封鎖によるサプライチェーンへの影響はあったものの、アルミニウム地金市況を反映して販売価格が上昇したことにより、売上高は前期を大幅に上回りました。一方、採算面では原燃料価格の高騰等により、前期と比べ大幅な減益となりました。

 以上の結果、アルミナ・化成品、地金セグメントの売上高は前期比22.2%増の1,559億81百万円となりましたが、営業利益は前期比21.7%減の102億1百万円となりました。

 

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(板、押出製品)

 板製品部門におきましては、リチウムイオン電池向けや半導体製造装置向け厚板などにおいて販売が減少したものの、アルミニウム地金市況を反映した販売価格が前期より高い水準であったことから、売上高は前期を上回りました。一方、採算面では、上記商品の販売減少に加え、原燃料価格高騰によるコスト上昇の影響もあり、前期と比べ大幅な減益となりました。

 押出製品部門におきましては、自動車関連向けやトラック架装向けにおいて、半導体供給不足などによる自動車やトラックシャシーの減産影響により、売上高は前期を下回りました。損益面は販売の減少に加え、原燃料価格の高騰の影響により、大幅に悪化しました。

 以上の結果、板・押出製品セグメントの売上高は前期比5.7%減の1,073億99百万円、営業損益は前期の75億18百万円の利益から80億59百万円悪化の5億41百万円の損失となりました。

 

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(加工製品、関連事業)

主要部門の概況は以下のとおりであります。
 輸送関連部門におきましては、トラック架装事業は、半導体不足に端を発するトラックシャシーの減産やサプライチェーン混乱の影響が継続しており、売上高は前期を大幅に下回りました。損益面でも、販売価格改定の効果が十分に発現していないことに加え、販売台数の大幅減少とアルミニウムや鋼材などの材料価格上昇が響き、大幅に悪化しました。

熱交製品事業は、エアコン用コンデンサが、主力の軽自動車向けを中心に下期から需要が回復したことなどにより、売上高は前期を上回りましたが、原燃料価格高騰の影響などにより、損益面ではほぼ前期並みとなりました。

素形材製品事業は、自動車業界の需要が不安定となった影響から主力のブレーキキャリパーや車載空調品の販売が減少したものの、新商品の増販や、販売価格がアルミニウム地金市況を反映して上昇したことにより、売上高は前期を大幅に上回りましたが、採算面では原燃料価格高騰の影響により、減益となりました。

電子材料部門におきましては、半導体をはじめとした電子部品業界全体の需要の落ち込みによりアルミ電解コンデンサ用電極箔の販売が減少したことに加え、原燃料価格高騰の影響により、減収減益となりました。

パネルシステム部門におきましては、冷凍・冷蔵分野では、冷凍食品やネット販売の利用増により物流拠点への設備投資が活発な状況にあったものの、一部大型物件で建設資材の調達難による工期延期の影響もあり、売上高は前期並みとなりました。クリーンルーム分野では、半導体関連工場向けの需要の高まりに支えられ、売上高は前期を上回りました。この結果、部門全体としては増収増益となりました。

景観エンジニアリング部門におきましては、都市景観向けおよび構造物向けともに需要が低迷した一方、道路・橋梁向けで点検用足場製品の需要が好調となり、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、建設資材価格が高騰した影響により、損益面ではほぼ前期並みとなりました。

炭素製品部門におきましては、主力の鉄鋼業界向けカーボンブロックの需要が減少した一方、アルミ製錬用カソードブロックなどの販売が増加した結果、売上高はほぼ前期並みとなりましたが、採算面では原燃料価格高騰の影響により、減益となりました。

以上の結果、加工製品、関連事業セグメントの売上高は前期比0.2%減の1,531億67百万円、営業利益は、トラック架装事業における厳しい状況等を受け、前期比98.4%減の59百万円となりました。

 

 

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(箔、粉末製品)

 箔部門におきましては、リチウムイオン電池外装用箔は自動車減産影響の継続により前期を下回る販売であったものの、医薬包材向け加工箔が好調であったことに加え、アルミニウム地金市況を反映した販売価格上昇や原燃料価格高騰を受けた販売価格改定により、部門全体としては、増収増益となりました。

 パウダー・ペースト部門におきましては、粉末製品では電子材アルミパウダーや窒化アルミニウムの放熱用途での販売が上半期は堅調に推移したものの、下半期は在庫調整局面に入りました。また、ペースト製品のうち、主力の自動車塗料向けは、国内は自動車減産の影響が継続したものの、海外向けの販売が増加しました。この結果、部門全体の売上高は前期を上回りましたが、原燃料価格高騰の影響を受け損益面では悪化しました。

 日用品部門におきましては、コンシューマー向けはコロナ禍前への回帰による在宅需要の減少はあったものの、ハウスケア用品やアルミホイルの販売は概ね堅調に推移し、また、パッケージ用品向けでは、冷凍食品向けの販売が好調に推移しました。この結果、部門全体の売上高は、販売価格改定を実施したこともあり前期を上回りましたが、採算面では原燃料価格高騰の影響を吸収しきれず、減益となりました。

 以上の結果、箔、粉末製品セグメントの売上高は前期比9.5%増の1,004億7百万円となりましたが、営業利益は前期比3.3%減の15億18百万円となりました。

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当期末における連結ベースの現金及び現金同等物については、前期末に比べ138億82百万円(30.7%)減少の312億63百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは6億95百万円の収入にとどまりました。これは売上債権をはじめとした運転資金の増加や堆砂対策引当金の目的使用等の支出などの影響によるものです。なお、営業活動によるキャッシュ・フロー収入は前連結会計年度と比べ7億92百万円減少しておりますが、これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは151億23百万円の支出となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出によるものです。なお、投資活動によるキャッシュ・フロー支出は前連結会計年度と比べ28億98百万円減少しておりますが、これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは85百万円の収入となりました。これは主として短期借入金の増加によるものです。なお、財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度の6億26百万円の支出に対し、当連結会計年度は85百万円の収入となっておりますが、これは主に配当金の支払いが減少したことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績及び受注実績

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、また、受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため、生産実績及び受注実績については、「①財政状態及び経営成績の状況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。

(b)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

 

アルミナ・化成品

38,570

16.6

 

地金

117,411

24.2

 

アルミナ・化成品、地金

155,981

22.2

 

板製品

54,713

△11.8

 

押出製品

52,686

1.6

 

板、押出製品

107,399

△5.7

 

輸送関連製品

67,309

△7.9

 

その他

85,858

6.9

 

加工製品、関連事業

153,167

△0.2

 

箔、粉末製品

100,407

9.5

 合計

516,954

6.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.当連結会計年度において、主要な販売先として記載すべきものはありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 2022中期経営計画レビュー

 事業環境が大きく複雑に変化する中、当社グループにおいては、昨年5月、2022年度を初年度とする中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定し、その基本方針に基づく施策を着実に実行してまいりました。

 基本方針1「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」では、お客様のニーズを満たし、社会課題の解決にも繋がる商品・ビジネスの提供をグループ内連携により進めてまいりました。例えば、環境対応車関連では、当社グループにおいて素材から組立まで対応したパワーデバイス冷却器の量産、新規受注の拡大など、部品ビジネスが伸展いたしました。また、米国における自動車軽量化ニーズに対応すべく、自動車足回り部品の生産拠点であるニッポン・ライト・メタル・ジョージア社の操業を2023年1月に開始し、グローバルな供給体制の確立に向け大きな一歩を踏み出しました。

 また、日軽パネルシステム株式会社は、国内における半導体関連工場向けの需要増に対応するため、クリーンルーム用ノンフロン断熱不燃パネルの増産を決定し、下関第2工場の建設に着手しました。加えて、当社グループにおけるカーボンニュートラルに向けた取組みとして、お客様と共同で、廃棄される新幹線車両構体を新規車両の構体として資源循環利用するアルミ水平リサイクルを実現するなど、二酸化炭素排出量削減に向けた取組みを加速させております。

 基本方針2「経営基盤の強化」では、カーボンニュートラル社会への移行に向けた対応として省エネ推進・燃料転換を進めたほか、労働の担い手不足の克服や従業員の幸せ向上を目的として、デジタル技術などを活用した業務効率改善・安全性向上に鋭意取り組みました。

 また、こうした活動の課題をステークホルダーの皆さまにお示しすべく、多様化する社会課題やお客様のニーズへの取組みと当社グループの重要課題(マテリアリティ)を踏まえた経営理念や基本方針を「日軽金グループ経営方針」として改めて定義いたしました。

 

② 当連結会計年度の財政状態の分析

 当社グループは、より健全で強固な経営体質にすることを狙いとした中期経営計画の諸施策と並行し、財務体質改善のための有利子負債削減や自己資本の充実に注力しております。

 当連結会計年度末の総資産は、堆砂対策計画の実行に伴う支出等による現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末と比べて64億円減の5,262億1百万円となりました。
 負債は、同計画の実行による堆砂対策引当金の減少などにより、前連結会計年度末に比べて62億51百万円減の3,054億43百万円となりました。
 純資産は、非支配株主を有する連結子会社の当期純損失の計上や清算に伴う非支配株主持分の減少などにより、前連結会計年度末と比べて1億49百万円減の2,207億58百万円となりました。この結果、自己資本比率(期末純資産から非支配株主持分を控除したベース)は、前連結会計年度末の38.1%から39.0%となりました。

 

③ 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)概要

 当連結会計年度の売上高は5,169億54百万円(前連結会計年度比 6.2%増、303億75百万円増)、営業利益は75億39百万円(同 66.0%減、146億59百万円減)、経常利益は88億59百万円(同 61.4%減、140億69百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益は72億3百万円(同 57.0%減、95億56百万円減)となりました。

 

(b)営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ、146億59百万円減の75億39百万円となりました。営業利益のセグメント毎の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。

 

(c)営業外収益・費用

 営業外収益は、為替差益が増加したことなどにより、前連結会計年度と比べ、17億25百万円増加し、69億58百万円となりました。
 営業外費用は、前連結会計年度には計上していない事業再編費用を営業外費用に計上したことなどにより、前連結会計年度と比べ、11億35百万円増加し、56億38百万円となりました。

 

(d)特別利益・損失

 特別利益は、持分変動利益として18億83百万円を計上いたしました。持分変動利益の内容については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係)」に記載のとおりであります。

 

(e)税金費用等

 当連結会計年度の税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、課税所得が減少したこと等により、前連結会計年度と比べ、28億33百万円減少し、50億91百万円となりました。
 非支配株主に帰属する当期純損失は、主として子会社である日本フルハーフ㈱の非支配株主に帰属する損失であり、当連結会計年度は15億52百万円となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性に関する分析

(a)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ138億82百万円(30.7%)減少の312億63百万円となりました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ、7億92百万円(53.3%)減少し、6億95百万円の収入にとどまりました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによるものです。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の180億21百万円の支出に対し、当連結会計年度は151億23百万円の支出となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入が増加したことによるものです。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度の6億26百万円の支出に対し、85百万円の収入となりました。これは主に配当金の支払いが減少したことによるものです。

 

(b)資金需要・調達及び流動性について

 当社グループは、事業活動のための適切な資金確保、充分な流動性の維持に留意しております。当社グループの資金需要としては、製品製造のための原料及び操業材料の購入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業活動に係る運転資金需要、製造設備の購入及び事業買収等の投資活動に係る長期資金需要があります。
 当社グループは、資金調達に当たって資金の安定性強化と資金コストの低減に傾注しつつ、社債の発行や、主力銀行をはじめとする幅広い金融機関からの借り入れによる調達を行なっております。
 また、流動性に関して、当社グループは金融情勢の変化等を勘案しながら、現金同等物の残高が適正になるように努めております。
 当社グループの営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度14億87百万円、当連結会計年度6億95百万円の収入であり、前連結会計年度に比べると約8億円減少しました。これは主に税金等調整前当期純利益が減少したことによる影響ですが、安全性と資金効率のバランスを考慮しながら、金融機関からの借入と現預金の取崩しを並行して行い対応しました。2023年度以降は、2023年度を初年度とする中期経営計画の着実な実行により、営業キャッシュ・フローを安定的に創出できると考えておりますが、将来の当社グループの成長を維持するために必要な運転資金及び長期資金を調達するためには、必ずしも充分ではない可能性があることも認識しております。将来の成長を維持・加速するために必要な資金は、基本的に新商品・新規事業の創出による売上、収益の拡大を通じて営業キャッシュ・フローの増大により確保していく方針であります。

 

⑥ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループでは、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。また、会計上の見積りのうち、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがあると識別したものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(a)貸倒引当金

 当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積り、貸倒引当金として計上しております。将来、顧客等の財務状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したとの疑義が生じたと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。

 

(b)資産の評価

 当社グループは、棚卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しておりますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに市場価値が滅失していると判断された場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しております。実際の市場価格が、当社グループの見積りよりも悪化した場合には、評価損の追加計上が必要となる可能性があります。
 当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しております。将来において市場価格のある株式の時価が著しく下落したとき、回復する見込みがあると認められない場合には、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。
 当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。

 

(c)繰延税金資産

 当社グループは、合理的で実現可能なタックスプランニングに基づき将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を充分に検討し繰延税金資産を計上しております。
 将来、実際の課税所得が減少した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。一方、実際の課税所得が増加した場合、あるいは将来の課税所得の見積り額が増加した場合には、繰延税金資産を認識することにより、当該会計期間の当期純利益を増加させる可能性があります。

 

(d)退職給付費用及び債務

 当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するに当たり、数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、期待運用収益率等)は、統計数値等により合理的な見積りに基づいて採用しております。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来期間にわたって償却されるため、将来において計上される退職給付費用及び債務に影響を及ぼします。当社グループは採用している基礎率は適切であると考えておりますが、実際の結果との差異が将来の当社グループの退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

 

(e)堆砂対策引当金

 当社の連結子会社である日本軽金属㈱が保有する雨畑ダム(山梨県南巨摩郡早川町)上流の雨畑川の水位が2019年8月の台風10号、同年10月の台風19号などによる豪雨の影響を受け上昇したことにより、周辺地域で浸水被害が発生いたしました。現在、地域の皆さまの安全を最優先に、関係各所との連携により浸水被害を防ぐための対策を進めております。
 また、国土交通省より抜本的な解決に向け、堆砂対策の計画を取りまとめ、計画的に取り組むよう指導されております。
 この状況を厳粛に受け止め、日本軽金属㈱は国土交通省、山梨県及び早川町との4者で構成する雨畑地区土砂対策検討会を設立し、周辺地域における浸水被害発生に対する応急対策、及び堆積土砂の抜本対策について検討を重ね、その内容に基づき雨畑ダム堆砂対策基本計画を策定し、その実行に伴う費用等を合理的に見積っておりますが、見積りの前提として仮定した搬出計画(搬出方法や搬出先)は、必ずしもすべての内容につき実行の許認可を得られたものではなく、許認可の内容や工事方法の変更等によって見積り額が変動する可能性があります。

 なお、当見積り項目は、重要な会計上の見積りとして、そのリスク内容を「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 

Ⅰ アルミニウム薄板連続鋳造に関する契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

日本軽金属㈱

連結子会社

ノベリス・インク

アメリカ

包括契約(付属契約を含む)

 アルミニウム薄板連続鋳造に係る設備設置及び技術・商標のライセンス

2002年4月1日から契約解除等による終了の日まで

 

Ⅱ 連結子会社の株式の譲渡に係る統合基本契約の締結

 当社は2022年8月31日付で、連結子会社(100%子会社)の東洋アルミニウム株式会社(以下「東洋アルミ」という)について、当社の保有する同社の全株式を譲渡すること(以下「本株式譲渡」という)等について、譲渡先等との間で統合基本契約を締結しました。なお、独占禁止法に基づく手続き等、経営統合へ向けた準備に時間を要しているため、2023年3月31日と4月1日にそれぞれ予定していた本株式譲渡と経営統合の実行日を延期しております。

 

1.本株式譲渡及び箔事業の経営統合

(1)本株式譲渡

①当社が保有する東洋アルミ株式の46%をJICキャピタル株式会社が運用するJICPEファンド1号投資事業有限責任組合(以下「JICPEF1」という)に譲渡いたします。

②当社が保有する東洋アルミ株式の54%を東洋アルミに譲渡(東洋アルミの自己株式取得)いたします。

③以上の本株式譲渡の結果、当社の東洋アルミ株式の保有はすべて解消されることになります。

(2)箔事業の経営統合

統合基本契約に基づき、契約当事者が別途合意する日を効力発生日として、東洋アルミと株式会社UACJ製箔が対等の精神に基づいて経営統合し、JICPEF1が統合新会社の議決権の80%を取得、株式会社UACJが議決権の20%を保有するものであります。

当社といたしましては、統合新会社に出資は行いませんが、国内のアルミ箔産業における国際競争力の強化に繋がることから、統合新会社の成立に協力してまいります。

なお、本株式譲渡及び本経営統合の実施は、公正取引委員会等の国内外の関係当局の承認、許認可の取得等を条件としております。

 

2.譲渡の理由及び目的

当社グループは『アルミニウムを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境の保護に貢献していく』という経営理念のもと、2023年5月に公表した中期経営計画(2023年度~2025年度)において、「新生チーム日軽金への取組み」と、「社会的な価値の創出に寄与する商品・ビジネスの提供」を基本方針に掲げ、企業活動を進めております。

当社は、当社グループの将来における事業の拡大を目指し、経営資源の最適配分に注力することにより事業変革を進め、外部環境の変化への耐性が高い事業構造を構築し、健全で持続的な成長に向けた企業活動に努めております。

東洋アルミは創業以来、アルミニウムの機能性・意匠性用途の可能性を追求し、食品・医薬品・電子部品の包装材料としてのアルミニウム箔、塗料の顔料・高機能性材料としてのパウダー・ペースト製品から、日用品まで、社会に有用で、環境にやさしい製品を開発し社会に貢献してまいりました。

近年、アルミ箔事業を取り巻く環境は大きく変化しています。2000年代には中国を中心とした安価な海外製アルミ箔の輸入増加を受けて、日本国内メーカーのアルミ箔に対する需要は減少し、国内アルミ箔メーカーの業界再編が進みましたが、2010年代以降も、海外製アルミ箔の輸入数量は急速に増加し、厳しい業界環境にあります。また、近年では、世界的な脱炭素社会の実現に向けた動きの加速や日本における2030年度の温室効果ガス削減目標引き上げといった状況の下で、自動車業界において加速度的に進行する電気自動車への移行を背景に、電気自動車に使用する高機能高品質のLiB外装材用箔及びLiB集電体用箔の需要が日本のみならず世界的に急増しており、それに対応する生産能力の拡大が必要な状況にあります。

しかしながら、当社は、東洋アルミの新たな投資につきましては、当社グループにおける経営資源の有効活用に鑑み、重点的に経営資源を投入することは難しいと考え、東洋アルミの一層の事業成長と企業価値向上のため、さらには、日本のアルミ箔産業の価値向上のためには本株式譲渡が最善の策であるとの判断に至りました。

 

3.譲渡株式及び譲渡前後の所有株式の状況

(1)異動前の所有株式数  160,000株

(2)譲渡株式数      160,000株(うちJICPEF1:73,600株、東洋アルミ:86,400株)

(3)異動後の所有株式数  0株

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、アルミニウムに関する経営資源をベースに、付加価値の高い機能材料と加工品を事業展開し、収益基盤を拡大することを事業戦略の力点に置いております。アルミニウム素材関連の要素技術に磨きをかけ、この技術を活かした新商品・新技術の創造を推し進めるとともに、グループ全体の有機的な連携を強め、高い付加価値商品・サービス群で構成された成長を持続する企業集団としての姿を追求しております。

 現在、当社グループは、技術・開発統括室を中心に、従来の組織分野ごとに蓄えられた知的資源・情報・技術を融合し、組織横断的な各々の市場ニーズに適応した「横串活動」へと展開し、市場競争力のある付加価値の高い商品及び事業の開発を進めております。

 また、日本軽金属㈱グループ技術センターは、マトリクス組織を導入し、永年培ってきた材料・表面処理・解析設計・接合加工・分析の技術を活かしながら、「横串活動」に積極的な参加を行っております。さらに、生産・販売に直結した技術・製品開発体制を整備し、また、高度化・多様化する市場・顧客ニーズに即応可能な技術サービス力の充実を図ることにより、利益拡大に貢献する新商品・新技術の開発を進めております。

 当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は6,391百万円であり、各セグメントにおける研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(アルミナ・化成品、地金)

 当社グループのアルミナ・化成品の製造部門を中心に、アルミナ、水酸化アルミニウム、各種化学品の高品質・高付加価値化に関する開発及び新用途開発等を行っており、多角的な視野から研究開発を進めております。

 地金に関しては、日本軽金属㈱グループ技術センターを中心に、自動車、通信機器、産業機械分野における多様な材料ニーズに対応するため、必要な特性を向上させた各種合金を開発しております。

 当セグメントに係る研究開発費は740百万円であります。

 

(板、押出製品)

 日本軽金属㈱グループ技術センターを中心に、自動車や鉄道等の軽量化・高機能化に適合するアルミニウム板、押出材の開発及びその量産技術、需要拡大につながる新規応用商品の開発等を行っております。

 当連結会計年度には、新幹線車両の車両構体材を製造している日軽金アクト㈱において、当社グループの知見を活かし、東海旅客鉄道㈱などと共同で、廃棄される新幹線車両の車両構体を新規に製造される車両の車両構体の一部に循環利用する「車両構体から車両構体へのアルミ水平リサイクル」を技術的に可能にしました。東海旅客鉄道㈱において、2023年度より順次追加投入される新幹線N700S2次車の車両構体(屋根)の一部から採用される予定です。なお、この取組みでCO2排出量を新幹線1編成あたり約50トン削減します。

 当セグメントに係る研究開発費は1,750百万円であります。

 

(加工製品、関連事業)

 日本軽金属㈱グループ技術センターを中心に、電子材料、景観関連製品、輸送関連製品、アルミニウム建築構造部材等のアルミニウム加工製品関連の研究開発を行っております。

 当セグメントに係る研究開発費は2,231百万円であります。

 

(箔、粉末製品)

 東洋アルミニウム㈱を中心に、アルミ箔、アルミペースト、粉末製品等に関する基礎研究、応用研究を行い、新素材や高機能材料等の開発を行っております。

 当連結会計年度には、産学共同研究により、印刷で高品質なシリコンゲルマニウム半導体の実現を発表しました。これは東洋アルミニウム㈱の独自技術により作製する特殊なペーストをシリコン単結晶基板に印刷して熱処理を行うことで、高品質なシリコンゲルマニウム半導体を実現するもので、超高効率多接合太陽電池の飛躍的な低コスト化も見込まれることもあり基板の大口径化の技術確立が期待されております。

 当セグメントに係る研究開発費は1,670百万円であります。