当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、1965年の創業以来「かけがえのない生命のために」という創業精神の下、「医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします」という企業理念を実現するため、医療現場の課題を的確に捉え、その解決に真に役立つ価値の創造と提供に努めております。こうした企業活動を通じて、株式会社として適正かつ効率的な運営を図り、健全な利益を確保して企業価値を高め、株主・患者さん・医療従事者・取引先・地域住民等すべてのステークホルダーの皆様の利益・幸せを実現することを当社グループの経営方針としております。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、日本国内では、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)のワクチン接種などの対応により、外来患者の受診控え、不急の手術・処置の延期等の状況が改善され、需要は回復基調にあります。2023年5月には新型コロナの感染症法上の位置付けが5類へ見直されるなど、新型コロナ規制緩和等により、今後も需要の回復は継続することが予想されます。海外においても、世界的な高齢化の進行や健康志向の高まり、先進医療に対する期待や新興国の需要増加を背景として医療機器需要は安定的に成長を続けており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。
このような環境下においても、医療機器市場の見通しとしては、医療DXの流れから、オンライン診療や収集・分析したデータの活用等による医療現場の負荷軽減や医療サービスの効率化が求められるようになり、それに応えるための最適なソリューションの提供が重要性を高めていくと予想されます。
当社グループは、2030年のありたい姿として、「未来の医療を先取りした新たな価値の創造を実現し、世界の人々の健康とQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の一層の向上を支える企業になる」ことを定めた長期ビジョンの実現を目指しております。
短期的な収益性向上のみならず、社会の様々な要請に応えて中長期的に企業価値を高め、長期的耐久性を備えた会社へと変革を図るとともに、ステークホルダーの皆様と協働して活動の輪を広げながら持続可能な社会づくりにチャレンジしてまいります。その実現に向けて次のとおり基本方針と取組みを定め、対応を進めてまいります。
基本方針
1.収益構造の改革
投下資本効率を踏まえたグループ収益構造の抜本的見直しを行って体質改善を図るとともに、国内外の市場環境に適応した事業戦略を遂行し、安定的な利益創出を実現する。
2.グローバリゼーションの推進
拡大する海外需要の取込みに向けて経営資源の重点配分と体制の強化を図り、顧客課題を解決する力を高めて、グローバル展開を加速する。
取り組み
基本方針のもと、4つの取組み「事業ポートフォリオマネジメントの強化」、「構造改革による経営基盤の強靭化」、「グローバルな事業収益の拡大」、「ESG経営の推進」を進めてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの事業活動としましては、輸液・栄養領域、透析領域、外科治療領域、血液・細胞領域の4つの領域を中心に事業を展開し、製品の開発、生産、販売を進めております。
(2)の経営環境を踏まえ、(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中期経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は領域別に次のとおりであります。
(輸液・栄養領域)
医療安全、低侵襲に対するニーズは引き続き高まり、また、診療報酬改定に伴う医療機器へのコスト削減要求は加速しております。そのため、アライアンスを活用しつつ、輸液領域では、医療DXに寄与する輸液ポンプを中心に院内感染制御、注入制御、医療事故対策の課題を解決する製品をトータルシステムで提供することで、栄養領域では、栄養管理からリハビリ・回復までの栄養療法のトータルコーディネーターとなることで、医療現場での揺るぎない信頼を確立してまいります。また、オンコロジー領域への経営資源の集中による国内シェア拡大や海外展開の推進を加速させ、グローバルな主力事業として収益拡大を目指してまいります。
(透析領域)
地域の包括的な支援・サービスの提供体制が推進され、在宅医療へのシフトが進もうとしている中、透析領域では、患者さんのQOL向上と医療現場の省力化・効率化に貢献する安全、安心かつ高度な透析医療を提供する企業を目指しております。国内では、血液透析と腹膜透析の両システムの品揃えによる選択療法の啓発に加え、透析情報システムを中核とした医療DXを推進するほか、海外では、日本の優れた透析医療を中国に普及させるとともに、慢性腎臓病が増加しているアジア諸国へ販売を進めております。
(外科治療領域)
診療報酬の継続的な引き下げ等により、機能別・診療特化の病院再編が進む中、外科治療領域に加え救命・集中治療分野において、自社開発から製造、販売による高い信頼性の強みを活かした独自の製品及びサービスに、アライアンスにより強化した製品ポートフォリオを加えたトータルシステムで顧客ニーズに的確に応え、人々の健康寿命の延伸に貢献すべく、安全、安心の提案を進めております。
(血液・細胞領域)
血液領域では、高品質な製品の製造と販売を通じ、「採血から輸血まで」の各プロセスで欠くことのできないメーカーになることを、細胞領域では、血液や細胞の「採取から投与まで」に必要とされるデバイスを開発し、細胞・再生事業におけるイノベーションマネジメント企業になることを目指して活動を進めております。
当社グループは、成長性、収益性、効率性、安定性など全体バランスの取れた中長期的な業容の拡大を目指しており、売上高、営業利益、ROIC(投下資本利益率)を重要な経営指標としております。現在策定を進める中期経営計画において、これら経営指標の目標を定めたうえで、(3)中期経営戦略にある基本方針と取組みに沿って長期的耐久性を備えた会社へ変革を図ってまいります。
当社は「私たちは医療を必要とする人と支える人の架け橋となり、健康でより豊かな生活に貢献することですべての人々を笑顔にします」という企業理念を実現するため、企業指針のひとつとして「私たちは持続可能性に配慮し、社会価値の向上に貢献します」という、当社が大切にする考え方・姿勢を定めております。また、2020年4月にスタートしました中期経営計画《GAIN-RG 2023》より、サステナビリティに係る課題への対応を経営戦略上の重要事項と位置づけ、その取組の一つに「持続可能な社会の実現」を掲げ、その実現を目指して活動を推進しております。今後活動の輪を広げてステークホルダーの皆様と一緒になって持続可能な社会づくりにチャレンジしてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社のサステナビリティに係る重要なリスクと機会については、業務執行の意思決定機関である役員会において適宜、協議・決議しております。また、2022年より、部門横断チームによるサステナビリティ準備委員会を発足し、サステナビリティを巡る議論を行い、ESG経営推進のための体制づくりや重要課題設定を進めており、その進捗状況は役員会へ定期的に報告され、適宜、協議・決議されています。今後、サステナビリティ委員会としてガバナンス及びリスク管理体制を強化するとともに、ESG経営の実現に向け、基本方針の策定など運営基盤の構築を推進してまいります。
(環境負荷の低減)
当社の電力使用量の大半を占める工場において、省エネ化、二酸化炭素量の削減のため、再生可能エネルギーである太陽光発電システムや、最小限のエネルギーで稼働する高効率設備の導入を行っております。また、製品のトレー出荷による個包装の削減や、必要な機器を予め接続した状態で医療現場へ提供することによる包装資材の廃棄物削減を実施しており、さらに、工場で廃棄されるプラスチックの再利用を検討してまいります。これらの取組をはじめ、省エネや使用資源の削減に積極的に取り組み、事業活動における環境負荷の低減を図ってまいります。
(人材の育成及び社内環境整備に関する方針)
組織内の各階層別に必要な役割の理解及び知識・技術を習得する階層別教育や、職能固有の分野について専門的知識・技術を習得する職能別教育をはじめ、社員一人ひとりが業務に関連する知識・技術を自ら進んで習得する環境を整えるなど、様々な取組を行っております。また、海外を含む組織のニーズに基づく「社内求人」に対し、希望する社員が自ら手を挙げる社内公募制度など、社員一人ひとりのキャリア開発に積極的に取り組んでおります。社員一人ひとりが新しいことに挑戦でき、当社グループと、社員自らが持続的に成長していくために、働き方を支える環境づくりに関しても積極的に取り組んでおります。社内環境整備については、全社員が働きやすい職場環境を目指し、男女雇用機会均等法や育児介護休業法といった法律で定められている内容以上の制度を整備しております。
重要なサステナビリティ項目に係る指標及び目標については、上記ガバナンスとリスク管理の枠組みを通して今後策定し、その開示を進めてまいります。
また、当社の行動計画において、2026年3月末までに女性管理職比率については8%以上、男性の育児休業取得率は30%以上とすることを目指しております。これらの実績は、「
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 品質に関するリスク
当社製品の製造及び販売を行うにあたっては、製造及び販売先国の関連する医薬品及び医療機器等の法令・規則を遵守し、品質管理システムの構築と継続的な改善を行っております。しかしながら、各国規制の変更や予測できない環境変化にタイムリーに対応できなかった場合、当社製品の品質上の問題が発生した場合等により製品を提供できなくなるリスクがあります。
このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、当社グループの社会的信用の低下、発生した損害に対する賠償金の支払い、回収等による業務負担の増加、検査作業負担増加による生産性低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、法令・規則を遵守し医療現場の期待に応える製品とサービスが提供できるよう、品質に関する仕組みを適宜改良することを「品質方針」に掲げ、常に品質の向上を図っております。さらに、製品の不良等により万が一重大な損害を発生させた場合に備え、生産物賠償責任保険をはじめとする保険に加入しリスクの低減を図っております。
(2) 市場価格に関するリスク
当社グループが提供する製品は、先進国における医療機関の医療費抑制策に伴う診療報酬、医療保険等の公定価格の引下げや、新興国における医療市場の拡大に伴う新規参入企業の増加等、国内外ともに競争の激化によって市場価格低下のリスクがあります。
このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、他社製品への切り替えによる売上高の減少、利益の低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、各国の医療制度改革をはじめ行政機関が公開する情報等を注視し、経営戦略等に適宜反映させるとともに、顧客起点の事業運営の深化により医療現場のニーズを的確にとらえた付加価値の高い製品を開発・提供するほか、当社グループ全体で最適生産をさらに推し進め価格競争力を強化してまいります。
また、当社における売上高には、顧客の販売実績に応じた値引額が含まれております。この販売実績にかかる未確定の値引額は見積りにより計上しておりますが、実際の販売実績との差異は、売上高の減少や利益の低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。
このリスクに対しては、顧客別製品別に過去の値引率及び販売実績額等を基に値引額を合理的に見積ることで、確定値引額との差額の縮小に努めております。
(3) 生産活動に関するリスク
当社グループは、日本国内の工場及び海外拠点のうちシンガポール、インドネシア、中国、フィリピン、韓国において、医療機器・医薬品の生産を行っております。これらの国における、予期しない法規制等の変更や政情の変化、地震や火山噴火等の自然災害、疫病等の発生により、原材料の調達や製造要員の確保等が困難となり、生産が減少もしくは停止するリスクがあります。
このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、製品の供給責任を果たせなくなるとともに、売上高の減少や利益の低下等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、代替材料や代替購入先の検討による依存度の分散、当社グループ内での調達や代替生産等、事業継続計画(BCP)を含むフェイルセーフの取り組みを進めてまいります。
(4) 原材料の価格変動に関するリスク
当社グループが提供する製品の多くは、石油製品であるプラスチックを主原材料としており、地政学的な要素も含めた産油国の状況等により原油・ナフサ価格が高騰した場合、原材料購入価格が上昇するリスクがあります。
このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、製造原価の上昇による利益の減少等の影響を当社グループに及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、調達先の多様化を含めた安定供給先の確保及び原油・ナフサの国際市況を注視し、適切なタイミングでの価格交渉等によりリスクの低減を図っております。
(5) 為替相場に関するリスク
当社グループには、海外を拠点とする子会社があり、現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されるため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が変動するリスクがあります。また、海外への製品販売取引や海外からの仕入取引等において、外貨建取引を行う場合もあり、為替相場の変動リスクがあります。
このリスクが顕在化する可能性は常にあると認識しており、このリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
上記リスクに対しては、取引通貨毎の取引バランスを図るとともに、為替予約の実行等により為替リスクの低減に努めております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指して、2023年3月期を最終期とする中期経営計画《GAIN-RG 2023》を策定し、5つの取り組み「事業ポートフォリオの最適化」、「グローバル体制の強化」、「次世代事業の創出」、「グループ経営基盤の強化」、「持続可能な社会の実現」を定め、対応を進めてまいりました。
この取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、円安による円貨換算額の増加も加わり、前連結会計年度に比べ55億71百万円増加の637億40百万円(前連結会計年度比9.6%増)となりました。
利益につきましては、増収効果はあるものの、原材料費や電力費に加え、需要回復に備えた労務費の増加や、販売活動の再開等による販売費の増加により、営業利益は7億24百万円(前連結会計年度比26.1%減)となりました。また、補助金収入の減少や、持分法による投資損失の計上などにより、 経常利益は5億86百万円(前連結会計年度比47.9%減)となりました。これに投資有価証券売却益や法人税等を加減した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2億81百万円(前連結会計年度比66.0%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(日本)
急性血液浄化事業に係る販売が中国向けを含めて増加したほか、薬剤調製・投与クローズドシステムや人工心肺用回路などの販売も堅調に推移しました。また、血液透析装置は半導体の入荷に伴い中国向けの輸出を再開し、需要回復の国内と合わせて売上を伸ばしました 。
これらの結果、売上高は445億73百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。セグメント利益については、原材料費や電力費、海上運賃の高騰影響を受けたことに加え、円安による外貨建て仕入取引の円貨換算額 や、販売活動の再開等による販売費の増加により、3億78百万円(前連結会計年度比65.1%減)となりました。
(シンガポール)
成分献血用回路の販売が北米において回復をみせたことに加え、アジア向け血液バッグや、関係会社向けのAVF針(血液透析用針)の販売も増加したことから、売上高は225億58百万円(前連結会計年度比27.1%増)となりました。セグメント利益については、原材料費の高騰や需要回復に備えた労務費の増加などの影響を増収効果で吸収し、1億59百万円(前連結会計年度は75百万円の損失)となりました。
(中国)
市場成長に伴う需要の拡大を受けてAVF針や急性血液浄化回路の販売が好調に推移したほか、関係会社向けの経腸栄養関連用品や材料供給も増加したことから、売上高は40億88百万円(前連結会計年度比20.7%増)となりました。また、セグメント利益については、原材料費の高騰に加え、労務費などの増加 もあったものの、増収効果と為替差益の計上により、79百万円(前連結会計年度比122.6%増)となりました。
(フィリピン)
欧州向けAVF針の販売が減少したものの、アジア向け血液バッグや日本向け輸液セットの増加により、売上高は37億16百万円(前連結会計年度比17.7%増)となりました。また、セグメント利益については、原材料費や電力費の高騰に加え、労務費や設備投資に伴う減価償却費の増加もあり、85百万円(前連結会計年度比66.1%減)となりました。
(ドイツ)
透析用チェアや透析キットが増加したほか、血液バッグの販売が好調に推移したことにより、売上高は37億49百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。また、セグメント利益については、海上運賃の増加を増収効果で吸収し、1億78百万円(前連結会計年度比35.9%増)となりました。
(その他)
北米向けAVF針の増加などにより、売上高は53億76百万円(前連結会計年度比32.5%増)、セグメント利益については1億41百万円(前連結会計年度は6百万円の損失)となりました。
当連結会計年度の財政状態の概要は次のとおりであります。
a.資産
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度末に比べ24億36百万円増加の744億7百万円となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(日本)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ13億5百万円減少の539億99百万円となりました。この主な要因は、保有するジェイ・エム・エス・ヘルスケア・フィリピン,INC.の株式について減損処理を行ったことにより関係会社株式が減少したためであります。
(シンガポール)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ14億6百万円増加の164億9百万円となりました。この主な要因は、円安による円貨換算額の増加によるものであります。
(中国)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4億46百万円増加の42億21百万円となりました。この主な要因は、借入金の増加により現金及び預金が増加したためであります。
(フィリピン)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ1億49百万円増加の60億81百万円となりました。この主な要因は、円安による円貨換算額の増加によるものであります。
(ドイツ)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ2億76百万円増加の20億93百万円となりました。この主な要因は、契約負債の増加により現金及び預金が増加したためであります。
(その他)
セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ4億66百万円増加の42億47百万円となりました。
b.負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億10百万円減少の224億37百万円となりました。この主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が減少したためであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ12億40百万円増加の132億70百万円となりました。この主な要因は、長期借入金が増加したためであります。
c.純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べ16億7百万円増加の387億円となりました。この主な要因は、為替換算調整勘定の変動によるものであります。
なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.4ポイント上昇の51.8%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度に比べ4億85百万円減少の63億25百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ19億14百万円減少の24億85百万円となりました。この主な要因は、売上債権の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は、前連結会計年度に比べ13百万円増加の36億91百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得にかかる支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、前連結会計年度に比べ10億24百万円増加の5億25百万円となりました。この主な要因は、借入金の収支差額によるものであります。
当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは、次のとおりであります。
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後期末発行済株式総数により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 生産実績金額の算定基準は、平均販売価額によっております。
2 セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 商品仕入実績金額は、仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.受注実績
当社グループは、需要予測に基づく見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(注)当該割合が100分の10未満については記載を省略しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
・経営成績等及びセグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する分析・検討内容、並びに中期経営計画の数値目標及び実績
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
・経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 3事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
・キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
・資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、主として合理化設備への投資やICT投資の資金を営業活動によるキャッシュ・フローからの資金、及び財務活動によるキャッシュ・フローからの資金で充当します。この財務活動からの資金については、主に金融機関等からの借入を考えております。
また、株主還元については、株主各位に対する長期的かつ安定的な利益還元を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は19,750百万円であり、現金及び現金同等物の残高は6,325百万円であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(注)(株)ジェイ・エム・エスと(株)カネカとの医療機器及びその関連分野における業務提携並びに資本提携契約は、2024年3月31日まで更新されています。
外科医でもあった創業者の現場視点での課題解決ポリシーを受け継ぎ、コロナ禍により一層厳しさを増した医療現場の課題を捉えた製品開発に注力しました。特に近年課題となっている医療事故、医療従事者の働き方改革にも着目、IoT、AI等の最新技術を活用し、医療機器の情報の一元化の推進等にも努めました。
当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
当連結会計年度における研究開発費は
また、栄養領域では、小児領域での舌圧トレーニングにも着目した小児用規格「ペコぱんだ」の提供を開始しました。
透析領域では、個々の透析患者さんにより適した診療支援を円滑、かつ迅速に進めるべく、昨年度上市した透析情報システム「エルゴトライ-HT」を核とし、透析装置をはじめ、電子カルテおよび、各種医療機器とのデータ連携システムの拡充に努めました。特に心臓病の合併症が多い透析患者さんの体調管理連携を具体化すべく、テレメトリー式心電送信機「myBeat ホームECG」事業を譲り受け、心電図とのシステム連携の拡充に努めております。
外科治療領域では、当社が持つ急性血液浄化分野と循環器分野双方の特長を生かし、集中治療における術後管理の利便性の向上を図る製品開発に努めました。ベッドサイドに多くの機材が配置される集中治療において、省スペース化が必要となる現場ニーズに応えるため、小型で利便性を追求した人工心肺用温度コントロールユニット「冷温水槽 HC-1」の提供を開始しました。
また、モノピボット構造により血栓抑制効果に優れた単回使用遠心ポンプ「ミクスフローMP」が「2022年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
血液・細胞領域では、信頼性、操作性に優れた採血・分離バッグシステムの開発を進めるとともに、血液バッグで培ってきた技術を応用展開し、本分野に強い大学、企業とも連携した細胞保存および細胞培養関連製品の開発に努めました。
また、凍結保存容器「セルキュア」シリーズが、昨年度の国内でのグッドデザインベスト100選に続き「2022年度中国 DESIGN INTELLIGENCE AWARD」を受賞、機能性に即したデザインは、海外でも高い評価を得ております。
引き続き高齢化、省力化等の近年の医療を取り巻く環境変化に対し、価値ある医療ソリューション、デバイスを提供すべく、産学官連携を積極的に推進し、最先端のシミュレーション設計技術などを活用した研究にも注力しております。
シンガポール、中国、フィリピン、ドイツ、その他のセグメントについては、既存製品の改良等に取り組んでおります。