文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営戦略
当社グループは中期経営計画『Vision2021・新たな発展を目指して』を策定しており、以下の基本方針・基本戦略を掲げて取り組んでおります。
基本方針
①お客様第一の精神で高品質・高付加価値のサービスを提供します。
②経営基盤の安定と強化を基本とし、筋肉質な体質を実現すべく、既存事業について利益率の改善を図ります。
③健全な財務体質を意識した経営を実施します。
基本戦略
①既存事業の拡大・強化
・物流サービスの強化
北関東地区での新倉庫の安定稼働および集荷強化、選別等流通加工業務の拡充、定温設備の拡充、運送子会社3社の積極活用および新規拡充
・海外物流業務の強化
インドネシア倉庫の安定稼働および集荷強化、ASEAN域内の物流強化、新規地域貨物への取組強化
・物流センターの機能拡充
・メーカー物流の強化
・通関体制の強化
申告官署自由化への積極的な対応、通関士増強による通関業務の品質・維持向上
②成長に向けた戦略的投資
・新倉庫建設
横浜港頭地区、東北地区での新倉庫建設
・既存施設の再構築
神戸港湾地区の設備拡充、経費削減への取組強化、関西地区等での既存倉庫の再構築検討等
・ASEAN地区に対する積極的投資
インドネシア新倉庫建設(第二期)
・基幹システムの新規構築
働き方改革に資する業務効率化、BCP強化およびAI、IoTを踏まえた競争力強化
③社内体制の強化
・コンプライアンス、リスク管理の強化
・働き方改革への取組強化
・営業体制の強化
・労働力不足に対応した人財戦略の強化
・社内教育体制の再構築
・女性の積極的登用
(2)経営環境
国内では労働力不足等を背景に働き方改革の推進やAI等新技術の活用が進んでおり、海外ではアジアを中心とした人口増加に伴う急速な経済発展等により、輸出入量や消費市場のさらなる拡大が見込まれておりましたが、昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済活動は停滞しており、消費も抑制されるなど景気の減速が依然として続く状況となりました。当社グループの事業についても世界的な流行拡大による経済の混乱から輸出入貨物の取扱いが減少するなどの影響を受けており、先行きは不透明な状況となっておりますが、当社の取扱う輸入貨物の多くが食料品であり、景気の影響は受けるものの、影響については限定的であると捉えております。
このような状況の中で、現時点では経営方針・経営戦略等の大きな見直しを予定しておらず、策定した中期経営計画の方針に沿って事業計画を進めていく予定としております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは既存事業の拡大・強化、成長に向けた戦略的投資および社内体制の強化を行うことにより利益の拡大伸長を目指しており、そのための重要な課題として以下の点を施策としております。
①既存事業の拡大・強化
既存事業における物流サービスについては、顧客からの要請により、特に当社が主として取扱う輸入食料品について温度管理を行うことによる品質の安定性が重視されており、定温設備の拡充が不可欠となるため、毎年設備の増設、更新を行っております。また、製品の品質向上に向けた流通加工業務にも注力し毎年設備の拡充を行っております。その他、人手不足も懸念される中、外部委託を主としておりました運送業務についても当社グループの運送会社を活用するとすることにより、安定したサービスの供給と業務内製化による経費の圧縮、さらには事業の拡大を図っております。
通関体制については、申告自由化への対応を背景として社内体制の強化が必須となっており、社内教育を含めた通関士の増強による通関業務の品質・維持向上に努めております。
②成長に向けた戦略的投資
貨物の取扱量に対する当社営業倉庫のスペース不足が顕著化しており、顧客へのサービスの低下およびコストの増加を強いることになっております。また、外部倉庫の使用によるコストの増加など当社グループの経営にも大きな影響を及ぼしているため、現状の対応および今後の新たな集荷による事業の拡大を行うために新倉庫の建設を進めております。また、今後の国内の人口減少による需要の減少も予想されることから、今後成長が見込まれるASEAN地区への投資を行い、当社グループの新たな事業として成長させていくことを実施・計画しております。
③社内体制の強化
当社グループが安定的に業務を継続するためには、コンプライアンスの強化、働き方改革への取組みが重要であると考えております。コンプライアンスの強化については、社外役員との積極的な意見交換を図った取締役会の強化、各種ハラスメント撲滅に向けた取組みなどに努めてまいりました。また、働き方改革の取組みとして、差別のない人事制度の実施や人材登用を行ってきましたが、人的資本の確保が今後も重要となりますので、あらゆる面で役職員が働きやすい環境を整えていくことに今後も注力してまいります。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは中期経営計画『Vision2021・新たな発展を目指して』を策定しており、2021年度(2022年3月期)の連結業績目標として、営業収益24,400百万円、営業利益800百万円、営業利益率3.3%、親会社株主に帰属する当期純利益480百万円を掲げております。
当連結会計年度における営業収益は22,439百万円(前期比6.2%減少)、営業利益は467百万円(前期比13.8%減少)、営業利益率2.1%(前期比0.2ポイント悪化)、親会社株主に帰属する当期純利益541百万円(前期比121.8%増加)であり、引き続き当該指標の改善に邁進していく所存であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境の変化
当社グループの主たる事業は、普通・冷蔵倉庫業を中心に、港湾運送業務、貨物運送業務、国際運送業務及び通関業務等を行う総合物流事業であり、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸などの主要港に営業基盤を置き、輸出入貨物の取扱いを中心に事業展開を行っております。倉庫業の特性として、立地する地域の経済活動や消費動向が当該地域の物流量の変化に影響を受け、国際運送業務については、海運市況の影響を受けることから当該市況が低迷した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当社グループが扱う輸入貨物の多くは食料品であり物流量が急激に変化する可能性は低いと認識しておりますが、海外への輸出については当該輸出地域の景気に左右されることもあり、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化した場合にも影響を及ぼしリスクが顕在化する可能性があります。当該リスクへの対応としては、取り扱う輸入、輸出貨物の多様化を図ること、また多様な地域へ事業展開を行うことによりリスクを分散させる試みを実行しております。
(2)業界に関連する法的規則
当社の主要な事業活動である倉庫業は、寄託を受けて顧客の物品を倉庫で保管する受託事業で、物流の中核となる業種であり、倉庫業者として「倉庫業法」の規制を受けております。
当社では「倉庫業法」に基づき、国土交通大臣より「倉庫業」の登録を受けております。当該登録には期限の定めはありませんが、倉庫業法及び倉庫業法に基づく処分又は登録、許可若しくは認可に付した条件に違反したとき及び営業に関し不正な行為をしたときなどは営業の停止を命じまたは登録が取り消される可能性があります。
本書提出日現在、当社グループには登録の取消し事由に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来何らかの理由により、登録の取消し等の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの重要な事業活動にかかる主な許認可は以下のとおりであります。
|
許認可等の名称 |
所轄官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
|
倉庫業 |
国土交通省 |
倉庫業法 |
なし |
また、物流事業を行う当社グループには、倉庫業法以外にも、港湾運送事業法、通関業法、貨物利用運送事業法等に関する法令の規制を受けております。これらの当社グループの事業に関わる法令等による規制の改廃や新設が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
各種業法について理解と見識の低さから違法行為を行う可能性があると認識しており、当該リスクへの対応策として、各分野での勉強会の開催、役職員が常に法令遵守を意識して業務に取り組むようコンプライアンスに関する研修を毎期行っております。
(3)取扱貨物の動向等
当社グループの主要取扱貨物は、輸入貨物の農産品(コーヒー豆、小豆、落花生など)、畜産品(鶏肉、牛肉など)、食料工業品(食料品、食品原料など)であります。そのため、日本の消費者の食品嗜好の変化が当社取扱貨物の動向に影響し、間接的に当社の経営成績に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
食品についての嗜好の変化等は考えられるものの、食品についての急激な需要の低下等は見込まれておらず、リスクが顕在化する可能性は低いと認識しております。また当該リスクへの対応として、食品に対する顧客のニーズに合わせた物流の構築を行うことにより対応を行っております。
(4)食品の輸入停止措置等
当社グループが主力とする食品の輸入貨物の取扱いについては、食品の安全性を確保する見地から、関係当局による特定国を対象とした輸入制限及び輸入停止措置がとられる場合があり、また輸入食品の国内在庫量及び消費動向により輸入量が制御された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
海外からの輸入制限等が行われる可能性については常に起こりうると認識しておりますが、輸入のみならず多様な地域での事業展開を行うことによりリスクを低減させる取組みを実施しております。
(5)自然災害・感染症等
当社グループの主たる事業は、倉庫業を中心とする物流事業であり、地震等の大規模災害が発生した場合は、当社施設も被災し、物流事業の停滞を招く可能性があります。これらの事象は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、未知のウイルス等による感染症の拡大により、事業活動に係る物流体制や営業活動に支障が生じた場合や人的被害が拡大した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響は、当社が取扱う輸入貨物の多くが食料品であり、現時点では限定的ですが、今後さらに深刻化・長期化した場合は、現在建設中の新倉庫の立ち上げが計画通りに進展せず、当社グループの経営成績に貢献するまでに時間を要することとなる可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
台風をはじめ地震等による自然災害については地理的要因からも常に発生のリスクがあると認識しております。当該リスクへの対応として、物流業という公共性の高い事業を停滞させないためにもBCPの構築を行うとともに、当社施設への被災を防ぐための処置を実施しております。
感染症については、世界的に影響を及ぼすものが一定期間内において発生しており、顕在化するリスクがあると認識しております。新型コロナウイルス感染症の拡大に対して当社グループは、取締役会、経営会議等で対応策等を協議しており、集合形式の会議、研修、出張、懇親会等の開催を原則禁止し、在宅勤務、時差出勤等を推進し安全対策を施しております。また、海外においても在宅勤務等を推進し、各国の状況に合わせた対応を行っております。
(6)顧客等の情報管理
当社グループは、国内物流事業及び国際物流事業において、多くの顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理に関するセキュリティ管理体制の維持・向上、コンプライアンスの強化については、社員教育の徹底を図り、リスク発生を予防する一方で、リスク発生時の影響を軽減する対応策を講じております。
管理体制と社員教育を強化し、情報漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩した場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当該リスクへの対応策として、役職員が常に法令遵守を心掛けるようコンプライアンスに関する研修を毎期行っており、リスクが顕在化する可能性は低いと認識しております。
(7)システムトラブルによる影響
当社グループは、各種の物流事業において情報システムを構築し、顧客との情報交換にはインターネットを利用しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。
しかしながら、災害などにより機器やソフトウエアが被災し、システム作動不能や内部情報が消失した場合には、当社グループの経営成績や社会的信用に影響を与える可能性があります。
また、外部からの想定を超えた不正アクセスやコンピュータウイルス感染などにより、システム障害、情報漏洩や改ざんなどの被害を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
不正アクセスやコンピュータウイルス感染による障害等についてはセキュリティ対策を万全に行っているものの、常に発生の可能性はあると認識しております。また災害によりシステムが被災することも想定されますがシステムのクラウド化など、BCP構築の一環として対応しております。
(8)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは法令遵守及び企業倫理とそれらの精神を守り、実践していくことを業務遂行の基本とすることを宣言し、役員及び全従業員に研修会などを通じて、コンプライアンス意識を高めることに努めております。しかし、このような取組みを講じても、完全に履行できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当該リスクへの対応策として、役職員が常に法令遵守を心掛けるようコンプライアンスに関する研修を毎期行い、また、コンプライアンス委員会を設置し法令遵守を徹底しており、リスクが顕在化する可能性は低いと認識しております。
(9)設備投資に係るリスク
当社グループは、国内及び海外において積極的な事業展開を計画しておりますが、仮にこれらの事業戦略が当初計画した経営計画、利益計画及び設備投資計画の通りに進捗せず、投入された資本の回収計画が低下、停滞又は計画の中断に至った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
国内及び海外での様々な要因により事業計画が当初の計画通りとならない可能性は存在しますが、事業計画のモニタリングを随時行い、事業計画の進捗及び分析並びに必要に応じた施策を実行できる体制を整えております。
(10)固定資産の減損処理
当社グループは、倉庫業を中心とした物流事業を営んでおり、事業用の有形固定資産を有しております。2006年3月期から固定資産に関する減損会計が導入され、今後の収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
国内外での事業環境の変化等により固定資産の減損の発生の可能性は常にあると認識しておりますが、事業の収益性を検証し、現在の事業環境に合わせた適切な運営を行うことにより影響を低減する体制を整えております。
(11)退職給付債務による影響
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付債務及び費用は、年金数理人が計算する基礎率に基づいて算出しておりますが、基礎率の変更があった場合、年金資産の時価や運用利回りが低下した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
特に国内外での景気や金融政策により年金資産の時価や運用が低下する可能性はあると認識しておりますが、年金資産の運用を毎期見直すことにより、影響を低減する取り組みを実施しております。
(12)重要な訴訟について
当社グループの経営に大きな影響を及ぼす重要な訴訟等は提起されておりません。しかし、将来、重要な訴訟等が発生し不利な判断を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
予期せぬ訴訟等については発生の可能性はあると認識しておりますが、現時点で予測できる内容はなく、どの程度の可能性があるかは想定できません。
(13)海外事業展開におけるカントリーリスク
当社グループは、アジアを中心に海外事業展開を拡大しつつありますが、海外においては、政治、経済情勢の変化、予期せぬ法規制の変更、自然災害、テロ、戦争等の事態により、事業の継続が困難となる等のリスクが存在します。これらのリスクが顕著化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当社グループでは近年はインドネシアへの投資を拡大しており、今後もインドネシアの経済が発展すると見込んでおりますが、自然災害、為替の変動、景気の減速による消費への影響等もありリスクが顕在化する可能性があると認識しております。リスクの低減を図るため、状況に合わせた投資が行えるよう段階的に展開を行っております。
(14)金利の変動
当社グループは安定的に事業を継続するため必要な設備の新規投資や更新を毎年行っております。その際、有利子負債や自己資本比率について適正水準維持に努めつつも、必要な設備資金を主として銀行借入により調達しております。現在は主に固定金利の長期借入金により資金を調達しているため、一定期間においては金利変動による影響は軽微でありますが、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
ここ何年かの金利水準は極めて低く変動もなく、今後も当面は大きな変動がないと見込んでおります。一方では積極的な事業展開により借入金が膨らむなどリスクとしては増加する傾向となっております。リスクの低減を図るため、自己資本比率等に一定の基準を設けるなどの対策を行い、調達コストの上昇に備えた対応をしております。
(15)保有資産の時価の変動
当社グループは、事業用資産(土地、建物等)及び取引先との緊密な関係維持・強化等を目的とした投資有価証券を保有しております。事業用資産については時価下落や収益性の低下により、また、投資有価証券については株式相場の下落や投資先の財政状態の悪化により、投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上します。これらにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
投資有価証券については、景気や環境の変化により常に損失発生の可能性があると認識しております。リスクの低減を図るため、投資有価証券については時価の変動を含めた有用性の検証を行い保有の可否を検証しております。
(16)他社との競合リスク
当社グループの事業は同業者が多く、厳しい競合状況にあります。当社グループでは、冷蔵倉庫及び普通倉庫の設備を有し、保管・輸送等に一定のノウハウが必要な輸入食料品の取扱いで他社との差別化を図っておりますが、競合の結果、収益や利益率の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
他社との競合のリスクは事業を運営していく上では存在するリスクであり常に顕在化するリスクがあります。リスクを低減する取り組みとしては、当社の培った食料品の取扱いのノウハウと顧客のニーズに合わせた物流の構築を行うことにより対応しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から段階的な経済活動の再開等により持ち直しの動きが見られていたものの、感染症が再拡大傾向になるなど未だ感染拡大収束の兆しは見えておらず、先行き不透明なまま推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは新型コロナウイルス感染防止のため、集合形式の会議、研修、出張及び懇親会等の原則禁止の継続、在宅勤務及び時差出勤等を推進し、感染リスクの低減を図りながら営業活動を維持してまいりました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による当社グループの業績への影響は避けられないものの、現在進行中の
中期経営計画『Vision2021・新たな発展を目指して』で掲げる、北関東地区の新倉庫や海外倉庫の安定稼働、集荷強化等による既存事業の拡大・強化、新倉庫建設やASEAN地区への投資等の成長に向けた戦略的投資については、進捗の遅れはあるものの、当初の予定どおり取り組んでまいりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、新設倉庫にかかる建設仮勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ1,458百万円増加し33,782百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、新規借入れにより長期借入金は増加しましたが、短期借入金の返済による減少、固定負債その他に計上されていた移転補償金を特別利益に振り替えたことによる減少等により、前連結会計年度末に比べ193百万円減少の14,491百万円となり、また、当連結会計年度末の純資産は、子会社の増資による非支配株主持分の増加、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加、為替換算調整勘定の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,651百万円増加の19,290百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり荷動きが低迷しました。下期になり回復の兆しも見えましたが、年初からの荷動きの減少が大きく影響し、倉庫業務及び運送業務等の減少、神戸港での港湾運送業務の減少、また、当連結会計年度において連結子会社1社を売却したことによる影響もあり、営業収益は前期を下回る結果となりました。営業利益については、新型コロナウイルス感染拡大により移動が制限された影響等から、一部経費が減少するなどの要因がありましたが、貨物の取扱高の減少が大きく影響したほか、荷動きが低迷した影響により再保管費用が増加する等の要因もあり前期を下回りました。経常利益については、営業利益の減少はあったものの、海外子会社での受取利息の増加もあり前期を上回りました。親会社株主に帰属する当期純利益についても、経常利益の増加に加え、特別利益に神戸市の再開発に伴う移転補償金等を計上したこともあり、前期を上回りました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は前期比6.2%減少の22,439百万円、営業利益は前期比13.8%減少の467百万円、経常利益は前期比4.0%増加の571百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比121.8%増加の541百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、当社グループが取扱う輸入貨物の多くが食料品であり、影響は限定的であると捉えておりますが、輸出貨物の影響を大きく受ける港湾運送業については今後の状況が不透明であり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内物流事業
(倉庫業)
普通倉庫業務、冷蔵倉庫業務とも食料品等の取扱いが低調に推移したため、入出庫高、保管高とも前期を下回りました。
(港湾運送業)
港湾運送業務は神戸港での港湾運送取扱業務が減少したことにより前期を下回りました。
(貨物運送取扱業務)
貨物運送取扱業務は貨物の取扱いが減少したこと、また当連結会計年度に連結子会社1社を売却したこともあり前期を下回りました。
(その他物流関連業務)
流通加工業務、手続業務等についても貨物の取扱いが減少したことにより前期を下回りました。
その結果、国内物流事業の営業収益は前期比6.6%減少の19,294百万円、セグメント利益は前期比8.4%減少の1,187百万円となりました。
国際物流事業
国際物流事業においては、航空貨物の取扱いが堅調に推移し、海上運賃が高騰するなどの増収要因もありましたが、海外子会社の業績が低調に推移したため、営業収益は前期を下回りました。セグメント利益については航空貨物の増加、海上運賃のマーケットの変動が業績に寄与したこともあり、前期を上回りました(前期はセグメント損失)。
その結果、国際物流事業の営業収益は前期比1.3%減少の2,774百万円、セグメント利益は7百万円(前期はセグメント損失1百万円)となりました。
なお、不動産の賃貸事業及び物流資材の販売事業並びに太陽光発電の売電事業等のその他事業は、営業収益は前期比4.8%減少の445百万円、セグメント利益は前期比3.7%増加の220百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が837百万円となり、減価償却費、定期預金の純増加額、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の純減少額、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出、非支配株主からの払込みによる収入等により、前連結会計年度末に比べ1,540百万円減少し、当連結会計年度末には3,475百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は、1,371百万円(前期は1,785百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益837百万円、減価償却費972百万円、移転補償金の受取額340百万円、法人税等の支払額341百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、3,905百万円(前期は879百万円の使用)となりました。これは主として、定期預金の純増加額1,194百万円、有形固定資産の取得による支出2,522百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は、1,094百万円(前期は134百万円の獲得)となりました。これは主として、短期借入金の純減少額599百万円、長期借入れによる収入1,184百万円、長期借入金の返済による支出781百万円、非支配株主からの払込みによる収入1,430百万円によるものであります。
③営業の実績
当社グループの主たる事業は、倉庫業を中心とした貨物の保管・荷役業務、港湾運送業務、貨物運送取扱業務、通関業務及び流通加工業務等を行う国内物流事業ならびに国際複合一貫輸送業務(NVOCC)を中心とした海外輸送業務、海外との輸出入貨物取扱業務、海外での現地作業及び海外での倉庫事業を行う国際物流事業であり、セグメントごとの営業収益及び取扱高等を示すと以下のとおりであります。
a.セグメントごとの営業収益
(千円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内物流事業 |
19,294,263 |
93.4 |
|
国際物流事業 |
2,774,579 |
98.7 |
|
報告セグメント計 |
22,068,842 |
94.0 |
|
その他 |
445,066 |
95.2 |
|
合計 |
22,513,909 |
94.0 |
(注)1.セグメント間の内部取引消去前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.セグメントごとの取扱高等
(国内物流事業)
倉庫業の入出庫高及び保管残高
・普通倉庫
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
数量(トン) |
|||
|
入庫高 |
895,488 |
91.2 |
|
|
出庫高 |
916,223 |
93.9 |
|
|
保管残高 |
期末 |
245,679 |
92.2 |
|
期中平均 |
265,518 |
97.1 |
|
(注)数量には、再保管にかかる取扱高を含んでおります。
・冷蔵倉庫
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
数量(トン) |
|||
|
入庫高 |
47,258 |
83.4 |
|
|
出庫高 |
49,479 |
85.2 |
|
|
保管残高 |
期末 |
15,614 |
87.5 |
|
期中平均 |
16,886 |
88.3 |
|
(注)数量には、再保管にかかる取扱高を含んでおります。
港湾運送業の取扱トン数
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
数量(トン) |
||
|
船内荷役 |
547,277 |
73.6 |
|
艀運送 |
- |
- |
|
荷捌 |
1,260,680 |
87.1 |
|
船積 |
58,524 |
74.1 |
|
合計 |
1,866,481 |
82.3 |
貨物運送取扱業務、通関業務及び流通加工業務等については、取扱実績の明示が困難でありますので記載を省略しております。
(国際物流事業)
国際物流事業については、取扱実績の明示が困難でありますので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,458百万円増加の33,782百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ236百万円減少の9,089百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少等により現金及び預金が341百万円減少したことや受取手形及び営業未収入金の減少109百万円によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,694百万円増加の24,692百万円となりました。これは主に、新規投資による建設仮勘定及び無形固定資産(その他)が増加したこと、並びに時価の上昇により投資有価証券が増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ193百万円減少の14,491百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ720百万円減少の3,514百万円となりました。これは主に、短期借入金の新規借入と返済による純減額548百万円、未払法人税等が115百万円減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ527百万円増加の10,976百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済と新規借入れによる純増額350百万円、新規投資によるリース債務の増加285百万円、移転補償金を特別利益に振り替えたことによるその他(固定負債)の減少によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,651百万円増加の19,290百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が425百万円増加したこと、非支配株主からの増資による払込により非支配株主持分が1,287百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益については前期に比べ1,482百万円減少し22,439百万円となりました。主な減少要因としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により荷動きが低迷し、倉庫への入出庫高、保管高も減少し、付随する運送業務、通関業務等も減少したこと、また神戸港での港湾運送業務が減少したことによるもの、その他連結子会社の売却の影響によるものであります。
営業利益については前期に比べ74百万円減少し467百万円となりましたが、減少要因としては、貨物の取扱高の減少、港湾運送業務の減少、再保管費用の増加、電気料金や複合機の利用料削減のための初期費用の計上などがあり、増加要因としては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により移動が制限されるなど、交通費等の一部の費用が減少したことによるものであります。なお、営業利益率については当期2.1%(前期比0.2ポイント悪化)となっております。
経常利益については営業利益は減少しましたが、海外子会社での利息収入の増加等により前期に比べ22百万円増加し571百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別利益に当社営業所の移転に伴う補償金の計上や特別損失に当社営業所の閉鎖による損失等を計上したことにより、前期に比べ297百万円増加し541百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、下払作業費や運送費用の支払いのほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の適正額を維持することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は9,450百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,475百万円となっております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、当社グループの財政状態に与える影響は限定的であると捉えており、現状では手許資金も高い水準で維持しておりますが、今後の経済情勢及び金融情勢が不透明であることから、金融機関からの短期の借入枠を増額し今後の情勢に備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、以下の通りであります。
(有形固定資産等に関する減損損失)
当社グループは、減損の兆候がある有形固定資産等について、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。
有形固定資産等に減損の兆候がある場合、減損損失の認識の要否を判定する必要がありますが、この減損損失の認識の要否の判定に用いる個々の有形固定資産等の将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性が高く、将来の経営環境の変化等により回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。