(1)経営方針・経営戦略等
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループのビジネスは、(1) クラウドコンピューティング時代に技術革新をもたらす、情報基盤技術をインテグレーションする「情報基盤事業」、(2) 最先端のアプリケーション・ソフトウェア技術と、蓄積されたベストプラクティスにより、顧客の抱える問題にソリューションを提供する「アプリケーション・サービス事業」、(3) 患者と医師、家族と地域社会を結ぶ医療環境づくりを目指す「医療システム事業」の三つの事業セグメントにより構成されております。
情報基盤(ネットワーク、サイバーセキュリティ、サーバ、ストレージ等)事業では、個別企業(エンタープライズ)向けのビジネスに加え、クラウドサービスを提供する事業者(通信キャリア、データセンター、大手システム・インテグレーター等)へのビジネス展開を加速させます。グループ企業と一体となって、保守、運用・監視を含むシステムのライフサイクル全てに跨るソリューションの提供を行います。
アプリケーション・サービス事業では、特定市場、特定業務向けのアプリケーション・パッケージの開発を加速し、パッケージ販売のみならず、クラウドサービス(SaaS)事業を積極的に推し進めます。CRM、ビジネスソリューション(学術、ビジネスインテリジェンス、金融等)、教育の各分野で特徴ある製品とサービスの創出に努めます。また、組込み分野を中心にソフトウェアの品質(機能安全)を高めるための様々な技術とサービスも積極的に展開して行きます。
医療システム事業では、医療情報クラウドサービスを推し進めます。また、一般生活者をターゲットとしたPHR(Personal Health Record)サービスの開発や、医療機関、AIベンチャー・外部企業との連携による共同開発等の新規事業も継続して取り組んでいきます。
目標とする経営指標としては、当社グループが経営の最重要課題の一つに掲げる「株主価値の向上」のための事業規模拡大が挙げられますが、収益力の強化及び収益の安定性向上も必要と考えております。収益力の指標として売上収益(売上高)営業利益率を、安定性向上の指標としてはストック比率を重視しており、当該指標の向上を目指しております。
■売上収益(売上高)営業利益率(%)
※IFRS基準ベースで記載しております。
※売上収益(売上高)営業利益率(%)の表示については以下のとおりです。
情報基盤事業においては、グループ連結の数字を表示しております。アプリケーション・サービス事業においては、2021年3月期は、グループ連結の数字を表示しており、医療分野(現在の医療システム事業)を含んだ数字を表示しております。同事業における2022年3月期は、医療分野(現在の医療システム事業)の数字を含んでおりません。医療システム事業においては、グループ連結の数字を表示しており、2022年3月期は、2018年に当社から分社化し連結対象子会社であった株式会社NOBORI、連結対象子会社である合同会社医知悟及び株式会社A-Lineの数字に、2022年2月に連結子会社化した旧PSP株式会社の2~3月の実績を加算した数字を表示しております。同事業は、2023年3月期からアプリケーション・サービス事業部門から分離独立しております。同事業の2023年3月期は、新生PSP株式会社(2018年に当社から分社化し連結対象子会社であった株式会社NOBORIと、2022年2月に連結子会社化した旧PSP株式会社が2022年4月1日に合併しました。以下同じ。)、連結対象子会社である合同会社医知悟及び株式会社A-Lineの数字を表示しております。
■ストック比率(%)
※ストック比率の表示については以下のとおりです。
情報基盤事業においては、当社単体の数字を表示しております。アプリケーション・サービス事業においては、2021年3月期及び2022年3月期は、当社単体の数字に加え、連結子会社であった株式会社NOBORI(2018年4月に医療システム事業を会社分割により承継)を含んだ数字を表示しております。医療システム事業においては、2023年3月期からアプリケーション・サービス事業部門から分離独立し、新生PSP株式会社(2018年に当社から分社化し連結対象子会社であった株式会社NOBORIと、2022年2月に連結子会社化した旧PSP株式会社が2022年4月1日に合併しました。以下同じ。)の数字を表示しております。
※情報基盤事業は、サブスクリプション型ビジネスモデルの伸長等により、ストック比率が拡大しております。一方、アプリケーション・サービス事業においても、同数値の拡大に取り組んでまいりました。なお、アプリケーション・サービス事業においては、従来よりクラウドサービスなどストック型ビジネスを推進しており、また、大型案件でのカスタマイズ対応(フロー型収益)が一定程度の規模を占めるため、ストック比率は微増となっております。
② 経営戦略
当社グループは、2021年5月10日に新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」を発表しました。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に私たちの暮らしは「NEW NORMAL」と呼ばれる新しい様式へと変わりつつあります。今後、社会の隅々にまでデジタルがビルトインされ、デジタルを活用したビジネスモデルの変革であるDX※11(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進む状況において、当社グループはデジタル化への急激なシフトと産業構造の劇的な変化を新たな成長機会と捉え、社会課題を解決するためのサービスの提供を通して持続可能な社会の創造に貢献することを目指します。
新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」では、前中期経営計画「GO BEYOND 3.0」の中核的事業戦略を継続しつつ、7つの基本戦略を定めその実現を目指し、「NEW NORMAL」の先に来る新しい社会を見据えてSDGs(持続可能な開発目標)の観点も取り入れ、社会にとって必要不可欠な領域に向けて事業を加速していきます。
<中核的事業戦略>
■クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進(継続)
■セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求(継続)
<7つの基本戦略>
当社グループの基本戦略については以下のとおりです。
1)取扱製品の拡大・新規サービスの立ち上げ
サイバーセキュリティ対策の市場動向や顧客ニーズの変化を汲み取り、優れた製品の取り扱いを拡大していきます。また、CRMサービスのワンストップ化に向けた他ベンダーとの連合・グループの組成を含めたサービスの拡充、ビジネスソリューション分野における独自のビジネス分析ソリューションの開発、ソフトウェア開発基盤ソリューションの独自開発によるポートフォリオの拡充、新規事業である教育事業の垂直立上げに向けた積極的な投資に取り組んでまいります。
2)サービス化の加速(サービス比率拡大)
統合監視セキュリティサービス(TPS)の高度化と拡販、医療分野におけるAI医療診断支援サービス事業の加速、PHR事業の拡大、ツールを活用したソフトウェアの第三者テスト/検証サービスへの参入に取り組んでまいります。
3)データの利活用 (AIの利用を含む)
AIを含む各種データの利活用、AIによる統合監視セキュリティサービス(TPS)の高度化、医療分野におけるAI医療診断支援サービス事業の加速、その他AI技術を活用した製品/サービスの創出に取り組みます。
4)多様なアライアンス・M&A (既存事業の拡充と新規事業の創出)
資本提携、業務提携、大学・研究機関との連携、オープンイノベーション等による事業運営体制の多様化を推進し、事業を拡大していきます。また、金庫株の活用を含めた積極的なM&Aの実施に取り組みます。
5)海外市場での事業の拡大
ASEANにおけるCRM事業拡大に向けて、現地企業との業務提携も含めグローバル展開を加速させます。
6)グループ間連携の強化によるシナジーの創出
グループ経営を通して、(a)インフラからアプリケーションまでの全てのソリューション・レイヤーをカバーしつつ、(b)要件定義から設計・開発・テスト、そして、保守、運用・監視までの全てのライフサイクルを網羅する「総合ベンダー」へと進化を図ります。ワンストップでこれらの機能を提供することにより、顧客とのグリップ力を強化することを目指します。特に、クラウドネイティブ※12領域、DevSecOps※13領域におけるグループ内のノウハウの共有、相互利用を進めます。
7)人材育成/組織開発(ダイバーシティの推進を含む)
社員一人ひとりの多様な違いを受け入れて活かすことでイノベーションを促進するため、2022年8月に新設したD&I推進室を中心にダイバーシティを推進します。「多様性=競争優位の源泉」として事業成長へ繋がる戦略として位置付けます。具体的には女性活躍促進、障がい者活躍推進等に取り組んでまいります。また、2022年4月より運用開始した新人事制度の導入により組織の活力を高めるとともに、リーダー人材の育成、組織力の強化に取り組みます。
<目標とする経営指標>
■収益力の指標としての売上収益(売上高)営業利益率
売上収益(売上高)営業利益率(%)
※IFRSベースで記載しております。
※2023年3月期及び2024年3月期については、2022年5月に中期経営計画の業績計画の見直しを実施しております。
※2023年3月期に医療システム事業部門がアプリケーション・サービス事業部門から分離独立したことに伴い、2024年3月期については、アプリケーション・サービス事業部門と医療システム事業部門の各事業部門において指標を設定しております。
■安定性向上の指標としてのストック比率(2024年3月期)
情報基盤事業:70%
アプリケーション・サービス事業:65%
医療システム事業:-%
※IFRSベースで記載しております。
※情報基盤事業のストック比率は当社単体の数字を表示しております。アプリケーション・サービス事業においては、当社単体の数字に加え、連結子会社であった株式会社NOBORI(2018年4月に医療システム事業を会社分割により承継)を含んだ数字を表示しており、医療システム事業の単独の指標は定めておりません。
(2)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループの収益構造は、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから、通期決算期末(3月末)に役務の提供の完了及び売上計上が集中する傾向があります。現在、ストック型ビジネスの推進により、売上収益(売上高)が特定時期に偏重する季節性は薄れてきておりますが、顧客の決算が集中する3月の売上収益(売上高)が他月と比較して依然多い状況が見られます。キャッシュ・フローを平準化し、また、技術者の業務集中及び不測の事態等により売上収益(売上高)が翌期にずれる、いわゆる期ズレを防ぐためには、受注を平準化することが課題となります。対策として以下の4点が挙げられます。
a. 前決算期に受注を確定し、翌決算期に売上収益(売上高)が計上されるような案件の受注を増加させる。
b. 特定顧客との安定的、長期的なビジネスを軸に年間を通してコンスタントに受注していく。
c. 継続的な保守サービス及びクラウドサービスの受注によりストック型ビジネスの比率を上げ、安定的な収益の計上を行う。
d. 積極的に新しいサービス(従量課金型クラウドサービス等)を立ち上げ、持続性、安定性のあるビジネスモデルを構築する。
当社グループでは、ITサービス産業において一般的な労働集約型ビジネスではない、より高付加価値なストック型ビジネスの拡大を目指しておりますが、更なる成長に向けては、優秀な人材の確保・育成は不可欠であります。ITが全産業分野に浸透して行く中、IT人材の獲得競争は、同業者間のみならず、異業種やベンチャー企業の間でも熾烈さを増しています。今後、事業を拡大していくためには、人材の確保が生命線となり、優秀な従業員を継続的に採用していく必要があります。新卒の定期採用においては、潜在能力の高い人材を、また中途採用においては、即戦力として活用できる経験者を幅広く採用します。
世の中が不可逆的に変化していくことを認識し、絶えず変化する市場環境(ニーズ)に対し、当社のビジネスも迅速に対応する必要があります。当社の事業領域においては、オープンソースの普及、クラウド化の流れとともに、ソフトウェア開発の内製化が加速しており、ITは技術的専門性の高い企業だけが扱えるという時代は終焉を迎えようとしています。当社グループの対応としては以下の6点が挙げられます。
a.これまで展開してきた特定顧客向け受託開発のための技術リソースを「自社独自サービスの開発」、「自社付加価値を高める」方向へと戦略的にシフトします。
b.特定市場、特定業務をターゲットにしたベストプラクティスである自社独自クラウドサービスのビジネス展開を加速します。
c.ビッグデータ解析、BI(Business Intelligence)、AI(人工知能)等を利用し、クラウドサービスを通じて得られたデータの利活用を検討します。
d.製品販売とサービス展開における即効性のあるシェア拡大策、事業拡大策として、オープンイノベーションを意識し、ベンチャー企業を含む外部企業や大学、異業種、同業他社や当社グループの事業を補完しうる事業者に対する事業提携やM&Aについて積極的に検討を進めて行きます。
e.サイバーセキュリティ対策技術の提供形態がクラウドサービス化されていく流れの中で、当社独自の付加価値を増大させるため、統合セキュリティ監視サービスなどのサービス化を加速度的かつ高度に進めてまいります。
f.データが価値を生み、ビジネスがB2CとC2Cに収斂されていく世の中との認識のもとに、当社の専門領域において消費者向けビジネスの展開を検討します。
g.情報基盤事業においては、販売代理店(パートナー)と戦略アカウントの深堀りを推進すると共に、社内におけるプロダクト組織とアカウント組織のマトリックス化を行い、市場ニーズの的確な把握に努めています。アプリケーション・サービス事業では、国内外にわたるワンストップサービスの提供に向けた他ベンダーとの連携・企業グループの組成等により、補完的ソリューションを含めた製品戦略、セールス・マーケティング体制の最適化を推進します。
⑤ 海外市場の開拓
国内情報サービス産業においては、クラウドサービスが普及し、IT投資に分野毎の濃淡が出始めている中、よりグローバルな視点で事業を拡大する必要があります。成長を続けるアジア新興国を中心とした海外市場に対して自社開発の製品やサービスの輸出事業を展開して行きます。
⑥ 社会構造の変化への対応
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、テレワークの利用が急速に進んだことによって人々の働き方が大きく変化し、IT技術の利用による医療機関におけるオンライン診断、教育現場におけるオンライン授業、クラウドサービスの利用等、デジタル技術を活用した新しい社会の在り方に向け、様々な取り組みが急速に広がりました。そのため、今後世の中の生活やビジネスの基盤は、より一層オンラインにシフトすることが予想され、この流れは不可逆的なものであると認識しております。このような社会構造の変化においては、サイバー攻撃に対する防御を強化する等セキュリティリスクへの対応が重要となり、また、クラウドサービスの利用が加速するなど、当社が得意とする事業領域におけるポジティブな経営環境の変化とビジネス拡大のチャンスをもたらすものと認識しております。新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化した後の世の中の構造は、現在と大きく異なるものとの認識に立ち、当社の事業戦略を推し進めます。
当社グループは、今後の社会にとって必要不可欠な領域において事業を加速し、社会課題を解決するためのサービス提供を通して持続可能な社会の創造に貢献することを目指しています。その実現に向けた中長期的な成長戦略として、中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」を策定しています。
また、役員・従業員ひとりひとりが「良き企業市民」としての自覚を持って行動し、法令順守は当然のこと、企業活動を通して、より積極的に社会貢献、顧客への貢献に取り組むべきと考え、企業倫理ガイドラインをもとに企業活動を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
■取締役会の監視体制
当社は、サステナビリティ課題への対応を重要な経営課題と認識し、取締役会により適切な監督が図られる体制を構築しています。全体の業務執行責任を担う「業務執行会議」の配下にある「サステナビリティ委員会」がマテリアリティを特定した上で進捗を管理し、その施策・立案については、経営企画部と連携しながら各事業部・本部・部・支店・営業所に対し監督を行っています。サステナビリティ委員会は、任命されたコーポレート本部の各部メンバーで構成されております。サステナビリティ委員長は代表取締役社長が務めており、代表取締役社長は、サステナビリティ課題に対する取り組みの推進に関し、最終責任を負っています。
当該委員会の活動の進捗状況あるいは重要事項は、業務執行会議によって審議された後、年に1回以上取締役会にて報告・審議され、経営戦略への織り込み・整合を高めています。
■マテリアリティの特定
社会課題と事業環境を把握して経営陣と議論を重ね、当社の経営戦略と現状及びステークホルダー視点による当社のマテリアリティを特定しました。中期経営計画に定める戦略を着実に実行することでマテリアリティに対する取り組みを進捗させるとともに、主に人材育成・開発及び環境関連データの公開に努めています。
当社は、地球環境の維持・保全が、当社グループ経営の持続的な発展と成長の基盤であるとの認識から、気候変動への対応を重要な経営課題の一つと位置付けています。具体的には、TCFD提言に沿う形で気候変動が当社の事業に与える影響を分析し、リスクと機会を特定し、対応策を講じるとともに、以下の枠組みで関連する情報の開示を進めています。
①ガバナンス
■取締役会の監視体制
当社は、気候変動を含むサステナビリティ課題への対応を重要な経営課題と認識し、取締役会により適切な監督が図られる体制を構築しています。気候変動への対応については、全体の業務執行責任を担う「業務執行会議」の配下にある「サステナビリティ委員会」がマテリアリティを特定した上で進捗を管理し、その施策・立案については、環境マネジメントを所管する経営企画部と連携しながら各事業部・本部・部・支店・営業所に対し監督を行っています。サステナビリティ委員会は、任命されたコーポレート本部の各部メンバーで構成されております。
取締役会における気候関連問題の責任者に代表取締役社長が選任され、サステナビリティ委員長も代表取締役社長が務めています。代表取締役社長は、気候関連リスクおよび機会の評価・管理、戦略の策定、具体的な取り組みの推進に関し、最終責任を負っています。
当該委員会の活動の進捗状況あるいは重要事項は、業務執行会議によって審議された後、年に1回以上取締役会にて報告・審議され、経営戦略への織り込み・整合を高めています。

企業活動の在立基盤である「地球環境」に大きな変化をもたらす「気候変動」はグローバルな課題です。
当社は、「気候変動」に対する企業の役割と責任を果たすことを重要な経営課題と捉え、中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」実現に向けた経営戦略と具体的な事業活動に連動させた対応計画を策定するとともに、想定されるリスクと機会に対処するさまざまな施策を進めています。
■特定したリスクと機会(要約版)
※短期・中期:
当社の事業戦略との整合が付きやすい「短期と中期」においては、2021年5月に設定した中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」と連動しています。
※長期:
IT業界は技術スピードが速く、不確実性が高いことから、当社判断での時間軸設定に客観的根拠を持たせることが困難であると判断し、グローバルで合意された時間軸であるSDGs(ゴール13)に準じます。
※特定したリスクと機会(詳細版)については、
https://www.techmatrix.co.jp/ir/esg/esg_01.html
■気候関連のリスクと機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
重大なリスクに対する考え方
当社では、企業理念の具現化ならびに中期経営計画の目標達成を阻害する可能性があるリスクを「重大なリスク」と認識しています。このため戦略、オペレーション、財務、コンプライアンスなどの全領域において「重大なリスク」を特定・評価した上で対応計画を策定し、その確実な実行および継続的なモニタリングにより効果的かつ効率的にリスク総量をコントロールしています。
重大なリスクの定義
重大なリスクの判断基準として、財務面、戦略面における影響度合の定義は以下の通りです。
財務面:過去の売上高(売上収益)成長率を鑑み、「売上高の10%」と定義
戦略面:「事業継続計画で定める5段階の脅威の中で3段階目となるレベルB以上」と定義
■気候関連リスクの識別・評価プロセス
当社のリスク管理を主管する内部統制推進室および環境データの集計・企画立案・対外開示を行う経営企画部の主導により、財務または戦略面に重要な影響を及ぼす気候関連リスクについて識別・評価を実施し、最高責任者(代表取締役社長/最高執行役員)の承認を経て各部門・各社に共有展開しています。
具体的には、気候変動へ適応を求められる『移行リスク(政策・法規制、技術、市場、評判)』と物理的影響への対応を求められる『物理的リスク(急性、慢性)』に大別し、これら項目について上記プロセスと同様の手法で識別評価等の検討を実施しています。
また、リスクの識別・評価に際しては、当社独自のリスク管理手法により重大な影響があると判定されたものを重要リスクと特定しています。

■リスク管理プロセス
当社では、最高責任者から業務執行会議(執行役員・事業部長により構成)に気候リスクに関する評価を諮問し、同会議は重要リスクの評価及び予防策を答申しています。業務執行会議の事務局である経営企画部は内部統制推進室と協働し、各事業部・本部・部・支店・営業所と連携をとりながら「気候関連リスク」を識別・評価し、同会議に上程します。上程された「気候関連リスク」は業務執行会議において審議され、重要リスクの評価・監督が実施されます。
最高責任者は、取締役会に議案付議すべき重要事項として「財務または戦略面での重大な影響を及ぼす気候関連リスクと予防策」を報告します。
特定されたリスクは業務執行会議から各部門・各社へ共有展開され、各部門・各社で個別具体的対応策が検討されます。業務執行会議では、これら具体策の進捗についてデータ収集・モニタリングを実施し、検証(年1回以上)を経た上で次年度のリスク管理の取組みに反映させています。

当社グループは、気候関連リスク及び機会を管理するために目標を設定しています。
■GHG排出量目標
2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指して、2030年度に向けたGHG排出量の削減目標を策定しました。順次連結対象会社を追加し対象範囲を拡大予定です。(SCOPE1・2対象)
※TCFD提言に基づく情報開示の詳細については、
https://www.techmatrix.co.jp/ir/esg/esg_01.html
SCOPE1:事業者自らによる直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
SCOPE2:他社から供給された電気、熱・上記の使用に伴う間接排出
SCOPE3:SCOPE1、SCOPE2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他社の排出)
■再生可能エネルギーによる電力の目標
当社は、事業所(本社・支社・営業所)を対象に、2030年度までに電力消費量の50%を再生可能エネルギーにより発電された電力に切り替える目標を設定し、脱炭素への移行を進めています。
■排出削減活動計画の詳細
当社では事業所において、高効率な空調設備への更新、クールビズ・ウォームビズ(ビジネスカジュアルウェア)を取り入れた空調温度の調整や業務効率改善によるエネルギー消費の抑制等によるCO2排出削減活動を実行しています。
■排出削減活動の促進方法の設定
当社の事業活動に伴い排出されるGHGは、事業所で使用する電力・ガスに起因するため、使用する電力の再生可能エネルギーへの変更やJクレジット・グリーン電力証書・非化石証書の購入に必要な資金を設定し、カーボンニュートラル達成に向け安定・継続的に活動を進めています。
■第三者の排出削減貢献できる製品・サービス
セキュリティ分野では、当社グループのクラウド型セキュリティを導入することによりサーバ機器および施設を保有・管理する必要がなくなり、電力消費量を削減してGHG排出量を最小限に抑えることができます。また、CRM分野においても当社のクラウド型CRMシステム導入により同様の効果が期待できます。更に、医療分野では、当社グループのクラウドサービス導入により医療画像管理や医療機関支援、AIを用いた診断支援など各種サービスを活用し業務効率を大幅に改善することが可能となります。業務効率化により稼働時間が短縮されれば、施設利用におけるエネルギー消費・GHGの削減につながります。
当社グループでは、これらの製品・サービスの利用がお客様をはじめ第三者のGHG削減にどのように貢献できるのか、貢献量の可視化を推進し、事業機会の拡大に努めています。
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
■人材戦略の基本方針
社員の挑戦と成長を支援し、やりがいを醸成する組織風土を実現しながら、組織の能力を最大化する。
■3つの基本戦略
1. 未来を担う人材の育成
→次世代リーダーの創出
2. 社員の潜在能力を最大化する新たなコミュニケーションスタイルと柔軟なワークスタイルの実現
→生産性の向上、「選ばれる職場」を実現することによる採用力及び組織力の強化
3. ダイバーシティ&インクルージョンの推進
→労働人口の減少・人材獲得競争の中での多様な人材の活用による組織力の強化
a. 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針
当社グループの持続的成長のためには、社員一人ひとりの能力を高め、その成長を支援し、組織の能力を最大化することが不可欠です。すなわち、人材戦略こそが当社の経営戦略そのものであると考えています。とりわけ、当社の経営や事業を牽引する次世代のリーダーの育成は、人事戦略における重要なテーマとして位置付けています。未来を担う人材の育成に関する具体的な施策は、下記のとおりです。
①次世代リーダー育成施策
リーダー層のさらなるリーダーシップ向上と将来的な経営人材の養成を目的とし、未来の経営層の育成施策として「人材パイプラインモデル」を策定し、それに基づき次代のリーダー層の育成に取り組んでいます。
その一環として、2021年より次世代の経営幹部候補となる当社部長層に対し、次世代経営幹部候補としての視座の醸成と、自らの意志で共感を集め、組織を束ね牽引する「リーダーシップ」の習得を目的とした約1年間のプログラムを実施しております。また、マネジメントの入り口となる階層に対しては、従前のプレイヤーから脱却し、マネジメントとして求められる知識、スキルの習得機会を設け、その内容の実践と振り返り、上位者からのフィードバック・コーチングを通じて内省支援を行うという、学びと実践の中から自身のマネジメントスタイルと経験知を確立していくプログラムを実施しています。
<マネジメントを対象とした研修コンテンツ(一部)>
②高度IT人材の育成
高度・最先端のIT技術の活用は当社のビジネスの源泉となります。当社のITエンジニアが高度かつ最先端なスキルを習得し、当社の事業戦略を加速的に実現するために投資を行っています。当社のエンジニア育成においては、新卒入社時にITインフラおよび開発技術の基礎知識を学び、開発演習などを通じて体現的にシステム開発やネットワーク・セキュリティ等の基盤に関する技術を学んでいます。
また、エンジニア一人あたりに年度ごとに教育研修予算を割り当て、外部専門機関の研修機会を積極的に活用することにより、高度かつ最先端なIT技術を習得し、流れの早いITトレンドの変化に素早く対応できる仕組みを実現しています。
③資格取得報酬制度・資格取得支援
ITの各専門分野の公的資格や、サーバー、ネットワーク・セキュリティ、データベース等のベンダー認定資格の取得者に対する資格所得報奨金の支給や、資格取得・維持のための支援制度を設け、技術力の維持・向上を支えています。
■資格取得者数(IPA資格取得人数)
2021年度 実績 単体 201名
2022年度 実績 単体 235名
④多様な人材活用によるイノベーション創造
基本的人権を尊重し、多様性を推進する職場の実現を目指して、「多様な価値観」を認め、育んでいます。多様性を持つ人材が、多様な価値観を発揮することで、それがイノベーションの源泉となり、当社のビジネスの発展につながっていくと考えています。これを推進するため、当社では2022年7月に「D&I推進室」を設立し、ダイバーシティ&インクルージョンの意識の啓発や、ダイバーシティ&インクルージョンを実現するための様々な取り組みを加速させています。
⑤採用におけるダイバーシティ
また、多様な人材を活用するために、女性の採用についても注力しています。女性採用比率に関しては、年々増加しており、2022年度に採用した労働者に占める女性の割合は33.3%となっております。これにより全社員に占める女性労働者の割合は2022年度末時点で25.3%となっており、2017年度末の18.3%より、7.0ポイント増加しております。
■障がい者雇用率
・2021年度 実績 単体 3.3%
・2022年度 実績 単体 3.1%
■採用した労働者に占める女性労働者の割合(正社員)
・2021年度 実績 単体 31.0%
・2022年度 実績 単体 33.3%
連結 25.9%
・2026年度 目標 単体50%以上(営業職の新卒採用における女性採用比率に限る)
■労働者に占める女性の割合(正社員)
・2021年度 実績 単体 24.4%
・2022年度 実績 単体 25.3%
連結 23.4%
・2030年度 目標 単体30%
⑥女性活躍推進の取組
育児と就業の両立を支援するため、法律の規定を上回る育児休業制度や、育児休業からの復職後の社員の託児費用の補助制度、看護の目的に限らず育児のために幅広く利用できる子育て支援休暇制度などの様々な制度を設けています。これらにより、過去5か年では出産を経た女性社員の育児休業取得率および復職率は100%となっており、その結果として「くるみんマーク」の認定を受けております。また、育児と就業の両立支援だけでなく、女性を対象としたキャリア研修の実施など、女性のキャリア形成を支援し、マネジメントやスペシャリストとして能力を遺憾なく発揮してもらうための施策に取り組んでいます。
■管理職に占める女性の割合
・2021年度 実績 単体 5.9%
・2022年度 実績 単体 5.6%
・2030年度 目標 単体 20%
b. 社内環境整備方針
社員一人ひとりの能力を高め、その成長を支援し、総合的な組織力を高めるためには、社員の潜在能力を最大化する新たなコミュニケーションスタイルと柔軟なワークスタイルの実現、並びに各種制度設計と組織風土の整備が重要であると考えています。当社は、ニューノーマルな時代や働き方に向け、「TMX Communication Design」を定義し、様々なアクションと施策から、新たな時代に向けたコミュニケーションスタイルとワークスタイルをデザインして、それらを勤務制度や人事戦略に反映しています。
具体的な取り組み内容は、下記のとおりです。
①自立と自律を促進し、より良いパフォーマンスを生み出すためのワークスタイルと環境の実現
2020年の新型コロナウイルス感染症の世界的流行に端を発し、従来の「オフィスに出社して働く」というワークスタイルは大きな変化を余儀なくされました。ワークスタイルの変革が起こり、テクマトリックスがミッションステートメントとして掲げる「より良い未来を創るITのプロフェッショナル集団」であることを体現するために、私たち自身が新たなワークスタイルを自らデザインしていく必要があると考えました。
働き方を「自らデザイン」し最大限のパフォーマンスを実現するワークスタイルとして「TMX Style Work」を定義し、オフィス出社による勤務とリモートによる勤務を日ごとに選択できる制度を導入しました。業務都合や個人の事情を考慮したうえで、最大限のパフォーマンスを実現するために、最適なワークスタイルを自律的に選択し運用することで、組織としてのパフォーマンスの最大化につなげています。
また、2022年12月の新たなオフィスへの移転では、「共創」を推進するオフィスを実現しました。固定席を設けることなく完全にフリーアドレス化となり、組織や役割を超え必要に応じて必要なメンバーが集い、最適なコラボレーションが実現できるオフィス環境です。このように、固定のワークスタイルを定義することなく、必要に応じて最適なワークスタイルを選択できる環境と制度が整えられています。なお、オフィス移転後のワークスタイルについては、出社:16%、リモート:84%となっております。(※2022年12月~2023年2月末までの平均値。)
<TMX Communication Design>
②ライフとワークの調和を実現し、ウェルビーイングを向上する柔軟な勤務制度の実現
柔軟な働き方が可能になることで、ワークライフバランスの調和を実現し、長期的に当社でパフォーマンスを発揮してもらうことができる柔軟な勤務制度を2023年4月より実現しています。
具体的には結婚や、育児・介護、配偶者や同居家族の転勤等のライフイベントにより、遠方への転居が余儀なくされてしまった場合においても、居住地を柔軟に選択することができる「Life Event Support」や、「フレックスタイム制度」の導入、時間単位の有給休暇制度の導入等により、当社における継続的なパフォーマンスの発揮やワークライフバランスの実現、ウェルビーイングの向上を推進しています。
また、心身ともに継続的にリフレッシュされた状態で業務にあたってもらうために、「ワークスタイル」を提唱するだけでなく、「休み方」についても「勤務間インターバル(勤務間に11時間の休息を確保)」のトライアル導入や有給休暇取得奨励日の導入等を行うとともに、しっかりと休むためのガイドラインを示しながら制度の定着のための啓蒙を行っています。
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■男女の平均継続勤続年数の差異(正社員)
・2021年度 実績 単体 全体8.3年
男性8.8年
女性7.2年
・2022年度 実績 単体 全体8.3年
男性8.8年
女性7.2年
③社員の成長を支援する「人事評価・処遇制度」
当社の未来を担う人材を絶え間なく生み出すため、評価・育成の仕組みを強化し、適正な処遇ややりがいを醸成する組織風土の実現、個人のキャリア形成を支援する制度や体制を構築しています。
2022年4月に従来の人事制度を改定し、会社の将来や仲間の成長に対する貢献に、より重きを置いた評価制度を導入し、社員一人ひとりが何を期待され、何を追求すべきかをより明確化する等級体系を設けることにより、職場での貢献度や成長に対しより公平で納得感のある人事制度を実現しています。
役割によって決定される各等級に求められる要件を満たすコンピテンシーを導入しています。コンピテンシーの内容は全社員にオープンにすることにより、人事評価だけでなく社員の育成につなげることを目的としています。人事等級に関しては、プレイヤー・マネジメント・スペシャリストにレイヤーが分かれており、それぞれのレイヤーにおける役割等級ごとにミッションの定義がされ、全社員に公開されています。このうち、マネジメントとスペシャリストは上級職となり、個人の適性やキャリア志向に合わせて選択可能な複線型の人事制度を設けています。
④新たな人事評価・処遇制度と連動した人材育成体系の実現
人事評価・処遇制度の改定を契機に、階層別研修の内容についても各等級に求められるミッションやコンピテンシーとの連動をより強めた研修の実施を進めていきます。自身の役割に必要な能力・スキルを獲得し、日々の業務で発揮することにより、組織の能力を最大化し、継続的な業績向上につなげることだけでなく、社員のモチベーションのさらなる増進を目指します。
⑤キャリア支援制度
個人の能力や経験をより良い形で発揮できる場を主体的に切り開く環境を創るための「キャリアチャレンジ制度」や、一人ひとりが考えるなりたい姿の実現を支援するための「キャリアデザイン制度」を設け、社員のキャリアの実現を支援しています。
「キャリアチャレンジ制度」は、中途採用でオープンになっているポジションに対し社内からも応募できる制度となり、自身の可能性をより主体的に発揮し、会社に貢献することを目的としています。「キャリアデザイン制度」は中長期的な視点でのキャリアプランや現状を年に1度の面談を通じ上司と共有することで、なりたい姿の実現を支援することを目的とした制度となります。
また、2023年度からはキャリア開発研修とキャリアコンサルティング面談を実施いたします。キャリア開発研修は社員の年齢層ごとに実施し、年齢層ごとに起き得るライフイベントと仕事を両立しながら、継続的にポテンシャルを発揮すべく、社員一人ひとりが自身のキャリアについて向き合う機会を創出します。
⑥人権の尊重
役員・従業員一人ひとりが、人権、国籍、宗教、信条、年齢、出身、身体的・精神的障がいその他、業務の遂行と全く関係のない事由に基づくハラスメントを行わず、また容認することがないよう、人間尊重の企業文化の確立に取り組むべく、人権基本方針を策定しております。当該方針に基づき、「企業倫理ガイドライン」「コンプライアンス行動指針」等の周知徹底を図るために役員・従業員に対する教育・研修を定期的に実施しています。
事業の成長を加速させるために、当社では新卒採用、中途採用の双方ともに、性別、国籍等のバックボーンを問わず、多様な人材の採用を行っており、多様性のある人材の活用によるさらなる組織の活性化と新たなる価値の創造を目指します。
人権基本方針については、
https://www.techmatrix.co.jp/ir/esg/esg_05.html
⑦労働安全衛生と職場環境、労使関係の取組み
当社で働くすべての人が心身ともに健全であり、ポテンシャルと情熱をフルに発揮できる労働環境の実現や組織風土の醸成を目指しています。新規入社者に対しては、職場環境に関するアンケートと人事によるインタビューを実施し、そこで捕捉した改善のポイントは人事および配属部署と協働し、早急に改善することで、新規入社者のオンボーディングを支援し、ポテンシャルを引き出すための環境構築を行っています。
従業員に対しては、月に一回のパルスサーベイを実施しており、心身の問題や職場の人間関係における課題を早期に発見し、速やかに対応することで、早期の解決に取り組んでいます。また、年に一回、組織サーベイを実施し、サーベイにより組織、環境、風土・文化に関する現状分析を行い、その結果は全従業員に公表のうえ、改善のための施策につなげています。当社は、eNPS(R)(Employee Net Promoter Score)を指標として定めており、同業界平均値を上回るスコアを獲得しております(2022年実績)。今後も同業界平均値を上回るスコアを維持し、従業員エンゲージメントを継続的に高めてまいります。
■従業員エンゲージメントeNPS(R)(従業員ネットプロモータースコア)

※eNPS(R)の測定について
・従業員に、「当社への入社を友人や知人に勧める可能性はどのくらいありますか」という質問に0~10点で回答してもらい、分類し、以下の計算式にて算出しております。
10~9点「推奨者」
8~7点「中立者」
6~0点「批判者」
・eNPS(R)=「推奨者の割合」-「批判者の割合」
※Net Promotor Score(R)及びその略称であるNPS(R)は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
⑧「心理的安全性」の理解促進
当社がダイバーシティ&インクルージョンを推進する目的として、「異なること(多様性)をイノベーションの源泉にする」ことと、「多様な人材が持つ多様な力の最大活用」を掲げています。多様な人材が多様な価値観を認め、高め合い、会社と社員がともに成長できる風土を醸成しながらダイバーシティ&インクルージョンの推進をしています。
その目的を達成するために、まず「心理的安全性の高い環境」を整え、積極的な意見発信や、挑戦が歓迎される風土を作っていくことが重要と考えています。2022年2月には心理的安全性の高い組織を実現するためのワークショップを実施し、心理的安全性をどうすれば高めることができるかについて学び合う機会を設けました。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。また、必ずしも事業上のリスクに該当しないものについても、投資判断上重要と考えられる事項について積極的に開示しております。但し、当社グループの事業上のリスクを必ずしも全て網羅するものではないことをご留意ください。
当社グループの取扱い製品には、Palo Alto Networks, Inc.(米国)をはじめ、海外のネットワーク機器メーカやソフト開発ベンダー等の製品が当連結会計年度において仕入金額の6割程度含まれております。また、新規性の高い技術を扱うという当社グループの事業戦略上、当社グループの仕入先には小規模な海外ベンチャー企業も含まれております。こうした仕入先が買収された場合、日本法人を設立して販売網の見直しを行う場合、或いは倒産した場合等には、当社グループが従来同様の販売代理権を継続できる保証はなく、場合によっては製品の調達が困難となる可能性もあります。当社グループでは、仕入先との関係強化に日頃から努めておりますが、万が一当社グループの主力製品の仕入に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの取扱い製品は、現時点において、各製品分野でデファクト・スタンダード(実質的な業界標準)となった競争力の高い製品が中心であると認識しており、また、ソリューションやインテグレーション等の付加価値の高いビジネスを増やすことで仕入先の競争力低下による影響を受けにくい事業構造への改善を進めております。しかしながら、IT業界の技術革新は著しく、競争も激化しているため、当社グループもしくは仕入先による技術革新への対応や価格低下への対応が遅れた場合、当社グループの事業の競争力が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループは、最先端製品の調達、コールセンターや医療等特定業務分野におけるパッケージソフトの開発やクラウドサービスの提供等により、各事業において競合他社との差別化と付加価値の確保に努めております。しかしながら、当社グループが先行する分野への大手企業の参入、新興企業の台頭等により当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、景気の低迷等によって企業のIT投資が抑制されるような環境下においては、他社との価格競争の激化により売上収益(売上高)及び利益が減少し、当社グループの事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループが提供するシステムやクラウドサービスは、顧客業務において重要な役割を担っています。これらのシステムやクラウドサービスにおいて、不具合やオペレーションミス等により重大な障害が発生した場合、発生した損害の補償を求められることや、当社グループ全体の信用力やブランドイメージにも悪影響が及ぶことが考えられ、当社グループ全体の事業、業績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの取扱い製品のうち、海外から仕入れた製品の大部分は米ドル建で契約しております。当社グループは為替変動によるリスクをヘッジする目的で先物為替予約を行っており、また状況に応じて販売先に対する価格交渉を行っておりますが、必ずしもすべてのリスクをヘッジできるものではなく、為替相場の急激な変動があった場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループがアプリケーション・サービス事業で行う受託開発は、プロジェクトの見積りの誤り、作業進捗の遅れ、契約不適合責任の履行等により、自社での超過経費の負担が発生し、プロジェクトの採算が悪化する可能性があります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) M&A、資本・業務提携について
当社グループは、シェア拡大及び事業規模拡大策として、同業他社や当社グループの事業を補完しうる他社等に対するM&Aや資本・業務提携の実施を経営の重要課題と位置付けております。
M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューディリジェンスを行い、各種リスクの低減に努めておりますが、デューディリジェンスの実行後、これらの調査で確認・想定されなかった事象が判明あるいは発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。また、M&A等が当社の予測通り円滑に進捗するとは限らず、M&A等の結果、仮に実施に至ったとしても、当社が想定した事業上のシナジーや事業の効率化等の効果が生じる保証はなく、また当社グループの収益構造が変化する等のディスシナジーが生じる可能性もあります。
また、当社グループは、M&Aや資本・業務提携等により関係会社、取引先等の株式等を保有しております。当社グループは、原則として保有する全ての株式等を公正価値で評価しており、当該株式等の公正価値が著しく下落した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
アプリケーション・サービス事業の医療分野では、2005年4月に施行された改正薬事法(現在の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」。以下「薬機法」といいます。)において、当時、当社連結子会社であった株式会社NOBORI(株式会社NOBORIは、2022年2月に当社の連結子会社となったPSP株式会社との間で、2022年4月1日を効力発生日として、PSP株式会社を吸収合併存続会社、株式会社NOBORIを吸収合併消滅会社とする合併を実施しております。)が開発・販売する医用画像システムの一部の製品が「管理医療機器」と指定されました。これに伴い、当時の薬事法における製造業、製造販売業、販売賃貸業(現行の販売業・貸与業)の許可を取得し、2014年11月に薬事法から薬機法に改正された際にも、法改正への対応を行っております。このように当社グループの提供するサービスは、薬事法や薬機法の影響を受けるものであって、診療報酬の改訂によって当該分野の業績に影響が及ぶ可能性があります。
CRM分野、ビジネスソリューション分野、医療分野においては、電気通信事業法に基づく電気通信事業の届出を行っており、同届出に基づくサービスの提供を行っております。
当社グループでは、当該許可の諸条件や各法令の遵守に努めておりますが、万が一法令違反に該当するような事態が発生した場合や、関連法令の制定・変更及び行政対応等の動向によっては、規制対応費用が増加すること等により、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
(9) 検収時期による業績の変動について
当社グループでは、ストック型ビジネスの推進により、売上収益(売上高)が特定時期に偏重する季節性は薄れてきておりますが、顧客企業の予算執行のタイミングや開発システムの工期との兼ね合いから通期決算期末(3月末)に役務提供の完了及び売上収益(売上高)計上が集中する傾向があります。このため、技術者の業務集中又は不測の事態等により役務提供の完了及び売上計上が決算期末を超えて遅延した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、ITサービス産業において一般的な労働集約型ビジネスではない、より高付加価値なストック型ビジネスの拡大を目指しておりますが、更なる成長に向けては、優秀な人材の確保・育成は不可欠であります。当社グループでは、新卒の定期採用においては、潜在能力の高い人材を、また中途採用においては、即戦力として活用できる経験者を幅広く採用しております。
ITが全産業分野に浸透して行く中、IT人材の獲得競争は、同業者間のみならず、異業種やベンチャー企業の間でも熾烈になってきております。今後、当社グループが事業拡大に必要な人材を十分に確保・育成できない場合には、当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは市場販売目的のソフトウェア(パッケージソフト)及び自社利用のソフトウェアのうち第三者提供目的のソフトウェア(クラウドサービス、ASPサービス)を無形資産として資産計上しており、一定期間で償却を行っております。ソフトウェアの開発に際しては、市場性等を慎重に見極めておりますが、市場や競合状況の急激な変化などにより、今後利用が見込めなくなった場合や、収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、除却あるいは減損の対象となる可能性があります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) パンデミック・自然災害の発生について
パンデミック(感染症・伝染病の世界的な大流行)や天災事変等の自然災害の発生に起因して、当社グループの従業員やビジネスパートナー企業の事業活動に影響が生じた場合は、当社の事業継続にも大きな影響が出る可能性があります。また、サプライチェーンの乱れ等、経済活動の混乱に波及した場合は、当社グループが提供する製品や保守、各種ITサービスに対する投資動向にも影響を与える恐れがあります。さらには、このような場合、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 大型の継続取引における資金繰りについて
昨今、サイバーセキュリティ分野においてもクラウドサービス化が進み、複数年にわたるサブスクリプション契約など顧客との継続取引契約が大型化する傾向にあります。その際、顧客よりの資金回収が単年度毎となり、一方で、海外ベンダーへの支払いが一括前払いとなるケースがあります。その場合、当社には資金繰り負担が発生するため、回収サイクルと前渡金負担のギャップを注視し、資金繰り計画に留意する必要があります。
(14) 情報セキュリティについて
当社グループは、幅広く事業を展開しており、顧客企業が保有する個人情報や機密情報等を取り扱う場合があります。コンピュータウィルスや不正アクセス等により、または自然災害等の不測の事態によって、これらの情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社グループの信用失墜による取引関係悪化の事態を招き、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
このため、内部統制システムの基本方針に沿って、情報セキュリティ管理及び個人情報保護に関する内部規程を定めています。2006年11月に外部認証機関に基づく監査を経て、国際規格「ISO/IEC 27001」及び国内企画「JIS Q27001」を取得しており、取得以降は、毎年の定期監査、もしくは更新監査を受けております。
内部の体制としては、経営者をトップとした情報セキュリティ委員会を構成し、四半期毎に委員会を開催し、情報セキュリティマネジメントに係るPDCAサイクルの実施状況の共有や社内課題(セキュリティ対策の強化等)の検討を行っています(コーポレート部門の社員を中心とする「事務局会議」は毎月開催)。
運用状況の評価は、毎年内部監査と外部監査により実施しております。また、セキュリティ・インシデントが発生した際に迅速な事態の収束、被害の最小化を実現できる体制を構築しております。その他、全従業員を対象としたセキュリティ研修を毎年定期実施しており、インシデントが発生した部署においては、再教育を実施する等、再発防止の対策も講じています。
また、セキュリティ・インシデント対応を行う組織として、CSIRT(Comtuter Security Incident Response team)チームを新設しました。ログからの予兆や監視を強化し、インシデントレベルごとの対応手順の整備や訓練を行うことで、検知から復旧まで対応可能な組織が実現しました。社内、社外の関係組織との連携を強化してまいります。
(15) 半導体や部品の不足による製品の納期遅延ついて
戦争の勃発や地政学的リスクの増大による世界情勢の混乱、パンデミックや自然災害の発生、経済安全保障上の調達・供給制限等、あらゆる不測の事態に起因して半導体や部品の安定的な調達が困難になった場合は、当社グループが提供する製品の納期遅延が発生するリスクがあります。このような場合には、当社グループの業績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における国内経済は、新型コロナウイルス感染症による社会の混乱が徐々に収束に向かうなか、行動制限の緩和等により社会経済活動が正常化に向かう動きは見受けられたものの、感染再拡大の懸念は完全には払拭されていません。長期化するロシアのウクライナ侵攻は、食料やエネルギー分野を中心に世界的な商品市況の高騰を引き起こしており、原材料価格の高騰によるインフレ、半導体不足によるハイテク製品の納期遅延などの悪影響も残存しております。為替水準については、やや落ち着きを取り戻しているものの、日本の金融緩和政策は当面維持される見通しです。また、米国をはじめとする先進諸国でのインフレが抑制される兆しは見えつつも、まだまだ先行きが不透明のため、各国中央銀行の利上げは停止していません。そのため、為替水準は一進一退の状況が継続しており、日本経済における貿易赤字拡大、消費者物価の上昇は継続しており、引き続き日本経済の先行きは不透明な状況にあります。
新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとしたリモートワーク等の新しい働き方が定着し、ランサムウェア等のサイバー攻撃が激しさを増していることから、大手企業を中心に、経営課題としてセキュリティ対策の意識が高まり、サイバーセキュリティ対策製品やサービスの需要は依然として拡大しています。そのような状況下、当社のコア事業である情報基盤事業においては、クラウド型セキュリティ対策製品の需要は引き続き好調に拡大しています。また、当社が提供する統合セキュリティ監視サービスも堅調で、付加価値向上に向けた戦略が実を結びつつあります。加えて、本格的なクラウド時代の到来に備え、インフラの構築・運用手法もクラウドを前提としたもの(クラウドネイティブ)にシフトし始めており、クラウドネイティブ技術を積極的に活用したソリューションの提供にも取り組んでいます。
アプリケーション・サービス事業では、CRM分野において、大手システム・インテグレーターやテレマーケティング・ベンダーとの業務提携、クラウド需要の拡大、知名度の向上と実績の拡大に伴い、新規の引き合いは堅調です。また、海外においては、ソーシャルデータ分析クラウド分野でタイ最大手企業であるWisesight社、並びに、タイにおけるCDP (Customer Data Platform)※14並びにマーケティング CRM のトップベンダーである Choco Card Enterprise社との資本・業務提携を行うとともに、2023年4月20日にタイに現地法人を設立し、引き続き、ASEAN市場での事業展開の加速に取り組みます。ソフトウェア品質保証分野では、企業向けシステムや組込ソフトウェアの品質を担保するためのテストツールの需要は引き続き堅調です。また、自動車のIT化に伴い車載ソフトウェアを開発する製造業などで組込みソフトウェアの品質向上を目的とした需要は底堅く、引き続き好調な受注環境を維持しております。教育分野は、引き合いが順調に推移し私立有名校を中心に導入実績は拡大しております。また、2023年1月に、探求型のキャリア教育プログラムを提供する、株式会社教育と探求社との資本業務提携により、ビジネスの拡大を加速してまいります。
今期より新たに事業部門として独立させた医療システム事業では、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社が、顧客基盤の統合、サービス・製品の集約と統合に着手するとともに、ストック型ビジネスへの転換を目的として、医用画像管理システム(PACS)のクラウド化を推進しています。また、ヘルスケアITソリューション事業領域でのキヤノンメディカルシステムズ株式会社との協業や、デジタル病理関連事業の推進を目的にメドメイン株式会社との資本業務提携を行いました。さらに、新生PSP株式会社においても、株式会社NOBORIで推進していた個人向けのPHR(Personal Health Record)サービスの利用者拡大に努めています。AI医療画像診断支援サービス事業については、2022年4月1日に新生PSP株式会社とエムスリー株式会社との合弁会社として設立されたエムスリーAI株式会社を中心に、AIの診療現場への流通を加速させています。
「より良い未来を創造するITのプロフェッショナル集団」を企業理念とする当社は、2021年5月10日に新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」を発表しました。今後、社会の隅々にまでデジタルがビルトインされ、デジタルを活用したビジネスモデルの変革であるDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進む状況において、当社はデジタル化への急激なシフトと産業構造の劇的な変化を新たな成長機会と捉え、社会課題を解決するためのサービスの提供を通して持続可能な社会の創造に貢献することを目指します。新型コロナウイルスの感染拡大を契機に私たちの暮らしは「NEW NORMAL」と呼ばれる新しい様式へと変わりつつあります。新中期経営計画では「NEW NORMAL」の先に来る新しい社会を見据えてSDGs(持続可能な開発目標)の観点も取り入れ、社会にとって必要不可欠な領域に向けて事業を加速していきます。
新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」では、前中期経営計画「GO BEYOND 3.0」の中核的事業戦略を継続しつつ、7つの基本戦略を定めその実現を目指します。
■中核的事業戦略(継続)
・クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進
・セキュリティ&セイフティ(安全と安心)の追求
■7つの基本戦略
1)取引製品の拡大・新規サービスの立ち上げ
2)サービス化の加速(サービス比率拡大)
3)データの利活用(AIの利用を含む)
4)多様なアライアンス・M&A(既存事業の拡充と新規事業の創出)
5)海外市場での事業の拡大
6)グループ間連携の強化によるシナジーの創出
7)人材育成/組織開発(ダイバーシティの推進を含む)
当社グループでは、上記戦略に従い、以下の取り組みを行いました。
◇情報基盤事業
第1四半期連結会計期間
・沖縄クロス・ヘッド株式会社、OCH株式会社に社名変更、またコーポレートロゴも変更
・OCH株式会社、ワンストップで簡単に導入できる中小企業向けセキュリティ対策製品「OCH SG-ONE」の販売を開始
・日本プルーフポイント株式会社より「PARTNER OF THE YEAR 2022」並びに「DEAL REGISTRATION OF THE YEAR 2022」を受賞
・タニウム合同会社より2021年度の「MVP Partner of the Year」を受賞
第2四半期連結会計期間
・クロス・ヘッド株式会社、次世代型クラウド総合支援サービス「Cloud Compass」の提供を開始
・クラウドネイティブ活用ソリューション「テクマトリックスNEO」をリリース
・OCH株式会社、JRQSSと新しい働き方の支援に向けた業務提携契約を締結
・Votiro社のクラウド型ファイル無害化ソリューション「Votiro Cloud」の販売を開始
・クロス・ヘッド株式会社、「Pleasanter on AWS」の提供を開始
・OCH株式会社、DXを促進するアクロリア社と協業し、業務内容の標準化・効率化を支援する「octpath」の提供を開始
・SentinelOne Vigilance MDRサービスの取扱いを開始
・パロアルトネットワークス社 Cortex(R) Xpanse の活用を支援するアタックサーフェスマネジメントサービスの提供を開始
第3四半期連結会計期間
・クロス・ヘッド株式会社、「デジタル・ワゴン for ファイルサーバー」の提供を開始
第4四半期連結会計期間
・パロアルトネットワークス社の「2022 JAPAN Distribution Partner of the Year」を受賞
・クロス・ヘッド株式会社、予約ルームズと Garoon を連携させる CROSSLink 365 の新サービスを提供開始
・OCH株式会社、マルチ SIM ルーターを活用し、IT 運用管理をリモートで実現するサービス「Remote Rack」をリリース
・OCH株式会社、Linux とアンチウィルスソフトをパッケージングした「MIRACLE With EPP サポートパック」を販売開始
◇アプリケーション・サービス事業
第1四半期連結会計期間
・ソフトウェア品質保証分野:強力なオブジェクト認識能力を誇るUIテスト自動化ツール 「Ranorex日本語版」に最新版のVersion 10.2の販売を開始
・教育分野:AI型教材「Qubena (キュビナ)」を開発・提供する株式会社COMPASSとスタディ・ログ 利活用に関する共同プロジェクトを開始
・教育分野:「個別最適な学び」の実践を支援する「時間割作成システム」について特許を取得
・教育分野:学校法人梅花学園 梅花中学校・梅花高等学校向けにクラウドサービス「ツムギノ(tsumugino)」を導入
第2四半期連結会計期間
・ソフトウェア品質保証分野:アーキテクチャ分析ツール「Lattix 2022.1.1 日本語版」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:「テクマトリックス Redmine クラウドサービス」の提供を開始
・ソフトウェア品質保証分野:Java対応テスト自動化ツール「Jtest 2022.1」の販売を開始
・教育分野:京都教育大学附属桃山小学校向けにクラウドサービス「ツムギノ( tsumugino )」を導入
・教育分野:教育現場に最適な「コメント投稿システム」について特許を取得
・株式会社カサレアル、「IT 導入支援事業者」に採択 声優・モデル業界向けクラウド型スケジューラー「ボイスケ/モデスケ」を補助金対象 IT ツールとして提供を開始
第3四半期連結会計期間
・CRM分野:Choco Card社(タイ王国・CDP大手)と資本・業務提携 タイ及びASEAN地域でのCRMソリューション事業拡大を加速
・CRM分野:ベルシステム24、インツミット、テクマトリックス、3社共同で台湾市場向け顧客分析・活用サービス「CRM Next」提供開始
・CRM分野:FastSeriesの導入ユーザー 中日本高速道路株式会社様が「2022 CRMベストプラクティス賞」を受賞
・教育分野:通知表や各種証明書などの「帳票作成装置及び帳票作成方法」について特許を取得
・教育分野:学校法人鶴学園 なぎさ公園小学校向けにクラウドサービス「ツムギノ( tsumugino )」を導入
・教育分野:ツムギノ、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」との連携を開始
・山崎情報設計株式会社、アレクシアフィンテック株式会社に社名変更
・クラウドサービス情報開示認定機関ASPICより「最優秀ビジネス活用賞」及び「最優秀・認定取得賞」を受賞
第4四半期連結会計期間
・ソフトウェア品質保証分野:マイクロサービスの開発とテストのサポートツール「SOAtest/Virtualize 2022.2」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:C 言語/C++言語対応テストツール「C++test 2022.2」の販売を開始
・ソフトウェア品質保証分野:C#/VB.NET 対応静的解析・動的解析ツール「dotTEST 2022.2」の販売を開始
・教育分野:教育機関向け EdTech 分野で、教育と探求社と資本・業務提携
◇医療システム事業部門
第1四半期連結会計期間
・PSP株式会社、脳の健康状態を"見える化"する「ブレインヘルスケア・プログラム」をSplink、ミレニアとの3社連携により提供を開始
・PSP株式会社、PHRアプリ「NOBORI」とマイナポータルとの連携を開始
第2四半期連結会計期間
・PSP株式会社、メドメインと資本業務提携しデジタル病理の推進を加速
第3四半期連結会計期間
・PSP株式会社、旧株式会社NOBORIと旧PSP株式会社との事業統合が進展し、新規医療施設に対するクラウド型PACSの提案機会が増加
第4四半期連結会計期間
・PSP株式会社、IT導入補助金2023のIT導入支援事業者に採択
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、459億50百万円と前期比94億36百万円(25.8%)の増加、売上総利益は163億69百万円と前期比39億13百万円(31.4%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、人件費などの増加のため、111億73百万円と前期比29億3百万円(35.1%)の増加となりました。この結果、営業利益は50億98百万円と前期比13億63百万円(36.5%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は50億66百万円と前期比13億48百万円(36.3%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は29億50百万円と前期比5億78百万円(24.4%)の増加となりました。
売上収益、営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益、すべて過去最高となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 6.セグメント情報」の「(2) 報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、前期までに積み上げた受注残と新規案件の受注により好調に推移しました。また、サブスクリプション型の課金モデルであるクラウド型セキュリティ対策製品の受注も拡大傾向にあります。西日本地域での販売も前期からの好調さを維持しています。当期の連結受注高、売上収益は前年実績を上回りましたが、営業利益については、急激な円安の進行、人件費・販管費の増加、新規事業として取り組みを始めたクラウドネイティブ活用ソリューションへの投資、オフィス移転費用の計上などの影響により、前年実績を僅かに上回る水準に留まりました。製品別では、クラウド時代のセキュリティに対応した「SASE(Secure Access Service Edge)※15」、「CASB (Cloud Access Security Broker)※16 」、「Cyber Hygiene※17」、「SDP (Software Defined Perimeter)※18」等、新しい世代のセキュリティ対策製品も注目度が高まってきており実績も増加しております。また、ロシアのウクライナへの軍事侵攻以降、Emotetやランサムウェア等のマルウェアへの感染が拡大しており、感染経路としては依然としてメール経由が多いため、次世代メールセキュリティ製品の需要も旺盛です。デジタルコンテンツが指数関数的に増加していることから、ストレージ分野の受注も好調です。
クロス・ヘッド株式会社は、受注高、売上収益、営業利益ともに計画を上回りました。インフラ構築案件の受注は引き続き堅調に推移しております。また、中部事業所を開設し、東海地区における販路拡大にも取り組みました。
OCH株式会社は、売上収益・営業利益ともに計画値をやや下回りました。なお、独自企画製品・サービスの受注は堅調で、サブスクリプション化が進展し、ストック型ビジネスへの転換が引き続き進行しております。主力製品の一部において市場競争が激化しているため、適宜、製品ポートフォリオの見直しに着手しています。
以上により、同事業の売上収益は293億5百万円と前期比45億94百万円(18.6%)の増加となり、過去最高となりました。営業利益は31億25百万円と前期比70百万円(2.3%)の増加となりました。
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、受注面は堅調に推移し、売上収益、営業利益ともに前期実績を上回る数値を達成しました。なお、教育事業においては、受注が好調に推移したことにより、前倒しの投資が発生したこと、また、ビジネスソリューション事業において一部不採算案件が発生したことが影響し営業利益は計画を下回りました。
CRM分野では、通期では受注の計画値を上回りましたが、上半期での受注の遅れから売上収益は計画値を下回る結果となりました。一方で、営業利益については前期実績、計画ともに上回りました。
ソフトウェア品質保証分野においては、依然として車載分野でのテストツールの需要が旺盛で受注の計画は上回りましたが、サブスクリプション化の進展により売上収益、営業利益ともに計画を若干下回りました。
ビジネスソリューション分野では、上半期において想定していた案件の失注があり、受注面では前期実績を下回りました。金融関連で発生した不採算案件も営業利益面でのマイナス要因となりました。
アレクシアフィンテック株式会社(旧山崎情報設計株式会社)は、既存案件への対応等により新規営業活動が停滞したことにより、売上収益・営業利益ともに計画を下回る結果となりました。営業体制の立て直し、営業活動の促進による受注の積み上げが課題となっています。株式会社カサレアルでは、受注高、売上収益、営業利益ともに前年実績を上回りました。特に、IT研修など教育事業が好調で全体の業績を牽引しています。
新規事業であるEdTech事業については、有名私立先進校や国・公立校への導入が進みました。また、ビジネス強化を目的に、2023年1月に、探求型のキャリア教育プログラムを提供する、株式会社教育と探求社との資本業務提携を行いました。引き続き、事業の垂直立ち上げを実現すべく営業・マーケティング活動を大幅に強化し、導入作業に携わる技術要員を増強するなど、積極投資を継続しています。
以上により、同事業の売上収益は73億円と前期比58百万円(0.8%)の増加となり、過去最高となりました。営業損失は20百万円と前期比27百万円(56.8%)の減少となりました。
③ 医療システム事業
医療分野では、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社の医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方で、一般生活者をターゲットとしたPHR(Personal Health Record)サービスの開発や、医療機関、AIベンチャー・外部企業との連携による共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果を上げています。オンプレミス製品の販売と保守により売上が構成される旧PSPの医用画像管理システム(PACS)事業において、期初に計画していたクラウドへの移行が、当連結累計期間において期初想定よりも穏やかなスピードで進捗しているため、新生PSP株式会社全体の業績は、計画値に対して売上収益、営業利益ともに大幅に増加しました。
その他、医療関連の連結対象子会社である合同会社医知悟の業績は、受注高、売上収益、営業利益いずれも計画を超過しており、堅調さを維持しています。
株式会社A-Lineについては、診療用放射線の安全管理体制整に関する医療法施行規則の一部を改正する省令が既に施行されていますが、監督機関による監査がコロナ禍において進んでいないため、医療機関における放射線量管理システム導入に対する投資意欲が想定通りに盛り上がらない傾向にありますが、線量管理システム「MINCADI」の受注は増加傾向にあり、売上収益は順調に増加し、営業損失は縮小しました。
以上により、同事業の売上収益は93億44百万円と前期比47億84百万円(104.9%)の増加となりました。営業利益は19億93百万円と前期比12億65百万円(173.8%)の増加となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、200億71百万円と前期比19億15百万円(10.6%)の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、契約負債の増加等により、収入は63億48百万円と前期比10億65百万円(20.2%)の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、有形固定資産の取得による支出及び投資の取得による支出等により、支出は31億31百万円と前期比33億26百万円(-%)の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、前連結会計年度と比較して、非支配持分への子会社持分売却による収入等により、支出が12億99百万円と前期比6億59百万円(33.7%)の減少となりました。
(生産、受注及び販売の状況)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、「医療システム事業」に著しい変動がありました。これは、PSP株式会社を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度の受注高において、「医療システム事業」に著しい変動がありました。これは、PSP株式会社を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 売上割合が10%以上の取引先はありません。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 当連結会計年度において、「医療システム事業」に著しい変動がありました。これは、PSP株式会社を当連結会計年度より連結の範囲に含めたことによるものです。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書の提出日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に用いた重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
連結財務諸表の作成における見積りに与える影響について、本有価証券報告書の提出日現在においては、新型コロナウイルス感染症拡大を理由とする重要な会計上の見積りの見直し等を行っておりません。今後、経済活動の動向等により顧客業績が悪化するなどして、顧客において当社グループの取扱製品やサービスに対する購入・投資意欲の減退が見られた場合に、当社の財政状態に影響を与える可能性はございますが、本有価証券報告書の提出日時点においては、従前と比較して連結財務諸表の作成の見積りにあたり、新型コロナウイルス感染症拡大を理由として、連結財務諸表の作成に大きな影響を及ぼす事象の発生等は認識しておりません。
情報基盤事業の売上収益は293億5百万円と前期比45億94百万円(18.6%)の増加となり、過去最高となりました。営業利益は31億25百万円と前期比70百万円(2.3%)の増加となりました。
当連結会計年度における情報基盤事業の業績は、前期までに積み上げた受注残と新規案件の受注により好調に推移しました。また、サブスクリプション型の課金モデルであるクラウド型セキュリティ対策製品の受注も拡大傾向にあります。西日本地域での販売も前期からの好調さを維持しています。当期の連結受注高、売上収益は前年実績を上回りましたが、営業利益については、急激な円安の進行、人件費・販管費の増加、新規事業として取り組みを始めたクラウドネイティブ活用ソリューションへの投資、オフィス移転費用の計上などの影響により、前年実績を僅かに上回る水準に留まりました。製品別では、クラウド時代のセキュリティに対応した「SASE(Secure Access Service Edge)※15」、「CASB (Cloud Access Security Broker)※16 」、「Cyber Hygiene※17」、「SDP (Software Defined Perimeter)※18」等、新しい世代のセキュリティ対策製品も注目度が高まってきており実績も増加しております。また、ロシアのウクライナへの軍事侵攻以降、Emotetやランサムウェア等のマルウェアへの感染が拡大しており、感染経路としては依然としてメール経由が多いため、次世代メールセキュリティ製品の需要も旺盛です。デジタルコンテンツが指数関数的に増加していることから、ストレージ分野の受注も好調です。
クロス・ヘッド株式会社は、受注高、売上収益、営業利益ともに計画を上回りました。インフラ構築案件の受注は引き続き堅調に推移しております。また、中部事業所を開設し、東海地区における販路拡大にも取り組みました。
OCH株式会社は、売上収益・営業利益ともに計画値をやや下回りました。なお、独自企画製品・サービスの受注は堅調で、サブスクリプション化が進展し、ストック型ビジネスへの転換が引き続き進行しております。主力製品の一部において市場競争が激化しているため、適宜、製品ポートフォリオの見直しに着手しています。
アプリケーション・サービス事業の売上収益は73億円と前期比58百万円(0.8%)の増加となり、過去最高となりました。営業損失は20百万円と前期比27百万円(56.8%)の減少となりました。新規事業である教育事業への積極投資や、CRM事業における顧客の意思決定の長期化傾向による受注のタイミングの遅れ等が主な要因です。
当連結会計年度におけるアプリケーション・サービス事業の業績は、受注面は堅調に推移し、売上収益、営業利益ともに前期実績を上回る数値を達成しました。なお、教育事業においては、受注が好調に推移したことにより、前倒しの投資が発生したこと、また、ビジネスソリューション事業において一部不採算案件が発生したことが影響し営業利益は計画を下回りました。
CRM分野では、通期では受注の計画値を上回りましたが、上半期での受注の遅れから売上収益は計画値を下回る結果となりました。一方で、営業利益については前期実績、計画ともに上回りました。
ソフトウェア品質保証分野においては、依然として車載分野でのテストツールの需要が旺盛で受注の計画は上回りましたが、サブスクリプション化の進展により売上収益、営業利益ともに計画を若干下回りました。
ビジネスソリューション分野では、上半期において想定していた案件の失注があり、受注面では前期実績を下回りました。金融関連で発生した不採算案件も営業利益面でのマイナス要因となりました。
アレクシアフィンテック株式会社(旧山崎情報設計株式会社)は、既存案件への対応等により新規営業活動が停滞したことにより、売上収益・営業利益ともに計画を下回る結果となりました。営業体制の立て直し、営業活動の促進による受注の積み上げが課題となっています。株式会社カサレアルでは、受注高、売上収益、営業利益ともに前年実績を上回りました。特に、IT研修など教育事業が好調で全体の業績を牽引しています。
新規事業であるEdTech事業については、有名私立先進校や国・公立校への導入が進みました。また、ビジネス強化を目的に、2023年1月に、探求型のキャリア教育プログラムを提供する、株式会社教育と探求社との資本業務提携を行いました。引き続き、事業の垂直立ち上げを実現すべく営業・マーケティング活動を大幅に強化し、導入作業に携わる技術要員を増強するなど、積極投資を継続しています。
医療システム事業の売上収益は93億44百万円と前期比47億84百万円(104.9%)の増加となりました。営業利益は19億93百万円と前期比12億65百万円(173.8%)の増加となりました。
医療分野では、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社の医療情報クラウドサービス「NOBORI」の順調な受注が継続し、累積契約施設数は増加しています。加えて、既存ユーザのサービス契約更新も取りこぼすことなく受注しています。一方で、一般生活者をターゲットとしたPHR(Personal Health Record)サービスの開発や、医療機関、AIベンチャー・外部企業との連携による共同開発等の新規事業への先行投資を継続し、順調に成果を上げています。オンプレミス製品の販売と保守により売上が構成される旧PSPの医用画像管理システム(PACS)事業において、期初に計画していたクラウドへの移行が、当期において期初想定よりも穏やかなスピードで進捗しているため、新生PSP株式会社全体の業績は、計画値に対して売上収益、営業利益ともに大幅に増加しました。
その他、医療関連の連結対象子会社である合同会社医知悟の業績は、受注高、売上収益、営業利益いずれも計画を超過しており、堅調さを維持しています。
株式会社A-Lineについては、診療用放射線の安全管理体制整に関する医療法施行規則の一部を改正する省令が既に施行されていますが、監督機関による監査がコロナ禍において進んでいないため、医療機関における放射線量管理システム導入に対する投資意欲が想定通りに盛り上がらない傾向にありますが、線量管理システム「MINCADI」の受注は増加傾向にあり、売上収益は順調に増加し、営業損失は縮小しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上収益は、459億50百万円と前期比94億36百万円(25.8%)の増加となり、過去最高となりました。売上総利益は163億69百万円と前期比39億13百万円(31.4%)の増加となりました。販売費及び一般管理費は、主に人件費が増加したことにより、111億73百万円と前期比29億3百万円(35.1%)の増加となりました。その結果、営業利益は50億98百万円と前期比13億63百万円(36.5%)の増加となりました。
以上により、税引前利益は50億66百万円と前期比13億48百万円(36.3%)の増加、親会社の所有者に帰属する当期利益は29億50百万円と前期比5億78百万円(24.4%)の増加となりました。
当連結会計年度末の流動資産の残高は、前連結会計年度末(以下「前年度末」という。)から95億3百万円(22.5%)増加し、517億70百万円となりました。前渡金が49億50百万円増加したことが主な要因であります。非流動資産の残高は、前年度末から36億84百万円(36.0%)増加し、139億20百万円となりました。有形固定資産が26億15百万円増加したことが主な要因であります。以上により、総資産は前年度末から131億87百万円(25.1%)増加し、656億91百万円となりました。
流動負債の残高は、前年度末から80億54百万円(28.8%)増加し、360億44百万円となりました。契約負債が93億43百万円増加したことが主な要因であります。非流動負債の残高は、前年度末から14億17百万円(32.9%)増加し、57億29百万円となりました。リース負債が14億61百万円増加したことが主な要因であります。以上により、負債の残高は、前年度末から94億72百万円(29.3%)増加し、417億73百万円となりました。
資本合計の残高は、前年度末から37億15百万円(18.4%)増加し、239億17百万円となりました。利益剰余金22億31百万円増加したことが主な要因であります。以上により、親会社所有者帰属持分比率は28.9%となりました。
2021年5月10日発表した新中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」の2年目にあたる当連結会計年度(2023年3月期)は、受注高、売上収益、営業利益ともに計画を大きく上回り、過去最高を更新しました。
上記の定量的な成果に加え、新中期経営計画の基本戦略に沿った取り組みにも注力しました。例えば、2022年12月にグループ会社5社を含めた本社機能の移転及び集約を実施しました。この本社機能の集約により、中期経営計画の基本戦略にも掲げている「グループ間連携の強化によるシナジーの創出」を追求し、中期経営計画の着実な遂行と持続的成長の実現を進めています。
同じく中期経営計画の基本戦略にも掲げている「多様なアライアンス・M&A」の取り組みとして、CRM分野の海外事業の拡大を目的としたChoco Card Enterprise社との資本・業務提携や、教育分野でのビジネス強化を目的とした教育と探求社との資本業務提携、デジタル病理関連事業の推進を目的としたメドメイン株式会社との資本業務提携等を実施しました。
■情報基盤事業部門
最先端のネットワークセキュリティ関連技術の動向を先取りし、積極的に新規商材を発掘し、取引製品の拡大・新規サービスの立ち上げに引き続き取り組んでまいります。合わせて、各種自社サービスと組み合わせ、競合他社との差別化を推進していきます。自社サービスの開発においては、クラウドネイティブ・ソリューション「NEO」の製品化に向けた投資を積極的に推進するとともに、次世代統合監視サービス「TPS」の販売強化に取り組んでいきます。
また、当該セグメントにおける連結子会社との事業連携も加速させ、情報基盤のライフサイクル全般をカバーする総合的なサービス提供力の向上に努めます。
<新中期経営計画における主な基本戦略>
『デジタル化を支える情報基盤・技術・サービスの提供』
・取扱製品/サービスの拡大
・代理店(パートナー)と戦略アカウントの深掘り
・プロダクト組織とアカウント組織のマトリックス化
・専門性の更なる強化と技術力の可視化(保守対応の可視化、技術情報発信など)
・統合監視セキュリティサービス(TPS)の拡販
・センター集約型ビジネスの拡大(付加価値の追求)
・サブスクリプション販売への移行促進(ストックビジネス強化)
■アプリケーション・サービス事業部門
CRM分野、ビジネスソリューション分野、ソフトウェア品質保証分野、教育分野それぞれにおいて、クラウドサービス(SaaS)を加速度的に推進します。また、顧客企業でソフトウェア開発の内製化が進む中で、顧客向けの受託開発を担当していた技術リソースの一部を「自社独自サービス開発(ベストプラクティスのクラウドサービス)」や「自社付加価値を高める既存クラウドサービスの拡充」に戦略的にシフトしていきます。
CRM分野においては、従来の電話やメールといったコミュニケーション手段にとどまらず、SNS等の多様なチャネルに対応したコンタクトセンターCRMソリューションを提供しています。AIを活用したチャット・ボット等の最先端技術を活用し、コンタクトセンターの運用効率化に貢献していきます。当該分野においても、クラウド化を推し進めると同時に、民間のみならず自治体の広聴業務向けの事業拡大に取り組みます。また、ソーシャルデータ分析クラウド分野でタイ最大手企業であるWisesight社との資本・業務提携や、タイにおけるマーケティングCRMのトップベンダーであるChoco Card社と資本・業務提携、また、現地法人の設立を通して、急速に発展しているASEAN(特にタイとインドネシア)地域での顧客拡大に取り組み、ビジネスのグローバル化を推進していきます。
ソフトウェア品質保証分野においては、様々なデバイスがインターネットで相互接続されるIoTやM2M(機器間の通信)の拡がりにより、組込みソフトウェアの品質向上は社会的にも非常に重要な課題となってきています。医療機器、自動車、鉄道、電子機器等様々な分野で機能安全の国際規格への対応が必要となってきています。組込みソフトウェアの品質向上・機能安全(セイフティ)に対する需要を的確に捉えて行くと同時に、複雑化、大規模化する企業内情報システム分野におけるソフトウェア品質向上のニーズにも応えていきます。DevOpsやOSS※19 に対応した開発支援ツールの提供にも力を入れます。当該分野においても、クラウド型サービスの提供を推進しています。
ビジネスソリューション分野では、従来の特定顧客向け受託開発ビジネスで積み上げてきた技術力を活かし、新しい分野でのベストプラクティスをシステム化したクラウドサービスの創出に取り組んで行きます。また、当社が知見を蓄積した学術分野や、金融工学の技術を活用した金融機関向けのリスク管理分野でのビジネス拡大にも取り組んでいきます。
政府のGIGAスクール構想※20により急速にデジタル化が進む教育分野においては、学習指導要領の改定に伴い、「主体的・対話的で深い学び」(アクティブ・ラーニング)や「個別最適な学び」の実現が謳われています。その実現に向けて、これまでの発想とは全く違う新しいコミュニケーション・プラットフォームや校務支援クラウドサービスが必要不可欠です。この市場の変化と新しいニーズに対応するために当社が開発したクラウドサービス「ツムギノ」を積極的に拡販していきます。合わせて、2023年1月に実施した、株式会社教育と探求社との資本業務提携に続き、教育ビジネスの強化、販路拡大に向けて多様なアライアンス・M&Aの検討を継続していきます。
当該セグメントにおける連結子会社は、単体事業との事業シナジーを追求しつつ、それぞれの専門分野で事業の拡大を図ります。
<新中期経営計画における主な基本戦略>
『最善の手法である「Best Practice」を誰にも使いやすいUXを通してクラウド型で提供』
・AI医療診断支援サービス事業の加速
・PHR事業の拡大
・CRMサービスのワンストップ化に向けた他ベンダーとの連合・グループの組成
・グローバル展開(ASESAN)の加速
・AI技術を活用した製品/サービスの創出
・ポートフォリオの拡充(ソフトウェア開発基盤ソリューションの独自開発等)
・ツールを活用した第三者テスト/検証市場への参入
・独自のビジネス分析ソリューションの開発・提供
■医療システム事業部門
医療システム事業部門においては、2022年4月1日に新たにスタートした新生PSP株式会社が、顧客基盤の統合、サービス・製品の集約と統合に着手するとともに、ストック型ビジネスへの転換を目的として、医用画像管理システム(PACS)のクラウド化を推進しています。特に、他社に先行してサービスを開始した医療情報クラウドサービス「NOBORI」は、クラウド型PACS(医用画像管理システム)市場において圧倒的なシェアを獲得しており、引き続き市場を牽引していきます。また、新生PSP株式会社においても、株式会社NOBORIで推進していた個人向けのPHR(Personal Health Record)サービス事業やAI医療画像診断支援サービス事業といった、蓄積された医療データの利活用を行う新規事業への先行投資を継続しつつも、これら事業の収益化に取り組みます。AI医療画像診断支援サービス事業については、2022年4月1日に新生PSP株式会社とエムスリー株式会社との合弁会社として設立されたエムスリーAI株式会社を中心に、AIの診療現場への流通を加速させています。
また、これまで旧PSP株式会社が販売してきたオンプレミス形式の医用画像管理システムをクラウド型PACSに移行していくことも戦略的且つ加速度的に進めます。
<新中期経営計画における主な基本戦略>
『最善の手法である「Best Practice」を誰にも使いやすいUXを通してクラウド型で提供』
・AI医療診断支援サービス事業の加速
・PHR事業の拡大
・AI技術を活用した製品/サービスの創出
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
② 資金需要
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、取扱い製品であるネットワーク関連機器の保守用機材の購入等の設備投資資金及び販売用ソフトウェアの開発費等であります。
③ 資金の源泉
当連結会計年度末において200億71百万円の現金及び現金同等物の残高があり、当面の資金需要に充当し得る十分な資金を保有しております。
当社グループが成長を続けていくためには多くの課題が残されていると考えております。具体的には、①業界動向や顧客ニーズ等の「外部環境変化への対応力強化」と、②人材面や業務プロセスの効率化等の「内部の課題解決」の二つに大別されます。
① 外部環境変化への対応力強化
・ 持続的な成長シナリオの構築
現在、当社グループの事業セグメントにおいては、ニッチ市場ながらも競争力の高い製品やサービスを展開しておりますが、今後も持続的に成長するためには、市場ニーズに対応した新しい製品やサービスを切れ目なく立ち上げていく必要があります。
・ ビジネスモデルの多様化
企業のITシステム投資の方向性が、設備の「所有」からサービスの「利用」へと加速度的に変化しております。IT資産においてもオフバランス化が進み、「持たざる経営」がITの分野にも浸透しつつあります。
これまで、企業はITシステム(ハードウェア、ソフトウェア、開発)を資産として購入・運用してきましたが、ITシステムを資産として保有せず、外部事業者のサービスをインターネット越しに活用するクラウドサービスの利用が広がっております。これにより、企業側はITシステムの初期投資や運用・保守等の負担を低減することができます。当社グループでは、アプリケーション・サービス事業において、自社開発ソフトウェア・パッケージの販売、保守を行ってまいりましたが、これらソフトウェアの機能をインターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス事業に参入しております。売り切り販売中心のフロー事業に加え、継続的に収入が得られるサービス事業によるビジネスのストック化を更に推進します。クラウド時代の顧客企業ニーズの変化に積極的に対応し、ストック型ビジネスを中心戦略とした「持たざる経営」を支えるサービス・プロバイダー、サービス・クリエーターとしての地位の確立を進めてまいります。
・ サービスのフルライン化
上述のとおり、IT業界ではクラウドという新しいビジネスモデルへの対応が必要となる一方で、従来どおりITシステムの自社所有を希望する企業があります。このため、当社グループは、システム導入以降に必要となる保守・運用サービスについても積極的に拡充し、システムのライフサイクル全てをカバーするフルラインのサービス提案を行ってまいります。また、グループ経営を一層強化することにより、システムのフルアウトソーシングの請負にも注力し、継続的な取引機会の確保に努めてまいります。24時間対応のオンサイト保守やリモート監視業務については、外部委託からクロス・ヘッド株式会社への委託へ切り替え、グループ内での機能の自活、内製化を進めております。また、株式会社カサレアルの完全子会社化によりソフトウェアの開発要員を拡充しておりますので、開発業務についても同社技術力を活用した効率化を進めます。以上の取り組みにより、グループの総合力を発揮するとともに、サービスのフルライン化を進めます。
・ 業界構造
一般的に、ソフトウェア開発会社は人的資源中心のビジネスであり、大規模な初期投資を必要としないことから、少人数の企業から大手のシステム・インテグレーターまで多数の企業が存在します。業界全体が多重の下請け構造になっているため、下請け構造の下層に位置する企業は、規模の大小にかかわらず苦しい経営を強いられております。このため、生き残りを図るためには、付加価値の高いサービスを提供し、顧客企業への直販、直接契約を志向することが重要であり、フルラインでのサービス提供と総合力の発揮、一定規模の開発体制が求められます。当社グループは、今後もM&Aの活用を経営の選択肢に取り入れ、スピード感を持って付加価値の向上、総合力の発揮、規模の拡大を目指してまいります。
・ 人材の採用と育成
当社グループは、これまで即戦力の中途入社社員の採用により事業の拡大を図ってまいりましたが、中堅社員層の比率が相対的に高くなっているため、将来的なコストアップを防ぐためにも、今後は、若手社員の拡充に軸足を移し、新卒や第二新卒の採用活動に力を入れていく必要があります。
また、一般的な労働集約型ビジネスではない、高付加価値なストック型ビジネスの拡大や、新規事業の創発等の事業戦略の実現に向け、今後のITの技術革新や業界を取り巻く環境変化にキャッチアップし、2023年4月に新たに策定した「経営戦略を実現する人事戦略」に沿って、新たな価値を創造できる人材育成計画の策定及び実現を進めてまいります。
・ 品質カイゼン活動
ITシステムは、社会インフラ化しており、また、企業経営にとっても経営戦略を具現化するためのツールとして、ITシステムの果たす役割は一層重要性を増しております。ITシステムを構成するハードウェアの性能は日進月歩で向上しておりますが、人的資源に依存するソフトウェアの開発においては、依然として属人的な要素が少なくありません。開発プロセスの標準化や科学的手法によるテストの合理化、既存ソフトウェア部品の有効活用等、さまざまな努力を重ね、ソフトウェア品質、サービス品質の向上に努めなければなりません。高品質な製品・サービスの提供は勿論のこと、企業業績の安定化のためにも、品質カイゼン活動を積極的に推進してまいります。
・ 社内ITシステムの充実
業務プロセスを効率化、合理化していくため、また、事業上の迅速な意思決定を促進するためにはITシステムの積極的な活用が不可欠であると認識しております。経営者のリーダーシップのもと、当社のIT推進部において、デジタル技術の活用による社内生産性の向上及び事業活動の質の向上に向けて自社ITシステム戦略を策定しております。また、月次単位の定期会議を開催し、経営者や他部署を交え、課題の把握及び今後の施策の検討を行っております。具体的には以下のような取り組みテーマがあります。
1 開発・導入のスピードアップ、品質向上
2 人材の育成、充実、体制の再構築
3 能動的な企画・提案活動
4 投資対効果の計測
5 クラウド化の促進
6 セキュリティの安心・安全の追及
上場企業として求められる内部統制を着実に実行していくためにも、ITによる業務統制は重要な役割を担っていると考えております。当社グループは、社内ITシステムの継続的な開発を通じて、業務プロセスの効率化、企業活動の可視化を図ってまいります。
販売代理店契約
常に最先端の技術動向を注視するとともに、多様化・高度化する顧客ニーズを把握し、顧客企業における事実上の諸問題を迅速に解決しうる最適なソリューションのあるべき方向性を調査・研究しております。基本的には、顧客ニーズに近いアプリケーション分野では、日本独自の顧客ニーズを反映するために当社独自技術の開発・製品化を行なうことを基本方針とし、基盤(ネットワーク・インフラ、サイバーセキュリティ)技術、プラットフォーム技術、ミドルウェア※21技術は、北米を中心とした先端テクノロジー開発企業の技術・製品を発掘し有効活用します。
企業活動においてIT技術が経営に与えるインパクトは益々大きくなっており、企業活動の変革を実現するためのシステム化ニーズに応えられる技術の発掘・研究・商品化・応用を、当社グループの研究開発活動のテーマとしております。具体的には、ソフトウェア開発技術、仮想化技術、サイバーセキュリティ技術、クラウド関連技術、運用・監視技術、ソーシャル・メディア関連技術、ビッグ・データ分析技術、ソフトウェア品質向上関連技術、IoT関連技術、AI関連技術及びAIと当社製品との連携に関して、金融工学理論、画像圧縮技術、アジア新興国の市場調査などの調査・研究・開発を行い、技術力の向上とともに、具体的なビジネス戦略への展開を目指しております。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は、