文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
1. 経営方針
当社グループは、以下の「経営理念」、「行動指針」及び「グループビジョン」を経営の基本方針としております。
<経営理念>
中山製鋼所グループは、公正な競争を通じて付加価値を創出し経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます。
<行動指針>
① 法令や社会的規範を守り、高い倫理観を持って行動します。
② 安全・防災・環境問題は企業の存在の基本条件と位置づけ、生産活動に優先して取り組みます。
③ 社会的に有用な商品・サービスを開発、提供し、顧客の満足度と豊かさを実現します。
④ 従業員の人格・個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境を確保し、ゆとりと豊かさを実現します。
⑤ 社会および株主とのコミュニケーションを大切にし、企業情報を積極的かつ公正に開示します。
⑥ 良き企業市民として積極的に社会貢献活動に取り組みます。
<グループビジョン>
中山製鋼所グループは、鉄鋼事業を中核に発展してきた企業集団であり、今後ともお客様と将来の夢を共有し、社会にとって有用な付加価値の高い製品を開発、商品化し、お客様に安定的に提供していく努力を継続してまいります。
2. 経営環境
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和により経済・社会活動が正常化に向かう一方、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、ゼロコロナ解除後の中国の動向や各国の金融引締めに伴う世界経済の減速懸念など先行き不透明な状況が続くことが想定されます。
当社グループを取り巻く環境につきましては、国内鋼材需要は緩やかな国内経済の回復のもとで、自動車生産や民間設備投資の増加、倉庫・物流施設などの非住宅分野の堅調ぶりなど、製造業向け、建築向けともに底堅く推移することが期待されます。一方で、原材料価格やエネルギー価格は高位で推移するなどコスト環境は厳しい状況が続くことが見通されます。
3. 対処すべき課題
当社グループは、2030年のありたい姿・目指す企業として「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」を定め、その実現に向けて2024年度を最終年度とする3ヵ年の「中山製鋼所グループ中期経営計画」に取り組んでおります。長期ビジョン及び中期経営計画の概要につきましては以下の通りです。
中山製鋼所グループ2030長期ビジョン~ESGにおける5つのマテリアリティ(重要課題)
当社グループは、上記の2030長期ビジョンの実現に向けて、そのスタートとなる3年間の中期経営計画(2022年度~2024年度)を策定し、施策を着実に進めております。当該中期経営計画の重点方針やその概要及び最終目標は以下の通りです。
(1) 重点方針
① ”中山らしさ”の追求、グループ一体での付加価値向上による連結収益最大化
当社は、2022年4月1日に完全子会社の中山三星建材株式会社を合併しました。加工ビジネスへの取り組みを一段と加速させ、当社グループのシナジーを拡大させるとともに、その実現を通じて当社グループの総合力強化を図ってまいります。母材のホットコイルから加工製品までの一貫メーカーとして強みをさらに発揮し、コスト・品質・デリバリー面での競争優位性をさらに高めます。同日付けで製品開発本部を創設し、技術開発・商品開発も推進しております。
また、縞鋼板の切断や2次加工能力の増強のため、完全子会社の三泉シヤー株式会社の第2工場を当社構内に建設し、2023年度から営業生産を開始しました。
グループ全体で加工分野を強化するとともに、サプライチェーンの拡大により高付加価値品の拡販に努め、収益力の強化を図ってまいります。
② カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取り組み強化
月間5万トンの電気炉生産体制を確立し、上級スクラップ使用比率の低減や原単位の向上に一層取り組み、コスト競争力を高め、電気炉鋼材の普及拡大に注力しております。当連結会計年度におきましては、鉄スクラップの集荷対策や電気炉生産量の増加を図るとともに、各工場での歩留の改善などを推進してまいりました。
長期成長戦略の検討については、2022年2月1日に設置した「製鋼プロセス改革検討グループ」を2023年4月1日に「新製鋼検討グループ」として改組し、電気炉新設を含めた抜本的な電気炉生産能力増強策の詳細検討を進めております。
また、気候変動対策をはじめとしたサステナビリティへの取り組みを推進すべくサステナビリティ委員会を設置し、CO2削減への取り組みを強化するとともに、2022年3月には「GXリーグ基本構想」に賛同、2022年10月には「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言へ賛同、さらに「Nakayama Steel CSR Report 2022」を当社ウェブサイトに掲載し、当社グループの環境への取り組み内容を開示しました。
③ 中部鋼鈑株式会社との業務提携の推進
2021年4月に中部鋼鈑株式会社と包括的業務提携契約を締結し、同社からのスラブ供給や同社への厚板生産委託などを推進しております。同社の新電気炉完成後の2023年下期以降では提携内容の拡充を図ります。相互にメリットを享受しながら、カーボンニュートラル・循環型社会の実現に貢献してまいります。
④ 経営基盤の強化
鉄鋼事業の競争力維持・強化のため、生産設備の新陳代謝を促進します。将来を見据えた計画的な更新投資により次期中期経営計画(2025~2027年度)以降での投資負担の軽減も図ります。また、安全性向上のための投資については別枠を設け、安全・安定操業への取り組みを一層強化します。
また、2022年度より遊休設備の解体撤去を進め、当社船町工場での遊休設備解体後の跡地活用に向けた準備を進めております。
DXへの取り組みとして、前中期経営計画期間から進めている電子契約、ワークフローシステム導入やRPA活用による業務効率化の対象範囲を拡大します。また、グループシステム共通の基盤を構築するとともに、業務のあり方を見直しつつデータ活用の基盤づくりを検討し、2024年度には当社の基幹システムを更新することにより、業務の改善を推進します。
⑤ ステークホルダーに貢献する取り組み強化
ガバナンス体制の強化として、当社は、2022年6月28日開催の定時株主総会の承認を経て、監査等委員会設置会社に移行しました。これにより経営の意思決定の迅速化を図り、取締役会における経営の基本方針等の議論をより充実させるとともに、取締役会による業務執行への監督機能を強化してまいります。さらに、取締役が株価変動のメリットとリスクを株主の皆様と共有し、株価上昇及び企業価値向上への貢献意欲を従来以上に高めるために、2023年6月28日開催の第129回定時株主総会の承認により当社の取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)を対象に譲渡制限付株式報酬制度を導入しました。
また、コンプライアンスの徹底を図り、安全・防災を最優先し無事故・無災害の実現を目指すとともに、健康経営の一層の強化を推進します。さらに働き方改革を進めワークライフバランスの充実を図ってまいります。
以上のように経営基盤の強化や収益力向上により企業価値を高め、業績に見合った安定的な株主還元を行うことを目指すとともに、株主・投資家に向けて非財務情報を含めた情報開示の充実や建設的な対話の促進に努めます。
(2) 経営目標
本中期経営計画の最終年度である2024年度の定量目標・KPIは以下の通りです。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「公正な競争を通じて付加価値を創出し、経済社会の発展を担うとともに、社会にとって有用な存在であり続けます」という経営理念を掲げており、これはSDGsの考え方と共通していると考えています。SDGsを重要な取り組み課題と認識しており、急激な世界経済の変動や地球規模の気候変動に柔軟かつ適切に対応するために、上記「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 対処すべき課題」に記載の「中山グループ2030長期ビジョン~ESGにおける5つのマテリアリティ(重要課題)」を特定しました。
当社グループの従業員一人ひとりがこれらのマテリアリティを意識して事業活動に取り組むことにより、当社グループの持続的な成長とともに社会的課題の解決やSDGsへの貢献を実現してまいります。
気候変動問題に関しては、カーボンニュートラルに向けた取り組みが加速化し、各企業は自社のみならず、バリューチェーン全体での排出削減が求められるなか、当社が保有する電気炉プロセスは高炉プロセスに比べ1/4のCO2排出量で鉄スクラップから鉄を作ることができる、環境にやさしい製鉄プロセスであるため、世界的に生産量が増加し、お客様の電気炉鋼材に対するニーズ・需要が高まっていくと思われます。
当社グループは、電気炉による生産量の増大を推進するため、自社電気炉の生産能力を増強し他メーカーから調達する鉄源を電気炉鋼にシフトすることが、資源リサイクルだけでなくカーボンニュートラルへの取組みにもつながると考えております。当社では2050年カーボンニュートラルに向けた取り組みを事業拡大のチャンスと捉え、省エネ設備、熱延直送圧延、太陽光発電などの導入を進めることでScope1,2の排出量削減に努めるとともに、電気炉新設を含めた抜本的な電気炉生産能力増強策を推し進め、Scope3の排出量も大幅に削減してまいります。これらにより、2030年には2013年比46%以上のCO2排出量削減を目指します。
更に2050年カーボンニュートラルに向けては、更なる燃料・電力原単位の削減のための新設備技術、新燃料などの生産設備・船舶などへの適用、再エネ設備、廃熱回収発電設備の導入などを推進してまいります。
以下に当社の気候変動に対する取り組み体制や取り組み方針などを、TCFD提言が推奨する枠組みに基づき記載いたします。
① 気候変動・環境関連課題の管理・監督体制
当社は持続可能な成長と社会的課題の解決に向けたサステナビリティ経営の取り組みの推進と中長期的な企業価値向上のため、その課題解決に取り組むべくサステナビリティ委員会を設置し、年4回以上開催しています。特に気候変動問題は国際的課題として重要視しており、2030長期ビジョンの第一義として「カーボンニュートラルに向けて尽力する企業」を掲げ、その他環境関連課題とともに当委員会において管理・監督する体制を構築しています。
また、その下部組織であるカーボンニュートラル推進委員会、環境マネジメント委員会がカーボンニュートラル実現に向けての方針設定、リスク・機会の特定を行い、その後、業務執行部門が検討、報告(年1回)するCO2排出量削減に向けての具体的な活動、環境目的・目標の設定などに対し、環境マネジメント委員会が承認・指示を行っています。両委員会は年3~4回の定期開催に加え、外部環境やモニター状況の変化など必要となった場合は臨時開催する等、臨機応変に対応しています。
これらの内容はそれぞれの委員会より適宜、サステナビリティ委員会に諮問のうえ、取締役会にて協議、最終承認・指示(年1回以上)されています。
また、CGコード、有価証券報告書に開示するとともに、CSR報告書にも反映しており、当社ウェブサイトなどにも掲載することで、ステークホルダーへの情報共有にも努めています。

② 気候変動・環境関連課題を評価・管理する上での経営者の役割
当社の気候変動など環境関連問題への対応に中心的な役割を担うサステナビリティ委員会は取締役社長を委員長とし、カーボンニュートラル推進委員会及び環境マネジメント委員会では製造、環境部門などを統括する取締役が推進責任者となり、気候関連、環境に関する課題の抽出と対策立案、モニタリングと確実な履行を評価・管理しています。
当社は、中・長期的な気候変動課題への対応を全社の課題として経営層を含む全従業員がその内容を認識・共有化のうえ取り組むべく、TCFD提言において推奨されるシナリオ分析を活用しました。
① シナリオ群の定義
シナリオの選択にあたっては、可能な限り温度帯や世界観が異なるシナリオを選択することで「想定外を無くす」ことを意識し、パリ協定で示されている「世界全体の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」ことを念頭に置きました。
その上で、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオ(1.5℃~2℃未満及び4℃)を参照の上、2030年、2050年時点における影響評価を行いました。
② 当社における事業環境の変化
想定したシナリオにおいて、当社の事業環境に与える影響をマクロ的視点から描写したうえでリスクと機会を細分化しました。
・1.5℃~2℃未満シナリオ=脱炭素化ニーズが高まり、産・官・学・金・民による抜本的な対策が講じられる。
・4℃シナリオ=脱炭素化ニーズはなく、異常気象など物理的リスクによる激甚災害が頻発する。
③ リスク・機会の重要なアイテムと対策
当社及びバリューチェーンにおける気候関連リスクと機会を認識のうえ、シナリオとして選択した「1.5℃~2℃未満、及び4℃」の2パターンに当て嵌め、事業上の短期・中期・長期的な課題を検討しています。
特に重要度の高い内容について、下記のとおり推進してまいります。
<リスクへの対応>
(a) 炭素税、排出量取引などのカーボンプライシング導入に伴うコスト負担増加への対応、及び脱炭素社会に向けての他産業における高炉製品に代わる新素材・新技術の開発による鋼材需要減少への対応
[対策]CO2削減に向け、現在購入している高炉鉄源を電気炉鉄源に置き換えるべく、電気炉設備の生産能力増強のため、新電気炉建設を含めた検討を推進しています。その実現に向けては、持続的な安定収益の確保の実現、スクラップ調達確保策の検討などを推進してまいります。また、既設工場設備では省エネルギーを推進し、加えて太陽光発電設備の導入検討など再エネ化も並行して対応しています。
(b) サプライチェーンにおける脱炭素化への対応によるコスト増加分の原材料価格への転嫁に伴うコスト負担増加への対応
[対策]省エネなど自社によるコスト削減とサプライチェーンへの省エネの働きかけとともに、サプライヤーとのエンゲージメントを継続的に実施のうえ、原材料価格変動に臨機応変に対応すべく、連携を強化します。長期的には新燃料の利用拡大、船舶の燃料転換などを推進してまいります。
(c) 気候変動関連対応ニーズへの対応不足による企業評価低下がもたらす株価の下落への対応
[対策]TCFDに沿った開示を進めるとともに、株主様、機関投資家様などとのコミュニケーションを充実してまいります。
(d) 平均気温の上昇や海面上昇に伴う事業環境の変化への対応
[対策]自社における既存操業の維持が困難となり、拠点の移転、設備対応、物流ルート変更に対するコストの増加が想定される場合、及びサプライチェーンにおいて供給体制が不安定となることを想定した場合への対応として、原材料調達先の多様化、及びBCP(事業継続計画)の実行によるスムーズな復旧を推進します。また、体制固めとして、BCM(事業継続マネジメント)体制を構築することで、鋼材販売遅延の極小化を推進すべく、設備・施設強化、鉄鋼メーカーとの業務連携による融通制度構築などを進めてまいります。
<機会への対応>
(e) 脱炭素意識の高まりに伴う消費者意識の変化への対応
[対策]CO2排出量の低い鋼材ニーズの高まりに伴う電気炉製品販売量の増加への対応として、上記(a)項に記載の電気炉生産能力向上対策の実施に加え、販売戦略として脱炭素・循環型鋼材であることのPRなどを行ってまいります。
上記シナリオの詳細につきましては、2023年中に当社ウェブサイトに掲載予定の「Nakayama Steel CSR Report 2023」に記載する予定です。
<気候変動・環境関連リスクマネジメント要領とリスクを特定・評価するプロセス>
気候変動及び環境関連におけるリスクは、当社の事業経営、サステナビリティ経営に影響を及ぼすとの認識の下、年3回の定期更新を行っており、そのマネジメントにあたっては以下のとおり、PDCAサイクルを活用しています。
計画段階では、カーボンニュートラル推進委員及び環境マネジメント委員会におけるEMS管理責任者が国際情勢、国内における社会情勢、政府・自治体の動向、鉄鋼業界・他産業界の動向など様々な情報を参照の上、気候変動・環境関連に関するリスクを抽出しています。そのリスクを財務影響度、発生可能性、ステークホルダーにとっての重要性などを加味した上でカーボンニュートラル推進委員会及び環境マネジメント委員会が特定・評価しています。
実行段階では、業務執行部門が前述の特定されたリスクを踏まえ、エネルギー原単位改善の目標と施策、及び省エネ・CO2排出量削減に向けた設備投資計画を検討の上、経営計画・アクションプランに反映し、実行しています。
実績評価段階では、環境マネジメント委員会がアクションプラン実績のモニタリング、フォローとともにその達成度のレビュー、環境パフォーマンスの総合評価を実施しています。これらの結果については、環境マネジメントシステム(EMS)における外部機関や社内環境監査委員からの監査を受けることで評価するとともに、ステークホルダーとのコミュニケーション(開示文書などを含む)の中で明示しています。
また、レビュー及びパフォーマンス評価の結果を踏まえた改善策を検討の上、次期計画に反映しています。
これら一連の業務については、環境マネジメント委員会がサステナビリティ委員会及び取締役会で報告(年1回)し、承認・指示を受けています。
① バリューチェーン全体におけるCO2排出量削減実績と目標
当社では、2050年カーボンニュートラルに向けてバリューチェーン全体での排出量削減が重要であると認識しており、また、自社における直接・間接排出量(Scope1,2)よりもサプライチェーンの排出量(Scope3)が多いことから、Scope3を含めた2030年目標値として2013年比46%削減、2050年カーボンニュートラルを掲げています。
当社におけるScope1,2,3排出量は2022年実績で1,298千t-CO2となり、その内、自社の活動からの排出量(Scope1,2)は251千t-CO2で全体の2割弱となっています。

上記のCO2排出量等の数値は当社単体におけるものであり、今後、算定の対象範囲をグループ全体へ拡大してまいります。
当社グループの人的資本経営に対する取り組み体制や取り組み方針は、以下の通りです。
当社は、人材育成は単に「人を育てる」ということでなく、経営戦略の一環であり、企業の競争力を維持・向上させるための源泉だと考えております。急激に変化する外部環境を的確に捉え、次の時代を見据えた抜本的な変革を実現するために、人材育成の強化、人材のダイバーシティ推進、多様性の確保という3つの観点からの取り組みを行い、企業理念の浸透、更なる戦略的な人事施策を展開してまいります。
(1) 戦略
① 人材育成の強化
人材育成に向けては、自律的キャリア開発を土台に一人ひとりのポテンシャルを最大化させる「多様なキャリア形成」の実現と次世代経営層、リーダーの早期育成を図ってまいります。当社は「経営に貢献する人づくり」の観点から、各職場におけるOJT教育を基本とし、職場全体で個人に寄り添い教育する体制が企業風土を支えております。さらにOff-JTとして新入社員、中堅社員や役職員を対象とした階層別研修、スキルアップを目的とした研修など、従業員の能力を最大限に引き出すための人材育成プログラムにより、各階層に求められる知識やスキル習得を支援しております。
また、QC手法を用いた自主管理活動(JK活動)、各種通信教育、資格取得奨励制度を通じて、従業員の自律的な能力開発を支援しております。
② 人材のダイバーシティ推進
成長戦略をけん引する強みや個性を持つ人材採用に加え、性や価値観によらず多様な人材が活躍できる環境を整備してまいります。当社はジェンダー・経験者採用を問わず、管理職への登用を行う方針としております。
③ 多様性の確保
ワークライフバランスの充実を図るべく、働き方の多様化にも対応しております。育児・介護休業、在宅勤務、時短勤務、半日有休等の制度の整備、リモート環境や福利厚生施設の整備を行っております。今後も引き続き、男性育児休業の取得推進やシニア人材の活用など多様な人材が活躍できる制度の充実や環境の整備を進めてまいります。
(2) 指標と目標
当社においては、現時点では女性の管理職が全管理職に占める割合は6%を切っている状態です。今後は初級管理職である係長(マネージャー)候補者が育ってまいりますので、2026年3月末におけるマネージャー職に占める女性の割合を25%以上とする計画としております。
三星海運株式会社においては、女性管理職が育ってきており2026年3月末における課長職以上に占める女性の割合を20%以上とする計画としております。
当報告書に記載している事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 主要原材料の価格並びに製品の販売価格の動向に伴うリスク
鉄鋼製品の主要原材料価格は、国内だけでなく国際的な資源需給の動向等の影響を受けます。主原料の国際商品市況が急激に上昇した場合、製造コストの上昇分に見合った販売価格への転嫁を早期に実施することは困難であるため、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。また、原油価格の変動に伴う重油・ガソリン・天然ガスなど、燃料価格の上昇は、製造プロセスにおける燃料コストや販売運送コストに影響を与える可能性があります。
当社グループでは、販売価格や主原料価格の動向により、電気炉鋼片又は購入鋼片をフレキシブルに使い分けた生産・営業体制を堅持し、鋼材スプレッドの最大化を図っております。
② 最終ユーザーの需要動向に伴うリスク
当社グループが製造している鉄鋼製品は、総合商社や鉄鋼商社、問屋や溶断業者などを通じて最終ユーザーに販売されております。最終ユーザーは、主として建設、建設機械や産業機械などに属する企業であることから、建設需要の低迷や建設機械や産業機械の生産量の減少など、最終ユーザーにおける鉄鋼需要そのものが低迷した場合、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、特に問屋、溶断業者とのサプライチェーンを全国にきめ細かく築いております。特定の大手最終ユーザーと直接取引をするより、各地域の多種多様な中小最終ユーザーへ問屋、溶断業者が持つ地場密着のきめ細かな販売、配送機能を利用して販売することで需要低迷時のリスク分散、競合他社との差別化を図っております。今後もこのサプライチェーンをより一層強化するため、全地域に販売拠点を持つグループ会社との連携営業、加工能力増強による商品ラインアップの充実を進めてまいります。
③ 電気料金の価格動向に伴うリスク
現在、国内の原子力発電所の多くが運転を停止し、火力による発電比率が高まる中、電力単価が上昇し、電力費の負担は高水準で推移しております。また、燃料費調整単価は、火力発電に必要な石炭、液化天然ガス及び原油などの価格や為替の動向によって上昇する可能性があります。これらの動向による電力料金の状況により、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、電気炉コストが急激に上昇したり、計画停電などにより減産を余儀なくされた場合においては、鉄源多様化による購入鋼片を増加させることなどにより、生産・販売や収益への影響を最小限にとどめるよう努めてまいります。
④ 各種法的規制、訴訟等に伴うリスク
当社グループは、日本及び海外各国・地域の法令や規制に従って事業活動を行っております。法規制には、環境、商取引、労務、知的財産権、租税、為替等の各種関係法令に加えて、事業活動や投資を行うために必要とされる様々な官公庁等の許認可規制があります。今後、より厳格な規制が導入されたり、法令の運用・解釈が厳しくなったりすることにより、当社グループの事業活動の継続が困難になったり、法令遵守のための費用負担が増加する可能性があります。
当社グループは、「中山製鋼所グループ企業理念」により、法令遵守することを行動指針の一つとして掲げており、全役職員に教育・指導しておりますが、当社グループが何らかの理由により法規制に違反したと認定された場合には、課徴金等の行政処分、罰金等の刑事処分を受ける可能性があり、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
また、重要な訴訟において当社グループに不利な判断がなされた場合には、事業活動の停止・制約、補償等により、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、各種業界団体への加盟やセミナーへの参加等により、各種法的規制に関する必要な情報を適時・的確に収集するとともに、各種法令等遵守の徹底を図るため、コンプライアンス推進部署が、各種法令等への遵守に向けた社員教育及び体制整備に努めております。
⑤ 事業活動にかかる環境規制に伴うリスク
当社グループは、現在、鉄鋼事業活動の過程で発生する廃棄物、副産物等の扱いは、国内外の法規制を遵守し、的確な対応を行っておりますが、将来において環境規制が強化された場合、鉄鋼事業活動が制約を受け、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
また、パリ協定の合意以降、世界的に脱炭素化の流れが加速しており、当社グループにおいてもカーボンニュートラルに向けた取り組みを行いCO2排出量削減に努めておりますが、国内外において法規制の厳格化、炭素税や排出量取引制度が導入された場合、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各種業界団体への加盟やセミナーへの参加等により、必要な情報を適時・的確に収集するとともに、環境パフォーマンスの改善を図ることを目的としてISO14001を取得するなど、環境マネジメントシステムを構築し運用しております。
⑥ 気候変動が及ぼすリスク
当社は、2022年10月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおり、気候変動に関するリスクと機会を分析・開示するとともに、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて取り組みを開始しておりますが、気温の上昇や異常気象、自然災害等によって原材料の調達停止やコストの増加、生産停止など事業活動に影響が生じる可能性があります。また、脱炭素への対応が不足又は遅延することで、生産コストの増加や新たな税負担、事業活動の制限等の影響を受ける可能性があります。
⑦ 製品・サービスの品質問題等によるリスク
当社グループは、鉄鋼製品をはじめ様々な製品・サービスについて、お客様に有用な付加価値の高い製品・サービスを提供してまいります。当社グループでは、法令・日本産業規格などの公的な規格・顧客との協定事項の遵守を徹底し、厳密な社内規準の制定や堅固な検査体制の構築を実施し、これを確実に運用しております。ただし、不適合な製品等が社外に流出し、あるいは顧客にて品質問題が生じた場合には、顧客等からの代品の納入や補償の要求などにより、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、品質問題が発生した場合には不適合の発生原因を正確に突き止め、そのうえで確実な再発防止策を講じてまいります。こうした施策により、当社グループまたは当社グループの製品やサービスに関する信頼の損失や売上の減少等を回避し、当社グループの財政状態や経営成績等の維持・向上を図ります。
⑧ 各種感染症や台風・地震等の大規模な自然災害等の異常事態発生に伴うリスク
当社の本社・船町工場は大阪市内にあり、単独の事業拠点、工場をもって事業を展開しております。新型コロナウイルスを始めとする感染症拡大や、台風・地震等の大規模な自然災害など、異常事態が当社グループの想定を超える規模で発生し、工場の生産や製品の販売が困難な状態となった場合、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、有事の際には、在宅勤務等、勤務体制の変更、従業員の行動基準の策定、異常事態発生時の対応マニュアルの運用等により、事業リスクの最小化に向けた施策を推進します。
⑨ 重大な労働災害、設備事故等によるリスク
当社の船町工場をはじめとする当社グループの各製造工場において、重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には、操業に支障をきたし、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、労働災害や工場事故発生時の対応マニュアルの発動や、通常時は安全管理を徹底するなど、事業リスクの最小化に向けて対応いたします。
⑩ 人材の確保におけるリスク
当社グループでは、企業戦略を支えるのは人材であると認識しております。現在、わが国では、少子高齢化が進展していますが、人材の確保が十分にできない場合には、生産・販売・サービス等のレベル低下により、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、新卒採用活動の強化のほか、中途採用も積極的に行うだけでなく、高齢者の活用のため65歳までの再雇用制度を導入しております。さらに、有能な人材の確保のために取り組むだけでなく、設備の省力化・合理化等の設備投資も進めております。
⑪ システムリスク
当社グループの業務は、基幹システムを導入し業務運営を行っております。不正アクセス、大規模停電、予期せぬシステムトラブルが発生し、復旧等に時間を要した場合、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、データのバックアップを外部のデータセンターに送ることによりシステム障害によるデータ消失への対策を講じております。また、システムハード障害においても重要な機器類を冗長化するとともに24時間365日の障害監視を外部に委託し障害の予兆監視と障害発生時の早期修理対応ができるように対策を講じております。
⑫ 減損会計適用に伴うリスク
当社グループは、事業用の設備、不動産をはじめ、様々な有形・無形固定資産を所有しております。当該資産が将来期待通りのキャッシュ・フローを生み出さない状況に陥る等、その収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となる場合には、減損損失の計上が必要となり、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループでは、事業用の設備、不動産の安定した稼働を維持し、安定したキャッシュ・フローの創出に努めてまいります。
⑬ 投資有価証券の価格変動リスク
上場株式の株価が著しく下落した場合には、当社グループが保有する投資有価証券の減損損失計上が必要となったり、年金資産を構成する上場株式の評価下落により、退職給付会計における数理計算上の差異が発生し、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、純投資目的である投資株式は保有しておらず、純投資目的以外の目的である投資株式についても保有の意義が必ずしも十分でないと判断される株式については縮減を図る方針であります。また、年金資産の構成についても、国内債券等安全性の高い資産が過半数を占めるなど、上場株式のリスクについて極力低減させております。
⑭ 資金調達に関わるリスク
当社の金融機関からの借入契約には、各年度の末日の連結純資産及び各年度の連結経常損益に関する財務制限条項が付されております。これに抵触し、借入先金融機関の請求があった場合には、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。当社が借入金について期限の利益を喪失し、一括返済の義務を負った場合には、当社グループの財政状態や経営成績等は影響を受ける可能性があります。
当社グループは、経営計画の着実な実行により安定した収益確保と財務体質の強化に努めてまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和により、個人消費を中心に緩やかに持ち直してまいりました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による物価上昇や世界的な金融引締めなど、依然として先行き不透明な状況が懸念されます。
当社グループの主力事業である鉄鋼業界におきましては、製造業向け需要は、産業機械向けは一部で内外需要の回復による増加が見られましたが、自動車向けは半導体など部品の供給制約から年度後半まで減少基調が続きました。建築向け需要は大型案件は堅調でしたが、中小案件は資材価格の高騰の影響等から低迷するなど、総じて鉄鋼需要は弱含みで推移しました。
このような状況のもと、当社グループは、中期経営計画(2022年度~2024年度)の重点方針に沿って、当社グループが掲げた目標の達成を目指して施策を推進してまいりました。
「“中山らしさ”の追求、グループ一体での付加価値向上による連結収益最大化」においては、昨年4月1日に完全子会社の中山三星建材株式会社を合併し、母材のホットコイルから加工製品までの一貫メーカーとしての強みを発揮することによりグループ総合力の強化に努めております。また、縞鋼板の加工能力を増強させるため、完全子会社の三泉シヤー株式会社の第2工場を当社構内に建設し、本年4月より本格的に稼働しました。これらによりグループ全体で加工分野を強化し付加価値の高い加工品の拡販を図ります。
「カーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けた取り組み強化」においては、電気炉生産量の増加や各工場でのコスト・品質の改善などに注力するとともに、「中山製鋼所グループ2030長期ビジョン」のもとで特定されたマテリアリティとその推進方針に従い、サステナビリティへの取り組みを一層強化してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高1,885億14百万円(前期比218億13百万円増)、営業利益136億44百万円(前期比63億94百万円の増益)、経常利益133億71百万円(前期比67億16百万円の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益102億27百万円(前期比54億11百万円の増益)となりました。
当連結会計年度における各セグメントの業績は、次のとおりであります。
鉄鋼につきましては、鋼材販売数量の減少、資源価格の上昇及び円安の進行に伴いスクラップ・鋼片などの主原料価格や電力・ガスなどのエネルギー価格が高騰したことにより製造コストが増加しましたが、鋼材販売価格の改善により鋼材スプレッドが拡大しましたので、前期比で増収増益となりました。これらの結果、売上高は1,855億42百万円(前期比213億95百万円増)、経常利益は129億79百万円(前期比61億30百万円の増益)となりました。
エンジニアリングにつきましては、海洋部門及び鋳機部門の受注が増加しましたが、資材価格の高騰が響き増収ながら減益となり、売上高は19億7百万円(前期比1億29百万円増)、経常利益は2百万円(前期比56百万円の減益)となりました。
不動産につきましては、賃貸収入を中心に安定した収益を確保し、売上高は10億64百万円(前期比2億87百万円増)、経常利益は6億97百万円(前期比1億96百万円の増益)となりました。
当連結会計年度末の総資産は1,487億87百万円となり、前連結会計年度末と比べ51億68百万円増加しました。これは主として、受取手形、売掛金及び契約資産、電子記録債権が増加したことによるものであります。
負債については519億27百万円となり、前連結会計年度末と比べ27億59百万円減少しました。これは主として、未払法人税等が増加しましたが、短期借入金が減少したことによるものであります。
純資産については968億59百万円となり、前連結会計年度末と比べ79億28百万円増加しました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと及び配当金の支払いによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、167億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億10百万円増加(+6.4%)しました。当連結会計年度の各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、130億12百万円(前期87億56百万円の支出)となりました。これは、主として、売上債権の増額64億52百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益136億53百万円、減価償却費27億51百万円、未払消費税等の増額28億93百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、34億60百万円(前期23億8百万円の支出)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出37億34百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、85億41百万円(前期83億88百万円の収入)となりました。これは、主として短期借入金の純減額50億円、長期借入金の返済による支出6億74百万円、配当金の支払額24億31百万円によるものであります。
(注) 上記以外については、役務の提供や重要性のないものであるため記載を省略しております。
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 鉄鋼セグメントについては、製造会社である当社、三泉シヤ―㈱の2社の受注高及び受注残高を記載しております。また、当該2社の中山通商㈱、三星商事㈱を介した外部顧客に対する受注高及び受注残高については、実務上算定が困難であるため、上記には含めておりません。
3 当連結会計年度において、エンジニアリングの受注高及び受注残高は著しく増加しました。これは、ロール受注の増加や魚礁の大型物件受注によるものであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ218億13百万円増加し、1,885億14百万円(前年度比13.1%増)となりました。これは、主に鋼材販売価格の大幅な上昇によるものであります。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、鉄鋼が98.4%、エンジニアリングが1.0%、不動産が0.6%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ63億94百万円増加し、136億44百万円(前年度比88.2%増)となりました。これは、鋼片や合金鉄などの主副原料価格の高騰やエネルギーコストの増加がありましたが、鋼材販売価格が大幅に上昇し鋼材スプレッドが改善したことなどによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、受取配当金や持分法による投資利益の増加などにより、前連結会計年度に比べ42百万円増加し、4億81百万円(前年度比9.6%増)となりました。
営業外費用は、シンジケートローン手数料や補修費用などその他の営業外費用の減少などにより、前連結会計年度に比べ2億80百万円減少し、7億54百万円(前年度比27.1%減)となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比べ67億16百万円増加し、133億71百万円(前年度比100.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、前連結会計年度では、抱合せ株式消滅差益2億20百万円などを計上し、当連結会計年度では、スクラップ売却益9億59百万円、受取保険金1億52百万円などを計上したため、前連結会計年度に比べ8億55百万円増加し、11億71百万円(前年度比269.8%増)となりました。
特別損失は、前連結会計年度では、固定資産除却損1億81百万円などを計上し、当連結会計年度では、固定資産除却損5億80百万円、損害賠償金1億52百万円などを計上したため、前連結会計年度に比べ6億86百万円増加し、8億89百万円(前年度比337.6%増)となりました。
税金費用は、課税所得の増加などにより法人税、住民税及び事業税が前連結会計年度に比べ21億96百万円増加し、繰延税金資産の回収可能性の見直しなどにより法人税等調整額が前連結会計年度に比べ7億23百万円減少したため、法人税等合計では前連結会計年度に比べ14億73百万円増加し、34億26百万円(前年度比75.5%増)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ54億11百万円増加し、102億27百万円(前年度比112.4%増)となりました。
財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、975億82百万円(前連結会計年度末926億88百万円)となり、48億94百万円増加しました。これは主として、在庫数量を減少させたことなどにより棚卸資産(商品及び製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品)が減少(364億38百万円から348億3百万円へ16億35百万円減少)しましたが、鋼材販売価格の上昇などに伴い受取手形、売掛金及び契約資産が増加(315億38百万円から359億8百万円へ43億70百万円増加)し、電子記録債権も増加(73億86百万円から94億72百万円へ20億85百万円増加)したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、512億4百万円(前連結会計年度末509億29百万円)となり、2億74百万円増加しました。これは主として、設備投資(40億44百万円)による増加、減価償却(27億51百万円)による減少、市場価格の上昇などにより投資有価証券が増加(27億85百万円から31億50百万円へ3億65百万円増加)したこと、及び営業保証に係る差入保証金が減少(23億52百万円から13億64百万円へ9億87百万円減少)したことによるものであります。
(流動負債及び固定負債)
当連結会計年度末における負債合計(流動負債及び固定負債)の残高は、519億27百万円(前連結会計年度末546億86百万円)となり、27億59百万円減少しました。これは主として、未払法人税等が増加(15億65百万円から32億70百万円へ17億5百万円増加)し、未払消費税等も増加(54百万円から19億75百万円へ19億21百万円増加)しましたが、有利子負債(短期借入金、社債(1年内償還予定を含む)、長期借入金)が減少(159億93百万円から102億76百万円へ57億16百万円減少)したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、968億59百万円(前連結会計年度末889億31百万円)となり、79億28百万円増加し、自己資本比率は65.1%となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したこと(102億27百万円増加)、及び剰余金の配当(24億36百万円減少)によるものであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の仕入や製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入などによる調達を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ内の資金管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。
なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は102億76百万円、現金及び現金同等物の残高は167億55百万円となっております。
該当事項はありません。
当社は、多様化・高度化する顧客ニーズへの対応、鉄に関連した複合材の高付加価値化、新規事業化をめざして研究開発活動を行っております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は
鉄事業においては、持続可能な社会の実現に貢献すべく、耐食性の高いめっき製品の開発を進めております。新たなめっき皮膜を開発するため、実験設備を導入し研究を重ねている段階です。
エンジニアリング事業のうち海洋事業においては、水産庁の漁場整備方針「水産環境整備(水産資源の増大及び豊かな生態系の維持・回復)」に対応し、そのニーズに応えるべく浅海域の藻場礁やアオリイカ等の産卵礁の開発を地元自治体及び大学(水産系)と連携して進めております。