文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、公正な競争原理のもと、良質な人材、資金と組織を作ることで、「お客様第一主義」に基づいた事業活動によりお客様、株主様、お取引先様、従業員とともに成長し社会に貢献することを経営理念としております。
スポーツ、ファッション商品を通して、お客様の求める最高の商品価値を創造、提供できる商品開発とショッピングそのものの楽しさやサービスを提供できる店舗づくりを継続的に実現し、「オンリーワン」企業になることを経営の基本方針として、日々努力を重ねてまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、中長期的に予測される経営環境と、日々変化する市場に対応しながら、お客様との様々な接点を通じて「スポーツの新しい価値」を提案し、新しいスポーツビジネスの創造に取組んでいくことで、中長期的に企業価値を高めるとともに、社会貢献を果たしていくという企業理念を実現するために、以下の取組みを実施しております。
グループ内での経営理念の共有と浸透を進め、グループ各社ごとの企業カルチャーを尊重しつつ、それぞれが競争優位性を有する事業に特化することで、専門性の確保と相互補完、及び連携によるシナジーを創造するグループ運営を目指しております。また、コスト競争力を強化するためにグループ内での機能集約を進める一方で、成長領域への事業拡張に向けて、国内外の有力企業との協業や提携、相乗効果が期待できる事業や企業の買収などのM&A戦略に積極的に取組み、新たな人材やノウハウといったグループアセットの増強を努めております。
中核事業であるスポーツ小売事業においては、市場環境と立地特性により「スーパースポーツ」、「スポーツエクスプレス」、「ヴィクトリア」、「ヴィクトリアゴルフ」、「エルブレス」、「ゴルフパートナー」、「ネクサス」、「タケダスポーツ」などのそれぞれの業態が持つ「強み」と「特色」を活かした新規出店や店舗の再配置、及びEC機能の併設を進めることにより、収益性と生産性を備えた店舗網の整備を進めてまいります。商品面では、お客様との接点である店頭での販売情報や社会情勢の変化、及びファッショントレンドをベースとして、店舗ごとの適正な商品構成の精度向上と、グループとしてのお取引先様との連携や取組みの拡大による商品での差別化を継続的に実施してまいります。また、小売事業の成長を促進するために物流と情報システム整備のための継続的な投資を行ってまいります。
なお、当社の経営戦略において、具体的な店舗業態や商品開発、M&Aや提携の内容などは、営業戦略上の機密情報に該当するため、開示事由に該当するものを除いて、記載は省略しております。
(3) 経営環境
当社グループは、国内外におけるスポーツ、レジャー用品の小売、及び卸売を主たる事業としておりますが、連結売上高の9割以上が国内におけるスポーツ用品・用具の販売となっています。具体的な事業内容につきましては、商品部門別販売実績、及び地域別売上高に示しています。
① 市場環境
国内のスポーツ、レジャー市場は、少子高齢化の進行による若年層の減少、シニアゴルファーの漸減、及び地球温暖化の影響による降雪の減少といった社会情勢の変化を受けた長期的なトレンドのなかで、内容は変化しながらも、安定的に成長を続けております。しかし、2019年12月以降、新型コロナウイルスが世界中に感染拡大したことにより、外出や接触を伴うスポーツ活動が大きく制約を受けました。その影響で部活動やランニング需要が急速に縮小する一方、ゴルフやアウトドアの屋外レジャー市場が大きく拡大するなど、一時的に大きな市場環境に変化が発生しました。2023年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」に変更されたことで、前記の一時的な影響が単に解消されるだけでなく、コロナ禍での新たな生活様式や価値観が芽生えたことと、根底にある健康志向の高まりやファミリーレジャーの需要拡大の動きと相まって、今後は新たな成長市場として復活していくことが予想されます。
② 顧客動向
お客様や部活生の動向は、国内での各種競技スポーツのプロリーグ化による盛り上がりや、グローバルなスポーツ大会での競技種目の変更や追加、日本人プレーヤーの活躍などに影響され、競技種目ごとの販売状況は緩やかに変化していきます。コロナ禍では、ゴルフでは若年層や女性、キャンプではエントリー層が急増しましたが、今後は一般スポーツやトレッキングなどの需要が復活することが予想されます。また、お客様が商品や店舗を選択する際の観点が、店舗ロケーションや商品の機能、提供されるサービス内容だけでなく、企業や商品の環境問題への取組み姿勢などに変化するなど、購買行動と価値観が変化しています。さらには、近年のウクライナ紛争等の世界情勢の影響によるエネルギーを含む各種の物価上昇のもと、実質所得水準の引上げが進まないなかで、お客様の生活防衛意識は高まっており、商品調達や販売手法を修正や変更する必要があります。
③ 販売チャネル
コロナ禍によりオンライン取引が急拡大するのに連れて、デジタル技術の進歩に伴う店舗のショールーミング化が急速に進行すると予想されていましたが、コロナ禍が収束したことでオンライン取引も急拡大から安定成長に変化し、お客様側でもリアル店舗の利用を重視する揺り戻しが起きております。しかし、中長期的にはオンライン販売の比率は上昇していくことは予想されているため、リアル店舗ではお客様が最適な商品の選択と体験できるための役割を備える必要があり、それを支えるためのITやデジタル関連の投資の重要性が高まっています。また、大手メーカー各社の流通ルートの選別が拡大した影響で、競合する専門店で商品調達が難しくなり、業界内での商流や取引関係に新たな動きが起きつつあり、専門店からの要請を受けて、同業者への卸売りを開始しています。従来の中古ゴルフクラブ販売事業でのフランチャイジーへの卸売りのノウハウを活用しながら、今後も他の事業者への卸売りによる実質的なシェアアップの可能性が出てきています。
④ 競合環境
多くの取扱商品が共通する大手メーカー各社の商品であること、同業他社における業態や出店戦略の同質化が加速しています。また、カジュアル衣料専門店やホームセンター、及び日用雑貨店などにおけるスポーツ衣料やレジャー関連商品の取扱拡大のような周辺領域からの進出が継続しています。さらには、メーカー各社が自社ウェブサイトでのオンラインでの直販を強化する流れは変わらず、競合環境は日を追うごとに厳しくなっています。
⑤ 事業運営環境
店舗で働く人材の確保や人材流動化の加速、及びスポーツ種目のトレンド変化に対応してそれぞれの専門人材を確保し、教育・育成すること、及び多様化する価値観に対応しながら働きやすい環境を整備することの重要性が高まっています。また、近年の地政学リスクなどに起因する急速な物価上昇を除いても、オンライン販売増加を支える物流関連でのコストアップや、情報処理と発信におけるITやデジタルに関連する設備投資の拡大、及び人件費単価の上昇など、事業におけるコスト上昇圧力は増大しています。また、各種の営業施策を変化させるなかでのコンプライアンスやガバナンス強化のための管理コストは増加する傾向にあります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの主たる事業領域である国内外のスポーツ用品販売事業の経営環境に大きな変化をもたらした新型コロナウイルス感染拡大による急激な変化とその影響は、当連結会計年度の第4四半期前後から段階的に解消しています。足もとでは、仕入原価や各種のコスト急上昇を受けた販売単価の引上げインパクトへの反応を確認しながら、サプライチェーンの混乱による一時的な在庫増加の修正を行う必要があります。また、急速な回復が期待される一般スポーツやシューズなどの需要回復や、客数増加が天井を打ちダウントレンドの抑制が必要なゴルフやキャンプを、リアル店舗とオンライン、及び卸売りによってシェアアップを進めていくことが、短期的な環境変化への調整として課題となっています。しかし、中長期的な社会構造の変化や市場の変化に対しては、以下に記載する各種の業務改革を推進することで、グループとしてのトップライン水準を引上げることで総資産回転率と各種の利益率を引上げ、安定的な営業キャッシュ・フローの確保とROE水準を早期に8.0%まで引上げることが重要と考えています。そして、中長期的な社会構造の変化に合わせた国内小売事業を持続的な発展のために、既存事業の改革と新たな成長戦略の立案と推進、及びグローバルな価値観の変貌やガバナンス強化に向けた経営インフラと体制の整備を同時に進めてまいります。
① 新たな事業モデルの創造
コロナ禍を経た市場の変化、主要スポーツメーカー各社の流通戦略の変化、お客様の購買行動におけるオンライン販売とリアル店舗の目的と機能別に使い分ける流れなどに対応して、既存のスポーツ小売事業の事業モデルの刷新が最重要課題となっています。そのためには、マーケティングの発想を起点とした商品構成の修正と、お客様一人一人が最適な商品を選択していただけるような店舗環境とサービスを充実させた業態の刷新により、商品の基本価値だけでなく、利用価値、感動価値の最大化を進めてまいります。オンライン販売に関しては、急拡大から安定成長の局面に入り、規模の拡大と並行して、地域格差に応じた配送能力の設定によるコストコントロールを進めることで、お客様のニーズに沿ったチャネルとして育成してまいります。
また、競合環境が激化するなかで、他社との差別化のためには当社が指定する仕様での独占販売商品の取扱い拡大や、当社独自でのオリジナル商品の開発と調達が重要になります。前者に関しては、お取引先様への協業に向けた提案力を強化し、後者に関しては、商品開発とそれに向けた人材開発への取組み強化や、差別化商品を取扱う企業との提携や連携により新たな商品調達ルートの確保を進めてまいります。
人材面では各種の用品用具に関する専門知識や販売スキルを備えた外部人材の確保と、経験やノウハウの伝承による人材開発に向けた取組みを強化することで、専門店ならではの情報とサービスの提供を追求してまいります。さらに、グループシナジーを有効に発揮させるために、グループ内アセットの利用と連携だけでなく、外部のスタートアップ企業との連携強化を推進してまいります。
② 事業や店舗のスクラップ&ビルドと新たな業態変革
スポーツ小売事業において多様化するニーズにお客様起点で対応するためには、マーケティング視点での事業運営のための抜本的な業務改革が必要となります。商品管理の細分化と販売時期の売上の波動に応じた定数コントロールの強化を行うためには、本社業務の抜本的な改革と業務の標準化、及びそれを定着させるための教育体制の再構築を進めてまいります。また、地域ごとに異なるスポーツ事情を踏まえた店舗におけるエリア特性への対応の重要性が高まっており、その観点からも本社と店舗間の有機的なコミュニケーションの充実が鍵となりますので、その環境整備と業務フローの改革を推進してまいります。
コロナ禍の影響の解消と実店舗の価値を見直す流れが広がり、さらには、都市部におけるオンライン販売比率の上昇が続くなかで、リアル店舗の業態進化と、店舗網の再配置が急務となっています。また、大型総合スポーツ店業態では、出店場所での地域特性に合わせることが求められており、当該地域で定評ある専門店との共同出店や地域密着のために専門店との間で相乗効果が発揮できる新しいコラボレーションにチャレンジしていきます。業界トレンドへの先行対応が必要な都市部においては、デジタルを活用した情報発信と専門性が発揮できる機能を備えた専門店の他、通勤通学のトラフィックが多いロケーションへの中型店舗の再配置が必要な状況です。グループ内の各種業態のブラッシュアップと既存店舗のスクラップ&ビルド及びリニューアルを積極的に推進しながら、中期的な店舗網の再構築を推進してまいります。
コスト上昇圧力と人材に関連する課題に対する対応としては、既存事業における標準化により、コロナ渦前より少ない労働時間での店舗運営を可能にするための業務改善に加え、人材の育成を強化することで、収益性と販売効率を向上させる必要があります。物流に関しては、店舗間の商品移動に関わる時間と経費を低減させることで、一層のお客様への満足度向上と経費率の引き下げを目指して改革してまいります。そのために、グループ全体の運営方法の統一推進とシステム投資の拡大により、中期的なコスト上昇対策と生産性向上を進めてまいります。
海外事業では、この3年間、日本国内と同様にスポーツやレジャーに関するコロナ禍の影響を受けて、ゴルフ事業に関しては堅調に売上を拡大してきましたが、最近では日本国内と同様に一旦の落ち着きを見せております。今後は、グループの海外事業としての業容の充実に向けて、傘下の海外子会社に対するガバナンスの強化と経営基盤の強化という形での経営改革を進めてまいります。
なお、既存事業や店舗の評価に当たっては、事業ポートフォリオマネジメントのために、事業の最小単位でのキャッシュ・フロー実績や見通し、及び中期的な位置づけを定期的に確認しております。当社グループの資本コストやWACCを基準とし、スクラップ&ビルドの検討を行い、その結果に対する厳格な早期対応を、従来以上に強化することで、企業価値の向上に努めてまいります。
③ サステナビリティ経営の実践
近年、脱炭素社会の実現に向けた政府方針の発出など、ESG(環境・社会・ガバナンス)に対する社会全体の意識が高揚しています。既に当社グループでは、ゴルフクラブなどのスポーツ用品やレジャー用品をリユースするサーキュラーエコノミーへの仕組みを展開している他、各種スポーツイベントの運営やスポーツを通じた地域活性化のための取組みを行っています。今後、部活動の地域移行の推進や、高齢者や労働環境改善のためのヘルスケア・ウェルビーイングといった社会課題への取組みに関しても、自治体との連携のなかで推進しながら、新たなビジネスモデルを模索してまいります。
また、自社開発商品における持続可能なサプライチェーン方針(※)の徹底など、生産性向上と持続可能な社会への貢献を両立させながら、取り組んでまいります。この際、ビジネスパートナーであるサプライヤーにも当社グループの経営理念をご理解の上、調達活動を支援いただくことが不可欠と考えます。そのため、サプライヤーに対しても適切な取組みをお願いしていきます。具体的には、当社グループは、中国やベトナム等の東南アジアを中心に自社開発商品の生産を行っております。従いまして、サプライチェーンにおける法令遵守、人権・労働、安全衛生、環境、倫理の実態把握に努め、これらを侵害していないかの対策が重要と考えており、第2次サプライヤー以降も含めたサプライヤー全体における定期調査を行い、各サプライヤーの工場管理、品質管理、人権侵害リスクを含む労務管理の調査のなかで、問題がある場合は改善を求め、改善が見られない場合は、取引停止を行うこととしています。
※ 当社グループは、以下の方針に従い、持続可能なサプライチェーンの構築を目指します。
1.法令遵守
国内外の法令を遵守し、社会規範を尊重します。
2.オープン・公正な取引
公正で自由な企業間競争のもと、全てのお取引先様と適正な取引を行います。
3.健全な取引関係の構築
お取引先様との相互理解と信頼関係を大切にし、健全な取引関係の構築を目指します。
4.適正な価格・品質と安定的な購買
購買品に対する知識を高め、市場調査を怠ることなく、優れた物品並びにサプライヤーの開拓に努めます。
5.CSR(企業の社会的責任)調達の推進
環境や人権など社会面に配慮した責任ある調達活動を行います。
労働市場の動態変化も、今後の当社の安定的な事業運営に大きな影響を及ぼすことになります。グループ横断での研修制度やグループ内外への出向制度の拡充や、将来のライフプランに資する独立開業支援制度など、多様化する働き方に対応した制度の拡充を進めてまいります。
④ 財務課題への取組み
これらの短期、中期的な課題を認識しながら、グループシナジーの創出とガバナンス強化による企業価値向上のために、以下の経営指標に注目しながら、当社グループステートメントである「こころを動かすスポーツ」「スポーツの国を作ろう」「スポーツで叶える」の実現を目指してまいります。なお、EBITDA、平均運転資本及び坪当たり売上高は中核事業の収益性と生産性の観点、ROEは資本コストとの対比で注目しております。
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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EBITDA(百万円) |
6,862 |
8,915 |
12,174 |
|
平均運転資本(百万円) |
49,204 |
45,280 |
49,788 |
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坪当たり売上高(千円/坪) |
1,023 |
1,118 |
1,198 |
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ROE(%) |
0.4 |
3.3 |
4.5 |
各指標の計算方式は、連結貸借対照表と連結損益計算書における以下の数値で算出しています。
・EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
・平均運転資本=売上債権+商品-仕入債務の前期末と当期末の残高の平均
・坪当たり売上高=売上高÷売り場面積の期首時点と期末時点の平均坪数
・ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本の前期末と当期末の残高の平均
(5) 今後の見通し
今後の当社を取巻く環境につきましては、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押するリスクや物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動の影響等、依然として先行き不透明な状態が想定されます。スポーツ用品販売業界におきましては、コロナ禍で市場拡大を継続してきたゴルフ、アウトドアに一巡の兆しが見られるものの、ウィズコロナのもとで景気が持ち直していくなかで、一般競技スポーツの需要回復によるリアル店舗の客数増加及び市場拡大を続けるEC事業のシェア拡充により、売上環境は改善されることを予想しております。
かかる状況下、当社グループは、創業60周年を第三の創業期と捉え、持続的に発展するために、改めてキャッシュ・フロー経営に基づく企業価値創造と競争優位性を高めることに注力します。
次期において、重点を置いて対応する内容は以下のとおりです。
1.お客様第一主義に基づく・ヒト・モノ・情報が行き交う新たな事業モデルの創造
2.事業/店舗のスクラップ&ビルドと新たな業態変革
3.サステナビリティ経営の実践と業務改革の推進
以上に基づき、2024年3月期の通期連結業績は、売上高2,598億91百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益88億15百万円(前年同期比5.9%増)、経常利益95億35百万円(前年同期比3.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益56億43百万円(前年同期比4.6%増)を見込みます。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)ガバナンス
当社グループのサステナビリティの基本方針は以下のとおりです。
<サステナビリティの基本方針>
-「希望に満ちた明るい未来」の実現-
当社グループは、スポーツの持続的発展に寄与し、地域社会への貢献を行い、身近にスポーツがある健康的で充実した豊かな世界を創造することをミッションに、その実現に取り組んでおります。
その根底にある-Xebio Philosophy-をもとに、私たちゼビオグループは、スポーツを通じて「希望に満ちた明るい未来」の実現に取り組んでまいります。
<サステナビリティ推進体制(ガバナンス・リスク管理)>
-サステナビリティ委員会の設置-
当社グループは、「サステナビリティ委員会」を設置し、同委員会は、サステナビリティに関連する重要なリスク・機会の特定及び対応に関わる年度計画の作成、重要課題への取り組みの推進、進捗状況のモニタリング、実績の確認を行い、半期ごとに当社取締役会に報告しています。同委員会で検討された活動方針や施策は、グループ各社・各部門の方針・施策として実行しています。
また、推進委員会の下部組織としてサステナビリティ推進室を設置し、推進委員会の事務局運営を担うとともに実務レベルでもサステナビリティへの取り組みを加速させていきます。
-5つのマテリアリティ(重要課題)-
当社グループは、持続可能な社会を実現していくためのテーマとして、5つの「マテリアリティ」を特定し、事業活動を通じてこれらの解決に取り組んでいます。
この5つの「マテリアリティ」は、ゼビオグループミッション「スポーツの持続的発展に寄与し、地域社会への貢献を行い、身近にスポーツがある健康的で充実した豊かな世界を創造すること」を具現化するとともに、「ゼビオグループの目指す姿」の重要な羅針盤であり、マテリアリティの特定と対応を通じて持続可能な社会の実現を目指していきます。
(2)戦略
当社グループにおける、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は以下のとおりです。
[人的資本に関する対応]
当社を取り巻く環境はますます予測のできない変化の様相を呈しており、異業種や海外からの参入、少子高齢化や購買チャネルの変化など中長期的なマーケットの変貌に継続的に対応していくことが求められています。新たな可能性を拓く業態開発、差別化された商品開発、さらに感動価値を提供する顧客接点など、我々の目指す未来に向け、全ての領域に人材の成長と優位性が必要なのは明らかです。
当社グループは、全ての人々が様々な形でスポーツを通して明るい未来を創造することを目指します。様々な変化や問題を自ら実感として受け止め、自由な発想と独創性により新しい価値を創出することが未来の新たな発展につながると考えています。
<方針>
当社グループでは、人材を事業活動における価値創造の源泉、最大の資産と改めて位置づけ、その成長のための育成と能力開発、また社内環境の整備に継続的に取り組むことで、経営戦略・事業戦略の達成とグループの持続的な成長を実現していきます。
(3)リスク管理
当社グループでは、前述したサステナビリティ委員会において、サステナビリティに関連する重要なリスク・機会の特定及び対応に関わる年度計画の作成、重要課題への取り組みの推進、進捗状況のモニタリング、実績の確認が行われ、半期ごとに当社取締役会に報告されます。推進委員会で検討された活動方針や施策は、グループ各社・各部門の方針・施策として実行されます。
(4)指標及び目標
当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。
<取組>
上記方針の実現に向け、グループの中核である国内小売事業各社を中心に以下のような取組を推進しております。
・公募・登用
多様なお客様への対応が事業の優位性に繋がるという考えのもと、「出る杭制度」と名付けた社内公募・登用制度を導入し、組織・社員の活性化に取り組んでいます。雇用形態・年齢・社歴・性別・国籍・居住地といった個人の属性に関わらず、実力ある人材を役職者へ登用することで、人材の多様性と組織の活性化を推進していきます。
一方で、地域を限定した勤務を希望する人材に対しては、エリア限定地域社員の職制を設定し、個人の求める多様な働き方に対応した制度を設計・運用しています。
指標:公募制度応募者数 2022年度 359名 ⇒ 3年後 500名程度
・女性管理職
チェーンストアとして、小さな本部・多数の店舗を持つ事業が主体であることから、女性管理職の登用目標は店長職をメインとして設定しています。今後に向けてさらに対象ポスト及び登用人数を拡大していきます。
指標:女性店長比率 2022年度末時点 9% ⇒ 3年後 20%程度
・キャリア採用
全国に展開している店舗にて採用活動を行い、ここから、店長登用、本部での専門職登用を積極的に進めています。今後さらに全国でのキャリア採用の比率を拡大し、多様な人材が活躍する土壌を整えていくことを目指しています。
指標:キャリア採用比率 2022年度末時点 44% ⇒ 3年後 60%程度
・教育体系
集合/オンライン研修、社内動画共有ツール、外部e-learningを活用し、階層別研修、商品研修、その他コンプライアンス等分野別教育を体系的に実施しています。また外部への教育出向、大学等への派遣も積極的に推進しており、当社グループ内での教育では実現できない、基礎教育水準の向上、専門スキルの習得、業務上の連携強化、多様性のある外部人脈、ベンチャースピリッツの維持、自己啓発カルチャーの定着の実現を目指して取組んでいます。
指標:一人当たり年間教育研修時間 2022年度 11時間 ⇒ 3年後 30時間程度
・ダイバーシティ
「Xebio Diversity Project」を組成し、多様性に重点を置く経営実現に向けて以下の具体的施策に取り組んでいます。
1. 女性活躍推進‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥女性管理職の登用、女性目線での商品構成、商品開発、売場作り
2. 外国人・外国籍人材の活用推進‥‥‥‥‥海外生産、商品調達に向けて雇用拡大、教育環境の整備
3. 障がい者雇用拡大と活躍推進‥‥‥‥‥‥特別支援学校との提携、雇用の拡大、障がいの程度に応じた業務抽
出、サポート体制作り
4. その他の多様性に関する取組について‥‥育児休業短時間勤務制度を小学校入学時まで拡大、カムバック制度
導入による再雇用機会の提供
経営環境の変化が著しいなか、当社は事業活動に関わるリスクを的確且つタイムリーに把握するために、各事業会社における毎月の取締役会とコンプライアンス委員会による定期的なモニタリングによる短期的なリスクの把握のほか、当社代表取締役と独立社外役員によるガバナンス委員会と各種委員会による中長期的な事業価値向上とリスク把握を行っています。
事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業リスク
①国内の経済環境、社会情勢に伴うリスク
当社グループは主に日本国内において事業展開を行っており、国内景気や個人消費の動向など経済環境により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。スポーツやレジャーは、既にお客様のライフスタイルのなかで重要なポジションを占めていますが、いわゆる生活必需品という位置づけにならないため、景気動向や雇用環境が悪化した場合には、当社グループ内での小売事業における販売の不振や、クレジットカード事業における消費者向け売上債権の回収における貸倒れリスク増加という形で、グループの業績に影響を与える可能性があります。
少子化に伴う人口減少の進行は、就学時の部活動の規模が縮小されるだけでなく、将来にわたって、スポーツ市場が縮小することが懸念されることから、中長期的に当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②天候不順や異常気象に関するリスク
近年の異常な気温上昇や降雪の減少、ゲリラ豪雨や冷夏などの想定外の異常気象といった天候要因は、アスレチックスポーツや、ゴルフ、キャンプ、スキーやスノーボードなどのレジャー用品の使用機会減少や、衣料品の消費動向に反映されるため、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③人材の確保に関するリスク
当社グループの事業と成長には、販売現場に勤務する従業員(当社グループでは「スポーツナビゲーター(Sports Navigator)と呼びます」の安定的な確保が重要な要素となっています。スポーツに携わることに喜びを感じながら接客販売や用品の加工業務に携わる人材の確保が想定どおり進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④取扱商品の瑕疵に関するリスク
当社グループは、お取引先様を含めた一貫した商品管理の徹底、チェック体制の確立など、お客様に安全な商品と正確な情報をお伝えするよう努めております。しかしながら、異物混入や健康被害を与える可能性のある商品、表示不良品の流通など、予想を超える重大な品質問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤情報システムに関するリスク
当社グループは店舗POSシステムをはじめとして、商品の発注、営業の管理等の業務において、内部及び外部の情報並びに技術的システム、ネットワークを活用しております。当社グループが使用しております技術的システム及びネットワークに、自然災害、人為的過誤、停電、コンピューターウイルス、ハッカー等により障害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥フランチャイズ展開についてのリスク
当社グループは、「ゴルフパートナー」業態をフランチャイズ方式で展開しています。当社グループでは加盟店に対する商材や販売ノウハウのほか、下取り価格の査定システムなどを提供することで、加盟店との信頼関係の上で相互メリットを享受しています。従って、加盟店企業の業績や出退店動向によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦海外での事業展開に関するリスク
当社グループは、海外において小売と卸売事業を展開しております。海外市場における文化的・宗教的な違い、政情不安や経済動向の不確実性、現地のお取引先様との関係構築や売掛金回収などの商慣習の違い、特有の法制度や投資規制、税制変更、労使問題、テロ、戦争、伝染病の発生、その他の政治情勢を要因とする社会的混乱といった障害に直面する可能性があり、こうした様々な海外におけるリスクは、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業継続に関するリスク
①自然災害リスク
当社グループは、日本全国での商品販売を主たる事業として展開していますが、それを支える本社機能はゼビオ株式会社の本社がある福島県郡山市と、株式会社ヴィクトリアと株式会社ゴルフパートナーの本社がある東京都内に集中しています。大規模な地震や台風などの自然災害、或いは火災や停電、通信ネットワーク障害、原子力発電事故等が発生し、本社の施設等に損害が生じて本社機能が停止した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②サプライチェーンリスク
当社グループで販売する商品は、多数のお取引先様からのナショナルブランド商品と自社が工場に生産を発注する開発商品で構成されていますが、多くの商品はアジアを中心とした海外の工場で生産され、各社の物流ルートを経由して、店舗や倉庫に納品されています。従いまして、生産国での政治情勢やテロ、及び大規模な自然災害の発生などにより商品調達やサプライチェーンの寸断が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
③新型コロナウイルス関連リスク
我が国における新型コロナウイルス感染の状況は一定の落ち着きが見られ、今後収束に向かうことが見込まれます。しかしながら、感染が再度拡大し、政府や自治体による外出自粛や営業制限、休業要請が改めて実施される場合には、部活動やスポーツ観戦への影響に伴うスポーツ用品需要の変化や減少、或いは店舗の休業や営業時間短縮に起因した客数の減少などが再び発生することが考えられます。この場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)財務リスク
①敷金・保証金の貸倒れリスク
当社グループは出店に際して、店舗賃借先に対して相当額の敷金並びに保証金を預託する形式が主体となっています。契約に際しては、相手先の信用状態を十分判断した上で出店の意思決定をいたしますが、その後の経済環境の変化や契約先の信用状態の悪化により差し入れた敷金・保証金の貸倒れリスクがあります。
②為替リスク
当社グループは、スポーツ用品・用具や衣料の一部を海外から直接輸入しており、間接的な輸入を含め、輸入商品が多く含まれるため、一般的には円高になれば仕入価格は逓減傾向になり、円安になれば仕入価格は逓増傾向にあります。これにより、売上総利益率は変動を受けるリスクがあり、為替相場等の変動による一般的な市場リスクを当社グループは有しております。
③店舗をはじめとする営業施設等の減損リスク
実質的価値が下落した当社グループの保有資産(投資有価証券を含む)や、収益性の低い店舗等について減損処理が必要となった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)コンプライアンスリスク
①個人情報の取扱いに関するリスク
当社グループでは、「ゼビオカード」でのクレジットカード事業のほか、小売各社におけるポイントカード会員、デジタルポイント会員関連での個人情報を保有しております。個人情報保護については、経済産業省のガイドラインに沿い、方針・規程の整備、従業員の教育、個人情報の漏洩防止対策等の安全対策をとっておりますが、外部からの不正アクセスや人為的なミスや委託先の管理不備などにより、万一、個人情報が流出した場合には、その対応に当社グループの信用が低下し、損害賠償の請求を受けるなど、業績に影響を及ぼす可能性があります。
②下請法に関するリスク
当社グループでは、一部の商品調達において当社グループ会社が発注者(親事業者)となり、当社オリジナルの商品の生産を委託などで、下請法規制対象の業務を委託する場合があります。商品発注に関しては、システム上で下請法区分を設けた登録を行ってチェックを行い、従業員に対して下請法に関する教育を行っていますが、双方が合意した取引条件でも下請法に禁止されている行為となっている場合には、重要性の如何では公正取引委員会から勧告を受け、企業名の開示などが行われることで、社会的信用を失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③労務管理リスク
当社グループは法令に基づく適正な労務管理などにより、労務関連のリスクの低減に取り組んでいますが、労務関連の各種コンプライアンス違反(雇用問題、ハラスメント、人権侵害等)が発生した場合、当社グループの企業イメージ低下や争訟の発生等、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④係争・訴訟に関するリスク
当連結会計年度において、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす係争・訴訟は提起されておりません。しかしながら、業績に影響を及ぼす訴訟や社会的影響の大きな訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
|
|
(単位 百万円) |
|
連結 |
売上高 |
経常利益 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
|
2023年3月期 |
239,293 |
9,242 |
5,397 |
|
2022年3月期 |
223,282 |
7,851 |
3,836 |
|
前期比 |
7.2% |
17.7% |
40.7% |
|
個別 |
営業収益 |
経常利益 |
当期純利益 |
|
2023年3月期 |
10,081 |
4,461 |
3,801 |
|
2022年3月期 |
7,694 |
3,263 |
3,452 |
|
前期比 |
31.0% |
36.7% |
10.1% |
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、各種感染症対策や行動制限の緩和により、緩やかな持ち直しが見られました。一方、ウィズコロナのもとで各種政策による景気の持ち直しが期待されるものの、為替変動や物価上昇などを要因とした下振れリスクも懸念されております。また、食品やエネルギーなどの生活必需品の値上げが拡大し、消費者の生活防衛意識はますます高まっています。
スポーツ用品販売業界におきましては、部活動を始めとする学校活動やスポーツイベントの再開に加えて、FIFAワールドカップカタール2022や2023ワールド・ベースボール・クラシックなどの国際大会の後押しもあり、一般競技スポーツ商品の需要が高まりました。また、コロナ対策の段階的緩和による外出機会の増加により、シューズ、バッグ、カジュアルウェアを始めとしたライフスタイル商品の需要回復も見られました。一方で、コロナ禍で市場拡大してきたゴルフやアウトドアレジャーなどの屋外スポーツ商品の需要は、一巡の兆しが見られました。
このような状況の中、当社グループは、店舗のスクラップ&ビルドや大型改装による競争力向上、フィッティングサービス向上による国内外のゴルフ市場シェアの拡充、急回復が顕著なインバウンド需要の獲得などに対応しました。また、円安やエネルギー価格の高騰を背景とした商品原価、店舗運営コストの上昇が進行する中、接客サービスの強化による一品単価、客単価向上に注力しました。
新規出店及び閉店につきましては、当連結会計年度では31店舗を出店し47店舗を閉店しました。これらにより、当連結会計年度におけるグループの総店舗数は883店舗となり、グループ合計の売場面積は前連結会計年度末に比べて1,789坪減少し、198,738坪となりました 。
以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高2,392億93百万円(前年同期比7.2%増)、営業利益83億27百万円(前年同期比66.6%増)、経常利益92億42百万円(前年同期比17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益53億97百万円(前年同期比40.7%増)となりました。
〔主な商品部門別の営業概況〕
<ウィンタースポーツ部門>
ウィンタースポーツ部門では、都心部のシェア拡大を図ったことによる新規顧客の獲得はあるものの、コロナ禍でのサプライチェーン混乱による商品投入遅延を要因とする販売機会損失の影響もあり低調に推移いたしました。以上の結果ウィンタースポーツ部門の売上高は、前年同期比3.9%の減少となりました。
<ゴルフ部門>
ゴルフ部門では、昨今ビギナー層を中心とした市場拡大に一巡の兆しが見られる中、フィッティング販売による接客サービスの強化を図ったことにより客数も増加し、引き続き好調に推移しました。以上の結果、ゴルフ部門の売上高は、前年同期比9.1%の増加となりました。
<一般競技スポーツ・シューズ部門>
一般競技スポーツ・シューズ部門では、部活動の活性化や国際スポーツ大会の盛り上がりも後押しとなり前年を上回りました。行動制限の緩和や、人流の回復に伴い、タウンシューズやウォーキングシューズが前年を上回りました。以上の結果、一般競技スポーツ・シューズ部門の売上高は、前年同期比10.7%の増加となりました。
<スポーツアパレル部門>
スポーツアパレル部門では、一般競技スポーツの需要回復に加えて、天候にも恵まれたこともあり堅調に推移しました。以上の結果、スポーツアパレル部門の売上高は、前年同期比2.5%の増加となりました。
<アウトドア・その他部門>
アウトドア・その他部門では、キャンプ市場の拡大が一巡してきている一方で、トレッキングはカジュアル層を中心に山登り需要がコロナ禍前の2019年度に並ぶ勢いで回復しました。以上の結果、アウトドア・その他部門の売上高は、前年同期比5.3%の増加となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
|
|
(単位 百万円) |
|
項目 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
2,235 |
7,020 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△5,164 |
△5,477 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△2,119 |
△7,911 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
619 |
△634 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
△4,429 |
△7,003 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
44,323 |
39,893 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
39,893 |
32,890 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、328億90百万円となり、前連結会計年度末に比べて70億3百万円減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、70億20百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を88億36百万円計上したこと、棚卸資産の増加による資金の減少額が45億81百万円、売上債権の増加による資金の減少額が7億18百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△54億77百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が33億57百万円、無形固定資産の取得による支出が21億84百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△79億11百万円となりました。主な要因は、配当金の支払額が13億26百万円、長期借入金の返済による支出が60億20百万円であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産、受注実績
該当事項はありません。
②商品部門別仕入実績
当社グループは、一般小売事業の単一セグメントとみなしておりますが、商品部門別に示すと次のとおりであります。
|
部門 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
ウィンタースポーツ |
5,940 |
4.2 |
6,819 |
4.4 |
|
ゴルフ |
53,343 |
37.5 |
57,844 |
37.4 |
|
一般競技スポーツ・シューズ |
40,474 |
28.4 |
43,887 |
28.4 |
|
スポーツアパレル |
16,454 |
11.6 |
17,764 |
11.5 |
|
アウトドア・その他 |
19,134 |
13.4 |
20,674 |
13.4 |
|
スポーツ用品・用具計 |
135,347 |
95.1 |
146,991 |
95.1 |
|
その他 |
6,956 |
4.9 |
7,594 |
4.9 |
|
合計 |
142,303 |
100.0 |
154,586 |
100.0 |
(注)「その他」は、食品等の仕入を含んでおります。
③商品部門別販売実績
当社グループは、一般小売事業の単一セグメントとみなしておりますが、商品部門別に示すと次のとおりであります。
|
部門 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
|
|
ウィンタースポーツ |
10,865 |
4.9 |
10,444 |
4.4 |
|
ゴルフ |
77,037 |
34.5 |
84,072 |
35.1 |
|
一般競技スポーツ・シューズ |
64,586 |
28.9 |
71,499 |
29.9 |
|
スポーツアパレル |
27,127 |
12.2 |
27,813 |
11.6 |
|
アウトドア・その他 |
30,946 |
13.9 |
32,579 |
13.6 |
|
スポーツ用品・用具計 |
210,563 |
94.3 |
226,408 |
94.6 |
|
その他 |
12,718 |
5.7 |
12,885 |
5.4 |
|
合計 |
223,282 |
100.0 |
239,293 |
100.0 |
(注)「その他」は、食品等の販売、宿泊事業等を含んでおります。
④地域別売上高
|
地域別 |
売上金額(百万円) |
構成比(%) |
期末事業所数 |
|
北海道 |
11,887 |
5.0 |
22 |
|
青森県 |
5,442 |
2.3 |
16 |
|
岩手県 |
4,632 |
1.9 |
18 |
|
宮城県 |
5,354 |
2.2 |
8 |
|
秋田県 |
3,419 |
1.4 |
13 |
|
山形県 |
3,333 |
1.4 |
10 |
|
福島県 |
18,980 |
7.9 |
32 |
|
茨城県 |
8,768 |
3.7 |
23 |
|
栃木県 |
4,579 |
1.9 |
8 |
|
群馬県 |
2,061 |
0.9 |
7 |
|
埼玉県 |
9,771 |
4.1 |
24 |
|
千葉県 |
10,044 |
4.2 |
39 |
|
東京都 |
55,184 |
23.1 |
84 |
|
神奈川県 |
10,621 |
4.4 |
31 |
|
新潟県 |
4,400 |
1.8 |
12 |
|
富山県 |
1,171 |
0.5 |
2 |
|
石川県 |
2,080 |
0.9 |
6 |
|
福井県 |
560 |
0.2 |
1 |
|
山梨県 |
47 |
0.0 |
1 |
|
長野県 |
4,808 |
2.0 |
7 |
|
岐阜県 |
710 |
0.3 |
2 |
|
静岡県 |
3,441 |
1.4 |
7 |
|
愛知県 |
7,003 |
2.9 |
20 |
|
三重県 |
2,374 |
1.0 |
9 |
|
滋賀県 |
980 |
0.4 |
2 |
|
京都府 |
1,511 |
0.6 |
2 |
|
大阪府 |
10,613 |
4.4 |
29 |
|
兵庫県 |
2,883 |
1.2 |
9 |
|
奈良県 |
1,766 |
0.7 |
5 |
|
和歌山県 |
990 |
0.4 |
2 |
|
島根県 |
1,257 |
0.5 |
2 |
|
岡山県 |
1,286 |
0.5 |
3 |
|
広島県 |
3,229 |
1.3 |
9 |
|
山口県 |
1,170 |
0.5 |
6 |
|
徳島県 |
702 |
0.3 |
2 |
|
香川県 |
812 |
0.3 |
2 |
|
愛媛県 |
1,842 |
0.8 |
3 |
|
高知県 |
694 |
0.3 |
1 |
|
福岡県 |
8,699 |
3.6 |
19 |
|
佐賀県 |
1,284 |
0.5 |
2 |
|
長崎県 |
612 |
0.3 |
2 |
|
熊本県 |
3,049 |
1.3 |
7 |
|
大分県 |
1,962 |
0.8 |
3 |
|
宮崎県 |
1,605 |
0.7 |
4 |
|
鹿児島県 |
1,344 |
0.6 |
3 |
|
沖縄県 |
2,691 |
1.1 |
8 |
|
小計 |
231,671 |
96.8 |
527 |
|
海外 |
7,622 |
3.2 |
53 |
|
合計 |
239,293 |
100.0 |
580 |
(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ29億91百万円増加し、2,113億円となりました。
流動資産は、新規出店とコロナ明けの経済活動の再開を見据えた品揃え強化により商品が47億93百万円増加しました。一方で、現金及び預金は長期借入金の返済により70億3百万円減少しました。以上の結果、前連結会計年度末に比べ12億7百万円減少し1,458億5百万円となりました。固定資産は、店舗向け投資やシステム投資により41億98百万円増加し、654億94百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ8億66百万円減少し、887億32百万円となりました。冬物商品の仕入に対する支払手形及び買掛金並びに電子記録債務が19億74百万円減少しました。一方で、長期借入金を60億20百万円返済しました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ38億58百万円増加し1,225億67百万円となりました。
③当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。
ⅰ 売上高の状況
当連結会計年度の連結売上高は、新型コロナウイルス感染拡大も一部影響を受けましたが、当連結会計年度を通じて人流制限が無く都市部やショッピングセンターを中心に需要の回復が見受けられました。そのような中、コロナ禍に市場拡大したゴルフ市場については、ビギナー層を中心とした市場拡大に一巡の兆しが見られましたが、フィッティング販売による接客サービス向上を図り、前年同期比で大幅増収となりました。また、一般競技スポーツ・シューズについては部活動の活性化、国際イベント大会による後押しを受け、前年同期比で大幅増収となり、本格的な需要回復となりました。地域別では、都市部の需要が回復し、インバウンド需要については渡航制限が緩和された10月以降回復となり、翌年度は通期を通じて需要の回復を見込んでおります。
これらにより、前連結会計年度比160億11百万円(7.2%)増加の2,392億93百万円となりました。翌連結会計年度以降に関しては、一般競技スポーツ・シューズの需要、インバウンド需要の回復を期待していくだけではなく、お客様第一主義に基づくヒト・モノ・情報が行き交う新たな事業モデルの創造に重点を置いた接客サービスを向上させ、客数の増加に注力してまいります。
ⅱ 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、人流回復に伴うプロモーション活動再開による広告宣伝費、EC拡大に伴う配送コストをはじめとした販売費、また資材エネルギー価格の高騰なども影響し店舗費が増加しました。一方で人件費については、コロナ禍による感染対策として輪番体制を継続して行ったことと非定期社員の獲得に苦戦をしたことにより減少しました。
以上により、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比13億92百万円(1.7%)増加の834億46百万円となりました。
翌連結会計年度以降に関しても、資材高騰及びエネルギー価格の上昇も織り込みながら、事業/店舗のスクラップ&ビルドと新たな業態変革に重点を置き、前向きな経費支出を計画しております。
ⅲ 営業利益
当連結会計年度は、在庫の消化促進による荒利率の低下や評価損の計上を織り込みつつも、上記のとおり売上高が増加したことにより、売上総利益は、前連結会計年度比47億19百万円(5.4%)増加しました。売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加幅を上回ったことから、営業利益は前連結会計年度比33億27百万円増加し、83億27百万円となりました。
ⅳ 営業外損益、特別損益
営業外収益は、不動産賃貸料7億17百万円、為替差益3億23百万円、業務受託料3億21百万円、助成金収入1億14百万円の計上などにより19億31百万円となりました。
また、営業外費用は、不動産賃貸費用4億51百万円、業務受託費用3億43百万円などにより10億16百万円となりました。
これらにより、経常利益は92億42百万円(前連結会計年度比13億90百万円増加)となりました。
特別利益は、受取保険金1億73百万円、受取移転補償金1億43百万円、新株予約権戻入益1億35百万円などにより5億38百万円となりました。
特別損失は減損損失6億55百万円に加えて、固定資産除却損1億22百万円計上などにより、9億44百万円となりました。
ⅴ 親会社株主に帰属する当期純利益
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は53億97百万円(前連結会計年度比40.7%増、15億61百万円増加)となりました。
④当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、下記のとおりであります。
|
|
2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
55.9 |
56.8 |
57.7 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
19.9 |
20.1 |
21.9 |
(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(自己株式は除く)/総資産
3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは有利子負債、利払いが僅少又はないため表示を省略しております。
⑤資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社グループの運転資金需要は、主に商品の仕入と販売に関する立替資金と、販売費一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店や既存店舗の改装、及びソフトウェア投資といったスポーツ小売事業に関するものに加えて、周辺領域に関する固定資産投資やM&A等によるものであります。
(財政政策)
当社グループは、キャッシュ・フロー経営による手元資金での小売事業運営を基本方針としつつ、事業活動の維持拡大に一時的に必要となる資金を、国内外で安定的に確保するために、資金の性格に応じて金融機関からの借入等で資金調達を行っております。
経常的な運転資金は、主なお取引金融機関各行で設定している当座貸越枠内での調達を中心としていますが、長期資金需要がある場合には、対象事業の事業計画に基づく資金需要や、金利動向、返済見込み等を考慮しつつ、長期借入金での調達を適宜判断して実施しております。また、グループ内での資金調達に関しては、原則として、当社からのグループファイナンスで対応しております。
投資判断における財務方針としては、企業価値の向上に資するために、投資のリスク分類に応じて資本コストのリスクプレミアムを加算したリターンを確保するキャッシュ・フロー創出が必要であるという考え方を採用しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、130億53百万円となっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。