当社グループの経営理念は、「粘着の分野を原点として新たな価値を創造する技術で快適な生活に貢献し続ける」ことで「当社グループにかかわるすべての人々の幸せを実現する」ことであります。この理念のもと、事業活動を通じて社会、自然との共生を目指し、ステークホルダーとともに持続可能な社会の実現に貢献する取り組みを進めてまいります。
当社グループは、創業以来、粘着技術をベースに絆創膏や「セロテープⓇ」をはじめ人々の健康や快適な暮らし、産業の合理化・省人化に貢献する価値ある製品を幅広く供給してまいりました。
今後も、高い技術力と確かな品質を軸に地球環境に配慮した独創的な製品の提供を通じて、お客様にご満足いただき、信頼される企業を目指してまいります。
当社グループは、今後の企業価値及び株主価値を高めるため、収益性重視の観点から売上高営業利益率10%以上を中期的な目標とし、また経営に託された資本の将来における成果の観点から、自己資本当期純利益率(ROE)10%を目指してまいります。
今後の日本経済の見通しは、新型コロナウイルス感染症対策の緩和による経済活動の活性化が期待されるものの、長期化するウクライナ情勢やエネルギー資源・原材料高騰の影響により、先行きは引き続き不透明であり、当社グループを取り巻く事業環境は予断を許さない状況であります。このような状況のなか、販売価格の改定や継続的なコストダウンを実施するとともに、人的資本やTCFD提言に基づいたサステナビリティへの取り組みを推進し、コーポレート・ガバナンスの更なる充実を図ってまいります。あわせて、最終年度となった中期経営計画「ISHIZUE 2023 ~SHINKA・変革~」を推進し、重点テーマである「イノベーション創出」「グローバル展開・拡大」「事業推進体制の見直しと収益改革」「AI・IoT積極活用」「持続的成長を担う人財育成」を実行し、「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」実現に向けて取り組んでまいります。
① 中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出
「マーケットイン開発による新製品の上市実現、新製品カテゴリーでの事業探索・成果の創出」
顧客を機軸とした事業推進の一環として、BtoC(ヘルスケア・EC・オフィスホーム)での開発マーケティング、BtoB(医療材・工業品)での顧客現場ニーズを起点とした新規提案による開発を推進し、新製品カテゴリーでの成果創出を進めてまいります。
「コア技術の深化・進化の成果創出と共有、新たな事業展開に向けたオープンイノベーション・協業によるターゲット領域での新規事業の創出」
新製品のスピーディーかつタイムリーな上市を実現するために、全社員がイノベーションにかかわる意識を持ち、当社グループが持つコア技術の深化・進化の成果創出と共有を進めます。またオープンイノベーションなど社内外のリソースを活用した研究開発の取り組みによりターゲット領域で新たな価値を創出し、新規事業の創出を図るとともに、将来に向けたイノベーティブな人財の育成に取り組んでまいります。
② グローバル市場へのスピーディな展開・拡大
「3拠点体制による海外販売の拡大、及び支援体制の強化」
販売3拠点(日本本社、タイ販社、ドイツ販社)体制による事業拡大に向けて、現地戦力の充実と新規開拓・市場育成の活動をスピーディーに推進してまいります。海外市場での主要品目(「ケアリーヴTM」、止血製品シリーズ“セサブリックTM”、和紙マスキングテープ、「PanfixTMセルローステープ」)とともに、新規注力品目(「ロイヒつぼ膏TM」、ドレッシング材“カテリープラスTM”、術後ケアシリーズ“アスカブリックTM”)の取り組みを強化してまいります。また海外事業の推進体制強化のため、サプライチェーン・開発・薬事規制関連部署との連携を強化し、あわせて販売面・物流・生産面での協業を目的とした業務提携・M&A活用施策を進めてまいります。
③ 事業推進体制の見直しと収益改革
「顧客を機軸とした事業推進体制での戦略遂行」
BtoC事業であるコンシューマー営業本部(ヘルスケア・EC・オフィスホーム)は、多様化する顧客の様々なニーズ・チャネル・コミュニケーション機会を的確にとらえるためのブランドマーケティング戦略のもと、プロモーション施策と販売・流通施策を積極的に推進、実行してまいります。
一方のBtoB事業である工業品及び医療材は、顧客の現場課題の探索をベースとした営業活動を推進し、更なる新規案件・新規ユーザー開拓を推進してまいります。
「サプライチェーンマネジメントの最適化と業務プロセス改善、品質管理強化」
安定した原材料・商品調達及び需要予測に基づく生産、販売、在庫プロセスの最適化を図ります。また物流の安定化と効率化、品質管理強化に努めるとともに、全社コストダウンに向けてサプライチェーン本部主導のもと各部署連携し、課題を推進してまいります。
「サステナブル社会への貢献」
サステナビリティ委員会を中心とした体制のもと重要課題の抽出を行い、医療・健康などに関わる社会課題、CO2排出抑制などの環境課題の解決に向けた製品開発と事業戦略施策を推進します。また今後、気候変動問題や人的資本経営、コーポレート・ガバナンスなどの取り組みの充実化と情報発信の強化を図ります。
④ 事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用
「事業戦略を実現するためのIT基幹システム活用」
今後の事業戦略施策の遂行に向けて、新たに構築したIT基幹システムを販売・生産・在庫・会計などの基幹業務の管理水準向上及び業務プロセスの見直し、生産性の向上を図ります。
「社内外データの見える化、活用の推進」
DX(デジタルトランスフォーメーション)を見据えて戦略的データ活用・業務プロセス変革、デジタル技術を活用した販売拡大施策と事業運営の効率化、品質管理の強化、生産性向上を進めてまいります。
⑤ 将来の持続的成長を担う人財育成
「多様な人財の活用による組織運営の活性化、行動指針を実践する人財育成、社員の健康とエンゲージメント向上」
中長期ビジョンに向けた事業運営・管理体制の確立に向けて、ニチバングループの理念に掲げる行動指針を実践するための人財評価及び多様な人財の能力や特性を活かした育成を行います。また、従業員の健康、安全を基本とした健康経営の取り組みを推進し、中長期ビジョンの達成に向けて、個人の成長と事業の成長のベクトルを一致させるべく、エンゲージメント向上施策を推進してまいります。さらに、スキルマップを活用したリーダーシップやマネジメント力及び業務遂行能力の向上を図るとともに、次世代経営層の育成を進めてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、文中の記載及び図表については当社のホームページより引用したものであります。
(1) サステナビリティの考え方
ニチバングループは、「ニチバングループにかかわるすべての人々の幸せを実現します」という基本理念のもと、事業活動を通じて社会、自然との共生を目指し、ステークホルダーとともに持続可能な発展に貢献する取り組みを進めてまいります。
① ニチバンの価値創造
私たちは「絆を大切に、ニチバングループにかかわるすべての人々の幸せの実現」を基本理念に掲げています。理念の実現に向けて、環境・社会課題を解決する価値を提供し続け、サステナブル社会への貢献を果たします。
創業の精神をもとに構成する「基本理念」「企業姿勢」「行動指針」というニチバングループの理念を軸に、“企業を支える土台”となる経営基盤を確立し、理念からお客さまに届ける製品・サービスに至るまで、すべての階層においてニチバンという企業の品質を向上させます。その結果として、ニチバンの持続的な成長を実現するとともに、メディカルとテープの両事業を通じてステークホルダーに新たな価値を提供し、サステナブルな社会の構築に貢献します。

② ガバナンス・リスク管理
ニチバンは、ステークホルダーの皆さまからの期待や社会の要請に応えていくために、サステナビリティ全般に関わる基本方針や重要事項、リスクや機会などを検討・審議する組織として、CSR担当取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。
サステナビリティ委員会での議論内容は取締役会に年1回上程・報告され、取締役会が監督・指示を行い、この委員会で抽出された気候変動による事業継続リスクは、BCP委員会にて具体的な対策を検討しています。
③ 戦略・指標及び目標
ニチバンの事業活動によって影響を与える重要課題を再整理し、ステークホルダーにとっての重要課題とあわせてマッピングを行いました。その結果、「気候変動・地球温暖化対策」「環境・社会課題の解決に貢献する製品開発」「感染予防対策への貢献」「製品の品質向上と安全の確保」を、ステークホルダーとニチバンともに極めて重要度が高いと位置づけました。同じく新たに追加した「イノベーション創出」と「グローバル市場へのスピーディな展開・拡大」については、中長期的な重要テーマとして継続的に取り組んでいきます。

また、マテリアリティとして抽出した「サプライチェーンマネジメントの強化」では、社会的な影響度が高い人権問題に対応するために「ニチバングループ 人権方針」を策定し、その人権方針をもとにした「ニチバングループ 購買方針」を策定致しました。購買方針には、公正、公平で透明性を持った取引を行うだけでなく、環境や安全、法令遵守や人権の尊重など、持続可能性に対する考え方も含んでいます。サプライチェーン全体をニチバングループに関わるすべての人々と考え、皆さまの幸せを実現するための責任ある購買活動を推進していきます。

④ アクションとKPI




(2) 気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
当社グループは、「私たちは絆を大切にニチバングループにかかわるすべての人々の幸せを実現します」という基本理念を掲げています。この基本理念のもと、ステークホルダーの皆様からの期待や社会の要請に応えていくために、「サステナビリティの考え方」においてマテリアリティ(重要課題)を定め、「気候変動・温暖化対策」を最も優先度の高い項目として掲げております。
この度、当社グループでは「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言において開示が推奨されている、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの内容について開示を行い、今後継続的に開示内容の充実を図ります。
① ガバナンス
気候変動に関わる基本方針や重要事項、リスクや機会などを検討・審議する組織として、CSR担当取締役を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置しています。
気候変動に関する検討は「サステナビリティ委員会」のもと実施し、その内容は取締役会に年1回上程・報告され、取締役会が監督・指示を行います。
取締役会で審議・決定された議案は、各部門に展開され、それぞれの経営計画・事業運営に反映します。

② 戦略
中長期的なリスクの一つとして「気候変動」を捉え、関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、当社グループは
※2℃未満のシナリオ:気温上昇を最低限に抑えるための規制の強化や市場の変化などの対策が取られるシナリオ
4℃シナリオ :気温上昇の結果、異常気象などの物理的影響が生じるシナリオ
③ リスク管理
気候変動リスクに関するワーキンググループを設置してシナリオ分析を実施しました。気候関連リスクの優先順位付けとして、リスク・機会の自社への発生可能性と影響度の大きさを勘案しながら、重点リスク要因に注力して取り組みます。今後は、「サステナビリティ委員会」で継続的に確認していきます。
気候関連リスクの管理プロセスとして、経営企画室がサステナビリティ委員会の事務局機能を担い、「サステナビリティ委員会」を通じて、気候関連リスクに関する分析、対策の立案と推進、進捗管理等を実践していきます。「サステナビリティ委員会」で分析・検討された内容は、取締役会に報告し、全社で統合したリスク管理を行います。
≪気候変動に関する主なリスクと機会及び対応(メディカル事業(国内)、テープ事業(国内)を対象に検討)≫

④ 指標及び目標
気候関連問題が経営に及ぼす影響を評価・管理するため、Scope1、Scope2及びScope3に該当する温室効果ガス(CO2)の総排出量(GHG)を指標とします。
Scope1とScope2の目標と実績、及びScope3実績は「ニチバン株式会社及び国内子会社」を対象として開示します。
主な削減への取り組みは、従来からの取り組みに加えて、コストや効果を踏まえて、CO2排出量削減策を検討、順次開示し、脱炭素社会への貢献に向けて取り組んでいきます。


● 総排出量 25,705 [t-CO2]
● グリーン電力証書による償却量 4,995 [t-CO2]
● 実質排出量 20,710 [t-CO2]※1
※1 グリーン電力証書のグリーン電力相当量 4,995[t-CO2] を控除しています。




(3) 人的資本経営
① 戦略
(ⅰ) 人的資本経営の基本的な考え方
ニチバングループでは、多様な人財が結集し、グループ理念に定めた「基本理念」「企業姿勢」の実現に向けた5つの「行動指針(社会・お客様・チャレンジ・スピード・チームワーク)」を実践し続けることが「NICHIBAN GROUP 2030 VISION」に掲げるグローバル貢献・イノベーション創出と企業の持続的成長につながると考えています。
そのため全従業員が視野を拡げ、創造意欲を持って積極的に行動し、成長するための企業風土の醸成を目指して、人財育成投資を行うとともに、ダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進しています。
また従業員の心身の健康の増進、安全な職場環境の整備とともに、人権を尊重した公平な雇用や評価などに努めています。
(ⅱ) ダイバーシティ&インクルージョン
ニチバングループは、国籍、人種、民族、宗教、性別、年齢、障がい、性的指向などの違いを受入れ、多種多様なライフスタイルや価値観を尊重するダイバーシティ&インクルージョンを積極的に推進します。
新たな価値を創出し、従業員自身の成長と持続的な企業価値の向上に繋げるために、一人ひとりが多種多様な個性を発揮し、協力し高め合うことが重要と考えます。
今後もニチバングループの理念を軸に、ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、「多様性が生み出すイノベーション」と「グローバルに躍動するグループ」の実現を目指してまいります。
(ⅲ) 人財育成
ニチバングループでは「人」こそが企業活動の最大の原動力であり、重要な人的資本かつステークホルダーであると認識しています。
事業環境が急激に変化していくなか、企業の成長と持続可能な社会への貢献を続けていくためには、次なる時代を牽引するリーダーと、多彩な能力を最大限に発揮する人財が必要であると考え、 働くすべての人財に対して育成・キャリア形成の充実化を図っています。
人財に求めるのはニチバングループの理念に掲げる5つの「行動指針(社会・お客様・チャレンジ・スピード・チームワーク)」の体現であり、志をもって新たな領域を切り拓き、さまざまな課題の解決に向けて自己変革し成長する自律的人財となることです。
行動指針を体現する自律的人財を育成し、「人」とニチバングループが共に成長していくことを目指します。
(ⅳ) 健康とエンゲージメント
ニチバングループは、基本理念である(絆を大切に、ニチバングループにかかわるすべての人々の幸せ)を実現するためには、従業員のワークライフバランスを向上させ、健康増進とエンゲージメント向上及び安全確保などが当社グループにとって最も重要な基盤であると考えています。グループ全体で従業員が安心して、いきいきと働ける職場環境を整えていくことを推進していきます。

② 指標及び目標
当社では、働き続ける施策は整備されているため「勤続年数に男女の差はない」が、「管理職比率に男女の差がある」という課題解決に向け、第2期行動計画(2019年4月1日〜2024年4月1日)を策定、取り組みを進めています。当社においては、目標については本計画に定めた「管理職に占める女性労働者の割合」及び「労働者の男女の賃金の差異」を掲げております。また連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結ベースの実績及び目標は記載しておりません。
なお、当該指標に関する目標及び実績は、
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、当社グループの事業上のリスク全てを網羅するものではありません。
(1) リスクマネジメント体制
当社グループでは、「危機管理方針」を制定し、事業の継続を危うくする重大な危機に対して、事前に予測・予防措置を実行し、万一発生した場合には被害を最小限に抑え、再発防止措置をとることで、危機を適切に管理し、事業の継続・安定的発展を確保できるよう努めております。
損失の危険の全社的な管理や対応については内部統制委員会が管轄し、「リスク管理規則」に基づき、総務担当部署が全社的なリスク管理体制の構築、規則類の整備、運用状況の確認、情報の適切な伝達など必要な措置を講じております。
個々の損失(品質、財務等)の危険については「リスク管理規則」に基づき、当該危険の存在する各担当部署が、リスク管理体制整備、運用状況の確認等、必要な措置を講じております。
また、大規模災害等、当社グループに対する危機が生じた場合には、「緊急時対応規則」に基づき、速やかに緊急対策本部を設置し、「事業継続計画(BCP)」に沿って損失の極小化及び復旧に向けた対応を行うこととしております。
(2) 認識している重要なリスク
当社グループでは、(1)リスクマネジメント体制のもと、全社的なリスクのアセスメントを実施し、事業や社会環境の変化に合わせて定期的にリスクの確認や見直しを行っております。その結果、以下の重要なリスクを認識しており、リスク低減のための取り組みを実施しております。
また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。
(リスクマップ及び凡例)


(3) 気候変動に関するリスク
当社グループは、「サステナビリティの考え方」においてマテリアリティ(重要課題)を定め、「気候変動・温暖化対策」を最も優先度の高い項目として掲げております。(2) 認識している重要なリスクとは別に、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言において開示が推奨されている、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの内容について検討を行い、以下の通りリスクの認識をしております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 中長期成長エンジンの確立、イノベーション創出
・BtoC開発マーケティング・BtoB現場提案による新製品上市実現、新領域・新製品カテゴリー
での事業探索・創出
・コア技術の深化・進化と共有、オープンイノベーション・協業による新規事業の創出
② グローバル市場へのスピーディな展開・拡大
・販売3拠点(日本本社、タイ販社、ドイツ販社)体制による事業拡大及び支援強化、生産・
物流を含めた体制拡充の推進
・海外事業拡大に向けた戦略的パートナー探索(業務提携・M&A活用)
③ 事業推進体制の見直しと収益改革
・顧客を機軸とした事業推進体制での戦略遂行、業務プロセス・活動の効率化
・サプライチェーンマネジメント最適化と品質管理強化
・サステナブル経営とSDGs視点の事業戦略・開発の推進、CO2排出削減等の取り組み強化
④ 事業戦略推進に向けたAI・IoTの積極活用
・事業戦略を実現するためのIT基幹システム活用の実践
・社内外データの見える化・活用の推進
⑤ 将来の持続的成長を担う人財育成
・行動指針を実践する人財育成、社員の健康とエンゲージメント向上策の強化
・スキルマップ活用によるミドルマネジメント・専門分野のスキル強化
・次世代経営層の育成
以上の取り組みを実施いたしました結果、
売上高は、インバウンド需要回復への事前準備、海外の販売子会社を含めた海外需要拡大に向けた取り組み、為替の円安影響等により、前期比5.6%増の455億6千万円となりました。
営業利益は、ナフサ価格の上昇等による原材料単価の上昇や電力費・燃料費等が増加したこと等による原価の上昇に加え、人員増に伴う人件費の増加、新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加、行動制限の緩和に伴う旅費交通費の増加等による販売費及び一般管理費の増加等により、前期比34.3%減の16億9百万円となりました。
経常利益は、主に営業利益の減少により、前期比31.8%減の17億4千8百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、これらの影響があったものの、当社が保有していた旧大阪工場跡地の売却益16億2千9百万円を計上したこと等により、前期比31.0%増の23億7千1百万円となりました。
なお、自己資本当期純利益率は前年同期比1.3ポイント上昇の6.0%となりました。
(連結業績の概要)

(営業利益の前期比増減) (億円単位)

(フィールド別売上高、前期比増減)

当社グループのセグメントの概要は次のとおりです。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、顧客機軸をベースとした事業活動を強化するために、営業担当管掌を「国内事業本部」、「海外事業本部」とし、国内事業本部の傘下に、販路別に以下の営業統括部を設置しております。
・顧客を機軸とした新たな営業推進体制の強化とブランド戦略の再構築のために、「コンシューマー営業本部」を設置し、傘下に「ヘルスケア営業統括部」、「オフィスホーム営業統括部」を置くとともに、越境EC含め積極的にEC営業の拡大を図るため、EC特販営業部から独立した「EC営業統括部」を置いております。
・より顧客に密着した営業活動を推進し、新規開発案件探索、顧客拡大のために、「工業品営業統括部」、「医療材営業統括部」を置いております。
また、当社グループは、以上の営業担当管掌に、各子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」、「工業品フィールド」、「医療材フィールド」及び「海外フィールド」を設定しております。
経営資源の配分の決定及び業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております。
なお、EC事業の拡大に伴い事業管理体制を変更したため、当連結会計年度より、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「オフィスホームフィールド」の区分を見直しております。
そのため、前連結会計年度の金額については、当該変更後の金額に組み替えて比較・分析しております。
「メディカル事業」、「テープ事業」セグメントと各事業フィールドとの関係は以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
メディカル事業
(ヘルスケアフィールド)
ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響があるなか、行動制限の緩和と訪日外国人の増加に伴うインバウンド需要の回復がみられましたが、物価上昇による消費者心理の冷え込みもあり、依然として先行き不透明な販売環境が続きました。
このような状況のなか、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズについては、国内需要拡大に向けて、認知度向上のためにテレビCMやキャンペーンなどのPR活動を行うとともに、試供品配布を継続して行いました。あわせて、鎮痛消炎剤“ロイヒ”シリーズについては、訪日外国人客数の増加に伴うインバウンド需要拡大への準備を行うとともに、国内需要拡大に向けてテレビCMやキャンペーンなどのPR活動を行いました。その結果、ともに売上高は前年を上回り、フィールド全体としての売上高は124億7千万円(前期比10.7%増)となりました。
(医療材フィールド)
医療機関向け医療材料市場におきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大時には医療提供体制の逼迫により、不急の手術延期等で関連商材は影響を受け、直近では新規陽性者の減少に伴い通常に戻りつつあるものの、依然として先行き不透明な販売環境が続きました。
このような状況のなか、止血製品シリーズ“セサブリックTM”については、オミクロン株拡大により高齢者を中心に4・5回目のコロナワクチン接種の需要があったものの、若者の接種率は伸び悩みワクチン接種数が減少し、売上高は前年を下回りました。その一方、術後ケアシリーズ“アスカブリックTM”やドレッシング材“カテリープラスTM”は、国内産による安定供給と品質の良さで認知度拡大が進んだことにより、ともに売上高が前年を上回り、フィールド全体としての売上高は60億6百万円(前期比3.4%増)となりました。
((メディカル事業にかかる)ECフィールド)
EC市場におきましては、オンライン購買に対するWEBマーケティングを強化してきたことにより、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズが好調に推移し売上高は前年を上回りました。その一方、越境ECの売上高においては、“ケアリーヴTM”シリーズ育成に注力するものの前年を下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は6億5千3百万円(前期比17.4%増)となりました。
((メディカル事業にかかる)海外フィールド))
海外市場におきましては、Withコロナへの移行が進むなか、急激な物価上昇や中国での新型コロナウイルス感染症拡大など、経済成長への負荷が高まり、依然として先行き不透明な状況が続きました。
このような状況のなか、重点地域であるアジア及び欧州にて、高機能救急絆創膏“ケアリーヴTM”シリーズや止血製品シリーズ“セサブリックTM”を中心に、販売代理店とともに現地に密着した営業活動を展開してまいりました。特に“ケアリーヴTM”シリーズは、主に韓国・タイにて販路拡大が進み好調に推移し、アセアン及び欧州における医療材製品も堅調に推移いたしました。これらに加えて円安影響もあり、フィールド全体としての売上高は18億6千2百万円(前期比28.1%増)となりました。
以上の結果、メディカル事業全体の売上高は209億9千2百万円(前期比10.0%増)となりました。また、原材料単価の上昇や電力費・燃料費等が増加したこと等による原価の上昇があったものの、ヘルスケアフィールドを中心とした売上高の増加により、セグメント利益は47億9千4百万円(前期比14.1%増)となりました。
テープ事業
(オフィスホームフィールド)
文具事務用品市場におきましては、原材料価格高騰を起因とした物価上昇による消費者心理の冷え込みやコロナ禍の出社減少によるオフィス用品需要の低迷が続き、厳しい販売環境となりました。
このような状況のなか、キッチン雑貨「ディアキチTMワザアリTMテープ」の売上高につきましては、大手流通への取り組みを強化し、前年を上回りました。その一方、主力製品である「セロテープⓇ」や両面テープ「ナイスタックTM」については、価格改定や新製品を含めたラインアップ拡大を進めたものの、需要低迷の影響は大きく、ともに売上高は前年を下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は52億1千2百万円(前期比4.4%減)となりました。
(工業品フィールド)
産業用テープ市場におきましては、行動制限の緩和により消費に緩やかな回復傾向が見られましたが、部品供給不足による一部自動車メーカーの減産や原材料価格の高騰などもあり、依然として先行き不透明な販売環境が続きました。
このような状況のなか、主要製品の価格改定を進めるとともに、「セロテープⓇ」については、多くの企業や自治体に向けて天然素材を使用した環境配慮製品であることを特設ホームページ等を通じて啓蒙し、SDGsへの取り組みとしてご賛同をいただきました。その一方、車両用マスキングテープについては、原材料供給停止による廃番が重なり、売上高は前年を大きく下回りました。その結果、フィールド全体としての売上高は131億6千4百万円(前期比0.9%減)となりました。
((テープ事業にかかる)ECフィールド)
EC市場におきましては、オフィス用品需要の低迷が続く厳しい販売環境のなか、価格改定を進めるとともに、オンライン購買に対するWEBマーケティングを強化してきたことにより、「セロテープⓇ」や両面テープ「ナイスタックTM」など消耗品の需要が好調に推移いたしました。その結果、フィールド全体としての売上高は34億3千6百万円(前期比5.6%増)となりました。
((テープ事業にかかる)海外フィールド)
海外市場におきましては、中国での新型コロナウイルス感染症拡大によるビジネスの停滞など、先行き不透明な状況が続きましたが、欧州市場においては、Withコロナへの移行によりイベント需要が大きく回復いたしました。
このような状況のなか、重点地域であるアジア及び欧州にて、「PanfixTMセルローステープ」は香港やインドネシア市場への取り組みを強化し、塗装用和紙マスキングテープは欧州市場での取り組みを強化するなど、販売チャネルの構築と製品育成に注力いたしました。あわせて、主要製品の価格改定を実施し、改定前の仮需要も発生いたしました。これらに加えて円安影響もあり、フィールド全体としての売上高は27億5千4百万円(前期比34.0%増)となりました。
以上の結果、テープ事業全体の売上高は245億6千8百万円(前期比2.1%増)となりました。また、売上高の増加に伴い、テープ事業にかかる工場の生産は増加しているものの、ナフサ価格の上昇等による原材料単価の上昇や電力費・燃料費等が増加したこと等による原価の上昇により、セグメント利益は9億5千6百万円(前期比56.3%減)となりました。
調整額
報告セグメントに帰属しない一般管理費の計上等により、営業利益と報告セグメントの利益の合計額との調整額が41億4千1百万円(前期比5.0%増)となりました。
(トピックス コンシューマー営業本部)


(トピックス 医療材フィールド)

(トピックス 工業品フィールド)

(トピックス 海外フィールド)



(主要製品別 前期比推移)

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
② 受注実績
当社グループは需要見込による生産方式をとっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ46億9千6百万円増加し、691億2千3百万円となりました。流動資産は35億3千万円の増加、固定資産は11億6千5百万円の増加となりました。
流動資産の増加は、設備投資や配当等にかかる支払い等により減少したものの旧大阪工場の土地売却等により現金及び預金が9億8百万円、前第4四半期連結会計期間の売上高と比較して、当第4四半期連結会計期間の売上高が増加したこと等により売上債権が14億7百万円、原材料単価の上昇等により棚卸資産が11億8千4百万円増加したこと等によるものです。
固定資産の増加は、当社の埼玉工場における粘着液製造設備及び建屋の設備投資等により有形固定資産が13億1千万円増加したこと等によるものです。なお、前連結会計年度末に建設仮勘定に計上しておりましたニチバンメディカル㈱における新棟及び医療機器製造設備は、当連結会計年度において、すべて本勘定に振り替えられております。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
メディカル事業
当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前年同期と比べ14億8千4百万円増加し、274億3千9百万円となりました。
テープ事業
当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前年同期と比べ28億2千4百万円増加し、223億8千8百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比べ30億5千3百万円増加し、285億1千9百万円となりました。流動負債は、29億7千8百万円の増加、固定負債は、7千4百万円の増加となりました。
流動負債の増加は、生産増により、電子記録債務が14億3千6百万円、設備投資の増加により営業外電子記録債務が16億6千1百万円増加したこと等によるものです。
固定負債の増加は、役員退職慰労引当金が1千7百万円減少したものの、退職給付に係る負債が8千3百万円増加したこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ16億4千2百万円増加し、406億3百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より1.7ポイント低下し、58.7%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ9億8百万円(6.6%)増加し、147億5千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億4千6百万円(28.2%)減少し、29億1千7百万円となりました。当連結会計年度の主な内容は税金等調整前当期純利益34億3千1百万円の計上、減価償却費27億5千7百万円の計上、売上債権の増加14億7百万円の計上、棚卸資産の増加11億8千4百万円の計上、仕入債務の増加20億3千6百万円の計上、法人税等の支払額10億4千万円等によるものです。
営業活動によるキャッシュ・フローの減少は、長期化するウクライナ情勢やエネルギー資源・原材料高騰の影響等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ17億4千5百万円(60.2%)減少し、11億5千3百万円となりました。これは主に当社埼玉工場の粘着液製造建屋新設等の有形固定資産の取得による支出25億5千万円、当社が保有していた旧大阪工場跡地の売却等による有形固定資産の売却による収入16億8千6百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1億7千6百万円(25.5%)増加し、8億6千7百万円となりました。これは配当金の支払額6億2千2百万円及び自己株式の取得による支出1億8千7百万円等によるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化及び設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。
資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。
なお、資金調達の柔軟性及び機動性を確保するため、取引銀行と40億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高40億円)を締結しております。
当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入のほか製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、テープ安城工場、メディカル安城工場及び製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設又は更新によるものです。
2023年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その内の一部について金利スワップ取引を利用することで、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
経営方針として定めた「事業フィールド」戦略に基づいた研究開発活動を行っております。
なお、当社の子会社及び関連会社は、主として当社販売品の製造を担当し、企業集団としての研究開発活動は主として当社にて行っており、当連結会計年度の研究開発費の金額は
セグメント毎の研究開発活動は次のとおりであります。
(メディカル事業関連)
当事業の研究開発の目的は、薬局・薬店向け及び医療機関向けの医薬品・医療機器及び衛生材料の製品開発、並びにその開発に必要な新機能、新技術の研究開発であり、当連結会計年度の主要な研究開発成果は次のとおりであります。
なお、当事業の研究開発は研究開発本部と国内事業本部製品開発部を中心に先端応用研究所、製品設計部及び工場との連携による新製品開発活動を展開しております。
当事業本部に関連する当連結会計年度の研究開発費の金額は
(テープ事業関連)
当事業の研究開発の目的は、オフィス・ホーム向け及び業務向けテープ関連製品の開発、並びにその開発に必要な新機能、環境対応技術の研究開発であり、当連結会計年度の主要な研究開発成果は次のとおりであります。
なお、当事業の研究開発は研究開発本部と国内事業本部製品開発部を中心に、先端応用研究所、製品設計部及び工場との連携による新製品開発活動を展開しております。
当事業本部に関連する当連結会計年度の研究開発費の金額は