文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営戦略
当社グループは長期ビジョン『KAWANISHI2030』及び中期経営計画『Vision2024物流イノベーションへの挑戦』を策定しており、以下の基本方針・基本戦略を掲げて取り組んでおります。
基本方針
①取引先顧客へのサービス向上を第一とし、当社のステークホルダーへの信頼関係の構築を維持します。
②健全な財務体質を意識しながら経営基盤の安定と強化を基本とし、筋肉質な体質を実現すべく、既存事業について利益率の改善を図ります。
③高度情報化社会において激しく変化し続けるビジネス環境に対応し、日進月歩の最新技術の適用検討を進めながら、地球環境にやさしい物流をテーマにSDGsやカーボンニュートラル等これからの社会で企業に要求される様々な課題に取り組みます。
基本戦略
①既存事業の拡大・強化
・物流センターの機能拡充/スマート倉庫/ロジスティクス構想の検討
・物流サービスの強化/Vendor Managed Inventory(VMI倉庫)の提案
・運送部門強化
・海外物流業務の強化
・輸出貨物案件の取り扱い増加
・メーカー物流の強化
・通関体制の強化
②成長に向けた取組と戦略的投資の調査研究
・次世代型荷役機械装置や業務効率化ツールの検討
・次世代型物流倉庫の建設地/規模の検討および既存施設の再構築の検討
・GDP倉庫・運送の調査検討
・基幹システム再構築の検討
・地球環境にやさしい物流構築の検討(SDGs・カーボンニュートラル実現に向けた取組み)
③社内体制の強化
・オフィスワークの改革
・RPAなどの省人化に寄与するシステムの導入による業務集約
・コンプライアンスの強化
・システム化推進による競争力強化
・営業体制の強化
・ダイバーシティへの対応
・労働力不足に対応した人財戦略の強化
・社内教育体制の充実
・財務基盤の強化
(2)経営環境
当社グループを取り巻く経営環境は、国内では労働力不足等を背景に働き方改革の推進やAI等新技術の活用が進んでおります。海外ではアジアを中心とした人口増加に伴う経済発展等により、輸出入量や消費市場のさらなる拡大が見込まれておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により不透明な状況で推移しております。
新型コロナウイルスの感染終息の兆しはみえないものの、感染対策を万全に行い、経済や社会活動が正常化に向かうなか、各種政策の効果や海外経済の正常化も伴って、景気の持ち直しが期待されております。
一方では、原油高や円安、ウクライナ情勢などの影響から、当面は不透明な状況が続くと見込んでおります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは既存事業の拡大・強化、成長に向けた戦略的投資の調査研究、および社内体制の強化を行うことにより利益の拡大伸長および次世代における飛躍的な発展を目指しており、そのための重要な課題として以下の点を施策としております。
①既存事業の拡大・強化
既存事業における物流サービスについては、スマート倉庫・スマートロジスティックス構想の検討を行い、オートメーション化、物流業務の改革、労働力不足への対応を行っていきます。また、貨物を預かる・運ぶだけではなく、付加価値を付けたサービスの提供を行うため、Vendor Managed Inventory(VMI倉庫)の提案を進めていく他、運送業務についても内製化や新たな仕組みの導入による事業の効率化を進めるなど、既存事業の拡大・強化を図っております。
海外物流業務については、第2倉庫が開業予定のインドネシアの安定稼働や、物流が増加している北米、ASEAN域内での物流を強化する取り組みを実施しております。
②成長に向けた取組と戦略的投資の調査研究
今後継続して成長していく上で、従来どおりの設備やシステム、業務環境ではなく新たな取り組みが必要であると考えております。次世代に向けた取組として、現状とは異なる荷役機器や物流倉庫の検討、業務効率化ツール、基幹システムの構築等の検討を行っております。また、SDGsやカーボンニュートラル実現に向けた取組として、地球にやさしい物流構築の検討も進めており、成長と環境に配慮した事業環境を構築してまいります。
③社内体制の強化
当社グループが安定的に業務を継続するためには、環境、労働力不足に対応した取り組みが重要であると考え、ペーパーレス化促進によるオフィスワークの改革、RPAなどの省人化に寄与するシステムの導入等を推進しております。また、コンプライアンスの強化については、社外役員との積極的な意見交換を図った取締役会の強化、各種ハラスメント撲滅に向けた取組みなどに努めております。その他、差別のない人事制度の実施や人材登用を行ってきましたが、ダイバーシティへのより一層の対応と、社内教育体制を充実させるとともに、人財戦略の強化を図っていきます。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
長期ビジョン「KAWANISHI2030」の実現に向けて、2022年度から2024年度までの3ヵ年の中期経営計画「Vision2024物流イノベーションへ挑戦」をPhase1と位置付け、財務基盤の強化や前中期経営計画において新設した倉庫の早期安定稼働をめざし、連結営業収益260億円、連結営業利益12億円を目標に掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)事業環境の変化
当社グループの主たる事業は、普通・冷蔵倉庫業を中心に、港湾運送業務、貨物運送業務、国際運送業務及び通関業務等を行う総合物流事業であり、東京、横浜、名古屋、大阪、神戸などの主要港に営業基盤を置き、輸出入貨物の取扱いを中心に事業展開を行っております。倉庫業の特性として、立地する地域の経済活動や消費動向が当該地域の物流量の変化に影響を受け、国際運送業務については、海運市況の影響を受けることから当該市況が低迷した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当社グループが扱う輸入貨物の多くは食料品であり物流量が急激に変化する可能性は低いと認識しておりますが、海外への輸出については当該輸出地域の景気に左右されることもあり、新型コロナウイルスの感染拡大が長期化した場合にも影響を及ぼしリスクが顕在化する可能性があります。当該リスクへの対応としては、取り扱う輸入、輸出貨物の多様化を図ること、また多様な地域へ事業展開を行うことによりリスクを分散させる試みを実行しております。
(2)業界に関連する法的規則
当社の主要な事業活動である倉庫業は、寄託を受けて顧客の物品を倉庫で保管する受託事業で、物流の中核となる業種であり、倉庫業者として「倉庫業法」の規制を受けております。
当社では「倉庫業法」に基づき、国土交通大臣より「倉庫業」の登録を受けております。当該登録には期限の定めはありませんが、倉庫業法及び倉庫業法に基づく処分又は登録、許可若しくは認可に付した条件に違反したとき及び営業に関し不正な行為をしたときなどは営業の停止を命じまたは登録が取り消される可能性があります。
本書提出日現在、当社グループには登録の取消し事由に該当する事実はないものと認識しておりますが、将来何らかの理由により、登録の取消し等の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループの重要な事業活動にかかる主な許認可は以下のとおりであります。
|
許認可等の名称 |
所轄官庁等 |
許認可等の内容 |
有効期限 |
|
倉庫業 |
国土交通省 |
倉庫業法 |
なし |
また、物流事業を行う当社グループには、倉庫業法以外にも、港湾運送事業法、通関業法、貨物利用運送事業法等に関する法令の規制を受けております。これらの当社グループの事業に関わる法令等による規制の改廃や新設が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
各種業法について理解と見識の低さから違法行為を行う可能性があると認識しており、当該リスクへの対応策として、各分野での勉強会の開催、役職員が常に法令遵守を意識して業務に取り組むようコンプライアンスに関する研修を毎期行っております。
(3)取扱貨物の動向等
当社グループの主要取扱貨物は、輸入貨物の農産品(コーヒー豆、小豆、落花生など)、畜産品(鶏肉、牛肉など)、食料工業品(食料品、食品原料など)であります。そのため、日本の消費者の食品嗜好の変化が当社取扱貨物の動向に影響し、間接的に当社の経営成績に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
食品についての嗜好の変化等は考えられるものの、食品についての急激な需要の低下等は見込まれておらず、リスクが顕在化する可能性は低いと認識しております。また当該リスクへの対応として、食品に対する顧客のニーズに合わせた物流の構築を行うことにより対応を行っております。
(4)食品の輸入停止措置等
当社グループが主力とする食品の輸入貨物の取扱いについては、食品の安全性を確保する見地から、関係当局による特定国を対象とした輸入制限及び輸入停止措置がとられる場合があり、また輸入食品の国内在庫量及び消費動向により輸入量が制御された場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
海外からの輸入制限等が行われる可能性については常に起こりうると認識しておりますが、輸入のみならず多様な地域での事業展開を行うことによりリスクを低減させる取組みを実施しております。
(5)自然災害・感染症等
当社グループの主たる事業は、倉庫業を中心とする物流事業であり、地震等の大規模災害が発生した場合は、当社施設も被災し、物流事業の停滞を招く可能性があります。これらの事象は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、未知のウイルス等による感染症の拡大により、事業活動に係る物流体制や営業活動に支障が生じた場合や人的被害が拡大した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響は、当社が取扱う輸入貨物の多くが食料品であり、現時点では限定的ですが、今後さらに深刻化・長期化した場合は、現在建設中の新倉庫の立ち上げが計画通りに進展せず、当社グループの経営成績に貢献するまでに時間を要することとなる可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
台風をはじめ地震等による自然災害については地理的要因からも常に発生のリスクがあると認識しております。当該リスクへの対応として、物流業という公共性の高い事業を停滞させないためにもBCPの構築を行うとともに、当社施設への被災を防ぐための処置を実施しております。
感染症については、世界的に影響を及ぼすものが一定期間内において発生しており、顕在化するリスクがあると認識しております。新型コロナウイルス感染症の拡大に対して当社グループは、取締役会、経営会議等で対応策等を協議しており、集合形式の会議、研修、出張、懇親会等の開催を原則禁止し、在宅勤務、時差出勤等を推進し安全対策を施しております。また、海外においても在宅勤務等を推進し、各国の状況に合わせた対応を行っております。
(6)顧客等の情報管理
当社グループは、国内物流事業及び国際物流事業において、多くの顧客情報を取り扱っており、これらの情報管理に関するセキュリティ管理体制の維持・向上、コンプライアンスの強化については、社員教育の徹底を図り、リスク発生を予防する一方で、リスク発生時の影響を軽減する対応策を講じております。
管理体制と社員教育を強化し、情報漏洩防止に努めておりますが、不測の事態により情報が外部に漏洩した場合、当社グループの社会的信用の低下や損害賠償請求の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当該リスクへの対応策として、役職員が常に法令遵守を心掛けるようコンプライアンスに関する研修を毎期行っており、リスクが顕在化する可能性は低いと認識しております。
(7)システムトラブルによる影響
当社グループは、各種の物流事業において情報システムを構築し、顧客との情報交換にはインターネットを利用しており、システム上のトラブルなど、万一の場合に備えて最大限の保守・保全の対策を講じるとともに、情報管理体制の徹底に努めております。
しかしながら、災害などにより機器やソフトウエアが被災し、システム作動不能や内部情報が消失した場合には、当社グループの経営成績や社会的信用に影響を与える可能性があります。
また、外部からの想定を超えた不正アクセスやコンピュータウイルス感染などにより、システム障害、情報漏洩や改ざんなどの被害を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
不正アクセスやコンピュータウイルス感染による障害等についてはセキュリティ対策を万全に行っているものの、常に発生の可能性はあると認識しております。また災害によりシステムが被災することも想定されますがシステムのクラウド化など、BCP構築の一環として対応しております。
(8)コンプライアンスに関するリスク
当社グループは法令遵守及び企業倫理とそれらの精神を守り、実践していくことを業務遂行の基本とすることを宣言し、役員及び全従業員に研修会などを通じて、コンプライアンス意識を高めることに努めております。しかし、このような取組みを講じても、完全に履行できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当該リスクへの対応策として、役職員が常に法令遵守を心掛けるようコンプライアンスに関する研修を毎期行い、また、コンプライアンス委員会を設置し法令遵守を徹底しており、リスクが顕在化する可能性は低いと認識しております。
(9)設備投資に係るリスク
当社グループは、国内及び海外において積極的な事業展開を計画しておりますが、仮にこれらの事業戦略が当初計画した経営計画、利益計画及び設備投資計画の通りに進捗せず、投入された資本の回収計画が低下、停滞又は計画の中断に至った場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
国内及び海外での様々な要因により事業計画が当初の計画通りとならない可能性は存在しますが、事業計画のモニタリングを随時行い、事業計画の進捗及び分析並びに必要に応じた施策を実行できる体制を整えております。
(10)固定資産の減損処理
当社グループは、倉庫業を中心とした物流事業を営んでおり、事業用の有形固定資産を有しております。2006年3月期から固定資産に関する減損会計が導入され、今後の収益性の低下等により投資額の回収が見込めなくなった場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
国内外での事業環境の変化等により固定資産の減損の発生の可能性は常にあると認識しておりますが、事業の収益性を検証し、現在の事業環境に合わせた適切な運営を行うことにより影響を低減する体制を整えております。
(11)退職給付債務による影響
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付債務及び費用は、年金数理人が計算する基礎率に基づいて算出しておりますが、基礎率の変更があった場合、年金資産の時価や運用利回りが低下した場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
特に国内外での景気や金融政策により年金資産の時価や運用が低下する可能性はあると認識しておりますが、年金資産の運用を毎期見直すことにより、影響を低減する取り組みを実施しております。
(12)重要な訴訟について
当社グループの経営に大きな影響を及ぼす重要な訴訟等は提起されておりません。しかし、将来、重要な訴訟等が発生し不利な判断を受けた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
予期せぬ訴訟等については発生の可能性はあると認識しておりますが、現時点で予測できる内容はなく、どの程度の可能性があるかは想定できません。
(13)海外事業展開におけるカントリーリスク
当社グループは、アジアを中心に海外事業展開を拡大しつつありますが、海外においては、政治、経済情勢の変化、予期せぬ法規制の変更、自然災害、テロ、戦争等の事態により、事業の継続が困難となる等のリスクが存在します。これらのリスクが顕著化した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
当社グループでは近年はインドネシアへの投資を拡大しており、今後もインドネシアの経済が発展すると見込んでおりますが、自然災害、為替の変動、景気の減速による消費への影響等もありリスクが顕在化する可能性があると認識しております。リスクの低減を図るため、状況に合わせた投資が行えるよう段階的に展開を行っております。
(14)金利の変動
当社グループは安定的に事業を継続するため必要な設備の新規投資や更新を毎年行っております。その際、有利子負債や自己資本比率について適正水準維持に努めつつも、必要な設備資金を主として銀行借入により調達しております。現在は主に固定金利の長期借入金により資金を調達しているため、一定期間においては金利変動による影響は軽微でありますが、金利の変動により、将来の資金調達コストが影響を受ける可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
ここ何年かの金利水準は極めて低く変動もなく、今後も当面は大きな変動がないと見込んでおります。一方では積極的な事業展開により借入金が膨らむなどリスクとしては増加する傾向となっております。リスクの低減を図るため、自己資本比率等に一定の基準を設けるなどの対策を行い、調達コストの上昇に備えた対応をしております。
(15)保有資産の時価の変動
当社グループは、事業用資産(土地、建物等)及び取引先との緊密な関係維持・強化等を目的とした投資有価証券を保有しております。事業用資産については時価下落や収益性の低下により、また、投資有価証券については株式相場の下落や投資先の財政状態の悪化により、投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上します。これらにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
投資有価証券については、景気や環境の変化により常に損失発生の可能性があると認識しております。リスクの低減を図るため、投資有価証券については時価の変動を含めた有用性の検証を行い保有の可否を検証しております。
(16)他社との競合リスク
当社グループの事業は同業者が多く、厳しい競合状況にあります。当社グループでは、冷蔵倉庫及び普通倉庫の設備を有し、保管・輸送等に一定のノウハウが必要な輸入食料品の取扱いで他社との差別化を図っておりますが、競合の結果、収益や利益率の低下等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(当該リスクが顕在化する可能性及び対応策)
他社との競合のリスクは事業を運営していく上では存在するリスクであり常に顕在化するリスクがあります。リスクを低減する取り組みとしては、当社の培った食料品の取扱いのノウハウと顧客のニーズに合わせた物流の構築を行うことにより対応しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。また、収益認識に関する会計基準等の適用については、収益認識に関する会計基準第84項に定める原則的な取扱いに従って、当該会計基準を過去の期間の全てに遡及適用しており、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大と縮小が繰り返されており、経済活動もその影響を受けながら推移いたしました。変異株が新たに流行するなど感染終息の兆しは見えないものの、感染対策を万全に行い、経済や社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の正常化もあって、景気の持ち直しが期待されております。一方では、原油高や円安、ウクライナ情勢などの影響から、当面は不透明な状況が続くと見込まれます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響による当社グループの業績への影響は避けられないものの、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画『Vision2021・新たな発展を目指して』で掲げる、北関東地区の新倉庫や海外倉庫の安定稼働、集荷強化等による既存事業の拡大・強化、新倉庫建設やASEAN地区への投資等の成長に向けた戦略的投資については、進捗の遅れはあるものの、当初の予定どおり取り組んでおり、2021年11月に神奈川県横浜市に新倉庫を開設いたしました。
a.財政状態
当連結会計年度末の総資産は、新倉庫建設による建設代金の支払いにより現金及び預金は減少しましたが、営業収益の増加により受取手形、営業未収入金及び契約資産が増加し、また新倉庫の完成により建物及び構築物等が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ3,260百万円増加し36,883百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、新規借入れによる長期借入金の増加や、新倉庫にかかる資産除去債務を計上したことにより、前連結会計年度末に比べ2,432百万円増加の16,803百万円となり、また、当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加、円安の影響による為替換算調整勘定及び非支配株主持分の増加により、前連結会計年度末に比べ827百万円増加の20,080百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響から低迷していた貨物の荷動きが回復するなど、業績は大きく改善いたしました。国内物流事業では貨物の保管高が依然として低調に推移しておりますが、神戸港での港湾運送業務については海外の景気回復もあり、一昨年の取扱いを超える水準まで回復いたしました。また、国際物流事業においても貨物の取扱いが堅調に推移しており、営業収益は前期を上回る結果となりました。営業利益及び経常利益についても前期を上回りましたが、親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に受取補償金等の特別利益を計上したこともあり、前期を下回りました。
その結果、当連結会計年度の営業収益は前期比12.1%増加の23,618百万円、営業利益は前期比67.5%増加の784百万円、経常利益は前期比50.8%増加の862百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比3.5%減少の523百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、当社グループが取扱う輸入貨物の多くが食料品であり、影響は限定的であると捉えておりますが、輸出貨物の影響を大きく受ける港湾運送業については今後の状況が不透明であり、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
国内物流事業
(倉庫業)
世界的なコンテナ不足による輸入貨物の遅延等あるものの、貨物の入庫高、出庫高は前期を上回り好調に推移しました。一方で貨物の回転が速く保管高は前期を下回る結果となり、倉庫業務全体でも前期を下回りました。
(港湾運送業)
港湾運送業務は神戸港での港湾運送取扱業務が海外景気の回復もあり前期を大きく上回りました。
(貨物運送取扱業務)
前期に運送業を営む連結子会社を売却したことによる減収要因もありましたが、貨物の取扱いが回復したこともあり前期を上回りました。
(その他物流関連業務)
流通加工業務、手続業務等についても貨物の取扱いが増加したことにより前期を上回りました。
その結果、国内物流事業の営業収益は前期比3.1%増加の18,481百万円、セグメント利益は前期比9.8%増加の1,304百万円となりました。
国際物流事業
国際物流事業においては、輸出入貨物の増加、新規荷主の獲得及び海上運賃マーケットの変動の影響等により営業収益は増加し、セグメント利益についても輸出入貨物の増加や海外子会社の業績が堅調に推移したこともあり、前期を上回りました。
その結果、国際物流事業の営業収益は前期比72.7%増加の4,779百万円、セグメント利益は前期比41.8倍の300百万円となりました。
なお、不動産の賃貸事業及び物流資材の販売事業並びに太陽光発電の売電事業等のその他事業は、営業収益は前期比13.0%減少の387百万円、セグメント利益は前期比2.3%増加の225百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益が852百万円となり、減価償却費、定期預金の純減少額、有形固定資産の取得による支出、短期借入金の純減少額、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出等により、前連結会計年度末に比べ500百万円増加し、当連結会計年度末には3,975百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は、1,320百万円(前期は1,371百万円の獲得)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益852百万円、減価償却費1,073百万円、売上債権の増加額803百万円、仕入債務の増加額319百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、2,134百万円(前期は3,905百万円の使用)となりました。これは主として、定期預金の純減少額1,471百万円、有形固定資産の取得による支出3,351百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果獲得した資金は、1,214百万円(前期は1,094百万円の獲得)となりました。これは主として、短期借入金の純減少額199百万円、長期借入れによる収入2,450百万円、長期借入金の返済による支出844百万円によるものであります。
③営業の実績
当社グループの主たる事業は、倉庫業を中心とした貨物の保管・荷役業務、港湾運送業務、貨物運送取扱業務、通関業務及び流通加工業務等を行う国内物流事業ならびに国際複合一貫輸送業務(NVOCC)を中心とした海外輸送業務、海外との輸出入貨物取扱業務、海外での現地作業及び海外での倉庫事業を行う国際物流事業であり、セグメントごとの営業収益及び取扱高等を示すと以下のとおりであります。
a.セグメントごとの営業収益
(千円)
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
国内物流事業 |
18,481,070 |
103.1 |
|
国際物流事業 |
4,779,059 |
172.7 |
|
報告セグメント計 |
23,260,129 |
112.4 |
|
その他 |
387,268 |
87.0 |
|
合計 |
23,647,398 |
111.9 |
(注)セグメント間の内部取引消去前の数値によっております。
b.セグメントごとの取扱高等
(国内物流事業)
倉庫業の入出庫高及び保管残高
・普通倉庫
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
数量(トン) |
|||
|
入庫高 |
932,142 |
104.1 |
|
|
出庫高 |
916,576 |
100.0 |
|
|
保管残高 |
期末 |
261,245 |
106.3 |
|
期中平均 |
249,109 |
93.8 |
|
(注)数量には、再保管にかかる取扱高を含んでおります。
・冷蔵倉庫
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
数量(トン) |
|||
|
入庫高 |
54,099 |
114.5 |
|
|
出庫高 |
54,581 |
110.3 |
|
|
保管残高 |
期末 |
15,132 |
96.9 |
|
期中平均 |
15,520 |
91.9 |
|
(注)数量には、再保管にかかる取扱高を含んでおります。
港湾運送業の取扱トン数
|
区分 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
数量(トン) |
||
|
船内荷役 |
908,434 |
166.0 |
|
艀運送 |
250 |
- |
|
荷捌 |
1,446,218 |
114.7 |
|
船積 |
90,096 |
153.9 |
|
合計 |
2,444,998 |
131.0 |
貨物運送取扱業務、通関業務及び流通加工業務等については、取扱実績の明示が困難でありますので記載を省略しております。
(国際物流事業)
国際物流事業については、取扱実績の明示が困難でありますので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,260百万円増加の36,883百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ119百万円増加の9,051百万円となりました。これは主に、設備投資の支払い等により現金及び預金が903百万円減少したことや営業収益の増加により受取手形、営業未収入金及び契約資産が803百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,140百万円増加の27,832百万円となりました。これは主に、新倉庫の完成により建物及び構築物、機械及び装置等が増加したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,432百万円増加の16,803百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ270百万円増加の3,682百万円となりました。これは主に、支払手形及び営業未払金の増加319百万円と短期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)の新規借入と返済による純減額290百万円、利益の増加による未払法人税等の増加218百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ2,161百万円増加の13,120百万円となりました。これは主に、設備投資資金の借入による長期借入金の増加と返済による純増額1,696百万円、新設倉庫に係る資産除去債務の計上による447百万円によるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ827百万円増加の20,080百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益等により利益剰余金が414百万円増加したこと、円安の影響による為替換算調整勘定の増加253百万円、円安および海外子会社の利益剰余金の増加により非支配株主持分が212百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、営業収益については前期に比べ2,557百万円増加し23,618百万円となりました。主な増加要因としては、前期から新型コロナウイルス感染拡大の影響により荷動きが低迷していたものが回復し、国内物流事業では倉庫への入出庫高、付随する運送業務、通関業務等も増加したことや港湾運送業務においても海外景気の回復もあり大きく増加いたしました。また国際物流事業においても世界的な海上運賃マーケットの上昇や、輸出入貨物の増加、新規荷主の獲得もあり大きく増加いたしました。主な減少要因としては、前期に売却した子会社の影響により運送収入が減少したほか、賃貸施設の解約、貨物の保管高が低調に推移したことによる倉庫事業の減少等であります。
営業利益については前期に比べ316百万円増加し784百万円となりましたが、主な増加要因としては、貨物の取扱高の増加、港湾運送業務の増加、国際物流事業の増加のほか、保管高の減少による再保管費用の減少等があり、主な減少要因としては、新倉庫の開設による賃借料の増加、新倉庫にかかる減価償却費の増加等であります。なお、営業利益率については当期3.3%(前期比1.1ポイント改善)となっております。
経常利益については営業利益の増加、海外子会社での利息収入の減少等により前期に比べ290百万円増加し862百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に特別利益に計上した当社営業所の移転に伴う補償金の計上や特別損失に当社営業所の閉鎖による損失等の計上がなくなったため、前期に比べ19百万円減少し523百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、下払作業費や運送費用の支払いのほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の適正額を維持することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入れを基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は10,852百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,975百万円となっております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響については、当社グループの財政状態に与える影響は限定的であると捉えており、現状では手許資金も高い水準で維持しておりますが、今後の経済情勢及び金融情勢が不透明であることから、金融機関からの短期の借入枠を増額し今後の情勢に備えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、以下の通りであります。
(有形固定資産等に関する減損損失)
当社グループは、減損の兆候がある有形固定資産等について、資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、その減少額を減損損失として計上しております。
有形固定資産等に減損の兆候がある場合、減損損失の認識の要否を判定する必要がありますが、この減損損失の認識の要否の判定に用いる個々の有形固定資産等の将来キャッシュ・フローの見積りは不確実性が高く、将来の経営環境の変化等により回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。