当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは創業以来、「新たな価値に挑戦し、創造し続ける」の経営理念のもと、常に時代の最先端技術に挑戦し建設業にあって特殊土木という独自の企業分野を創造してまいりました。これからも引き続き、新たな事業領域への挑戦や新技術の開発などを通じ、人々が安心して生活することができる国土の形成に尽力してまいります。
また同時に、株主やお客さま、社員をはじめ全てのステークホルダーの皆さまから信頼される企業であり続けるために誠実で健全な企業経営に努めてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは2022年5月12日に2022年度を初年度とする中期経営計画「Raito2024」を公表いたしました。本計画の最終年度である2024年度における経営数値目標は以下のとおりです。
〔目標とする経営指標〕
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目標:2024年度(連結) |
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売上高 |
1,200億円 |
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営業利益 |
135億円 |
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ROE |
10.0%以上 |
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配当性向 |
35.0%以上 |
※ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/((期首自己資本+期末自己資本)/2)
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略、対処すべき課題
当社グループが主たる事業領域としている国内建設市場は、短期的には政府による経済対策や防災・減災、国土強靭化を中心とした予算の執行が期待されるなど、良好な事業環境が維持されると予想しております。しかしながら、中長期的には財政的な制約や人口の減少を背景として国内建設市場は縮小傾向で推移するものと予想されます。
今後事業を取り巻く環境の変化に柔軟に対応するために、中期経営計画「Raito2024」に掲げる『新たな分野への挑戦により、新たな価値の創造とサステナブルな成長を実現する』の基本方針のもと、以下の課題に取り組み持続的成長と企業価値の向上の実現を目指してまいります。
① 安全衛生管理と品質管理の徹底
「人命尊重・安全第一」の基本理念のもと、労働安全衛生に関する法令や通達の遵守を行うとともに、安全管理活動の拡充と衛生環境活動の活性化により、働き方改革を推進し、持続的な成長に結びつく安全文化の形成に努めてまいります。
② 専業土木分野における総合力の強化
ICT技術の一層の活用により生産性と品質の向上を目指すとともに、補修・補強分野の強化や、気候変動由来の災害防止に貢献する技術のさらなる開発と普及を図ることで総合力の強化に努めてまいります。
③ 建築事業分野での成長
営業エリアの拡大に向けた経営資源の強化と体制整備を行うとともに、環境性能に優れた高付加価値建物への適応や、設計からリニューアルまで一貫した対応による品質と信頼の向上を図ることで一層の成長に努めてまいります。
④ 海外事業分野での成長
既存市場の維持・拡大と新たな市場への参入により事業量を確保するとともに、組織体制の一層の強化や新たなアライアンスの構築を行い持続的成長に努めてまいります。
⑤ 技術開発力の強化
DXのさらなる推進による業務システムの再構築や、自然環境保全技術の開発を行うとともに、共創の強化と速度を高めた開発の促進を行いサステナブルな成長を担う技術開発の推進に努めてまいります。
⑥ 経営・財務基盤の強化
戦略的な資金活用とCCCの改善で投資余力を創造し、持続的な成長を見据えた先行投資を実現するとともに、適正利益の確保と利益の全体最適配分を行い強固な財務基盤の確立と人財の確保に努めてまいります。
当社グループは「新たな価値に挑戦し、創造し続ける」の経営理念のもと、優れた技術・工法・サービスを通じて社会の課題を解決し、サステナブルな社会の構築に貢献することで、社会から必要とされる企業グループを目指しています。
気候変動の進行や資源枯渇など様々な課題を抱える社会の一員として、事業を通じた環境保全の取り組みを始めとした事業の成長と社会への貢献を両立させる活動を行っています。
文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)ガバナンス
当社では、サステナビリティへの取り組みを推進し、適切な情報共有や進捗管理を行うためのガバナンス体制を構築しています。サステナビリティ経営を推進する諸施策の立案・実施を行うサステナビリティ戦略部を設置し、取締役会や各種会議体と密接に連携することでサステナビリティ全般に対する管理・監督を行います。
a.サステナビリティ関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割
サステナビリティに関わる基本方針や重要事項は代表取締役社長を議長とする経営会議において審議、決定されております。また、経営会議に報告・提案されたサステナビリティに関連するリスクおよび機会の影響と対応について審議を行い、評価します。
b.サステナビリティ関連のリスク及び機会についての、取締役会による監視体制
サステナビリティに関わる基本方針や重要事項、活動状況等について取締役会に適宜報告することにより取締役会の監督が適切に図られるよう体制を整えています。また、経営会議からサステナビリティに関連するリスクおよび機会の影響と管理の状況、対応について報告を受け、監督を行います。
サステナビリティに関する体制は以下の図に示すとおりです。
(2)戦略
(サステナビリティ全般に関する開示)
当社は、サステナビリティに関する取り組みが事業にとって重要な課題であると認識し、主要なビジネスである建設業を対象として、リスクおよび機会を短期から長期の視点で特定し、その影響を評価しています。
2023年3月期よりスタートした中期経営計画「Raito2024」では、基本方針として「新たな分野への挑戦により、新たな価値の創造とサステナブルな成長を実現する」を掲げ、DXや技術開発の推進により新たな成長基盤を確立し、独自技術を通じた持続的社会形成への貢献と、当社グループの持続的な成長を目指しております。
また、中期経営計画において「サステナビリティ戦略」を三大重点戦略の一つとしており、事業活動を通じた社会・環境課題への積極的な貢献に向けた取り組みを行っています。
「サステナビリティ戦略」における施策としては、
1. 先進的な建設技術を通じた持続可能な社会基盤の共創
2. 社会における安心・安全の確保と誰もが活躍できる社会の実現
3. 気候変動への対応と環境負荷低減への取り組みのさらなる強化
4. 人権教育・人権啓発の推進
の4項目を設定し、持続的社会の実現と当社の持続的成長の両立に向けた活動を行っています。
(人的資本に関する開示)
当社は持続的に成長するための重要課題として6つのマテリアリティを特定しております。
そのうちの一つとして「多様な人財の育成と働きがいのある魅力的な労働環境の実現」を掲げており、優秀な人財の確保・育成による組織力の向上やダイバーシティの推進による新たな価値の創造を企業としての成長に向けた機会と捉え、様々な取り組みを行っております。
a.社内環境整備方針
中核人材の登用等における多様性を確保するため、性別や国籍、中途採用者等の区別なく平等な教育機会の提供と公正公平な評価のもと、優秀な人材を積極的に管理職へ登用しています。
b.人材育成方針
国籍・人種・性別などに関わらず、多様な価値観と広い視点で物事をとらえ、グローバルに活躍できる人材を育成するため、従業員の能力開発支援に取り組んでいます。
今後も経営理念に基づき「新たな価値に挑戦し、創造し続ける」企業としてあり続けるために多様な人材がその能力を最大限に発揮し、いきいきと活躍できる職場環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
(3)リスク管理
当社は、サステナビリティに関連するリスクおよび機会を適切に識別・評価し管理することが重要であると認識しています。健全な財務構造や収益構造を維持し、サステナビリティに関連するリスクのような中長期で顕在化しうるリスクも適切にマネジメントすることで、企業価値の持続的な向上を図ります。
サステナビリティへの取り組みを経営戦略と一体的に進めるために新設されたサステナビリティ戦略部は、サステナビリティに関連するリスクおよび機会を特定・評価するプロセス、特定した影響を管理する仕組み、組織全体のリスク管理の中に統合する仕組みを含め、サステナビリティに関する企画・立案を行い、経営会議に報告・提案するとともに、全社的なサステナビリティに関連するリスクへの対応を推進します。また、特定したリスクの影響について、必要に応じて危機管理委員会へ報告・提言を行うことで、サステナビリティに関連するリスクの影響を全社リスクに統合する役割を担っています。
経営会議は、報告・提案されたサステナビリティに関連するリスクおよび機会の影響と対応について審議を行い、評価します。さらに、特定したリスクの最小化に向けた方針・戦略の策定、計画・予算・目標等への反映など、適応していくための審議・調整を行います。経営会議で審議・調整したリスク管理の状況と対応については、その他の審議事項とともに、必要に応じて取締役会に報告されます。
危機管理委員会は、各リスク管理所管部署からの報告・提案を評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、経営会議に報告していますが、サステナビリティに関連するリスクの影響についての報告・提案があった場合も同様に、全社的なリスク管理の観点から適切な対応を決定します。
取締役会は、経営会議からサステナビリティに関連するリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。
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機関・組織 |
機能・役割 |
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取締役会 |
・サステナビリティに関連するリスクの管理の状況と対応について経営会議より報告を受け、監督を行う。 |
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経営会議 |
・報告、提案されたサステナビリティに関連するリスクおよび機会の影響と対応について審議を行い、評価する。 ・識別されたリスクの最小化に向けた方針、戦略を策定し、計画や目標等への反映など、適応していくために審議・調整を行う。 ・リスク管理の状況と対応、計画や目標等の進捗状況を取締役会に報告する。 |
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危機管理委員会 |
・全社的なリスク管理の観点から適切な対応を決定し、経営会議に報告する。 |
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サステナビリティ戦略部 |
・サステナビリティに関連するリスクおよび機会を特定・評価するプロセスを企画し、経営会議に報告する。 ・特定したリスクの影響を管理する仕組み、組織全体のリスク管理の中に統合する仕組みを企画し、経営会議に報告する。 ・全社的なサステナビリティに関連するリスクへの対応を推進する。 ・特定したリスクの影響について、必要に応じて危機管理委員会へ報告する。 |
(4)指標及び目標
(サステナビリティ全般に関する開示)
当社は、サステナビリティを重視した経営を行っており、事業活動に関わる様々な課題の中から、ステークホルダーにとって重要であると同時に、SDGsをはじめとした社会課題の解決と当社の持続的な成長を両立させるための重要な課題として2022年に6つのマテリアリティを特定しました。
当社のマテリアリティ
1. 持続可能な環境配慮型社会の形成
2. 安全・安心を支える強靭な社会インフラの構築
3. 品質の確保と技術革新の追求
4. 労働安全衛生管理の徹底
5. 多様な人財の育成と働きがいのある魅力的な労働環境の実現
6. 人権尊重と公正な事業活動の推進
これらのマテリアリティのそれぞれに関して、事業活動における取り組みについてのKPIを策定し、KPIによるモニタリングとレビューを適宜行っています。
(人的資本に関する開示)
当社グループは、「ライト工業グループ行動規範」において、「役職員等は、社内においても、社外においても、基本的人権を尊重し、性別、国籍、人種、宗教、社会的身分、身体上の理由等による差別を行ってはならない。」と人権に対する基本的な考え方を示し、基本的人権を尊重するための行動規範を定めています。
また、マテリアリティの一つである「多様な人財の育成と働きがいのある魅力的な労働環境の実現」に向けて人財の確保・育成に向けた各種施策を行っており、施策の進捗を評価するために人的資本に関する取り組みについてのKPIを策定し、モニタリングとレビューを適宜行っています。
具体的なKPIとしては、以下の項目を設定しています。
1. 女性管理職社員数
2. 技術系女性社員比率
3. 作業所の4週8閉所実施率
4. 男性の育児休業取得率
今後も、KPIについては施策の内容に応じて定期的に見直しを行い、適切な内容を設定するとともに、組織全体として従業員とともに成長していく風土を築く活動を積極的に推進してまいります。
投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項および当社グループの経営戦略に関連する重要な潜在的リスクを以下に記載しております。ただし、これらは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。また、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)外部環境に関するリスク
① 国内公共事業の削減による官公庁発注工事の減少
当社グループの事業量は、全体の約7割程度を国内公共事業に依存しているため、国および地方自治体の公共事業予算の動向に影響を受けます。当社グループは、民間発注工事への営業活動の強化や海外事業を伸長することで、国および地方自治体等による公共投資予算削減によるリスクの軽減を図ってまいりますが、一般に想定される規模を超えて削減された場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 競争環境の激化
当社グループを取り巻く受注環境は、大都市部での再開発事業や政府による防災・減災対策などを中心に良好な状況が続いております。その一方で、中長期的には財政的な制約や人口の減少を背景として、主たるターゲット市場である国内建設市場は縮小傾向で推移し、今後競争環境が激化する可能性があります。このような状況に備え、今後も引き続き顧客ニーズ等への対応に注力し、付加価値の創造とシェアの拡大を図ってまいりますが、これらの取り組みが想定通りの成果をあげられない場合や、革新的・画期的な技術・工法を展開する競合他社や新規参入者の出現、過度の価格競争が起こった場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 建設技能労働者の慢性的不足
建設業全体に関わるリスクとして、少子高齢化に伴う建設技能労働者の不足があげられます。このような状況のもと当社グループは、将来を見据え、建設技能労働者の慢性的な不足に対応するために、生産性向上を可能とするための省人化技術の開発や新規入職者の増加に向けた取り組みに注力しております。しかしながら、現時点では将来的な建設技能労働者の不足を完全に克服できる保証はありません。建設技能労働者の不足と、それに起因する生産能力の減退や労務単価の急激な上昇が生じた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2)事業拡大に伴うリスク
① M&A(買収)を含む直接的事業投資
当社グループは、2022年度を初年度とする中期経営計画「Raito2024」において、新たな分野への挑戦により、新たな価値の創造とサステナブルな成長を実現するという意思を明確にし、その一環としてM&A(買収)を含む国内外への直接的事業投資等の成長投資を積極的に行ってまいります。これらの投資は当社グループの持続的成長に資するとともに、将来においても安定的かつ更なる利益貢献をするものと考えておりますが、かかる投資が期待されるリターンをもたらすという保証はありません。特にM&A(買収)を行う際には、対象企業の財務や税務、法務などについて詳細なデューデリジェンスを行い、可能な限りM&A(買収)によるリスクを回避するように努めますが、M&A(買収)後に偶発債務の発生や未認識債務が判明する可能性もあり、リスクを完全に取り除くことは困難です。その他にも、M&A(買収)に伴いのれんを計上した場合、対象会社の業績の悪化等により減損の兆候が生じ、その将来的な効果である回収可能価額がのれんの帳簿価額を下回る場合には、のれんの減損処理を行う必要があるなど、M&A(買収)後に起こり得るリスクは複数存在します。それらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、合弁事業や業務提携の展開においても、パートナーとなる対象企業について、業績や財政状態等についての詳細な調査に加えて、将来の事業契約やシナジー効果について事前に議論することによって可能な限りリスクを回避するように努めてまいりますが、合弁事業開始後または業務提携後に双方の経営方針に相違が生じ、意図していたシナジー効果が得られないといった可能性も否定できません。この場合においても、投資金の回収が困難となる可能性や当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業の伸長
当社グループは、海外市場において内部成長とM&A戦略の両面を通じて、中長期的には海外事業を当社総売上高の1割程度まで伸長することを目指しております。米国や東南アジアを主として複数の国で事業を展開していることから、各国の政治・経済・社会情勢などの変化に起因する予期せぬカントリーリスクが発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3)人財に関するリスク
当社グループの事業運営上、施工管理に関連して法律上要求される国家資格などの各種資格を有していることに加え、土木工事・建築工事分野において高い専門性を有する人財が欠かせません。引き続き、優秀な人財の確保・育成に努めてまいりますが、人財獲得の競争環境は今後ますます激化していくものと予想されます。また、業務に必要な資格を取得するまでに、ある程度の期間を要することから、想定する施工管理人員の確保ができない場合や高い専門性を有する優秀な人財が社外に流出した場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4)施工品質に関するリスク
当社グループは、品質マネジメントシステムの運用や各現場での施工段階における自主的な確認検査の実施など施工品質には万全を期しておりますが、重大な瑕疵による損害賠償請求等を受けた場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)労働災害および事故の発生に関するリスク
当社グループは、安全衛生管理計画を策定し、安全教育や現場パトロールなど災害防止活動に注力しておりますが、万一、労働災害や公衆災害など重大な事故が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制・訴訟に関するリスク
① 法的規制の新設・変更
当社グループは、建設業法及び建築基準法をはじめとする様々な法的規制の中で事業を行っております。これらの規制の新設または変更があった場合、その内容によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 訴訟リスク
当社グループは、事業活動に関して各種の訴訟に巻き込まれるおそれがあり、これらが当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。訴訟の結果が、当社グループにとって望ましくない結果になった場合には、引当金の計上や損害賠償請求を受けるなど、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7)自然災害等に関するリスク
大規模な自然災害や紛争、テロ攻撃、感染症の拡大(パンデミック)等が発生した場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに備え、事業継続計画(BCP)等の有事の際の対応策を策定しておりますが、想定を超える規模の災害等が発生した場合には、事業の運営に著しく支障をきたす可能性があります。
(8)情報セキュリティに関するリスク
当社グループは、事業活動を通じて個人情報、技術情報などの機密情報を取り扱っており、役職員の情報機器や可搬媒体等の紛失・盗難、情報機器のマルウェア感染、または外部からのサイバー攻撃によって、情報漏洩や業務停滞などを引き起こす可能性があり、結果的に社会的な信用低下、損害賠償の発生、当社グループの業績低下等のリスクがあります。これらのリスクに対応するために、情報セキュリティポリシー・セキュリティ諸規程の整備や、高度なセキュリティソリューション導入・情報機器の暗号化などの技術的対策、役職員向けの情報セキュリティ教育などの啓蒙活動を実施しております。さらにサイバーセキュリティ経営ガイドライン(経済産業省・IPA発行)に基づいた監査及び対策を推進しており、万が一被害が発生した場合は、予め定めている危機管理体制・手順に沿って迅速な対応を図ります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大に対する行動制限が緩和され、感染拡大防止と社会経済活動の両立が進んだことにより景気は持ち直しの動きがみられました。一方で、ウクライナ情勢の長期化による原材料・エネルギー価格の高騰や世界的な物価高、金融引き締め等による景気下振れリスクも高まっており、先行きについては依然不透明な状況が続いております。
建設業界におきましては、民間建設投資は企業収益の改善を背景に設備投資は持ち直しの傾向が続き、住宅投資も底堅い動きがみられるなど比較的堅調に推移しております。また、政府建設投資は防災・減災、国土強靭化及び将来を見据えたインフラ老朽化対策を中心として引き続き高水準して推移するなど、良好な受注環境が続きました。
このような状況のもと、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高につきましては、豊富な手持工事の施工が順調に進捗したことにより
1,149億7千4百万円(前期比5.0%増)となりました。
利益面では、当社において積極的な機械投資により減価償却費が増加したことに加え、建築工事における資機材価格の高騰の影響により前期に比べ工事採算性が低下したため、売上総利益は239億1千6百万円(前期比0.1%減)となりました。
営業利益、経常利益につきましては、売上総利益が減少したことに加え、ベースアップに伴う人件費の増加により販売費及び一般管理費が増加したことで、各々、127億8千5百万円(前期比3.4%減)、133億1千万円(前期比4.8%減)となりました。また、前期に計上した関係会社株式売却損の剥落により、親会社株主に帰属する当期純利益は、94億8千9百万円(前期比6.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
「建設事業」
建設事業の受注高は、1,179億7千5百万円(前期比7.3%増)、売上高は1,146億3千6百万円(前期比5.0%増)となりました。
また、主な工事種目別の状況は下記のとおりであります。
① 斜面・法面対策工事
受注高は、NEXCO発注の大型法面補強工事の反動減があったことにより、354億8千5百万円(前期比6.8%減)となりました。
売上高は、前年度に受注したNEXCO発注の大型法面補強工事の反動減があったことにより、365億8千5百万円(前期比2.0%減)となりました。
② 基礎・地盤改良工事
受注高は、当社において道路関連及び港湾関連の地盤改良工事の受注が増加したことにより、486億9千3百万円(前期比18.0%増)となりました。
売上高は、当社及び米国連結子会社において液状化対策等の地盤改良工事の売上が増加したことにより、445億7千万円(前期比15.4%増)となりました。
③ 補修・補強工事
受注高は、NEXCO発注の大型橋梁補修工事を複数件受注したことにより、108億4千7百万円(前期比94.8%増)となりました。
売上高は、連結子会社において橋梁補修工事の売上が減少したことにより、79億8百万円(前期比0.1%減)となりました。
④ 環境修復工事
受注高は、民間発注の土壌汚染対策工事の受注が増加したことにより、25億4千万円(前期比18.7%増)となりました。
売上高は、前年度に受注した民間発注の土壌汚染対策工事の売上が減少したことにより、10億1千8百万円(前期比57.7%減)となりました。
⑤ 建築工事
受注高は、首都圏におけるマンション建築工事の受注が増加したことにより、165億7千1百万円(前期比3.0%増)となりました。
売上高は、首都圏におけるマンション建築工事の売上が増加したことにより、153億5千4百万円(前期比4.0%増)となりました。
⑥ 一般土木・その他工事
受注高は、連結子会社において一般土木工事の受注が減少したことにより、38億3千7百万円(前期比43.7%減)となりました。
売上高は、連結子会社において一般土木工事の売上が増加したことにより、91億9千8百万円(前期比13.5%増)となりました。
「その他」
その他の売上高は、3億3千8百万円(前期比5.2%減)となりました。
なお、「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、商品・資材販売事業、リース事業及び訪問介護事業等を含んでおります。事業の性質上、受注生産は行っておりません。
b.財政状態
当連結会計年度の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ70億3千9百万円増加し、1,229億2千5百万円となりました。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ24億1千9百万円増加し、374億8千7百万円となりました。その結果、純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ46億2千万円増加し、854億3千7百万円となりました。
c.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、売上高の増加による収入があったものの、株主還元や資本効率の向上を目的とした自己株式の取得を行ったことにより、前連結会計年度に比べ4億1千7百万円減少し、296億5百万円となりました。
(2)生産、受注及び販売の実績
a.受注実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
受注高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
受注高 (百万円) |
次期繰越工事高 (百万円) |
||
|
建設事業 |
|
109,956 |
63,577 |
117,975 |
66,906 |
|
斜面・法面対策工事 |
|
38,075 |
14,594 |
35,485 |
13,679 |
|
基礎・地盤改良工事 |
|
41,268 |
22,071 |
48,693 |
26,409 |
|
補修・補強工事 |
|
5,569 |
4,719 |
10,847 |
7,684 |
|
環境修復工事 |
|
2,139 |
936 |
2,540 |
2,458 |
|
一般土木工事 |
|
5,620 |
7,532 |
2,709 |
1,535 |
|
建築工事 |
|
16,093 |
13,346 |
16,571 |
14,562 |
|
その他工事 |
|
1,190 |
376 |
1,127 |
576 |
|
合計 |
109,956 |
63,577 |
117,975 |
66,906 |
|
(注)当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。
b.売上実績
|
セグメントの名称 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
金額(百万円) |
構成比(%) |
金額(百万円) |
構成比(%) |
||
|
建設事業 |
|
109,147 |
99.7 |
114,636 |
99.7 |
|
斜面・法面対策工事 |
|
37,324 |
34.1 |
36,585 |
31.8 |
|
基礎・地盤改良工事 |
|
38,625 |
35.3 |
44,570 |
38.8 |
|
補修・補強工事 |
|
7,919 |
7.2 |
7,908 |
6.9 |
|
環境修復工事 |
|
2,405 |
2.2 |
1,018 |
0.9 |
|
一般土木工事 |
|
7,033 |
6.4 |
8,560 |
7.4 |
|
建築工事 |
|
14,764 |
13.5 |
15,354 |
13.4 |
|
その他工事 |
|
1,073 |
1.0 |
638 |
0.6 |
|
その他 |
356 |
0.3 |
338 |
0.3 |
|
|
合計 |
109,504 |
100.0 |
114,974 |
100.0 |
|
(注)1 セグメント間での取引については相殺消去しております。
(注)2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりであります。
建設事業における受注工事高及び施工高の状況
① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
|
期別 |
工種別 |
前期繰越工事高 (百万円) |
当期受注工事高 (百万円) |
計 (百万円) |
当期完成工事高 (百万円) |
次期繰越工事高 |
当期施工高 (百万円) |
||
|
手持工事高(百万円) |
うち施工高 (%、百万円) |
||||||||
|
前事業年度
自2021年4月1日 至2022年3月31日 |
斜面・法面対策工事 |
12,422 |
33,781 |
46,203 |
33,244 |
12,959 |
6.0 |
783 |
32,794 |
|
基礎・地盤改良工事 |
16,318 |
37,012 |
53,330 |
36,635 |
16,695 |
2.8 |
459 |
36,367 |
|
|
補修・補強工事 |
6,929 |
5,057 |
11,987 |
7,399 |
4,587 |
△1.0 |
△45 |
7,347 |
|
|
環境修復工事 |
1,202 |
2,096 |
3,299 |
2,362 |
936 |
△1.0 |
△9 |
2,363 |
|
|
一般土木工事 |
642 |
1,216 |
1,858 |
1,148 |
710 |
△0.4 |
△2 |
1,118 |
|
|
建築工事 |
11,241 |
14,277 |
25,518 |
12,908 |
12,609 |
0.6 |
71 |
12,982 |
|
|
その他工事 |
180 |
1,033 |
1,213 |
852 |
361 |
29.5 |
106 |
861 |
|
|
合計 |
48,937 |
94,474 |
143,412 |
94,551 |
48,860 |
2.8 |
1,363 |
93,835 |
|
|
当事業年度
自2022年4月1日 至2023年3月31日 |
斜面・法面対策工事 |
13,154 |
31,199 |
44,353 |
32,503 |
11,850 |
3.0 |
350 |
32,070 |
|
基礎・地盤改良工事 |
16,909 |
42,149 |
59,059 |
39,929 |
19,130 |
0.6 |
109 |
39,579 |
|
|
補修・補強工事 |
4,613 |
10,354 |
14,968 |
7,512 |
7,455 |
2.0 |
148 |
7,707 |
|
|
環境修復工事 |
936 |
2,540 |
3,477 |
1,018 |
2,458 |
0.9 |
21 |
1,049 |
|
|
一般土木工事 |
565 |
1,147 |
1,712 |
1,359 |
353 |
5.6 |
19 |
1,381 |
|
|
建築工事 |
12,609 |
14,851 |
27,461 |
14,000 |
13,461 |
0.2 |
21 |
13,949 |
|
|
その他工事 |
71 |
954 |
1,025 |
544 |
480 |
26.6 |
127 |
565 |
|
|
合計 |
48,860 |
103,197 |
152,058 |
96,868 |
55,190 |
1.4 |
798 |
96,303 |
|
(注)1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含みます。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれます。
2 次期繰越工事高の施工高は、手持工事高の工事進捗部分であります。
3 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致しております。
4 前期繰越工事高は、期中に工種の変更が生じた場合、工種分類を組替えております。したがって、総額に変更はありませんが、前期末時点の内訳と異なる場合があります。
② 売上高
|
期別 |
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
前事業年度
自2021年 4月1日 至2022年 3月31日
|
斜面・法面対策工事 |
27,752 |
5,492 |
33,244 |
|
基礎・地盤改良工事 |
26,275 |
10,359 |
36,635 |
|
|
補修・補強工事 |
5,591 |
1,807 |
7,399 |
|
|
環境修復工事 |
233 |
2,128 |
2,362 |
|
|
一般土木工事 |
1,146 |
1 |
1,148 |
|
|
建築工事 |
184 |
12,723 |
12,908 |
|
|
その他工事 |
725 |
127 |
852 |
|
|
計 |
61,909 |
32,641 |
94,551 |
|
|
当事業年度
自2022年 4月1日 至2023年 3月31日
|
斜面・法面対策工事 |
26,363 |
6,140 |
32,503 |
|
基礎・地盤改良工事 |
27,546 |
12,382 |
39,929 |
|
|
補修・補強工事 |
5,857 |
1,655 |
7,512 |
|
|
環境修復工事 |
12 |
1,006 |
1,018 |
|
|
一般土木工事 |
1,303 |
55 |
1,359 |
|
|
建築工事 |
- |
14,000 |
14,000 |
|
|
その他工事 |
599 |
△54 |
544 |
|
|
計 |
61,682 |
35,185 |
96,868 |
(注)1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額 300百万円以上の主なもの。
|
(発注者) |
|
(工事名) |
|
日鉄興和不動産㈱・新都市企画㈱ |
|
(仮称)台東区入谷二丁目計画新築工事 |
|
香港国際機場管理局 |
|
香港国際空港C3801工区APM・BHSトンネル築造に伴う地盤改良工 |
|
内閣府 |
|
仲原地下ダム(箕済東部)建設工事 |
|
西日本高速道路㈱ |
|
中国自動車道(特定更新等) 千代田高速道路事務所管内盛土補強工事(その1) |
|
西日本高速道路㈱ |
|
延岡南道路門川橋他2橋耐震補強工事 |
当事業年度 請負金額 800百万円以上の主なもの。
|
(発注者) |
|
(工事名) |
|
本州四国連絡高速道路㈱ |
|
宮池橋他3橋耐震補強工事 |
|
中日本高速道路㈱ |
|
新東名高速道路 富士管内のり面補強工事 |
|
阪神高速道路㈱ |
|
淀川左岸線(2期)海老江工区開削トンネル工事に伴う地盤改良工事 |
|
野村不動産㈱ |
|
(仮称)プラウドフラット浅草6丁目Ⅱ新築工事及び既存杭撤去工事 |
|
西日本高速道路㈱ |
|
阪奈高速道路事務所管内のり面補強工事(令和2年度) |
③ 手持工事高(2023年3月31日現在)
|
区分 |
官公庁(百万円) |
民間(百万円) |
合計(百万円) |
|
斜面・法面対策工事 |
9,528 |
2,321 |
11,850 |
|
基礎・地盤改良工事 |
16,567 |
2,562 |
19,130 |
|
補修・補強工事 |
5,924 |
1,530 |
7,455 |
|
環境修復工事 |
- |
2,458 |
2,458 |
|
一般土木工事 |
306 |
46 |
353 |
|
建築工事 |
- |
13,461 |
13,461 |
|
その他工事 |
394 |
86 |
480 |
|
計 |
32,721 |
22,468 |
55,190 |
(注)1 官公庁には、当社が建設業者から下請として受注したものを含みます。
2 手持工事の内請負金額1,300百万円以上の主なものは、次のとおりであります。
|
(発注者) |
|
(工事名) |
|
(完工予定年月) |
|
MIRARTHホールディングス㈱ |
|
(仮称)レーベン府中若松町新築工事 |
|
2023年5月 |
|
中日本高速道路㈱ |
|
東名高速道路(特定更新等)静岡IC~焼津IC間小坂地区グラウンドアンカー補修工事 |
|
2023年5月 |
|
中日本高速道路㈱ |
|
新湘南バイパス下町屋高架橋北耐震補強工事 |
|
2023年5月 |
|
国土交通省 |
|
令和2年度福岡空港滑走路外地盤改良工事 |
|
2023年6月 |
|
中日本高速道路㈱ |
|
中央自動車道 夏狩高架橋他4橋耐震補強工事(2020年度) |
|
2024年7月 |
(3)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載の通りであります。
b.経営成績及び経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社を取り巻く事業環境は、当社グループとの親和性が高い防災・減災、国土強靭化を中心とした政府建設投資が底堅く推移しており、良好な受注環境が続いております。しかしながら、中長期的には財政的な制約や人口の減少を背景として国内建設市場は縮小することも考えられます。
このような環境認識のもと、当社グループは2022年5月12日に2022年度を初年度とする中期経営計画「Raito2024」を発表し、『新たな分野への挑戦により、新たな価値の創造とサステナブルな成長を実現する』の基本方針のもと、①デジタル社会をリードする技術開発による新たな成長基盤の確立、②独自技術を通じた環境保護と持続的社会形成への貢献、③マルチステークホルダーとの価値共創の実現に取り組んでおります。
中期経営計画最終年度の2024年度の経営数値につきましては、連結売上高1,200億円、連結営業利益135億円、ROE10.0%以上、配当性向35%以上を目標としております。
当事業年度の連結売上高は、1,149億円(前期比5.0%増)で過去最高の売上高を更新しました。ICTの積極的活用や人員配置の最適化などの取り組みなどが奏功し、当社及び連結子会社ともに施工の進捗が順調に推移したことにより前期比で増収となりました。今後も引き続き、豊富な手持工事の確保し施工効率の向上を図ることで中期経営計画の売上高目標1,200億円の達成を目指してまいります。
連結営業利益は、127億円(前期比3.4%減)となり、前期比で減益となりました。減益の要因といたしましては、建築工事における資機材価格の高騰に加え、積極的な機械投資による減価償却費の増加、ベースアップに伴う人件費の増加が主な要因となります。中期経営計画最終年度の目標値135億円の達成に向けては、売上高の増加に加え、工事採算性の更なる向上及び適正な固定費の配分に努めてまいります。
ROEは、当事業年度は11.5%となりました。財務の安定性を確保しつつ、収益性と資産効率性の更なる向上を追求し、ROE10.0%以上の達成を目指します。
配当性向は、当事業年度は32.0%となりました。当社グループでは、安定的な配当の維持を基本に、業績と経営環境を勘案して決定することを基本方針としております。配当の基本方針は堅持しつつ、内部留保金につきましては、持続的な成長と企業価値の向上に資する研究開発や成長投資などに積極的に活用してまいります。中期経営計画最終年度の配当性向は35%以上を目標といたします。
今後も引き続き、全てのステークホルダーの皆さまの期待に応えるべく、『新たな分野への挑戦により、新たな価値の創造とサステナブルな成長を実現する』を基本方針とした中期経営計画「Raito2024」に掲げる各種施策を着実に実行し、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
c.財政状態
当連結会計年度の資産につきましては、前期比で70億3千9百万円増加し、1,229億2千5百万円となりました。このうち、流動資産は前期比で81億5千4百万円増加し、841億8千3百万円となりました。これは主に、売上高増加に伴う受取手形・完成工事未収入金等の増加によるものです。また、固定資産は前期比で11億1千5百万円減少し、387億4千1百万円となりました。これは主に、当社で自社開発として取得した投資不動産を売却したことによるものです。
負債につきましては、前期比で24億1千9百万円増加し、374億8千7百万円となりました。このうち、流動負債は前期比で21億3千1百万円増加し、361億5百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において新たに連結子会社となったベトナム合弁会社の短期借入金及び当社での未払消費税の増加によるものです。固定負債は前期比で2億8千8百万円増加し、13億8千2百万円となりました。
純資産につきましては、前期比で46億2千万円増加し、854億3千7百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益94億8千9百万円を計上したこと等によるものです。以上の結果、当連結会計年度における自己資本比率は前期比で0.9ポイント減少し、68.7%となりました。今後も中期経営計画「Raito2024」経営・財務・投資戦略に基づき、会社の成長を支える強固な経営基盤を確立し、事業運営を行ってまいります。
d.キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、47億6千1百万円の収入超過(前年同期は85億9千7百万円の収入超過)となりました。これは主に、売上債権の増減額(88億8千1百万円)による支出を、税金等調整前当期純利益(133億6千6百万円)による収入が上回ったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、4億8千7百万円の収入超過(前年同期は23億5千万円の支出超過)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出(29億5千1百万円)を、有価証券の償還による収入(10億円)及び投資不動産の売却による収入(28億3千万円)が上回ったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、57億6千5百万円の支出超過(前年同期は46億8千7百万円の支出超過)となりました。これは主に、配当金の支払額(27億3千9百万円)及び自己株式の取得による支出(31億5千万円)による支出によるものであります。
以上により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比4億1千7百万円減少し、296億5百万円となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
|
2020年3月 |
2021年3月 |
2022年3月 |
2023年3月 |
|
自己資本比率 |
67.4% |
67.3% |
69.7% |
68.7% |
|
時価ベースの自己資本比率 |
63.0% |
86.5% |
85.5% |
77.9% |
|
債務償還年数 |
0.19年 |
0.05年 |
0.10年 |
0.36年 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
186倍 |
597倍 |
291倍 |
93倍 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表により計算しております。
※株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を使用しております。
※営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息支払額を使用しております。
e.資本の財源及び資金の流動性
(1)財務戦略についての基本的な考え方
当社グループは強固な財務基盤の確立を基本としております。これは中長期的には国内建設事業環境が縮小傾向になり、決して楽観視できないと見込んでいるからです。そのため、自己資本比率を高く保ち、安定した経営基盤を確保する考えであります。
(2)資金需要について
当社グループの資金需要は、営業活動では建設事業に関する材料費、協力業者への外注費、従業員への人件費などがあります。投資活動では主に施工機械の購入、財務活動では株主還元を目的とした株主配当金及び自己株式の取得があります。
(3)資金配分、投資についての考え方
当社グループは利益やキャッシュ・フローの範囲内で投資することを基本としており、ステークホルダーの皆様に応分に資金を配分していきます。
投資については、持続的な成長を見据えた先行投資を実現するため、当社グループの企業価値の向上に資すると判断されたものに対し、資本コストを意識しつつ投資を実行していきます。
(4)資金調達について
当社グループは、従来から蓄積した資金により自己資本比率が高く健全な財政状態であります。また、CCCの改善を行い、営業活動からキャッシュ・フローを生み出す能力があると考えております。さらに、当社においてコミットメントラインの借入枠80億円、国内子会社の当座貸越契約枠3億円及び海外子会社の当座貸越契約枠22億7千万円の合計105億7千万円の借入枠を設定しております。このうち未実行の借入枠は98億6百万円であり、当社グループの事業活動を継続するために将来必要な運転資金及び投資資金を確保することは可能と考えております。
該当事項はありません。
研究開発は、市場動向、事業領域の拡大並びに各事業分野の問題点の解決等に対応するため幅広く取り組んでおり、異業種・同業種・大学および国土交通省・(公財)鉄道総合技術研究所等の研究機関との共同開発も積極的に行っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
(1)斜面・のり面対策技術
① ICT削孔管理システムの開発
グラウンドアンカーやロックボルトといった削孔工における省人・省力化技術としてICT削孔管理システムを開発しました。これにより、これまで人が実施していた削孔工の管理項目である削孔角度や削孔長などのデータ取得と帳票出力に加え、施工進捗をリアルタイムで表示することが可能となりました。取得したデータは即時帳票化が可能で、書類作成に要する時間が大幅に削減されるため、業務効率化に大きく貢献する事が期待されています。今後は、リアルタイム表示を活かした立会の遠隔臨場化を図るなど、更なる業務効率化を進めてまいります。
② Automatic-Shot R の開発・展開
モルタル吹付けの自動化を目的とした「Automatic-Shot R」を開発しました。これにより、吹付けプラントの省人省力化が実現されました。本システムの量産を進めるとともに、全国の拠点に配備実装することで、会社全体の生産性向上に大きな期待が寄せられています。今後は、吹付法枠および植生基材吹付など、モルタル吹付以外の適用性について実証実験を実施するとともに、建設技術審査証明の取得に向けた準備を進めてまいります。
(2)地盤改良技術
① 軌道内および近接構造物付近における隆起対策用薬液分岐注入システムの開発
軌道内近接施工に特化できる薬液注入時の隆起対策として、制御ユニットと注入データの電子化が可能な帳票ソフトを開発し、現場での実証試験を実施しました。紙ベースであった施工データの電子化は、施工管理や書類作成時間の削減を可能にするなど、業務効率化に大きく貢献しています。今後は、実装化に向けたユニットの改善・改良に加え、注入記録の電子化を進めてまいります。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。