第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

極東貿易株式会社は、1947年の設立以来、機械関連を主体とするエンジニアリング商社として、常に国内外のニーズに対応し、先進技術や製品の取り扱いに努めてまいりました。

時代の変遷とともに、メーカー数社もグループ会社に加えたことにより、ものづくり商社という性格も持つ企業集団として当グループは今に至っております。

新しい時代「令和」の到来とともに、当グループは、創業時からの経営理念であった「必要な技術を、必要な企業へ」を「ニーズとシーズの橋になる」へと改め新しいスタートを切りました。

目に見える技術に留まらず、仕組みやノウハウを必要な企業に留まらず、プラスワンを必要としている社会へ当グループは、「ニーズ」と「シーズ」を結ぶ橋になることによって、お取引先だけでなく、社会全体に「充実」「満足」を提供する企業集団へと進化してまいります。

しかし、時代が変わり、経営理念が変わろうとも、「人」を重んじ、「技術」に長じ、「信頼」を全ての関係の基本とする当グループの社是である『人と技術と信頼と』は、不変の精神として全てのステークホルダーの皆様とともに歩んでまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

急速に変化する社会情勢や世界経済の動き、またカーボンニュートラルへの対応、DXの活用など産業界の大きな改革意識といった事業環境に迅速に対応し、中長期的な発展に資する取り組みに注力するため、当グループは「KBKプラスワン2025」策定し、2021年5月に発表いたしました。
この中期経営計画における具体的な経営目標について以下の通り設定しております。
計画最終年度にあたる2026年3月期まで達成すべき目標として、
・連結経常利益25億円
・ROE 8%
・株主還元 2022年3月期より3年間は配当性向100%維持
・M&A等事業投資枠 計画期間5年総額50億円
以上となります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

中長期的な企業価値向上に向け当グループの持続的成長と積極的な株主還元を実現させるため「KBKプラスワン2025」においては、重点施策の枠組みを下記の3つに再度整理して推し進めてまいります。
・サステナブルな社会を実現するための新分野における事業展開と投資実行。
・株主価値向上に資する資本政策の実行。
・パラダイムシフトの中で「想像」し「創造」できる人材の育成。
 また、当グループはサステナブルな社会実現に向けた5つの分野での成長ドライバーに注力し、3つの事業セグメントに横断的な下記分野におけるプロジェクトを組成し、新たな事業ドメインの構築を目指します。投資枠50億円はこれら5つの分野に優先的に投資いたします。
① 再生可能エネルギー
② 水素・電池
③ 環境衛生
④ バイオプロダクツ
⑤ 産業向けDX・IoT
 

中長期の成長を支える資本戦略として、事業活動に必要な資産は確保しつつ、資本コストを意識し、事業価値向上に資する事業投資や資本政策を機動的に実行してまいります。中期経営計画の当初3年間となる2022年3月期から2024年3月期においては配当性向100%を維持し、積極的な株主還元を行うとともに資本効率性も高めます。
「KBKプラスワン2025」では、2022年3月期から2024年3月期までを事業環境の大規模変化に迅速に対応するための「変革期」(Phase I)、2025年3月期から2026年3月期までをかかる成長基盤を生かした「発展期」(Phase II)と定義しております。
 

(4) 会社の対処すべき課題

今後の世界経済の見通しにつきましては、長期化が予想されるロシアのウクライナ侵攻の影響による、資源価格や食料品等の高騰が世界的なインフレをもたらすことに加え、金融引き締めによる消費の下振れなど、景気の先行きは不透明な状況が継続しております。また、我が国経済も、政府主導による行動制限緩和政策の効果により、訪日観光客の増加や社会経済活動の正常化回復が期待できるものの、物価高騰による内需の低迷や原材料及びエネルギー価格の高騰などによって景気動向は伸び悩み、当グループを取り巻く環境は、不透明で予断を許さない状況となっております。

当グループは2023年3月期に中期経営計画「KBKプラスワン2025」の政策に掲げる事業ポートフォリオ最適化の一環としてコスト構造の見直しによる収益改善につながる構造改革を断行し、コロナ後を見据えた収益を生み出す企業集団としての体制整備を行いました。また、当中期経営計画で推し進める新事業の一つである洋上風力発電に関わる事業では大口案件を受注するなど、着実に計画を実行しており、インド現地法人が展開するフィーダー関連事業も本格化することによって連結子会社となり、グローバルに新たな収益源泉を創出してまいりました。

2024年3月期においても、新分野における事業展開と投資実行を加速することで当グループの事業に厚みを持たせ、中期的な収益力の強化に努める方針です。資本政策としても引き続き計画通りに積極的な株主還元を実行することで株主価値を高める方針であり、当グループの成長を担う社員の育成を着実に進めるべく、中長期的な視野で人材投資を行い、社員が活躍できる環境整備を積極的に行ってまいります。

また、当グループは2021年改訂コーポレートガバナンスコードを遵守し、従前にも増してコーポレートガバナンスの強化に努めるとともにリスク管理体制とコンプライアンス体制を拡充していくことにより内部統制システムの強化も実現していく所存です。

以上を踏まえ、当グループは今後もサステナブルな社会を実現するための事業を展開していくことにより企業価値の向上を実現いたします。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

当社は2023年5月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明いたしました。経営理念である「ニーズとシーズの橋になる」の考えを基に、気候変動に真摯に向き合い、事業に影響する機会・リスクへの理解を深化させ、TCFD提言に基づく気候変動関連の情報開示に努めてまいります。

 

 (1)ガバナンス

当グループは、ESGを意識した取組みを中期経営計画の戦略の一つとして位置付け、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労慟環境などへの配慮や公正・適切な処遇といったサステナビリティを巡る課題への対応を経営上の重要課題と認識しています。その諸課題については、当社のガバナンス委員会の下部組織である各種委員会から報告されたリスクをガバナンス委員会が取りまとめ、サステナビリティに関するリスクについては、サステナビリティ委員会に委託され、管理・推進を行います。サステナビリティ委員会及びガバナンス委員会で協議されたサステナビリティに関するリスクや対応等については、ガバナンス委員会を通して取締役会に報告されます。
 取締役会はサステナビリティに関するリスクを含む各種のリスク管理の状況と対応について代表取締役より報告を受け、全社的な経営に係る施策について決議し、監督をします。
 代表取締役は、環境・人的資本への対応をはじめとするサステナビリティに関わる諸課題の審議や決定に関し、最終的な責任を負っています。

 

ESGまたはサステナビリティ推進体制および会議体の役割


 

 

組織・会議体

役割

1 取締役会

代表取締役社長より少なくとも年に2回、ガバナンス委員会の定例報告の一環として、気候変動をはじめとする様々なリスク管理の状況と対応について報告を受け、全社的な経営に係る施策について決議・監督を行う。

2 経営戦略会議 

取締役会で決議された経営目標を達成し、企業価値の最大化を実現するために、経営目標・戦略に関する事項、全社事業計画に関する事項等必要な重要経営事項について審議・決定を行う。

3 ガバナンス委員会

グループ全体の統制が機能しているかを確認することに加え、各種委員会の運営管理を行う。また、気候変動に関するリスクや機会等、各種委員会で認識されたリスクの全社的管理を行う。

4 サステナビリティ委員会

ガバナンス委員会の下部組織として、サステナビリティ推進活動を担う。気候変動に関するリスク等、サステナビリティ課題の評価と対策に責任を有する。サステナビリティ課題に関しては、活動方針の策定や各種取り組みの目標や進捗状況を、ガバナンス委員会を通して最低年に2回、取締役会に報告を行う。

 

 

 (2)戦略

① 気候変動に関する経営戦略(TCFD提言への取組)

当グループでは、TCFD提言に基づき、気候変動関連のリスク・機会の把握を目的にシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では、国際エネルギー機関(IEA)等の科学的根拠等に基づき1.5シナリオと4シナリオを定義し、2030・2050年時点で事業に影響を及ぼす可能性がある気候変動関連のリスクと機会の重要性を評価しました。
 
分析対象範囲:極東貿易株式会社、ヱトー株式会社

 

シナリオ群の定義 

1.5℃シナリオ

4℃シナリオ

日本政府により炭素税の導入等、厳しい気候変動対策が推進され、抜本的な社会変革が起こり、プラスチック規制や気候変動関連情報開示への対応が求められる。
一方で、洪水・浸水等、自然災害の被害は限定的なものに留まる。

政府による、現行を上回る気候対策は実施されず、気候変動対応は求められない。
一方で、気温上昇の影響による渇水、洪水などの異常気象が顕在化し、拠点が被災、対応コストや被災時の回復費用が見込まれる。

 

 

リスク・機会一覧

当グループは気候変動に関連する様々なリスク・機会を検討した上で認識したリスク・機会を記載しております。

 

影響度

大:当グループの事業及び財務への影響が大きくなることが想定される

中:当グループの事業及び財務への影響がある程度大きくなることが想定される

小:当グループの事業及び財務への影響が軽微であることが想定される

 

 

リスク

リスクの種類

リスクの内容

事業及び財務への影響

(財務的影響)

1.5℃

4℃

移行リスク

(2030年)

政策・法規制

炭素税導入により、運用コスト(施設電気使用料など)が増加する

-

炭素税導入により、CO2排出量削減のための省エネ化が求められ、設備導入などの対応費が増加する

-

プラスチック規制により代替素材(代替プラスチック等)を使用することで、素材のコストが増加する

物理リスク

(2050年)

急性

異常気象により、自社事業拠点が被災し、売上機会を喪失する

 

 

機会

機会の種類

機会の内容

事業及び財務への影響

(財務的影響)

1.5℃

4℃

製品・サービス

プラスチック規制により、バイオプラスチックの需要が拡大する

クリーンエネルギーの推進により、エネルギー開発分野における包括的なサービスの需要が促進され、売上機会が増加する

市場

環境負荷低減やエネルギー効率性への意識の高まりから、風力発電用ブレードや輸送車両フレーム等の軽量化が求められ炭素繊維複合材料の売上機会が増える

-

 

 

特に重要なリスクへの対応について

 影響度評価の結果、特に重要と判断したリスクに対して対応をとってまいります。

項目

事業インパクト

対応策

代替プラスチック

プラスチック規制による代替素材(代替プラスチック)の使用から、素材のコストが増加する

より安価な原料の活用

プラスチック利用量の削減

環境価値に基づくバイオプラの優遇税制を利用

環境価値アピールによる、購買意欲向上

顧客の評判変化

消極的な気候変動対応に留まった場合、外注先として当グループを選定しなくなり、売上機会を失う

各種国際環境イニシアチブへの参画

異常気象

浸水被害による営業停止が原因で、利益が減少する

台風等の激甚化に伴って、サプライチェーン上で遅延が発生し、納品が遅れ、対応費用が生じコストがかかる

バックアップ拠点の設置

複数輸送手段(陸・空・海)の確保

損害保険への加入

BCP(事業継続計画)整備による拠点・事業所のレジリエンス強化

 

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

当社では「人と技術と信頼と」という社是の元、経営者、従業員間の相互信頼と協調をもとに、個人の創意工夫とチームワークの強みが発揮できる環境を構築することを、経営理念として掲げ、また、性別・国籍など個人の属性にとらわれず、人権を尊重し、差別せず、従業員の人格・個性を尊重すること、多様な従業員が仕事と生活の調和を保ちつつ、ゆとりと豊かさを実現するために、働きがいがあり働きやすい職場環境を構築すること、さらに従業員の能力を最大限発揮できるための人事制度や教育研修体系を整備することを、基本的な方針としています。

 

 

 (3)リスク管理

当社では当グループのサステナビリティマネジメント体制構築のため、気候変動などの地球環境問題への配慮、人権の尊重、従業員の健康・労慟環境などへの配慮や公正・適切な処遇といったサステナビリティを巡る課題全般を検討する横断的な組織として、サステナビリティ委員会を設置し、全社的な影響への対応を推進してまいります。サステナビリティに関するリスクと機会は、サステナビリティ委員会で識別・分析され、対応策を検討・実施します。サステナビリティ委員会の機能については、ガバナンス委員会によって管理を行い、全社的リスク管理プロセスに統合されます。

 

 (4)指標及び目標

① 気候変動リスクに関する指標

当グループは、気候変動関連のリスクと機会の評価指標として、温室効果ガス排出量の算定を行なっております。2023年3月期はScope1にあたる「燃料の使用(CO2)」、Scope2にあたる「他人から供給された電気の使用(CO2)」を算定しました。

今後も温室効果ガス排出量の把握を継続し、対象範囲の拡大や、排出量を削減していくことができるよう、体制づくりを進めてまいります。

 

(単位: t-CO2)

項目

マーケット基準

ロケーション基準

Scope1

169

Scope2

502

514

合計

671

683

 

開示範囲:極東貿易株式会社、ヱトー株式会社

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

上記の方針のもと、中期経営計画における重点施策「パラダイムシフトの中で「想像」し「創造」できる人材の育成」を推進し、「従業員の健康と尊厳に配慮した労働環境の整備」の取り組みのため、次の施策に取り組んでいます。

 

施策

指標

実績

(当事業年度)

目標

(1)有給休暇取得率の向上

有給休暇取得率

69.8%

2024年度までに

75%

(2)高い健康診断受診率維持

健康診断受診率

97.9%

2023年度

100%

(3)女性管理職の拡大

女性管理職に占める

上級管理職

(部長職相当)の割合

20.0%

2025年度までに

50%

 

※ 当社単体で指標及び目標を設定しています。

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) マクロ経済環境の影響によるリスク

当グループはグローバルにビジネスを展開し、売上高のうち輸出入取引と外国間取引は約5割を占めており、取扱製品、取扱サービスの販売先国、仕入先国または各地域の経済状況、景気動向および各国市場の影響を受けます。輸出入取引においては中国との比重が高く、今後の米国による半導体製造装置等の対中国政策によって当グループの取引品目に制約がかかる可能性も想定され、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーの高騰や、ロシアへの我が国を含む各国の経済制裁措置により、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 為替リスク

当グループが行う輸出入取引及び外国間取引において外貨建決済を行うことに伴い、外貨レート変動のリスクがあります。これらの取引に対し為替予約によるヘッジを行っておりますが全てが回避される保証はありません。

この他、当グループの海外企業との取引により発生する販売仕入、費用、資産を含む当該外貨建ての項目は円換算されており、換算時の為替レートによりこれらの項目の円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 

(3) 製品に関するリスク

当グループが製品を輸入し国内で販売する場合には当グループが製造物責任(PL)の責任主体とされるほか、輸出する製品についても輸出先において製品の欠陥に基づく賠償を請求される可能性があります。PL保険によりリスクヘッジを講じておりますが、最終的に負担する賠償額を全てカバーできる保証はなく、欠陥によっては賠償額が多額となることも考えられ、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 投資に関するリスク

当グループは、第三者との合弁事業、第三者に対する投資を通じて多様な事業分野に参入しております。しかしながら、これらの事業の進展は、当該事業のパートナーの業績や財政状態といった当グループが制御しえない要因による場合があり、その予測が困難なことがあります。その結果、当グループが重大な損失を被る可能性があり、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) カントリーリスク

海外との取引、投資、資本・業務提携等の海外市場への事業進出には、各国および各地域の環境、経済情勢、諸事情により、法律や規制の変更、政治不安定、不利な税制や経済要因、テロ、戦争その他の社会的混乱等に起因したリスクが想定され、ロシアによるウクライナ侵攻により両国については引き続き大きなリスクが想定されます。

また、当グループが事業活動を展開している各国における政治、法環境、税制の変化、労働力の確保、経済状況の変化など予期せぬ事象により、代金回収、事業の遂行等に問題が生じるおそれがあります。

 

(6) 競合に関するリスク

当グループが提供する商品及びサービスの市場においては、従来の競合会社に加え、近年においては特に新興国企業の技術力の進展や低価格品の流通により、競合が激化しております。このような厳しい環境の中においても、当グループは、エンジニアリング商社グループとしての技術力を一層向上し、より高い付加価値を顧客に提供することにより、当グループの収益力を強化するとともに、海外戦略やグループ戦略を軸に事業展開を拡大する方針でありますが、低価格競争や新規参入業者の増加に対して、顧客の求める競争力のある価格で商品や技術等を提供できない場合は、当グループの業績や事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 売上計上時期の変更及び業績の偏重に関するリスク

当グループの売上高の計上時期は、顧客の検収時期等により変動するため、当初の予定時期から変更する場合があります。特に大口の機械又は設備の納入案件及び官公庁向けの案件については、年度末となる3月に納入時期が集中する傾向にあり、3月に納入を予定していた案件の納入時期や顧客の検収時期が何らかの理由により翌期に変更となった場合、又は3月に納入を見込んでいた案件を受注できなかった場合は、当グループの当期の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 役職員の確保に関するリスク

当グループの事業活動において、エンジニアリングや先端技術の発掘には役職員各人の能力に基づく部分も多く、優れた人材の確保または育成は必須の要素となります。優秀な人材の確保が出来なかった場合には、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 法的規制に関するリスク

当グループは事業展開する国内外において様々な法律の適用を受けるほか、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な規制の適用を受けます。

これらの法規制遵守のための費用負担が増加する可能性があるほか、これらの法規制を遵守出来なかった場合には、罰則・罰金が科せられるとともに、当グループの事業活動が制限され信用の低下を招き、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 退職給付費用および債務に関するリスク

当グループの従業員退職給付費用および債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、一般的には、将来の費用および計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下や運用利回りの悪化は、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 訴訟等に関するリスク

当グループは、事業を遂行する上で、訴訟等を提起されることにより予期せぬ賠償請求を命じられる可能性があり、当グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 自然災害等に関するリスク

 地震や台風等の自然災害、新型の感染症等が発生した場合には、事業継続計画(BCPプラン)に基づき対応してまいりますが、サプライチェーンや商品の調達、提供等に支障が生じ、当グループの事業が遅延または中断する場合も想定され、発生時には当グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が和らぎ、行動制限や海外渡航制限が緩和されたことを受け経済活動の正常化が進み、緩やかな回復の兆しが見られました。しかしながら、世界的な原材料価格の高騰および円安の影響による物価の上昇が続き、またロシア・ウクライナ問題の長期化、各国の金利引き上げ継続や欧米の金融危機の表面化など、国内外ともに景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

このような経済環境の中、当グループは中期経営計画「KBKプラスワン2025」の2年目として、重点施策の一つである「サステナブルな社会を実現するための事業展開と投資実行」に取り組み、営業組織再編等、事業ポートフォリオの最適化を加速させ、新たなソリューションの提供のため新規事業分野へリソースを注力してまいりました。また積極的な株主還元策など「株主価値向上に資する資本政策の実行」や、急激に変貌する市場環境やニーズに対応するため「パラダイムシフトの中で『想像』し『創造』できる人材の育成」という重点施策も着実に実行してまいりました。

 

(1) 財政状態の分析

当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。

当連結会計年度末における総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ9億90百万円減少し、445億22百万円となりました。その主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が13億69百万円減少、前渡金が5億35百万円増加したこと等によるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ19億20百万円減少し、209億69百万円となりました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が8億7百万円減少、長期借入金が6億28百万円減少したこと等によるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ9億29百万円増加し、235億53百万円となりました。これは主として為替換算調整勘定が7億19百万円増加、利益剰余金が2億36百万円増加したことによるものです。

 

(2) 経営成績の分析

当連結会計年度につきましては、産業インフラ関連事業においてヨーロッパ現地法人のロシアEVバス向けリチウムイオン電池事業がウクライナ問題によるロシア事業の消失などにより落ち込む一方、海外プラント向け重電事業が昨年度に引き続き好調に推移いたしました。また、機能素材関連事業においては北米向け自動車部品用樹脂・塗料に持ち直しが見えたほか炭素繊維関連が好調に推移し、ねじ関連事業は引き続き建設機械向け、産業機械向けが非常に好調に推移いたしました。

この結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ29億52百万円増加の、426億57百万円となり、売上総利益は前連結会計年度に比べ7億7百万円増加89億1百万円となりました。営業利益につきましては、販売費及び一般管理費が4億65百万円増加しましたものの売上総利益が増加したことにより前連結会計年度に比べ2億41百万円増加10億円となり、経常利益につきましては、営業利益および為替差益の増加などにより前連結会計年度に比べ2億27百万円増加15億23百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、事業ポートフォリオ最適化に伴う構造改革費用および減損損失を特別損失として計上したものの、投資有価証券売却益の計上に加え、経常利益の増加などにより前連結会計年度に比べ2億35百万円増加10億17百万円となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度の期首より従来の4セグメントから3セグメントに変更しており、以下については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で記載しております。

 

産業設備関連部門

資源・計測関連事業において自動車検査装置事業が堅調に推移し、洋上風力発電関連事業も本格的に立ち上がりました。産業インフラ関連事業においては海外プラント向け重電事業が好調であったものの、ヨーロッパ現地法人のロシアEVバス向けリチウムイオン電池事業がウクライナ問題によるロシア事業の消失により落ち込み、またコロナ禍の影響で基幹産業向けの輸入設備関連において進捗の遅れ等が発生し低調に推移しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ10億86百万円減少115億91百万円となり、セグメント利益は19百万円減少6百万円の損失となりました。

 

産業素材関連部門

生活・環境関連事業において食品業界向け排水処理設備事業の立ち上げが遅れているものの、機能素材関連事業は自動車業界向け樹脂・塗料事業において、コロナ禍及び半導体供給不足の影響が和らぎ北米向けに持ち直しが見られたほか、炭素繊維複合材関連が堅調に推移しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ22億93百万円増加130億39百万円となり、セグメント利益は91百万円増加2億28百万円となりました。

 

機械部品関連部門

ばね関連事業は車載備品用定荷重ばねが量産受注の終了により伸び悩みました。一方、ねじ関連事業において、建設機械向けおよび産業機械向けが国内や北米を中心に非常に好調に推移し売上拡大に貢献しました。この結果、売上高は前連結会計年度に比べ17億45百万円増加180億26百万円となり、セグメント利益は1億69百万円増加7億80百万円となりました。

 

売約及び売上等の状況

(1) 売約及び売上等の状況

(イ)業態別

 

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

期首

売約残高

(百万円)

売約高

(百万円)

売上高

(百万円)

期首

売約残高

(百万円)

売約高

(百万円)

売上高

(百万円)

期末

売約残高

(百万円)

輸出取引

2,554

6,144

6,469

2,229

6,736

5,469

3,496

比率(%)

 

 

16.3

 

 

12.8

 

輸入取引

2,243

5,193

4,814

2,627

4,688

4,931

2,383

比率(%)

 

 

12.1

 

 

11.6

 

外国間取引

367

9,053

9,081

333

11,319

11,326

326

比率(%)

 

 

22.9

 

 

26.6

 

国内取引

3,548

19,503

19,339

3,712

21,060

20,930

3,843

比率(%)

 

 

48.7

 

 

49.1

 

合計

8,712

39,895

39,705

8,903

43,804

42,657

10,050

比率(%)

 

 

100.0

 

 

100.0

 

 

(注)業態間取引については、相殺消去しております。

 

(ロ)商品別

 

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

期首

売約残高

(百万円)

売約高

(百万円)

売上高

(百万円)

期首

売約残高

(百万円)

売約高

(百万円)

売上高

(百万円)

期末

売約残高

(百万円)

産業設備関連部門

7,499

12,998

12,673

7,823

11,924

11,591

8,156

比率(%)

 

 

31.9

 

 

27.2

 

産業素材関連部門

1,105

10,554

10,745

915

13,713

13,039

1,589

比率(%)

 

 

27.1

 

 

30.6

 

機械部品関連部門

108

16,342

16,286

164

18,166

18,026

304

比率(%)

 

 

41.0

 

 

42.3

 

合計

8,712

39,895

39,705

8,903

43,804

42,657

10,050

比率(%)

 

 

100.0

 

 

100.0

 

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 仕入の状況
(イ)業態別

 

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

仕入高(百万円)

比率(%)

仕入高(百万円)

比率(%)

輸出取引

4,154

13.3

3,193

9.8

輸入取引

4,469

14.3

2,402

7.3

外国間取引

7,395

23.6

9,597

29.3

国内取引

15,327

48.9

17,563

53.6

合計

31,346

100.0

32,757

100.0

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.業態間取引については、相殺消去しております。

 

(ロ)商品別

 

区分

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

仕入高(百万円)

仕入高(百万円)

産業設備関連部門

10,312

8,165

産業素材関連部門

8,694

10,642

機械部品関連部門

12,339

13,949

合計

31,346

32,757

 

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

① 流動性と資金の源泉

当社は、現在及び将来の事業活動に必要な流動性の維持及び財務の健全性・安定性維持を基本方針としております。当社は、グループ内の資金の管理を当社に集中させる事で事業展開における資本効率の最適化を図っております。当社は営業活動に関するキャッシュ・フロー、投資活動に関するキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を内部的な資金の主な源泉として考えていますが、必要に応じて、銀行からの借入金を中心とした資金調達も積極的におこなっています。

② キャッシュ・フローの増減

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億39百万円増加78億10百万円となりました。増減額の増減要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローでは、15億89百万円の収入(前年同期比20億99百万円増)となりました。その主な要因は、売上債権の増減額が23億76百万円減少、前渡金の増減額が19億66百万円減少、仕入債務の増減額が36億40百万円増加、契約負債の増減額が23億90百万円増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、37百万円の支出(前年同期比9億89百万円減)となりました。その主な要因は、関係会社株式の清算による収入が3億68百万円減少、定期預金の預入れによる支出が2億49百万円減少したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、16億73百万円の支出(前年同期比10億44百万円減)となりました。その主な要因は、長期借入れによる収入が11億円減少したことなどによるものであります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における当グループの研究開発費の総額は11百万円であります。
主として、産業設備関連部門に属する日本システム工業株式会社において地震計関連機器の研究開発活動を行っております。