第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社グループは、「事業活動を通じて、社会的な課題解決を支援する」ことを使命とし、社会の課題、時代の最先端ニーズに応えることで成長してまいりました。2023年11月30日に創業200周年及び会社設立90周年を迎えるにあたり、パーパス(存在意義)として「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」を制定しました。微粒子と人の可能性を信じ、未来への希望となる新しい価値の創造に挑み続けていくという意思を表現しております。当社の歩みは、磁器の絵付けや、歴史的建造物の彩色等に欠かせない人類最古の酸化鉄顔料「ベンガラ」の製造から始まりました。その酸化鉄の様々な機能を使って社会に貢献してまいりました。当社グループは、創業200周年のその先も、酸化鉄の可能性を追い求め、新素材、ソリューションを提供し、多様に進化する社会を支える存在であり続けるよう取り組んでまいります。

 

<中期事業計画「Vision2023」>

 当社グループは、現在、2021年8月4日に公表した中期事業計画「Vision2023」の計画達成に向け邁進しております。第89期(2022年3月期)から第91期(2024年3月期)までの3か年を実行期間としており、本期間においては、「電子素材」セグメントを成長事業とし、「機能性顔料」セグメントを安定した収益基盤事業として位置付けております。計画期間中には、「事業の成長に向けた生産能力強化、既存設備・インフラの維持更新への投資」の他、「次世代電子素材材料や環境関連材料等新規事業への投資」、「ESGの取組みを推進するための投資」も積極的に行い、事業拡大、企業価値向上を実現してまいります。

 

「電子素材」セグメント

 

「機能性顔料」セグメント

 ・磁石材料

 

 ・顔料

 ・誘電体材料

 

 ・環境関連材料

 ・軟磁性材料

 

 

 ・リチウムイオン電池用材料

 

 

 

 計画の最終年度である第91期においては、原材料及びエネルギー価格が依然として高水準で推移すると見込まれることや、世界的な金融引き締めが続く中での海外景気の下振れリスクが懸念される等、当面は不透明な状況が続くものと予想しており、目標の達成に向け、各事業に応じた取組みを推進してまいります。

 

<電子素材セグメントの取組み>

 電子素材においては、主に自動車、通信・家電市場を事業フィールドとして製品展開を行っております。

 「磁石材料」は、主に自動車や家電用のモーター、センサー用途としてこれまでも利用されておりますが、特に自動車の電動化等に伴い需要が増加しております。今後も、CASEの進展により市場は拡大する見通しであり、当社グループでは磁性粉と樹脂を複合化したボンド磁石用の材料を中心に事業の成長を目指してまいります。第89期に中国のボンド磁石専業の成形企業である江門協立磁業高科技有限公司を子会社化し、ボンド磁石成形品の事業を開始いたしました。これによって、部品から原料に繋がる技術情報の一元的な管理等により、各段階での品質レベルと開発スピードの向上を図るとともに、一貫した開発・生産体制の安定化を進め、これまで以上にお客様からの信頼を向上させてまいります。

 「誘電体材料」は、ICT機器や電気自動車に多く使われる積層セラミックコンデンサー用途として利用されており、ICTの発展やCASEの進展等により成長してまいりました。第90期(2023年3月期)においては、ICT市場の低迷がありましたが今後、需要回復が見込まれており、供給体制を整えてまいります。また、コンデンサーの小型化に対応したさらなる微粒子化のニーズに応え、事業拡大を図ってまいります。

 「リチウムイオン電池用材料」は、BASF等のビジネスパートナーと組み、電気自動車市場の拡大に対応できる体制を整えてまいりました。旺盛な需要は続いており、第90期においては、BASF戸田バッテリーマテリアルズ合同会社の生産能力増強工事を開始いたしました。今後もビジネスパートナーと協力し、品質と生産性の向上を図りながら、さらなる事業拡大に取り組んでまいります。

 「軟磁性材料」は、第92期(2025年3月期)以降における事業拡大に向けた開発を進めております。電気自動車向け非接触給電用の厚膜大判フレキシブルフェライトプレート、車載用途を中心とした電子機器用ノイズ対策材料、磁石材料と同様に磁性粉と樹脂を複合化した軟磁性コンパウンド等の開発及びマーケティングを加速させております。

<機能性顔料セグメントの取組み>

 機能性顔料においては、主に塗料、複写機・プリンター、環境関連市場を事業フィールドとして製品展開を行っております。第90期においても塗料や複写機・プリンター用の材料である「顔料」を中核として成長してまいりました。また、第90期には中国の酸化鉄顔料メーカーである連結子会社の出資持分の全部を持分法適用関連会社である浙江華源顔料股分有限公司(以下、浙江華源)等に譲渡いたしました。この結果、浙江華源は、赤色、黄色、黒色の全ての酸化鉄顔料事業を手掛ける世界有数の酸化鉄顔料メーカーとなりました。今後、浙江華源の事業成長を通じてグローバル展開を進め、酸化鉄顔料事業を拡大させてまいります。

 また、パーパス「微粒子の可能性を、未来の可能性に変えていく。」に基づき、微粒子の力で未来の課題に応えるべく新規事業の育成にも取り組んでおり、第92期以降においては、環境負荷低減につながる「環境関連材料」の事業化を計画しております。当社グループは、酸化鉄製造で培った微粒子合成技術を深化させ、鉄系触媒を用いたメタン直接改質法によるCO₂フリー水素製造システムの研究開発を進めるほか、CO₂固体回収材やリチウムイオン電池の再資源化開発等の取組みを通じ、持続可能な社会実現への貢献と事業成長を目指してまいります。

 

<持続可能な開発目標(SDGs)への取組み>

 2030年までに国際社会が協力して取り組むべき地球規模の課題をまとめた「持続可能な開発目標」の理念に則り、当社グループ全体で、事業及びガバナンスを通じてSDGsの実現に向けた活動を進めるべく、2019年6月に会社設立100年である2033年を達成目標年度とした「戸田工業グループ 環境ビジョン2033」を策定しました。2021年6月には、CO₂等のGHG排出量の削減目標を引き上げ、具体的な数値目標を掲げて環境保全活動に取り組んでおります。CO₂排出量削減の取組みとしては、2023年4月1日から日本国内の生産拠点(大竹事業所、小野田事業所、岡山事業所)で使用する電力の全てを太陽光発電によるCO₂フリー電力に切り替えました。これにより電力使用によるCO2 排出量は0(ゼロ)となり、1年間の電力使用におけるCO2発生量のおおよそ15,000トンを削減する効果があります(2022年実績)。また今後、駐車場を活用した自家消費型太陽光発電設備(ソーラーカーポート)を導入し、研究開発において使用する予定です。

 

 最後に、当社はメーカーとしてお客様のニーズに応える製品を安定継続的に供給することが重要な責務であると認識し、事業活動に取り組んでまいります。そして、今後も会社を生々発展させることを通じて、株主様、お客様、従業員及び地域社会の皆様に対して負っている社会的責任を果たしてまいります。

 

パーパス

微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。

 

経営理念

私たちグループは、酸化鉄で培った微粒子合成技術を深化させながら、永遠に生々発展します。

誠実・信頼を基盤とし創造力と製造力を結集させ、魅力ある独創性に富んだ新素材及びソリューションを通じて、広く社会に貢献します。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 気候変動への対応(TCFD提言への取組み)

 当社グループでは、将来の世代も安心して暮らせる持続可能な経済社会をつくるため、気候変動を経営上の重要課題とし、地球温暖化対策に取り組んでおります。また、取組みを着実に実行するとともに、TCFDが推奨するシナリオ分析に基づいた気候変動のリスク・機会の評価を行い、「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」、「指標と目標」に関する開示を段階的に充実してまいります。

 

① ガバナンス

 気候変動対応への全社的な推進・管理に向けて、リスク管理委員会(委員長:代表取締役社長執行役員)の直下に、CSR・環境委員会を設置し、国内グループの環境に関する統括管理を実施しております。

 取締役会は、リスク管理委員会からの報告を通じて気候変動への対応状況を確認し、必要な体制・制度の構築について決定・監督を行っております。CSR・環境委員会は、委員長を経営企画室長が担当し、全社横断的な各事業所の責任者及び担当者で構成しております。

 なお、当社の気候変動対応への推進・管理に関する体制図は以下のとおりであります。

 

 

0102010_001.png

 

 

② 戦略

 気候変動により世界全体の平均気温が4℃上昇することは、社会に非常に大きな影響を及ぼします。

 気温上昇を1.5℃未満までに抑えることを目指すパリ協定を踏まえ、当社グループでは、1.5℃シナリオと2℃シナリオ及び4℃シナリオにて、リスクと機会を分析しております。

 

(主な事業リスクと機会)

区分

種類

事業活動への影響

時間軸

評価

移行リスク
(1.5℃/2℃)

政策/法規制

カーボンプライシング(炭素税、排出量取引等)による税負担の増加

中~長期

技術

低炭素化設備・低炭素プロセスへの転換による設備投資の増加

中~長期

市場

原材料・エネルギーの調達コストの増加

中~長期

複写機・プリンター使用控えによるトナーの需要減少

中~長期

評判

気候変動対応への取組みが不十分と評価された場合、顧客、投資家からの評価低下

中~長期

物理的リスク
(4℃)

急性

自然災害による建物や設備への被害

中~長期

サプライチェーン寸断による工場操業率低下

中~長期

慢性

海面上昇による沿岸部事業所への追加投資の発生

長期

機会

製品/サービス

EV市場の拡大によるプラスチックマグネット、チタン酸バリウム及び非接触給電用部材の需要増加

中~長期

自然災害から農作物を守るためにビニールハウス市場の拡大による農業用ポリオレフィン保湿材の需要増加

中~長期

市場

CCUS市場の拡大に伴うCO2固体回収材の需要増加

中~長期

メタン直接改質法による水素・カーボンナノチューブ供給の需要増加

中~長期

 

③ リスク管理

 CSR・環境委員会を毎月開催し、「国内グループの環境に関する統括管理」、「各事業所における年度目標の設定」や「各事業所から毎月の活動報告を通じた進捗管理」を実施しております。

 また、リスク管理委員会を通じて、取締役会への気候変動対応に関する報告を年2回実施しております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループの日本国内における2022年度のGHG排出量について、Scope1+2は41,067 t-CO2、Scope3は147,260 t-CO2となりました。

 

         GHG排出量                       t-CO2

 

2022年度

Scope1+2, 日本国内

41,067

Scope3, 日本国内

147,260

 

 2050年までにカーボンニュートラル(GHG排出を全体としてゼロ)を目指すため、Scope1+2のGHG排出量、売上高基準のGHG排出量及び再生可能エネルギーの利用について、2019年に策定した『環境ビジョン2033』を見直し、挑戦的な2030年の目標を設定いたしました。

 

   1 Scope1+2のGHG排出量      22,000 t-CO2まで削減

(2013年度比で75%削減)

   2 売上高基準のGHG排出量     70%削減

(2013年度比)

   3 再生可能エネルギーの利用  17%以上

 

0102010_002.png

 

 

 

0102010_003.png

 

GHG排出量(Scope3,日本国内,2022年度)

Category

項目

t-CO2

算定拠点

排出係数の取得方法

備考

購入した製品・

サービス

104,939

戸田工業

IDEA Ver.2.3

算出対象の費目は、調達金額の上位90%以上

東京色材工業

資本財

2,214

戸田工業

環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

調達している

燃料の上流

12,614

戸田工業

IDEA Ver.2.3
環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

東京色材工業

輸送、配送

(上流)

7,227

戸田工業

環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

算出対象は、調達数量上位から90%以上

小野田事業所

大竹事業所

岡山事業所

東京色材工業

事業から出る

廃棄物

380

小野田事業所

IDEA Ver.2.3
環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

生産拠点のみ算定対象
(広島本社、東京オフィスは除外)

大竹事業所

岡山事業所

東京色材工業

出張

148

戸田工業

IDEA Ver.2.3
環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

雇用者の通勤

321

戸田工業

IDEA Ver.2.3

東京色材工業

戸田ファインテック

リース資産

(上流)

対象外

輸送、配送

(下流)

2,231

小野田事業所

環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

取引数量の多い取引先向けの排出量をもとに拡大推計

大竹事業所

岡山事業所

10

販売した製品の加工

対象外

11

販売した製品の使用

対象外

12

販売した製品の廃棄

17,185

戸田工業

IDEA Ver.2.3
環境省_排出原単位   データベース Ver.3.3

東京色材工業

13

リース資産

(下流)

対象外

14

フランチャイズ

対象外

15

投資

対象外

その他(任意)

対象外

合計

147,260

(注)IDEAは、農・林・水産物、工業製品等の日本の全ての製品・サービスの環境負荷物質を定量できるデータベース

   です。

 

  (2) 人材育成

① 人事ビジョン ~当社グループ人事施策の根幹~

社員の成長を通して組織力を高め、社業を発展させ、社会に貢献いたします。

 

② 当社グループの求める将来像

 2023年、創業200周年・会社設立90周年を迎えました。この機に、創業から脈々と受け継がれてきた技術立社の精神への認識を新たにし、より強固な経営体制とともに、夢や希望を持ち、明るい未来に向かって生き生きと仕事が続けられる風土作りに取り組んでまいります。引き続き創業300年に向けても、社員が成長し、信頼と感謝の気持ちで相互に繋がり、そしてお客様から厚く信頼される、かけがえの無い存在価値を持った会社になる将来像を思い描いております。

 第89期(2022年3月期)には、中期経営計画を策定し、既存事業を掘り下げながらも、環境・軟磁性といった新規事業での価値創造に積極的に取り組み、企業価値・収益性の向上及び財務基盤の一層の安定を目指し取り組み始めました。そのためにも、生技販管(全機能別組織)が一丸となり、それぞれの力を高め、また連携して事業発展に努める必要があります。

 

(抜粋)中期事業計画「Vision2023」

◎基本方針

・収益を伴った確実な成長

・組織力の強化

◎経営方針

・ビジネスの拡大

・高収益体質の強化

・経営基盤の充実(リスク管理、ガバナンス強化、DX)

◎基本戦略

・収益基盤事業

・成長事業

・中長期成長事業

 

:機能性顔料事業

:電子素材事業(磁石材料および誘電体材料を中心)

:軟磁性材料および環境関連材料の新規事業

 

③ 求める(目指す)人物像 ~率先垂範により周囲に好影響を与える~

基本姿勢 :意欲に溢れ、柔軟性と主体性を持ちあわせ、自己実現と顧客と当社グループの成長に向かってチャレンジを続ける人材

(顧客とともに組織、個人の成長に応える)

⇒全員が各々役割に応じたリーダーシップを発揮

技術志向 :高い専門性を有し、創意工夫により付加価値を創出できる人材

(顧客、社会のイノベーションに応える)

⇒技術立社の精神を支えるため、日々研鑽

組織志向 :多様な価値観を理解した上で、コミュニケーションを重視し、組織連携で業務にあたる人材

(厳しい競争環境に勝ち抜くため総力戦で応える)

⇒助け合い、ともに高め合う

品格   :企業人として高い倫理観を持って品格のある行動を取れる人材

(誇れる個人・会社になる期待に応える)

⇒人格の陶冶を怠らない

 

④ 人材育成方針 ~「技術立社」の精神を礎に創業以来、200年培われてきた技術をに活かす~

 当社グループは従業員一人一人の独創性と多様性を大切にし、先進性に富む開発力で社会に貢献できる企業を目指し、明るい未来に向けてチャレンジを続けていきます。

 会社としては、従業員の能力の限りない飛躍を支援すべく、就業環境を整え、専門性を高めるための学習への支援を行います。

 結果、事業会社として社会や投資家に還元する適切な収益を確保しつつ、従業員の幸せに満ちた生活を築くことを目指します。

 このことを組織として、改めて確認したのが、2023年の創業200周年・会社設立90周年を迎えるに際して制定した「微粒子の可能性を、世界の可能性に変えていく。」というパーパスです。

 「微粒子」は当社グループが創業以来、培った「微粒子合成技術」に由来するものですが、パーパスのステートメント/スローガンに掲げている通り、「(微)粒子=社員(人材)」を意味しています。

 

 

⑤ 人材戦略

 当社グループは、様々な社員の英知を結集し、製品・サービスを創造・製造し、お客様に提供し、満足いただくサイクルがうまく回るように日々取り組んでおります。そこでの成功のカギは、社員が成長し、いかに力を発揮できるかによります。

 当社人事部門は、社員の成長、思う存分力を発揮できる職場環境を整え、継続的に社業が発展し、社会に貢献するプロセス(成長・発展の好循環)を支えてまいります。

ガバナンス

・社長執行役員を起点とし、経営戦略との連携、全社最適の判断を確実にした人事戦略を策定、推進しております。

・当社において2024年3月までに、タレントマネジメントシステムの導入、人事部門による全社員への面談、適性診断(パーソナル/マネジメント)の実施、健康管理システムの導入等により、より従業員や組織のニーズ・状況を把握し、各種施策に反映させてまいります。

戦略

人材獲得戦略

インターンシップ、大学訪問、会社説明会の量と質の強化、多様な人材積極採用、リファーラル採用推進リターン採用、オンボーディングの充実等

育成戦略

全階層別研修、次期幹部候補の選抜育成(人材プール構築)、専門人材の育成等

配置戦略

要員調査、育成目線のローテーション、各社員の適性を参考にした配置等

エンゲージメント戦略

働き方改革(在宅勤務、男性育休)、ダイバーシティマネジメント、ハラスメント研修、人事制度のブラッシュアップ等

健康増進

健康管理システム導入、全社横断的メンタルヘルケア体制の構築等

課題

・企業価値向上をもたらす様々な人材の需要の高まり(主要ポジションの後継者候補、新規成長事業への人材供給、生技販管の必要人員充足(サプライチェーンの安定稼働)、DX、ファイナンス、リーガル、マーケティング等の専門人材等)

・男女・年齢・役職の人数構成のアンバランス等

 

⑥ 重点目標値

 当社では、上記において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績

(当連結会計年度)

働きやすい/働きがいのある職場環境

女性従業員比率(注)

2030年目標値 25.0%

17.1%

女性管理職比率(注)

2030年目標値 10.0%

2.8%

男性従業員の育休取得率

2030年目標値 95.0%

91.7%

従業員エンゲージメントサーベイ実施

当社において2024年3月までに第1回目実施し、重点項目を見極め、向上を目指す。

後継者候補の選抜・育成

次世代幹部候補研修

研修開催 受講者数 6名以上/年

育成環境の充実

一人当たりの教育費用

2030年目標値 30,000円

19,800円

(注)女性従業員比率、女性管理職比率及び男性従業員の育休取得率の算出方法については、「第1 企業の状況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」に記載しております。

 

3【事業等のリスク】

[体制]

 当社グループは、リスクマネジメントの目的、体制及び手法を定めた「リスク管理規程」を整備し、当社グループに周知・運用しております。当社グループを取り巻く個々のリスクについては、責任部署を定め、各責任部署において、リスクの特定、分析、評価及び対策を行う取組みを進めており、当該各リスクを管理する責任者として、リスク管理責任者(リスク管理を担当する執行役員)を定めております。各リスク管理活動の進捗や課題は、社長執行役員を委員長として、執行役員及び常勤の監査等委員等で構成するリスク管理委員会において報告され、当該委員会は報告されたリスクに関する方針決定及びリスク管理の実施状況のモニタリング等を行うとともに、これらリスク管理活動について取締役会に報告を行います。それにより、取締役会は当社グループ全体のリスクを網羅的、継続的に監視しております。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)予期し得ない事業環境急変に関するリスク

 当社グループはグローバルに事業展開していることから、国内外における政治・経済の情勢悪化、輸出入や外資企業への規制、テロ・戦争・パンデミックの発生等に伴うサプライチェーンの分断又は世界的な貿易摩擦の長期化により、当社グループの企業収益が悪化するおそれがあります。コスト構造のスリム化、生産拠点・資材調達の複数化等の施策による収益体制の強化を通じて、事業環境の変化に備えております。しかしながら、米中デカップリングの深刻化等、政治・経済情勢に予期し得ない環境の変化があった場合、当社グループの資金繰り環境、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(2)製品品質に関するリスク

 当社グループでは、モノづくりへの取組みを進めていくための原点である「Toda Spirits」を定め、「継続的改善活動を展開し、顧客の信頼と満足を得る品質を提供する」という品質方針の下、品質保証活動を推進しております。各事業所における品質マネジメントシステム(ISO9001)の運用、車載用製品に対するIATF16949システム導入による源流管理、プロセス管理の強化、営業及び製造から独立した品質保証部による品質監査、人材育成の強化等の活動を行っております。しかしながら、各国規制の変化や車載用製品を中心に顧客の要求水準が高まる中、品質上の欠陥や事故が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(3)原燃料の調達に関するリスク

 当社グループは、原材料等を複数の外部供給者から購入し、適正な在庫の確保を前提とした生産体制をとっておりますが、一部原材料等は、代替困難な限られた供給国、供給者に依存する場合があります。そのため、各国の輸出入規制や環境規制、供給者の被災及び事故等による原材料等の供給中断、品質不良等による供給停止、さらに製品需要の増加による供給不足等が発生する可能性があります。また、海外生産拡大に伴う現地調達においては海外の諸情勢に悪影響を受ける場合があり、それらが長期にわたった場合、生産体制に影響を及ぼし、顧客への供給責任を果たせなくなる可能性があります。市場における需給バランスが崩れた場合、原材料価格の高騰や原油及び石炭をはじめとするエネルギー価格の高騰による製造コストの増大が想定されます。原油及び石炭等建値相場の影響を受ける原燃料の仕入れも増加しております。このような仕入価格の変動を販売価格への転嫁や海外を含めた当社グループでの共同購入及び共有化等の原価低減活動で吸収しきれなかった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(4)新製品の開発力、技術革新、事業拡大に関するリスク

 当社グループは、酸化鉄総合メーカーとして、製品開発力と供給力を高めてまいりました。加えて、更なる発展のため、酸化鉄以外の事業への多角化も進めております。また、市場の動向分析に基づく継続的な研究開発体制の見直しや、開発テーマの選択と集中を高めるための組織改革により、事業開発のスピードアップや営業力の拡充を図っております。しかしながら、既存製品市場における需要減退、競合先による安価な製品又は代替製品が出現した場合、新製品の開発が計画通りに進展しない場合又は技術革新による新製品が出現した場合には、当社グループの競争力が低下する恐れがあり、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(5)減損損失・在庫評価損等のリスク

 当社グループは、電子部品及び自動車市場の顧客に素材・部材を提供しており、顧客の業績及び経営戦略の転換等によって需要の変動が発生した場合には、在庫評価損等が発生する可能性があります。また、当社グループは、品質及び生産性の向上並びに事業拡大のため、製造設備等の投資を継続的に行っており、多額の固定資産を保有しております。固定資産については、定期的に調査を行い、減損の兆候が認められる場合は適切な会計処理を行っております。しかしながら、固定資産の時価が著しく低下した場合や事業の収益性が悪化した場合には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(6)情報セキュリティに関するリスク

 当社グループでは、事業や業務を通して、取引先や当社グループ内の機密情報等を保有しており、これらの情報に対して、ウイルス感染やサイバー攻撃等、外部からの攻撃や内部的な過失による情報流出、システム停止等が生じる可能性があります。当社グループは、これらの脅威に対して、ソフトウェア、ハードウェアの技術を活用した管理及び制御による技術的対策、入退室・施錠管理等の強化による物理的対策、情報セキュリティ関連規程の見直しや当社グループ及び協力会社の従業員に対する定期的な教育・訓練等の人的・組織的対策により、情報セキュリティの強化を図っております。しかしながら、前述の脅威が顕在化した場合は、情報システムの停止等により、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(7)訴訟等に関するリスク

 当社グループは、法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、 知的財産権に関する争いを含め、事業活動の中で第三者との訴訟、クレーム又は種々の紛争に関わる可能性があります。契約条件の明確化、知的財産権の適正な管理、弁護士等専門家との連携等により、紛争等の未然防止に努めております。しかしながら、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(8)コンプライアンスに関するリスク

 当社グループは、法令遵守を重視した事業活動を行うべく、適切な社内規程整備を行うとともに、コンプライアンス行動規範を定めて、従業員に対するコンプライアンス教育の実施、内部通報制度等を整え、グループ全体のコンプライアンスの維持及び向上に取り組んでおります。しかしながら、当社グループにおいて、故意又は過失による法令違反、不正、ハラスメント等のコンプライアンス違反が発生する可能性があります。また、当社グループは、グローバルに事業活動を行っていることから、各国の法規制等の改廃により、当社グループの事業活動に不利な影響が生じる可能性があります。これらの内容及び結果によっては、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(9)災害等に関するリスク

 地震・集中豪雨等の自然災害、火災等の事故、重大な感染症によるパンデミック、電力や物流等の社会インフラの長期的な停止等によって、当社グループの各拠点において事業活動に支障が生じる可能性があります。BCPの策定、設備の定期点検や改修及び定期的な防災訓練、備蓄食料や非常電源の準備等の対策を行っておりますが、この様な災害等が発生した場合、当社グループの操業が中断し、生産及び出荷が遅延することにより、売上が低下し、加えて製造拠点等の修復又は代替のために、巨額な費用を要することにより、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(10)戦略的提携に関するリスク

 当社グループは、既存事業の拡大あるいは、新たな事業への進出等のために、事業戦略の一環として企業買収・M&A等の戦略的提携を行う可能性があります。これら戦略的提携に際しては、市場動向や相手企業について十分な調査検討を行っております。しかしながら、買収・提携後に市場環境の著しい変化があった場合等、当初想定した計画通りに進捗しない場合には、投下資金の回収ができない場合や追加費用が発生すること等により当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(11)人材確保と人材育成に関するリスク

 当社グループは、経営戦略やグローバル経営といったマネジメント能力及び専門性を有した人材の確保が重要と考えております。新卒採用及び経験者の通年採用を通じて人材の獲得を行うとともに、階層毎の教育プログラムを充実させ、人材の育成も推進しております。しかしながら、少子高齢化、労働人口減少等により人材獲得競争が激化し、事業運営に必要となる優秀な人材の確保が困難となり育成が計画的に推進できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(12)為替レートの変動に関するリスク

 当社グループは、海外の関係会社が14社あり、各地域における現地通貨建ての財務諸表の項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。加えて、日本からの輸出の大部分は外貨建てであり、海外関係会社への外貨建て貸付等も行っております。常に為替変動のモニタリングを行い、円建て又は安定的な通貨での取引、外貨建て取引については外貨預金口座での決済を行う等の対策をとっておりますが、円に対して外貨の為替変動が想定以上となった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(13)カントリーリスク

 当社グループは、中国をはじめとしたアジア、北米、ヨーロッパに海外拠点を有しております。各拠点とは定期的に海外安全情報等を共有して適時適切な対応がとれるよう努めております。しかしながら、これら拠点のある国において、紛争やテロ、政治情勢の悪化、大規模災害、パンデミック、労働争議、外資規制等が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(14)環境に関するリスク

 当社グループは、製品の製造過程において、原材料及び廃棄物等の化学物質並びに燃料、電気及び蒸気等のエネルギーを使用しております。また、多くの水資源を使用しており、使用した水は排水処理工程を経て無害化し、全量を河川・海に排水しています。このため当社グループは、化学物質管理、エネルギー管理、水資源管理を徹底し、法規制に沿ったリスクアセスメントを実施しております。しかしながら、環境に関わる法規制が変更された場合や、自然災害及び火災等の事故による化学物質の流失が発生した場合、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

(15)気候変動に関するリスク

 当社グループでは、将来の世代も安心して暮らせる持続可能な経済社会をつくるため、気候変動を経営上の重要課題とし、地球温暖化対策に取り組んでおります。しかしながら、気候変動について、移行リスク(カーボンプライシングによる税負担の増加、低炭素化設備・低炭素プロセスへの転換による設備投資の増加等)と物理的リスク(自然災害による建物や設備への被害、海面上昇による沿岸部事業所への追加投資の発生等)があります。

 詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)気候変動への対応(TCFD提言への取組) ②戦略」に記載しております。

(16)知的財産に関するリスク

 当社グループは、重要な財産である知的財産に関わる創作活動を奨励し、その適切な保護と活用を推進しております。事業展開に必要な製品及び技術について知的財産権の確保に努め、第三者の知的財産権を侵害しないように十分な調査を行っております。しかしながら、想定するような権利範囲が確保できない場合又は第三者の知的財産権を侵害しているとして権利侵害の訴えを起こされた場合、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度(以下、「当期」という)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

親会社株主に帰属

する当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益

(円)

当期

34,934

1,367

3,349

3,268

566.50

前期

35,332

2,519

4,184

3,116

540.59

増減率(%)

△1.1

△45.7

△20.0

4.9

4.8

 

 当期の業績は、売上高は34,934百万円(前期比1.1%減)、営業利益は1,367百万円(前期比45.7%減)、経常利益は3,349百万円(前期比20.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,268百万円(前期比4.9%増)となりました。

 

セグメント別の状況は、次のとおりであります。

 

売上高

セグメント利益

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減率(%)

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減率(%)

機能性顔料

13,568

14,730

8.6

2,124

2,001

△5.8

電子素材

22,226

20,653

△7.1

3,285

2,389

△27.3

消去又は全社

△461

△448

△2,890

△3,023

合計

35,332

34,934

△1.1

2,519

1,367

△45.7

 

(機能性顔料)
 第3四半期連結会計期間において、連結子会社であった戸田聯合実業(浙江)有限公司の出資持分を譲渡したものの、市場の需要は前期に引き続き旺盛であり、主に複写機・プリンター向け材料、塗料向け材料、触媒向け材料が好調に推移したことから、売上高は前期比8.6%増の14,730百万円となりました。一方、セグメント利益については、原材料・エネルギー価格高騰の影響及び売上商品構成の変化により、前期比5.8%減の2,001百万円となりました。

 

(電子素材)
 世界最高レベルの磁気特性を持つ希土類ボンド磁石材料の売上は主に自動車用のモーター用途として、前期より伸長いたしました。また、2021年8月13日に子会社化した江門協立磁業高科技有限公司は年間を通じて業績に寄与いたしました(前期は第3四半期連結会計期間より損益計算書を連結)。しかしながら、半導体不足及びICT機器の需要低迷による在庫調整等の影響により、誘電体材料等の売上が低迷いたしました。加えて、原材料・エネルギー価格高騰の影響により、売上高は前期比7.1%減の20,653百万円、セグメント利益は前期比27.3%減の2,389百万円となりました。

 

②財政状態の状況

 

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減

(百万円)

資産合計

51,292

52,016

724

負債合計

37,333

35,456

△1,877

純資産合計

13,958

16,559

2,601

 

 当社グループの当期末における資産は、受取手形及び売掛金が2,917百万円、長期貸付金が1,022百万円減少したものの、現金及び預金が514百万円、原材料及び貯蔵品が631百万円、その他流動資産が656百万円、のれんが363百万円、関係会社出資金が1,857百万円増加したこと等から、前期末に比べ724百万円増加いたしました。

 負債は、借入金が1,068百万円増加したものの、支払手形及び買掛金が2,002百万円、その他流動負債が413百万円、長期未払金が471百万円減少したこと等から、前期末に比べ1,877百万円減少いたしました。

 純資産は、非支配株主持分が813百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益3,268百万円等から、前期末に比べ2,601百万円増加いたしました。

 以上の結果、1株当たりの純資産は前期比588.55円増加して2,744.37円となり、自己資本比率は前期比6.3ポイント増加して30.5%となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

 

前期

(百万円)

当期

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

903

833

△70

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,138

△375

763

財務活動によるキャッシュ・フロー

913

187

△726

現金及び現金同等物期末残高

7,527

8,476

949

 

 当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,476百万円となり、前期末より949百万円増加いたしました。

 当期における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは833百万円(前期は903百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,347百万円等による資金の増加が、棚卸資産の増加額1,547百万円、法人税等の支払額597百万円等による資金の減少を上回ったこと等によります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは△375百万円(前期は△1,138百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,738百万円等による資金の減少が、連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による収入731百万円、貸付金の回収による収入681百万円等による資金の増加を上回ったこと等によります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは187百万円(前期は913百万円)となりました。これは主に、長期借入れによる収入5,730百万円等による資金の増加が、短期借入金の純増減額664百万円、長期借入金等の返済による支出3,746百万円、利息の支払額265百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出814百万円等による資金の減少を上回ったこと等によります。

 

 

④生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

機能性顔料

11,529

3.2

電子素材

18,908

0.8

合計

30,438

1.7

 (注) 金額は、平均販売価格によっております。

 

(2)受注実績

 当社グループの主要製品については主に見込み生産を行っております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

機能性顔料

14,723

8.6

電子素材

20,210

△7.2

合計

34,934

△1.1

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

BASF Toda America LLC

6,013

17.02

5,645

16.16

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a)経営成績の分析

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、徐々に経済活動が正常化に向かい、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、原材料及びエネルギー価格の高騰による物価上昇、供給面での制約、ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れ等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 こうした状況のもと、当社グループにおきましては、半導体不足及びICT機器の需要低迷の影響により、売上高は前期を下回りました。

 利益面においては、売上高の減少に加え、原材料・エネルギー価格及び輸送費高騰の影響により営業利益及び経常利益は前期を下回ったものの、連結子会社であった戸田聯合実業(浙江)有限公司の出資持分を譲渡したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期を上回りました。

 以上のことから、売上高は34,934百万円(前期比1.1%減)、営業利益は1,367百万円(前期比45.7%減)、経常利益は3,349百万円(前期比20.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,268百万円(前期比4.9%増)となりました。

 なお、セグメント別の経営成績については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

 

(b)財政状態の分析

 当期の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当期におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。また、当期における金融機関からの借入状況は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表 借入金等明細表」に記載しております。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、関係会社への投融資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたり必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、2022年11月29日開催の取締役会において、当社の連結子会社である戸田聯合実業(浙江)有限公司の出資持分の全部を当社の持分法適用関連会社である浙江華源顔料股分有限公司及び戸田聯合実業(浙江)有限公司のもう一方の出資者である徳清聯合顔料有限公司へ譲渡することを決議し、2022年11月30日付で当該持分譲渡について契約を締結いたしました。

 詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しております。

 

6【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、当社が主として行っております。

 当社の研究開発活動は、創造本部を中心に顧客ニーズに即応する商品開発と次世代商品の開発を行っております。

また、開発競争のグローバル化に伴い、より一層の開発スピードの向上が求められる中、社外の関連研究施設や大学との連携にも積極的に取り組んでおります。

 セグメント別の研究開発活動の概況は次のとおりであります。

 

(1)機能性顔料

① 電子印刷材料

 デジタル複写機・レーザープリンター等のトナー用材料の磁性酸化鉄を開発し商品化しております。

 電子印刷用キャリアでは、当社独自の磁性粉造粒技術を用いた磁性粉分散型樹脂キャリアの改良を進め、顧客ニーズを先取りした開発及び商品化を行っております。

 

② 着色材料

 各種重金属の含有量の少ない化粧品用材料の開発に取り組んでおります。また、紫外線防御といった新たな機能が期待できる透明酸化鉄顔料や高彩度で着色力が高い易分散顔料の開発を行っております。

 

③ 環境関連材料

 農業用ポリオレフィン保温材、カラス対策ごみ袋用コンパウンド、有害イオン吸着剤、鉄を主成分とする回収効率の良いCO2固体回収材の開発等を行っております。また、メタンガス等からCO2を排出することなく水素とカーボンナノチューブを製造する直接メタン改質法を開発し、実用化に向け推進しております。

 

④ 添加剤、および触媒材料

 環境保全・クリーンエネルギー分野においても市場ニーズに添った開発を推進しており、ハイドロタルサイトや酸化鉄触媒材料の開発に取り組んでおります。酸化鉄触媒材料では、酸化鉄の酸化触媒機能を活かして環境浄化触媒の開発・実用化に取り組んでおります。また、ニッケルを用いた水素製造触媒の開発・実用化を行っております。

 

⑤ 磁気記録材料

 高密度化デジタルテープへの社会的ニーズに対応して、磁気記録テープのより一層の高密度化に必要な磁気記録テープ下層用超微粒子材料の開発を行い、市場展開を進めております。

 

(2)電子素材

① 磁石材料

 モーターやセンサーで使用されるハードフェライト材料、希土類磁石材料とそれらを射出成形した成形体の開発及び実用化を行っております。

 希土類磁石材料においては、世界最高レベルの磁気特性を持つ射出成形用異方性NdFeBコンパウンドの製造販売をしております。自動車産業への展開を見据え、このNdFeBコンパウンドの更なる耐熱性、耐食性の向上を目指しております。

 

② 軟磁性材料

 CASEやMaaSといった技術革新が進む自動車産業や第5世代移動通信システム(5G)に向けて、高性能インダクタ用の材料や、半導体パッケージに内蔵する薄型インダクタ用部材、kHz~GHz帯に対応した電磁ノイズ抑制材料、ワイヤレス給電用部材の開発に取り組んでおります。

 

③ 誘電体材料

 高度情報化社会に対応して小型高容量のセラミックコンデンサー(MLCC)用誘電体材料の開発等を行っております。分散性の良い超微粒子のチタン酸バリウムは、小型高信頼性、高容量化の市場ニーズにマッチした最先端材料で拡販、上市しております。さらに、湿式合成の強みを生かして、チタン酸バリウムを各種溶媒中に一次粒子径に近い状態で高濃度分散を可能にいたしました。顧客ニーズに応じて設計が可能で、高い屈折率や誘電率を活かした光学フィルムやコンデンサーなどの用途で展開を進めております。

 

④ 電池材料

 導電材として、カーボンナノチューブ(CNT)の開発及びパイロットプラントを活用した市場展開によるCNTの事業化の検討を進めております。

 世界的に市場が拡大している二次電池電極材の導電助剤や電磁波ノイズ対策用のEMC材料への適用にむけ顧客へのサンプルワークを加速しております。

 

 当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、1,315百万円であります。

 また、当連結会計年度における当社が所有する特許の件数は、国内385件、海外489件、出願もしくは審査中の件数は海外を含めると157件となっております。