第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

経営の基本方針と事業を取り巻く環境

当社グループは「変化に対応しながら、進化を続け、強力な創造集団として、社会の発展に寄与する。」という経営理念のもと、魅力的なコンテンツを創り続け、放送をはじめとする多様な手段で届け続けることによって、安全で豊かな社会に貢献することを目指しています。

2022年の日本の総広告費は、北京2022冬季オリンピック・パラリンピックの影響もあり、コロナ禍の反動増があった前年からさらに4.4%増加し、7兆1,021億円となりました。中でも、2019年に地上波テレビ広告を追い抜いたインターネット広告が、社会のデジタル化を背景に前年比14.3%増となり、引き続き高い伸び率となっています。当社はこのような市場環境の変化に対応するため、地上波放送に加えて、インターネット配信・海外番販・イベント等を通じて、当社が創り出すコンテンツの価値最大化を目指します。また、高い公共性がある放送局を持つグループとして、社会課題解決への積極的な取り組みを通じて社会的責任を果たし、サステナブルな未来の実現に貢献してまいります。

 

Ⅰ.グループ中期経営戦略2021-2025 NEW HOPEは「2nd STAGE」へ

2021年5月に発表した中期経営戦略2021-2025 NEW HOPEは、大きく変化する事業環境下の様々な課題に対処し、進化・成長を続けることを目指した戦略集です。そして、最終年度まで残り3年となった2023年5月、「コンテンツ」を中心とする事業グループとしての成長を確かなものにするため、中期経営戦略 NEW HOPE「2nd STAGE」を発表しました。「2nd STAGE」は、中期経営戦略スタートから2年の間に実施した施策の成果と課題、当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、優先的に取り組むべき施策を記した道標であり、この推進を通じて、「総合コンテンツ事業グループ」として、これまで以上の成長を図っていきます。

 


 

 

1.「2nd STAGE」新たな3つの重点施策

中期経営戦略NEW HOPEは、創る、届ける、「新しいシアワセ」をビジョンに掲げるとともに、当社グループのありたい姿を描いたもので、その実現のために、4つの重点目標を定め、2025年度の最終年度に連結売上高1,000億円を目指しています。

 


 

「2nd STAGE」では、さらなる変化の時代に対応しながらグループ全体の意識を高めて、組織の成長を加速させるため、これまでの2年間で実施した施策の成果と課題を踏まえ、後半3年間に取り組むべき3つの重点施策をまとめました。

 


 

施策① 人材交差点構想

グループ内外の個の力と全体の力を最大化し、才能豊かな人材が行き交うグループとなり、より多様に、より自由に、コンテンツ、ビジネスのアイデア創造、マネタイズ展開の拡充を加速します。

 

施策② DXによるビジネス創造

DXは「推進」から「実践」フェーズに入ります。CDP(Customer Data Platform)構築、技術研究開発、デジタルマーケティング、グループ全体のデジタルリテラシーの向上等、2年間で強化してきたDX基盤を、データマーケティング・デジタルセールス・新技術・人材育成などの様々な分野につなげて、DXによるビジネス創造を目指します。

 

施策③ なにわ筋・中之島 ART ARC構想と地域の賑わい創出

2025年大阪・関西万博のメイン会場へのアクセスが良く、アートや健康をテーマにした開発が進む、なにわ筋・中之島・本社(大阪・福島区)周辺エリアを当社のコンテンツを創り、届ける力を活用して、地域とともに、アート・エンターテイメント・ディストリクトへ進化させることを目指します。同時に、本社周辺にコンテンツ制作拠点と地域活性化のための情報発信拠点の機能を持つ第2の創造工場を創出します。

 

2.2025年度に向けての数値計画

中期経営戦略2年目となる2022年度の業績は、連結売上高870億2千8百万円(数値計画比4.4%減)営業利益25億9千4百万円(同35.1%減)と計画を下回りました。今後、2nd STAGEの重点施策を着実に推し進め、グループの力を最大化することで、さらなる利益の拡大と企業価値の向上を図り、2025年度までに連結売上高1,000億円の達成を目指します。

 


 

 

 2nd STAGEでは、3つの重点施策を通じて、より多様で高品質なコンテンツを創り続ける体制をより強固なものとして、コンテンツを軸に配信、海外販売、映画化、舞台化(演劇)、グッズ販売など、コンテンツのマルチ展開をより一層拡大させていきます。

 


 

(1)実写(ドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー等)

 コンテンツ事業においては、地上波放送に加え、配信を含めた多様なプラットフォームでの展開や海外市場を見据えたコンテンツを生み出すことが不可欠となっております。2nd STAGEでは、既存のカテゴリー強化に加え、ドラマも主要コンテンツの一つにすべく取り組みを加速させます。2023年4月に日曜夜10時台に全国ネットのレギュラー枠を新設しました。第1弾はオリジナル脚本作品「日曜の夜ぐらいは…」。28年ぶりのプライム帯(19:00-23:00)でのレギュラードラマ単独制作へのチャレンジとなり、グループ全社でバックアップしていきます。また、2022年10月クールに深夜枠で放送したドラマ「推しが武道館いってくれたら死ぬ」は映画化し、2023年5月に劇場公開しました。グッズ販売などのマルチ展開も強化していきます。

(2)アニメ

 アニメは、地上波放送に加え、配信や海外販売等コンテンツのマルチ展開を行い、収益の多角化を図っているコンテンツ事業の主要分野の一つです。2022年度は、アニメ商品化事業を展開するゼロジーアクト株式会社をグループに加え、商品化事業も強化しました。今後、アニメ周辺事業や海外展開の一層の強化を図ります。

(3)イベント・舞台(演劇)・音楽

 グループ会社が連携して推進しているイベント・舞台(演劇)・音楽は、コンテンツ事業の中でもリアルなファンとのエンゲージメントを図る場として、またコンテンツのマルチ展開の一環として、事業の幅を広げる重要な分野と位置づけております。今後も、より一層の拡充を図ってまいります。

 

 

Ⅱ.事業別戦略

 当社の事業領域は、放送、コンテンツ、ライフスタイルの3つの領域に分かれています。各事業の役割を明確化することで、大きく変化する事業環境の中で、グループのコンテンツ、サービスの価値を最大化し、「総合コンテンツ事業グループ」として成長を続けることを目指します。

 

1.放送事業

 ABCテレビ・ABCラジオ・スカイA(CS放送)からなる放送事業は、2023年度も、引き続き放送の信頼性をさらに向上させ、安全・安心な社会に貢献することで当社グループの存在意義を示し、同時に当社グループの強みである企画・提案力を強化していくことで収益力の維持、向上を目指します。また、「すべてはコンテンツのために」をスローガンに一人でも多くのユーザー・視聴者・リスナー・生活者に届けられるよう、TVerやradikoへの配信等、新しい時代に沿った事業展開の強化を進めております。

 

2.コンテンツ事業

 「2nd STAGE」のキードライバーであるコンテンツ事業では、まず、実写コンテンツ分野において、ドラマ・バラエティ・ドキュメンタリーの3つを軸に成長を図っております。2022年度は、インターネットライブ配信の「バーチャル高校野球」が複数のプラットフォームでの配信を行い、より多くの視聴者に感動を届けました。2023年度は、当社として28年振りのプライム帯全国ネットのレギュラードラマ枠にチャレンジしております。順調に成長を続けているアニメについては、アニメ周辺事業や海外展開を拡充・強化してまいります。さらに、グループ会社が連携し、ドラマやアニメ等に連動したイベント、舞台、音楽分野にも注力してまいります。

 

3.ライフスタイル事業

 今後も、安全・安心・快適で心が満たされる暮らしを実現するため、放送やコンテンツの力も活用しながら、リアルなコミュニケーションや体験の場をより一層、幅広く提供していきます。住宅展示場およびHDC(ハウジング・デザイン・センター)は、住まいや暮らしに関する様々な情報を発信する「複合ライフスタイル情報発信拠点」として発展・進化させていきます。通販事業では、テレビ通販だけでなく、新しいECサイト(ちょっとした時間を自分らしく重ねるヒントを提案するECサイト「itomani(暇に)」)を立ち上げ、成長させていきます。ABCゴルフ倶楽部は、「名門ゴルフ倶楽部」としてのブランドを維持しながら、誰もが楽しく過ごせる空間を創造することを目指していきます。

 

Ⅲ.その他

1.報道機関としての責務を果たすためのBCP

 当社グループは、放送を通じて正しい情報の発信に努めております。また、今後発生が予測される大災害においても、従業員の安全を守りながら放送を途絶えさせることなく、報道機関としての責務を果たしていけるように、BCP事業継続計画を整備し、体制を維持・強化してまいります。

 

2.プライム市場上場会社としてのガバナンス

 当社はプライム市場のコンセプトに基づき、ステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく、より高い水準のガバナンスを維持しながら、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しております。またコーポレートガバナンス・コードの趣旨に鑑み、その活動を統合報告書(英文開示を含む)、サステナビリティレポート等を通じて積極的に開示しております。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日時点において、当社グループが判断したものであります。

 


 

 朝日放送グループは、2021年10月4日の取締役会で決議した「朝日放送グループ サステナビリティ方針」に基づいて、グループのサステナビリティを進めています。この方針は、朝日放送グループの持続可能な社会実現のための私たちの姿勢と決意を表明したものです。「朝日放送グループは、変化に対応しながら進化を続け、強力な創造集団として社会の発展に寄与する。」との経営理念に沿って、今後もより一層、サステナビリティ(持続可能性)をめぐる 諸課題へ対応するとともに、社会および当社グループの事業活動の持続的成長と中長期的な企業価値向上に向けて、グループ全体で戦略的に推進していく基本的考えを定めました。その前提として、私たちのサステナビリティは、「メディアとしての使命と責務」を果たすことを約束しています。当社グループは現在、メディアを中心としたグループとして、様々な社会へ対し多岐にわたる事業を行っています。まず、深刻化、複雑化する「地球環境」や「わたしたち、人」、そして「地域社会」などに関するあらゆる社会課題について正しく理解し、当社グループの多様なコンテンツを通じて社会へ情報発信すること、さらに「事業として」だけでなく“社会の一員として”向き合い解決していく、という視座をもって行動することが重要だと考えています。

 

 

(1)ガバナンスとリスク管理体制(サステナビリティ推進体制)

 朝日放送グループホールディングスは、2021年8月、中長期的な持続可能性(サステナビリティ)への対応をグループ全体で戦略的に推進していくため、「サステナビリティ推進委員会」を設置しました。 気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇、取引先との公正・適正な取引、自然環境災害などへの危機管理など、サステナビリティをめぐる様々な課題へ対応し、社会および朝日放送グループの事業活動の持続的成長と中長期的な企業価値向上の推進を行うとともに、朝日放送グループのサステナビリティへの取り組みに関する、適切かつ効果的な情報開示を進めていきます。

 

①ガバナンス体制図


推進委員会の傘下には、具体的施策の立案・実施を行う「環境分科会」「社会分科会」とグループ全社による「グループ分科会」の3つの分科会を設置しています。
 

②サステナビリティ推進委員会メンバー

・委員長:サステナビリティ推進担当役員

 

・委員:総務、人事、コミュニケーション戦略、グループ戦略の各担当役員、コミュニケーション戦略局長、

コーポレート統括局長、グループ戦略局長および、主要グループ会社より選抜。

 

 

③「環境方針」「CSR基本方針」「COLORFUL化推進取組方針」

朝日放送グループホールディングスは、「朝日放送グループサステナビリティ方針」の他、環境、多様性推進、CSR推進のため、以下の方針を定めております。
 

■「環境方針」

当社グループの事業活動によって生じる環境負荷の低減や、様々な環境課題への対応で目指すものを示しています。

 

■「COLORFUL化推進取組方針」

一人ひとりが尊重され認めあえる職場環境を創造し、十人十色に多様な能力を発揮できる企業を目指すことを示しています。

 

■「CSR基本方針」

多くのステークホルダーにとって、グループの発信する情報と最も接点の深い放送番組やイベントなど、多様なコンテンツを中心に、事業を通して優先して実践すべき取り組みの指針となる<行動指針>(重要課題)を定めています。 

 

 

(2)気候変動への対応(TCFDの提言への賛同表明)

当社は、気候変動問題を当社グループが直面する重要な経営課題の一つとして捉えており、TCFDが気候変動問題についての情報開示などを進める上で有効な枠組みになると考え、2022年5月にTCFD提言に賛同しました。

 

①ガバナンス

朝日放送グループでは、取締役会より、サステナビリティに関連した課題の検討や対応の推進について委嘱された「サステナビリティ推進委員会」が設置されています。「サステナビリティ推進委員会」は、サステナビリティ推進担当役員を委員長とし、総務、人事、コミュニケーション戦略、グループ戦略の各担当役員、コミュニケーション戦略局長、コーポレート統括局長、グループ戦略局長および主要なグループ会社から選抜されたメンバーで構成されております。委員会の下に「環境分科会」が配置され、気候変動対応に関するシナリオ分析、リスク・機会の分析、対応策の策定等を行い、委員会へ提言をしています。委員会は、四半期に1度の頻度で開かれ(2022年度:4回開催)、環境分科会からの提言等をもとに気候変動に関する現状の把握と対応を検討し、それらは執行役員会を通じて取締役会に報告・付議されています。取締役会の審議を経て、執行役員会がサステナビリティ推進委員会或いはグループ各社に指示をしています。

 

②戦略

TCFDが推奨するガイダンスに則り、2040年までの事業環境をシナリオ分析の手法を活用し、気候変動が当社に与える影響を分析・評価しています。また、影響があるとするリスクや機会に対して、どのように対応をすべきか検討を行っています。

 

1)シナリオ分析の概要

対象範囲

グループ連結対象企業

時間軸

現在~2040年

シナリオ構築

(ⅰ)今世紀末の地球の平均気温の上昇を産業革命以前の水準から1.5℃以内に抑えるシナリオ

(1.5 ℃シナリオ)

参照情報

 

● IEA WEO2021 NZE、SDSシナリオ

● IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書より SSP1-1.9,2.6

● その他

 

(ⅱ)今世紀末の地球の平均気温が産業革命以前の水準から4℃程度上昇するシナリオ

(4℃シナリオ)

参照情報

 

● IEA WEO2021 STEPSシナリオ

● IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書より SSP2-4.5、SSP3-7.9、SSP5-8.5

● A-PLAT S8 気候 RCP8.5

● その他

 

 

2)気候変動に関連して想定される事業環境の変化

(ⅰ) 1.5 ℃シナリオ(気候変動への緩和)において想定される事業環境の変化

温室効果ガス排出量削減に向けたより厳しい規制等が企業に迫られ、それにより大気中の温室効果ガスの増加スピードは下降していきます。現時点の地球の平均気温は産業革命以前の水準から既に1.1℃上昇しており、さらに2040年ごろの近畿地方の平均気温は現在より0.5℃から1℃程度高くなり、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の2倍程度になります。

気候変動に対する社会の関心の高まりから視聴者・リスナー等やクライアントの行動変容や社会変容が進み、気候変動対応を行わないメディアには選別も行われるようになります。クライアントの事業内容にも多様な変化が起こり、それに伴い、既存クライアントのCM出稿計画の変更や新規クライアントのCM出稿が増えていきます。

電気料金は長期的には横ばい或いは低下しますが、再生可能エネルギーへの転換期には短期的な需給バランスの崩れにより高騰することがあります。

 

 

(ⅱ) 4℃シナリオ(気候変動への適応)において想定される事業環境の変化

特に厳しい温室効果ガス排出の規制がないことから、大気中の温室効果ガスは加速度的に増え続け、2040年ごろに近畿地方の平均気温は現在より2℃程度上昇し、台風や低気圧の風雨は強まり、洪水の発生頻度は現在の4倍程度になります。激甚化する風水害に対して政府の対策がより強化されていきます。気温上昇により、熱中症搬送者数は現在の2倍程度に増加するとともに、これまで少なかった蚊媒介の感染症なども増えていきます。

化石資源の価格及び電気料金は上昇していきます。また、風水害の激甚化による被災頻度が高くなり、事業のイレギュラーな対応や操業停止を余儀なくされる事態が増加します。特に、暴風雨と高潮により、堂島川河畔の本社の浸水の危険性が高まります

 

3)気候変動対応に関連する主なリスクと機会

1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ下における事業環境の変化から、発生する可能性のあるリスクと機会を抽出し、推測される財務への影響度について検討を行いました。その結果、当社の経営に大きく影響を及ぼす可能性があると推測されるものが次表となります。

シナリオ分析からは、リスクに関しては当社の事業のうち特に住宅展示場事業、ゴルフ事業において長期に発現可能性のある物理的リスクがあることが分かりました。一方、機会に関しては世界的な気候変動対応の潮流の中で、視聴者・リスナー等やクライアントともに意識、事業が変わることにより、番組内容、その提供方法など多岐にわたり新たな事業機会があることが分かりました。当社では、それらのリスク・機会に対して適切に対応していくために、それぞれについて取り組み方針を策定しました。

以下、「短期」は直近1~3年程度、「中期」は4年~10年程度、「長期」は11年~約20年程度。リスク分類はTCFDに沿った分類を行っています。

 

財務に影響が大きいと考えられるリスク

発現時期

主な取り組み方針

政策・法規制リスク

 より厳しい温室効果ガス排出抑制基準が設けられ、企業は排出削減のための投資や技術改善を迫られる。

短~長期

 グループで「ABCグリーン宣言」などにより、CO2フリー電力使用への転換などの実施を持続的に行う。

物理的リスク

 予期せぬ風水害の発生や激甚化、夏場の高温の影響で、番組変更の増加や危険を伴う報道・制作・技術などにより関わる社内の人的負担や必要となる各種リソースが増大する。

長期

 人的負担や各種リソース増大に対応する人的資本など各関連資本への投資配分を強化しつつ、放送を持続しメディアとしての責務を果たす。

 激甚化する暴風雨等の災害により住宅展示建物等が損害を受け人的負担・費用負担も増加、集客にも影響を及ぼす。

長期

 災害にも高いレジリエンスを持つ会場設営を行う。災害に強い展示建築物を出展社に促す。

 住宅展示場で、夏場の高温による顧客の減少が発生する。

長期

 災害に強いWEB対応などビジネスモデルの再構築をさらに進める。

 住宅展示場で、激甚化する暴風雨等の災害により来場者数の減少傾向が強まる。

長期

 災害時にもリアル顧客以外にも対応するビジネスモデルの再構築を進める。

 ゴルフ場で、激甚化する暴風雨等の災害により建物、設備、コース等が損害を受け人的負担、費用負担が増加。

長期

 災害にも高いレジリエンスを持つ各設備等の補強や対応を行う。

 暴風雨などの水面上昇により、堂島川河畔の本社の浸水の危険性が高まる。

長期

 社屋の浸水被害など災害防止のための設備対応を実施する。現行のBCPの浸水対策等の再検討・再策定を行う。

 

 

財務に影響が大きいと考えられる機会

発現時期

主な取り組み方針

市場/製品/

サービス

 気候変動の影響によるカスタマーの行動変容や社会変容に伴い、既存クライアントのCM出稿計画の変更や新規クライアントのCM出稿が想定される。

短~長期

 気候変動による市場変化に対応したクライアントの事業内容に適合させ、新たな顧客対応モデルを早期に考え、またビジネスチャンスに結び付ける。

 視聴者・リスナーの災害多発時代に合わせた生活や意識の変容により地球環境や自然に関連した情報への訴求が高まり関連コンテンツへニーズが高まる。

長期

・情報訴求の高い関連コンテンツの見直しや開発、及び番組編成の 再考・実施。
・災害現場の最前線での取材・ロケなどに十分対応できる技術イノベーションの開発を行う。 

 報道コンテンツのニーズが高まることによって、ニュース番組の視聴率・聴取率が上昇し、即時性が高いWEBコンテンツの訴求も高まる。

長期

 放送だけでなく配信での展開も研究し、TV視聴者ニーズとWEBユーザーのニーズを融合した立体的な発信の仕方をさらに開発する。

 テレビ社等放送各社が気候変動対応を十分に行い社会から改めて高い信頼を得ることで、コンテンツビジネスなどがスムーズに発展する。

長期

 ビジネス開発には年数がかかるため、早いうちから気候変動に対応したビジネスを研究し、実現する。

 気候変動関連の番組・コンテンツ作りが行われる、視聴者・リスナーや配信ユーザーから極めて大きなニーズが生まれる。

長期

 制作も報道も日常的に「命を守る情報」の発信が必要とされるため、気候変動に関する深い知識を持った人材を育成する。

 災害に強い住宅やZEH,ZEB等が注目され新たな顧客ニーズがさらに増加する。

短~長期

 各住宅メーカーやビルダーとともに災害に強い様々な施策を進める。

 

 

4)気候変動に対する緩和・適応へのレジリエンス

気候変動を緩和する1.5℃シナリオと気候変動が激しくなる4℃シナリオの2つのシナリオに対して当社の事業を分析した結果、政策・法規制リスク、物理的リスクにおいて比較的影響度の高い課題が抽出されました。政策・法規制リスクに対しては、既に対応を進めております。また、物理的リスクに対しては、発現時期が中期、長期であることから、いずれも今後の対応により回避できるリスクであると考えられます。従って当社は気候変動に対して一定のレジリエンスを有していると判断しています。

 

5)温室効果ガス排出量の削減計画

(ⅰ) Scope1,2

2022年1月に脱炭素社会への貢献と対応を行う「ABCグリーン宣言」を発表しました。主な取り組み内容は、当社の使用電力について(Scope2)、2022年4月に、大阪本社屋で使用する電力を実質 100%再生可能エネルギー由来に変換するなどし、2025年には、CO2フリー電力化の実現を目指すものです。また、2022年4月よりオフィス・スタジオ等の照明LED化を開始し、2025年に作業完了することで、電力量削減によるCO2排出量削減に貢献します。既に2013年より進めている太陽光発電事業は今後も継続します。

なお、Scope1・2のエネルギー使用量とガス排出量はデータ算出を進めており、それによるより具体的かつ精緻な削減を行っていきます。

 

(ⅱ) Scope3

当社の事業活動に関連するサプライチェーンで排出される温室効果ガスの排出量等(Scope3)のデータ集約も段階的に対応を進めていき、その内容は、適宜適切に情報開示を行っていく方針です。

 

③リスク管理

気候変動対応を含みサステナビリティ全般にわたるリスクの抽出や対応策の検討はサステナビリティ推進委員会及びその下部組織である環境分科会が中心となって行います。TCFDの対応についても環境分科会でシナリオ分析などを進め、サステナビリティ推進委員会に報告しております。シナリオ分析を含めた当社のリスク関連の情報は、グループ全体のリスク管理を行う執行役員会にも報告されます。執行役員会ではグループ全体の主要なリスクを検討し、必要に応じて事前予防策の検討や実施の管理を行っています。執行役員会で検討された内容は、取締役会に報告され審議されます。取締役会審議を経て、執行役員会が、サステナビリティ推進委員会或いはグループ各社に指示が行われます。

 

④指標及び目標

1)温室効果ガス排出量の削減に関する指標と目標

(ⅰ)Scope1,2のこれまでの温室効果ガス排出量の実績は以下のとおりです。

(当社に関連する温室効果ガスはCO2が大半であり、以下ではCO2排出量を記載しております。)

Scope3は現在、データ算出作業を行っており、算出が完了次第開示する予定です。

 

指標データ範囲

朝日放送グループ の大阪・東京等各オフィスおよび施設等の一部 ※

データ年度

2013

2014

2015

2016

2017

2018

2019

2020

CO2排出量

(t-co2)

※※

Scope1

1,158.8

891.2

847.7

843.6

705.4

689.7

695.7

706.8

Scope2

8,002.5

8,039.3

8,061.8

7,842

7,723.7

6,574

5,257.3

4,902.2

トータル

9,161.3

8,930.5

8,909.5

8,685.5

8,429.1

7,263.7

5,953

5,609

 

※ABC本社、高石・生駒送信所、ザ・タワー大阪無線中継室、中之島フェスティバルタワー無線中継室、中継局(総合)、神戸・京都支局、abcd堂島ビル(5F,6F)、東京オフィス、名古屋支社、ABCアネックス

※※データは、経済産業省・総務省・国土交通省への報告数値。電気については、環境省公表「電気事業者別排出係数一覧」の調整後排出係数で算出。

Scope1,2の削減目標数値は、現在社内調整中であり確定後に追って開示します。

 

 

(ⅱ)当社高石市太陽光発電所(※)による温室効果ガス排出削減貢献量(太陽光発電事業による再生可能エネルギー電力の供給量の数値)の実績は以下のとおりです。

 

データ年度

2017

(5月~2018年3月)

2018

 

2019

 

2020

 

2021

 

発電量(kWh)

2,986,664

3,216,127

3,240,767

3,273,416

3,240,581

CO2排出削減貢献量

(t-co2)※※

1,520

1,344

1,082

1,041

1,137

 

※高石市太陽光発電所:高石ラジオ送信所内(大阪府高石市綾園四丁目)

※※環境省公表「電気事業者別排出係数一覧」の調整後排出係数(関西電力)で算出。

リスクや事業機会の管理に必要な指標、目標値は、それぞれのリスクや機会への具体的な対応策が決定された後に設定する予定です。

 

(ⅲ)その他

前述②戦略 5)(ⅰ)に記載のとおり、TCFDの提言に基づく情報開示に先立ち、2022年1月、当社は「ABCグリーン宣言」を発表し、2025年にグループ全体でCO2フリー電力化を目指しております。

 


 

 

(3)人的資本に関する取組

①人材育成方針(人材力強化の取り組み)

<人材育成方針>

グループ全体が持続的に成長するためには、既存事業における自己革新と、新しい事業の開発を推進するための「変化に対応できる人材」が必要です。必要な能力はリーダーシップとマネジメント力、そしてイノベーティブな思考です。そうした能力を育むために、リーダー養成等の研修はもちろん、グループ外の人材との研修や社外派遣を実施します。また、グループ各社内での部門をまたぐ育成異動や抜擢人事、グループ内外との人材交流を進めていきます。

 

<人材交差点構想>

グループの人材力強化と多様性の推進、またグループ連携の強化・深化を目的に、当社グループの多種多様な事業と人材が、グループ内だけではなく外からも様々な人材がにぎやかに行き交うスクランブル交差点をイメージした「人材交差点」構想。具体的には、下記のような取り組みをスタートいたします。

 


 

■ABCカレッジ

「ABCカレッジ」は、様々な「学び」と「交流」の場です。

グループ社員が自由に参加し、時には社外の人も参加する、成長できる機会にあふれるワクワクする場所、それが「ABCカレッジ」です。

グループ内のナレッジを共有するのはもちろんのこと、事業部分野に捉われず、視野を広げ、多様な視点をもてるような講演会などもラインナップします。また、業務外で気軽にグループ社員が交流できる機会を設けて、グループのつながりをさらに活性化します。

■ABCサロン

グループ外も含めて広く豊かな人脈を作り上げる異業種交流の機会や、各界の著名人の方々との交流を深める機会を創出します。

■Who's Who開設

グループ内の人材データバンクを開設し、「人材力」の見える化を行うことで、人材力を最大活用を目指します。

 

<多面的な研修制度>

グループ中核の朝日放送テレビでは、自身の職位に必要なマインドや能力を習得する階層別研修のほか、リーダー育成、イノベーション推進などのテーマ別研修も実施し、未来を担う多彩な人材を育成しています。他社との異業種交流研修でも、様々な地域から様々な企業の選抜されたビジネスパーソンが参加。新たな思考や視点、人脈を得る機会を創出しました。2023年度も異業種研修には引き続き注力し、多様な考え方を習得し、新たなビジネスチャンスの創出につなげます。

その他、従業員が個人のスキルアップを目的に自主的に受講し、会社が受講料を補助して学びを支援するスキルアップ研修制度も設けています。グループ全体としても、「グループシナジーの向上」と「人材育成」という2つの観点から様々な取り組みを行っています。2020年度にスタートしたグループ各社の選抜メンバーによる研修は、2022年度は多角的な視点を備えるリーダーの育成を目的に、20代の次世代リーダー候補を対象とした「みらいリーダー研修」と30代を対象とした「ネクストリーダー研修」を実施しました。2023年度はマネージャークラスを対象とした研修を実施予定です。また、グループ内インターンプログラムなど、人材交流も積極的に行い、グループとしての組織力の向上を図ります。

 


 

 

②社内環境整備方針(多様化推進の取り組み)

<基本方針>

朝日放送グループは、各々が存分に能力を発揮できる企業風土の醸成が、おのずと女性の活躍できる環境を整えてゆく、と考えています。これを念頭に、様々なコンテンツやサービスを通じて、地域社会と文化の向上に貢献するため、性別、年齢、国籍、宗教、ライフステージ、障がいの有無、性的指向などにかかわらず、1人1人が尊重され認めあえる職場環境を創造し、十人十色に多様な能力を発揮できる企業を目指します。

 

<ABC@Colorful宣言とその取組み>

この方針のもと、多様性の推進を「COLORFUL(カラフル)化推進」と呼び、2022年6月、「ABC@Colorful宣言」をリリースしました。従業員1人1人が、多彩な色彩で自分らしく活躍できるようにという思いを込めています。


 

取り組み①:時短勤務、テレワーク推進

朝日放送テレビほかグループ各社で、育児や介護目的の時短勤務制度の活用、管理部門を中心にテレワークも活用しています。2022年度は、グループ社のうち8割を超える社がテレワークを実施し、テレワークによる勤務は全体のおよそ2割弱でした。新型コロナウイルス感染症の「5類」移行後も、テレワークの活用を含め、多様な働き方を進めていきます。勤務間インターバルについても、実現可能な部署の調査等、実施に向けて検討を進めていきます。

 

〇有給休暇取得率

テレビ+HD=朝日放送テレビ・朝日放送グループホールディングス合算

 

2020年度

2021年度

2022年度

テレビ+HD

35.9%

38.9%

41.6%

 

 

〇直近3年採用者の離職率

 

グループ全体

テレビ+HD

2020~22年度に採用した人数
(新卒・中途・契約社員等を含む)

412名

63名

 

直近3年の退職人数

49名

1名

 

直近3年の離職率 2023年4月1日現在

11.9%

1.6%

2019~21年度に採用した人数
(新卒・中途・契約社員等を含む)

362名

53名

 

直近3年の退職人数

53名

4名

 

直近3年の離職率 2023年4月1日現在

14.6%

7.5%

2018~20年度に採用した人数
(新卒・中途・契約社員等を含む)

351名

53名

 

直近3年の退職人数

48名

4名

 

直近3年の離職率 2023年4月1日現在

13.7%

7.5%

 

 

取り組み②:オフィスリノベーション

本社屋では、2022年4月から大規模なオフィスリノベーションを実施しています。フリーアドレス化を進めるなどして、コミュニケーションの活性化、多様な働き方を支援します。

 

■働く人@Colorful

グループの力が最大限に発揮されるためには、多種多様な人材の活躍が必須です。そのために、女性活躍推進をはじめ、働く人の多様性を尊重し、活かす取り組みをさらに推進します。

 

取り組み①:育児支援

朝日放送グループホールディングス・朝日放送テレビでは、育児・介護休業法の改正にあわせ、育児休業の取得を促進するための取組みを実施しました。具体的には、独自の制度として「出生時育児休業」のうち最初の14日間を有給扱いとしたほか、人事担当役員による動画メッセージや周囲の理解を深めるための動画研修の制作・配信、各部署において取得者が出た場合の対応や課題について検討する「職場シミュレーション」の実施、またグループ社従業員を含めた「ママ交流会」「パパ交流会」の開催などに取り組みました。こうした取り組みを推進し、育児休業取得率の向上を目指します。(2022年度実績:女性社員100%、男性社員88.2% 目標:2023年度:性別問わず100%)

 

取り組み②:女性活躍推進

働く人の多様性を尊重し、活かす取り組みとして、女性活躍を推進し、女性管理職比率の向上を目指します。2022年度にはグループ社従業員を含めた「女性社員交流会」を開催しました。今後もキャリア支援につながるようなワークショップや講演を実施してまいります。なお、グループの中核である朝日放送テレビにおいて、5年後の2027年までに女性管理職比率(管理職の中の女性の割合)を管理職年齢層(43歳以上)の女性従業員比率と等しくすること(目標17%)を目指し、さらに2030年には女性管理職比率が20%以上を達成することを目指します。(2023年3月末実績:朝日放送テレビ原籍の女性管理職比率=10.1%)また、ホールディングス社では、2025年までに役員の1/3が女性役員となることを目指します。(2022年6月実績:女性役員2名/全役員12名)

 

取り組み③:LGBTフレンドリーな企業へ

朝日放送グループホールディングス・朝日放送テレビでは、2022年度より「同性パートナーシップ制度」を導入しました。同性間でパートナーシップを結んだ従業員に対しても、異性との結婚と同様に福利厚生制度を適用するというものです。本制度の導入に伴い、アウティング行為を明確に禁止するとともに、周囲の理解を深めるための動画研修も制作・配信いたしました。

 

 

〇年代別女性従業員人数・比率

テレビ+HD=朝日放送テレビ・朝日放送グループホールディングス合算

 

20代

30代

40代

50代

60代

グループ全体

330名

434名

454名

379名

104名

1,701名

 

女性従業員人数

177名

165名

130名

107名

19名

598名

 

女性従業員比率

53.6%

38.0%

28.6%

28.2%

18.3%

35.2%

テレビ+HD

84名

126名

168名

201名

46名

625名

 

女性従業員人数

42名

33名

33名

52名

5名

165名

 

女性従業員比率

50.0%

26.2%

19.6%

25.9%

10.9%

26.4%

 

※2023年4月1日現在

 

〇女性管理職人数・比率

 

2021年度

2022年度

2023年度

グループ全体

289名

314名

333名

 

女性管理職人数

42名

52名

58名

 

女性管理職比率

14.5%

16.6%

17.4%

テレビ+HD

131名

130名

143名

 

女性管理職人数

13名

14名

18名

 

女性管理職比率

9.9%

10.8%

12.6%

 

※毎年4月1日現在

 

〇育児休業取得者数

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

グループ全体

 

男性

育児休業対象者数

26名

31名

27名

32名

31名

 

育児休業取得者数

1名

0名

5名

3名

21名

 

育児休業取得割合

3.9%

0%

18.5%

9.4%

67.7%

 

女性

育児休業対象者数

23名

23名

28名

24名

20名

 

育児休業取得者数

23名

23名

28名

24名

20名

 

育児休業取得割合

100%

100%

100%

100%

100%

育児休業取得率(全体)

49.0%

42.6%

60.0%

48.2%

80.4%

育児休業復帰率

100%

100%

100%

100%

100%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況による影響について

当社グループの主たる事業である放送事業は、広告収入に依存しております。日本の広告市場は、国内マクロ経済の動向や広告支出額の多い企業の業績に影響を受けると考えられます。

2022年の日本の総広告費は、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大、ウクライナ情勢、物価高騰など国内外の様々な影響を受けつつも、社会のデジタル化を背景にインターネット広告費が大きく拡大し、通年で4.4%増加して過去最高を記録しました。一方、2021年大きく回復した当社グループの中核を担う地上波テレビ広告費は、2.4%の減少となり、インターネット広告費と地上波テレビ広告費の差は広がっています。

当社グループの連結業績は、メディア接触の変容と相まって、今後も国内広告市場等の動向に影響を受ける可能性があります。こうしたリスクに対応するために、中核である放送事業の価値を維持、向上しながらコンテンツ事業、ライフスタイル事業の成長を図ることで、各事業間、グループ各社間の連携をより深化させ、グループ全体で変化に対応できる体制を構築いたします。

 

(2) 放送事業について

①番組制作について

当社グループは、朝日放送テレビ株式会社を中心に放送事業各社が連携し、継続して斬新で魅力ある番組を開発し発信する体制を整えてまいりました。しかし、視聴者や広告主、社会のニーズに応えることができなければ、支持される番組を制作し続けることはできないと考えております。経営理念に掲げている通り「変化に対応しながら進化を続け、強力な創造集団として、社会の発展に寄与する」ことは当社事業の根幹であり、視聴者・広告主・社会のニーズに応えることができなければ、当社の経営にも悪影響を及ぼす可能性があると考えています。

今後も、これまで以上に、視聴者のニーズや社会の変化を積極的に感じ取り寄り添うことで、これまでの手法にとらわれない新たな番組作りのあり方を常に模索し、広く支持される番組作りを進めてまいります。

②番組内容について

当社グループは、放送番組の内容については、番組審議会や放送番組検討会議等の社内チェック機関ならびに日常の社員教育により問題が生じないように努めておりますが、完璧であることを保証するものではありません。大きな訴訟や賠償につながるような誤った報道または番組内容があった場合は、当社グループの評価に重要な影響を与え、経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

そうした事態を避けるため、今後も放送人としての意識とモラルを保つための制度や研修体制を強化し、放送倫理に基づいた番組制作体制の確立をはかってまいります。

③競合メディアについて

技術革新とIT化の普及により、映像コンテンツに触れることができるデバイスは多様化し、インターネット動画配信サービスが利用者を大きく伸ばし続けるなど、放送事業においては大きな脅威となっており、今後もこの状況は進んでいくものと思われます。

一方で、コンテンツの供給先としてとらえれば、こうした状況はビジネスチャンスの拡大につながると考えられますが、それらの進展状況や当社グループとしての対応が遅延する又は支障が生じた場合には経営成績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

今後は、地上波放送の価値を維持しながら、グループ全体でコンテンツビジネスの拡大を図り、新たなメディア環境に柔軟に対応しうる体制を構築してまいります。

 

 

(3) 法的規制について

当社は放送法の規定に基づき認定放送持株会社としての認定を受けております。また当社グループの売上の大半を占める放送事業は、電波法や放送法等の法令による規制および政府、監督官庁の放送行政に大きな影響を受けております。

朝日放送株式会社は1951年10月に放送法に基づく放送免許を取得、60年以上にわたり更新し、2018年4月にテレビおよびラジオの放送免許を当社の子会社である朝日放送テレビ株式会社および朝日放送ラジオ株式会社にそれぞれ承継しております。最近では2018年11月に更新を受けており、有効期間は5年であります。

しかしながら、将来において、これら法令に違反する重大な事実が発生した場合、免許・登録等の取り消しや行政処分が発せられ、当社グループの事業活動や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、法令改正や監督官庁の放送行政の施策により、新たな設備投資が必要となりコストの増加が生じる可能性も考えられ、その場合、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼすことになります。

こうしたことから、当社グループでは内部管理体制の強化やコンプライアンス体制の整備に努めており、免許・登録等の取り消しや更新拒否の事由となる事実は現時点では発生しておりません。

 

(4) 個人情報の取り扱いについて

当社グループでは、番組の出演者、観覧者、会員サービス、ショッピング事業やハウジング事業の顧客情報等の個人情報を保有しております。これら個人情報の取り扱いに関しましては、十分な注意を払っておりますが、不正アクセスや想定していない事態によって外部流出等が発生した場合、当社グループの社会的信用に悪影響を与え、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは今後、最新のデジタル技術も活用し、グループ内の各種データの厳密な管理を徹底してまいります。

 

(5) 災害や事故による影響について

当社グループは、放送事業においては、放送事故や放送中断による悪影響を最小化するため、全ての設備における定期的な更新と点検整備を行っております。しかし、放送設備、中継設備で発生する災害、停電またはその他の中断事故につながる全ての事象を完全に防止または軽減できる保証はありません。従って、大規模地震や火災、停電等により放送設備等が被害を受ける等した場合、経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ハウジング事業やゴルフ事業等における事業用地に何らかの被害が発生した場合も事業収益に悪影響を及ぼす可能性があります。

こうした事態や、新型コロナウイルスの感染拡大下における、防疫対策など新たな課題にも対応しうるよう、従業員の安全を確保しながらの放送継続のためのBCP事業継続計画を整備し、体制を維持・強化してまいります。

 

(6) 外国人等が取得した株式の取扱等について

放送法では認定放送持株会社の認定要件の一つとして、日本国籍を有しない人、外国政府またはその代表者が特定役員である場合と、日本国籍を有しない人、外国政府またはその代表者、外国の法人、団体が議決権の5分の1以上を占める場合には、認定しない旨が規定されています。一方で、放送法では一定の条件のもとで、上記の外国人等からの名義書換を拒むことができるとの規定もあります。

当社では現在、外国人等の議決権比率が5分の1以上を占める状態にはありませんが、今後も外国人等の議決権比率に対する注視を続け、認定を維持するべく必要に応じた適切な対処を行ってまいります。

 

 

(7) 成長投資に伴う業務提携や企業買収等について

当社グループでは、認定持株会社体制下でグループ成長の原動力とするための成長投資を積極的に行ってきました。こうした中で2021年3月期に、当社が投資したアメリカのショートコンテンツ配信プラットフォームを運営するQuibi社がコロナ禍の影響などもあり事業停止となり、結果として大きな損失を負うこととなりました。

現時点において業務提携や企業買収等について具体的に想定する事案はありませんが、今後、事業拡大やバリューチェーン構築のための選択肢の一つとして、業務提携や企業買収等を実行する可能性があります。これらについて、必ずしも予期したとおりの成果が得られるという保証はなく、事業環境の急変等により事業収益性が低下した場合には、株式の評価損やのれんの減損等にかかる損失が発生するリスクがあります。また、投資先等においてコンプライアンスや内部統制の不備等が内在するリスクも否定できず、これらに起因して、当社グループの経営成績、財務状況、およびグループガバナンスに悪影響を及ぼす可能性があります。

こうしたリスクを低減するため、今後は投資プロセスにおいて、チャンスとリスクについて検討し協議する体制、制度を改めて整備し、管理バックアップ体制を強化してまいります。その上で、放送事業、コンテンツ事業、ライフスタイル事業、それぞれの領域における戦略に沿った機能や資源を獲得する手段としてM&Aなどの投資を行い成長のエンジンとしてまいります。

 

(8) 固定資産の減損会計による影響について

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証し、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、将来の環境変化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

<経営成績>

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)の日本経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進む一方で、不安定な国際情勢や日米金利差の拡大による急激な為替相場の変動、資源価格や物価の高騰等により、先行き不透明な状況が続きました。

このような経済状況の中、当社グループが主力事業を展開する放送・コンテンツ事業の売上高は、コンテンツ関連の収入増加等により増収となりました。また、ライフスタイル事業は、テレビ通販等を中心に増収となりました。以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は870億2千8百万円となり、前年同期に比べて19億2千8百万円(2.3%)の増収となりました。

費用面では売上原価が580億6千7百万円で、前年同期に比べて24億8千5百万円(4.5%)増加しました。販売費及び一般管理費は263億6千6百万円となり、10億5千1百万円(4.2%)増加しました。この結果、営業利益は25億9千4百万円となり、16億8百万円(△38.3%)の減益、経常利益は26億6千1百万円で21億3千1百万円(△44.5%)の減益となりました。また、事業用不動産の売却により特別利益2億1千万円を計上した一方、固定資産の減損損失や投資有価証券評価損を計上したこと等により特別損失9億3千3百万円を計上しました。

以上の結果、税金等調整前当期純利益は19億3千8百万円で26億3千万円(△57.6%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は13億5千4百万円となり、13億1千7百万円(△49.3%)の減益となりました。

セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。

 

 [放送・コンテンツ事業]

放送・コンテンツ事業の売上高は729億6千7百万円となり、前年同期に比べ16億1千8百万円(2.3%)の増収となりました。主力のテレビスポット収入が減少したものの、コンテンツ関連で増収となりました。営業費用はコンテンツ開発にかかる費用等が増えたため4.0%増加しました。この結果、営業利益は26億2百万円となり、前年同期に比べて10億5千2百万円(△28.8%)の減益となりました。

 

 [ライフスタイル事業]

ライフスタイル事業の売上高は140億6千1百万円となり、前年同期に比べ3億1千万円(2.3%)の増収となりました。前期に子会社で新たに立ち上げたテレビ通販番組を通年で展開したことが主な要因です。営業費用は、テレビ通販にかかる費用が増加したほか、住宅展示場等で前期見積りの変更により計上した資産除去債務に対する資産の償却費が増加したこと等により4.7%増加しました。この結果、営業利益は4億3千3百万円となり、前年同期に比べて4億4千万円(△50.4%)の減益となりました。

 

 

<財政状態>

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末に比べて14億8千2百万円減少し、1,223億5百万円となりました。有価証券や現金及び預金等の流動資産が減少した一方、固定資産の長期前払費用が増加しました。

 

(負債)

負債合計は前連結会計年度末に比べて34億3千1百万円減少し、498億5千9百万円となりました。その他流動負債に含まれる設備の未払金が増加しましたが、固定負債の退職給付に係る負債が減少しました。

 

(純資産)

純資産合計は前連結会計年度末に比べて19億4千8百万円増加し、724億4千5百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上したほか、退職給付に係る調整累計額が増加したこと等によるものです。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、営業活動により29億5千1百万円の収入となり、投資活動により50億4千6百万円の支出となり、財務活動により16億1千万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度の期末残高は、前連結会計年度末より37億4百万円減少の239億9千1百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費を計上したこと等により29億5千1百万円の収入(前年同期は46億8千9百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や投資有価証券の取得等により50億4千6百万円の支出 (前年同期は42億7千6百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により16億1千万円の支出(前年同期は5億4千3百万円の収入)となりました。

 

③販売の状況

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

放送・コンテンツ事業

72,967

2.3

ライフスタイル事業

14,061

2.3

合計

87,028

2.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 当社グループは、主要な顧客である広告主に対し、広告代理店を通じてテレビ広告枠の販売などを行っております。最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合を広告代理店別に示すと次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱電通

21,263

25.0

20,070

23.1

㈱博報堂DYメディアパートナーズ

13,810

16.2

13,636

15.7

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社経営陣は、この連結財務諸表の作成に際し、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与える会計方針の決定及び見積りを行わなければならず、貸倒引当金、投資、財務活動、退職金、偶発事象等に関しては、継続して評価を行っております。また、その他の当社グループ固有の事象については、他の方法では判定しづらい場合には、過去の実績等を勘案して、より合理的であると当社経営陣が考えられる基準に基づき判定の根拠としています。従って、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

<経営成績等の状況>

当社グループの当連結会計年度の経営成績等の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

当社グループは、地上波テレビ・ラジオ、CS放送による放送事業を中核に、アニメ・動画配信・イベント事業などによるコンテンツ事業、そして住宅展示場やゴルフ場運営、通販事業などによるライフスタイル事業等を合わせた「強力な創造集団」として企業価値の向上に取り組んでいます。

2023年3月期の連結売上高は870億2千8百万円で、前年同期に比べて19億2千8百万円の増収。営業利益は25億9千4百万円で、16億8百万円の減益。親会社株主に帰属する当期純損失は13億5千4百万円で、増収減益となりました。

当連結会計年度の日本経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進む一方で、不安定な国際情勢や日米金利差の拡大による急激な為替相場の変動、資源価格や物価の高騰等により、先行き不透明な状況が続きました。このような経済状況の中、放送・コンテンツ事業の売上高は、主力のテレビスポット収入が減少したものの、コンテンツ収入等の拡大により増収となりました。ライフスタイル事業の売上高は、前年スタートしましたテレビ通販が通年化して増収となりました。

2022年の日本の総広告費は、北京2022冬季オリンピック・パラリンピックの影響もあり、コロナ化の反動増があった前年からさらに4.4%増加し、7兆1,000億円を超えました。インターネット広告費が14.3%増加する中、当社グループの主要事業領域である地上波テレビ広告費は2.4%減少しており、両者の広告費の差はさらに拡大しております。

こうした事業環境の変化に対応するため、2021年4月からスタートさせました中期経営戦略2021-2025を、開始から2年間に実施できた取組と、さらなる事業環境の変化を踏まえ、当社グループがさらに進化していくための決意表明として、中期経営戦略 NEW HOPE「2nd STAGE」を策定し公表しております。これを実現することで、「総合コンテンツ事業グループ」として、力強い成長を図ってまいります。

 

<資本の財源及び資金の流動性についての分析>

当社グループの当連結会計年度の資本の財源及び資金の流動性の状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

中期経営戦略 NEW HOPE「2nd STAGE」の中で財務戦略として掲げていますように、投資にかかる資本コストを意識した経営資源配分を行うことで事業ポートフォリオを最適化し、中期経営戦略実現のための継続的な成長投資を行うことで、総合コンテンツ事業グループとしての企業価値向上を目指します。そして、財務の健全性と財務レバレッジの適切なバランスを維持するために、最適な資金調達手段及び資金効率の最大化を目指します。

 

<経営成績に重要な影響を与える要因について>

詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

①  朝日放送グループホールディングスでは、継続して放送と通信を連携するサービスについて研究・検証を行っています。2022年度においてもIPTVフォーラムが運営する検討会へ参加し、放送とネットを繋ぐ技術を活用した放送局共通アプリケーション技術検証に協力しました。

②  インターネットやデジタルデバイスの普及に伴い、情報接触の手段や機会が多様化する中、朝日放送テレビでは朝日放送グループホールディングスと協力し、テレビの視聴データを格納するデータ基盤を構築、自局のWEBサービスへのテレビPRの効果検証や在阪各局と共同で視聴データ検証の実証実験を行いました。

③  朝日放送グループホールディングスではプライバシーに配慮した形で、各種データを格納したCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を構築、このCDPのデータを用いて以下の実証実験を行いました。

    a.カスタマージャーニーの可視化

 グループのWEBサイトを来訪するユーザーを増やすために、実際に来訪したカスタマーの動きを分析、各WEBサイトとの相関関係を可視化しました。

      b.顧客へのメール配信

 CDPのデータからオーディエンスを生成・抽出し、LINE広告でターゲティング広告を配信する技術検証を行いました。

      c.ターゲティング広告

 機械学習で判別したロイヤリティの高い顧客へのターゲティング広告の有効性の検証を行いました。

④  朝日新聞社と共同で展開している「バーチャル高校野球」では、配信に必要なシステムを毎年アップグレードさせながら、配信試合数を拡充しています。2022年度は配信試合数の拡充とともに配信先を拡大、外部システム連携を進めて3,200試合以上に対応できるシステムへ拡張しました。

⑤  朝日放送グループホールディングスでは、最新の技術調査のために継続して海外展示会の視察を行っています。2022年度はNAB(National Associations of Broadcasters) Show 2022においては放送やコネクテッドTV・配信関連技術の最新動向、CES2023(Consumer Technology Association主催)ではメタバースやメディア関連デバイス・センサーなどの新技術動向の調査を行いました。

 

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は183百万円であります。