文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「お客さまとともに発展する」、「事業を通じた国際社会への貢献」、「創造と挑戦を実践する人づくり」、「高い倫理観と公正性に基づいた健全な企業活動を行う」、「人と地球環境を大切にする」という5つの経営理念の下、市場環境の変化とともに急速に多様化するユーザーニーズに迅速・的確に対応し、経営資源を戦略的・効率的に活用することにより、金属加工機械、金属工作機械及びこれらに関連するソフトウエア・情報ネットワークシステム・技術サービスの各事業分野で質の高いソリューションを提供し続けることにより、長期的な成長と社会に貢献できる会社づくりを進め、持続的な企業価値の向上に努めています。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「お客さまとともに発展する」をはじめとする5つの経営理念を基に、2030年に目指す姿として「長期ビジョン2030」を策定し、2022年5月に公表しました。また、2023年5月には持続的な成長と企業価値向上に向けた具体的なアクションプランとして、「まだないものをアマダとつくる」をスローガンに2023年から2025年までの3か年の「中期経営計画2025」を策定し公表しました。
① 長期ビジョン2030の概要
当社グループは2030年に目指す姿とその実現に向けて「長期ビジョン2030」を策定しました。具体的な長期目標・長期経営目標は以下のとおりです。
長期ビジョン2030の達成に向け、以下の3つの成長戦略を柱に事業を推進してまいります。
ⓐ 環境対応ビジネス
・カーボンニュートラルに向けた社会・お客さまに価値を生み出す商品の展開
・産業構造の変化によるビジネスチャンスの拡大・環境対応型ビジネスへの変化
・働き方改革、労働環境への対応(自動化・スキルレスソリューションの展開)
ⓑ DX&サービス
・お客さまの製造現場におけるDX化・デジタル化への対応に向けた提案システム改革
・アフターサービスビジネスにおける新稼働保障体制構築によるサービス拡大
・DXによる効率化、コスト構造改革による収益性改善
ⓒ グローバル拡大
・日本、北米、欧州、アジアの4極体制における自主独立体制構築
・欧米先進国市場における地域ニーズに即した商品展開
・新興国市場での現地仕様の商品展開と新たなビジネスモデルの構築
② 中期経営計画2025の概要
ⓐ 重要経営指標とキャッシュアロケーション
ⓑ 基本戦略方針
(ⅰ)売上収益4,000億円の必達と収益性の改善
・労働環境の変化やカーボンニュートラル実現等の社会課題解決に対応した新商品の拡販によるシェア拡大・利益率向上
・顧客ニーズに即したアフターサービス事業の展開による収益力の向上
・誘客施設 Amada Global Innovation Center(AGIC)を活用したビジネス領域拡大と効率的な提案活動の推進
(ⅱ)長期成長戦略への活動開始
・当社グループで培ったレーザ技術の応用による新ビジネス分野への拡大
・グローバル製造改革による供給体制強化と収益力の改善
・DX、技術開発、環境、人財投資等を含めた戦略投資の実行
(ⅲ)資本政策(株主還元)の実施
・安定配当とROE向上を目指した株主還元方針の策定
(ⅳ)ESG経営・体制強化
・商品の省エネルギー化の推進と事業所・工場排出CO2の削減
・人財能力開発、ダイバーシティ推進、働きがいのある職場づくり
・取締役会の多様性確保と機能強化、役員報酬制度の見直し、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化
(非財務目標)
(注)表中の「グループ国内」は、㈱アマダ、㈱アマダマシナリー、㈱アマダウエルドテック、㈱アマダプレスシステム、㈱アマダツールの主要5社を指します。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) サステナビリティに関する基本的な考え方
当社グループは、事業を通じた社会貢献とともに持続可能な企業価値向上のため、サステナビリティを巡る課題に取り組んでおり、2020年7月にサステナビリティ基本方針を策定し、公表いたしました。また、同時に当社グループが優先して取り組むべきサステナビリティに関する課題をE・S・Gの枠組みにより抽出し、施策の明確化を図り、公表しております。
〔参照〕サステナビリティ基本方針
(https://www.amada.co.jp/ja/sustainability/basicsustainabilitypolicy/)
〔参照〕アマダグループとSDGs
(https://www.amada.co.jp/ja/sustainability/sdgs/)
サステナビリティに関する課題への取り組みや進捗状況については、取り組みを主管する各業務部門が経営会議に報告し、重要性に応じて取締役会に報告しております。
サステナビリティに関連するリスクや機会に対処するための取り組みを選定するにあたり、当社の事業環境や各ステークホルダーにとって関連性の高い社会的課題を考慮した上で、課題を抽出し、それらの課題について取締役会を含む社内会議で討議を行い、その中で特に重要度の高い課題を特定しました。さらに、それぞれの強化領域及び戦略の方向性を明確化し、定量的・定性的なKPIを設定しております。特定された課題の解決を通じて、サステナビリティ基本方針で目指す持続可能な社会の実現と企業価値の向上に取り組んでおります。
2020年に公表した課題と取り組みについては、2023年度からスタートする中期経営計画において、事業の成長と事業継続リスクの軽減を目的に、以下のとおり重要な項目について見直しをしております。
(サステナビリティに関する課題と取り組み施策 中期経営計画2025より)

サステナビリティを含む経営に影響を与える重要な事項は、リスクマネジメント部会及びリスク主管部署がそのリスクの洗い出しと評価を行い、対応策や対応範囲、目標、期限などを明確にしたうえで、各リスク対策の実施状況と効果などをモニタリングするとともに、必要な是正・改善を行います。リスク項目とその対策状況は内部統制・リスク管理委員会が一元的に管理を行い、優先度の高いリスク項目への対応状況は取締役会へ報告されます。
(リスク管理活動概要図)

④ 指標及び目標
上記重要な項目や取り組みと連動する形で策定した2025年度と2030年度に向けたKPIは、P.18に当連結会計年度の実績と合わせて掲載しています。
(2) 気候変動への対応をはじめとする環境への貢献について
① ガバナンス
当社グループでは、気候変動への対応が当社の経営に対する重要な経営課題であると認識しており、気候変動を含む環境問題への対応をアマダグループ環境エコ推進委員会において実施しています。当委員会では、事業所における環境施策を立案する「工場・施設分科会」及び商品における環境施策を立案する「商品分科会」を設置し、国内外の各事業所より環境に関する情報を集約するとともに、進捗管理を行っています。
アマダグループ環境エコ推進委員会において決定した気候変動を含む環境のリスク・機会及びそれらに対応するための目標・計画、また計画に対する進捗状況などについては、代表取締役を通じて取締役会に定期的に報告され、経営の意思決定に活用されます。
② 戦略
当社グループでは、気候変動に対する事業への影響を把握し、リスクと機会を踏まえた経営戦略の策定及び評価のためのシナリオ分析を実施しています。気候変動に関するリスクと機会には、大きく分けてカーボンニュートラルを目指すにあたって生じる法規制や技術の変化、市場の製品選好の変化などの「移行」によるものと、平均気温の上昇そのものやそれに伴って起こる異常気象や慢性的な気象の変化による「物理的」なものの2種類があります。当社グループでは、この2種類のリスクと機会の枠組みに応じて、その内容及び事業活動へのインパクト、影響を受ける期間などについて評価し、以下の一覧のとおり特定しました。さらに、リスクと機会を特定するにあたり、複数のシナリオを用いてシナリオ分析を行い、その結果を反映させています。

③ リスク管理
気候変動のリスク管理は「アマダグループ環境エコ推進委員会」において管理・対応を図っております。特定されたリスク・機会は内部統制・リスク管理委員会に報告されます。内部統制・リスク管理委員会は、ヒト・モノ・カネ・情報等に係るグループレベルでの重要リスクについての方針を定め、その他のリスクと統合して管理を行っております。リスクマネジメントの結果は年度末に取締役会に報告され、経営の意思決定に活用されます。
④ 指標及び目標
当社グループでは、気候変動に関するリスクと機会をマネジメントするための目標として「2030年度までに全事業所・工場(Scope1+2)を2013年度比でCO2排出量75%削減」及び「2030年度までに全商品のCO2排出量(Scope3-C11)を2013年度比で50%削減」というグループ目標を設定し、達成に向けて取り組みを進めています。
環境に関する2030年度に向けたKPIと2021年度の実績は以下をご参照ください。
(アマダグループ2030中期環境計画「アマダグリーンアクション」)

また、当社グループは2022年11月に「SBT(科学と整合する温暖化ガス削減目標)」の認証を取得し、CO2排出量削減目標を設定しました。「2030年度までに全事業所・工場(Scope1+2)のCO2排出量を2019年度比で46.2%削減」及び「2030年度までにScope1+2以外の間接活動(Scope3=製品の原材料調達、販売、消費、廃棄に至るまでの過程)のCO2排出量を27.5%削減」というグループ目標を設定し、達成に向けて取り組みを進めています。
(3) 人的資本について
① 人的資本への投資について
アマダグループ経営理念の一つである「お客さまとともに発展する」は、創業時から現在にいたるまで事業活動の原点として共有されています。そして、世界のお客さまのモノづくりに貢献することが地域社会や人々の生活の発展につながるとの考えが、金属加工機械のグローバルメーカーとして成長の礎となってきました。成長の原動力は人材にほかならず、「創造と挑戦を実践する人を育て、多様な人材が能力を発揮できる環境を作り、価値創造にチャレンジし続けること」をアマダグループの人材に関するあるべき姿に掲げています。
中期経営計画では、「まだないモノをアマダとつくる」をスローガンに掲げ、脱炭素、労働力不足、技能伝承などのお客さま課題や社会課題を技術で解決することを目指しています。その実現に向けて、重要な項目を「人財能力開発」「ダイバーシティ推進」「働きがいある職場づくり」と定め、戦略的に人材投資を行っていきます。
ⓐ 人材育成方針
中期経営計画におけるレーザをはじめとする技術開発、DX推進、グローバルビジネス強化といった成長戦略を実現するためには、多様な価値観、背景、環境にある人材が自ら成長し、活躍することが重要です。人材育成方針として、多様な人材の能力開発と自律的なキャリア形成支援を柱に取り組みを推進していきます。
本人のキャリア意向を踏まえたジョブローテーション、キャリアステージに応じた教育研修の機会を提供し、能力開発や成長のスピードアップを図ります。加えてビジネスリーダー(経営幹部)、グローバル人材、女性リーダー、先端・専門分野における技術人材の育成に注力していきます。
ⓑ 社内環境整備方針
経営理念の一つである「人と地球環境を大切にする」をもとに、性別や年齢、国籍や人種、宗教、性的指向、障がいの有無などに関わらず、すべての人の対等・平等、人権を尊重し多様な価値観を受け容れる風土や環境づくりに役員・社員全員で取り組むことが重要です。社内環境整備方針として、アマダグループで働く社員一人ひとりが働きやすさと仕事のやりがいを実感できる活力ある職場づくりを軸に施策を推進していきます。
社員が心身ともに安全・健康に働ける環境づくりを進め、長期に渡り安心して働ける基盤強化を図ります。加えて、社員が置かれている環境や状況に応じた多様な働き方を整備するとともに、業務の適正な評価とそれに基づく処遇を定める人事制度改革を行い、働きがいの向上を図ります。
このような取り組みを統合的に進めることにより、社員の自律的なキャリア形成と成長への挑戦を後押しし、会社並びに社員双方にとっての価値創造を目指します。
② 人的資本に関するリスク管理
人的資本の重要性が増す一方で、労働人口の減少、人々の働き方や生活スタイルに対する価値観の変化に伴い労働市場の流動化が進んでいます。これらは、当社グループにとって多様な人材の確保と維持、あるいは成長戦略の推進にマイナス影響を与えるものと認識しております。こうしたリスクに対して、定期的な新卒採用や戦略に応じたキャリア人材の採用を行うとともに、職種ごとに能力開発の体系化を行い社員の着実な成長を促します。また、働きがいのある職場づくりをより一層推し進めることによって、多様な人材から選ばれ、その人材が長期に渡り活躍ができる企業となることを目指します。
リスク管理においては、アマダグループ内部統制・リスク管理委員会のリスクマネジメント部会にヒト関連の部会を設置し、人的資本に関する対応を行っています。当部会は人事、総務部門が中心となり、安全・衛生、労務、人材育成、働き方などの項目について、リスクの洗い出しと評価を行い、対応策や目標、期限などを記した基本計画を策定します。半期ごとにリスクマネジメント部会に対して活動内容と評価を報告し、対応策の改善などにつなげています。
③ 重要な項目への取り組み
3つの重要な項目である「人財能力開発」「ダイバーシティ推進」「働きがいある職場づくり」に応じた指標とその目標値を設定し、改善を図るための施策を計画し実行しています。
ⓐ 人財能力開発
多様な人材の能力開発の一環として、グローバル人材の育成に注力しています。
海外現地法人への赴任や海外関連業務への従事を希望する社員をプールし、配置や育成に活用しています。若手の育成を目的とした海外研修制度を新たに開始し、海外現地法人に毎年研修生を派遣しています。また、ジョブローテーションによるマネジメント人材の育成、先端・専門分野(DX、AI、IoT等)の技術人材の教育機会の提供などに着手しています。育成対象や領域を拡充した結果、一人あたり教育研修時間は、2023年3月期37.6時間(国内グループ5社)となりました。今後はさらに人材育成の強化を図っていきます。
ⓑ ダイバーシティ推進
人権の尊重と女性活躍推進を重点テーマに取り組みを進めています。
毎年、ダイバーシティに関する社員意識調査を行い、社員の意識改革や施策の浸透度などを測るとともに、課題の抽出にも役立てています。役員・社員に限らず、すべてのステークホルダーが多様な価値観を受けいれて、正しい理解と行動を行うために「性の多様性に関するガイドライン」を制定し、国内グループ各社の人事総務担当者、管理職、新入社員などにLGBTQへの理解促進のための研修を行っています。
女性リーダー育成のために、女性管理職候補とその上司、あるいは若手・中堅層に対して階層や経験に応じた研修を継続しています。また、仕事と育児の両立支援策をまとめたハンドブックを対象者に配布するなど、女性社員が持続的に活躍できる環境の整備を積極的に進めています。こうした女性の活躍を後押しする取り組みの結果、女性管理職は2022年3月期9名(国内グループ5社)から、2023年3月期15名となりました。女性社員比率が低いことから、今後も女性採用の強化を継続していきます。
ⓒ 働きがいある職場づくり
働き方改革の推進を重点テーマに掲げ、有給休暇の取得と男性の育児休業取得を推進しています。
半期ごとに一定日数の有給休暇の取得を事前申請する「個人計画有休」や、部署単位で「有休取得強化月間」を設定するなど、業務のメリハリを意識した行動を促した結果、有給休暇取得率は2022年3月期57.5%(アマダ単体)から、2023年3月期68.4%と上昇しました。
また、男性の育児休業については、対象者に個別に制度の周知を図るほか、役職者研修において制度案内に留まらずイクボスの推奨や引継ぎの具体例を示すなど、円滑な組織運営が図れるよう働きかけを行っています。社員意識調査のなかで男性の育児休業に関する設問を増やしその回答を共有することにより、男性の育児休業を受けいれやすい風土の醸成を図っています。こうした取り組みの結果、男性の育児休業取得率は、2023年3月期は60.9%(国内グループ5社)となりました。
④ 指標と実績
上記重要な項目や取り組みと連動する形で策定した2025年度と2030年度に向けたKPIは、P.18に当連結会計年度の実績と合わせて掲載しています。
当社グループの損失発生の防止及び損失の最小化を図ることを目的として「リスク管理基本規程」においてリスク管理に関する基本的な事項を定め、平常時から対応策を検討する等のリスク管理に努めております。内部統制・リスク管理委員会が当社グループのリスクを一元管理し全社的推進等を図り、個々のリスク管理は「安全衛生委員会」、「輸出管理本部」、「アマダグループ環境エコ推進委員会」等の各専門委員会において管理・対応を図っております。これに加え、内部統制・リスク管理委員会の下部組織であるリスクマネジメント部会が、ヒト・モノ・カネ・情報等に係るグループレベルでの重要リスクについての方針を定め、対応を図っております。また、重大な事件・事故及び自然災害等の緊急事態が発生し全社的な対応が必要と判断された場合は、緊急対策本部等を設置して迅速に危機管理を行っております。
(リスク管理活動の概要)
リスクマネジメント部会又はリスク主管部署は、毎期リスクの見直しを行い、「損失規模」と「発生頻度」の観点から重要度を再評価し、主要リスクのリスクマップを作成しています。主要リスクの対応範囲や目標、期限等を明確にした上で各リスク対策を実施し、実施状況と効果等をモニタリングし必要な是正・改善を行います。識別されたリスク項目とその対策状況は内部統制・リスク管理委員会が全社的なリスク管理活動として一元管理し、主要リスク項目については取締役会へ報告されます。
当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点で当社グループが判断したものであり、以下の記載事項は、当社グループの事業に関するすべてのリスクを網羅するものではありません。
当社グループの販売する商品は、生産設備として輸送機器・家電製品・情報通信機器・一般機械・建築資材など幅広い分野の製造工程において使用されております。その結果、特定の産業の景況変動の影響は受けにくい傾向にありますが、産業全体の設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外展開について
当社グループは、市場のグローバル化に対応して、生産及び営業拠点を北米、欧州、アジア等の海外にも展開しており、連結売上収益に占める海外売上比率は、当連結会計年度で61.2%であります。このため、進出国における紛争(戦争、内乱、クーデター等)・テロ、経済動向及び政治・社会情勢の変化、予期せぬ法規制等の変更などにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループはロシア連邦(モスクワ市)に子会社を有しております。ロシア・ウクライナ情勢については、各国の対露制裁措置等により当社グループの業績に影響を及ぼすことが見込まれますが、当社グループの連結業績に与える影響は軽微であります。
(3) 価格競争について
当社グループが事業を展開する市場は、激しい価格競争下にあり、新商品の投入やソリューション提案型のエンジニアリングビジネスへの取り組みなどにより、適正な販売価格の維持に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化による販売価格の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 為替相場の変動について
当社グループは、主に米ドルやユーロの現地通貨建てで商品を輸出しております。このため、為替相場の変動に備えて、為替予約取引などによるリスクヘッジや海外での生産比率の向上に努めておりますが、想定以上に為替相場が変動した場合は、為替差損益の発生や商品競争力の変化により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 資材調達について
当社グループは、部品や資材を複数の取引先から調達しております。これらは原材料価格や原油等のエネルギー価格の変動により、調達価格が大幅に変動する可能性があります。また業界の需給状況や調達先の事情、自然災害によって安定的な供給が困難になり、生産効率が低下することも想定され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、半導体をはじめとする各種制御部品等の調達が困難となっておりますが、代替品の調達や設計変更等により生産体制を維持、拡大しております。
(6) 製品の品質について
当社グループは、国際標準化機構(ISO)の品質マネジメントシステムに基づき、万全の品質管理体制を整え、製品の設計・製造を行い欠陥の発生を抑えるように努めており、設計審査(デザインレビュー)においては、リスクアセスメントや試作機による製品安全チェックを実施しております。しかしながら、万が一製品に欠陥が発生した際のリコール費用や、事故につながった場合の損害賠償請求費用が加入している保険等で補えない場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 環境問題の対応について
当社グループは、独自の環境方針のもと環境保全に資する生産体制の構築や、商品・サービスの提供に心がけ、環境負荷の低減に努めております。環境に配慮した商品については、オイルやガスの使用量が少ない省資源機、騒音が小さい低騒音機、電気の使用量が少ない省エネ機等を社内基準により評価しアマダエコプロダクツとして市場投入しております。しかしながら各国の環境規制によっては、現在の商品の販売や部品の使用が困難になり、設計変更のための費用や研究開発費の増加につながり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 知的財産権について
当社グループでは、新たな価値創造のために研究開発に重点をおき、そこで開発された技術やノウハウにおいては特許出願することで知的財産権の保護に努めております。しかしながら、これらの権利が第三者により侵害されることでの競争優位性の低下や、第三者から権利侵害を追及され、損害賠償請求や商品の販売差し止めを受けることで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 情報セキュリティーについて
当社グループでは、事業活動に必要な機密情報・個人情報などを保有しており、これら情報の機密保持については厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃やコンピュータウィルスにより、不正アクセスが発生した場合は、当社グループの業務システムの停止や機密情報・個人情報の外部流出、信頼の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは情報セキュリティに関する担当部署を設立し、全社的なITガバナンスの構築・強化を図っております。情報セキュリティインシデント発生時は情報収集や事態収拾、再発防止を行い、平常時においては社員教育を行っています。
(10) 自然災害、広範囲な感染症の流行などについて
当社グループは、生産及び営業拠点をグローバルに展開しております。それら周辺地域での地震・水害等の自然災害や広範囲な感染症の流行などにより甚大な被害が発生し、復旧、復興が長期化した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業継続計画(BCP)対策の一環として、伊勢原事業所内の一部の建物に免震装置の導入や防災エネルギーセンターの建設により自家発電設備、給水、食料備蓄などを整備しております。また、国内及び海外の製造拠点の拡充を推進し、生産活動や供給におけるリスク分散を図っております。
(11) 金融市場の変動について
当社グループは、一部でキャッシュ・マネジメント・システムの導入などを行うことで有利子負債の最適化に取り組んでおりますが、大幅な金利の上昇は支払利息の増加につながります。一方で金利の低下や株式市場の変動により、保有する有価証券の利回りの低下や評価額の変動及び、制度資産の割引率への影響による退職給付費用や債務が増加することも想定されます。これらの要因が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 人材について
当社グループは、製造・開発・販売等に携わる優秀な人材を採用し育成することで、グローバルな事業活動の推進と競争力の維持向上を図っております。しかしながら、採用や育成に失敗した場合、また優秀な社員が退職又は流出した場合には、競争力の低下により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、継続的なエネルギー価格の高騰やサプライチェーンの混乱による部材不足の影響などから、先行き不透明感による設備投資マインドの低下と景気減速が懸念されましたが、地政学リスクに対するサプライチェーン再構築や社会課題などへの対応を背景に生産性向上、自動化に関する設備投資需要が底堅く推移しました。このような環境の下、当社グループの業績は、代替品の調達や設計変更等により生産体制を維持、拡大することで、高水準な受注環境から売上につなげることに注力し、その結果、売上収益・営業利益・親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも過去最高を更新しました。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は次のとおりです。
(売上収益)
当連結会計年度の売上収益は365,687百万円(前期比17.0%増)となりました。売上収益の内訳は、国内141,769百万円(前期比11.7%増)、海外223,918百万円(前期比20.6%増)となりました。詳細については、① 事業別・地域別の成績に記載のとおりです。
(営業利益)
営業利益は、部品・材料価格高騰の影響は見られたものの、増収及び操業度向上、販売価格の改善に伴う売上総利益増加に加え、為替の円安推移等により、49,867百万円(前期比29.4%増)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
親会社の所有者に帰属する当期利益については、34,158百万円(前期比23.0%増)となりました。
なお、経営成績に重要な影響を与える要因については、3 事業等のリスクに記載のとおりであり、経営方針・経営戦略を達成するための客観的な指標については、1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載のとおりです。
当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
事業別売上収益及び地域別の状況は、以下のとおりです。
(事業別売上収益の状況)
(注)その他は、遊休地の有効利用を目的としたショッピングセンター等の不動産賃貸事業等です。
売上収益は301,371百万円(前期比17.8%増)、営業利益は41,513百万円(前期比33.2%増)となりました。
<板金部門>
(注) 本表の地域別売上収益は、顧客の所在地別の売上収益です。(以下の表も同様。)
なお、当連結会計年度における板金部門の地域別の経営環境は以下のとおりです。
日本:経済活動の正常化に伴う人手不足等を背景に、政府補助金の後押しもあり、物流倉庫需要の増加に伴うFA関連や産業機械等の一般機械関連、OA・コンピュータ機器や通信機器、医療機器等、幅広い業種で受注が拡大しました。このような受注環境の中、売上収益は101,408百万円(前期比13.9%増)となりました。
北米:インフレの高進とその対策としての金融引き締めによる影響から、景気の減速が懸念されたものの、期を通じて米国及び周辺国へのサプライチェーンの再構築等による設備投資需要と、労働市場の逼迫を受けた自動化商品の需要拡大と為替の円安効果もあり、売上収益は76,766百万円(前期比29.1%増)となりました。
欧州:ロシアによるウクライナ侵攻の長期化とそれに伴うエネルギー価格の高騰による設備投資意欲への影響が懸念されたものの、製造現場における省エネ意識の高まりや東欧諸国等への工場移転による設備投資需要が見られ、売上収益は57,155百万円(前期比12.7%増)となりました。
アジア他:中国では、ゼロコロナ政策からの転換による混乱や、外資系メーカーによる他地域への工場移転等が影響したことから減収となりました。一方で、ASEANを中心にサプライチェーン再編の動きが加速化する等、販売が拡大したことで、アジア他地域全体としての売上収益は35,130百万円(前期比15.3%増)となりました。
<微細溶接部門>
EVバッテリーやEV関連部品が活況で、全地域で増収となりました。特に北米では、医療機器向けや政府のEV車向けの奨励策及びインフラ投資の増加により好調に推移しました。
(金属工作機械事業)
売上収益は63,028百万円(前期比13.5%増)、営業利益は7,632百万円(前期比14.3%増)となりました。
<切削・研削盤部門>
国内の研削盤部門は、政府による補助金の後押しもあり、新商品の投入が奏功し半導体・電子部品向けの売上が拡大しましたが、切削部門は鋼材切断業における部材の長納期化により低調となりました。海外では、特に北米において切削マシンの販売が好調に推移したことにより増収となりました。
<プレス部門>
国内では、主力の自動車部品関連業界において、メーカー各社の減産の影響を受け、顧客の設備投資意欲の減退が懸念されましたが、生産性向上を目的としたプレスマシンと周辺装置を組み合わせた自動化商品が増収に寄与しました。海外では、米国やその周辺諸国における製造回帰による設備投資需要を背景に売上が拡大しました。
なお、各部門別の状況を合算した主要地域の状況は以下のとおりです。
(地域別売上収益の状況)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
財政状態の概要及び分析は以下のとおりです。
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ33,122百万円増加し、647,562百万円となりました。流動資産は、部材調達の長納期化を背景とした原材料・仕掛品の積み増し等による棚卸資産の増加や増収に伴う営業債権の増加により、34,584百万円増加の398,716百万円となり、非流動資産は投資有価証券の償還等により1,461百万円減少の248,846百万円となりました。
(負債及び資本)
負債は営業取引増加に伴う営業債務等の増加により、前連結会計年度末比8,636百万円増加の139,041百万円となりました。また資本については、利益剰余金の積み上がりや円安による為替換算調整勘定の増加等により24,486百万円増加の508,521百万円となり、これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末と比べ78.1%から77.8%と0.3%pt減少しました。
連結キャッシュ・フローの区分別状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、増収に伴い税引前利益が増加しましたが、部材調達の長納期化への対応に伴う棚卸資産の増加や業績拡大による法人所得税の支払額の増加により支出が増加し、24,949百万円の収入(前連結会計年度比31,915百万円の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出に対し、有価証券及び投資有価証券の償還等による収入が上回ったものの、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出により、13,323百万円の支出(前連結会計年度比5,401百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、主として配当金の支払いにより、20,392百万円の支出(前連結会計年度比1,916百万円の支出減)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ8,235百万円減の98,556百万円となりました。
なお、連結キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりです。
親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
* 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
* 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により計算しております。
* 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当社グループの主な資金の源泉は、営業活動からのキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、内部資金で構成され、運転資金や設備投資等の経常的な資金需要及びM&A等の機動的な資金需要に充当されています。このうち、金融機関からの借入は現金及び現金同等物を下回る残高水準である事から、今後必要となる資金を適切に調達するうえで特段の問題は生じないものと考えています。加えて、格付投資情報センターより信用格付(A+安定的)を取得、維持しており、幅広い手段で低利で安定的な資金調達が実施可能であると認識しています。なお、日本、アメリカ、ヨーロッパ、中国にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しており、資金効率の向上、金融費用の抑制を図ると同時に、流動性確保の状況について継続的なモニタリングが可能な体制となっております。
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び、将来に関する仮定及び報告期間末における見積りの不確実性の要因となる事項は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発活動は、技術部門を中心に国内外の研究開発拠点において、マシン、ソフト、周辺装置等の新商品開発並びに未来志向型の基礎・応用研究を行っております。
商品開発におきましては、「品質の向上」、「コストの低減」及び「リードタイムの短縮」の追求を基本としており、その推進強化を図るため、開発におけるフロントローディング化を促進しております。さらにすべての開発商品に対し「省エネルギー」、「省資源」、「再資源化」、「使用時の環境への配慮」等の環境に関する項目について、製品アセスメントを行っております。
当連結会計年度におきましては、市場創造のための技術開発の推進や、市場競争力のある商品の早期市場投入のため、開発の効率化・スピード化を図りながら