第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが合理的と判断する一定の前提に基づいたものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。

 

(1)目指す姿(存在意義、志)

雪印メグミルクグループの目指す姿

当社グループは、2025年に北海道での創業から100周年を迎えます。現在の世界情勢が大きく変化する不透明な時代の中、これからの100年に向けて、当社グループが進むための指針である「存在意義・志」のよりどころを「社会課題解決に向けた」創業の精神「健土健民」と定めました。


 

雪印メグミルクグループの存在意義・志

当社グループは、「社会課題解決を目指す『健土健民』という創業の精神で、乳で培われた幅広い知見や機能、すなわち『ミルクバリューチェーン』によって、食の持続性を実現する」という志を掲げて進んでいきます。

健土健民は、「酪農は大地の力を豊かにし、その豊かな大地から生み出された牛乳・乳製品は最高の栄養食品として、健やかな精神と強靭な身体を育む」と、創業者のひとりである黒澤酉蔵の掲げた理想です。健土健民が生まれた時代、日本社会全体が貧困で満足に栄養を摂取することが出来ない社会でした。その社会課題である「日本国内における安定的で豊かな食生活の充実」に取り組んだのが創業者たちでした。時代とともに社会課題は変遷していますが、「健土健民」を目指した創業者たちの社会課題解決に挑む精神は私たちに受け継がれています。

私たちは、この「健土健民」という創業の精神と創業者たちのパイオニア精神を受け継ぎ、日本国内のみならず世界にまたがる社会課題の解決を目指して、現代に求められるサステナビリティ経営へと進化させていきます。


 

 

社会的価値と経済的価値を同期化させた重要課題へ

今回、食の持続性の実現を「存在意義・志」として掲げたことに合わせ、マテリアリティを事業活動に密接に結びついたものとして改定しました。

本業を通じて「社会的価値」と「経済的価値」を同期化させ、「食の持続性」を実現することによって、企業価値を高めていきます。

当社グループは、「食の持続性」に向けて、コンプライアンスをベースに、栄養を届け、環境に配慮し、人材を活かすことにより、「サステナビリティ経営」を推進していきます。サステナビリティ経営を進める上で、具体的なマテリアリティを6項目抽出し、取組みテーマを設定しました。


 

サステナビリティ経営


 

中長期の環境認識

グローバルの食料需給は、世界人口の増加や、様々な環境規制などによって、需要と供給の両面から今後引き締まっていくことが予想されています。また、食料の輸入依存度が高く、島国でもあるわが国は、食料安全保障に関しても課題が指摘されています。

これらは、今後、牛乳乳製品の価値が一層高まることを示しています。また、当社グループの乳で培われた幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって、新たな価値の提供を行なう機会が増えると想定しています。


 

価値創造のストーリー

当社グループは、内部経営資源や自然資本、社会関係資本を使って、酪農生産者の生産する生乳を使用して商品を生産し、消費者へ届けることで価値を創造しています。酪農乳業を主軸に置き、当社グループの強みである乳で培った有形資産・無形資産や社会関係資本を活用し、海外市場や代替食品など新しいバリューチェーンの確立に挑戦します。酪農乳業を原点として広がる、幅広い知見や機能「ミルクバリューチェーン」によって、乳を超えて価値を創造し、食の持続性を実現していきます。


 

 

(2)中期経営計画

当社グループは、これまで雪印メグミルクグループ「グループ長期ビジョン 2026」(2017年度~2026年度)に取組んできましたが、外部環境が大きく変化したため、「グループ長期ビジョン 2026」は見直すこととし、新たに「雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025」(以下、中計2025)を策定致しました。また、新たな長期ビジョンについては、2025年度に発表予定です。

 

中期経営計画2025の全体像

中計2025は、企業グループとして、強靭な事業構造、成長に不可欠な強靭な基盤づくりを進め、次の100年に向けた準備期間と位置付けています。中計2025では、新型コロナウイルス感染症による需要の減退やウクライナ紛争などを起因とする世界的なコストアップ影響等に対処し、2020年度並みの営業利益200億円を目指します。その上で、中計2025期間後の早期にROE8%を目指します。


 

取組みの全体像

「強靭性の獲得」のために、中計2025は、3つの柱からなる事業戦略と基盤戦略、およびそれらを支える財務戦略で構築しました。

 事業戦略は“3つの柱”と“重要な6つの戦略課題”で構成しています。

 一つ目の、新たな成長のタネづくりでは、次の100年に向け新たな領域へチャレンジします。具体的には、「プラントベースフードへの参入」、「機能付加商品の育成」、「海外展開強化」を重要な戦略課題として取組みます。

 二つ目の、基盤活用による物量の拡大では、これまで設備投資を進めてきました磯分内工場や阿見工場のバター生産設備、大樹工場のナチュラルチーズ生産設備、発酵乳・デザート等の生産設備、ホクレンくみあい・雪印飼料㈱の飼料生産設備などの生産能力を最大限に活かした拡大を目指します。中でも、伸長余地の大きい「チーズの拡大」、酪農乳業の基盤である「白物拡大による市乳事業の成長」が重要な戦略課題になります。

 三つ目の、国内酪農生産基盤の強化・支援では、国内酪農基盤の転換期(国内自給飼料指向・環境問題など)をチャンスと捉え、強靭な酪農基盤づくりへの取組み支援を行います。特に輸入飼料価格高騰で注目される「自給飼料拡大」は取組みの中心となります。

 


 

基盤戦略

基盤戦略は、事業を支える機能として「イノベーション」と「コミュニケーション」を、事業活動全ての基盤として「DX推進」と「人的資本の活用・成長」を重点的に取組む事項として定めました。

「イノベーション」では、成長への新しいタネづくりやそのための仕掛けの構築を行ない、「コミュニケーション」では、当社グループと社員を含む全てのステークホルダーの相互コミュニケーションやブランド価値、社員のエンゲージメント(信頼度・満足度)を高める取組みを行います。

「DXの推進」では、業務改革や新たな付加価値創造を進め、「人的資本の活用・育成」は、当社グループのすべての成長の原動力は人材であることを明確にして、多様な人材が個性や能力を発揮できる環境づくりと人材育成を進めていきます。


 

 

基盤戦略:DXの推進


 

基盤戦略:人的資本の活用・成長


 

財務戦略

財務戦略では、財務の健全性を維持しつつ、営業キャッシュフローと資産圧縮を財源とし積極的に基盤・成長への投資を行っていきます。併せて、配当性向30%以上を目標とした安定的な株主還元を実施していきます。

経営指標目標は、2025年度の営業利益目標を200億円とし、中計2025期間中に2020年度並みの営業利益を達成し、最終年度のROEは6%以上を目標とします。


 

 

キャッシュアロケーション

3年間のキャッシュアロケーションでは、営業キャッシュフロー800億円以上を確保するとともに資産売却を進め、財務規律を維持した上で負債による調達も行い、250億円以上の資金調達を計画しています。

資金需要としては、既存事業における基盤・成長投資に700億円以上、未来価値創造投資として新たな価値を創造する研究開発や新規事業等への投資を計画しています。株主還元は、配当性向30%以上を維持し、120億円以上を充当していく計画です。なお、資産売却により得られるキャッシュは、企業価値向上に資する投資へ充てる方針ですが、売却代金がその投資額を上回る場合は、株主還元も検討します。

 


 

資本効率を意識した経営の実践

 当社グループは、資本効率を意識した経営を実践していきます。

今後のROE向上に向け、既存分野の成長に加え、海外事業の強化、代替食品への参入などにより更なる利益の創出と収益性の改善を図っていきます。また、政策株式や不動産等の資産売却を進め、得られたキャッシュを成長投資に充当するとともに、外部との連携・協業や、グループ機能の最適化により資本の効率性を高めます。政策保有株式については、財務戦略を勘案しつつ、純資産対比10%未満を目途に縮減をいたします。その他、財務の健全性を維持しつつ、成長投資に必要な資金調達を行い、株主還元拡充を含めた検討を進めていきます。こうした取組みにより、中計2025期間後の早期にROE8%を目指します。


 

 

(3)次期の経営環境及び優先的に対処すべき課題

今後のわが国経済については、ウクライナ情勢などの先行きは不透明であり、原材料価格やエネルギー価格の高騰は、ピークは過ぎましたが高値の状況が一定程度継続することが見込まれます。

食品業界においては、内食需要は安定して推移し、外食需要は新型コロナウイルス感染症が感染症法上の5類に引下げられ、インバウンド効果もあり、需要の回復が見込まれます。一方で、様々な製品の価格上昇による消費マインドの低下や、商品購買時の選別が厳しくなるなど市場が変化していくことが想定されます。その他、酪農乳業界においては、依然として需給緩和による脱脂粉乳の過剰在庫処理が課題となっていますが、生乳生産量は2年連続で減少見通しであり、乳製品の消費動向によっては、需給は緩和にも逼迫にも振れる可能性のある不透明な状況であると想定しています。

 

このような状況において当社グループは、中計2025に基づき、以下の重要な施策に対し積極的な取組みを進めていきます。

①コストアップへの対応

 ・すべてのバリューチェーンにおける生産性の向上とコスト構造の見直し

 ・事業継続(拡大再生産)に向けた適切な消費価格の形成

②トップラインの維持・拡大

 ・環境変化に対応したトップラインの維持・拡大

 ・高収益商品・育成商品の拡大

 ・設備稼働率最大化に向けた販売物量拡大

 ・乳原料過剰在庫圧縮のため乳原料使用商品の物量維持・拡大

③新たな成長のためのタネづくりと取組みのスタート

 ・新たな研究開発や新規事業の検討推進

 ・アジアを中心とした海外やECビジネス等、拡大市場(チャネル)に向けた新規取組みの推進

 ・DXの活用などによる前例にとらわれない取組み推進

 ・プラントベースフードの取組み推進

 ・社外組織との協業やオープンイノベーションなどの取組み推進

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ共通


 

私たちの前身のひとつである雪印乳業の創業者のひとり、黒澤酉蔵は「酪農は大地の力を豊かにし、その豊かな大地から生み出された牛乳・乳製品は最高の栄養食品として、健やかな精神と強靭な身体を育む」という「健土健民」の理想を掲げ、酪農とともに歩き続けました。また、同じく黒澤酉蔵が提唱した「循環農法」の考え方は、環境に配慮した生産システムの構築と付加価値の高い商品の供給により社会課題を解決する、現代の持続可能な事業活動の実現にほかなりません。現在、気候変動や紛争、世界人口増などによって、「食の持続性」は危機に直面しています。食によって社会から認められ、事業活動を続けてきた私たちにとって、食の持続性を実現することは社会的責務であり、挑むべき最重要課題であると認識しています。

当社グループは2025年に100周年を迎えます。次の100年に向け、「社会課題解決を目指す『健土健民』という創業の精神で、乳で培われた私たちの幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって、食の持続性を実現する」ことを、改めて私たちの存在意義・志と位置づけました。

また、中期経営計画2025では、食の持続性を実現するため、栄養を届ける、環境に配慮、人材を活かす、の観点から、重要課題(マテリアリティ)を定め、KPIを見直しました。今後もコンプライアンスの徹底を基本として、社会的価値と経済的価値が同期化したサステナビリティ経営を「雪印メグミルクグループ サステナビリティ方針」に基づき推進し、食の持続性の実現を目指します。

 

 

雪印メグミルクグループ サステナビリティ方針

 

 

私たち雪印メグミルクグループは、「雪印メグミルクグループ企業理念」を実現するために、「雪印メグミルクグループ 企業行動憲章」に基づき、食の持続性を実現することによってグループの企業価値向上に繋げるサステナビリティ経営を以下のとおり推進します。

 

 

1

重要課題(マテリアリティ)を特定し、具体的な目標を設定するとともに、取組み状況を定期的に開示します。

 

 

2

「グループサステナビリティ委員会」および「全社環境会議」を定期的に開催し、サステナビリティ経営に関する取組み計画の策定、KPIの進捗確認を行い、PDCAサイクルを回すことによりサステナビリティ経営の継続的推進を図ります。

 

 

3

雪印メグミルク株式会社の各部署とグループ各社にサステナビリティリーダーを配置し、コンプライアンス徹底や重要課題(マテリアリティ)の解決に向けて、全従業員が参加する「サステナビリティグループ活動」などの活動を行います。

 

 

4

過去に雪印メグミルクグループが起こした事件への反省のもと、コンプライアンス徹底と未来に向けた社会課題解決のため、年2回、「食の責任を強く認識し、果たしていくことを誓う日の活動」として、全従業員が参加する活動を行います。

 

 

5

「雪印メグミルクグループ 企業行動憲章」を行動に移すために、グループ各社で「行動基準」を策定し、その浸透に努めます。

 

 

 

(ガバナンス)

2022年6月、当社CSR部をサステナビリティ推進部へ改称するとともに、当社グループ全体のサステナビリティの取組みを経営レベルで推進していくために、当社社長が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会を設置しました。2022年7月に第1回グループサステナビリティ委員会を開催し、重要課題(マテリアリティ)のKPIの進捗確認や、達成に向けた協議を行い、取締役会に報告しました。さらに、グループサステナビリティ委員会の下にサステナビリティ担当役員が部会長を務め、委員として社長が参加するサステナビリティ推進部会を設置しています。ここでは、担当役員が分科会長を務める「脱炭素分科会」、「脱プラ分科会」、「人権分科会」からの報告に基づき、重要課題(マテリアリティ)解決に向けた具体的な取組みを検討しています。(2021年12月に第1回サステナビリティ推進部会を開催し、2022年度は延べ4回(第3回~第6回)を実施しました。)

なお、当社の各部署とグループ会社にはサステナビリティリーダーが配置され、サステナビリティグループ活動を行うなど、従業員のサステナビリティの考え方の理解・浸透や、現場での具体的な取組みを推進しています。

 

2022年度の開催実績と討議内容

 

実施回数

討議内容

第1回

(7月15日)

(1)雪印メグミルクグループのサステナビリティ経営について

(2)2021年度環境関連グループKPI進捗報告

(3)2021年度KPI進捗報告

(4)2022年度以降の環境関連グループKPI実績報告方法について

(5)2022年度コンプライアンスの取組み計画

(6)グループ企業2021年度KPI取組み状況

(7)「グループサステナビリティ委員会規則」について

第2回

(2月24日)

(1)サステナビリティ推進部会(脱炭素分科会、脱プラ分科会、人権分科会)

2022年度取組み状況および2023年度取組み予定の報告

(2)2022年度 環境関連グループKPI上期進捗報告

(3)2022年度および2023年度(予定) グループ各社のサステナビリティの取組み

(4)サステナビリティ方針と重要課題(マテリアリティ)の改正について

(5)2022年度コンプライアンスの取組み報告

第3回

(6月17日)

(1)各分科会(脱炭素分科会、脱プラ分科会、人権分科会)からの報告

(2)TCFD提言への対応案

(3)環境関連グループKPIの実績報告方法

(4)環境関連グループKPIのグループ個社課題の進捗

第4回

(9月22日)

(1)各分科会(脱炭素分科会、脱プラ分科会、人権分科会)からの報告

第5回

(12月21日)

(1)各分科会(脱炭素分科会、脱プラ分科会、人権分科会)からの報告

(2)TCFDの取組みについて

(3)2022年度水リスク評価について

(4)重要課題(マテリアリティ)新KPI設定について

第6回

(3月22日)

(1)各分科会(脱炭素分科会、脱プラ分科会、人権分科会)からの報告

(2)サステナビリティ方針と重要課題(マテリアリティ)の改正について

(3)2022年度水リスク評価(修正)について

 

 

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)

気候変動問題は、グローバル社会の最重要課題の一つであり、「食の持続性」の実現に向けて、当社の事業の前提条件となる重要課題として、取り組む必要があります。当社では2021年10月にTCFDへの賛同を表明し、2022年9月に発行した「雪印メグミルクレポート2022(統合報告書)」からTCFDに基づく非財務情報の開示を始めました。

 

(ガバナンス)

「(1)サステナビリティ共通」に記載しております。

(戦略)

当社の主要事業(売上の8割強)である「乳製品事業」と「市乳事業」を対象に、移行リスクと物理的リスクを抽出し、IPCC※1やIEA※2などの情報を基に2つのシナリオ(1.5℃上昇シナリオ、4℃上昇シナリオ)を設定し、2030年と2050年を時間軸として、事業インパクト評価を実施、対応を開始しました。

 

気候変動リスクと当社における対応

 

 

当社への影響

2050年

影響度

2022年度の当社における対応

1.5℃

4℃

①炭素価格

・炭素税の導入による製造・輸送コストおよび売上原価の増加。

 

ア.省エネ・再エネ設備投資の拡大

イ.サステナビリティ・リンク・ローン、グリーンボンドによる資金調達

ウ.CO₂排出量第三者検証

エ.ICP導入の検討

②消費者意識の変化

・消費者の自然素材の利用や包装資材リサイクル、CO₂排出等への関心。

・気候変動対策に積極的な企業の製品購入による、売上高の増加/減少。

ア.環境に配慮した原材料使用

イ.石油由来プラスチック使用量削減のロードマップ策定

ウ.エシカル消費への対応について、消費者部会で議論

エ.プラントベースフードなどの代替食品、機能付加商品の取組み推進

③平均気温の上昇

・暑熱対策による原材料調達コストの増加。
 ・平均気温の上昇による水資源不足。

ア.生産拠点の節水の取組み

イ.牧草・飼料作物種子の作付面積拡大

(酪農生産基盤強化)

ウ.緑肥作物種子による作付面積拡大

(循環型社会の形成)

エ.酪農総合研究所シンポジウム開催

(酪農生産基盤強化)

オ.牛の腸管由来温室効果ガス削減の取組み(げっぷに含まれているメタンガス)

④異常気象の頻発化と深刻化(豪雨、洪水、等)

・自然災害(豪雨、洪水等)による製造・物流設備への影響(操業中止、配送停止など)。

 

ア.生産拠点の水リスク確認

イ.非常用発電機の運用

 

※1 国連気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)の略。

人為起源による気候変化、影響、適応および緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地か

ら包括的な評価を行うことを目的として、1988年に国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により

設立された組織。

※2 国際エネルギー機関(International Energy Agency)の略。石油を中心とするエネルギーの安全保障を

目的とするOECD(経済協力開発機構)の下部機関。石油消費国側の機構で、OPEC(石油輸出国機構)に

対抗する目的のもの。第一次石油危機後の1974年に当時の米国務長官の提唱で設立。

 

<2022年度の対応>

① 炭素価格

ア.省エネ・再エネ設備投資の拡大

大樹工場でCO₂削減を目的とした燃料転換(ボイラLNG化)を12月に完了し、ホエイや有用成分回収工程で発生する残渣を、エネルギーとして有効利用できるようにメタン発酵設備を導入しました。また、再生可能エネルギーの利用拡大に向け、3工場(海老名工場、阿見工場、京都工場)への太陽光発電設備導入決定と川越工場で再生可能エネルギー導入の検討を行いました。2030年度にCO₂排出量を2013年度比50%に削減するため、年度毎の数値目標(目安)をロードマップとして定め、中間地点である2025年度のCO₂排出目標を明確にしました。

 

CO₂排出量


 


 

イ.サステナビリティ・リンク・ローン、グリーンボンドによる資金調達

サステナビリティ・リンク・ローン(2022年3月 80億円)※3、グリーンボンド(2022年12月 50億円)※4による資金調達を開始し、環境に関連する設備投資を促す体制を整えました。

・サステナビリティ・リンク・ローン(以下「SLL」)は、借り手の経営戦略に基づくサステナビリティ目標と連携したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」)を設定し、貸付条件とSPTの達成状況を連動させる借入です。CO₂排出量削減(2030年度目標:2013年度比50%削減)をSPTに設定いたしました。なお、本件契約締結にあたっては、SLL原則、および環境省より公表された「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2020年版」の「サステナビリティ・リンク・ローンに期待される事項」に適合していることを、第三者評価機関である株式会社格付投資情報センター(以下「R&I」)よりセカンドオピニオンとして取得しています。

・グリーンボンドは、環境問題の解決に貢献する事業に要する資金を調達するために発行する債券です。グリーンボンド発行代わり金の充当状況、対象事業の概要及び環境効果に関する指標等を、実務上可能な範囲で年次で当社ウェブサイト上に開示していきます。なお、グリーンボンド・フレームワークについて、「グリーンボンド原則2021(ICMA:国際資本市場協会)」並びに「グリーンボンドガイドライン2022年版(環境省)」に適合していることを、R&Iからセカンドオピニオンとして取得しています。

 

グリーンボンドで開示するプロジェクト

適格プロジェクト

対応する当社重要課題

(マテリアリティ)および

KPI(重点管理指標)

環境改善効果

ホエイや有用成分改修工程で発生する副産物のバイオマスをメタンガス化する設備の導入

 

環境負荷の低減:2030年度までに、CO₂排出量を2013年度比50%削減する。

 

CO₂削減量

(t-CO₂)

排水処理設備増能更新(大樹工場)

排水処理設備増能更新(磯分内工場)

汚泥減容化設備導入(野田工場)

汚泥乾燥設備導入(大樹工場)

 

環境負荷の低減:2030年度までに、廃棄物排出量を2013年度比30%削減する。

 

汚泥の削減量(t)

 

 

ウ.CO₂排出量第三者検証

CO₂排出量の数値の蓋然性を高める為、2021年度のCO₂排出量から第三者機関による検証を開始しました。

エ.ICP導入の検討

インターナル・カーボン・プライシング制度の導入について検討を開始しました。

 

② 消費者意識の変化

ア.環境に配慮した原材料使用

環境に配慮した容器包装の推進の取組みとして、家庭用商品に貼付するストローをバイオマスプラスチック配合品(配合率5%)に変更しました。また、2023年4月より、学校給食の牛乳でバイオマスプラスチック配合品ストローの提供、更にストローレス容器の導入を開始しました。

イ.石油由来プラスチック使用量削減のロードマップ策定

ヨーグルト容器の紙化やバイオマスプラスチックを配合した容器導入に向け、削減に向けたロードマップを策定し、検討を行いました。

ウ.エシカル消費への対応について、消費者部会で議論

エシカル消費について、消費者部会(第52回 2022年12月開催)で、消費者団体の代表者や消費者問題に関する有識者と対話を行いました。消費者部会は、当社取締役会の諮問機関である企業倫理委員会の専門部会の一つであり、企業倫理委員長である社外取締役が部会長を務めています。エシカル消費の概要や当社の取組みについて議論し、消費者視点での評価と意見交換を行いました。

エ.プラントベースフードなどの代替食品、機能付加商品の取組み推進

「持続可能な食の提供」として、プラントベースフードなど代替食品の拡大、「食による健康への貢献」として、機能付加商品(ニュートリション事業の商品、保健機能食品)の拡大を新たなKPIとして設定しました。

 

③ 平均気温の上昇

ア.生産拠点の節水の取組み

生産拠点の用水使用削減を目的として、ろ過器逆洗水回収設備を海老名工場に導入しました。(2023年5月稼働、2.6万㎥/年の削減効果)

イ.牧草・飼料作物種子の作付面積拡大(酪農生産基盤強化)

自給飼料型酪農の推進のため、グループ会社の雪印種苗㈱での牧草・飼料作物種子による作付面積拡大のKPIの対象範囲を見直しました。

ウ.緑肥作物種子による作付面積拡大(循環型社会の形成)

環境負荷低減に向け、グループ会社の雪印種苗㈱での緑肥作物種子による作付面積拡大(2019年度比20%拡大)を新たなKPIとして設定しました。

エ.酪農総合研究所シンポジウム開催(酪農生産基盤強化)

持続的酪農経営を行うための経営管理・技術的支援として、雪印メグミルク酪農総合研究所において、酪農総合研究所シンポジウムを開催しました(2023年2月開催、参加260名超)。2022年度は「今こそ飼料の国産化を!~それぞれの地域で出来ることを考える」をテーマに、研究者や酪農家が講演し、自給飼料の利用拡大に向けた議論を行いました。

 

オ.牛の腸管由来温室効果ガス削減の取組み

持続的な酪農の取組みとして、雪印メグミルク酪農総合研究所、生産団体(JA北オホーツク)、研究機関(北里大学)と連携し、牛の腸管由来温室効果ガス削減対策となる実証試験を開始しました。

 

④ 異常気象の頻発化と深刻化(豪雨、洪水、等)

ア.生産拠点の水リスク確認

生産拠点の水リスクについて、リスクの再評価を行いました。アキダクト(世界資源研究所(WRI)が発表した水リスクマップ)による評価では、リスクが高い対象事業所はありませんでした。当社の独自評価として用水、排水、洪水の各リスクについて評価を行い、排水のリスクに対する対応として、グループ会社の八ヶ岳乳業㈱茅野工場の排水処理設備の更新、洪水のリスクとして、別海工場で河川の氾濫による受変電・配電設備の被害を想定し、簡易防液提設備(ボックスフォール)を設置しました。

イ.非常用発電機の運用

インフラの維持および停電後の復旧を目的として、北海道内全7工場に非常用発電機を設置しており、有事に備え、定期訓練を実施しました。2022年12月に北海道電力の送電線の鉄塔が降雪により倒れ、興部工場で長時間の停電が発生しましたが、非常用発電機の運用により被害を最小限に抑えることができました。

 

(リスク管理)

気候変動リスクはサステナビリティ推進部会で報告・協議され、グループサステナビリティ委員会を通じグループ全体に共有しています。また、雪印メグミルク内で定期的に開催しているリスク連絡会ではグループ全体のリスクとトラブルの管理を行い、情報の迅速な共有化を図り、対応をチェックしています。

(指標と目標)

抽出されたリスクに対し、KPI(重要管理指標)を設定し、その取組みを行うと共に、2023年度より新たなKPIを設定しました。

 

 

2022年度の主なKPIの進捗状況

項目

KPI

2021年度

2022年度

炭素価格

①CO₂排出量 2030年度50%削減(2013年度比)

18.4%削減

23.5%削減

消費者意識の変化

①石油由来のプラスチックの使用量 2030年度25%削減(2018年度比)

2.5%削減

※2

②使用する紙を100%環境に配慮した原材料に変更

87.1%

※2

③認証パーム油 2026年度100%調達

20.4%

※2

④プラントベースフードなど代替食品の売上高 200億円以上

※1

※1

⑤機能付加商品の売上高 1,000億円以上

※1

※1

平均気温の

上昇

①生産拠点の用水使用量 2030年度9%削減(2013年度比)

8.2%削減

※3

7.7%削減

※3

②牧草・飼料作物種子による作付面積拡大 2030年度3%拡大(2019年度比)

0.2%増加

※2

③緑肥作物種子による作付面積拡大 2030年度20%拡大(2019年度比)

※1

※1

④日本酪農青年研究連盟および酪農総合研究所の活動により、持続的酪農経営を行うための経営管理・技術的支援を実施

250名超が

視聴

260名超が

参加

異常気象の頻発化と深刻化
 (豪雨、洪水、等)

①水リスクを確認し事業継続のリスク評価を実施(毎年)

 

リスク評価を実施

独自評価の見直しと

排水・洪水対策を実施

 

※1 2023年度から設定したKPIです。

※2 集計中のため、2023年9月発行予定の「雪印メグミルクレポート2023(統合報告書)」に記載予定です。

※3 2021年度は提出会社の数値であり、2022年度よりグループ会社に拡大。なお、提出会社の2022年度実績は8.4%で

す。

 

(3)人権尊重の取組み

「ビジネスと人権」に関する企業の対応への要請はますます強まっており、当社グループの事業活動およびサプライチェーン上において、適切な対応が求められています。私たちは、事業活動を進めていく上で直接または間接的に影響を与える、あらゆる人々の人権を尊重しなければなりません。

2021年6月、事業活動における人権尊重の責任を果たすため、「雪印メグミルクグループ 企業行動憲章」に基づき、指針として「雪印メグミルクグループ 人権方針」を定めました。国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿って、現在、その実践に向け取り組んでいます。

※人権尊重の取組み https://www.meg-snow.com/csr/human-rights/duediligence/

 

   人権デュー・ディリジェンスの実施ステップ


(ガバナンス)

「(1)サステナビリティ共通」に記載しておりますので、参照願います。

(戦略)

2021~2022年度は、まず当社のサプライチェーンから人権デュー・ディリジェンスを開始しました。関係部署参画のもと特定した「優先的に取り組む人権リスク」に対して、人権影響評価を順次実施しています。今後、ロードマップを元に、段階的に国内グループ会社、海外現地法人へ取組みを拡大します。


(リスク管理)

人権への負の影響を防止・軽減するための対応(人権デュー・ディリジェンス)が不十分な場合は、調達や生産、取引関係におけるマイナス影響や、当社グループのブランド価値毀損にもつながります。そのため、「優先的に取り組む人権リスク」に対して、人権分科会およびサステナビリティ推進部会で対応結果の確認と今後の方向性の協議を行っています。また、グループサステナビリティ委員会を通じてグループ全体に共有しています。 当社内で定期的に開催しているリスク連絡会では、グループ全体の人権に関するリスクとトラブルの管理を行い、情報の迅速な共有化を図り、対応をチェックしています。

(指標と目標) 

重要課題(マテリアリティ)の重点取組みテーマ「人権の尊重」に定めたKPI(重要管理指標)に沿って、計画的に人権デュー・ディリジェンスや啓発活動を進めていきます。 

 

 

2022年度までの進捗状況

時期

内容

詳細

2021.6 

「雪印メグミルクグループ 人権方針」制定

 

2021.10

経済人コー円卓会議日本委員会(CRT)支援によるワークショップ開催

サステナビリティ担当役員、関係部署参加のもと、社内およびサプライチェーン上における「潜在的な人権リスク」を抽出

2022.1

CRTによる社内講演「ビジネスと人権の理解」

全役員、全従業員が視聴

2022.3

「優先的に取り組む人権リスク」を特定

・工場の外国人労働者

・酪農生産現場における外国人労働者

・パームの小規模農家

2022.6

人権影響評価(酪農生産現場における外国人労働者)

 

当社が生乳の供給を受けている地域にある酪農生産者が雇用している外国籍労働者(在留資格「技能実習」「特定技能」)へのインタビュー

2022.7

人権影響評価(工場の外国人労働者)

 

当社阿見工場に在籍する外国籍労働者(在留資格「特定技能」)へのインタビュー

2022.8

~2023.3

人権影響評価(パームの小規模農家)

①ミル(搾油所)リストを当社Webサイトに開示

(2022.8)

②ミルの先にあるインドネシアの独立小規模農家へ事前アンケート(2022.10)

③現地を訪問し、農家とのダイアログ実施(2023.3)

2022.10

サプライヤー向け調査「CSR調達 セルフ・アセスメント質問表(SAQ)」

隔年で実施。前回(2020.10)は全サプライヤー(245社)から回答を受領し、分析シートを各社へフィードバック

2022.12

海外有識者とのダイアログ

雪印メグミルクグループの人権尊重の取組みに関する対話を実施

 

 


阿見工場における外国籍従業員インタビュー

 

(4)人的資本、多様性

雪印メグミルクグループは、「最大の経営資源は『人材』である」と考えています。

世の中の大きな環境変化と先行きが不透明な中で、企業理念と存在意義・志の実現を目指し、持続的に成長するためには、その源泉となる付加価値を生み出す「人材」の成長と活躍が不可欠と考えています。

グループの役職員一人ひとりが大切に考える共通の姿勢・価値観である「雪印メグミルクバリュー」を実践する多様な人材が個性や能力を十二分に発揮できる環境づくりと人事施策を推進して、従業員一人ひとりの「働きがい」(働きやすさ+仕事のやりがい)を高め、ミルクバリューチェーンを通じて付加価値を創造する人材を育成します。

なお、2021年度に「雪印メグミルクバリュー」の実践を推進し表彰する制度として「雪印メグミルク アワード」をスタートしました。今後は対象をグループ会社に拡大し、「雪印メグミルクグループ アワード」として、より一層のバリュー浸透を図ります。


 

(ガバナンス)

当社は、中期人材戦略について、「雪印メグミルクグループ 中期経営計画2025」の基盤戦略の一つとして、取締役会で協議・決定しています。

各部署・グループ会社における人材育成は、人材育成責任者、担当者を配置し、グループ人材育成方針に基づく施策を推進します。

グループ人材育成方針

・雪印メグミルクグループの持続的成長を支える人材の育成

・個人の能力開発を通じた社員一人ひとりの自己実現

・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

 

 

(戦略・指標と目標)

「中期人材戦略」は、以下の4つの施策で構成されます。​

①働き方改革の推進による労働生産性の向上

ア.働き方改革の推進

当社は、2016年度から生産性の向上に取り組んできました。時間外労働時間(一般職月間平均)は、2015年度の23.8時間から2022年度は17.6時間と4分の3以下に減り、年次有給休暇の取得率(全従業員平均)は、2015年度の65%から2022年度は80%に達しました。

イ.新しい働き方の提供

2018年度に全社展開した在宅勤務制度は、「どんな時間でも、どんな場所でも、どんな組織でも、そしてどんな人でも、いきいきと働ける」ことをテーマに「雪印メグミルクリモートワークマネジメント(YMR)」として進化し、今後さらに「あたらしい働き方」として、企業価値の向上と従業員満足の向上を同時に実現する、多様性あふれる働き方の実現に向け、従業員が自分で選べる働き方を目指していきます。

 

 

(指標・目標)

 

単位

2020年度

2021年度

2022年度

総労働時間数

時間

1,972.7

1,946.6

1,938.5

時間外労働時間数

時間

17.5

17.4

17.6

年次有給休暇取得率

(目標)2023年度:80%以上

73.8

73.2

80.1

 

(注)1.数値は提出会社の実績値です。

   2.総労働時間は一般職一人当たり年間時間数です。

   3.時間外労働時間数は一般職一人・一月当たりの所定労働時間数に対する時間数です。

   4.年次有給休暇取得率は非正規社員を含む全従業員の年間付与日数に対する取得率です。

 

②多様性(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進による付加価値創出

ア.ダイバーシティ&インクルージョンの推進

当社グループの求める人材は、「雪印メグミルクバリュー」で掲げた主体性・チャレンジ・チームワークの3つを実践できる資質のある多様な人材です。年齢(若手・中堅・シニア)、性別(男性・女性)、国籍、経歴(新卒・キャリア・ジョブリターン)、障がいの有無等様々な背景を持つ人材がそれぞれの個性を認め、尊重し、互いの能力を発揮することで相乗効果と付加価値を生み出す企業グループを目指しています。

イ.女性活躍推進の取組み

当社は、2015年12月の「女性活躍宣言」以来、「女性活躍」を多様性の中核と位置づけ、企業戦略として推進しています。女性管理職比率は、2015年度の2.5%から2023年度期首には7.2%まで増え、引き続き2025年度末の10%以上を目標に取組みます。

具体的な取組みとしては、女性リーダーの育成やキャリアップに向けた社内外におけるキャリア開発プログラムの展開、育成プランの策定、LGBTQ+を含むアンコンシャスバイアスの理解促進を目的とした社内フォーラムの開催やeラーニングの実施、更にきめ細やかな機会の提供と育成を図る活躍支援に注力します。

ウ.キャリア人材の採用

経営戦略と連動し、ミルクバリューチェーンを支える人材として、新卒採用に加えて生産、営業、研究開発、IT等各分野において、他企業経験のあるキャリア人材の採用を行っています。また、意欲と能力を有する契約社員(非正規社員)は正社員に転換し、より広いフィールドで活躍しています。

エ.育児・介護の両立支援

出産・育児、介護と仕事の両立を支援するため、セミナーの開催や各種プログラム開発・提供を行っています。

2022年10月には育児・介護休業法の改正に合わせて、男性従業員(非正規社員も含む)の育児休業取得促進を目的に「産後パートナー休暇」として28日間の有給休暇制度を新設しました。

オ.D&Iプロジェクト

働き方改革、各種制度の拡充と環境整備が進む中、次のステージとして、2023年度から人事担当役員、サステナビリティ担当役員を責任者とし、各部門の実務担当者から構成する「D&Iプロジェクト」を発足し、より一層、多様な人材が活躍する実効性のある仕組みづくりを加速させます。

 

 

(指標・目標) 

 

単位

2020年度

2021年度

2022年度

女性管理職比率

(目標)2025年度:10.0%以上

5.0

6.1

7.2

育児休業取得率

 合計

 男性

 女性

(目標)2025年度:男性 85.0%

 

64.4

51.2

97.1

 

 

92.2

83.7

125.0

 

 

100.9

95.6

123.8

 

男女の賃金の差異

 全労働者

 正規雇用労働者

 非正規雇用労働者

 

 

 

60.5

64.0

75.0

障がい者雇用数

79

80

83

障がい者雇用率

2.22

2.25

2.39

新入社員数(新卒)

 合計

 男性

 女性

 

75

49

26

 

72

47

25

 

43

27

16

新入社員数(キャリア)

 合計

 男性

 女性

 

21

21

0

 

14

10

4

 

40

34

6

 

(注)1.数値は提出会社の実績値です。

2.女性管理職比率、育児休業取得率、男女の賃金の差異は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」および「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づき開示しています。なお、出向者は出向元の従業員として算出しています。

   3.女性管理職比率は下記時点の従業員数を基に算出しています。

     ・2020年度:2021年4月1日時点

     ・2021年度:2022年4月1日時点

     ・2022年度:2023年4月1日時点

4.育児休業取得率は「当該年度中に子が生まれた従業員数(A)」に対する「当該年度中に新たに育児休業を取得した従業員数(B)」の割合(B/A)を示しています。(B)には、当該年度の前年度以前に子が生まれたものの、前年度以前には育児休業を取得せず、当該年度になって新たに育児休業を取得した従業員が含まれるため、育児休業取得率が100%を超過することがあります。(例えば、2022年度については、2021年度以前に子が生まれたものの、2021年度以前には育児休業を取得せずに、2022年度になって新たに育児休業を取得した従業員が含まれます。)

5.男性の育児休業取得率は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」第71条の4第1号における育児休業等の取得割合を算出しています。

6.男女の賃金の差異は男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。正規雇用労働者には、正社員に加えて、有期から無期労働契約に転換したフルタイム勤務労働者を含みます。なお、等級別の人数比率や無期労働契約に転換したフルタイム勤務労働者の人数比率などに男女間の差異があることにより、男女の賃金の差異が発生していますが、賃金制度に性別による処遇差はありません。(正規雇用労働者の男女の賃金の差異(64.0%)の内訳…正社員:71.1%、無期労働契約に転換したフルタイム勤務労働者:92.8%)

7.障がい者雇用数、障がい者雇用率は障害者雇用状況報告書(各年度6月1日時点)に基づき算出しています。なお、出向者は出向元の従業員として算出しています。

8.新入社員数(キャリア)は非正規社員からの正社員登用者を含みます。

 

 

③経営戦略を実現する人材確保・配置と育成

ア.スキル開発

当社は、2016年より従業員意識調査を3年に1回実施しています。これまでに、「人材の多様性への理解」「働き方改革に関する意識」「研修・教育機会の提供」等の項目は大幅に改善しましたが、まだまだ「経験・スキルが不足していると思う」「リーダーシップをとる自信がない」といった声もあります。

引き続き、階層別の各役割要件に合ったスキル・マインド・思考等の強化と、グループ会社従業員も対象に公募型のアカウンティング、ロジカルシンキング、リーダーシップ等のスキル開発を推進します。

イ.活躍機会の提供

従業員意識調査の結果では、「男性に重要度の高い業務を任せがちである」という声もあります。スキル開発に加えて、性別に関係なく、若年層からベテラン社員まで、やる気と熱意を持った従業員に対しては社内公募やキャリアチャレンジ制度、大型プロジェクトへの参画、グループ会社への派遣等を通じて、能力開発と活躍の機会を提供していきます。

ウ.専門性の強化

当社グループは、乳で培われた私たちの幅広い知見や機能(ミルクバリューチェーン)によって価値創造を実現します。酪農、研究開発、生産、品質保証、マーケティング、ロジスティクス、IT等バリューチェーンを支える各部門の専門性のより一層の強化と共に事業展開のグローバル化、デジタル化に対応できる人材を育成します。

エ.キャリア自律支援

当社は、従業員のキャリア形成支援に関するこれまでの総合的・継続的な取組みを評価いただき、「グッドキャリア企業アワード2022大賞」(厚生労働大臣表彰)を受賞しました。今後は、中高齢従業員のセカンドキャリアも対象に、セルフキャリアドックやキャリアカウンセリング等キャリア自律支援を推進します。また、キャリア自律や多様な働き方の推進、能力開発・発揮等の観点から副業制度の導入を検討します。

オ.次世代リーダー(経営層候補)の育成

2023年度より、選抜型リーダーシップ開発研修と役員研修を繋ぐプログラムとして、次の経営層候補を対象としたリーダー開発に主眼を置いた研修を導入し、グループ経営の次世代を担うリーダー群を育成します。

(指標・目標) 

 

単位

2020年度

2021年度

2022年度

研修費用

千円

15

19

20

公募研修受講者数

0

351

347

キャリア研修・ワークショップ受講者数

201

518

363

 

(注)1.数値は提出会社における正社員の実績値です。

2.研修費用は一人当たりの年間費用です。

 

④従業員のワークエンゲージメントの向上

ア.健康経営の推進

2021年4月に食の楽しさや健康をお届けし、食の未来を創造する企業として、従業員が心身ともに健康であることを尊び、健康の維持・増進に向け、自ら行動していくことができるよう、以下の取組みを推進、支援していくことを宣言しました。

a.生活習慣病の未然予防を目的に、セルフケア知識の提供や、健康相談・保健指導を実施し、健康増進に向けた取組みを推進します。

b.従業員全員を対象に、ストレスチェックを実施し、メンタルヘルスに関わるケアおよび予防支援の取組みを推進します。

c.従業員の健康確保に向けた働き方の取組みを推進します。 

従業員の主体的な「健活チャレンジ」をはじめとする生活習慣病リスク保有者数の減少と従業員の生産性の向上により、従業員一人ひとりの健康を礎として、従業員の人生の充実と会社の持続的成長を目指します。なお、2023年3月に日本健康会議より「健康経営優良法人2023」の認定を受けました。

 

健康経営推進体制


 

イ.エンゲージメント調査と施策への反映

2016年以降、従業員意識調査結果における従業員の「やりがい・働きがい」は向上していますが、エンゲージメントを指数化するいわゆるエンゲージメント調査は行っておりません。ワークエンゲージメントとは、「仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、『活力、熱意、没頭』によって特徴づけられるもの」「特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一次的な状態ではなく、仕事にむけられた持続的かつ全般的な感情と認知」であると捉えています。

ワークエンゲージメントを高め、雪印メグミルクバリューを実践することが、従業員ひとり一人が働きがいを感じながら成長し、当社グループの持続的成長に繋がると考えています。2023年度から実態を適切に把握し、更にワークエンゲージメントを高める施策を講じていきます。

ウ.人事諸制度の見直し

当社の人事制度の基礎は、2009年の雪印乳業株式会社と日本ミルクコミュニティ株式会社との経営統合に遡り、これまでに多くの拡充、見直しを行ってきました。今後も労働市場や働く人の意識等経営環境の変化に応じて、従来の年功的なものから、役割や発揮能力・行動や専門性に報いる等、若年層からベテラン社員まで「雪印メグミルクバリュー」を実践する多様な人材の働きがい(働きやすさ+仕事のやりがい)、成長につながる人事諸制度と運用へと見直します。

 

(指標・目標)

 

単位

2020年度

2021年度

2022年度

定期健康診断受診率

100.0

100.0

100.0

ストレスチェック実施率

91.9

91.8

90.2

肥満該当率

44.8

44.6

喫煙率

28.2

27.1

特定保健指導該当率

22.5

21.4

20.0

アブセンティーズム

1.2

プレゼンティーズム

91.6

 

(注)1.数値は提出会社の実績値です。

2.肥満該当率の対象者は40歳以上です。

3.アブセンティーズムは傷病休職制度利用日数の平均値です。

4.プレゼンティーズムはストレスチェック質問票にWFun質問項目を追加し、組織の労働

機能の総合評価を測定したものです

 

(リスク管理)

多様な人材や求める人材を確保できないこと、一人ひとりの働きがいの向上と成長を実現できないこと、「雪印メグミルクバリュー」と対局にある、「指示待ち」「前例踏襲」「セクショナリズム」といった組織体質に陥ること、これらを事業活動のリスクと考えています。多様な人材が個性や能力を十二分に発揮できる環境づくりと人材育成によりリスクを低減し、企業文化への定着を目指します。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。

なお当社グループは、以下のような経営および事業リスクの発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。

(1)酪農乳業界について

[リスク①]

当社グループの主要原料である加工原料乳の取引は「畜産経営の安定に関する法律」に基づく交付対象数量、補給金単価等の変更が当社グループの原料調達等に影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、これまで同様、国内酪農に軸足を置き、企業理念で定めた使命の一つである酪農生産への貢献を果たすとともに、乳の国際化を視野に入れ、関税水準の引き下げに伴う乳製品輸入で得られるメリットの最大限の活用を検討していきます。

 

[リスク②]

当社グループが生産する乳製品には、国内農業保護を目的とした関税制度が敷かれております。しかし、WTO(世界貿易機関)農業交渉やFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)等の交渉および発効において乳製品の関税水準が引き下げられた場合には、当社グループの乳製品の販売に影響を及ぼす可能性があります。一方で、原材料調達価格が下がるなどのメリットも生じます。

 

(2)需給変動について

[リスク①]

当社グループは、国内で生産される生乳を主要原料としておりますが、国内の生乳需給はこれまでも過剰と逼迫を繰り返しており、過剰の場合には乳製品在庫過多により販売競争が激化し、逼迫の場合には商品の原料調達不足による製造量減少により販売機会の喪失や生産効率が低下する可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、牛乳・乳製品の需要拡大を通じて国内酪農生産の基盤強化と持続的発展に貢献していきます。

また、需給変動による収益への影響の軽減に向けて、事業ポートフォリオを再編し、収益基盤の複数化とその確立に取り組むとともに、継続的なプロダクトミックスの改善による収益力の強化、および効率的な生産体制の確立に取り組んでいます。

 

[リスク②]

乳製品や飼料原料の国際市況は、世界経済の変動等による需要の増減、旱魃等の異常気象による飼料作物の不作などを原因とする製品供給の減少等の影響を受け、大きく変動することとなります。国際的に需給が逼迫した場合には乳製品や飼料原料の調達困難化や価格の高騰があり、需給が緩和した場合には安価な輸入乳製品の流入による国産乳製品の需要減少や飼料価格の下落として、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、配合飼料価格上昇時には畜産経営者に配合飼料価格安定制度により価格補てん措置が採られることになっており、メーカー拠出金が増加した場合は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)家畜伝染病について

[リスク①]

当社グループの主要原料である生乳は酪農生産者から工場に受け入れる段階で検査および殺菌等の処理を実施しておりますが、工場で生乳を受け入れた後に生乳を搾った牛が法令に定められた家畜伝染病に感染していたことが判明した場合には、法令等の定めに従い当該生乳または当該生乳を原材料とする製品の廃棄を行ないます。廃棄される原材料または製品の量が多くなる場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針①]

家畜伝染病等が流行した場合は、迅速な情報収集を行ない、法令や「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND Quality Assurance System)」等に則り、適切な対応を行ないます。

 

[リスク②]

家畜伝染病が発生した場合、風評被害などにより国内の生乳を使用した商品の消費減少の可能性があります。また、当該伝染病の対応により乳牛が淘汰された場合、飼育頭数の減少に伴う生乳生産量の減少や飼料需要の減退による飼料販売の減少等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

[対処方針②]

風評については、一般社団法人Jミルクをはじめとした業界団体を通じ、正確な情報提供に努めていきます。

 

 

 

 

(4)市場規模の縮小等について

[リスク①]

日本においては少子高齢化の進展により人口減少傾向にあり、当社グループが対象とする市場が縮小してきております。また、急激な経済状況の後退や物価の高騰などが発生した場合、消費意欲の減退などによる市場縮小の可能性があります。こうした市場の縮小は、当社グループの商品販売に影響を及ぼす可能性があります。その他、畜産市場において飼養頭数が減少した場合、飼料や飼料作物種子の販売に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針①]

当社グループは、事業ポートフォリオを適切に見直しており、機能を訴求する商品や高付加価値商品の開発強化、販売拡大により、国内事業の収益基盤の強化・確立を目指しております。また、海外の生産拠点の活用によりチーズを中心に販売物量を拡大し、ボーダレス展開を加速することで、海外事業の強化を図っています。

 

[リスク②]

飲料・デザート類は、天候の影響を受ける可能性があります。特に、天候不順や、夏場の気温が低く推移した場合には、売上高が減少し、当社グループの飲料・デザート類の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針②]

当社グループでは、需給変動による収益への影響の軽減に向けて、事業ポートフォリオを再編し、収益基盤の複数化とその確立に取り組むとともに、継続的なプロダクトミックスの改善による収益力の強化、および効率的な生産体制の確立に取り組んでいます。

 

(5)販売先の寡占化とメーカー同士の競合の激化について

[リスク①]

当社グループの製品は量販店中心に販売されておりますが、量販店を含む流通業界においては再編・淘汰が進み、流通業者の寡占化および大規模化が進展しております。この結果、特定の販売先の仕入れ・販売施策の変更および販売先の業績の動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社は、メーカーとして「ものづくり」の強化と新たな価値の創造に取り組むことで、商品開発力の強化とともに、商品を通じた価値の提供を目指しております。あわせて、当社グループは新たな収益機会の創出に向けて、ニュートリション事業分野における通販チャネルを通じた機能性食品事業の規模の拡大、および利益の創出に取り組んでいます。

 

[リスク②]

乳業・食品業界においては大手メーカー同士の経営統合や中小メーカーの再編・淘汰が進展し、規模拡大と事業領域の拡大が進んでおります。この結果、当社グループの事業領域への他業界からの新規参入や、メーカー間の商品開発・価格競争の一層の激化等が想定され、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)食品の安全性について

[リスク①]

食品業界においては、食品の安全性や品質管理が強く求められております。仮に品質問題が生じた場合には自主的あるいは食品衛生法等の法令に基づく商品の回収や工場の操業停止、製造物責任(PL)法に基づく責務の負担等により当社グループの業績に悪影響が生じる可能性があります。さらにこれらの事態の発生は、当社グループの社会的信用にも悪影響を与える可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、品質管理に関して世界標準の品質管理手法であるISO9001およびHACCP(Hazard Analysisand Critical Control Point)の考え方を取り入れ、独自の品質保証システム「MSQS(MEGMILK SNOWBRAND Quality Assurance System)」を構築するとともに、GFSI(Global Food Safety Initiative)に認定された国際的な食品安全スキームの認証取得を推進し、徹底した品質管理を行なっております。また、風評については、一般社団法人Jミルクをはじめとした業界団体を通じ、正確な情報提供に努めていきます。

 

[リスク②]

当社グループ固有の品質問題のみならず、国内外において、健康に影響を及ぼす物質の混入、家畜伝染病等の食品に関する品質問題や健康問題などが発生した場合、さらには問題発生の有無にかかわらずこれらに関する風評が拡大した場合には、当社グループの売上に影響を及ぼし、この結果として業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

(7)法規制について

[リスク①]

当社グループの販売する乳製品を始めとした食品や育児用調製粉乳、機能性食品は、「食品衛生法」の他、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」、「健康増進法」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等により成分規格や製造方法、商品表示方法等について法規制を受けております。飼料・種苗は、「飼料安全法」、「種苗法」、「農薬取締法」、「家畜伝染病予防法」等の法規制を受けております。

仮に製造工程等におけるトラブルや表示の不備等による規制の抵触が発生した場合には、製品の廃棄・回収コストの発生や社会的な信用力の低下により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針①]

当社グループは、「雪印メグミルクグループ企業行動憲章」のもと、「グループサステナビリティ方針」等のグループ方針に基づき、各社行動基準、関連諸規定を定め、法令を遵守し、製造工程管理や品質管理、適正表示等に努めています。

 

[リスク②]

法令の改正がなされた場合には、これまでの成分規格や製造方法等が認められなくなる可能性があります。新しい成分規格や製造方法等に対応するためのコストが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針②]

法令改正への対応は、適切に行うとともに、生産性向上などコスト吸収に取組んでいます。

 

(8)個人情報保護について

[リスク]

予期せぬ事態により個人情報の流出などが発生した場合には、社会的信用の低下などにより、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、グループ各社が保有する個人情報の保護・管理について、「個人情報保護方針」および関連諸規定を定めるとともに、従業員教育などを通じ、厳正な管理に努めております。

 

(9)知的財産について

[リスク]

当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、または第三者により適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を活用しております。当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用される恐れがあり、その場合、訴訟活動やその結果により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、第三者の知的財産権を尊重し、関連諸規定を定め、第三者の権利を侵害することのないよう努めるとともに、専門部署によるチェックを行なっております。また、当社グループの保有する知的財産については、専門部署により適切に管理する体制を整え、第三者による知的財産権の侵害リスクのモニタリングを行なっております。もし当社グループまたは第三者の知的財産にかかるリスクが顕在化した場合には、必要に応じて社外の弁護士などと協力し、事業への影響を最小限に留めるように対応します。

 

(10)人権に関するリスクについて

2[サステナビリティに関する考え方及び取組]を参照ください。

 

 

(11)大規模な地震・火災等の発生および感染症の流行について

[リスク①]

当社グループの生産事業拠点が、大規模な地震、火災の発生、その他、生産事業拠点の従業員が感染症に罹患するなど、長期間操業停止した場合は、生産・供給体制に影響を与え、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、お客様へ安全で安心して頂ける商品の安定供給に努めております。感染症等が流行した場合には、顧客、取引先及び社員の安全を最優先に考え、感染防止に向けて衛生管理を徹底するとともに、事業継続計画(BCP)に基づき事業継続に努めます。

 

[リスク②]

新型コロナウイルス感染症などの感染症の拡大が長期に及んだ場合には、経済活動が停滞し景気が悪化することで、販売低迷の長期化や原材料価格を含む様々なコストの上昇などが生じ、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)環境に関するリスクについて

2[サステナビリティに関する考え方及び取組]を参照ください。

(13)資金調達について

[リスク]

当社グループは、金融機関からの借り入れ、社債発行による資金調達を行なっておりますが、金融市場環境に変化があった場合に、資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めております。また、現預金残高に加え、金融機関とコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結するなど、十分な資金の流動性を確保しています。

 

(14)為替レートの変動について

[リスク]

当社グループは、一部の原材料および商品を海外から調達していることから、為替レートの変動の影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円安は当社グループに悪影響を及ぼし、円高は当社グループに好影響をもたらします。

 

[対処方針]

当社グループは、為替予約や外貨決済により、為替レートの変動の影響を低減するように努めています。

 

(15)情報システムについて

[リスク]

当社グループでは、原材料の発注、製品の製造、商品の受注、経理処理等、事業全般にわたり情報システムを活用しております。停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予想の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止または一時的な混乱、内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合には、事業の一時的な停止や社会的信用の失墜等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、情報システムを適切に運営するため、「情報セキュリティ基本方針」および関連諸規定を定めた上で、事業継続計画(BCP)を策定し、適切なセキュリティ対策を実施しております。また、従業員教育を行ない、リスクの軽減に努めています。

 

(16)労働力不足について

[リスク]

国内における少子高齢化に伴い、雇用情勢の変化や人材の流動化などにより、必要な人材の確保が計画通り行えなかった場合、当社グループの事業活動に影響を与える可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループでは、多様な働き方や健康経営の推進、省力化・省人化といった生産性の向上などに取組み、必要な人材の採用と定着に努めています。

(17)その他のリスク

[リスク]

上記以外にも事業活動を行なううえで、経済情勢の変化に伴うリスクやコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[対処方針]

当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでいます。

 

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、特定子会社の異動には該当しておりませんが、第1四半期連結会計期間より、株式会社ベルネージュダイレクトは重要性が増したため、連結の範囲に含めております。
 また、第1四半期連結会計期間において、全国農業協同組合連合会が優先株式を普通株式へ転換したことにより、協同乳業株式会社に対する当社の持分比率が減少し関連会社に該当しなくなったため、同社を持分法適用の範囲から除外しており、2023年3月末では、子会社33社および関連会社13社となっております。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

〈連結経営成績〉

 

 

2022年3月

2023年3月

増減率(%)

売上高(百万円)

558,403

584,308

4.6

営業利益(百万円)

18,059

13,054

△27.7

経常利益(百万円)

19,987

14,480

△27.6

税金等調整前当期純利益(百万円)

17,226

12,993

△24.6

親会社株主に帰属する当期純利益(百万円)

12,068

9,129

△24.3

1株当たり当期純利益(円)

178.70

135.18

△24.4

 

 

〈セグメント別概況〉

 

 

売上高(注)1

営業利益又は営業損失

2022年3月

(百万円)

2023年3月

(百万円)

増減率

(%)

2022年3月

(百万円)

2023年3月

(百万円)

増減率

(%)

乳製品

236,936

252,070

6.4

12,520

9,720

△22.4

飲料・デザート類

239,729

241,113

0.6

3,611

1,629

△54.9

飼料・種苗

46,868

53,474

14.1

695

219

△68.4

その他 (注)2

34,868

37,649

8.0

1,148

1,476

28.5

合計

558,403

584,308

4.6

17,975

13,044

△27.4

調整額

83

10

全社連結合計

558,403

584,308

4.6

18,059

13,054

△27.7

 

(注) 1.報告セグメントの売上高は、主に「商品または製品の販売に係る収益」によるものです。

   2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、共同配送センター事業および不動産賃貸事業等が含まれております。売上高は、主に「配送サービスに係る収益」によるものです。

 

当連結会計年度の財政状態は次のとおりです。                      (単位:百万円)

区分

2022年

3月期末

2023年

3月期末

増減金額

主な増減理由

資 産

401,890

410,130

8,239

受取手形及び売掛金+7,960

建物及び構築物(純額)+5,850

商品及び製品△6,508

負 債

192,361

194,230

1,868

支払手形及び買掛金+5,301

社債+5,000

長期借入金△7,199

純資産

209,528

215,899

6,371

利益剰余金+4,677

その他有価証券評価差額金+947

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(単位:百万円)

区分

2022年

3月期

2023年

3月期

増減金額

主な増減理由

営業活動による

キャッシュ・フロー

29,421

26,807

△2,614

未収入金の増減額△2,957

税金等調整前当期純利益△4,232

売上債権の増減額△7,052

仕入債務の増減額+6,561

棚卸資産の増減額+6,652

投資活動による

キャッシュ・フロー

△20,206

△19,624

581

投資有価証券の売却による収入+1,155

投資有価証券の取得による支出△842

貸付金の回収による収入△62

財務活動による

キャッシュ・フロー

△11,262

△7,286

3,975

長期借入金の返済による支出+14,665

社債の発行による収入+4,968

長期借入れによる収入△7,860

短期借入金の純増減額△7,442

現金及び現金同等物の

期末残高

19,979

20,338

359

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ア.生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

 

前年同期比(%)

 

乳製品

182,073

101.8

飲料・デザート類

192,435

100.1

飼料・種苗

43,433

122.4

合計

417,942

102.8

 

(注) 1.金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

イ.受注実績

当社グループ(当社および連結子会社)は一部受注生産を行なっておりますが、金額に重要性がないため、記載を省略しております。

 

ウ.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

 

前年同期比(%)

 

乳製品

252,070

106.4

飲料・デザート類

241,113

100.6

飼料・種苗

53,474

114.1

    報告セグメント計

546,659

104.4

その他

37,649

108.0

 合計

584,308

104.6

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度および当連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自  2021年4月1日

  至  2022年3月31日)

当連結会計年度

(自  2022年4月1日

  至  2023年3月31日)

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱セブン-イレブン・ジャパン

145,323

26.0

147,497

25.2

㈱日本アクセス

108,222

19.4

111,574

19.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「3  事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度のわが国経済は、一部に弱さが見られるものの、緩やかに持ち直しています。先行きについては、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスク、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。

食品業界においては、新型コロナウイルス感染症の制約が緩和され、内食需要に落ち着きが見られつつありますが、外食需要はインバウンド需要の増加もあり回復傾向にあります。

一方で、ウクライナ情勢などに伴う世界的な原材料価格やエネルギー価格等の高騰はピークは過ぎたと見られますが、食品をはじめ様々な商品の値上げが継続し、消費者の購買行動に影響を与えております。

このような環境下、当社グループは「グループ中期経営計画 2022」に基づき、「4つの事業分野(乳製品事業分野、市乳事業分野、ニュートリション事業分野、飼料・種苗事業分野)における収益基盤の確立」に向けた取り組みを進めました。

この中では、機能性を軸としたヨーグルトおよびチーズなどの主力商品の戦略的拡大とプロダクトミックスの更なる改善、ニュートリション事業分野におけるマーケティング投資の継続による規模拡大と収益確保の両立、飼料・種苗事業分野における戦略的拡大と収益基盤の整備、ならびにグループ経営資源の活用拡大やバリューチェーンの生産性向上によるグループ総合力の強化等に努めました。

しかしながら、2023年3月期は、売上高は前年を上回ったものの、為替変動やウクライナ情勢を起因とする原材料価格やエネルギー価格等が高騰し、価格改定、容量変更などを進めましたが、コストアップすべてを吸収することができませんでした。

 

当連結会計年度の業績(セグメントを含む)は次のとおりです。なお、売上高につきましては、外部顧客に対する金額を記載しております。

 

当社グループの連結売上高は、乳製品セグメント及び飲料・デザート類セグメント、飼料・種苗セグメントの増収等により、584,308百万円(前年同期比4.6%増)となりました。営業利益については、乳製品セグメント及び飲料・デザート類セグメントにおける価格改定等を進めたものの、原材料コストやオペレーションコストの増加などにより13,054百万円(前年同期比27.7%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却益が前年度から増加したものの、減損損失が前年度から増加したことなどから9,129百万円(前年同期比24.3%減)となりました。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

〈乳製品〉


当セグメントには、乳製品(チーズ、バター、粉乳等)、油脂、ニュートリション事業(機能性食品、粉ミルク等)等の製造・販売が含まれております。

売上高は252,070百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は9,720百万円(前年同期比22.4%減)となりました。

(売上高の状況)

バターは、磯分内工場や阿見工場を中心とした生産体制を整備し、家庭用の拡売に取組み前年を上回りました。業務用は、外食やホテル需要の回復などにより前年を上回りました。

チーズは、主力のさけるチーズが好調に推移したほか、6PチーズのTVCM放映やスライスチーズ7枚タイプの増量などで需要喚起策を実施し、市場を上回りました。チーズの新商品では、加熱調理でとろけて具材と絡まる、新コンセプトのスライスチーズ「meltoro(メルトロ)」を発売しました。また、北海道産の生乳を100%使用し、余熱料理やサラダの具など幅広い料理にお使いいただける、粒タイプならではの食べ応えのある食感の「雪印北海道100かけるチーズ」を発売しました。

機能性食品は定期購入型通販ビジネスが引き続き好調に推移したこと、積極的なマーケティング投資や健康志向の高まりにより引き続き伸長しました。機能性食品の新商品では、移動時におけるひざ関節の違和感の軽減をサポートするN-アセチングルコサミンを配合した「関節ケアドリンク グルコサミン」などを発売しました。

(営業利益の状況)

 価格改定を進めたものの、原材料コストやオペレーションコストの増加等により減益となりました。

 

〈飲料・デザート類〉


当セグメントには、飲料(牛乳類、果汁飲料等)、ヨーグルト、デザートの製造・販売が含まれております。

売上高は241,113百万円(前年同期比0.6%増)、営業利益は1,629百万円(前年同期比54.9%減)となりました。

(売上高の状況)

飲料は、前年度上期の家庭内需要の反動や下期の価格改定による影響もあり、牛乳は前年を下回る推移となりました。更に新型コロナウイルスの影響により一時的に高まった健康意識が落ち着き、野菜飲料も年間を通じて販売苦戦し、結果として飲料全体でも年間計で前年を下回りました。

その中でTVCM等積極的なプロモーション投入を行った「MBPドリンク」は前年から大きく拡大しました。

更に「雪印コーヒー」については、発売60年目のプロモーションを通じ、小型商品や希釈タイプ等の新商品を積極的に発売、「雪印コーヒー」群全体の底上げに繋げました。

また、2023年3月末に、ミルク生まれの希少たんぱく質MBP®20mg、半日分のカルシウムとビタミンD、ビタミンB₆を配合した、カラダづくりをサポートする乳飲料「毎日骨太 高たんぱくMBP®」を発売しました。

ヨーグルトは、「牧場の朝」や「ナチュレ恵」などのファミリーユース商品が年間を通じて堅調に推移しましたが、「ガセリ菌ヨーグルト」が、前年テレビの特集番組で大きく伸長した反動などにより、全体としては前年を下回りました。

ヨーグルトの新商品では「ガセリ菌SP株」シリーズから、おいしくさっぱりと食べられる、赤い果実感のあるいちご味仕立ての「恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト いちご」を発売しました。

デザートは新商品の発売等、商品力強化の取り組みに加え、既存商品の拡売により好調に推移しました。

デザートの新商品では「雪印北海道バター」とプリンのコラボレーション「雪印北海道バタープリン」を発売しました。

(営業利益の状況)

価格改定等を進めたものの、原材料コストやオペレーションコストの増加などにより減益となりました。

 

 

〈飼料・種苗〉


当セグメントには、牛用飼料、牧草・飼料作物種子、野菜種子の製造・販売、造園事業が含まれております。

売上高は53,474百万円(前年同期比14.1%増)、営業利益は219百万円(前年同期比68.4%減)となりました。

(売上高の状況)

配合飼料販売価格の上昇などにより当セグメント全体で前年を上回りました。

また、種苗事業は、農林水産省の「水田活用の直接支払交付金」制度等もあり、播種が促進され、牧草種子が前年を上回りました。

(営業利益の状況)

  原材料コストの増加により減益となりました。

 

〈その他〉

当セグメントには、共同配送センター事業、不動産賃貸事業等が含まれております。

売上高は37,649百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は1,476百万円(前年同期比28.5%増)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

決算年月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

自己資本比率(%)

49.0

51.5

51.9

時価ベースの自己資本比率(%)

38.1

33.3

29.0

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

3.0

2.5

2.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

67.5

75.1

77.4

 

※自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息の支払額

 

(注) 1.各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている負債を対象としております。

 

〈資金需要の動向〉

当社グループの主な資金需要は、「グループ中期経営計画 2022」においては「生産性改革の推進」と「事業構造改革の断行」、および「生産体制進化の本格始動」への投資でありました。「雪印メグミルクグループ 中期経営計画 2025」においては「強靭性の獲得」に向けた「既存事業への基盤・成長投資」、「未来価値創造投資」に必要な投資であります。

 

〈資金調達の方法〉

当社グループは、運転資金、投資資金についてはまず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分については金融機関からの借入、社債の発行および資産売却等により資金調達を実施していきます。外部からの資金調達につきましては、D/Eレシオ0.5以下を目処として長期と短期のバランスを勘案しながら、低コストかつ安定的に資金を確保するよう努めていきます。

なお、当連結会計年度において、当社初のグリーンボンドによる調達を実行しました。引き続き、当社グループの重要課題(マテリアリティ)に必要となる資金については、SDGsの観点を取り入れた資金調達にも取り組んでいきます。

資金の流動性につきましては、現預金残高に加え、金融機関とコミットメントライン契約および当座貸越契約を締結しており、さらにグループ各社における資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を含むグループファイナンス制度を導入することにより、十分な資金を確保していきます。

 

③ 目標とする経営指標の達成状況等

当社グループは2020年5月に「グループ中期経営計画 2022」を策定いたしました。

「グループ中期経営計画 2022」では、目標経営指標を連結売上高6,400億円、連結営業利益220億円、連結EBITDA410億円としておりました。

(※連結売上高は「収益認識に関する会計基準」適用前の数値目標となっております。)

「グループ中期経営計画 2022」の最終年度となる、当連結会計年度における連結売上高は5,843億円、連結営業利益は前年同期比27.7%減の130億円、連結EBITDAは前年同期比13.7%減の302億円となり、目標経営指標を達成することができませんでした。

中計2025の初年度となる2024年3月期(予想)は、連結売上高は前年同期比5.4%増の6,160億円、連結営業利益は前年同期比7.2%増の140億円、連結EBITDAは前年同期比4.3%増の315億円としております。

 


 

④ 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。

連結財務諸表を作成する際には、一部について見積りや仮定を用いることが必要になりますが、これらは期末日における資産・負債の金額および開示期間の収益・費用の金額に影響を与えます。見積りや仮定を行なう場合は、その時点で入手できる事実に基づき、可能な限り客観的に実施することを目指しておりますが、実際の結果とは異なる場合もあります。

重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)は、当社、雪印種苗㈱および雪印ビーンスターク㈱を中心に、コーポレートスローガン「未来は、ミルクの中にある。」に基づき、事業戦略上急務となっている課題に対する研究開発や、中長期的成長の基盤となる基礎研究を幅広く実施しております。

原材料価格の高騰による調達コストの上昇、また国内外の乳・乳製品需給が変動する中、環境変化を先取りして消費者に受け入れられる商品を継続的に提案するために、乳(ミルク)の価値を中軸に「市場対応型商品」と「付加価値型商品」を両輪とした商品開発を行っております。また、商品開発を支える研究開発として、乳(ミルク)の機能を中心とした「おいしさ」と「健康機能」の追求と、「環境配慮」を主軸とした基礎研究と技術開発に取り組んでおります。

 

当連結会計年度の研究開発費の総額は4,548百万円です。

各セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりです。

〈乳製品〉

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,984百万円です。

●当社

内食需要の伸長に対し、チーズの新しい使い方を提案する商品として「雪印北海道100 かけるチーズ」  「meltoroマイルド」「meltoroラクレットブレンド」を発売しました。「雪印北海道100 かけるチーズ」は、北海道産ゴーダチーズとチェダーチーズを砕いた粒タイプのチーズで、サラダやパスタなどにパラッとかけてチーズの食感を楽しんでいただくことを提案して参ります。また、本商品を通して国産生乳の付加価値向上、需要拡大へ繋げて参ります。「meltoro」は、具材にのせて電子レンジで温めるだけで、とろりとした食感になり、チーズが具材と馴染むことで、料理の見栄えを良くし、具材の美味しさ引き立てます。色々な食材と合わせやすくクセの無い風味の「マイルド」、しっかりとした濃厚なチーズの風味の「ラクレットブレンド」の2品を発売しました。

また、「健康寿命の延伸」に対応した付加価値商品の拡充を目指し、「毎日骨太ベビーチーズカマンベール入り」と「プルーンFe2本で一日分の鉄分チーズ」を発売しました。「毎日骨太」ブランドは2023年に30周年となります。この記念すべき年に、チーズにカルシウムの豊富さを求めているターゲット層(年齢層の高い女性)に支持されている「カマンベール入り」の新商品を発売し、ラインナップ強化を行いました。「プルーンFe2本で一日分の鉄分チーズ」は、「鉄分強化」商品としてシェアが高い「プルーンFe」シリーズを活用し、あけやすくチーズに触れずに食べられる「イージースマートパック」包装を採用し、毎日続けられる食べやすいプルーン味に仕立てました。

油脂カテゴリーでは雪印コーヒー発売60周年目に合わせて、「雪印コーヒーソフト」を発売しました。「雪印コーヒー」と同じキー成分を配合し、油分と相性のよい成分を使用することで「雪印コーヒー」風味を引き立たせたパンスプレッドに仕立てました。

今後も様々な食シーンの提案と、たゆまざる商品力向上へ取り組んで参ります。

 

乳製品事業における「おいしさ」と「健康機能」に関する研究を行い、おいしさを構成する技術と、当社独自の乳製品の健康機能の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を乳製品の商品開発と商品力強化、および当社独自の機能性素材の価値向上に活用いたしました。

主な研究成果は以下の通りです。

 

・チーズと酒類との組み合わせの良し悪しについては感覚によるものが多くを占めます。そこで味の数値化手段として味覚センサーを使用し、チーズとビールを組み合わせた際の影響を評価しました。その結果、チーズ→ビールの順に口にした時の後味が、ビールだけを口にした時と比較して旨味が強く、苦味が抑制されることが推測されました。官能評価でも同様に評価した結果、旨味が強くなり、苦味が抑制されることを確認しました。このことから、味覚センサーによって、チーズとビールを組み合わせたときの風味変化を捉えられる可能性が示されました。また、チーズとビールを交互に口にする方が、ビールを続けて飲んだ場合よりも、続けてビールを飲みたい気持ちが維持される可能性が示されました。

・乳が凝固する過程は殺菌温度やpHにより大きく異なりますが、それを説明する情報はあまりありません。そこで、ナノ構造変化を非破壊で連続測定できる高エネルギーX線小角散乱(SAXS)および極小角X線小角散乱(USAXS)を用いて、還元脱脂粉乳の凝固過程を測定しました。USAXS測定により高温殺菌脱脂粉乳(HH)では一気に凝乳が進むのに対し、低温殺菌脱脂粉乳(LH)では、8時間程度までは凝乳構造の発達は遅いことがわかりました。LHではpH変化に応じて、コロイド状リン酸カルシウム(CCP)量が減少しましたが、HHではCCP量の変化がpH変化より遅れることがわかりました。これらの情報は凝乳過程において、pH変化と凝乳の進展の双方が最終的な凝乳構造中に残存するCCP量に影響することが示唆されました。

・日本人200名の母乳に含まれる糖タンパク質糖鎖を解析しました。その結果、母乳中の糖タンパク質糖鎖の量は個人間の差が大きいことがわかりました。また、母乳オリゴ糖の組成と量に影響する酵素(FUT2)が、母乳に含まれるO結合型糖鎖の組成と量に影響することが明らかにしました。

 

これらの研究成果は日本食品科学工学会、日本農芸化学会、日本糖質学会の各学会で発表しました。

 

 

●雪印ビーンスターク㈱

 「赤ちゃんとお母さんをはじめ、家族の健康といきいきしたくらしをサポート」する商品として、「粉ミルク・ベビーフードなどの赤ちゃん向け商品」、「お母さんのための商品」、「シニア世代の健康をサポートする商品」などをお客様に提供しています。

 これらの商品は、「母乳調査研究」、「乳幼児の食生活実態調査」をはじめとする赤ちゃんに関する調査研究、「妊産婦・授乳婦の食事調査」などの各種調査研究がベースとなって開発されています。

 今年度は、赤ちゃんに母乳を与えるお母さん向け商品である「ビーンスタークマム赤ちゃんに届くDHA」を2022年9月にリニューアル発売いたしました。近年の母乳調査研究から、母乳中のビタミンD濃度が過去の調査結果よりも減少していることが明らかとなりました。そこで、お母さんの毎日の食事にプラスしていただきたい成分としてビタミンDを新たに配合しました。

 シニア世代の健康サポート食品としては、「大人のための粉ミルク おなかにやさしい」を2023年3月に新発売しました。

 この商品の特徴は、牛乳に含まれる乳糖を約90%カット(牛乳中の乳糖含量との比較)することで、高齢者に比較的多い傾向にある牛乳が苦手な方にも飲みやすい仕立てにしたことです。

 また、高タンパク質、高カルシウムで20種類のビタミンとミネラルも含んでおり、栄養バランスにも配慮しています。

 研究開発では、雪印メグミルク㈱と当社による第3回全国母乳調査を継続して行っています。本調査は、これまで日本全国1,210名の授乳中のお母さんにご協力をいただきました。現在、「母乳の栄養成分組成の変化」、「お母さんの健康状態」、「お母さんのライフスタイル等が母乳成分にどのように影響するか」、また「母乳(成分)が赤ちゃんの成長にどのように関連するか」などを明らかにするべく、2015年より実施しています。

 本年度は、日本人の授乳中のお母さんの食事パターンが、4つの食事パターン[「健康パターン」「日本食パターン」「サラダ・野菜パターン」「魚介類パターン」]に分けられることを明らかにしました。

 各パターンにおけるお母さんの健康状態を調査したところ、野菜やきのこを多く摂取している「健康パターン」の食事を行っているお母さんでは貧血が少ない傾向にあること、魚介類を多く摂取している「魚介類パターン」の食事を行っているお母さんでは冷え性が少ない傾向にあることなどが明らかになりました。

 また、母乳に含まれるキサントフィル類を分析したところ、ルテイン濃度は、お母さんの食事由来の緑色野菜の摂取量など複数の要因と関連があること、β‐クリプトキサンチン濃度は、お母さんのβ‐クリプトキサンチン摂取量(主に柑橘類に由来)と関連があることが明らかになりました。

 これらの結果はCurrent Developments in Nutrition誌にて報告しました。

 さらに1989年に集めた母乳サンプルと2013年の千葉大学から提供いただいた母乳サンプルに含まれる各種免疫に関連する物質の濃度を比較しました。

 この結果、初乳では2013年のオステオポンチンの濃度が低く、成熟乳では2013年のTGFβ1の濃度が高いなど、2013年と1989年とでは母乳に含まれる物質の濃度が異なることを明らかにし、Nutrients誌にて報告しました。

 本全国母乳調査は、引き続き、「母乳成分分析」、「母親の食事実態」、「母親と乳児の生活実態」、「乳児の発達状態」を調べ、その関係性を明らかにすることを目指します。5歳になるまで追跡調査を実施し、今後の商品開発に活かしてまいります。

 今後も「母乳のちから」を探求し、粉ミルクの機能の向上を目指すとともに、ご家族のみなさまの健康に役立てる商品を目指して研究開発を進めてまいります。

 

〈飲料・デザート類〉

当連結会計年度の研究開発費の総額は1,670百万円です。

●当社

白物飲料カテゴリーにおいては、2022年3月下旬に「おいしい雪印メグミルク牛乳」をリニューアル発売しました。商品名に「おいしい」を付与し、視覚的にもおいしさが伝わるようにしました。更に新たなキャップ付小型容器「おいしい雪印メグミルク牛乳TT230ml」も発売し、キャップ付ならではの飲用シーンのご提案を継続的に行っています。

秋季には白物乳飲料小型PET「関節ケアドリンクグルコサミン」「記憶ケアドリンクβラクトリン」をいずれも機能性表示食品として上市しました。「MBPドリンク」も加え様々なヘルスクレームに応える小型機能性飲料3品ラインナップにより、売場定着に取組んでいます。

色物乳飲料カテゴリーにおいては、「雪印コーヒー」発売60年目を迎え、様々なキャンペーン等を実施するとともに新たなラインナップも揃えて、60年目を盛り上げてまいりました。年間商材としては、2022年3月にキャップ付小型容器「雪印コーヒーハンディタイプTT230ml」、「雪印コーヒーLL200ml」を2アイテム、また新しい切り口として色々なアレンジを楽しむことができる「雪印コーヒー希釈タイプ」を発売しました。更に「雪印コーヒー人気投票」企画を実施し、過去のフレーバーで人気投票1位となった「白い雪印コーヒー」をCVS限定で11月に発売し、大きな反響をいただきました。

ヨーグルトカテゴリーは、春に「恵ガセリ菌SP株ヨーグルトドリンクタイプほんのりレモン」をマスカットからの差し替えで発売しました。但し「ガセリ菌シリーズ」は、前年のテレビ放映で大きく拡大した裏年となったこともあり、新商品の「ほんのりレモン」も含めて、年間を通じて苦戦を致しました。

また秋には「KAORUヨーグルト」を上市しました。つぶつぶカプセルを噛むことにより「味変」を楽しめる新感覚のヨーグルトとして発売しましたが、配荷拡大には至らず、販売不振により4月の終売が決まっております。

更に2023年1月末、「乳酸菌ヘルベヨーグルト」に新たな研究成果である「花粉に対する機能」を付与し、デザインも一新しリニューアル発売いたしました。このリニューアルを機にCVSでの導入、そして今年の花粉大量飛散のマスコミ報道や、コロナ禍からのマスク着用状況の変化もあり実績も急拡大しており、2023年3月においてドリンクは前年の倍近い実績進捗となっています。

デザートカテゴリーでは、2022年春に「Parfait Style」シリーズをリニューアル。カップの一部を透明化し、中身をイメージしやすいパッケージへ変更致しました。

また2022年2月にCVS先行で発売したLL小口径「雪印コーヒープリン」は大変好評に推移し、量販店においても一定のポジショニングを獲得いたしました。そして2023年2月に前年同様CVS先行で、バターを2%配合したLL小口径「雪印北海道バタープリン」を発売しました。SNS等を通じて大きな反響を呼び、3月の量販店へのチャネルオープンでも大きく実績を伸ばしております。

 

飲料・デザート類事業における「おいしさ」、「健康機能」に関する研究では、主に当社独自のプロバイオティクス乳酸菌や乳素材の機能性の深耕を目的に検討を行い、得られた研究成果(新知見、新技術、新手法など)を「ヨーグルト」、「牛乳、乳飲料」などの商品開発に応用し、商品力強化に活用いたしました。また、環境に配慮した容器包装についても研究を続けております。

主な研究成果は以下の通りです。

 

・健康な成人男女を対象とし、Lactobacillus paragasseri SBT2055(LG2055)を含むドリンクヨーグルトまたは含まないドリンクヨーグルト(プラセボ)を12週間摂取するプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間試験を実施しました。体調変化アンケートの結果から、LG2055群では鼻水、鼻づまり、くしゃみ、喉の痛み、声のかすれ、咳、頭痛、倦怠感、熱っぽさの項目でプラセボ群と比較して“症状なし”の割合が有意に高く、LG2055群において風邪症状の発症率が低かったことが示されました。さらに、唾液中のsIgA濃度変化がLG2055群で有意に大きく、血液中の酸化ストレスマーカーはLG2055群で有意に低くなりました。以上の結果より、LG2055は正常な免疫機能の改善に働き、健康な人の体調維持に役立つことが示唆されました。

・スギ花粉特異的抗体が陽性でありスギ花粉による目や鼻の不快感を有する成人男女を対象とし、Lactobacillus helveticus SBT2171(LH2171)を含むカプセルまたは含まないカプセル(プラセボ)を8週間摂取するプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間試験を実施しました。その結果、摂取開始4週間後に実施した花粉曝露試験において花粉曝露後3日後の目やにの不快感スコア(変化量)において、LH2171群がプラセボ群と比較して有意に改善しました。また、腸内細菌叢を解析したところ、LH2171群で摂取前と比較して菌種数の期待値を示す指標であるChao1指数が有意に低下しました。以上の結果から、LH2171は、腸内細菌に作用することで花粉によるアレルギー症状の緩和作用を発揮する可能性が示唆されました。

・茶カテキン添加による蒸しプリンの物性変化(硬度の増大)とそのメカニズムを調べました。その結果、物性変化の原因は、遠心分離により分画した卵黄上清と茶カテキンの相互作用による油水界面の構造変化であることが示唆されました。

 

これらの研究成果は、論文としてFrontiers in Nutrition誌、薬理と治療誌に掲載され、日本農芸化学会で発表しました。

 

 

〈飼料・種苗〉

当連結会計年度の研究開発費の総額は893百万円です。

●雪印種苗㈱

飼料分野では、価格が高騰している穀物を配合飼料原料として有効利用することを目的にトウモロコシのデンプン消化率を高める加工方法の検討を行いました。今年度はα化ダブルペレット加工(フレーク加工後、粉砕してペレット化する)によりデンプン消化率が89.6%まで高まることを確認しました。次年度の販売へ向けて取り組んでいます。

輸入粗飼料価格も高騰していることから、国産自給粗飼料として乾物収量が高いソルガムについて品種間の比較試験を行いました。弊社「ビッグシュガーソルゴー」は競合他社品種と比較してサイレージ発酵品質が良好であることを確認しました。

サイレージの発酵不良の防止方法として乳酸菌添加による乳酸発酵促進とギ酸添加が行われています。弊社ではギ酸耐性乳酸菌を開発し、今年度はギ酸と弊社の乳酸菌を併用したサイレージ調製試験を行いました。その結果、ギ酸と弊社乳酸菌の併用により雑草混入率が高い原料草に対しても良好な発酵を促進できることを確認しました。次年度から販売を開始する予定です。

牧草・飼料作物種子分野では、飼料用トウモロコシ「SH9702(熟期120日タイプ)」に加え、見栄え・収量性に優れる「LG31295(90日タイプ)」、「LG31223(85日タイプ)」の販売を予定しています。

寒地型牧草としては、チモシーより栄養価が高いフェストロリウム「ノースフェスト」、およびチモシーと混播適性に優れ蛋白質含有量が高いアルファルファ「カール」について北海道の現地圃場において栽培試験を行い、順調な生育を確認しました。

暖地型牧草ではイタリアンライグラス「たちモン」のOECD登録が完了しました。

畑作・園芸種苗分野では、スイートコーンスープ原料としてパウダー加工に適した「SBS101」を選定し、次年度から本格販売します。また、エダマメ品種は採種時に大規模機械を利用すると裂莢により回収率が低下する傾向がありますが、採種作業の今後の機械化を想定して、難裂莢性を付与する育種をすすめています。

植物工場向けのレタスに関しては、主力品種として販売している「フリルアイス」の後継品種を選抜しました。実規模試験において生育が早いと高評価を得ています。

緑肥作物では、都府県の夏季にも栽培できるマメ科緑肥として、カウピーの有望品種を選定しました。窒素肥料価格の高騰に対応する緑肥作物として開発を進めます。

環境緑化分野では、ケンタッキーブルーグラス「アコースティック」、「マーキュリー」とハードフェスク「スパルタンⅡ」の発売を予定しています。

植物活力資材では、これまで亜鉛高含有大豆栽培用に特化して販売していた亜鉛供給資材の原材料と製法を改良し、「ラッカインZ」として幅広い作物に対して亜鉛供給可能な資材として販売することとしました。また、北海道大学・明治大学・弊社の共同研究において、乳酸菌の培養液に含有されるフェニル乳酸が植物の発根を促進するメカニズムを解明し、Plant Biotechnology誌に発表しました。乳酸菌培養液の農業利用に関する先行研究として注目されています。

 

当社グループは、今後もコーポレートスローガンである「未来は、ミルクの中にある。」を基本に、乳(ミルク)の可能性の追求および酪農生産への貢献を目指した、高付加価値で独自性のある商品の開発を進めてまいります。