第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 経営方針

当社グループは1933年の創業以来、「経営理念」として次の3点を掲げて企業活動を行っております。

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 創業以来、パワーエレクトロニクスの分野において、社会が必要とする製品をメーカーとして真摯に提供し続けることを実践しております。当社グループは、産業用の用途とともに、社会インフラに欠かせない電力エネルギーを高効率に変換する技術を培い、パワー半導体並びに小型カスタム電源から大型電源機器までを開発・製造しております。当社グループは、これからの地球の未来を支える電気、その姿を効率よく、自在にカタチを変えることでクリーンエネルギー社会の実現に向け貢献してまいります。

当社グループは、中期のありたい姿を次のように掲げております。

中期のありたい姿 : Global Power Solution Partner

            (グローバル・パワー・ソリューション・パートナー)

 ・創業以来の強みのパワーエレクトロニクス関連技術は世界トップレベルまで磨かれている

 ・パワーエレクトロニクス関連技術を武器にお客様の困りごとを徹底的に掘り起こし解決している

 ・目線はグローバル。全地球規模で事業を展開している

 ・誠実さと品質に対し抜群の信頼感を社会から得ている

 

 (2) 経営環境

 世界全体でのカーボンニュートラルの実現を目指すなか、日本政府は、2020年10月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を発表いたしました。この成長戦略では、次世代再生可能エネルギーに加え、蓄電池産業、半導体産業など当社グループに関連する分野に対して具体的な取り組み目標が定められています。

 当社グループは、電力使用時や電力を蓄える際に発生する電力損失を最適な電気回路構成で低く抑えるための技術を創業当時から培ってきました。この技術を活かし、脱炭素社会を実現するために重要な役割を果たす太陽光発電システム用パワーコンディショナーや蓄電システム用・燃料電池用インバーターなどの電源機器を開発しています。また、これらの電源機器を支えるコアデバイスとして高電圧・大電流パワー半導体や高効率次世代化合物パワー半導体を開発しています。当社グループは、事業活動を通じて社会課題を解決することで、持続的な成長を実現するとともに社会的な責任を果たしていきます。

 

 (3) 中期経営計画

① 基本方針

 現在、安定的な事業成長を実現する基本戦略を一段と推し進めるべく中期経営計画「CG23」(2022年3月期から2024年3月期の3ヵ年)を策定し、推進中であります。中期経営計画では、当社グループの経営理念「社会に役立つ製品を」のもとに以下の2つの基本方針を掲げ、重点施策を推進してまいります。また、お客様の声を聴き、期待にお応えする唯一無二のパートナーであり続ける企業となるために「Global Power Solution Partner」を目指し、電力変換・制御技術を活かした製品の開発を通じて、グローバル目線で”脱炭素社会の実現”など社会課題の解決に貢献するとともに、安心・安全な製品・サービスを提供してまいります。

・社会課題解決に貢献

・持続的な成長に向けた変革

 

② マテリアリティ

 当社グループの理念・ビジョン及びこれらに基づく取り組みは、2015年に国連で提唱されたSDGs(持続可能な開発目標、SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)と綿密な関係があります。今後も当社グループの技術を最大限に活用し、エネルギー効率の改善、再生可能エネルギー、気候変動、海洋汚染、災害対応などの社会課題を解決することでSDGsの達成に貢献し、サステナブルな社会の実現と当社グループの持続的な成長を目指します。

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また、中期経営計画「CG23」の策定を機に、世界的な社会課題並びにSDGsが掲げるゴールと当社グループの事業がより連携した取り組みの実現を目指すため、マテリアリティを特定いたしました。

マテリアリティについては、SDGsに代表される国際規範や当社グループに関連する業界の行動規範(RBA行動規範)、主要なガイドライン(GRI、ISO26000)、メガトレンドなどを参考に社会的に重要な課題を抽出したなかから、ステークホルダーの関心度と影響度、当社グループにとっての重要度を分析及び評価し、マテリアリティ案を作成いたしました。加えて、リスクと機会の評価を行ったうえで、マテリアリティ案の経営層による妥当性評価を行い、決定いたしました。

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なお、リスクについての詳細は、「3[事業等のリスク]」をご参照ください。

 

 (4) 中期経営計画の重点項目

① 半導体事業

   事業方針:高電流・高耐圧、高効率、高信頼性の追求でシェアアップを目指す

   重点施策

(a) 高電流・高耐圧、高効率、高信頼性をコンセプトにした商品ラインナップの拡充

 メサ技術の特長である高耐圧に加え、CO排出量削減に貢献できるよう、低リーク電流・低損失、低環境負荷をコンセプトとしたラインナップ充実を図っていく計画です。
 SiCパワーモジュールにつきましては、当社の特長である高信頼性大型トランスファーモールドパッケージでラインナップを充実させ、新たな用途に展開するなど拡販に努めます。

        ※トランスファーモールドとは、熱硬化性樹脂の成型法の一種で、材料を加熱して軟化させてから金型へ圧入することで成形加工する方法です。

(b) スマートファクトリーを目指す

 主要工程に自動化設備を導入し、生産効率を向上させるとともに、バラツキによる工程不良発生根絶を目指します。そのため、開発・設計部門では、設計を全面的に見直し、構造の最適化・標準化を行い、部材の標準化、設計の効率化、組立の自動化を可能にした新製品を開発しました。当初計画以上の売り上げをあげており、さらなる需要に応え生産能力を拡大する計画です。

 さらに、工程情報と半導体統括管理システムの連携強化により、生産工程を「見える化」し、原材料調達並びに在庫管理の仕組みを一元管理することでQCD(品質・コスト・納期)のさらなる改善を行い、岡山工場の生産活動ポリシーである「お客様のご要望にお応えしたオンリーワン製品を独自技術で必要なときにタイムリーにお届けする。」を実現してまいります。

 

② 電源機器事業

   事業方針:水素・新エネルギー分野の拡大と基盤分野の強化

   重点施策

(a) 水素・新エネルギー、環境分野の拡大

 脱炭素社会の実現に向けて、水素エネルギー・新エネルギーの活用が期待されています。当社グループは、以前から太陽光発電システムに使用するパワーコンディショナーを開発・製造し、多くのお客様に納入してきましたが、2022年3月期からの中期経営計画では、太陽光パワーコンディショナーで培った技術を継承し、新たな技術を加え、燃料電池や蓄電池用のパワーコンディショナー開発に注力してまいりました。
 また、再生可能エネルギーを主力電源にするには、電気を貯めて調整する蓄電池を利用する技術が不可欠となり、開発・実用化が進められています。当社グループは、蓄電池・燃料電池の性能試験・評価用の電源を開発し、提供してまいります。

(b) 基盤分野の強化

 国内シェアNo.1※1の表面処理用電源は、通信規格「5G」対応のスマートフォン市場拡大、EV市場拡大から、高精度めっきを必要とするBGA※2基板や電子部品関連、アルマイト設備関連市場の活況により、前年より販売を約3割伸ばしております。リチウムイオン電池の負極材で使われる銅箔の生成用電源においても、従来品に比べて高効率型を提供してまいります。リチウムイオン電池の負極材で使われる銅箔の生成用電源においても、従来品に比べて高効率型を提供してまいります。
 また、一瞬たりとも電圧低下や停電が許されないデータセンターやインフラ設備などで使用されている無停電電源装置(UPS)は、自然災害により頻発する停電などに対し、業種や事業規模、地域を問わず備えるべき設備との考えから、幅広くニーズにお応えしてまいります。

 ※1.一般社団法人日本表面処理機材工業会「2021年電源販売動態統計」を基に当社推定

 ※2.Ball Grid Arrayの略

(c) 電源機器の単体販売からソリューション販売

 2012年、太陽光や風力などの再生可能エネルギーによってつくられた電気を電気事業者が買い取る固定価格買取制度(FIT)がスタートいたしましたが、買取価格の大幅な下落に伴い、発電した電気を売却せず地産地消を基本とする自家消費型が増加しています。また、カーボンニュートラルに対応するための再生可能エネルギー導入の増加に対して系統の不安定化が生じることが予想されており、これらを背景に、蓄電池の需要が着実に増加すると予想されています。当社グループは、蓄電池をパワーコンディショナーで電力制御し、これにネットワーク機能などと組み合わせ、再生可能エネルギーを最大限有効に使うなど、より付加価値の高い製品を提供してまいります。さらに、子会社の三社ソリューションサービスでは、保守サポート体制を整備し、顧客リレーションシップを強化してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 基本的な考え方

 当社グループは、2023年4月に当社グループの存在意義・志として以下のとおりパーパスを制定いたしました。このパーパスに則り、事業を通じて社会課題解決に貢献することで、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指します。また、当社グループの事業活動が社会や地球環境に与える影響に十分配慮して行動するとともに、ステークホルダーの皆様との信頼を築くように努めてまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

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(2)ガバナンス体制

 当社グループは、サステナビリティを巡る課題への取り組みは、中長期的な企業価値の向上の観点から経営の重要課題であると認識しております。基本的な方針は取締役会で決定し、具体的な取り組みは、経営企画会議で議論を行い、施策などの検討を行っております。各施策は、関連する委員会が横断的な連携を図りながら推進しております。

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(3)マテリアリティの取り組み

 「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営計画 ②マテリアリティ」に記載の各マテリアリティに対する主な取り組みは、次のとおりです。

 なお、詳細については、当社ウェブサイトに掲載しています統合報告書「SanRex REPORT 2022」をご覧ください。

 

① 脱炭素社会、環境保護に貢献

 当社グループは、創エネ、蓄エネ、省エネに貢献できるパワー半導体技術と電力変換・制御技術を融合させ、パワーエレクトロニクス製品の創造に根差した技術並びに新製品の開発で成長してきました。一方で経営理念である「社会に価値ある製品を」の姿勢は不変であり、脱炭素社会の実現に向けて世界中が取り組むなか、当社グループとして新しい価値を提供することが重要であると考えています。

 当社グループは、脱炭素社会の実現や環境負荷を低減する製品の設計・開発に積極的に取り組んでおります。

 

■開発事例(エネルギーソリューション)

創エネ分野:太陽光パワーコンディショナー、燃料電池用パワーコンディショナー、水素発生装置

蓄エネ分野:蓄電システム、充放電装置

省エネ分野:無停電電源装置、表面処理用電源、各種設備用電源、各種パワー半導体

■開発事例(環境保全)

プラズマアーク発生用電源、オゾン発生用電源、海水電解用直流電源

② インフラ整備と産業発展に貢献

 近年、地震や台風によって大規模かつ長期的な停電が発生し、企業活動に大きな損失をもたらしています。当社グループは、パワーエレクトロニクスの技術をベースにバックアップ電源を開発し、社会インフラを支えます。一方、国内シェアNo.1である表面処理用電源は、自動車・二輪車等の輸送機器、産業機械をはじめ、精密機器、コンピューターや通信機等の電子部品やプリント基板などのめっき加工に使用されており、産業の成長を支えてきました。今後もさらなる技術力で産業の成長を後押しします。

■開発事例

無停電電源装置:環境負荷を削減できるリチウムイオン電池搭載モデルを開発

表面処理用電源:電力変換技術の改善により従来品と比べCO2排出量を約6%削減

 

③ 安心・安全の提供とサービス向上

 当社グループのパワー半導体や電源機器は産業機器向け製品であり、お客様の生産工程の設備電源やインフラを支えるバックアップ電源など、お客様の産業機器に組み込まれて活躍しているため、高い品質と安全性が求められます。お客様に信頼・安心していただける品質を提供することはその先の社会貢献や地球環境保全に大きく関わることを常に意識しながら、品質向上への努力を重ねています。

 さらに、大型の電源機器を長く安全にご使用いただくためには、日頃からの保守点検が不可欠であると考えています。当社グループは、保守点検や修理などのサポートまで、トータルソリューションの提供を加速させていきます。

 

④ モノづくりの強化

 当社グループの最も重要な社会的責任は、パワー半導体と電源機器のメーカーとして社会に価値ある製品を提供することにあります。

 当社グループは、創エネ、蓄エネ、省エネに貢献すべく、電力変換技術、制御技術、パワー半導体技術の3つの基幹技術を融合させ、産業用パワーエレクトロニクス市場向けの商品開発を手掛けています。創業以来、常に時代の要請に応え、高機能・高付加価値製品へ導いてきた軌跡は、さらなる技術の進化を呼び起こし、新しい時代を切り拓く原動力となっています。

 中期経営計画では、地球環境保全に役立つ技術の開発と産業用機器に幅広くエネルギーソリューションを提供していくため、一層の基盤技術の深化を追求していきます。特に、カーボンニュートラルの社会の実現に向け、未来を拓く技術の創造に努めています。

 2022年度の研究開発費は1,576百万円であり、これは連結売上高の約5.6%に相当します。

 

[知的財産戦略]

 当社グループでは、「Global Power Solution Partner」の考えに基づき、「技術戦略×経営戦略×パートナー様の戦略」を理解した営業戦略の上に知財戦略が成り立ち、自然環境と社会環境を技術力で支えることが当社グループらしさであると考えています。そのため、知財戦略には、お客様の市場を守り、共に目標を達成するための経営資源として、創出~競争力維持を主眼に活動しています。また、これら上質な取り組みで企業価値やブランドの維持・向上を図ってまいります。

・画期的な新技術、斬新的な意匠等の発明、考案した案件は、知的財産権を積極的に獲得する。

・グローバル戦略に従い、国際的な知的財産権の出願と維持管理制御を行う。

・新興国での事業展開では、継続的に模倣品の情報を収集し、適切な対策を行う。

 2023年3月末現在の特許・実用新案保有数は国内155件、海外152件となっております。

 

⑤ 生産活動における環境負荷軽減

 当社グループでは、地球環境の保全は「次世代への責務」と考え、事業活動による環境負荷の低減は最重要課題の一つであると認識し、地球環境の保全活動を加速させています。

 

[推進体制]

 当社グループは、環境保全活動を推進する体制として、環境統括責任者の下、環境管理推進委員会を設置しております。環境保全活動に関わる取り組みは、環境管理推進委員会が立案し、経営企画会議及び内部統制委員会で協議し、取締役会で決定しています。

 環境管理推進委員会は、各事業所・各部の責任者で構成されており、品質環境企画室が事務局を担っています。

 

[CO2排出量削減の取り組み]

 グループ全社で2030年までにCO2排出量(SCOPE1・2)を46%削減(2013年度対比)、2050年にはカーボンニュートラルとすることを目標とし、以下のような設備投資などを計画的に行ってまいります。

・岡山工場に太陽光発電設備を設置

・本社空調設備をガス設備から電気へ

・岡山工場の空調設備を更新

・再生可能エネルギー電気の購入

 今後、SCOPE3においてCO2排出量削減の目標を設定するため、現状把握に努めております。

 

⑥ ダイバーシティの推進と人材の活躍

 当社グループがさらなる成長を実現していくためには、人材に関する取り組みが重要です。そのため、当社グループは2021年に「次世代人材・技術人材・グローバル人材の育成」と「ダイバーシティの推進」、「組織・風土づくり」の3つの柱からなる「2030年の目指す姿」を定めて中長期的に推進を行っております。

 

〔2030年の目指す姿〕

 当社グループは、経営理念の一つに「社員に幸福と安定を」を掲げており、従業員が幸せであることは、企業が成長発展するための最も重要な経営基盤の一つと考えています。さらに、当社グループが持続的に成長するためには、「自ら考え行動する」人材が不可欠と考え、社員の主体性を引き出すことを大切に考えています。

 「人の成長=会社の成長」という基本方針のもと、互いに磨き合い自らを高める組織風土と、活き活きと働ける職場づくりを推進し、社員の成長と会社の成長の同時実現を目指してまいります。

 

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〔3つの柱〕

■人材の育成

〔方針〕

変革が求められる時代に必要な広い視野と多様な経験を積んだ、将来の事業を牽引できる人材を輩出し続けられるよう、取り組みを推進する。

 

〔重点施策〕

1.次世代幹部・リーダー育成

2.技術職能育成プログラムを

 再構築

3.将来のグローバルリーダーを

  排出する人材基盤を構築

■ダイバーシティの推進

〔方針〕

多様な人材が活き活きと働ける組織づくりに向けて、女性の活躍推進、雇用の多様性、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けての取り組みを推進する。

 

〔重点施策〕

1.女性活躍推進

管理職登用を展望した育成機会

の確保と女性が長期的に活躍で

きる仕組みづくり

2.積極的に中途採用を推進

■組織・風土づくり

〔方針〕

個人の成長とともにやりがいの向上につながる仕組みと失敗を恐れず挑戦できる風土づくりを推進する。

 

 

〔重点施策〕

1.若手・中堅社員中心のプロジ

  ェクト推進

2.他社との交流機会の創出

3.経営者との意見交換会実施

 

 

〔主な指標及び目標〕

項目

2023年3月期 実績

目指す姿 2030年

女性管理職の人数

4人(4.4%)

10人(11.0%)

女性リーダー職の人数

29人(9.2%)

40人(12.7%)

中途採用者の採用・管理職比率

中途採用42.2%、管理職37.4%

中途採用40%以上、管理職35%以上

(注)対象範囲:株式会社三社電機製作所

 

〔女性活躍推進〕

 当社は、女性社員を対象としたスキルアップ研修を実施するほか、その上司も含めた意識改革推進、活躍の場を広げるためのジョブローテーション実施など、さまざまな方向から女性社員の育成に取り組んでいます。また、育児休業者への復職前面談の実施、時短勤務の分単位利用、看護・介護休暇の時間単位取得を可能とするなど、女性が働きやすい環境づくりを推進しています。

 また、女性活躍推進法に基づく行動計画は、以下のとおり目標を設定し、推進しています。

  ■取組期間    2022年4月1日~2025年3月31日

  ■目標と取組内容

    [目標1:新規学卒者において、女性採用比率を20%以上とする]

     ・女性社員によるリクルート活動の推進

     ・女性社員の活躍の積極的な情報発信の実施

     ・女性が働きやすい環境(育児休業取得率など)のPRの実施

    [目標2:正社員の平均時間外労働時間 月15時間以内とする]

     ・社内ルールに基づく毎月の残業実績確認

     ・勤怠管理システムを活用した労働時間の適正管理

     ・管理職への労務管理教育の実施

 

〔社内環境整備〕

 女性の活躍推進に向けて取り組みを継続してきた成果もあり、2021年「えるぼし」3つ星及び2022年

「くるみん」認証を取得いたしましたが、引き続き女性リーダー育成や働きやすい職場づくりに取り組んでまいります。男性の育児休業取得については、法改正に伴う対応について社内ホームページにコーナーを開設するとともに管理職向けeラーニングの実施、制度対象者への個別制度説明等、育児休業が取得しやすい環境づくりに継続して取り組んでおります。

 また、経営理念・パーパス・ビジョン等については全社員が具備すべきものとして、入社からあらゆる機会を通じて浸透・定着に向けて取り組みを行っております。加えて、風通しの良い活き活きと働ける職場づくりに向けてハラスメント防止強調月間を毎年11月に設定、責任者向け研修や全社員対象のeラーニング、職場懇談会を実施する等、取り組みを継続して行っております。

 安全衛生については、安全・快適な職場づくり、心と体の健康づくりに関する方針のもと、安全衛生委員会を毎月着実に開催し、「ゼロ災害」「ゼロ疾病」に向けて推進を行っております。

 

 

3【事業等のリスク】

〔リスク管理方針〕

 企業を取り巻くリスクが多様化しているなか、当社グループの事業に伴う様々なリスクを明確にし、その発生防止に係る管理体制の整備、影響を最小限に抑えるための対応等に取り組みます。また、リスクが現実のものとなった場合には、経営トップの指揮のもと迅速・適切な対応を図ることを基本としています。

 

〔リスク管理体制〕

 当社は取締役経営企画本部長を委員長とする内部統制委員会において、経営的なリスクの事前予防を基本に、緊急事態発生時の対応力強化に取り組んでおり、必要に応じて取締役会に報告する仕組みを構築しております。

 内部統制委員会は、当社グループの事業活動推進にあたって想定されるリスクに対し、対応方針・具体的対策を審議して各部門へ指示を行うこととしております。特に品質問題については、事業ごとに設置された品質管理部門が各事業の品質保証業務を横断的に管理し、迅速かつ正確に問題の解決を図ることとしております。

 

〔個別のリスク〕

経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のものがあります。文中の将来に関する事項は本有価証券報告書提出日(2023年6月28日)現在において、当社グループが判断したものであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 

(1) 経済環境の変動によるリスク

当社グループは、経営理念のもと、パワーエレクトロニクスの分野に経営資源を集中・特化し、特にパワー半導体技術と電源機器技術の融合により、地球環境への負荷の軽減を最終的に目指して、エネルギーの効率使用、省エネ・省資源及びクリーンエネルギーの活用を実現する製品開発を行い、事業基盤の拡大に取り組んでおります。

当社グループは、特定の地域、産業に偏らない販売戦略をとっていますが、貿易規制、新型コロナウイルスの感染拡大、経済状況の変化、民間設備投資動向やインフラ整備の動向に影響を受けるところが大きく、世界経済の景気後退や需要の縮小は、当社グループの受注高・受注価格に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業リスク・戦略リスク

① 品質リスク(製造物責任)

当社グループは、品質管理基準に基づき、開発段階から出荷に至る全ての段階で製品の品質向上に最善の努力を行っておりますが、リコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコスト発生の可能性があるとともに当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が減少するなど業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 製品開発リスク

当社グループは、お客様のニーズを的確に捉え、魅力的な製品をタイムリーにお客様に届けるよう、活動を強化しておりますが、開発の遅れやタイムリーな供給ができなかった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 他社との提携等の継続可能性

当社グループは、販売拡大のため当社グループに優位性のある商品については、OEM供給あるいは受託生産の形で一部の事業分野において共同で事業活動を行っております。当社グループは、相手先企業のニーズに応えるため、技術開発及び品質向上に努めておりますが、経営環境の変化を受け相手先企業の要因により、協業関係が継続できなくなる場合もあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 素材価格の変動

当社グループの電源機器事業は、銅、鉄鋼及び樹脂等の素材が含まれる部品を多く使用しております。当社グループは、コストダウン、生産性の向上、経費圧縮などに取り組んでおりますが、素材関係の市況が急激に変動した場合、引き合いから受注・引き渡しまでに期間を要するため、製品価格への転嫁が遅れることにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 部品調達リスク

当社グループの製品には、社外から調達する電子部品等が数多く使用されておりますが、5G関連や車載の部品などの需要増加から電子部品等の調達のリードタイムが長期化し、適時に調達ができなくなる可能性があります。また、一部の部材については、海外から調達していますが、各国の通関の政策次第で調達できなくなる可能性もあります。加えて、テロや地域紛争、国際関係の悪化による治安、情勢不安などによる運航リスク、原油価格の高騰などによる輸送コストの上昇、コンテナ需給の逼迫による輸送遅延や輸送コストの上昇などのリスクがあります。

  当社グループは、主要部品に関する代替調達先の検討を進め、サプライチェーンの寸断によるリスクを最小限とするよう努めておりますが、調達困難な状況が長期化した場合、また、想定を超えた事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑥ 生産委託先(外注先)の経営状況変動によるリスク

当社グループは、半導体製品の組み立て工程や電源機器製品の生産を外注先に委託している場合がありますが、生産委託先の経営状況の変動により、外注コストの増加や販売に必要な生産数量の確保ができなくなる可能性があります。当社グループとしては、生産委託先との連携を図り経営状況の変化を早期に確認することに併せて、生産委託先を適宜見直すなどリスクを最小限とするよう努めておりますが、リスクが顕在化した場合や外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

⑦ 国際情勢に関するリスク

当社グループは、中期経営計画のテーマのひとつとして積極的にグローバル展開を推進しており、販売拠点及び生産拠点を海外に展開しております。

当社グループは、地政学的リスク/カントリーリスクに対し海外営業統括部及び海外子会社による地政学的リスク/カントリーリスクに関する情報収集や案件ごとにその回避策を講じるなどにより対応しておりますが、各国における社会情勢、政治・経済、文化・宗教、現地の法令・制度や規制等、また、戦争・暴動・テロ・伝染病・感染症等による社会的混乱、地震・台風等の自然災害など様々なリスクが顕在化した場合には、原油価格の高騰などによる輸送コストの上昇、工場の操業停止や債権回収不能など業績に影響を与える可能性があります。

⑧ 競合に関するリスク

当社グループの製品は、国内外において他社との競争にさらされております。当社グループは、継続的に開発投資を行い、耐久性・高信頼性の向上などさらなる品質向上に取り組むとともに、原材料の現地調達率の向上、生産コストの削減、また、保守サービス対応力の強化などに取り組み、競合他社との差別化を図っておりますが、予想以上の価格競争激化による販売価格の低下が業績に影響を与える可能性があります。

⑨ 情報セキュリティにおけるリスク

当社グループは、事業を通じてお客様や取引先の個人情報や機密情報を入手することがあります。これらの情報は、サイバー攻撃等による不正アクセスや改ざん・破壊、紛失、漏洩等がないようにグループ全体でセキュリティの強化や委託先の管理、従業員教育を実施するなど、管理体制を構築しております。

しかしながら、想定を超えるサイバー攻撃、人為的ミスや盗難等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざんまたは情報システムの停止等が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 人材確保

当社グループが競争力を維持し、将来にわたり発展するためには、優秀な人材を継続的に確保する必要があります。当社グループでは、雇用制度の充実や教育訓練制度等を通じて人材確保と育成に努めておりますが、近年、日本の生産人口減少を背景に有能な人材の獲得競争は激しくなっております。当社グループが人材を確保できない場合には、事業の拡大にも支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。

⑪ 知的財産に関するリスク

当社グループは、知的財産は競争力の源泉であり経営資源の最も重要なものの一つと考え、知的財産を権利化、管理、活用することにより、企業価値やブランド価値の維持・向上を図っています。グローバルに事業を展開するなかで、当社グループの知的財産権が侵害される可能性があり、こうした場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。このため、当社グループは、継続的に模倣品の情報を収集し、適切な対策を行うこととしております。

また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないように留意し、製品開発においては事前に調査を行っておりますが、万一、当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求等の訴えを起こされる可能性や対価の支払等が発生し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 環境リスク

① 法的規制

当社グループは、当社及び子会社並びに代理店を通じて海外で製品を販売しておりますが、欧州においてはRoHS指令(特定有害物質の使用規制)、中国においては中国版RoHS指令等の規制を受けております。当社グループはこれらの法令を遵守するための法令に適合した品質管理基準に基づいた品質管理を実施し事業活動を行うとともに、法規制の改正動向を早期に把握することに努めておりますが、予測できない事態によりこれらの規制を遵守できなかった場合や、今後法的規則等が改正され、その対応のための費用負担などが増大したり、あるいはこれらの法改正等に充分に対応出来ない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 化学物質管理

当社グループは、生産活動において各種化学物質を多数使用しております。その取扱いには、標準書・手順書に従い万全の対策を講じておりますが、万一、化学物質の社外流出事故が発生した場合には、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出、生産活動の停止等により、業績に影響を与える可能性があります。

③ その他の環境規制・気候変動関連等

当社グループは、廃棄物削減、大気汚染防止、水質汚濁防止などの環境規制の適用を受けております。また、温室効果ガスの排出削減に向けた取り組みが全世界的に強化されております。そのため、当社グループは、地球環境の保全は「次世代への責務」と考え、環境負荷の低減を最重要課題の一つとして多くの経営資源を投入し、環境整備に努めております。しかしながら、事故や自然災害より不測の環境汚染が生じる場合、また、予期しない規制等が設けられ、対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 金融リスク

① 為替レートの変動

当社グループの生産活動、営業活動及び調達活動は、全世界を対象にしております。そのため、為替のバランスを図ることに努めておりますが、差額として生じた外貨建債権債務については、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、常時為替予約等で対策を講じております。

しかし、為替予約、為替バランスを図ることにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響を全て排除することは不可能であり、業績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。

また、各主要市場に販売子会社を設立しているため、連結財務諸表作成上、各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建ての項目は円換算しており、換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨の価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 金利の変動

当社グループは、金利の変動リスクを回避するための対策を講じておりますが、金利の変動は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 株価の下落

当社グループは、株式を保有しておりますが、今後の株価の下落により保有株式の評価損の計上が必要になる等、業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループは、株式の保有の継続、縮減については当社グループの便益となるか否かを精査したうえで取締役会において審議することを政策保有方針としております。

 

 

(5)財務リスク

① 長期性資産の減損

当社グループは、多額の有形固定資産等の長期性資産を保有しております。これら長期性資産の連結貸借対照表計上額について、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって、資産の残存価額を回収できるかどうかを定期的に検討しております。

キャッシュ・フローを生み出さない場合は、減損を認識しなければならない可能性があります。

② 退職給付債務

当社グループは、日本の会計基準に従い、退職給付債務を処理しております。しかし、退職給付費用及び退職給付債務等の計算に関する事項(割引率、長期期待運用収益率等)で、実際の結果が前提条件と異なる場合、前提条件が変更された場合及び今後年金資産の運用環境の悪化があった場合は数理計算上の差異が発生いたします。これらの場合、再び退職給付債務の発生等、退職給付費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産に関して将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。今後、経営状況の悪化等により一時差異等が、将来減算される期間における課税所得により回収できないと判断された場合には、法人税等調整額が増加し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 会計制度、税制等の変更

当社グループが、予期しない会計基準や税制の新たな導入、変更により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、税務申告における税務当局との見解の相違により、当社グループに予想以上の税負担が生じる可能性があります。

当社グループといたしましては、適時に専門家より制度改正に関する情報を入手し、適切な対応に努めてまいります。

 

(6)自然リスクやパンデミック

当社グループの製造拠点、営業拠点等が地震等の自然災害によって多大な損害を受けたり、伝染病や新型コロナウイルス感染症のようなパンデミック等により、通常の事業活動が困難になった場合、工場の操業停止や配送が遅延する可能性があります。さらに、当社グループが直接的に損害を受けなくても、お客様や取引先が損害を受けることにより生産・物流・販売等が計画どおりに実行できない可能性があります。

当社グループは、地震災害が発生した場合の迅速な初期対応の推進及び業務を早期に復旧継続させるため、安否確認システムの導入、防災訓練の実施、BCP(事業継続計画)の策定を行っています。しかし、実際に発生した場合には、当社グループの生産拠点での操業の中断、施設等の損害、多額の復旧費用などにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況

① 財政状態及び経営成績の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動の正常化への動きが進みました。一方、ロシア・ウクライナ情勢の影響に伴い原油やエネルギー価格は高騰し、欧米諸国の金利の引き上げなどにより為替市場は大幅な円安となるなど、これらを背景に物価は上昇し、景気の先行きが懸念される状況で推移いたしました。

当社グループの事業を取り巻く環境は、設備投資は総じて堅調に推移いたしました。しかし、原材料の仕入価格やエネルギー価格、運送コストの高騰などが収益を圧迫する状況となりました。

このような状況のなか、当社グループは中期経営計画「CG23」(2022年3月期~2024年3月期)の2年目として、新エネルギー分野での貢献領域を拡大できるようプロジェクト体制で新たな市場開拓を推進しているなか、半導体事業、電源機器事業ともに受注は高い水準で推移いたしました。一方、ものづくりの安定化を目指し、特に半導体事業で注力している合理化・自動化に向けた設備投資は、設備の納期遅延の影響を受けたことで当連結会計年度の計画分を完了していないことから次年度へ継続いたします。また、依然として原材料の調達リードタイムの長期化の影響を受けているものの、当連結会計年度後半は生産体制の改善に取り組んでまいりました。

以上の結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高は280億8千8百万円(前期比23.9%増加)となり、営業利益は16億2千9百万円(前期比23.8%増加)、経常利益は16億5千1百万円(前期比25.7%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億4千1百万円(前期比8.2%増加)となりました。

 

[セグメント別の状況]

(a) 半導体事業

当事業におきましては、主力のパワーモジュールは堅調な設備投資やインフラ投資を背景に汎用インバーター、溶接機向け、各種の電源装置向けが増加したことに加えて、チップの販売が当連結会計年度を通じて好調に推移いたしました。地域別では中国でのコロナ政策による景気後退があったことなどにより海外向けは減収となりましたが、国内向けが堅調であったことで事業全体では増収となりました。

以上の結果、当セグメントの売上高は、81億4千6百万円(前期比4.6%増加)となりました。セグメント利益は増収や円安などの増益要因はありましたが、材料費や電気料金の高騰などが利益を圧迫し、5億1千万円(前期比33.5%減少)となりました。

 

(b) 電源機器事業

当事業におきましては、原材料(半導体、電子部品、樹脂成型品等)の調達難による生産活動への影響が継続しておりますが、リチウムイオン電池やプリント配線板などに用いる素材の加工用や海水電解処理用、シリコン引き上げ用などの一般産業用電源、また、パソコン、データセンターなどで用いられる高精細な表面処理を必要とする基板の需要が高まり、当社が得意とする高精度表面処理用電源が堅調に推移いたしました。さらに小型電源は医療機器用組込電源などを中心に需要の回復が顕著で大幅な増収となり、事業全体の増収に大きく貢献いたしました。地域別に見ても、国内外ともに総じて堅調に推移いたしました。

以上の結果、当セグメントの売上高は、199億4千1百万円(前期比34.0%増加)となりました。セグメント利益は原材料の高騰や円安が利益の圧迫要因となったものの増収効果により、11億1千8百万円(前期比103.9%増加)となりました。

 

 

② 財政状態の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態の概要は次のとおりです。

総資産

290億8千3百万円

(前年同期差+19億3千6百万円)

流動資産

225億1千万円

(前年同期差+16億9千1百万円)

現預金

39億5千9百万円

(前年同期差▲10億6千6百万円)

売上債権

98億2千3百万円

(前年同期差+14億3千7百万円)

在庫

80億7千7百万円

(前年同期差+12億3千2百万円)

その他資産

6億4千9百万円

(前年同期差+8千7百万円)

固定資産

65億7千2百万円

(前年同期差+2億4千5百万円)

総負債

80億1千7百万円

(前年同期差+6億8千1百万円)

仕入債務

42億5千1百万円

(前年同期差+4億4千3百万円)

その他負債

37億6千6百万円

(前年同期差+2億3千8百万円)

純資産

210億6千5百万円

(前年同期差+12億5千5百万円)

 

資産の部の主な変動要因は以下のとおりとなります。

(流動資産)

売上債権が14億3千7百万円増加したことなどにより、流動資産合計で16億9千1百万円増加いたしました。

(固定資産)

有形及び無形固定資産の増加額9億9千5百万円に対して減価償却費8億8千5百万円を計上したこと及び繰延税金資産が8千万円増加した結果、固定資産合計で2億4千5百万円増加いたしました。

負債の部の主な変動要因は以下のとおりとなります。

生産高の増加に伴い、仕入債務が4億4千3百万円増加したことなどにより、負債合計で6億8千1百万円増加いたしました。

純資産の部の主な変動要因は以下のとおりとなります。

主に親会社株主に帰属する当期純利益12億4千1百万円により、12億5千5百万円増加いたしました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローの概要は次のとおりです。

営業キャッシュ・フロー

▲1億9千8百万円

(前年同期差▲11億3千8百万円)

投資キャッシュ・フロー

▲7億9千9百万円

(前年同期差▲4億8千2百万円)

財務キャッシュ・フロー

▲1億8千9百万円

(前年同期差+14億7千7百万円)

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、39億5千9百万円となり、前連結会計年度に比べ10億6千6百万円の減少となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては1億9千8百万円の資金の支出(前期は9億4千万円の収入)となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益16億5千1百万円が増加要因として寄与したものの、減少要因として売上債権の増加13億3千8百万円、棚卸資産の増加11億7千7百万円などがあったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては7億9千9百万円の資金の支出(前期は3億1千7百万円の支出)となりました。

これは主に有形固定資産の取得による支出7億5千8百万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては1億8千9百万円の資金の支出(前期は16億6千6百万円の支出)となりました。

これは主に自己株式の売却による収入17億5千5百万円が増加要因として寄与したものの、減少要因として自己株式の取得による支出15億6百万円、配当金の支払による支出3億2千1百万円などがあったことによるものであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

半導体事業(百万円)

7,163

99.3

電源機器事業(百万円)

17,086

131.3

合計(百万円)

24,250

119.9

 (注)  金額は販売価格によっております。

(b) 受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注金額

(百万円)

前期比(%)

受注残高

(百万円)

前期比(%)

半導体事業

9 090

84.7

6,059

118.4

電源機器事業

27,612

120.1

21,498

155.5

合計

36,702

108.8

27,558

145.5

 (注)  金額は販売価格によっております。

(c) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前期比(%)

半導体事業(百万円)

8,146

104.6

電源機器事業(百万円)

19,941

134.0

合計(百万円)

28,088

123.9

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等に状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において判断したものであります。

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の状況

売上高

280億8千8百万円

(前期 226億7千5百万円)

営業利益

16億2千9百万円

(前期  13億1千6百万円)

営業利益率

         5.8%(前期 5.8%)

親会社株主に帰属する当期純利益   12億4千1百万円(前期 11億4千7百万円)

 

セグメント別の経営成績の概況と前年同期からの増減の要因は、以下のとおりであります。

(a)半導体事業

売上高

81億4千6百万円

(前期   77億9千1百万円)

営業利益

5億1千万円

(前期   7億6千7百万円)

営業利益率

             6.3%(前期 9.9%)

〔半導体事業利益増減要因〕

売上減少による要因

  ▲3千4百万円 (為替変動による売上増加を控除)

限界利益率の悪化による要因

▲1億4千7百万円

固定費増加による要因

▲5億2千5百万円

在庫の変動による要因

 1億4千3百万円

為替変動による要因

 3億7百万円

売上高は、産業用の主要な用途である汎用インバータ向け、FAサーボ向けが好調に推移しましたが、中国のゼロコロナ政策による需要減速から商用エアコン向け、エレベータ向け、温水便座向けなど不動産関連の需要が縮小いたしました。売上高は、3億5千5百万円の増収となりましたが、為替影響を控除しますと6千万円の減収となりました。また、原材料価格の上昇により限界利益率は悪化し、電気代の高騰・生産維持のための人員増強・研究開発費用の増加などにより固定費が増加しました。一方で、為替円安の影響は外貨建の販売でのプラス影響が大きく寄与しました。これらの結果、営業利益は前期より2億5千6百万円減少し5億1千万円となりました。

 

(b)電源機器事業

売上高

 199億4千1百万円

(前期 148億8千4百万円)

営業利益

11億1千8百万円

(前期  5億4千8百万円)

営業利益率

         5.6%(前期 3.7%)

〔電源機器事業利益増減要因〕

売上増加による要因

 24億5千万円   (為替変動による売上増加を控除)

限界利益率の悪化による要因

  ▲5千4百万円

固定費増加による要因

▲11億6千8百万円

在庫の変動による要因

▲1億9千5百万円

為替変動による要因

▲4億6千2百万円

売上高は、銅箔やアルミエッチングなどの素材加工用の大型電源の需要が堅調であり、またデータセンターやパソコンで使用される電子部品の表面処理用の電源の需要が拡大し、前期比50億5千7百万円の増収となりました。(為替要因を控除しても47億9百万円の増収)一方で、電子部品を中心とした調達リードタイムの長期化及び価格高騰から、限界利益率が悪化したこと、人件費の増加を中心とした固定費の増加などが利益を下げる要因となりました。また、円安は海外での生産品の輸入サイドの影響が大きく、収益を圧迫する要因となりました。これらの結果営業利益は前期より5億7千万円改善し、11億1千8百万円となりました。

 

② 当連結会計年度末の財政状態の分析

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億3千6百万円増加し、290億8千3百万円となりました。これは主に売掛金が13億7千1百万円、商品及び製品が4億7千1百万円、原材料及び貯蔵品が5億6千2百万円それぞれ増加したことによるものです。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億8千1百万円増加し、80億1千7百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が4億5百万円増加したことによるものです。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億5千5百万円増加し、210億6千5百万円となりました。これは主に利益剰余金が8億6百万円増加したことによるものであります。

 この結果、連結自己資本比率は、前連結会計年度末の73.0%に対して当連結会計年度末では72.4%と0.6ポイント減少いたしました。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループは、成長投資の実行と安定的な事業運営を行うため、資金効率を向上させ、事業運営に必要な流動性と資本の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。資金の源泉は、主として営業活動によるキャッシュ・フローであり、必要に応じた金融機関からの調達などの調達手段を柔軟に検討してまいります。なお、当連結会計年度末での現金及び現金同等物の残高は39億5千9百万円であり、有利子負債残高はありません。現時点で重要な資本的支出の予定はありません。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

 連結財務諸表の作成に際し、貸倒債権、棚卸資産、受注損失、固定資産、税効果会計、法人税等、退職給付債務、アフターサービス、偶発事象や訴訟等に関して判断を行い、継続して評価を行っております。なお、見積り及び判断は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因に基づき行っており、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。」

 

⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しているとおりであります。

 

⑥ 経営戦略の現状と見通し

「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しているとおりであります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2022年11月8日開催の取締役会において、三菱重工業株式会社及び日東工業株式会社との各資本業務提携契約締結について決議し、同日付で資本業務提携契約を締結いたしました。

6【研究開発活動】

 当社グループは「常に社会に価値ある製品の創造につとめる」を経営理念として、創エネ、蓄エネ、省エネに貢献できるパワーエレクトロニクス技術と創造力を土台としたものづくりに取り組んでおります。パワー半導体技術と電力変換・制御技術とを融合させ、グローバル・パワー・ソリューション・パートナーとして社会に価値ある製品を提供することで顧客の課題を解決いたします。

 提供しようとする商品は、電力用半導体デバイスとそれらを応用する各種電力変換機器並びにシステムを含めたソリューションであり、同領域の研究開発を進めてまいります。

 研究開発体制は半導体、電源機器システムの先行技術調査から技術開発に繋げる技術企画グループと、半導体製品と電源機器製品それぞれの開発グループで構成しております。

 技術企画グループでは、中期経営計画と連動した技術マスタープラン、ロードマップを策定しながら、主として新技術・新製品の先行技術調査・開発を行います。

 半導体製品の開発グループは、サイリスタ、トライアック、ダイオード及びSiCの製品開発を行い、半導体チップのデザイン・プロセス技術開発並びに製品技術開発を行っております。

 電源機器製品の開発グループは、電力変換技術、デジタル制御技術などを応用した小型から大型までの各種電源機器標準製品、個別受注製品の設計・開発を行っております。

 当社グループは、電源機器製品と半導体製品の研究・開発グループが常に密接な情報交流を図ることで総合力を発揮し、再生可能エネルギー発電用パワーコンディショナーをはじめとするお客様のニーズに根ざした各種新製品を生み出しております。

 当連結会計年度の研究開発費は1,576百万円であり、セグメント別の主な成果は次のとおりです。

 

(1)半導体事業

(a) 大電力パワー半導体素子(パワーモジュール等)

 各種インバーター機器の小型化並びに省エネへの貢献が期待される、ワイド・バンド・ギャップ半導体SiC-MOSを搭載したパワーモジュールをパナソニックホールディングス株式会社と共同開発し、SiC製品群の開発・品揃えを行ってまいりました。

 SiCの特長である高温環境下での低損失性能を遺憾なく発揮できるトランスファ・モールド技術を採用したモジュールとして、電圧定格1200V、電流定格150Aまでのタイプ、またディスクリートタイプの製品も市場投入しており、さらに高電圧・大電流のモジュール製品も販売予定です。さらに、当社SiC製品の特性を如何なく発揮できる駆動回路を開発し、SiCモジュールとセットで評価いただける体制を整えました。

 また、今後新興国などを中心に拡大が期待されるインフラ用途のインバーター機器の大容量化やエレベーターやサーボドライブ等の特に高信頼性に対する市場要求にマッチした各種サイリスタ、ダイオード等、高信頼性、低損失デバイスの開発・品揃えを図りつつあります。

 

(b) 環境負荷軽減対応技術開発

 市場要求であります環境負荷軽減への取り組みの一環として、半導体製品の完全鉛フリー化を推進しており、従来RoHS2の適用除外項目であった高温鉛はんだを含まない製造プロセスの研究を推進しており、各種モジュール製品の信頼性性能を遺憾なく発揮できる鉛フリーはんだ検証設備を導入いたしました。鉛フリーはんだを用いた製品のラインナップの展開を推進しております。

 

 半導体事業に係る研究開発費は593百万円であります。なお、研究開発費にはSiC技術関連の研究開発費100百万円が含まれております。

 

(2)電源機器事業

(a) 新エネルギー関連

電力自由化や電力システムの改革が進む中、社会全体として効率的なエネルギー利用に資するエネルギーインフラの基盤構築に向けて、従来にない新たなエネルギーマネジメントの実現を目指すバーチャル・パワー・プラント構築実証事業に参画しております。

 再生可能エネルギーの普及拡大・事業化に向けた様々な課題に対する解決に繋がる検討を進めており、家庭用蓄電池、産業用蓄電池及び電気自動車をエネルギーリソースとして活用する実証試験で期待した成果が見られています。引き続き、将来の事業化に向けたエネルギーマネジメントの最適化に取り組んでまいります。

 持続可能な開発目標(SDGs)にも「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」との目標が掲げられており、クリーンな電力の利用を拡大できるエネルギーマネジメント技術の確立を進めてまいります。

 

 

 

(b) エネルギー、インフラ関連

 昨今多発する災害発生時に起こる停電対策として、BCP(事業継続計画)対応機能を有した蓄電池システムの開発を行っております。エネルギーの効率的運用・消費を行うピークカット/ピークシフト機能や、停電時に装置停止状態でもシステムが起動し、特定負荷に電源供給が可能となるコールドスタート機能等を搭載しています。

 その他、装置の高効率化、小型化を目指した燃料電池用各種パワーコンディショナーの開発や、多数のパワーコンディショナーを系統に接続する際に系統に擾乱やひずみを発生させない疑似同期発電機機能など系統連系技術の先行開発にも取り組んでおります。

 

(c) 生産設備関連

 めっきなどの各種表面処理工場の環境は劣悪ですが、日本のお客様のニーズに合った当社独自の風冷式直流電源を開発し、信頼性面での実績を作ってまいりました。これらの技術を活用しつつ、世界中で不足する電子部品の生産に寄与する超高精細めっきに供する多出力型電源や高速PR(PR電解法めっき用)電源を開発し提供を開始しております。

 溶接機向け電源に関しては、国内や北米のお客様向けに製品開発・販売を行ってまいりましたが、特に価格競争の厳しい北米向けに競争力ある製品を投入し、北米での溶接機電源事業の拡大を図ってまいります。

 また、自動車業界においてハイブリッド車や電気自動車の普及が進む中、電池の評価や車載用などのインバーター機器の評価・試験に活用でき、必要な電圧・電流の組合せに応じて直並列接続運転が可能なモジュール式回生型双方向直流電源の開発・製品化を行っております。

 

 電源機器事業に係る研究開発費は983百万円であります。