当社企業グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術により、お客様のために新しい価値を創造し、安全で豊かな社会(人と地球にやさしい情報社会)の実現に貢献することを経営の基本理念としております。
この理念を実現するため、顧客価値経営を推進し、継続して営業利益率15%以上を出せる筋肉質な会社となることを方針としております。また、成長戦略に向けた投資で会社を成長させ利益を最大化し、中長期的な企業価値向上に努め、顧客・株主・従業員・社会などステークホルダーへの還元をはかってまいります。
(2) 経営戦略、経営環境及び優先的に対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症の感染対策により経済社会活動が正常化に向かう中で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が長期化し、原材料の供給面での制約や価格上昇、金融資本市場の変動など先行き不透明な状況が継続すると予想されます。また、防衛関連予算の増加傾向、スマートフォンの需要減、中国経済の停滞など当社を取り巻く環境を注視しながらの事業運営になると考えております。
当社企業グループでは、2022年6月に2024年度までの中期経営計画を公表いたしました。
中期経営計画の方針を“更なる成長に向けた経営基盤強化と成長戦略推進”とし、成長のための投資を積極的に行い、2024年度経営目標の実現に努めてまいります。そのために、競争力強化の全社的な取り組みとして、R&D、ものつくり、セールス&マーケティングの3つの力を強化し、それを融合することで、顧客価値提案力を強化してまいります。
事業別には以下の施策を推進してまいります。
情報システム
QCDの改善活動は、成果があがっていることから、今後も継続展開し、ものつくり力を強化して競争力を高めてまいります。その上で、艦船搭載情報表示装置等を基盤事業として堅持するとともに、防衛予算増加の市況に追随し、お客様のご要望を形にする技術力と提案力により、既存事業拡大や次期防衛装備品事業として、安保3文書で示されている、スタンド・オフ防衛等へ領域を拡大してまいります。
電子機器(接合機器)
通信の大容量化・高速化や自動車の電動化・高機能化による、部品・材料・工法の変化が、当社の領域拡大の機会と捉え、情報機器市場に加え、伸張している電池やモーター等の関連する市場に接合4工法(抵抗溶接、パルスヒート、超音波、レーザ)を基軸に市場を開拓してまいります。
これらの需要獲得のため、海外販売網を強化するとともに、AIやセンシング技術を取り入れて、検査やトレーサビリティなど、付加価値を加えた製品の提供、接合4工法に画像認識・メカトロニクス・真空技術などを組み合わせた装置の提供など、顧客価値を向上したソリューションを提案してまいります。
電子機器(センシングソリューション)
赤外線サーモグラフィの国内トップメーカーとして、これまでに培った熱の可視化を軸に、異常発熱や温度上昇の予兆検知による事故や故障の未然防止、品質向上や生産性向上等に資することで、ものつくりへの貢献を目指します。
対象市場としては、ヘルスケアは高齢化社会への進展などで社会課題となっている病気の早期発見・早期治療、産業保安はインフラ・設備老朽化・事故防止等、スマートファクトリーはものつくりの変革にそれぞれ貢献してまいります。今後は更にドローンやAI等を活用することで、顧客価値を向上したソリューションを提案してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年3月期 業績予想
売上高200億円、営業利益20億50百万円を見込んでおります。
2025年3月期 中期経営目標
2022年6月公表の中期経営計画の指標を一部変更し、継続して営業利益率15%以上を出せる会社を目指しており、2025年3月期の営業利益は26億円、また、ROEは10%以上を目標としております。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社企業グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティに関する考え方
当社企業グループは「独自のエレクトロニクス技術とシステム技術により、お客様のために新しい価値を創造し、安全で豊かな社会の実現に貢献します」を“経営理念”として掲げ、“Avioグループ企業行動憲章”で環境への配慮、社会との調和、人権の尊重等を規定し、行動規範・行動指針に落とし込んだ上で事業活動を行っております。
サステナビリティ(SDGs)に関連する課題については、事業活動の持続的発展と中長期的な企業価値向上のために重要な取り組みと認識し、2021年12月にサステナビリティ方針(※)を定めており、積極的に課題の解決に向け取り組んでまいります。
※サステナビリティ方針
『日本アビオニクスはサステナビリティを経営の最重要課題のひとつとして認識し、企業活動の全域で一人ひとりがサステナビリティに配慮して行動し、豊かで持続可能な社会の実現に貢献すると共に、全てのステークホルダーに愛される企業となることを目指します』
気候変動の社会の潮流は、部品や材質が変化し、ものつくりの現場に変化を与えるなど、当社企業グループのソリューションを生かす機会が増えていると認識しております。
特に接合機器事業においては、社会の環境負荷低減を目指した、お客様の製品づくりに価値を提供するため、省電力接合方法の提案や、伸長するEV車市場に向けた軽量化素材の接合、異種材接合など様々な社会課題解決のためのソリューションを提供しております。
また、センシングソリューション事業においては、設備の異常発熱や温度上昇の予兆を検知し、お客様の工場等の重大事故を未然に防ぐソリューションの提供や、インフラ設備や建物を継続使用するためのメンテナンスに役立つソリューションを提供し、安全・安心で持続可能な社会に貢献しております。さらに、ヘルスケア分野にも取り組み、健康で安心な社会の実現にも貢献してまいります。
今後もサステナビリティへの対応を強化するため、サステナビリティ委員会活動を促進し、マテリアリティの特定、指標の決定に向けた準備を進めてまいります。
①ガバナンス
当社企業グループのビジネスの方向性については中期経営計画を取締役会において、経営理念に沿った経営方針に合致しているビジネスであるか、社会課題の解決に寄与する事業を推進しているか等、継続して議論しており、社外取締役との議論、監査役との意見交換を反映した計画になっております。
今後、取締役会での議論を深め、サステナビリティ委員会の活動を促進してまいります。
②戦略
短期・中長期の気候関連の潮流についてのリスクと機会に関しては、当社のビジネスが貢献できる領域が広がる機会と捉えており、引き続き、安全安心で豊かな社会実現のため、当社企業グループのビジネスを積極推進する方針です。さらに、一歩進めて、事業の方向性をより明確にSDGsに向かうよう計画を策定いたします。
③リスク管理
リスク・コンプライアンス委員会を設置し、環境配慮、社会との調和を定めた企業行動憲章に基づきリスクの対応方針や課題について、取り組んでいます。サステナビリティ委員会や品質推進室(環境管理)で報告された重要なリスクは、リスク・コンプライアンス委員会で取り纏め、取締役会で議論しています。
当社企業グループの具体的なリスクについては、「
④指標及び目標
当社企業グループは、環境負荷の低い製品・サービスの提供や、社会の維持・継続に役立つソリューションを提供する一方で、自社工場のCO2排出量や使用する電力量等、削減に向けた取り組みを実施しております。具体的な指標、目標につきましては、マテリアリティ特定後に改めて設定し、気候変動対策に貢献してまいります。
(2) 人的資本に関する戦略並びに指標及び目標
①人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針、戦略
Avioグループ企業行動憲章において、従業員一人ひとりの個性を尊重するとともに、能力を十分に発揮し、情熱をもって働ける環境の整備を掲げております。具体的には、経営戦略に合致した「主体的かつ自律的」人財を育成するため、スキルマップを作成(スキルを可視化)、その力量評価に基づいた基礎スキル教育、専門スキル教育や後継者育成計画を実施します。同時にウェルビーイング(働きがい)に向けた取り組みを推進し、従業員のエンゲージメントを向上させてまいります。
また当社企業グループは、Avioグループ企業行動憲章において、「従業員の尊重」を掲げており、女性・外国人・キャリア採用者の管理職への登用等、中核人財の登用等における多様性の確保の重要性を認識しております。
当社企業グループは、従業員の女性比率が15%程度と高くないことから、まずは新卒採用における女性比率の目標を設定し、目標達成に向けた新卒採用活動を展開していきます。その他、女性活躍に向けた取り組みとして、女性管理職を促進する施策に取り組んでまいります。
なお、外国人・キャリア採用については、防衛事業もあり、各事業の戦略に応じて、適時適切な採用活動を継続し、従業員の多様性確保に努めてまいります。
②指標及び目標
毎年の新卒採用女性比率20%以上を目指します。
その他の指標、目標につきましてはマテリアリティ特定後に設定し、開示する予定です。
有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、当社企業グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があり、顕在化の可能性が一定程度あると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2023年6月27日)現在において判断したものであります。また、以下の記載事項は、当社企業グループの事業等に関するリスクすべてを網羅するものではないことをご留意ください。
また、当社企業グループのリスク管理体制については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 ④リスク管理体制の整備の状況」に記載しております。
<市場・事業運営に関するリスク>
(1)顧客の需要動向等による影響について
当社企業グループの情報システムについては、宇宙・防衛等の官公庁向けであるため、官公庁の需要動向及び直接契約をしている大手防衛メーカーの事業展開の方針に影響されます。特に防衛予算の規模及び内容は、当社の防衛関連製品に中期的に影響を及ぼす可能性があります。また、電子機器については、国内外の一般企業向けであるため、顧客の設備投資の需要動向に影響されます。特に海外市場の動向等に想定を超える変化が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、顧客の需要動向を注視し、予算に織り込むなどの対応を行っていますが、こうした顧客の需要動向等に想定を超える変化が生じた場合、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、前連結会計年度の有価証券報告書においては、日本電気株式会社との関係について記載しておりましたが、ITシステムの自立化が完了したうえ、情報システム製品における独自の技術力に基づき防衛関連製品に関して連携をはかるなどにより、日本電気株式会社の連結子会社でなくなったことが当社の業績に影響を及ぼすリスクは一定程度低下したと認識しており、当連結会計年度の有価証券報告書から削除し、本項目に統合しております。
(2)価格競争について
当社企業グループが事業を展開するエレクトロニクス業界において競争が激化しており、特に電子機器製品は激しい価格競争にさらされております。当社企業グループではコストダウンを進めるとともに、高付加価値製品の投入により市場競争力の維持・向上に努めておりますが、価格競争のさらなる激化や長期化が生じた場合、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)棚卸資産等の処分について
当社企業グループは、設計、資材調達から生産・出荷までのプロセス改善活動によりリードタイムの短縮等に努めております。しかしながら、情報システム製品については長期にわたる製品ライフサイクルに対応するための保守部品等の在庫、電子機器製品については需要動向の急激な変化等による在庫が発生することが想定されます。これらの在庫が陳腐化した場合には、棚卸資産等の評価損や処分により当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)技術革新への対応について
エレクトロニクス業界は、技術の急速な進歩とそれに伴いユーザーのニーズやウォンツも急速に変化しております。当社企業グループではユーザーのニーズやウォンツに対応し、競争力を維持・向上して事業を成長していくために意欲的な新製品開発を継続して実施しております。しかしながら、当社企業グループの努力を上回る速度での技術革新、ユーザーのニーズやウォンツの変化が生じた場合、当社企業グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(5)品質管理等について
当社企業グループは、厳格な品質管理の下に製品を製造しておりますが、製品に欠陥が生じないという保証は無く、欠陥の発生によりリコールの対象となる可能性や製造物責任を負う可能性は否定できません。社長直下の組織として生産設計推進室及び品質推進室を設置しております。生産設計推進室では、設計からのQCD(品質・コスト・納期)の強化と継続的改善に向けたプロセス構築を実施し、品質推進室では三現(現地、現物、現実)主義監査による品質不適切行為及び重要品質問題の発生防止に努めております。製造物責任についてはPL保険に加入しているものの、状況によっては当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の確保・育成
当社企業グループでは、競争力ある製品を開発、製造及び販売するため、優秀な人材を確保・育成し続ける必要があり、このため積極的な採用・人材育成に努めています。しかしながら、必要な人材を確保・育成できない場合、当社企業グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)環境問題について
当社企業グループの事業は、有害物質の使用及び取り扱い、廃棄物処理、製品含有化学物質、土壌・地下水汚染の規制等を目的とした様々な環境法令の適用を受けており、環境方針に従って日常的な点検等を実施するなど、法令及び政府当局の指針の遵守に努めております。しかしながら、将来、より厳格化する環境規制への対応等により、当社企業グループの業績、財務状況及びレピュテーションに影響を及ぼす可能性があります。
(8)災害・感染症等の影響について
当社企業グループでは、大規模地震等の自然災害等に備え事業継続計画(BCP)を策定し、安全確保・安否確認、事業の早期復旧、経営データのバックアップ等の対策を進めております。また、感染症対策として、感染時の対応フローを整備し、感染拡大防止に努めております。しかしながら自然災害等による生産拠点の直接被害の他、原材料購入先・外注先の被害や流通網・供給網の混乱による操業の中断、生産・出荷の遅延等が発生する可能性があります。更に復旧対応のための費用支出等により、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9)サプライチェーンの影響について
当社企業グループでは、当社企業グループ製品の部品、原材料等について安定的な調達及び品質の確保のため、必要な在庫量の確保、複数社からの調達、調達先との密な情報共有に努めるとともに、部品、原材料の品質管理に取り組んでおります。しかしながら、想定を上回る部品、原材料等の価格の高騰、自然災害や国際情勢の悪化等による調達可能性の変動、品質不良、物流の混乱、インフラの制限等の結果、納入・納期の遅延、機会損失、売上原価の上昇等により、当社企業グループの業績、財務状況及びレピュテーションに影響を及ぼす可能性があります。
<コンプライアンス等に関するリスク>
(1)従業員等による不正行為等について
当社企業グループは、企業倫理の確立並びに法令、定款及び社内規程の遵守の確保を目的として制定した「Avioグループ企業行動憲章」及び「Avioグループ行動規範」の徹底、コンプライアンスホットラインの周知徹底、教育等により従業員等のコンプライアンス意識向上をはかっており、リスク・コンプライアンス委員会においてコンプライアンス体制の遵守状況の確認を行っております。しかしながら、これらにより従業員等による業務上の不正行為等の発生の可能性がなくなるものではありません。従業員等による不正行為等が発生し、第三者に対する損害賠償請求、営業停止・取引停止処分等を受けた場合、当社企業グループの業績及び社会的評価に影響を及ぼす可能性があります。
(2)知的財産権について
当社企業グループは、他社と差別化できる技術とノウハウの蓄積に努めており、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護をはかるほか、他社の知的財産権に対する侵害がないようリスク管理に取り組んでおります。しかしながら、当社企業グループの知的財産権を無視した類似製品の出現、当社企業グループの認識していない知的財産権の存在又は成立によって当該第三者より損害賠償等の訴訟を起こされる可能性もあります。これらの結果、当社企業グループの業績、財務状況及び社会的評価に影響を及ぼす可能性があります。
(3)情報セキュリティ・サイバーセキュリティについて
当社企業グループは、「Avio情報セキュリティ基本方針」に基づき、全従業員向けの情報セキュリティ教育の定期的な実施の他、標的型攻撃メール訓練、外部機関によるネットワークの脆弱性診断、防衛事業向けのセキュリティ施策など、各種セキュリティ対策を実施することで、情報セキュリティ及びサイバーセキュリティの強化に努めるとともに、事業遂行の過程で入手する多数の個人情報や機密情報の流出防止には細心の注意を払って管理しております。また、近年はサイバー攻撃の増加が想定され、防衛関係企業への不正アクセスが公表されるなど、セキュリティのリスクが高まっております。そのため、予想を超えるサイバー攻撃などの予期せぬ事態により情報の流出・漏洩が発生した場合には、社会的信用の低下や、その対応に要する多額の費用負担が、当社企業グループの業績、財務状況及びレピュテーションに影響を及ぼす可能性があります。
<財務・会計に関するリスク>
(1)資金の調達について
当社企業グループは、当社企業グループの財務状況を定期的に管理し、健全な財務状況の維持に努めております。しかしながら、金融市場の不安定化、事業環境の悪化による信用力の低下等に伴い、資金調達に関するリスクが増加した場合には、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2)繰延税金資産について
当社企業グループが現在計上している繰延税金資産は、将来減算一時差異に関するもので、すべて将来の課税所得を減額する効果を持つものです。市況の後退や経営成績の悪化などの事象により、当社企業グループが現在計上している繰延税金資産の全額又は一部について回収可能性がないと判断した場合、繰延税金資産の取崩しにより、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3)退職給付債務について
当社企業グループは、確定給付企業年金に関するガイドラインを定め、財務に関する専門知識を有する人材を年金資産の運用責任者として選任しております。運用方針については、年金事務局会議等での議論を経て、決定しております。実際の運用については、運用方針に基づいて信託銀行等に委託しております。しかしながら、当社企業グループの年金資産の市場価値や運用利回りの変動、将来の予想退職給付債務の計算の根拠となる数理計算上の前提の変更、また将来の年金制度や会計基準の変更があった場合、当社企業グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4)為替相場の変動について
当社企業グループでは、外貨建ての案件を一部取り扱っており、為替相場の変動リスクを低減するために円建てによる取引を交渉するなどの対応を行っております。しかしながら、急激な為替相場の変動により、当社企業グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
各部門、執行役員が出席するリスク・コンプライアンス委員会、取締役会の3段階による認識合わせを行った結果、2023年度の当社企業グループの特に重要なリスクは、次のとおりであります。
輸出管理規制への違反が発生するリスク
近年の米中の対立を受けて、我が国の経済安全保障政策も刻々と変化しております。こうした変化に適切に対応するため、監督官庁や外部団体からの情報入手を始め、必要に応じて輸出管理体制を見直すなどの対策を行っております。しかしながら、外部環境の変化に適切に対応できず、輸出管理規制に違反してしまった場合、当社企業グループの業績、レピュテーション等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社企業グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和や各種政策の効果により、社会経済活動の正常化と景気の緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締めが続く中での為替の大幅な乱高下、中国経済の新型コロナウイルス対策による景気への影響、世界的なエネルギー価格の上昇、原材料価格の上昇や供給面での先行き不透明感などで厳しい状況となりました。
当社企業グループを取り巻く事業環境は、世界的な購買意欲の低迷によるスマートフォンなどの需要減や半導体不足等による電子部品関連メーカー及び自動車関連メーカーの減産に伴い、回復を見込んでいた設備投資に足踏みがみられ、電子機器の関連需要は予断をゆるさない状況が続きました。
このような状況の中で当社企業グループは、更なる成長に向けて経営基盤強化と成長戦略を推進してまいりました。センシングソリューションでは、工場や施設での人による巡回点検に代わり、設備の異常発熱や温度上昇の予兆を検知し、警報発報や異常箇所を特定し通知することで、事故や故障を未然に防止する遠隔監視用赤外線サーモグラフィを開発し、発売しました。接合機器では、EV車市場の急速な拡大に伴い、需要が大きく伸長している大型車載モーターのコイルと端子の接合において、品質向上及び生産性向上のため、はんだレスで直接接合するヒュージング接合に最適な大電流通電・高精度制御による溶接を可能とする高信頼性インバータ式抵抗溶接機を開発し、発売しました。また、電子機器製品の受注拡大を目指し、タイ(バンコク)での駐在員事務所の開所、並びに当社電子機器製品をお客様に「見て」「触って」「経験」いただけるソリューションセンターを開設しました。ソリューションセンターでは、アプリケーションと製品を展示し、お客様の持ち込みサンプルの実験も可能なショールームに加え、電子機器製品の特長や技術等をご説明するセミナールーム、海外とのオンライン商談や遠隔プレゼンテーション・技術支援などを実施するウェビナールームを備え、お客様の困りごとに対する当社のソリューションを具体的に体感し、よりリアルな導入イメージを持っていただける場所としております。
情報システムでは、受注残高を積み上げながら、生産平準化や収益性の向上に努めるとともに、防衛関連予算の動きを注視しながら、既存事業の領域拡大及び次期防衛装備品事業など将来案件の提案活動を進めました。
また、全社活動としましては、生産設計力の強化と継続的な改善に向けたプロセス構築、三現主義監査による品質管理強化を推進し、原価低減及びものつくり力の向上に努めてまいりました。
以上の結果、当期における当社企業グループの連結業績は、売上高は177億54百万円(前年同期比7.7%減)、営業利益は19億51百万円(前年同期比1億0百万円増)、経常利益は19億25百万円(前年同期比1億19百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益は18億20百万円(前年同期比1億95百万円増)とそれぞれ増益となりました。
なお、営業利益率、経常利益、経常利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益率は、上場来最高値を更新しております。
セグメントの状況は、次のとおりであります。
情報システム
情報システムは、大型プロジェクト等の受注促進に努めた結果、受注高は137億32百万円(前年同期比9.5%増)、受注残高は97億22百万円(前年同期比16.5%増)の大幅増となりました。売上高についても123億54百万円(前年同期比10.1%増)、セグメント利益は更なる収益性改善に努めた結果、16億28百万円(前年同期比8億47百万円増)となりました。
電子機器
接合機器及びセンシングソリューションは、スマートフォン関連や民生機器の需要減及び設備投資計画の見直しにより、売上高は54億0百万円(前年同期比32.6%減)、セグメント利益は3億23百万円(前年同期比7億47百万円減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ9億38百万円減少し、21億8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びそれらの要因は次のとおりであります。
「営業活動によるキャッシュ・フロー」
営業活動の結果使用した資金は、8億60百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益及び仕入債務が増加したものの、売上債権及び棚卸資産の増加により資金が減少したことによるものであります。
前年同期比では、売上債権の増加等により42億12百万円使用が増加しております。
「投資活動によるキャッシュ・フロー」
投資活動の結果獲得した資金は、1億51百万円となりました。これは主に土地を売却したことによる収入及び有形固定資産取得による支出によるものであります。
前年同期比では、固定資産売却による収入が増加したこと等により4億14百万円使用が減少しております。
「財務活動によるキャッシュ・フロー」
財務活動の結果使用した資金は、2億30百万円となりました。これは主に借入金の返済によるものであります。
前年同期比では、借入金の返済が減少したこと等により21億3百万円支出が減少しております。
なお、当連結会計年度末における借入金残高は、前連結会計年度末に比べ2億20百万円減少し、36億50百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
セグメントごとの「生産、受注及び販売の実績」を示すと次のとおりであります。
(a)生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
情報システム |
12,248 |
108.6 |
|
電子機器 |
5,802 |
74.8 |
|
計 |
18,051 |
94.8 |
(b)受注実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
情報システム |
13,732 |
109.5 |
9,722 |
116.5 |
|
電子機器 |
4,109 |
53.5 |
873 |
40.4 |
|
計 |
17,841 |
88.2 |
10,595 |
100.8 |
(c)販売実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
|
情報システム |
12,354 |
110.1 |
|
電子機器 |
5,400 |
67.4 |
|
計 |
17,754 |
92.3 |
(注)主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
日本電気㈱ |
3,695 |
19.2 |
4,293 |
24.2 |
|
富士通㈱ |
3,867 |
20.1 |
4,021 |
22.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は、第5「経理の状況」1.「連結財務諸表等」(1)連結財務諸表 注記事項 の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。
この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における経営成績等の状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社企業グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは以下のとおりです。
(一定の期間にわたり履行義務を充足する契約における収益認識)
一定の期間にわたり履行義務が充足されると判断した契約については、履行義務の充足に係る進捗度に基づき収益を認識しております。履行義務の充足に係る進捗度については、総原価見積額に対する発生原価の割合(インプット法)で算出しております。総原価見積額は、契約ごとの連結会計年度末における見積値を使用しておりますが、見積値算定にあたっては、作業内容及び工数の見積りに不確実性を伴うため、当社企業グループの業績を変動させる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社企業グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
新型コロナウイルス感染症については、感染症対策により経済社会活動が正常化に向かう中で経済政策や海外経済の改善により景気持ち直しの動きが期待されます。しかし、感染症の更なる拡大や新たな変異株の発生等により、お客様への訪問等の営業活動や部品入手に支障をきたすおそれがありますが、情報システムは防衛関連製品が中心のため安定しており、電子機器は主に電池、モーター等関連の設備投資やヘルスケア、産業保安及びスマートファクトリー等関連需要が期待されます。
これらにより、新型コロナウイルス感染症による当社企業グループにおける翌連結会計年度以後の業績に与える影響は限定的なものと仮定し、当連結会計年度の会計上の見積りを行っております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限の緩和や各種政策の効果により、社会経済活動の正常化と景気の緩やかな持ち直しの動きがみられました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化、世界的な金融引き締めが続く中での為替の大幅な乱高下、中国経済の新型コロナウイルス対策による景気への影響、世界的なエネルギー価格の上昇、原材料価格の上昇や供給面での先行き不透明感などで厳しい状況となりました。
当社企業グループを取り巻く事業環境は、世界的な購買意欲の低迷によるスマートフォンなどの需要減や半導体不足等による電子部品関連メーカー及び自動車関連メーカーの減産に伴い、回復を見込んでいた設備投資に足踏みがみられ、電子機器の関連需要は予断をゆるさない状況が続きました。
このような状況において当社企業グループは、更なる成長に向けて経営基盤強化と成長戦略を推進してまいりました。センシングソリューションでは、工場や施設での人による巡回点検に代わり、設備の異常発熱や温度上昇の予兆を検知し、警報発報や異常箇所を特定し通知することで、事故や故障を未然に防止する遠隔監視用赤外線サーモグラフィを開発し、発売しました。接合機器では、EV車市場の急速な拡大に伴い、需要が大きく伸長している大型車載モーターのコイルと端子の接合において、品質向上及び生産性向上のため、はんだレスで直接接合するヒュージング接合に最適な大電流通電・高精度制御による溶接を可能とする高信頼性インバータ式抵抗溶接機を開発し、発売しました。また、電子機器製品の受注拡大を目指し、タイ(バンコク)での駐在員事務所の開所、並びに当社電子機器製品をお客様に「見て」「触って」「経験」いただけるソリューションセンターを開設しました。ソリューションセンターでは、アプリケーションと製品を展示し、お客様の持ち込みサンプルの実験も可能なショールームに加え、電子機器製品の特長や技術等をご説明するセミナールーム、海外とのオンライン商談や遠隔プレゼンテーション・技術支援などを実施するウェビナールームを備え、お客様の困りごとに対する当社のソリューションを具体的に体感し、よりリアルな導入イメージを持っていただける場所としております。
情報システムでは、受注残高を積み上げながら、生産平準化や収益性の向上に努めるとともに、防衛関連予算の動きを注視しながら、既存事業の領域拡大及び次期防衛装備品事業など将来案件の提案活動を進めました。
また、全社活動としましては、生産設計力の強化と継続的な改善に向けたプロセス構築、三現主義監査による品質管理強化を推進し、原価低減及びものつくり力の向上に努めてまいりました。
(b)売上高
売上高は、177億54百万円(前年同期比7.7%減)となりました。
情報システムの売上高は、大型プロジェクトが堅調に推移したことにより123億54百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
電子機器の売上高は、スマートフォン関連や民生機器の需要減及び設備投資計画の見直しにより54億0百万円(前年同期比32.6%減)となりました。
(c)売上総利益
売上総利益は、原価率が改善したことにより57億43百万円(前年同期比4.9%減)となり、売上総利益率は32.4%となりました。
(d)販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前年同期比3億99百万円減少の37億92百万円となりました。
この結果、営業利益は19億51百万円となりました。これは、生産設計力強化等の全社活動による売上原価率の前年同期比0.9%改善及び諸経費の削減によるものです。
(e)営業外損益、経常利益
営業外損益は、前年同期比18百万円改善の26百万円の損失となりました。
この結果、経常利益は19億25百万円となりました。
(f)親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益及び経常利益が改善したこと等により前年同期比1億95百万円増加の18億20百万円の利益となりました。
③ 資本の財源及び資金の流動性
(契約債務)
2023年3月31日現在の契約債務の概要は次のとおりであります。
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年度別要支払額(百万円) |
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契約債務 |
合計 |
1年以内 |
1年超3年以内 |
3年超5年以内 |
5年超 |
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短期借入金 |
1,510 |
1,510 |
- |
- |
- |
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長期借入金 |
2,140 |
60 |
120 |
1,960 |
- |
上記において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
(財政政策)
当社企業グループにおける主な資金需要は、情報システム、電子機器の製造・販売を行うために必要な運転資金、販売費、研究開発活動などがあります。必要な資金は主に営業活動によるキャッシュ・フローで得られる資金を充当し、必要に応じて金融機関からの借入金による調達を実施しております。
(a)資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9億4百万円増加の239億64百万円となりました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ15億59百万円増加し、174億3百万円となりました。これは主に情報システムの受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ6億55百万円減少し、65億60百万円となりました。これは主に土地及び投資その他の資産が減少したことによるものであります。
(b)負債
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ5億0百万円減少の117億93百万円となりました。
流動負債は前連結会計年度末に比べ3億17百万円減少し、70億67百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金、電子記録債務が増加したものの、短期借入金及び未払金が減少したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ1億82百万円減少し、47億26百万円となりました。これは主に長期借入金が増加したものの、繰延税金負債が減少したことによるものであります。
なお、当連結会計年度末における借入金残高は前連結会計年度末に比べ2億20百万円減少し36億50百万円となりました。
(c)純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、121億70百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したことによるものであります。
(d)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
当社企業グループは、独自のエレクトロニクス技術とシステム技術をもとに、新しい価値を創造することを目指し、先端技術分野での基礎研究、応用研究をはじめとして、事業運営に直結した新技術、新製品の開発を行っております。
現在の研究開発活動は主に情報システム及び電子機器の技術部門により進めております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
(1)画像処理(検知/識別)における人工知能活用の研究
近年、ドローンをはじめとする無人航空機の活用は爆発的に拡大しており、その有用性については十分に証明されつつあります。しかしながら、無人航空機は重量等により飛行時間や搭載機器が限られており、大型で高価な衝突回避システムでは本来の性能を制約してしまうため、より小型で安価な衝突回避システムのニーズが顕著となることが予想されます。
そこで当社企業グループでは昨年まで実施した衝突回避システムのための光波センサーを用いた物体検知技術の製品化を加速すべく、当該技術を実装するハードウェアとソフトウェアの標準環境の構築を開始しました。2022年度は、データに情報を付加するアノテーションに必要な標準環境の構築を行いました。今後、標準環境の構築を継続し、さらなる検知精度の向上を行ってまいります。
(2)高信頼性インバータ式抵抗溶接機「NRW-IN900P」及び高効率トランス「NT-IN32K444」の開発
「脱炭素社会の実現」に向けて全世界で推進されている二酸化炭素(CO2)削減の取り組みにより、EV車の市場が急速に拡大しています。それに伴い、駆動用の大型モーターの需要が拡大しています。また同時に大電流に対応したバスバー、ハーネス、ブレーカー、接点などの電気部品の需要も増加しています。
このたび当社企業グループにおいては「大型モーター」や「車載電装品」の生産に必要となる大電流による溶接や生産性及び品質向上といったニーズに対応するため、高信頼性インバータ式抵抗溶接機「NRW-IN900P」及び高効率トランス「NT-IN32K444」を開発いたしました。
本製品は従来の当社企業グループ製品にはなかった下記の機能を有しております。
1)大型駆動モーターのヒュージング溶接等を可能とする最大32,000Aの大溶接電流出力を実現
2)車載市場に求められる高い溶接品質と生産性向上の両立を実現するための以下の新機能を実現
①パルセーションモードでの多段、長時間通電機能
②センサー入力による通電中補正機能
③アナログ入力制御機能
3)溶接条件出しに便利な溶接波形モニタリング新機能を実現
本製品により大溶接電流の出力が可能となり、上記のような多彩な新機能を追加したことで、確実な電気的導通と安定した仕上がり寸法が求められるモーターなどを高精度に溶接することができます。
以上の特徴により様々な顧客ニーズに対応することで、顧客価値を高めると同時にこれまで以上に社会課題解決に貢献できる製品となっております。
(3)赤外線サーモグラフィ「ネットワークサーモN50」の開発
近年、高度経済成長期に建設された様々な工場や施設の設備の老朽化による事故が多く発生する傾向にあります。一方、少子高齢化が進み、それら設備を維持するための保守点検・検査要員不足が社会的な問題となっております。これらの市場ニーズに対し、人による巡回点検に代わり、点検・検査箇所に常設し遠隔監視することで設備の異常発熱を検知し、保守点検・検査要員不足を補うことを目的とした遠隔監視用赤外線サーモグラフィ「ネットワークサーモN50」を開発しました。従来の当社企業グループの遠隔監視ソリューションでは実現していなかった以下の技術を搭載し、システム構築のトータルコストを抑制するソリューションを提供いたします。
・WEBサーバー機能を搭載することで専用ソフトウェアを使わずに汎用のWEBブラウザーにて、複数台で熱画像表示、操作が可能
・構造設計及び部品選定を最適化することで環境性能を向上させ、サーモグラフィ単体での屋外設置が可能
本製品の特徴を活かし、変電設備の予兆検知(異常発熱を検知し、劣化による故障を検知)や鉄道架線、橋梁などの状態監視、ごみ処理場などの発火監視の用途に対し、「スマート化」・「複数台のネットワーク接続」を提供し、社会課題の解決に貢献してまいります。