本文における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。その内容にはリスク、不確実性、仮定が含まれており、将来の業績等を保証し又は約束するものではありません。
当社グループを取り巻く経営環境は、大きく変化してきております。AI、ブロックチェーンといったテクノロジーがますます事業展開に欠かすことが出来ない存在となってきている一方、環境への配慮や社会的責任を企業がどのように果たしていくか等、サステナビリティ経営が企業に強く求められるようになりました。わが国証券ビジネスにおいては、手数料体系の変化や規制・制度改革、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、ビジネスモデルの在り方が大きく変容してきております。また、NISA新制度への対応、「資産所得倍増計画」への貢献、ポートフォリオ提案やソリューションビジネス等、これまで以上にゴールベースアプローチを意識した営業方針への転換が課題としてあげられます。加えて、米金利の上昇、米銀破綻に端を発した金融不安の世界的拡がり等、マーケット動向にも、より一層注意を払っていく必要があります。
そのような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。そのための戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収支構造改革への取組み、安定収益基盤の拡大を強化し、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力するとともに、デジタル分野では、当社の子会社であるCHEER証券株式会社(以下「CHEER」)、株式会社TTデジタル・プラットフォーム(以下「TTDP」)において先進的な金融サービスの提供やデジタル化による地域社会のDX化の推進を図っております。

※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー
※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能
本計画における数値目標は、上記の構成に基づき、グループKGIとして当社グループ全体が一体となり追求する目標を定め、グループKGIを達成するためのKPIとして、「金融力の強化」、及び「異次元に向けた重点施策」に紐づく財務KPIと“Social Value & Justice”KPIを定めております。

* 本KGIは2023年9月末の日経平均予想を34,000円とする2022年8月時点の株式会社東海東京調査センターのハウスビュー等、当社が数値目標策定時点で入手可能な情報及び合理的と判断する一定の前提に基づいて設定しております。市場環境が大きく変動する場合は、数値目標を見直す場合があります。
*1 預かり金融資産は、顧客の金融資産(証券、預金、保険等)のうち当社グループで管理する預かり残高。グループKGIにおける預かり金融資産12兆円は2027年3月末時点のグループ全体の目標を示し、そのうち「金融力の強化」の領域で残高10兆円、「異次元のための重点施策」等の領域で残高2兆円を目指す。
*2 安定収益は残高連動収入や継続的に発生する収入(投信信託報酬、ラップ、信用金利、保険継続分、証担ローン、投資助言等)。
*3 NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標。「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)®」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) サステナビリティ全般
当社グループは、サステナビリティの重要性を認識し、持続可能な社会の実現に向け、金融・資本市場の担い手として事業活動を通じ環境・社会課題に積極的に取組んでおります。当社グループは長年、地域に根差した社会貢献活動等を積極的に実施してまいりましたが、2020年5月にグループ全体でのサステナビリティに関する取組を一層推進するべく、専門部署「SDGs推進部」を設置し、同年9月には「SDGs宣言」及び「マテリアリティ(東海東京フィナンシャルグループの優先すべき重要課題)※」を発表しました。2022年4月には、新たな中期経営計画「“Beyond Our Limits”~異次元への挑戦」の中で、「Social Value & Justice” comes first」を行動指針として掲げ、サステナビリティに経営課題として取り組む姿勢をより明確化するとともに、「SDGs推進部」を「ソーシャル・バリュー&ジャスティス推進部」へと改組しました。当社グループは引き続き、サステナビリティに関する取組強化を通じて、グループとしての成長ストーリー を示し、企業価値の更なる向上を目指してまいります。
※マテリアリティ…「1.健康[SDGs3]」「2.教育と働き方[SDGs4,5,8]
「3.金融イノベーション[SDGs9,11]「4. 地域経済[SDGs8,11,17]
「5. 環境保全[SDGs7,13]」
当社グループにおけるサステナビリティに関する取組は、代表取締役会長が議長を務める経営会議(代表取締役会長、代表取締役社長及び関連する取締役、執行役員から構成)がサステナビリティに関する戦略策定等の意思決定を行い、社外取締役が議長を務める取締役会が監督を行う体制により推進しております。推進にあたっては、サステナビリティに関する施策の企画・実施を担当する専門部署であるソーシャル・バリュー&ジャスティス推進部が事務局を務めております。
当社グループにおけるサステナビリティに関するリスク管理は、代表取締役会長が議長を務める経営会議がグループ全体のサステナビリティ関連のリスクを識別、評価、管理し、結果を取締役会へ報告し、取締役会の監督を受けております。今後も引き続きサステナビリティに関連するリスクについての分析・評価の高度化に務め、リスクを回避・低減できるよう最適な管理体制の整備を一層進めてまいります。
(2) 気候変動
当社グループは、金融商品取引業者として、金融サービス分野における気候変動を含む環境問題の重要性を認識し、指針となる「環境方針」を定めた上で、環境に配慮した取組みを進めております。環境・気候変動関連の取組みは、経営会議及び取締役会にて報告・議論を行ったうえで推進しております。
② 戦略
リスク及び機会の認識
気候変動リスクとは、資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンの寸断から生じる間接的な影響等、気候変動に起因したリスク(物理的リスク)と、脱炭素社会への移行に向けた、気候変動問題に取り組むための広範囲に及ぶ政策や規制等の変化による財務上及び評判上のリスク(移行リスク)が挙げられます。これらのリスクが発生した場合はその性質・速度等に応じて、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があると認識しております。
シナリオ分析
「気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク(NGFS)」が公表するシナリオのうち、移行リスクと物理的リスクが最小となる「秩序ある2050年脱炭素シナリオ(Orderly - Net Zero 2050)」、移行リスクが最大となる「無秩序な2050年脱炭素シナリオ(Disorderly - Divergent Net Zero)」、物理的リスクが最大となる「現状政策シナリオ(Hot house world - Current Policies)」をベースとして、当社グループの財務(費用及び収益)に与える影響について、定量・定性分析及び影響度評価を実施しました。全体としては、当社グループの財務に与える影響は限定的でありました。一方で、今後のグリーン分野への投資ニーズ拡大等を見据えたビジネス機会の創出、施策推進等の重要性を再認識いたしました。今後も引き続き、分析レベルの高度化を図ってまいります。
シナリオ分析の概要
③ リスク管理
想定される具体的な気候変動リスク及び機会について経営会議において識別し、その結果を取締役会へ報告しております。今後、気候変動リスクについての分析及び評価の高度化とともに、リスクの回避、低減のため、最適な管理体制の整備を一層進めていきます。
④ 指標及び目標
当社グループでは、事業活動に伴う温室効果ガス排出量を継続的に削減してきました。今後は、「2030年実質ゼロ」を目標に、現在グループのエネルギー使用量の約25%を占めている再生可能エネルギーの一層の利用や省エネの推進等により、さらなる削減を進めていきます。
温室効果ガス排出量
(単位:t-CO₂)
※温室効果ガス排出量(CO₂排出量)の集計対象は、以下のとおり。なお、2021年度は旧エース証券を追加。
当社、東海東京証券株式会社、株式会社東海東京調査センター、東海東京アセットマネジメント株式会社、東海東京インベストメント株式会社、東海東京アカデミー株式会社、東海東京サービス株式会社(東海東京証券株式会社が入居する拠点)、東海東京ビジネスサービス株式会社、株式会社TTデジタル・プラットフォーム、CHEER証券株式会社
(3) 人的資本
経営戦略と人材戦略の連動を意識した取組み
当社は、ビジネスモデルの変化とともに人事制度も変化させてきました。また社会の変化とともに、柔軟性のある働き方ができる職場環境を整備してきました。
成長の源泉である人材をいかに確保・育成・配置を行うかが重要な経営テーマであると認識しており、2019年からジョブ型の人事制度へ大きな転換を図りました。また、同時に総合職や一般職といった職系列の区別もなくしております。これにより、仕事の価値と給与の連動を実現し、各ポジションの業務内容を明らかにすることで、年齢や属性に関わらず、より適した人材のポジション登用やよりスムーズなキャリア採用を可能としました。
文化の醸成
当社は、社内公募や自己研鑽の取組みに対して手挙げ制度による仕組みを広げております。また、2年かけて65歳までの全社員を対象にキャリアデザインプログラム研修を実施いたしました。社員一人ひとりが自らキャリアを選択し、能動的に考えていくための環境を整えることで、意識の向上につなげております。
2020年にHumanity Enhancement Programを創設し、プライベート支援、社内インターンシップ、リスキリング、社外への副業留学等の多様な学習機会を提供しており、結果として、専門性・人間性が向上し魅力的な人材になると考えております。
今後も、人材育成や社内環境を整備することで企業価値向上につなげてまいります。
① 戦略
社内環境整備方針
当社では、経営戦略と人材戦略の連動について、2019年に全社員へ導入したジョブ型人事制度をベースにしております。
経営戦略でキーワードとしている「金融力の強化」、「異次元に向けた重点施策」、行動指針である「“Social Value & Justice”comes first」を実現するために、“攻め”の観点としての「事業強化」と、“持続性”の観点としての「企業の継続性・サステナビリティ」の2軸で人材戦略を定めております。それぞれの人材戦略について具体的な取組みを進め、従業員エンゲージメントの向上と、教育投資として経常利益の3%の教育研修費を人材に投資し、育成に努めていくことをKPIとして設定しております。
なお、この2項目は中期経営計画のKPIとしても設定しております。

また、主な取組みは以下のとおりです。
人材育成方針
当社における人材育成方針は以下のとおりです。
・金融機能の担い手として、お客様の資産形成や資本の充実に貢献し、日本経済の成長に寄与する人材の育成
・常に自分のキャリアを模索し、自律的に学び続けることができる人材の育成
・変化を恐れず、変化をチャンスと捉え、新たなことにチャレンジできる人材の育成
2022年度からスタートした中期経営計画『“Beyond Our Limits”~異次元への挑戦』期間中の人材育成方針として、“Social Value & Justice”comes firstを常に意識し、体現できる人材の育成を実行する
2023年度の重点育成施策については、以下のとおりです。
ⅰ 若手社員育成体制の見直し
・2年間の研修でより専門知識、スキルを習得するためのプログラムを関係部署と連携して構築
・研修と実践の反復により知識・スキル習得度の熟練化を目指す
・指導する側(管理職)への育成スキル向上支援
ⅱ 現場でのキャリア支援浸透、リスキリング教育の拡充
・キャリアシート作成による自身のキャリアデザインの明確化
・キャリアシートを活用した上司との 1on1面談の実施
・任意参加型フォローアップ研修及び社員のリスキリング機会提供の拡充
ⅲ DX人材、専門人材のさらなる育成と確保
・全社員のITスキルのレベルアップ・DX専門人材の育成プログラムの策定
・各部門、各分野の専門人材の育成支援
当社の教育体系は以下のとおりです。
当社は就業している全期間において、教育プログラムを幅広く提供しております。

② 指標及び目標
当社では、「第1 企業の概況 5 従業員の状況」及び上記において記載した社内環境整備方針及び人材育成方針に関する指標として、次の指標を用いております。当該指標における目標及び実績は次のとおりです。
<「従業員の状況」記載事項に対する目標>
提出会社である東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社と主要な事業を営む連結子会社である東海東京証券株式会社の2社の合算を開示対象といたします。
20年後のありたい姿として、管理職に占める女性労働者の割合においては男女の社員比率と管理職比率が同率となることや、男女で同等の育児への関与ができるように男性が育児休業を取得すること、また、性別によらない公平な機会提供の実現によって労働者の男女の賃金の差異が縮小していることとしております。
このありたい姿の実現に向けてまずは中期経営計画の最終年度に目標値を置き、取組みを進めてまいります。
※実績は、「従業員の状況」に記載した当社及び東海東京証券株式会社の2社を合算し算出しております。
<サステナビリティに記載の社内環境整備方針・人材育成方針にかかる目標>
当社では、従業員エンゲージメントと教育研修費をサステナビリティに関する目標として掲げております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、現時点では確認できていないリスクや現在は重要でないと考えられるリスクも当社グループの経営成績及び財政状態等に重要な影響を与える可能性があります。また、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、株価、金利及び為替市況等の変動並びに景気後退などの国内外の経済情勢の影響を受けやすく、投資需要の減少等による手数料収入の減少やトレーディング損益の変動等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、お客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、市場の混乱等による急激な市況変動や金利変動等により金融資産の価値が変動した場合や、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、その業務の種類に応じて法令・諸規則の規制を受けております。国内の金融商品取引業者は、金融商品取引法及び関連する政省令等により登録規制、顧客勧誘規制、顧客取引規制及び自己売買規制その他の金融商品取引業者としての行為について規制されており、万が一、抵触した場合には業務停止等の行政処分を受ける可能性があります。
また、東海東京証券株式会社を含む第一種金融商品取引業者は、これらの法令により所定の自己資本規制比率を維持することが求められており、万が一、定められた自己資本規制比率を下回った場合には業務停止等を命じられるなどにより、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、近年の大幅な規制の緩和等により、競争が激化する一方で、取扱商品の多様化が進んできております。このような状況のなかで、将来、より強力な競合先の出現等で従来と変わらぬ競争力を維持できない場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、自己の計算において金融資産を保有しているほか、取引先との提携・友好関係の維持・構築を目的とした株式等の保有やお客様の多様なニーズに応えるために大量の有価証券を保有しておりますが、取引先が決済を含む債務不履行に陥った場合、また、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、元本の毀損による損失や利払いの遅延等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、大量の有価証券を保有するために多額の資金を必要とすることから、適切な流動性を確保し、財務の安全性を維持することが必要となります。しかしながら、市場環境の激変、クレジット・クランチ、銀行の貸出余力の低下、格付会社による当社及び東海東京証券株式会社の信用格付の低下、当社グループの業績に対する不透明感等が生じた場合は、必要資金の確保に際し、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされること等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる事業である金融商品取引業にはコンピュータシステムは必要不可欠の設備であるため、業務上使用するコンピュータシステムや回線において、プログラム障害、外部からの不正アクセス、災害や停電等が原因となる障害が発生した場合、その規模によっては当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、社会的信用の低下による取引の減少等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、多様な業務を行うことに伴い、日々膨大な事務処理が発生しており、役職員が正確な事務処理を怠ること、及び事務管理上又は事務処理上のミス、事故又は不正等による損失の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、法令違反があった場合は、監督官庁から業務停止等の行政処分を課される可能性もあり、社会的信用が低下するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、多くのお客様等の個人情報、取引先等の重要な営業情報及び当社グループ自身の重要情報を保有しており、不正な手段や過失等によりお客様等の個人情報及び当社グループの営業情報等が流出した場合は、当社グループの業務に支障が生じるだけでなく、損害賠償の請求や社会的信用の低下により取引が減少するなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの主たる子会社である東海東京証券株式会社の営業店舗網及び営業基盤は、東海地区及び関東地区を主力としており、これら地区の市民生活やインフラに重大な影響を及ぼす災害等が発生した場合、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、地震・台風等の大規模な自然災害の発生、これらの事象に伴う停電その他の障害の発生、又は病原性感染症の感染拡大等の場合は、当社グループの事業の縮小を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、国内外で日々様々な取引が成立しており、法令、商慣習、契約及び約款等に基づく相互の認識の違い等が生じた場合、取引先との間に損害賠償請求訴訟等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、金融商品取引業を中心に高度な専門性を必要とする業務を行っており、有能な人材の確保に努めております。しかしながら、優秀な人材確保への競争は激しく、必要な人材の確保が困難な場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、現地子会社の設置、海外の有力証券会社グループ等との提携等積極的に海外展開を図っております。展開にあたっては、弁護士等現地の専門家の助言を受けて進めておりますが、現地の法令、商慣習等に抵触した場合には、事業展開の中止、中断、縮小若しくは遅延又は社会的信用の低下等により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、お客様、取引先からの信用に大きく依存しております。そのため、憶測や必ずしも正確な事実に基づいていない風説・風評の流布に晒された場合は、その内容が正確でないにもかかわらず、当社グループの社会的信用が低下する風評被害の発生により、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、リスクカテゴリーごとに責任部署を定め、当社及び子会社全体のリスクを統合的に管理しておりますが、想定外の市場の変動、リスク管理用データの過誤・陳腐化、事業内容の変貌又は法令の改正等により、当社グループのリスク管理態勢が有効に機能しない可能性があり、それにより損失・損害等が生じる場合は、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、グループ顧客基盤拡大を図る観点から買収や資本提携により業容の拡大を図ってまいりました。買収や資本提携を成功に導くには、事業の効率的な統合等が必要となります。買収・資本提携した事業が、当社の予想通りの収益を計上できない可能性もあります。当社グループが当初期待した成果が得られない場合、又は、想定しなかった重大な問題点が買収や資本提携後に発見された場合には、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
国内外の各地の活動拠点には多くの役職員が業務に従事しており、新型コロナウイルス感染症の拡大や感染拡大防止措置等に伴い、当社グループの窓口業務の一時休止を余儀なくされるなど、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17) 気候変動等に関するリスクについて
当社グループでは、近年の世界各地における異常気象や自然災害による被害の甚大化を踏まえ、気候変動が当社に与える影響をより的確に捉えTCFD提言を踏まえた情報開示を強化するとともに脱炭素社会実現に貢献する取組を進めてまいります。気候変動リスクとは、資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンの寸断から生じる間接的な影響等、気候変動に起因したリスク(物理的リスク)と、脱炭素社会への移行に向けた、気候変動問題に取り組むための広範囲に及ぶ政策や規制等の変化による財務上及び評判上のリスク(移行リスク)が挙げられ、これらのリスクが発生した場合はその性質・速度等に応じて、当社グループの財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。
当連結会計年度末の総資産は5,252億11百万円減少(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆560億20百万円となりました。このうち流動資産は5,258億26百万円減少し9,798億80百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品が2,565億23百万円減少し2,729億17百万円となり、有価証券担保貸付金が2,474億74百万円減少し3,041億8百万円となりました。また、固定資産は、投資有価証券が17億17百万円増加し459億23百万円となったことなどから6億15百万円増加し761億39百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は5,209億90百万円減少し8,746億72百万円となりました。このうち流動負債は5,003億36百万円減少し7,545億8百万円となりました。主な要因は、トレーディング商品が2,086億86百万円減少し2,359億26百万円となり、有価証券担保借入金が1,806億円減少し1,461億25百万円となりました。また、固定負債は、社債が66億6百万円減少し219億79百万円となり、長期借入金が138億円減少し935億円となったことなどから、固定負債合計は206億40百万円減少し1,194億74百万円となりました。
当連結会計年度末の利益剰余金は35億15百万円減少し1,110億64百万円となり、純資産合計は42億20百万円減少し1,813億48百万円となりました。
当連結会計年度の受入手数料の合計は12.4%減少(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し329億29百万円を計上いたしました。
当社グループの株式委託手数料は16.9%減少し110億18百万円となりました。委託手数料全体では15.6%減少し117億58百万円を計上いたしました。
株式は29.5%減少し5億10百万円を計上いたしました。また、債券は1.3%減少し6億2百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では16.6%減少し11億12百万円を計上いたしました。
受益証券は、30.8%減少し68億73百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では30.6%減少し69億円を計上いたしました。
投資信託の代行手数料は8.9%減少し53億31百万円、保険手数料収入は23.2%増加し45億50百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では6.3%増加し131億57百万円を計上いたしました。
当連結会計年度の株券等トレーディング損益は15.8%減少し136億30百万円の利益の計上となり、外貨建債券や仕組債の売買を中心とした債券・為替等トレーディング損益は0.9%減少し176億56百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は8.0%減少し312億87百万円の利益を計上いたしました。
当連結会計年度の金融収益は2.5%減少し91億65百万円を計上いたしました。また、金融費用は38.8%増加し37億84百万円を計上し、差引の金融収支は19.4%減少し53億81百万円の利益を計上いたしました。
当連結会計年度の取引関係費は5.3%減少し124億28百万円となりました。また、人件費は4.6%減少し308億36百万円、不動産関係費は1.9%減少し75億85百万円、事務費は0.1%減少し86億35百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は2.8%減少し664億38百万円を計上いたしました。
当連結会計年度の営業外収益は、投資有価証券評価益21億66百万円、受取配当金11億53百万円などを計上し、営業外収益の合計は26.3%増加し42億19百万円となりました。また、営業外費用は、持分法による投資損失7億49百万円などを計上し、営業外費用の合計は323.6%増加し10億33百万円となりました。
当連結会計年度の特別損益は、特別利益として1億77百万円を計上し、特別損失として4億23百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は9.4%減少し733億83百万円、純営業収益は11.1%減少し695億98百万円となり、営業利益は68.0%減少し31億59百万円、経常利益は51.1%減少し63億46百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は85.1%減少し19億53百万円を計上いたしました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,073億7百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が60億99百万円の黒字となり、トレーディング商品(資産)が2,565億23百万円減少し、有価証券担保貸付金が2,474億74百万円減少し、それぞれ収入となる一方で、トレーディング商品(負債)が2,086億86百万円減少し、有価証券担保借入金が1,806億円減少し、それぞれ支出となったことなどによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは186億20百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出248億47百万円、無形固定資産の取得による支出25億77百万円、投資有価証券の取得による支出24億91百万円、短期貸付金の回収による収入94億39百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは575億93百万円の支出となりました。これは短期借入金の純増減額が△438億33百万円、配当金の支払による支出54億55百万円などによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物は319億33百万円増加し、当連結会計年度末の残高は1,304億23百万円となりました。
トレーディング商品の残高は次のとおりです。
トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)のわが国経済は内需主導での回復が継続しましたが、そのペースは緩やかなものとなりました。政府支援策(総合景気対策、全国旅行支援策、水際対策の緩和等)や金融緩和継続などが下支えとなった一方、海外経済の減速や物価高による家計の購買力低下等が逆風となりました。
海外経済については、欧米を中心に物価抑制のための金融引き締めが継続、景気減速が続きました。そうした中、インフレが限定的だったアジアでは、利上げ幅が小幅に留まった結果、景気減速は限定的となっています。
日本株市場では、4月に27,600円台で始まった日経平均が1年を通して概ね26,000円から28,500円のレンジ内で推移するなど、上値の重い展開となりました。景気正常化や低金利環境の継続等がプラス材料となる一方、世界的な利上げや景気後退懸念、年末の日銀による緩和策修正等が上値を抑えました。期末の3月にはレンジ上限に迫ったものの、欧米での金融不安を受け反落した結果、日経平均は28,000円台で3月の取引を終えました。
米株市場では、4月に34,700ドル台で始まったダウ平均が、利上げを背景に6月には30,000ドルを割り込みました。その後8月には一時34,000ドル台を回復しましたが、楽観の剥落とともに9月末には29,000ドルを下回りました。一方、利上げ幅縮小期待から上昇に転じた株価は、年明け後も概ね底堅く推移しました。しかし、3月には複数の米銀破綻を受けて波乱の展開となり、最終的にダウ平均は33,200ドル台で3月の取引を終えました。
日本の長期金利(10年物国債利回り)は4月に0.19%で始まった後、概ね0.20%から0.25%内でのレンジ取引が続きました。日銀が12月の金融政策決定会合で長期金利の上限を0.50%程度に変更したため、1月には一時0.57%まで急伸しましたが、植田日銀総裁候補の緩和継続示唆を受けて0.35%で3月の取引を終えました。
一方、米国の長期金利は4月に期中最低の2.34%で始まり、6月には3.49%まで上昇しましたが、米景気後退懸念やインフレピークアウト観測から、8月には2.51%まで低下しました。しかし、FRBが引き締め姿勢を強めると、10月には年度中最高の4.33%まで急伸する流れとなり、債券価格が大幅に下落する厳しい投資環境となりました。その後は米インフレ減速や米地銀破綻で米国債需要が高まり、3.46%で3月の取引を終えました。
為替市場ではドル円が4月に期中最安値の1ドル121円台で始まった後、米積極利上げから10月には年度中最高値を151円台まで更新し、円安方向では過去に経験のない急激な動きとなりました。しかし、米インフレ減速や日銀の緩和修正観測が高まると、1月には127円台まで急反落するボラタイルな展開となりました。3月には一旦137円台まで反発しましたが、金融不安を受けたドル安進行により、132円台で3月の取引を終えました。
中期経営計画(以下「本計画」)初年度にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は1.1%、預り金融資産は8.6兆円、重要なKPIである経常利益は63億円となりました。
本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。
※2023年においても「DX銘柄」に選定され、3年連続での選定となりました。
なお、仕組債販売につきましては、現在、お客様の運用目的、リスク許容度、及び運用商品の適切性・適合性等を十分に確認し、真のお客様ニーズを踏まえた販売を徹底しております。
今後の対応につきましては、7月に施行される予定の日本証券業協会のガイドラインの改正内容を踏まえ、さらに商品内容の検証、商品特性等の表示、及び販売時の適合性基準など、経営者を交えた十分な社内検討を重ね、お客様本位を重視して対応してまいります。
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。
主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。
なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原証券価格、ボラティリティ、契約期間等を基に将来のキャッシュフローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。
また、連結貸借対照表には、持分法適用関連会社に関するのれんが含まれております。当該のれんについても減損処理の必要性を検討する必要があり、投資時に予想した収益性が低下した結果、投資額の回収が見込めないと判断した場合に減損処理を行います。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。