文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理、二次電池製造関連設備等の環境・エネルギー関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けております。
当社グループは、グループ経営の効率化とガバナンス体制の高度化を推進するため、2023年4月より、持株会社体制に移行いたしました。当社グループの持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取組んでまいります。
2024年3月期の数値目標については、連結売上高1,300億円、連結営業利益70億円、連結経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円を目指してまいります。
当社グループでは、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重要な経営指標と位置付け、2024年3月期の営業利益70億円の達成を目標としております。
当社グループの事業環境に関する今後の景況感につきましては、米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響、および原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。
国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されることから、10月に当社の水環境事業とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合し、さらなる事業基盤の安定化に取組んでまいります。
民間の設備投資については回復基調であり、今後はリチウムイオン二次電池などの脱炭素社会に貢献する分野の成長が期待されます。
① サステナビリティ経営の推進
当社グループは、持株会社体制の移行に伴い、目指す方向性と存在意義を明確化するため、パーパスとして「環境技術で世界に貢献し未来を創る」を定義いたしました。また、従来の企業理念をグループ企業理念として再定義し、2030年に向けた長期ビジョン「豊かな生活・文化の創造に貢献し、快適でサステナブルな社会を実現する」を新たに制定いたしました。
・パーパス
「環境技術で世界に貢献し未来を創る」
・グループ企業理念
「最良の技術をもって産業の発展と環境保全に寄与し、社会に貢献します」
「市場のニーズを先取りし、最良の商品とサービスを顧客に提供します」
「創意と活力によって発展し、豊かで働きがいのある企業をめざします」
・長期ビジョン(2030年)
「豊かな生活・文化の創造に貢献し、快適でサステナブルな社会を実現する」
当社グループは、様々な環境・社会問題の解決を通じステークホルダーの皆様とともに事業の持続的な成長を実現するため、サステナビリティ経営に取組んでまいります。
働きがいのある職場環境と制度を整備し、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、人材育成に取組んでまいります。これら取組みに対応するため、月島ホールディングスの代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。
ガバナンス体制については、持株会社体制の移行に際して、内部統制システムを再構築し、更なる強化に取組んでまいります。また、取締役の多様性を確保してまいります。
なお、気候変動に関しては、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明し、気候変動がもたらすリスクおよび機会が経営に与える影響を評価いたしました。気候変動を含めた環境課題の解決に取組み、事業を通じて脱炭素社会へ貢献するため、カーボンニュートラルな資源である下水汚泥のエネルギー活用や、電気自動車などで利用されるリチウムイオン二次電池の材料を製造する設備の拡販を推進してまいります。
② 事業領域の拡充とグループ収益力の強化
水環境事業については、2023年10月にJFEエンジニアリング株式会社との国内水エンジニアリング事業の統合を予定しております。両社の経営資源・ノウハウを集約させ、技術・サービスを高度化し、強固な事業基盤を構築することで、国内上下水道分野における強固な地位を確立しリーディングカンパニーを目指してまいります。再生可能エネルギーを生み出す下水汚泥燃料化、消化ガス発電事業や創エネルギー型脱水焼却システムなどの創エネルギー事業に積極的に取組んでまいります。近年、案件数が増加しているPFI、DBO事業や包括O&M業務などの官民連携事業についても、JFEエンジニアリング株式会社との統合効果により対応力を強化してまいります。
産業事業については、リチウムイオン二次電池の性能を左右する正極材活物質の製造に不可欠な晶析などの微粒子製造技術の強化を図ってまいります。脱炭素技術への取組みとして、アンモニアなどの次世代エネルギー技術の開発・活用に取組んでまいります。
両事業に共通する施策として、脱炭素社会に貢献する環境ビジネスや成長性が見込める官民連携事業など付加価値の高い領域を「重点領域」と定義して事業領域をシフトし、2027年3月期は売上高1,600億円、営業利益120億円を目指してまいります。
③ 資本効率の向上と株主還元の拡充
当社グループは、ROEとROICを新たに経営指標に設定し、資本効率の向上と資本コストを意識した企業価値経営を推進してまいります。また、キャピタルアロケーションを策定し、創出した営業キャッシュ・フローに加え政策保有株式の売却を実施し、通常の設備投資に加えデジタルトランスフォーメーション(DX)や人的資本などの戦略投資、株主還元に配分してまいります。M&Aなどの大規模投資には必要に応じて負債等による調達を活用し最適資本構成を目指します。なお、政策保有株式については継続的な縮減に取組み、本中期経営計画の期間内で連結純資産の20%以内、金額として30~50億円の売却を目指してまいります。
株主還元につきましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標とし、安定的な配当と継続的な増配に努めるとともに、機動的な自己株式の取得にも取組んでまいります。
以上の取組みにより、企業価値の向上に努めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ経営の推進
当社グループでは、サステナビリティを経営戦略の中心に据え、様々な環境・社会問題の解決を通じステークホルダーの皆様とともに事業の持続的な成長を実現し、事業を通じた社会価値創出と世界的な社会課題である環境問題の解決に取組んでまいります。
① ガバナンス
当社グループでは、当社の代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、取締役会の監督体制のもと、サステナビリティ課題への対応についてグループ全体で取組を進めています。各施策の検討、展開は関係部門、子会社が実施しますが、グループ横断で取り組むべき課題については、委員会の下部組織として分科会を設置し活動しております。現在、環境分科会と人権分科会を設置しております。また、必要に応じて社外有識者を招いた議論の場も設定し、マルチステークホルダーの視点を取り入れております。サステナビリティ委員会での議論の結果は取締役会に報告され、レビューを受ける体制になっております。
② 戦略
当社グループは、長期ビジョンの実現のために5つのマテリアリティを設定し、マテリアリティに対する重点施策を展開し、重点施策ごとに指標と目標を設定することでサステナビリティ経営を推進してまいります。
③ リスク管理
当社は、当社およびグループ会社の損失の危険の管理を行うため、「月島ホールディングスグループリスクマネジメント規程」を定め、有事に際しては取締役等により構成される「危機管理委員会」が危機管理にあたります。危機管理委員会はその常設機関として総務部門等関連部門より構成される「危機管理委員会事務局」を設置し、危機管理に必要な活動を行います。平時においてはコンプライアンス推進部門にてリスク分析やリスク関連情報の収集、管理を行い、必要に応じ経営に報告いたします。
サステナビリティ委員会で承認された気候関連リスクは、コンプライアンス推進部門にも共有され、全社レベルのリスクを統合し、事業上特に重要なリスクについて、取締役会に報告されます。
④ 指標及び目標
重点施策の中でも特に重要と思われる項目については最重要KPI(Key Performance Indicator)と位置付け、以下の指標と目標を設定しております。
■脱炭素社会へ貢献する事業の売上高比率
〔水環境事業〕20%以上、〔産業事業〕20%以上
■脱炭素社会へ貢献する研究開発費
30%以上
■Scope1,2
温室効果ガス削減ロードマップ策定
■Scope3
2026年まで算出・開示
■ダイバーシティの推進
女性管理職比率6%以上
男性社員育児休暇取得率100%
取締役会の女性比率15%以上
当社グループでは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明し、気候変動がもたらすリスクおよび機会が経営に与える影響を評価し、それらのリスク回避および機会獲得への対応を推進することで、事業を通じた気候変動への対応および情報開示の高度化に取組んでまいります。
① ガバナンス
気候変動関連リスク・機会に対して、取締役会による監督体制のもと、グループ全体で取組を進めています。サステナビリティ委員会の下部組織として環境分科会を設置し、各施策の検討、実施展開を推進する体制としています。
② 戦略
気候変動が与えるインパクトを把握するため、1.5℃~2℃以下シナリオ(IPCCによるシナリオRCP2.6、IEAによるNZE2050)、4℃シナリオ(IPCCによるRCP8.5)を参照して重要リスクと機会の特定を行いました。時間軸は、短期(現在~2030年)と長期(~2050年)で分類いたしました。
時間軸を含めた詳細は、下記の当社企業情報サイトで公開しております。
https://www.tsk-g.co.jp/wp/wp-content/themes/tsk/img/esg/tcfd/strategy_pdf.pdf
③ リスク管理
気候変動関連のリスクに関しては、環境分科会で当社グループ全体の対応策の実施状況や進捗を確認しております。
環境分科会では、1年に1回以上の頻度で気候関連リスク・機会の見直しを行い、影響度評価、対応方針の検討を継続し、結果については、サステナビリティ委員会で審議を行い取締役会に報告を行っております。
サステナビリティ委員会で承認された気候関連リスクは、コンプライアンス推進部門にも共有されます。
コンプライアンス推進部門にて洗い出された全社レベルのリスクと、サステナビリティ委員会で承認された気候変動関連リスクを統合し、事業上特に重要なリスクについて識別・評価し、取締役会に報告しています。
④ 指標及び目標
排出量削減目標の管理はScope1,2から行い、Scope3に関しては、公表に向けた取組を進めてまいります。
当社グループでは、2050年度の温室効果ガス排出量ネットゼロの達成を目指し、自社の企業活動の省エネルギー化、再生可能エネルギー利用等に取組んでまいります。
Scope1,2の温室効果ガス排出量については、当社統合報告書2022の31ページ 戦略とパフォーマンス 非財務データ 環境面データの「温室効果ガス排出量」(https://pdf.irpocket.com/C6332/f909/eZXQ/xMhM.pdf)をご参照下さい。
当社グループでは、創業以来、約120年にわたり、技術で産業の発展と環境問題の解決に貢献してまいりました。これからも時代の変化や社会のニーズに合わせた技術を適用することで、世界的な社会課題である環境問題の解決に取組、グループ全体でパーパス「環境技術で世界に貢献し未来を創る」を実践して行きます。また、「魅力的で働きがいのある職場環境整備」をマテリアリティとして以下の重点施策を実施し、長期ビジョン(2030年)「豊かな生活・文化の創造に貢献し、快適でサステナブルな社会を実現」を目指してまいります。

① 戦略
(人材育成方針)
当社グループは、「環境技術で世界に貢献し未来を創る」というパーパスを実践し、社会に貢献していく企業であり続けるためには、働きやすい職場づくりを通じて組織を活性化させ、社員のエンゲージメントを高めることが重要であると考えています。社員が自身の成長を実感し、能力を最大限に発揮できるよう、以下の人材育成方針に取組んでまいります。
・ 多様な人材が個性を発揮して幅広く活躍できる機会を提供します
・ 自ら学び成長するための研修・人材育成プログラム充実に継続的に取組ます
・ 積極的に挑戦し成果を出した社員を評価し登用します
〔技術の伝承〕
当社グループでは、特定の技術に関して深い知見を有するベテランエンジニアから技術を伝承しうる素養を有する中堅若手エンジニアに技術を伝承する「マイスター制度」により、当社固有技術の伝承と中堅若手技術者のレベルアップを図っています。
〔階層別研修制度〕
当社グループでは、社員のレベルに応じた階層別研修や資格取得など自己研鑽を支援する通信教育制度など、様々な研修制度を設けています。今後も、対面形式とウェブ形式を併用した研修により、人材育成を図っていきます。
〔高度なICT・AIに関する知見を有する人材の育成〕
当社グループでは、主要な研究開発テーマとして環境・エネルギー関連と、近年急速に発展しているICT・AI技術に注力しています。また、オープンイノベーションを推進するために大学との技術開発に取組んでおり、国立大学法人室蘭工業大学とは包括協力協定の枠組みのなかで、モデル予測制御、コンピューターシミュレーションによる最適設計など幅広い分野で研究に取組んでおります。具体的な研究例として実データに基づくAI・機械学習や、モデル予測制御を活用し、脱水・乾燥などの各種プロセスおよび機器の運転最適化を図っています。併せて、共同研究の展開を通じて社会人ドクター取得やインターンシップなどの人材育成に取組んでいます。
(社内環境整備方針)
当社グループでは、従業員のウェルビーイング(*)を高め、いきいきと活動できる状態をつくる安全・安心・快適な職場づくりを推進します。
*:ウェルビーイング(well-being)
肉体的、精神的、社会的にすべて満たされ、心身ともに幸福な状態
〔安全・安心・快適な職場環境づくりに関する主な取組〕
・在宅勤務など働き方改革を通じた従業員の意識改革
・有給休暇取得の推進および年次有給休暇の時間単位の付与(1時間単位での年休取得が可能)
・育児休暇制度の改定
・短時間勤務制度の対象期間を拡大
・長期資産形成の支援:「従業員持株会」を設け、各自の拠出金に会社が奨励金を付与
② 指標及び目標
(注) 1 対象は月島ホールディングス㈱、月島アクアソリューション㈱、月島機械㈱の計3社であります。
2 「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の4第2号における育児休業等及び育児目的休暇の取得割合を算出したものであります。
3 対象は月島ホールディングス㈱であります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項につきましては、下記のようなものがあります。なお、下記項目における将来の予想に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において判断したものであります。
① 需要・市場環境
当社グループの事業のうち、水環境事業につきましては、主な顧客である地方自治体における浄水場、下水処理場等への公共投資の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。産業事業につきましては、米中貿易摩擦の激化、ロシアによるウクライナ侵攻などの地政学的リスクに留意する必要があります。また、原材料価格の高騰、為替等の変動や半導体の供給不足など世界経済の見通しに対する不透明感から、化学、鉄鋼、食品および環境・エネルギー関連の業界における当社顧客の設備投資動向が業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの売上高に関しましては、水環境事業における官公庁・公共事業案件は、工事完了および検収時期が年度末に集中することが多く、特に第4四半期に集中する傾向があります。また、別途発注の土木建築工事の遅れや顧客事由、半導体の納期長期化や鋼材の高騰などの影響により当社受注案件が翌期にずれ込む可能性があり、そうした場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業展開に伴うリスク
当社グループの海外事業におきましては、為替相場や原油、資源価格の変動のほか、ロシアによるウクライナ侵攻など各国における政情不安や体制変更、テロの発生、新型コロナウイルスのような感染症等によるロックダウン、経済状況の急激な変動、予期しない法規制や税制の変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
為替相場の変動対策としては、為替予約等のヘッジ取引を行うことで影響を軽減しております。
③ 設備工事および機器製造における事故および災害
当社グループが建設中または建設したプラントおよび単体機器の製造現場において、予期しない事故や災害等、偶発事象が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、適切な品質および安全性を確保するため、品質保証安全管理室を設置し、品質保証システムと労働安全マネジメントシステムの構築・維持に努めてまいります。
④ 当社グループ事業の特性
当社グループは個別受注生産を中心としており、資材の調達価格や需給状況、外注費用など受注後のコスト上昇要因等により、契約締結時に見積もったコストと実際のコストとの間に差異が発生することがあります。また、設備工事では、工事途中での設計変更や手直し工事により想定外の追加コストが生じることがあります。他方、納入した製品および設計・施工したプラント類の不具合等により、補償工事に伴う費用の発生や顧客への補償等費用負担の発生、さらには顧客等に損害を与えた場合には賠償請求等の訴訟や係争が生じる可能性があります。
子会社の月島テクノメンテサービス株式会社では、国内の浄水場、下水処理場において、設備の補修工事、薬品・燃料・電力等の供給を含めた包括的な維持管理業務を受託しております。燃料や電力の価格が変動した場合は委託者と協議を行いますが、価格変動分を速やかに精算できない可能性があります。
これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 株式相場の変動
当社は株式等の投資有価証券を保有しており、株式相場の急激な変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 退職給付債務
当社グループの年金資産の時価の変動や運用利回りの状況の変化等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制
当社グループは、建設業法、製造物責任法、計量法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律等さまざまな法規制の適用を受けております。当社グループでは法令遵守の徹底を図っておりますが、法律・規制等が強化された場合、または予期し得ない法律・規則等の導入・改正等があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 大規模災害等の発生
当社グループの生産拠点や事業所、工事現場、ならびに取引先の事業拠点において、地震・洪水・火災・雪害等の大規模自然災害やその他の災害が発生した場合、生産設備や製品等の破損およびライフラインの破損等による生産機能の低下若しくは停止により、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、首都圏直下地震などの災害を想定し、事業継続および早期復旧のための事業継続計画(BCP)を策定するとともに、今後は定期的な訓練により実効性を高めてまいります。
⑨ 情報セキュリティ
当社グループは、事業活動を通して得た顧客・取引先の情報や、事業上の機密情報等を保有しております。これら機密情報に対して、想定を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウイルスの感染等により、情報流出、重要データの破壊、改ざん、システム停止等を引き起こす可能性が高まっており、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、情報セキュリティに関する事件や事故の発生を防止するために「情報セキュリティ基本規程」および「情報セキュリティ対策基準」を定め、それに基づく人的側面と情報システム面の両面からの情報セキュリティ対策を実施しております。人的側面においては従業員教育や情報セキュリティに対する考え方の周知・徹底など啓蒙活動を推進すると共に、システム面においては、常にセキュリティ対策を最新にすべく継続的な改善・向上を図ることで、リスクの最小化に努めております。
⑩ 知的財産
当社グループは、単体機器およびプロセスの競争力を確保するため、知的財産権の獲得と適切な管理、活用に努めております。国内外で事業を展開するなかで、新興国等で当社グループの保有する知的財産権が侵害される可能性があります。また、第三者が保有する知的財産権を侵害する可能性があり、そのような場合には、損害賠償責任を負うなど当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社は、知的財産権の重要性を認識し、知的財産の権利化、重点的に強化する分野・技術における特許網の構築を推進してまいります。また、当社保有知財の侵害行為に対しては毅然とした対応をするほか、第三者が保有する知的財産権を尊重し適切に対応してまいります。
⑪ 人材
当社グループは、成長と発展のための最も重要な経営資源は人材であると認識しております。国内においては少子高齢化、熟練技術者の減少等により専門性を有する人材を継続的に確保することが困難となり円滑な事業活動に支障が生じる場合には、当社グループの事業、業績に影響を与える可能性があります。
当社は、社員のレベルに応じた階層別研修や通信教育を通じて人材を育成しながら、AI・IoTの活用やデジタル化を推進し省人化・効率化を図ることで生産性を高めてまいります。海外の設計拠点との人材交流を進めながら技術者の育成と多様化にも取組んでおります。また、中途採用も積極的に行っており、専門性を有する人材の拡充にも努めてまいります。
⑫ 気候変動に関するリスク
気候変動に関するリスクとしては、当社グループの既存顧客が脱炭素化に向けた規制強化により業態や製造プロセスを変化させることによる当社機器・プロセスの需要減少、平均気温の上昇による建設現場や製造現場での生産性低下による工期遅延、自然災害の増加による損害および復旧・対応コストの増加などが当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは、気候変動リスクを重要な社会課題として認識しており、「環境技術で世界に貢献し未来を創る」というパーパスのもと、持続可能な社会の実現に向けた取組みを推進するため、サステナビリティ委員会を設置し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。脱炭素社会に貢献するために、下水汚泥のエネルギー利用を推進しリチウムイオン二次電池材料を製造する機器・プラントを展開することで、事業を通じて脱炭素社会に貢献し、気候変動リスクの低減に努めてまいります。
⑬ 持株会社としてのリスク
当社グループは2023年4月より持株会社体制へ移行いたしましたが、適切な経営資源配分、グループ戦略の見直しおよびグループ会社の監視・監督等といった持株会社統治、グループ管理の効果が十分発揮されなかった場合、当社グループの業績および財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
また、持株会社の収入の大部分は、当社が直接保有している子会社からの経営指導料、業務受託料、受取配当金であります。子会社が十分な利益を計上できない場合は、当社に対する受取配当金を支払えなくなる可能性があります。
当社は、グループ各社からの事業報告およびその分析結果からグループ全体として適切な戦略判断と経営資源の配分を行ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社を取り巻く市場環境は、国内外において米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続いており、原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。一方で、国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しており、企業の設備投資は回復基調がみられておりました。
このような環境の下で当社グループは、2019年度を初年度とする中期経営計画の最終年度(*1)として、「経営基盤の強化」、「成長戦略の推進」を基本方針として事業活動を展開してまいりました。
水環境事業においては、上下水道設備の増設・更新需要の取り込みや、設備の維持管理業務、補修工事等の営業活動を展開してまいりました。また、省エネルギー技術の営業活動を推進するとともに、水インフラを安定的に維持・運営していくために設備の建設と長期の維持管理業務が一体となったPFI(*2)、DBO事業(*3)や、包括O&M業務(*4)、FIT(*5)を活用した発電関連分野への営業展開を進めてまいりました。
一方、産業事業においては、プラント・単体機器および廃液、固形廃棄物処理などの環境関連設備や、今後成長が見込まれる二次電池製造関連設備の営業活動を推進してまいりました。
また、当社グループは、グループ経営の効率化とガバナンス体制の高度化を推進するため、2023年4月より持株会社体制に移行いたしました。10月には当社の水環境事業とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合する予定です。
その結果、当連結会計年度における当社グループの業績は、以下のとおりとなりました。
受注高は1,060億45百万円(前期比10.6%減)、売上高は977億78百万円(前期比5.1%増)となりました。また、損益面につきましては、営業利益は50億4百万円(前期比12.1%減)、経常利益は56億49百万円(前期比13.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は42億14百万円(前期比48.4%減)となりました。
*1:中期経営計画については、2019年度から2021年度の3カ年としておりましたが、2023年4月に持株会社体制へ移行することから持株会社体制を踏まえた経営計画、事業・投資戦略や計数目標を策定するための時間が必要と判断し、期間を1年間延長しております。
*2:PFI(Private Finance Initiative)
施設整備を伴う公共サービスにおいて、民間の有する資金、技術、効率的な運用ノウハウなどを活用する仕組み
*3:DBO(Design Build Operate)事業
事業会社に施設の設計(Design)、建設(Build)、運営(Operate)を一括して委ね、施設の保有と資金の調達は行政が行う方式
*4:包括O&M業務
設備の運転管理業務だけでなく、設備の補修工事や薬品等の供給も含めた包括的な維持管理業務
*5:FIT(Feed-in Tariff)
再生可能エネルギーを用いて発電された電気を、一定価格で電気事業者が買い取ることを義務付けた制度(固定価格買取制度)
当社グループは、当社と子会社33社および関連会社12社で構成され、上下水道設備を主要マーケットとする水環境事業と、化学、鉄鋼、食品等の産業用設備および廃液や固形廃棄物処理、二次電池製造関連設備等の環境・エネルギー関連設備を主要マーケットとする産業事業の2つを主たる事業と位置付けており、それら以外の事業をその他としておりますが、その主要な事業内容は以下のとおりであります。
当連結会計年度におけるセグメントの業績は、次のとおりであります。
国内の水インフラ関連投資は堅調に推移しておりました。また、複数年および包括O&M業務や設備建設と長期の維持管理業務を一体化したPFI、DBO事業等の発注は増加する傾向にありました。一方で原材料価格の高騰や半導体の供給不足、および為替の変動などによる経済活動への影響には留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、国内の上下水道用汚泥処理設備の増設・更新需要を取り込むために、下水処理場向け汚泥脱水、乾燥、焼却設備、浄水場向け排水処理設備などの汚泥処理設備の営業活動を推進してまいりました。O&M業務においては補修工事および包括O&M業務の営業活動を展開してまいりました。また、脱炭素社会に貢献する技術開発および営業活動を推進してまいりました。その結果、下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け汚泥脱水設備などの受注を果たしました。また、メンテナンスなどのアフターサービス事業をより一層強化するために、包括O&M業務や補修工事の営業活動を展開し、受注高を確保してまいりました。
その結果、当連結会計年度における水環境事業の受注高は605億41百万円(前期比21.1%減)、売上高は610億73百万円(前期比3.6%増)、営業利益は33億72百万円(前期比6.5%減)となりました。
国内外において米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響により依然として先行きが不透明な状況が続いており、原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要がありました。
このような状況の下で当社グループは、化学、鉄鋼、食品分野における設備投資需要や更新需要を取り込むために、国内外における各種プラント設備および乾燥機、分離機、ろ過機、ガスホルダ、攪拌機等の単体機器の営業活動を展開してまいりました。また、環境・エネルギー関連においては、国内外向けに廃液燃焼システム、固形廃棄物焼却設備、排ガス処理設備および持続可能な社会の実現に貢献する二次電池製造関連設備の営業活動を展開してまいりました。
その結果、当連結会計年度における産業事業の受注高は450億59百万円(前期比7.7%増)、売上高は362億60百万円(前期比6.5%増)、営業利益は19億27百万円(前期比6.2%減)となりました。
主に不動産管理・賃借に関する事業であり、その大半が、市川工場跡地において三井不動産株式会社と共同で開発した物流施設の事業になります。当該物流施設は、2022年度から操業を開始いたしましたが、当連結会計年度についてはフリーレントの影響で営業赤字となりました。収益貢献はフリーレントが解消する2024年3月期からとなります。
当連結会計年度における受注高は4億44百万円(前期比485.7%増)、売上高は4億44百万円(前期比485.7%増)、営業損失は2億94百万円(前期は営業利益29百万円)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は229億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ、57億96百万円減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、82億32百万円となりました(前連結会計年度は8億12百万円の獲得)。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上54億60百万円および仕入債務の増加額16億87百万円等の増加要因があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、28億17百万円となりました(前連結会計年度は53億67百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出20億65百万円や子会社株式の取得による支出4億1百万円等の減少要因があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、115億64百万円となりました(前連結会計年度は6億28百万円の支出)。これは主に、短期借入金の純減少額60億円、長期借入金の返済による支出37億91百万円や信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴う自己株式の取得による支出12億97百万円等の減少要因があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結グループは、生産実績の表示は困難であります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。
(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2023年3月31日)現在において当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用関連会社)が判断したものであります。
当連結会計年度の受注高は、前連結会計年度に比べ10.6%減少の1,060億45百万円となりました。これは、水環境事業は、設備の更新需要を積極的に取り込み下水処理場向け次世代型汚泥焼却システム、浄水場向け排水処理設備、下水汚泥有効利用設備、下水処理場の包括委託案件を獲得するなど引き続き好調であったものの、過去最高の受注高であった前連結会計年度の反動によるものです。産業事業は、電池製造関連設備の大型案件を獲得したことにより受注高が32億23百万円増加したことによるものです。なお、セグメント別の受注状況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ5.1%増収の977億78百万円となりました。これは、水環境事業、産業事業ともに受注済みの案件が順調に進捗し増収となったことによるものです。なお、セグメント別の売上高につきましては「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ12.1%減益の50億4百万円となりました。これは、水環境事業における廃棄物処理事業を行う子会社の設備更新に伴う一部停止や、持株会社体制への移行に伴う事業再編関連費用、物流施設のフリーレントの影響などの一過性の要因等によるものです。なお、セグメント別の営業利益につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、支払利息等の営業外費用を2億74百万円計上した一方で、受取配当金等の営業外収益を9億19百万円計上し、経常利益は前連結会計年度に比べ13.1%減益の56億49百万円となりました。また、投資有価証券売却益150百万円等の特別利益を2億30百万円計上した一方で、投資有価証券売却損139百万円等の特別損失を4億19百万円計上しました。その結果、前連結会計年度に市川工場閉鎖後の跡地の物流施設開発による土地売却等で多額の固定資産売却益を計上していた反動で特別利益が減少したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ48.4%減益の42億14百万円となりました。
当連結会計年度末の資産合計は1,464億62百万円となり、前連結会計年度末に比べ71億12百万円減少しました。これは主に、契約資産の増加32億11百万円等があったものの、現金及び預金の減少57億99百万円、売掛金の減少17億37百万円や投資有価証券の減少10億7百万円等があったことによるものです。
負債合計は637億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ88億51百万円減少しました。これは主に、電子記録債務の増加11億2百万円等があったものの、短期借入金及び長期借入金の返済による減少84億91百万円や未払法人税等の減少11億57百万円等があったことによるものです。
純資産合計は826億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億39百万円増加しました。これは主に、信託型従業員持株インセンティブ・プランの再導入に伴う自己株式の取得等による自己株式の減少11億56百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加27億57百万円等があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末における自己資本比率は55.4%(前期比3.6ポイント増)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの主力製品は個別受注生産であり、様々な外部要因によって、売上高および利益が計画どおりに計上されない可能性があります。
なお、詳細は「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報について
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
当社グループは、持続的な成長を目指すために2019年度を初年度とする中期経営計画の最終年度として、「経営基盤の強化」、「成長戦略の推進」を基本方針として事業活動を展開してまいりました。この基本方針を実現するため、中期経営計画期間においては、研究開発投資、M&A投資、基幹システム更新などの戦略投資を実行してまいりました。
また、当連結会計年度は、連結子会社である三進工業株式会社の事務所・工場建設やサンエコサーマル株式会社の一般廃棄物、産業廃棄物中間処理設備の更新等で、総額28億93百万円の設備投資を実施いたしました。
当社グループは、中期経営計画に基づく持続的成長を支えるために、以下の「財務戦略」を掲げております。
① 調達方針
当社グループは運転資金および定常的な設備投資・研究開発につきましては、原則、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金にて賄っておりますが、キャッシュフローを超える大型の設備投資やM&Aについては外部調達にて対応します。当社グループは、資本コストを意識し外部調達を有効活用して「最適資本構成」(注1)を確立してまいります。
② 財務規律
財務基盤の安定を企図して以下の財務規律を定めております。
a.自己資本比率 40%~50%程度
b.D/Eレシオ(注2) 0.8倍以内
c.手許現預金を月商の2か月分確保
③ 株主還元方針
当社は、財務体質と経営基盤の強化を図りつつ、毎期の業績、新規投資、連結配当性向等を総合的に勘案しながら安定配当に努めることを利益配分の基本方針としております。株主還元につきましては、総還元性向50%以上、配当性向40%以上を目標とし、安定的な配当と継続的な増配に努めるとともに、機動的な自己株式の取得にも取組んでまいります。
(注1)最適資本構成とは、株式会社の資本構成要素である他人資本(借入)と自己資本の比率や内容・内訳などがその企業によって最適なバランスをとり、資本コストが最適になる構成のこと。資本コストが最小に抑えられる。
(注2)D/Eレシオとは、負債が自己資本の何倍にあたるかを示す指標。
(5) 経営者の問題認識と今後の方針について
今後の景況感につきましては、米中関係の緊張の高まりやロシアによるウクライナ侵攻の長期化などの地政学的リスクの影響、および原材料価格の高騰や為替等の変動、半導体の供給不足などが経済活動に与える影響について留意する必要があります。国内の上下水道分野は、水インフラ関連の投資は引き続き堅調に推移していくものと推測されますが、中長期的には人口減による市場規模の縮小、および競争の激化等により事業環境が厳しくなることが予想されます。民間の設備投資については回復基調であり、今後はリチウムイオン二次電池などの脱炭素社会に貢献する分野の成長が期待されます。
このような状況のもとで当社グループは、グループ経営の効率化とガバナンス体制の高度化を推進するため、2023年4月より、持株会社体制に移行いたしました。当社グループの持続的な成長を目指すために、「サステナビリティ経営の推進」「事業領域の拡充とグループ収益力の強化」「資本効率の向上と株主還元の拡充」を基本方針とした中期経営計画(2023年4月~2027年3月)を推進することで、企業価値の向上に取組んでまいります。水環境事業については、さらなる事業基盤の安定化のため10月に月島アクアソリューション株式会社とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業を統合し、月島アクアソリューション株式会社の商号を「月島JFEアクアソリューション株式会社」に変更する予定です。
2024年3月期の数値目標については、連結売上高1,300億円、連結営業利益70億円、連結経常利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円を目指してまいります。
*上記の業績予想は、現時点で入手可能な情報に基づき当社が判断したものです。実際の業績は、今後様々な要因によりこれらの業績予想とは異なる結果になる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積りや判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。財政状態および経営成績に関する主要な点は以下のとおりであります。
当社は、2022年4月28日開催の取締役会において、2023年4月1日を効力発生日として当社の営む水環境事業を100%子会社である「月島水エンジニアリング分割準備株式会社」(2023年4月1日付で「月島アクアソリューション株式会社」に商号変更)に、また、産業事業を当社の100%子会社である「月島マシンセールス株式会社」(2023年4月1日付で「月島機械株式会社」に商号変更)にそれぞれ吸収分割の方法により承継させること(以下、「本件吸収分割」という。)を決議し、本件吸収分割に係る吸収分割契約をそれぞれ締結いたしました。
なお、本件吸収分割に係る吸収分割契約は、2022年6月24日開催の当社第160回定時株主総会において承認され、当社は、2023年4月1日付で本件吸収分割を実施して持株会社体制へ移行し、商号を「月島ホールディングス株式会社」に変更いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
2.JFEエンジニアリング株式会社との水エンジニアリング事業の統合
当社は、2022年12月5日開催の臨時取締役会において、2023年10月1日(予定)を効力発生日として当社の水環境事業とJFEエンジニアリング株式会社の国内水エンジニアリング事業の統合を複数の吸収分割の方法によって実施することを決議し、両社の間で合弁契約書(以下、「本最終契約」という。)を締結いたしました。
当社グループは、本最終契約に基づき、2023年6月27日に吸収分割契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)(JFEエンジニアリング株式会社との水エンジニアリング事業の統合)」に記載のとおりであります。
3.技術受入契約
2023年3月31日現在
2023年3月31日現在
当社グループは、会社が持続的に発展していく上では研究開発が重要であるとの認識の下、積極的に研究開発を推進しております。新規事業分野の基礎研究に取り組むとともに、大学や研究機関、さらには、同業他社や異業種企業との共同研究にも力を入れております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
水環境事業分野では、創エネルギーと温室効果ガスの削減を目的とした濃縮脱水システム、焼却システムの開発をはじめ、バイオマス資源の有効利用、下水汚泥の利活用技術開発に注力しております。
下水汚泥の低含水率化を目的とした新型脱水システムに加え、低含水率化の利点を最大限に生かし、エネルギー回収効率を最大限に高めた創エネ型焼却システムの開発に着手し、実証試験を継続しております。
また、国土交通省の下水道革新的技術実証事業(B-Dashプロジェクト)として、中小規模の処理場における広域化を対象に、当社が開発した高効率な脱水乾燥システムに加え、製造された汚泥燃料を有効活用する小型バイオマスボイラーの実証事業を継続しております。
さらに、FIT制度を利用したバイオガス発電事業をより効率的に実施するため、建設費の低減を目指した鋼板製消化槽やバイオガス増量を目指した下水汚泥の可溶化技術の開発を進めております。
昨今、少子高齢化・熟練技術者の不足といった課題が顕在化しており、ドローンやAIカメラを活用した点検業務の省力化、プラント設備を最小コストで運転するための自律運転技術の開発など、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しております。
また、当社グループでは温室効果ガスの削減、環境保全に寄与する研究開発を継続してまいります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
産業事業分野では、当社コア技術である晶析・分離・ろ過・乾燥技術を活用し、より省エネルギーもしくは高効率のプロセスおよび単体機器の開発に注力しております。
プロセスの開発においては、当社が得意とする晶析技術を核とした、より微粒子で粒径が均一な二次電池材料製造プロセスの開発を進めております。
単体機器の開発においては、主力製品となるBoCross®フィルタ・スチームチューブドライヤ等のさらなる高効率化とコストダウンを目指した開発を進めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は