第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

イ.社是

われわれは「三力」をもって生産に励み、社運の伸展につくし、企業を通じて社会の平和と繁栄に寄与せんことを期する。

知力 価値を生み出すのは知力である

全知をつくして方法を考え力強く実行しよう

努力 一歩前進するにも努力がいる

苦難を克服し向上発展の道を一すじに進もう

協力 ひとりの力には限界がある

みんな力を出しきり一つに結ぼう

 

ロ.経営理念

「プラスチックをはじめとする粉粒体による製品製造現場において、省力化機器のスペシャリストとして、お客様のニーズにマッチした、品質の高い、他社の追随を許さないオンリーワン製品をお届けすることにより、社会に貢献する」

1.市場が求めるものを常に探求し、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供する。
2.お客様が製造する消費財・生産財を通じて、世界の人々のより豊かで安全な暮らしに貢献する。
3.従業員の自主性と働きがいを重視し、会社を持続的に成長させる。
4.株主、取引先、地域社会の皆様から、「いい会社」と呼ばれる会社になる。

 

ハ.サステナビリティに関する考え方及び取組み

詳細につきましては、「第2事業の状況 2サステナビリティに関する考え方及び取組」を参照ください。

 

ニ.基本方針

当社グループは、プラスチック成形工場における合理化機器システムの製造販売に長年携わっております。製造工程の省力化と加工材料のロス低減による環境への負荷軽減を理念とし、チャレンジCES(低コスト(C)、省エネ(E)、省スペース(S))を製品開発指針として、当業界のリーディングカンパニーとして、高機能かつ操作性に優れた独自製品を開発し新技術を世界に発信し続けるとともに、現場力を一層強化し収益力の向上を図っております。更に、プラスチック成形関連分野で培った技術、ノウハウを応用して、電池、食品、化粧品等の新規販売分野を開拓・拡大していくことにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。

 

(2) 経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあります。

当社グループでは、かかる環境下、コア事業におきまして、生産拠点(日本、中国、東南アジア)及び営業・サービス拠点(日本、中国、台湾、東南アジア、北中米)相互の連携を強固にし、品質、コスト、納期、アフターサービスでの競争力を一層強化することにより、グローバル化するユーザーニーズへ対応しマーケットシェアの拡大と収益力の向上を図ってまいります。

当連結会計年度においては、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連並びにスマホ・VRレンズ関連の受注が堅調に推移した一方、中国のゼロコロナ政策に伴う上海市のロックダウンにより期前半において東アジアセグメントの生産工場が2ヶ月強にわたり操業停止を余儀なくされたこと、サプライチェーンの混乱に伴う部品の供給不足の長期化、資源価格の高騰等の影響を受けて売上高、営業利益は計画値を下回る結果となりました。

上記の状況を踏まえ、当社グループでは、2023年5月11日開催の当社取締役会において中期経営計画(2023-2025年度)の更新を行いました。概要は以下に記載のとおりでありますが、新規市場、成長分野における事業展開の強化や経営基盤の強化、ESG経営の強化等に取り組み、当社グループの継続的な成長と企業価値の更なる向上に努めてまいります。

また、当社グループは、コーポレート・ガバナンスの強化、コンプライアンスの徹底、人材の育成と強化等により、経営体質の一層の強化と透明性の向上を図ることを、経営上の重点課題と位置付けております。なお、コーポレート・ガバナンスの詳細につきましては、㈱東京証券取引所に「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」を提出するとともに、当社ホームページ(https://www.kawata.cc/)に、社是・経営理念、サステナビリティに関する考え方及び取組み、コーポレート・ガバナンス基本方針、社外役員独立性基準、グループ行動指針、環境方針、経営方針、中期経営計画等を開示しております。

 

 

(中期経営計画)

① 事業環境と基本的な考え方

・各国におけるウイズコロナ政策の浸透により、世界全体でコロナ禍からの経済活動正常化の動きが進む一方、ウクライナ情勢の長期化や資源価格・原材料価格の高騰及びこれを背景とした先進各国におけるインフレの加速など、先行き不透明な状況が続いている。

・2021年にプラスに転じた世界のGDPは、2022年にはコロナ禍の影響とそれに伴うサプライチェーンの混乱等の複合的要因により減速傾向となった。

・2023年の世界経済は、急速且つ大幅な回復を期待するのは難しく、また、地政学的リスクの高まりも懸念され、景気の下振れリスクが強まってきている。

・半導体不足に伴う生産調整、資源価格や原材料価格等の高騰については徐々に安定の方向に向かうとの見方もあるが、景気の先行きは不透明感を増している。

・EV向けリチウムイオン電池関連等分野では引き続き積極的な投資が期待されるが、中国の実体経済の先行きは不透明である。

・中長期的には、プラスチックは世界の人々の生活にとって欠かすことのできない素材であり、今後もさまざまな分野で需要の伸長が期待される。 

・自動車関連、電子部品関連業界は、裾野も広く今後も伸びが期待できる業界であり、引き続き当社の主力業界として取り組む。特に、自動車の電動化、自動運転化、車体の軽量化等には積極的に技術や資源を投入する。

・ウイズコロナの環境下、社会の変化に伴うタブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化推進の動きに対して的確に対応する。

・アジア諸国の生活水準向上に伴う汎用品の生産拡大への対応、北中米での自動車、ハイテク業界への取組みを着実に実行する。フィルム・シート等の押出成形分野については、日本での需要に加えて、中国やアジア諸国での生産拡大にも対応強化していく。

・日本国内においては、生産年齢人口の減少やソーシャルディスタンス確保に伴い、今後も省人化投資、生産効率化投資は増加するものと思われる。また、インターネット通信や交通・建築・土木等の社会インフラ整備に伴う需要にもしっかりと対応していく。更に、グローバル展開する日系企業に対しては、日本国内のマザー工場、研究開発センターへのアプローチと実績づくりを強化する。

・地球レベルでの環境問題(脱炭素、使い捨てプラスチックの削減)に対しては、お客様の生産現場や当社の事業活動において、また、お客様が生産する製造物を通じて、社会へ貢献していく。プラスチック削減の動きも見られるが、当社グループは、創業以来培ってきた実績、知見やノウハウ等をベースにリーディングカンパニーとして積極的な対応を行う。特に、省エネルギー、バイオプラスチック、リサイクルの分野は当社にとってビジネスチャンスになり得ると考える。

 

② 中期経営方針

~世の中から必要とされる「優良企業」を目指す~

   「より強靭な事業体の構築」

aESG経営の強化

・環境・社会への貢献

・透明性の高いガバナンス

・サステナビリティへの取組み

・全てのステークホルダーへの配慮

 (株主、従業員、販売先、仕入先、金融機関、政府・自治体、地域社会)

b少数精鋭かつ高収益体質の確立(地に足を付けた持続的な成長を図る)

・人材確保、教育の為の投資(人的資本への投資)

・省力化、省人化、システム化の為の投資

・研究開発、技術力向上の為の投資

・事業領域拡大の為の投資(M&Aを含む)

・工場等の更新、能力増強、効率化の為の投資

・安定的に当期利益10億円以上、ROE8%以上の確保により、DOE2.5%以上

 

③ 中期経営戦略の骨子

a新規市場、成長分野における事業展開の強化

(お客様のニーズや成長分野の拡がり等に対応するための取組み)

(a) グループの総合力を結集し、情報収集、調査・分析(マーケティング)、開発、プロモーションを更に強化

(b) 自動車業界のCASE進展における新技術、新機能への対応

(c) リチウムイオン電池関連の継続的な販売・推進

(d) 全固体電池関連の開発推進と実用化に向けた市場動向等の情報収集

(e) AI、IoT、5G等、世界規模の新技術や新規格への継続的な対応

(f) レンズを含む光学部品業界への販売拡大(技術開発力と品質の更なる向上)

(g) スーパーミキサーを軸としたプラスチック以外の業界(食品、医療、新素材)に対しての具体的用途開発と営業力の強化

(h) 地球環境に優しい新素材や複合材、リサイクル材への対応

(i) 通信規格や業界規格への技術面での対応の推進、強化

(j) 日本におけるマザー工場、研究開発センターへのアプローチと実績づくり

 

b既存市場、既存分野での販売拡大と収益力向上

(既存の市場や分野でのお客様を堅守、拡大のための取組み)

(a) グループ全体における標準機(乾燥機、計量混合機、金型温度調節機、チラー、粉砕機)の市場での販売シェアの拡大

(b) グループ全体における押出成形分野等のシステム案件への取組みの強化、推進

(c) 地域や分野特有のニーズに対応した製品ラインナップの充実のための開発、販売

(d) 取扱い製品ラインナップの拡大による販売と収益の向上

(e) 省力化・省エネルギー・省資源化の実現に向けた積極的な提案

(f) Q.C.D.(品質・コスト・納期)の継続強化による競争力の高い製品づくり

(g) グループ間における、設計、製造、販売、サービスの情報の共有化と、地域毎、会社毎のミッションの実行と相互支援協力体制の強化

(h) 北中米での米墨協働による自動車・自動車部品、ハイテク、医療業界を中心とした販売拡大と体制の拡充

(i) 提案営業力、技術力、サービス(ビフォー、アフター)力の向上による顧客満足度向上

c経営基盤の強化

(持続的成長を図るための経営基盤への取組み)

(a) 透明性の高い企業統治(コーポレート・ガバナンス)の実現

(b) コンプライアンス意識の徹底による誠実な企業活動

(c) リスク管理の取組み強化とBCP対策への取組みの推進

(d) 優秀な人材・適正人員の確保と教育研修制度や育成方針の充実

(e) カワタテクニカルセンターを活用した教育や人材育成

(f) ダイバーシティ(多様性)への取組み強化

(g) 社内環境整備方針への取組みと職場環境の改善

(h) 業容拡大の為の戦略的投資の実施(M&Aを含む)

(i) 研究開発、人材開発への継続的な取組み強化

(j) グループ各社の連携による営業、マーケティング、サービス、設計、製造、技術開発、製品開発の強化

(k) グローバル人材育成のための制度・運用とグループ間人材交流の強化

(l) 生産・販売・サービス拠点、販売促進・技術力向上・人材育成の為の設備の継続的な見直しと再構築

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、株主の皆様への還元(配当または自己株式の取得)を充実させる一方で、高付加価値製品の開発や新規販売分野・地域の拡大、新規事業開発や戦略投資等にも積極的に経営資源を投下することにより、市場対応力のある企業として成長を続け、企業価値・株主価値を高めていくことを基本方針としております。経営指標としては、(2)に記載の中期経営計画を着実に推進することにより、中長期的には、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持しつつ、安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上の確保により、自己資本配当率(DOE)2.5%以上確保することを目標としております。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループは、「社是」、「経営理念」を継続的に推進・実行することで、環境、社会、経済の各課題に真摯に取り組み、国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に貢献します。

また、会社を持続的に成長させるためには、優秀な人材の確保と人材育成が重要な経営課題の一つとして捉えています。 従業員の自主性を尊重し、働きがいのある会社として、お客様に喜ばれる製品・サービスを提供することを目指します。

 

(1)ガバナンス

当社グループは、環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題に適切に対応し、課題への対応状況等については、取締役会に適宜報告することとしております。

また、報告内容を踏まえ、社外取締役を含め多様な視点から検証・協議を行っております。

 

なお、現時点におけるサステナビリティを巡る課題は、以下のとおりであります。

 

1.人材の多様性の確保

当社グループは、ダイバーシティへの更なる取組みの強化を図るべく、役員・従業員を、国籍、人種、民族、信条、宗教、性別、年齢などで差別することなく、誰もが継続的に活躍できる環境を提供し、人材の多様性を確保することを重点課題の一つとしております。

2.環境保全

当社グループでは環境保全を経営方針の一環として掲げ、以下の環境方針を策定し、これを遵守・実践することとしております。

1)お客様の生産現場における生産性の向上と省力化・省エネルギー・省資源化に貢献するとともに、お客様の生産する製品を通じて、社会全体の環境保全に貢献する。

2)自社の事業活動において、生産性の向上と省力化・省エネルギー・省資源化に取り組み、社会全体の環境保全に貢献する。

 

(2)人的資本に関する戦略並びに指標及び目標

1.戦略

当社グループは、「企業の成長」と「個人の成長」を目的として、自ら考え行動できる自律型人材を支援し、育てることを方針として、人材育成プログラムを実施しており、併せて、人的資本への積極的な投資の一環として、以下の社内環境整備を行っております。

今後とも従業員一人ひとりの自主性と働きがい、個性を大切にし、職場の安全と心身の健康を守るとともに、人権を尊重し、差別のない健全な社内環境の整備に取り組んでいきます。

1)幅広い知見・経験やチャレンジ精神を持った「自ら考え行動できる」人材の育成を主眼とし、従業員の向上心に応え、成長を支える教育制度と質の高い教育を従業員に提供し、自律的に学び、成長できる環境を創ります。

現在、専門分野、一般マネジメント分野の二軸での能力向上を図っていくべく、階層別の体系立てた教育研修システムを構築し、運用を行っております。

2)当社グループ内の人材交流の活性化、グループ内人材(海外拠点のナショナルスタッフを含む)に対する技術・技能の伝承を始めとした人材育成の場をより充実させることを狙いとしてカワタテクニカルセンターを建設し、翌連結会計年度より本格稼働させる予定です。

3)従業員一人ひとりが主体的に業務を遂行できる心理的安全性の確保を、経営課題の1つに掲げ、更なる改善に取り組んでおります。

具体的には、従業員意識調査を毎年年1回実施し、その調査結果に基づき、部門・部署単位で課題や問題点の洗い出しを行い、改善策を策定し、その進捗状況を定期的にフォローしていく形で取り組んでおります。

4)当社は、「健康経営優良法人 2023」の認定を受けております。当社グループでは、従業員の健康を重要な経営資源と捉え、健康管理、安全管理に重点を置いた取組みを推進し、健康維持増進に繋げます。

具体的な取組みは、以下のとおりです。

a. 定期健診、ストレスチェックの実施による体調、メンタル不調の未然防止

b. 産業医と保健師との連携による特定保健指導の実施

c. 健康やメンタルの不安に対応する産業医・保健師のカウンセリング窓口の設置

d. ハラスメント相談窓口の設置

 

 

2.指標及び目標

上記戦略に関連して、次の指標を設けております。なお、提出日現在における指標は、提出会社のものとなっておりますが、今後、サステナビリティの更なる推進を図っていくべく、連結グループを含めた数値的開示項目の選定並びに目標設定を行っていきたいと考えております。

①男性育休取得率

2022年度の実績は、当社目標15%に対しまして66.7%です。

今後更に取得率を高めていけるよう、環境改善も含め取り組んでまいります。

②男女間賃金格差

当社では、同一等級・同一区分においては、男女間の賃金格差はないものと認識しております。

③女性管理職比率

現在当社では目標の設定を行っておりませんが、女性管理職は1名です。

今後、多様な人材の強みを生かせる風土づくりへの取組みを含め、女性管理職の登用を積極的に推進してまいりたいと考えております。

 

(3)リスク管理

当社グループは、サステナビリティに関するリスクを含む事業等のリスク及び機会に対応するためリスクマネジメント基本方針を定めており、リスクマネジメントの実践を通じ、事業の継続・安定的発展を確保していくこととしております。また、リスクマネジメントを推進するためリスク審査委員会を設置し、リスクマネジメントの個別検討課題ごとに当該委員会の構成員である担当執行役員が具体策を検討・実行することとしております。

リスク審査委員会及び担当執行役員により検討されたリスクマネジメントに関する事項については、職制を通じて従業員に周知徹底を図り、取組みを実行しています。

リスクについては、「発生可能性」及び「影響度」を検討したうえで(A)回避 (B)移転 (C)低減 (D)保有の4種類をリスクマップに分類しリスクの低減を図ります。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期並びに顕在化した場合における当社グループの経営成績等の状況に与える影響の内容については、合理的な見積もりを行うことが困難であるため記載しておりませんが、企業経営に対する重大なリスクに適切かつ迅速に対応するためにリスク審査委員会を編成し、発生頻度の可能性や経営に与える影響度に応じたリスク情報の収集と分析を行っております。併せて、その予防と緊急時の対応策整備、当社グループ全体のリスクの統括的管理を行い、取締役会において、連結子会社を含めたグループ全体の最新状況を共有し、管理、監督の徹底に努めております。

新型コロナウイルス感染症に関しては、世界各国でウイズコロナ政策へと舵を切っておりますが、感染状況の把握と適切な事業運営のため、当社グループの全拠点から本社に対して日々の最新情報が報告される体制、毎月の取締役会における情報の共有化を継続しております。また、日本を含めた各国の状況並びに政府による指導等に基づき、引き続き自宅での勤務や待機、交代制の出勤等を実施しつつ、会議や顧客訪問等を中心にWEBの積極的な活用を行っております。

受注面におきましては、日本セグメントにおける電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の受注を中心に増加し、年度全体では前年同期比13.5%増となりましたが、売上高は中国のゼロコロナ政策による上海市ロックダウンの影響を受けて東アジアセグメントの売上高が大幅に減少したことから、前年同期比2.4%増にとどまりました。

今後の見通しとしては、世界経済は、急速かつ大幅な回復を期待するのは難しく、地政学的リスクの高まりも懸念され、景気の下振れリスクが強まっております。また、半導体不足に伴う生産調整、資源価格や原材料価格等の高騰については徐々に安定の方向に向かうとの見方もあるものの、先行きは不透明であります。一方、各国におけるウイズコロナ政策の浸透により、コロナ禍からの経済活動正常化の動きが進んでいくなかで、タブレット、PC、スマホ、VR等の通信機器拡大、AI、IoT、5G等のデジタル化の推進、日本セグメントを中心とした省人化投資、生産効率化投資の増加等により、当社グループの業績にも一定程度の伸長があるものと期待しております。

このような状況を総合的に勘案した上で、より強靭な事業体を構築し、世の中から必要とされる「優良企業」を目指すべく、「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)」に記載の中期経営計画を策定しました。国内外の景気及び設備投資は不透明な状況が当面続くものと思われますが、受注残高の着実な収益化とプラスチックそのものの様々な分野での需要期待、中期経営計画に定めた諸施策の実行等により、増収、増益を見込んでおります。

現時点においては、損益及び財政状態に重大な影響を与えるリスクの存在はないと認識しておりますが、万一、当社グループに重大な影響を及ぼす事象が発生した際は、速やかに関係者に対する通知並びに開示等の適切な対応を行います。

 

(1) 特定事業分野への集中リスク

当社グループのコアビジネスはプラスチック製品製造機器事業であり、中でも、自動車関連や電子部品関連業界向けの高機能合理化機器の売上高構成比が高くなっております。当社グループは、今後も継続して新規販売分野の開拓・拡大や、新製品・新技術の開発等に注力してまいりますが、国内外のプラスチック成形加工業界の設備投資額が景気動向等により低下した場合や、当該業界を取り巻く技術革新や事業環境の変化に対応できなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料価格の上昇リスク

当社グループの製品の原材料には、鋼材等、市況変動の影響を受けるものがあります。種々の原価低減策を上回る原材料価格の上昇が生じた場合は、可能な範囲で販売価格へ転嫁するよう努めますが、価格転嫁が十分にできなかった場合は、利益率が低下する可能性があります。

 

(3) 価格競争激化のリスク

当社グループの主力納入先であるプラスチック成形加工業界は、国内外での激烈な技術革新と品質・価格競争の中にあり、設備投資に関する要求水準が厳しくなっております。当社グループでは、高付加価値製品の開発や品質・納期・価格面での競争力強化に努めておりますが、想定を上回る価格競争が生じた場合には、利益率が低下する可能性があります。

 

(4) 海外事業リスク

当社グループは、プラスチック成形加工業界向けの需要や市場の将来性が見込める海外地域に拠点を展開する方針としており、東アジア、東南アジアでの生産拠点、東アジア、東南アジア、北中米での営業・サービス拠点の強化に努めております。2023年3月期において、売上高に占める海外売上高の割合は39.7%となっており、中でも東アジア(中国、台湾等)の重要性が増しております。当該海外地域での政治的混乱、法律の一方的な改訂、経済状況の変化、宗教問題等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの生産・営業活動に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(5) 為替レートの変動リスク

当社グループは、輸送コストや為替の影響を軽減するため、海外生産を中国、インドネシアで行っておりますが、中国人民元、インドネシアルピアの通貨価値の変動により、各製造子会社の外貨建の販売価格、仕入価格に影響を及ぼす可能性があります。外貨建取引については為替先物予約等によるリスクヘッジに極力努めておりますが、急激な為替レートの変動があった場合は、想定以上の為替差損益が発生する可能性があります。また、各海外子会社における売上、費用、資産及び負債については、連結財務諸表作成時に各現地通貨から円換算を行っているため、換算時のレートの変動により、当社グループの損益や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材の確保と育成のリスク

当社グループの事業の発展と成功は、人材の確保と育成にかかっております。中でも海外子会社においては、実務能力に加えて、現地従業員に対するリーダーシップとコミュニケーション能力にたけた人材を十分に確保・育成する必要があります。人材の確保・育成に成功しなかった場合には、当社グループの中長期的な事業戦略に影響を与える可能性があります。

 

(7) 訴訟リスク

当社グループの事業活動において、知的財産、製造物責任、環境保全、労務問題等に関し訴訟を提起される、または訴訟を提起する場合があり、その動向によっては当社グループの損益及び財政状態、社会的信用等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害、事故災害、重篤な感染症の流行のリスク

地震、台風等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、重篤な感染症が流行した場合、直接的または間接的に当社グループの生産・営業活動に影響を及ぼし、損益及び財政状態が悪化する可能性があります。

 

(9) 気候変動によるリスク

気候変動がもたらす大規模災害による生産設備への被害や原材料調達等への影響のほか、世界各国における気候変動に対する規制強化や制度の変化により原材料やエネルギー等に係るコストが上昇した場合には、直接的または間接的に当社グループの生産・営業活動に影響を及ぼし、損益及び財政状態が悪化する可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態、経営成績の状況

a.当連結会計年度の概況

当期の世界経済は、各国においてコロナ禍からの経済正常化が進む一方、ウクライナ情勢の長期化や資源価格の高騰、及びこれらを背景としてインフレが進展するなど、依然として不透明な状況が続いております。

わが国経済も、ウイズコロナ政策のもと経済活動の正常化が進み、内需を中心として緩やかに持ち直す傾向にありましたが、設備投資については、資源価格の高騰や円安等に伴う物価上昇などの景気下押し圧力を受け、先行き不透明感が強まっております。また、設備投資の動向を知るうえで先行指標のひとつである機械受注統計の推移を見ても、2022年4月~6月は14,300億円(前年同期比21.2%増)、7月~9月は14,014億円(同10.6%増)、10月~12月は12,255億円(同8.4%減)、1月は3,930億円、2月は4,333億円と、2月には若干の回復が見られたものの、期後半は総じて減少傾向が続きました。

このような環境下、当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止への対応として、引き続き各セグメントが属する国の状況に応じて時差出勤や在宅勤務等を継続しながら、プラスチック成形関連のコアビジネスにおきましては、品質の向上、納期の確守、新製品の開発等、競争力強化によるマーケットシェアの拡大を図るとともに、電池、食品、化粧品等の新規販売分野の開拓・拡大に注力してまいりました。

この結果、当連結会計年度における受注高は前年同期比28億6千4百万円増(同13.5%増)の240億8百万円、受注残高は前年同期比43億7千1百万円増(同50.7%増)の130億3百万円となりました。一方、売上高につきましては、サプライチェーンの混乱に伴う部品の供給不足が長期化しているものの、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の売上が堅調に推移したことに加え、在外子会社の邦貨換算の影響が円安によりプラスに働いたことなどにより、前年同期比4億4千3百万円増(同2.4%増)の188億2千6百万円となりました。

損益面では、材料費を中心とした原価低減や諸経費の削減等に努めましたが、売上総利益率は横ばい(28.1%→28.2%)にとどまり、販売費及び一般管理費の増加を吸収するには至らなかったことから営業利益は前年同期比1億2千1百万円減(同16.0%減)の6億3千8百万円、経常利益は前年同期比9千万円減(同10.0%減)の8億1千3百万円となりました。

特別損益では、固定資産売却益2百万円、投資有価証券売却益1千4百万円を特別利益に、固定資産除売却損7百万円、減損損失5千3百万円、中国子会社における新型コロナウイルス感染症関連損失1億1百万円等を特別損失に計上し、更に法人税、住民税及び事業税3億2千2百万円、法人税等調整額マイナス8百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比1億8千9百万円減(同35.0%減)の3億5千1百万円となりました。

 

b.報告セグメント別の概況

日本におきましては、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の受注が引き続き堅調に推移したこと等により、売上高は前年同期比17億5千7百万円増(同15.8%増)の128億4千7百万円となりました。損益面では、資源価格の高騰などにより売上総利益率が悪化(26.2%→24.0%)したこと等により、販売費及び一般管理費の増加を吸収するまでには至らず、営業利益は前年同期比2百万円減(同0.3%減)の6億6千6百万円となりましたが、セグメント利益(経常利益)は受取配当金の増加等により前年同期比2千4百万円増(同2.6%増)の9億5千8百万円となりました。

東アジアにおきましては、前期に引き続き電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連並びにスマホ・VR用レンズ関連の受注は堅調に推移したものの、上海市のロックダウンに伴う2ヶ月強に亘る工場操業停止時の売上高減少をカバーするには至らず、売上高は前年同期比10億6千8百万円減(同16.4%減)の54億3千万円となりました。損益面では、操業停止期間中の製造固定費を特別損失に振替したこと等により、売上総利益率は改善(24.9%→28.8%)したものの、販売費及び一般管理費の増加を吸収するには至らず、営業利益は前年同期比5千2百万円減(同40.8%減)の7千6百万円となりましたが、セグメント利益(経常利益)は為替差益の計上等により前年同期比6千5百万円増(同203.1%増)の9千7百万円となりました。

東南アジアにおきましては、国により景気回復のスピードにはばらつきはあるものの、設備投資は概ね回復基調にあり、売上高は前年同期比8千万円増(同4.5%増)の18億6千1百万円となりました。損益面では、売上総利益率は改善(32.5%→35.1%)したものの、販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は前年同期比0百万円増(同4.0%増)の2千2百万円、セグメント利益(経常利益)は前年同期比1百万円増(同5.1%増)の3千4百万円にとどまりました。

北中米におきましては、中米では自動車関連を中心とした需要は回復しつつあるものの、設備投資の回復までには至らず、売上高は前年同期比2千5百万円減(同11.7%減)の1億9千1百万円となりました。損益面では、売上総利益率は改善(29.1→32.2%)したものの、売上高の減少に伴う売上総利益の減少等により、営業損失は1億8百万円(前年同期は7千8百万円の営業損失)、セグメント損失(経常損失)は8千5百万円(前年同期は7千6百万円の経常損失)となりました。

 

なお、報告セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高を含んでおります。

 
c.資産、負債及び純資産の状況

流動資産は、前連結会計年度末に比べて、現金及び預金、受取手形及び売掛金、原材料及び貯蔵品等が増加したことにより24億4千1百万円増加し、190億4千5百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べて、建物及び構築物、機械装置及び運搬具が減少しましたが、建設仮勘定が増加したこと等により6億9千3百万円増加し、61億2千5百万円となりました。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて31億3千5百万円増加し、251億7千1百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて1年内償還予定の社債が減少しましたが、支払手形及び買掛金、短期借入金、その他の流動負債が増加したこと等により、25億5千3百万円増加し、95億1百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べて、長期借入金、退職給付に係る負債が増加したこと等により1億4千4百万円増加し、39億1千万円となりました。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて26億9千7百万円増加し、134億1千1百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて、利益剰余金、為替換算調整勘定が増加したこと等により4億3千8百万円増加し、117億6千万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が6億6千6百万円となり、減価償却費3億3千万円、貸倒引当金の増加2千8百万円、退職給付に係る負債の増加3千6百万円、仕入債務の増加6億8千1百万円等の収入要因が、売上債権の増加1億5千3百万円、棚卸資産の増加9億4千8百万円、法人税等の支払額2億6千8百万円等の支出要因を上回り、5億5千4百万円の収入超過(前年同期は16億4百万円の収入超過)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出8億9千6百万円、ソフトウェアの取得による支出4千万円、投資有価証券の売却による収入2千5百万円、保険積立金の解約による収入4千万円等により、10億3千万円の支出超過(前年同期は4億1千6百万円の支出超過)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加による収入8億7千7百万円、長期借入金の増加による収入1億4千2百万円、配当金の支払額2億5千1百万円等により、7億6千万円の収入超過(前年同期は12億2千7百万円の支出超過)となりました。

上記結果の他に、換算差額が8千9百万円となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べて3億7千5百万円増加して、70億8千6百万円となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、北中米には生産拠点が存在しないため、記載しておりません。

 

セグメントの名称

生産高(千円)

前年同期比(%)

日本

11,530,810

14.3

東アジア

4,681,609

△25.1

東南アジア

470,910

△2.2

合計

16,683,330

△0.8

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  金額は販売価格によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

15,990,895

20.6

9,186,464

68.0

東アジア

6,188,577

3.6

3,295,772

21.4

東南アジア

1,586,263

△7.5

401,106

0.2

北中米

242,768

25.0

120,138

157.4

合計

24,008,505

13.5

13,003,481

50.7

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

日本

11,876,959

13.6

東アジア

4,928,425

△17.2

東南アジア

1,844,144

4.5

北中米

177,422

△16.1

合計

18,826,951

2.4

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5経理の状況 1連結財務諸表(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績

受注高は、日本セグメントにおける電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連の受注を中心に増加し、年度全体では前年同期比13.5%増となりましたが、売上高は中国のゼロコロナ政策による上海市ロックダウンの影響を受けて東アジアセグメントの売上高が大幅に減少したことから、前年同期比2.4%増にとどまりました。これらをセグメント別に見ますと、日本セグメントにおきましては、電気部品を中心とした部材の供給不足の解消が想定より遅れているものの、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連は堅調に推移しました。東アジアセグメントにおきましては、電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池関連並びにスマホ・VR用レンズ関連は堅調に推移したものの、上海市のロックダウンに伴う中国子会社の操業停止中の売上高の減少をカバーするには至りませんでした。東南アジアセグメントにおいては、各国の景気回復スピードにはばらつきがあるものの、民間設備投資は概ね回復基調で推移しました。一方、北中米セグメントにおいては、中米では自動車関連を中心とした需要は回復しつつあるものの、具体的な設備投資の受注増までには至らず、低調に推移しました。

売上総利益率は、日本セグメントにおきましては、主に材料費を中心とした原価低減に努めましたが、資源価格の高騰等により、前年度26.2%→当年度24.0%と2.2%悪化しました。東アジアにおきましては、中国子会社の操業停止期間中の製造固定費を特別損失に振替したこと等により、前年度24.9%→当年度28.8%と3.9%改善しました。東南アジアにおきましては、売上高の増加により、前年度32.5%→当年度35.1%と2.6%改善しました。北中米におきましては、売上高は減少しましたが、変動諸経費の減少により、前年度29.1%→当年度32.2%と3.1%改善しました。

販売費及び一般管理費は、日本セグメントにおける人員増に伴う人件費の増加、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴う旅費交通費の増加等により前年同期比で5.9%増加しました。

営業外損益全体では、為替差益1億4千5百万円、保険解約返戻金1千9百万円、補助金収入1千7百万円等の計上により1億7千4百万円の利益(前年同期は1億4千3百万円の利益)となりました。

特別損益全体では、投資有価証券売却益1千4百万円、減損損失5千3百万円、新型コロナウイルス感染症関連損失1億1百万円等の計上により1億4千6百万円の損失(前年同期は2百万円の損失)となりました。

また、法人税、住民税及び事業税3億2千2百万円、法人税等調整額マイナス8百万円を計上し、海外子会社の損益の内、非支配株主に帰属する利益として1百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比1億8千9百万円減(同35.0%減)の3億5千1百万円となりました。

 

 

b.財政状態

当社グループの経常運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は、概ね月商の4~5か月程度であり、機械製造業として適正であると考えております。現預金残高は、大型案件の受注や売上時期が必ずしも毎月一定額とはならない当社の事業形態を考慮して、概ね月商の2~3か月程度を適正水準としております。また、海外子会社においては、資金の現地調達事情や緊急時の手元流動性をある程度考慮するようにしております。ただし、当年度においては、引き続き新型コロナウイルスの感染状況を勘案して手元流動性を重視し、通常期より現預金残高を増額しております。また、当年度においては、売上高の増加に伴う売掛金残高の増加、受注高の増加に伴う棚卸資産の増加等により経常運転資金が増加したことから、有利子負債(長短期借入金及び社債)が増加しております。現在の各勘定科目の水準は、現状の受注状況や、効率性と安全性の両面から考えると適正であると判断しており、今後も自己資本比率45%程度、現預金は月商の2~3か月程度、有利子負債は月商の4か月程度をひとつの目途値と考えております。

当社は、今後も棚卸資産の削減、売掛金の早期回収等により営業キャッシュ・フローの拡大を図るとともに、事業投資は営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額の枠内とすることを原則といたしますが、株主価値を持続的に向上させるため、新規事業開発や海外展開、戦略投資等には積極的な投資を実施していく予定です。

一時的に営業活動によるキャッシュ・フローの収入超過額が不足する資金需要については、事業投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、現時点では具体的な予定はありませんが、大型の設備投資やM&A等の戦略投資の際には、エクイティファイナンスも今後は選択肢のひとつとして検討する可能性があります。

 

c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、当社グループは、中長期的には、株主資本と負債のバランスを適切な水準に維持しつつ、安定的に当期利益10億円以上、自己資本利益率(ROE)8%以上の確保により、自己資本配当率(DOE)2.5%以上確保することを目標としております。

当連結会計年度におきましては、経常運転資金の増加に伴う有利子負債の増加等により自己資本比率(前年度50.5%→45.8%)が低下いたしました。これに対し、販売費及び一般管理費の増加や特別損失(減損損失及び新型コロナウイルス感染症関連損失)の計上等により収益性(売上高当期純利益率:前年度3.0%→1.9%)が悪化し、自己資本利益率(ROE)は3.1%と前連結会計年度の5.0%と比較して1.9%低下いたしました。配当については、中長期的な需要予測や自己資本配当率を安定して確保する観点から1株当たり年間41.0円(中間配当20.5円、期末配当20.5円)の配当を実施させていただくことにより、自己資本配当率(DOE)は2.6%(前年度は2.0%)となりました。

中長期的な目標の達成に向け、適正な販売価格の維持と製造工程における業務効率化並びに中期経営計画、優先的な対処課題の着実な推進により、継続的な企業価値の向上と事業体質の更なる強化に努めてまいります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは「業界トップ技術」のカワタグループとして、「高機能かつ操作性に優れた」プラスチック加工合理化機器の独自製品の研究開発を進めるとともに、長期成長の基盤となるべき新技術の基礎的研究と新規分野製品の開発に取り組んでおります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は208,204千円であり、主として日本及び中国(東アジア)において研究開発活動を行っております。その主な内容は、次のとおりであります。

 

(1) 日本

当該セグメントにおける研究開発費の金額は198,872千円であり、主な内容は次のとおりであります。

① 新型熱風乾燥機の開発・シリーズ化を行っています。集塵サイクロンを標準装備の上、従来機より設置面積を40%以上小さくし、オプションの選択により簡易型の脱湿乾燥が選択可能になりました。また、タッチパネルを採用し操作性を向上しています。

②  薄膜コート技術の実用化研究開発を継続しています。全固体電池への応用として、初めての量産機受注を達成しました。

③  IoT対応への取組みである「Kawata-Smart-Link」の通信機能については、新たにリリースされた材料供給システム用EUROMAP規格対応を進めています。

④ 新型2系統冷温調機(新型コントローラG03搭載)の開発を進めています。

⑤ 水冷チラーのインバータ化の開発を進めています。

 

(2) 東アジア

当該セグメントにおける研究開発費の金額は9,331千円であり、主な内容は次のとおりであります。

① 光学レンズ業界における原材料中の粉除去のニーズに対応するために、新型除塵装置(BH-2-KS)を開発しました。当該装置は原材料の静電気を除去しながら集塵することで、優れた除塵効果を発揮しております。

② 川田機械製造(上海)有限公司製計量混合機に搭載する新型コントローラ(KMS-M02)の開発を進めています。