第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当社グループの財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する変動要因のうち,投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項のうち,以下の事項に関し重要な変更があった。

なお,文中における将来に関する事項は,当四半期報告書提出日(2023年8月4日)現在において判断したものであり,今後のエネルギー政策や電気事業制度の見直しなどの影響を受ける可能性がある。

(以下の見出しに付された項目番号は,前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」の項目番号に対応するものである。)

 

(7)コンプライアンス

当社グループでは,法令及び社会規範の遵守に関する基本方針及び行動原則を示した「中部電力グループコンプライアンス基本方針」のもと,設備の保安を含む業務運営全般におけるコンプライアンスの徹底,企業倫理の向上に努めている。

具体的には,2019年には「中部電力グループ贈収賄・腐敗防止方針」及び「金品授受に関するガイドライン」を制定するなど,取り組みを強化している。

このような中,当社及び中部電力ミライズは2021年4月13日に中部地区等における特別高圧電力及び高圧電力の供給並びに中部地区における低圧電力及び都市ガス供給等に関して,及び同年10月5日に中部地区における特別高圧電力,高圧電力,大口需要家向け都市ガス等に係る供給に関して,それぞれ独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いがあるとして,公正取引委員会の立入検査を受け,同委員会の調査に対し,全面的に協力してきた。

2023年3月30日,上記のうち中部地区等における特別高圧電力及び高圧電力の供給について,当社は,独占禁止法に基づく課徴金納付命令を,中部電力ミライズは,独占禁止法に基づく排除措置命令及び課徴金納付命令を,同委員会からそれぞれ受領した。各命令について,当社及び中部電力ミライズは,同委員会との間で,事実認定と法解釈について見解の相違があることから,取消訴訟を提起して司法の公正な判断を求めることとしている。課徴金については,前連結会計年度において独占禁止法関連損失を特別損失に計上した。これらの命令を受けて,当社及び中部電力ミライズは,経済産業省などから補助金交付等の停止及び契約に係る指名停止等の措置を受けている。また,2023年7月14日,中部電力ミライズは経済産業大臣から電気事業法に基づく業務改善命令を受け,同年7月28日,当該業務改善命令に対応する報告を行った。

この他の案件に対しては,引き続き調査に全面的に協力していく。

当社及び中部電力ミライズは,二度と独占禁止法に関する疑いを持たれることがないよう,2023年4月7日に公表したコンプライアンス徹底策を着実に実施していく。

また,中部電力パワーグリッドにおいて,託送業務システムで管理しているお客さま情報を中部電力ミライズ及びその委託先へ漏えいした事案が判明し,中部電力ミライズにおいて,同社従業員が顧客管理システムを通じて中部電力ミライズ以外の小売電気事業者と契約しているお客さま情報を閲覧していた事案が判明した。この件に関し,中部電力パワーグリッド及び中部電力ミライズは,2023年4月17日,電力・ガス取引監視等委員会より業務改善勧告を受け,同年5月12日,当該業務改善勧告に対応する報告を行った。

中部電力パワーグリッドにおいて,経済産業省の再生可能エネルギー業務管理システムを閲覧するために付与されたID及びパスワードを適切に管理しておらず,同システム上で中部電力ミライズの従業員においてもFIT認定情報が閲覧可能な状態となっていた事案が判明した。この件に関し,中部電力パワーグリッド及び中部電力ミライズは,2023年4月17日,資源エネルギー庁より指導を受け,同年5月12日,当該指導に対応する報告を行った。

加えて,これらの件に関し,中部電力パワーグリッド及び中部電力ミライズは,2023年6月29日,個人情報保護委員会から指導及び報告等の求めを受領しており,今後,適切に対応していく。

中部電力パワーグリッド及び中部電力ミライズは,2023年5月12日に公表した再発防止策を着実に実施していく。

その他,当社グループにおいて,不動産投資事業に対し関係行政から処分を受けた事象なども発生しており,これらについても適切に対応していく。

当社グループは,今後も,常にコンプライアンスに関する取り組み状況を確認し,その結果に基づいて説明責任を果たすとともに,コンプライアンス徹底に向けた不断の取り組みを進めていく。

ただし,コンプライアンスに反する事象により,社会的信用の低下などが発生した場合には,財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローは影響を受ける可能性がある。

 

2 【経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は,当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものである。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

 ① 経営成績

 

 

前第1四半期
連結累計期間

(自  2022年4月1日

至  2022年6月30日)

当第1四半期
連結累計期間

(自  2023年4月1日

至  2023年6月30日)

増    減

金額(億円)

金額(億円)

金額(億円)

増減率(%)

売上高(営業収益)

7,659

8,976

1,316

17.2

営業利益

414

1,571

1,157

278.9

経常利益

322

2,429

2,107

654.1

特別利益

63

63

親会社株主に帰属
する四半期純利益

205

2,020

1,815

883.5

 

 

当第1四半期連結累計期間の収支の状況については,売上高(営業収益)は,燃料費調整額(燃調収入)の増加などから,前第1四半期連結累計期間に比べ1,316億円増加し8,976億円となった。

経常利益は,燃料価格等の変動が電力販売価格に反映されるまでの期ずれについて差損から差益に転じたことや,特別高圧・高圧の標準メニュー見直しによる収入の増加などによるミライズの増益などから,前第1四半期連結累計期間に比べ2,107億円増加し2,429億円となった。

なお,期ずれを除いた連結経常利益は,1,450億円程度と,前第1四半期連結累計期間に比べ660億円程度の増益となった。

また,政策保有株式の一部を売却したことにより有価証券売却益63億円を特別利益に計上した。

この結果,法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する四半期純利益は,前第1四半期連結累計期間に比べ1,815億円増加し2,020億円となった。

 

中部電力ミライズ㈱の販売電力量は,中部エリア内での標準メニューの受付再開による契約増加はあったものの,電気機械等の生産減や気温影響による空調設備の稼動減などから,前第1四半期連結累計期間に比べ9億kWh減少し232億kWhとなった。

なお,中部電力ミライズ㈱及びその子会社,関連会社の合計の販売電力量は,前第1四半期連結累計期間に比べ16億kWh減少し248億kWhとなった。

 

また,中部エリアの需要電力量は,電気機械等の生産減や気温影響による空調設備の稼動減などから,前第1四半期連結累計期間に比べ13億kWh減少し275億kWhとなった。

 

当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績(内部取引消去前)は以下のとおりである。

なお,㈱JERAは持分法適用関連会社のため,売上高は計上されない。

 

[ミライズ]

電力・ガスの販売と各種サービスの提供に伴う売上高については,燃調収入の増加などから,前第1四半期連結累計期間に比べ1,446億円増加し7,421億円となった。

経常利益は,期ずれ差益の発生や,特別高圧・高圧の標準メニュー見直しによる収入の増加などから,前第1四半期連結累計期間に比べ934億円増加し1,192億円となった。

 

 

[パワーグリッド]

電力ネットワークサービスの提供に伴う売上高については,再生可能エネルギー特別措置法に基づく購入電力の卸電力取引市場への販売単価の低下などから,前第1四半期連結累計期間に比べ213億円減少し2,003億円となった。
 経常利益は,エリア需要の減少に伴う託送収益の減少はあったものの,レベニューキャップ制度導入に伴う託送料金の見直しや,需給調整にかかる費用の減少などから,前第1四半期連結累計期間に比べ198億円増加し212億円となった。

 

[JERA]

燃料上流・調達から発電,電力・ガスの販売に伴う経常損益は,期ずれが差損から差益に転じたことなどから,前第1四半期連結累計期間に比べ940億円改善し850億円の利益となった。

 

 ② 財政状態

総資産は,㈱JERAなどの関係会社長期投資の増加により投資その他の資産が増加したことなどから,前連結会計年度末に比べ1,551億円増加し6兆6,102億円となった。

純資産については,配当金の支払いはあったが,親会社株主に帰属する四半期純利益の計上や,その他の包括利益累計額の増加などにより,前連結会計年度末に比べ2,684億円増加し2兆4,306億円となった。

この結果,自己資本比率は,前連結会計年度末から3.3ポイント向上し35.2%となった。

 

(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題

前事業年度の有価証券報告書の提出日後,当四半期報告書の提出日までにおいて,事業上及び財務上の対処すべき課題について,重要な変更はない。

 

(3) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体としての研究開発費の総額は,1,544百万円である。

(注) 上記金額には,内部取引を考慮していない。

 

(4) 生産,受注及び販売の実績

当社グループは,電力・ガスの販売と各種サービスの提供を行う「ミライズ」,電力ネットワークサービスの提供を行う「パワーグリッド」,燃料上流・調達から発電,電力・ガスの販売を行う「JERA」等が,バリューチェーンを通じて,電気事業を運営している。

当社グループにおける生産,受注及び販売の状況については,その大半を占める電気事業のうち主要な実績を記載している。

なお,電気事業は,販売電力量が景気動向等の影響を受けることや,夏季と冬季に高い水準となる傾向にあり,四半期ごとの業績に変動が生じることがある。

 

① 発電実績

種別

当第1四半期
連結累計期間

(自  2023年4月1日

至  2023年6月30日)

対前年同四半期

増減率(%)

発電電力量

(百万kWh)

水力

3,049

26.8

原子力

新エネルギー

79

9.2

合計

3,128

26.3

出水率(%)

114.2

 

(注) 1  発電電力量及び出水率は,中部電力㈱の実績を記載している。

2  出水率は,1992年度から2021年度までの第1四半期連結累計期間の30カ年平均に対する比である。

3 四捨五入の関係で,合計が一致しない場合がある。

 

 

② 販売実績

ア 販売電力量及び料金収入

種別

当第1四半期
連結累計期間

(自  2023年4月1日

 至  2023年6月30日)

 対前年同四半期
増減率(%)

販売電力量
(百万kWh)

低圧

6,116

△6.5

高圧・特別高圧

17,131

△2.5

合計

23,247

△3.6

料金収入(百万円)

637,653

35.2

 

(注) 1  販売電力量及び料金収入は,中部電力ミライズ㈱の実績を記載している。

2  四捨五入の関係で,合計が一致しない場合がある。

3  料金収入には「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づいて受領した電気・ガス価格激変緩和対策補助金収入65,188百万円を含む。

 

〔参考1〕

グループ合計の販売電力量(百万kWh)

24,761

△6.0

 

(注) 中部電力ミライズ㈱及びその子会社,関連会社の実績を記載している。なお,グループ内の販売電力量は除いている。

 

〔参考2〕

他社販売電力量(百万kWh)

1,865

△39.5

 

(注) 1  中部電力ミライズ㈱の実績を記載している。なお,中部電力ミライズ㈱の子会社及び関連会社への販売電力量は除いている。

2 当第1四半期連結会計期間末日現在で把握している電力量を記載している。

 

イ 中部エリアの需要電力量及び料金収入

種別

当第1四半期

連結累計期間

(自  2023年4月1日

 至  2023年6月30日)

対前年同四半期

増減率(%)

中部エリアの需要電力量(百万kWh)

27,482

△4.6

料金収入(百万円)

138,191

2.4

 

(注) 1  中部エリアの需要電力量及び料金収入は,中部電力パワーグリッド㈱の実績を記載している。

2 料金収入は,接続供給託送収益(インバランスの供給に係る収益を除く)を記載している。

 

 (5) 主要な設備

当第1四半期連結累計期間において,主要な設備に重要な異動はない。また,主要な設備の前連結会計年度末における計画に著しい変更はない。

 

3 【経営上の重要な契約等】

該当事項なし