当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、新しい時代に向けたコーポレートアイデンティティ、そして経営の基本方針として、2021年4月に新たに「ビジョン・ミッション・バリュー」及び「企業スローガン」を制定しました。
また、倫理規定を制定し、守るべき法令や社会ルールについて、国内・海外子会社を含めたプレス工業グループ社員への周知徹底を図っております。
<ビジョン> (目指す姿・ありたい姿)
「私たちだからできる」と誇れる仕事を通して
世の中になくてはならない存在として
全てのステークホルダーと共に成長し続けます
<ミッション> (社会に約束すること、存在意義)
社会と共生、共鳴し
ものづくりを通して
人、車、機械を支える力であり続けます
<バリュー> (価値観)・・・ビジョン、ミッションに向かって進むための行動規範
■ 安心・安全・コンプライアンス
安心・安全・コンプライアンスは私たちの行動の基本で、全てのステークホルダーに対して担う責任と誇りです
■ 誠実・努力
私たちのビジネスの中心は人です
誠実さと地道な努力によって培われる信頼を、私たちは財産とします
■ やりぬく力
私たちは「なんとかものにする」覚悟を持って行動をおこし、やりとげます
■ 創造力
私たちは「まずやってみる」好奇心と探究心で現状に問いを立て、
未来を創造することを楽しみます
■ 多様性
私たちは自分、そして仲間の個性と自由な発想を尊重し、協働します
<企業スローガン>
製造の先の創造へ。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
自動車・建機とも需要は堅調に推移しているものの、自動車業界における部品供給制約は完全には回復しておらず、2023年度も引き続き急な生産変動とその影響が残る見通しです。加えて、資源価格・物流費の高騰・高止まり、地政学リスクの高まり等、不確実で先が見通せない事業環境が継続しております。当社グループは、変化への対応力を強化して業績への影響を最小限に留め、円滑な事業活動を図ってまいります。
本中期経営計画(2019~2023年度)では、変化が著しい時代を乗り越え成長していくために「質」重視の経営を掲げ、①強靭な経営体質・経営基盤の構築、②コア商品の商品力向上・競争力強化、③コア商品の商権維持拡大・新規事業 を中計課題の柱としております。計画当初から大きく変化した事業環境に合わせ、取り組み課題の追加・見直しを行いつつ推進しており、中計最終年度に目標達成すべく、全社を挙げて取り組んでまいります。
① 強靭な経営体質・経営基盤の構築
ものづくりの基本である安全・5S・設備保全や技能伝承を狙いとした「ものづくり意識改革活動」は企業文化として定着が進んでおり、日常管理の中で活動を継続してまいります。
生産性向上活動、生産ボリューム変動に対する柔軟な体制づくり、スタッフ部門を含めた全社横断的な業務改善活動、人材と働き方の多様性・活性化や雇用政策の変化に対する制度の見直しなども推進しております。
また、コンプライアンス教育の拡充、サイバー攻撃への対応をはじめとした情報セキュリティ対策強化に取り組んでおります。
カーボンニュートラル実現に向けた取り組みは、当社グループとして、気候変動問題への対応を経営上の重要課題と位置づけ、CN推進委員会主導のもと2050年度の実現を目指して取り組んでおります。また、TCFDに沿って実施したシナリオ分析の結果を経営戦略へ組み込み、推進してまいります。
② コア商品の商品力向上・競争力強化
自動車部品では、次世代モデルやEV/FCV化に向けた開発が大きく進む中、当社グループのコア商品においては、軽量化、高強度化、多機能化、塗装性能向上など、商品力向上につながる開発提案に取り組んでおります。
建設機械用キャビンでは、軽量化、高強度化の他、視界性向上、ウィンドウ/ドア・システムなどの機能向上開発を進めるとともに、建設機械用キャビンの専門工場である尾道工場の全体ライン再編や構内物流最適化による競争力の強化に取り組んでおります。
また、実用化に向けた新技術・新工法の研究開発、新材料の活用検討、生産ライン自動化・効率化やIoT/RPA等のIT導入などにより、ものづくりを更に進化させ専門メーカーとしての競争力を高めてまいります。
③ コア商品の商権維持拡大・新規事業
世界需要は、インフラ整備等の建設需要や物流増加に支えられて堅調なニーズがあるものの、国内では、ドライバー不足、モーダルシフト、人口減少など、将来的な需要縮小要因を抱えていると言われています。中でも物流業界の2024年問題は喫緊の課題であり、その対応が注目されています。更に自動車業界全体における再編・アライアンスやEV/FCV化の加速など、業界全体が大きな変革期にあります。
自動車部品事業においては、顧客ニーズを踏まえた提案力を武器にコア商品の価値向上を図り、商権維持拡大に向けて取り組んでおります。
建設機械用キャビンにおいては、小型~大型まで様々なサイズの油圧ショベルに向けて開発提案を行い、中期経営計画拡販目標達成に向け、着実にシェア拡大を図っております。更には油圧ショベル以外の建設機械向けや農機・産機向けなど、拡販活動を推進しております。
また、独自技術の応用展開として新規事業にも積極的に挑戦してまいります。
なお、本中期経営計画における2024年3月期の経営目標値は、営業利益率:7%、ROE:7%、総還元性向:35%以上としております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)サステナビリティ推進体制及びガバナンスの状況
当社グループは、「プレス工業グループ サステナビリティ基本方針」のもと、社会から信頼され、全てのステークホルダーと共に中長期的に成長し続けるため、サステナビリティ経営に取り組んでおります。
|
プレス工業グループ サステナビリティ基本方針 プレス工業グループは、「ビジョン・ミッション・バリュー」のもと、持続可能な社会の実現に向けESG課題に積極的に取組み、中長期的な企業価値の向上を目指します。 |
2022年5月に、経済的価値と社会的価値の両立の観点から、当社グループとして中長期視点で取り組むべきサステナビリティに関する4つの重要課題(マテリアリティ)と21の活動項目を策定いたしました。
これら重要課題と活動項目は、中長期の経営計画及び各年度方針に反映し、経営会議での審議を踏まえ、取締役会で決議しております。決議された方針や計画は、社内各部門、グループ会社、関係する社内各種委員会(環境、防災、安全、情報システム等)に展開され、活動内容及び重要案件については、都度経営会議及び取締役会へ附議・報告しております。
<サステナビリティ全般に対応するガバナンス体制図>
(2)リスク管理
サステナビリティ全般に関するリスク管理については、「
(3)TCFD提言に基づく開示
① ガバナンス
当社グループは、気候変動問題への対応を経営上の重要課題と位置づけており、「環境方針」に基づき、取締役会の監督の下、積極的・能動的に取り組んでおります。気候変動をはじめとする環境問題全般については、生産部門担当役員及び人事・労務担当役員が主導する中央環境委員会(年2回開催)において管理・対応しております。
また、気候変動問題への対応強化のため、2021年10月1日付で、CN(カーボンニュートラル)推進委員会(原則1回/四半期開催)を設け、中央環境委員会と連携・情報共有し、CO2排出量削減目標設定から施策・実行までを強力に推進しております。これら委員会における活動内容は経営会議に開催の都度報告され、重要事項については必要に応じ経営会議及び取締役会にて審議・決定されております。
<気候変動問題に対応するガバナンス体制図>
② 戦略
当社グループは、気候変動が当社グループの事業活動に及ぼす影響度を評価するため、TCFD提言に基づくリスク・機会のシナリオ分析を実施しております。分析にあたっては、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が公表した4℃シナリオ・2℃以下シナリオ等を考慮しております。対応策については、現在取り組み状況や将来課題とすべき項目を踏まえ、当社グループの新たな価値創造に繋がるかという視点を加え、定義・評価しております。
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理については、「
④ 指標及び目標
当社は、短期・中期・長期における排出量削減目標を以下の通り設定しております。
|
指標 |
対象 |
基準年 |
基準 |
目標年 |
目標値 |
|
CO2 |
Scope1,2 |
2019年度 |
42,100 |
2025年度 |
2019年度比 ▲21%削減 |
|
2030年度 |
2019年度比 ▲41%削減 |
||||
|
2050年度 |
排出量ネットゼロ |
各削減目標の達成にあたっては、「やめる・直す・とめる・下げる・拾う・変える」の視点のもと、高効率設備の導入、生産工程の見直し、生産性向上、生産工法の改善、業務の効率化、太陽光発電をはじめとするグリーンエネルギーの活用等の諸施策を全社を挙げて推進し、カーボンニュートラルの実現を目指しております。
なお、上記目標値及び以下の算定対象は当社単独の実績となります。当社グループ全体の実績及び目標については、2024年度中の開示を予定しており、現在実績の算出と集計精度の向上を図っております。
<参考>
・当社(単独)Scope1+2排出量の実績と目標値
・当社(単独)Scope3排出量*1の推移
(単位:t-CO2)
|
カテゴリ |
カテゴリ概要 |
19年度 |
20年度 |
21年度 |
|
|
1 |
購入した製品・サービス |
購入した原材料等の資源採掘、製造、輸送での排出 |
305,598 |
262,302 |
318,774 |
|
2 |
資本財 |
購入した有形固定資産の製造、輸送での排出 |
10,756 |
12,346 |
10,405 |
|
3 |
Scope1・2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 |
購入した化石燃料、電力の資源採掘、製造、輸送での排出 |
7,236 |
6,399 |
6,735 |
|
4 |
輸送、配送(上流) |
原材料購入時、製品出荷時等の輸送、配送での排出 |
10,710 |
10,411 |
6,645 |
|
5 |
事業から出る廃棄物 |
各拠点から排出した廃棄物の処理、輸送での排出 |
2,045 |
1,935 |
2,423 |
|
6 |
出張 |
従業員の出張に伴う排出 |
240 |
231 |
227 |
|
7 |
雇用者の通勤 |
雇用者の通勤に伴う排出 |
797 |
770 |
757 |
|
8 |
リース資産(上流) |
賃借しているリース資産の運用に伴う排出 |
59 |
45 |
41 |
|
9 |
輸送、配送(下流) |
販売した製品の最終消費者までの物流に伴う排出 |
対象外*2 |
対象外*2 |
対象外*2 |
|
10 |
販売した製品の加工 |
販売した製品の加工に伴う排出 |
対象外*2 |
対象外*2 |
対象外*2 |
|
11 |
販売した製品の使用 |
最終消費者による製品の使用に伴う排出 |
対象外*3 |
対象外*3 |
対象外*3 |
|
12 |
販売した製品の廃棄 |
最終消費者による製品の廃棄時の処理に伴う排出 |
1,454 |
1,224 |
1,505 |
|
13 |
リース資産(下流) |
賃貸しているリース資産の運用に伴う排出 |
対象外*2 |
対象外*2 |
対象外*2 |
|
14 |
フランチャイズ |
フランチャイズ加盟社における排出 |
対象外*2 |
対象外*2 |
対象外*2 |
|
15 |
投資 |
投資の運用に伴う排出 |
対象外*2 |
対象外*2 |
対象外*2 |
|
合計 |
338,895 |
295,663 |
347,512 |
||
*1:今後、算定精度の向上を目的とした算定方法や排出原単位の見直し及び算定の誤りが判明した場合は、算定結果を遡及して修正します。
*2:当社に該当する事業活動がないため、算定対象範囲から除外しています。
*3:当社が排出削減に影響力を及ぼすことが困難なため、算定対象範囲から除外しています。
(4)人的資本戦略
1)人財戦略
当社グループのビジネスの中心は人であり、誠実と努力によって培われる全ステークホルダーとの信頼は、当社グループの大きな財産です。多様な人材を採用し、教育・育成制度や人事制度を整備して多様な人材の能力が最大限発揮できるような働きやすい職場・作業環境づくりに取り組んでおり、「人材の多様性と活性化」を重要課題の一つとし、目指す姿・ありたい姿、これを達成するための活動項目を掲げました。
① 目指す姿・ありたい姿
・一人ひとりが「自ら考え、行動し、やりぬく」経験を重ね、成長し続けている。
・多様なバックボーンと価値観を持つ人たちが、互いを尊重し、意見をぶつけ合い、新しい価値を生みだしている。
・全員が安心していきいきと働き、活躍している。
② 活動項目
・全員のやりぬく力と創造力の醸成
・ダイバーシティと機会均等の推進
・安心・安全な職場づくり
・働きやすい職場環境の整備
・人権の尊重
2)方針及び施策骨子
① 人材育成方針
・やりぬく意志を持って自ら考え、新しい価値を生み出す人材を育成する
・変化に対応できる人材を育成する
② 社内環境整備方針
・人材が育ち、最大限能力が発揮できるようにハード、ソフト両面より環境整備を図る
③ 施策の骨子
|
キーワード |
やりぬく |
創造力 |
多様性 |
安心・安全 |
|
取組内容 |
・課題解決力の向上 |
・基礎・専門教育の拡充、強化 |
・採用の多様化 |
・健康経営の継続推進 |
|
・コーチング強化 |
・異分野・異業種との交流 |
・自己実現施策の推進 |
・本質安全の推進 |
|
|
|
・多能工化 |
・多様な働き方に対応した人事諸制度の整備 |
・施設の充実(多様性、耐震、デジタル、再生エネルギー) |
|
|
|
|
|
・コンプライアンス/ハラスメント研修の充実 |
④ 取り組み内容及び目標値
1. やりぬく
従来より、役職に応じた階層別教育を実施しておりますが、これまでの取組みに加え、将来の目指す姿・ありたい姿に向けて解決すべき課題を設定し、これを実現していくことができる能力の強化を目的とした人材育成を図ってまいります。
≪やりぬく≫に関する目標
|
目標 |
22年度実績 |
|
課題解決力育成プログラムの受講(定性) |
- |
|
国家技能検定保有者数の10%増 |
9.2% |
2. 創造力
当社では、PKSD(Presskogyo Self-Development)という自己啓発を前提とした能力開発プログラムを従来より実施しております。
階層別に応じた専門知識やマネジメントスキルなど、通信講座を中心として運用しておりますが、さらに新しい知識の習得や、自律的な学習を促すため、講座数の拡大(2023年3月末現在、122講座)やeラーニングの採用などによる利便性向上など、充実を図ってまいります。
≪創造力≫に関する目標値
|
目標 |
22年度実績 |
|
PKSDの受講率30%以上 |
8.1% |
|
多能工化計画実施率 |
- |
3. 多様性
当社は、国籍・性別・信条の如何に関わらず、それぞれの立場や考えを尊重するとともに、労働基準法をはじめとした関係法令を遵守し、国籍、性別、新卒・中途採用に関わらず、多様な人材の能力が最大限発揮できるよう、働きやすい職場環境づくりに取り組んでおります。
また、年に1回、中長期のキャリアプランや能力開発の取組み状況を申告する自己申告制度を設けております。
≪多様性≫に関する目標値
|
目標 |
22年度実績 |
|
|
総合職・事務職採用数に占める女性割合20%以上 |
21.3% |
※ |
|
障がい者雇用率2.3%以上 |
2.6% |
|
※.2018年度から2022年度の5年間の平均採用割合の実績を示しております。
4. 安心・安全
「安全衛生」はすべてに優先する、という基本理念のもと、労働災害の発生防止、安全に安心して働ける職場づくりを推進しております。
また、2023年3月には健康経営優良法人の認証を受けました。大切な財産である社員一人ひとりが健康に関心を持ち、心身共にいきいきと働くことで、社員と家族の幸せと活力につながり、当社の価値を高めるものと考えております。
≪安心・安全≫に関する目標値
|
目標 |
22年度実績 |
|
災害発生度数率1.00以下 |
1.50 |
|
健康優良法人認定総合評価点(50.0以上) |
49.1% |
|
有給休暇平均取得12日以上 |
14.2日 |
以下において、当社グループの事業その他に関するリスク要因と考えられ、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主な事項を記載しております。なお、将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済状況の変動
当社グループの主要製品は、自動車部品や建設機械用部品であり、当社グループの営業収入は、これらの製品を直接的及び間接的に供給している国や地域の経済状況の影響を受けるため、情報を収集・分析しその内容を年度計画や中期経営計画等の事業計画へ反映するよう努めております。しかし、日本・北米・欧州・アジアを含めて、当社グループの主要市場における景気後退や、それに伴う予測を超えた需要減少は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 海外事業環境の変動
当社グループは、日本・北米・欧州・アジアで生産及び販売活動を展開しており、海外事業において以下のリスクが発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
・政治的または経済的に不安定な事象や、戦争、テロ、過激なデモ、暴動、ストライキ等の社会的な混乱
・法律、規則や税制の予期しない変更
・労働争議、人件費の急激な上昇、人材確保や採用の難化
・大規模な自然災害や感染症、伝染病
・合弁事業における経営方針、経営環境などの変化
(3) 為替レートの変動
当社グループの海外関係会社の財務諸表は、現地通貨で表示されており、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより当社グループの経営成績及び財政状態へ悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 人材の確保・育成
当社グループは、業界における競争力を維持・向上し、グローバルな事業活動を強化することを目的として、専門技能に精通した人材やマネジメント能力に優れた人材を将来に渡り確保・育成することが、極めて重要な課題と認識しております。このため、中期経営計画に「技能伝承」や「多様な人材活用」を掲げ、国内外での積極的な採用活動や、研修・教育の充実などの対策をとっております。しかし、当社グループ内の人材確保・人材育成が遅れた場合には、当社グループの将来的な事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 技術・製品開発
自動車産業は、電動化・自動運転など次世代のCASE関連技術の導入により、部品メーカーを含め業界全体が大きな変革期に突入しております。このため、当社グループでは、グローバルな事業拡大を目指すとともに、中期経営計画において「商品力向上・競争力強化」を掲げ、将来のニーズを予測しつつ、技術革新や新製品開発に経営資源を投入しております。しかし、市場ニーズや顧客ニーズの変化への対応が結果として不十分であったり、実現時期がタイムリーでなかったりした場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 気候変動
当社グループは、気候変動リスクへの対応を経営上の重要課題として位置付けており、2050年度カーボンニュートラル実現を目指し、CO₂排出量(Scope1, 2※)を2030年度までに2019年度基準で41.0%削減する中間目標を設定、その達成に向けた取組を進めております。具体的には、省エネ活動の徹底(待機電力削減等)、高効率設備への更新、生産ラインの再編及び再生可能エネルギーの導入を加速させます。また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に沿ったシナリオ分析を実施し、気候変動に伴うリスクと機会を明確化しており、そのリスクへの対応をさらなる成長の機会と捉え、製品軽量化、新商品開発、新技術・新工法の技術開発への取組を強化し、脱炭素社会における新たな市場ニーズへ対応してまいります。しかし、気候変動により生じる物理的リスクや、脱炭素社会への移行リスクに適切に対応できなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
※ Scope1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
(7) 自然災害等による影響
当社グループでは、自然災害等による生産活動への影響を最小化するために、BCP(事業継続計画)に基づく訓練、並びに政府指針等に基づく諸施策の徹底を図り、リスク発生の未然防止や啓蒙活動等を進めております。しかし、想定を超える大規模な自然災害等が発生し、建物や設備の倒壊・破損、ライフラインやサプライチェーン、輸送ルート、情報インフラの寸断、人的資源への重大な影響などにより、生産能力の著しい低下や操業の中断といった事態が起こった場合は、顧客への製品供給が遅れたり、損害を蒙った建物・設備等の修復に多額の費用が必要となったりすることで、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 材料・部品の調達
当社グループは、事業活動に必要な材料・部品の多くをグループ外の仕入先から購入しております。特定の仕入先の納入遅延、製品の欠陥、経営状態の悪化、不慮の事故、並びに想定を超える自然災害などにより、原材料や部品の不足やコストの上昇が生じる事態が懸念されます。調達先の複数確保や迅速な復旧支援等、調達方針に基づく諸施策を講じておりますが、著しい原価上昇や生産停止等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) 製品の欠陥
当社グループは、国際的に認知されている品質管理基準に基づき製品を製造しており、製品品質の安定と向上に取り組むとともに、第三者審査を受けることにより、品質管理体制を整備しております。しかし、全ての製品について欠陥がなく、将来においてリコールなどの問題が発生しない保証はありません。また、製造物賠償責任に関しては、保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額は、保険によって十分にカバーされない事態も懸念されます。そのため、リコールや製造物責任賠償につながる製品の欠陥が生じた場合は、多大なコストと社会的信用の低下を発生させ、当社グループの評価に大きな影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)情報セキュリティ
当社グループは、顧客からの情報や自社の開発情報など、営業上・技術上の機密情報を有しております。また、生産活動をはじめとした事業活動全般において、IT技術・ネットワークを活用しております。当社グループでは、サイバー攻撃の未然防止とその事件・事故を対象とした、ネットワークやサーバー等の脅威監視や分析の範囲拡大など、インシデント検知・対応能力の強化を図るとともに、テレワークやクラウドサービス利用の増加に対応するためのセキュリティ対策基盤の強化や、教育の充実を図っております。しかし、日々高度化・巧妙化するサイバー攻撃等による不測の事態が発生した場合、情報漏洩による社会的信用の低下や損害賠償責任の発生、復旧のための費用、システムダウンによる顧客や調達先全体を巻込んだ業務の停止などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)企業倫理の遵守
当社グループの従業員は、労務関連、独占禁止、情報管理、知的財産保護、環境保護、適正な会計・税務処理、インサイダー取引防止といった各種法令等を遵守する必要があります。このため、当社グループでは、「倫理規定」を制定し、全社的な「行動指針」として守るべきルールやマナー、業務への取組姿勢などを定め、企業倫理を遵守した業務運営や啓蒙活動に努めております。また、コンプライアンス対応やハラスメント防止に関する相談窓口を社内・社外に設け、寄せられた事案に関しては、適時・適切に対応しております。しかし、従業員による法令違反等の問題が万一発生した場合は、直接的な費用の増加や社会的制裁、風評被害等、有形無形の損害の発生により、当社グループの社会的信用が低下し、円滑な事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)大規模感染症等の流行による影響
当社グループでは、新型コロナウイルス感染症等の大規模な感染症拡大防止に向けて衛生管理を徹底し、在宅勤務・フレックス勤務・時差出勤等の柔軟な働き方を許容・推奨する労務管理を実施しております。しかしながら、ひとたび国内外で大規模な感染拡大が起こった場合、ロックダウン等の外出措置により経済や生活に著しい制限が生じ、事業活動に多大な影響を及ぼすことが想定され、当社グループの経営成績及び財政状況に重大な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における国内及び海外のトラック・建設機械の事業環境は、中国ロックダウン、半導体不足、物流混乱等により部品供給制約が継続し、加えて欧州情勢によるエネルギーコスト及び原材料価格の高騰・高止まり、急激な為替変動等、先行き不透明な状況で推移しました。
当社グループにおいても、各拠点の生産活動に大きな影響が生じる中、生産体制の見直しや合理化活動を強力に推進し、収益の確保に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,848億44百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は131億10百万円(前年同期比5.5%増)、経常利益は137億14百万円(前年同期比8.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、中国連結子会社の建物・設備等に関する減損損失を計上した結果、67億93百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ57億84百万円増加し、1,784億2百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ20億82百万円減少し、673億15百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ78億67百万円増加し、1,110億87百万円となりました。
b.経営成績
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(自動車関連事業)
当セグメントにおける国内及び海外の事業環境及び業績は次のとおりであります。
<国内>
普通トラックの国内需要は前年同期比22.3千台減の55.0千台、小型トラックの国内需要は前年同期比1.9千台減の72.6千台となりました。輸出は普通トラック・小型トラック合わせて前年同期に比べ増加しましたが、当社グループの国内の生産は前年同期と同水準となりました。
<タイ>
1トンピックアップトラックの国内需要・輸出の増加により、THAI SUMMIT PKK CO.,LTD.、THAI SUMMIT PKK BANGPAKONG CO.,LTD.及びTHAI SUMMIT PK CORPORATION LTD.の生産は前年同期に比べ増加しました。
<米国>
国内需要は減少したものの、PK U.S.A.,INC.の生産は新規立上げ等により前年同期に比べ増加しました。
<インドネシア>
商用車の国内需要及び輸出の増加により、PT.PK Manufacturing Indonesiaの生産は前年同期に比べ増加しました。
<スウェーデン>
欧州での商用車需要の増加及び受注製品が好調に推移したことにより、PRESS KOGYO SWEDEN ABの生産は前年同期に比べ増加しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,504億3百万円(前年同期比19.6%増)、セグメント利益は156億61百万円(前年同期比13.1%増)となりました。
(建設機械関連事業)
当セグメントにおける国内及び海外の事業環境及び業績は次のとおりであります。
<国内>
油圧ショベルにおける国内需要及び輸出が堅調に推移したため、当社尾道工場及び協和製作所の生産は前年同期に比べ増加しました。
<中国>
普莱斯工業小型駕駛室(蘇州)有限公司(PRESS KOGYO MINI CABIN(SUZHOU)CO.,LTD.)の生産は国内需要の低迷により、前年同期に比べ減少しました。
なお、蘇州普美駕駛室有限公司(PM CABIN MANUFACTURING CO.,LTD.)については2021年9月28日付で解散し清算手続中であります。
以上の結果、当セグメントの売上高は344億61百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益は8億13百万円(前年同期比52.1%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ7億73百万円増の223億29百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期比57億96百万円増の211億87百万円となりました。これは主として税金等調整前当期純利益の増加等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前年同期比7億円減の97億83百万円となりました。これは主として関係会社の清算による収入があったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同期比102億47百万円増の108億41百万円となりました。これは主として短期借入金の純減少等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連事業(百万円) |
148,606 |
20.5 |
|
建設機械関連事業(百万円) |
35,176 |
2.2 |
|
報告セグメント計(百万円) |
183,782 |
16.5 |
|
その他(百万円) |
2,629 |
△12.8 |
|
合計(百万円) |
186,412 |
16.0 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連事業 |
155,336 |
22.9 |
40,555 |
19.9 |
|
建設機械関連事業 |
35,375 |
3.3 |
6,967 |
3.0 |
|
報告セグメント計 |
190,712 |
18.7 |
47,522 |
17.1 |
|
その他 |
2,622 |
△13.8 |
292 |
△2.2 |
|
合計 |
193,335 |
18.1 |
47,815 |
16.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連事業(百万円) |
149,836 |
19.9 |
|
建設機械関連事業(百万円) |
32,377 |
0.3 |
|
報告セグメント計(百万円) |
182,214 |
15.9 |
|
その他(百万円) |
2,630 |
△7.6 |
|
合計(百万円) |
184,844 |
15.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
いすゞ自動車㈱ |
27,021 |
16.9 |
30,843 |
16.7 |
|
AUTO ALLIANCE (THAILAND) CO.,LTD. |
19,528 |
12.2 |
- |
- |
3.AUTO ALLIANCE (THAILAND) CO.,LTD.の当連結会計年度は当該割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
財政状態について、当社グループは、有利子負債残高の抑制と事業収益の確保により、財務体質とキャッシュ・フローの改善を図っております。
当連結会計年度における財政状態の分析は、以下のとおりであります。
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末比57億84百万円増の1,784億2百万円となりました。これは主として、仕掛品が7億64百万円増加、機械装置及び運搬具が17億15百万円増加、工具、器具及び備品が18億66百万円増加したためであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末比20億82百万円減の673億15百万円となりました。これは主として、短期借入金が54億23百万円減少したためであります。
(純資産合計)
純資産は、前連結会計年度末比78億67百万円増の1,110億87百万円となりました。これは主として、利益剰余金が37億55百万円増加したためであります。
なお、自己資本比率は56.2%となりました。
2)経営成績
経営成績について、当社グループは、企業ビジョンを達成するため、全社一丸となったコスト削減や拡販活動に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、前連結会計年度比247億83百万円増の1,848億44百万円となりました。
国内売上高は、前連結会計年度比76億32百万円増の776億36百万円、海外売上高は、前連結会計年度比171億51百万円増の1,072億7百万円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前連結会計年度比4億77百万円増の9億35百万円となりました。これは主として、為替差益が3億29百万円増加したためであります。
営業外費用は、前連結会計年度比1億22百万円増の3億30百万円となりました。これは主として、支払利息が1億5百万円増加したためであります。
(特別利益、特別損失)
特別利益は、前連結会計年度比10億64百万円増の11億24百万円となりました。これは主として、土地使用権放棄に伴う経済的補償益が2億16百万円、関係会社清算益が8億85百万円それぞれ発生したためであります。
特別損失は、前連結会計年度比10億19百万円増の20億5百万円となりました。これは主として、減損損失が18億49百万円発生したためであります。
(法人税、住民税及び事業税)
法人税、住民税及び事業税は、前連結会計年度比41百万円減の30億67百万円となりました。
法人税等調整額は、前連結会計年度比10億67百万円増の2億83百万円となりました。税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度比6.4ポイント増の26.1%となりました。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてTHAI SUMMIT PKK BANGPAKONG CO.,LTD.及びTHAI SUMMIT PK CORPORATION LTD.の非支配株主に帰属する利益であり、前連結会計年度比3億74百万円増の26億89百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比3億14百万円減の67億93百万円となりました。売上高に対する当期純利益率は3.7%となりました。また、親会社株主に帰属する1株当たり当期純利益は、65.54円となりました。
なお、前連結会計年度の親会社株主に帰属する1株当たり当期純利益は、66.17円であります。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、コア商品(フレーム、アクスル、建設機械用キャビン、パネル)における新規受注に対応するための生産体制の確立、コストの削減及び品質の向上に重点をおき、設備投資を行っております。
当連結会計年度における設備投資額は、前連結会計年度比61億11百万円増の125億12百万円となりました。
4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
1)主要な資金及び財源
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。
これらの必要資金は、利益の計上、減価償却費等により生み出される内部資金により賄うことを基本方針としております。
2)資金の流動性
手元の運転資金につきましては、当社と国内関連会社において寄託契約を実施しており、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における国内及び海外のトラック・建設機械の事業環境は、中国ロックダウン、半導体不足、物流混乱等により部品供給制約が継続し、加えて欧州情勢によるエネルギーコスト及び原材料価格の高騰・高止まり、急激な為替変動等、先行き不透明な状況で推移しました。このような事業環境のもと、中期経営計画で掲げる「質」重視の経営と成長に向け、生産体制の見直しや合理化活動を強力に推進し、収益の確保に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度における経営指標は以下のとおりとなり、2019~2023年度中期経営計画の経営目標値を達成いたしました。
|
|
中期経営計画 (2024年3月期) 目標 |
2023年3月期 実績 |
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営業利益率 |
7.0% |
7.1% |
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ROE |
7.0% |
7.0% |
なお、当社グループの資本政策として掲げる総還元性向35%以上に対し、当連結会計年度は46.6%となりました。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当連結会計年度はビジョン・ミッション・バリューのもと、2022年5月に当社グループが長期視点で取り組むべき重要課題(マテリアリティ)が策定されました。本マテリアリティは将来に亘って新たな価値を創造し続けるうえで最も重要であり、EV/FCV化への対応は喫緊に進めていく必要があります。
また、アクスル、フレーム、建設機械用キャビン、パネルといった当社のコア商品の中長期先を展望した研究開発活動、海外生産への移行が進む中、国内のコア事業以外の新たなビジネス発掘を目的として、新技術・新工法の調査、実験、検討を行ってまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
(1) 新規事業に関する取組み
当社コア事業である自動車関連、建設機械関連とは異なる事業に於いて、プレス工業グループ全体の強みを活かした新しい事業に関し、調査、検討、商品の開発を行ってまいりました。さらに、検討結果の一部の特許出願を進めてきました。
今後も、SDGs、脱炭素化を切り口に、短期のみならず長期的な視点で、環境負荷軽減、高齢化社会に対応可能な生活環境機器について、ユーザーのニーズを捉えた商品を提案、具現化を図り、新たなビジネスの創出を目指してまいります。
(2) コアビジネスの更なる進化への取組み
① 自動車関連事業
EV/FCV化への対応に加え、環境負荷に配慮した軽量化、高強度化に向けた当社オリジナル商品・仕様提案及びその具現化のための要素技術開発、生産準備期間のさらなる短縮を狙った技術データベースの蓄積及び安定した品質を得る工法の検討、強度・精度・形状などお客様の高度な要望にお応えできる当社オリジナル要素技術のさらなる構築を行ってまいりました。また、既存設備を活用した当社製品の付加価値、競争力向上のための技術開発に取り組んでまいりました。これらの技術開発は、国内外で新たな量産部品の獲得へ繋がり、当社からの提案はお客様から高い評価をいただいております。
これらの取組みを効率よく行う手段として、当社が利用技術を構築してきたFEM解析技術があります。塑性加工成形シミュレーションでは、高速でかつ通常目視することができない金型内の材料の変形過程を模擬でき、精度不良原因の特定やその対策、開発期間の短縮、開発コスト削減に大きく効果をあげています。高品質・高精度の部品、高強度材の部品について、そのFEM解析技術を確立し新規溶接系フレームにおいて不具合の事前対策で成果をあげました。その技術を冷間Axleなど他の部品へ適用範囲の拡大を進めており、その結果検証を更に積み重ね精度向上に取組んでいます。また、このFEM解析技術は製品の軽量化・高強度化への取組みにも大きく寄与しています。今後とも当社オリジナルの利用技術の確立を進めてまいります。
溶接組立分野では、当社独自のセンシング技術の構築とそれを利用した溶接品質安定手法の確立、自動検査技術の確立、過去に経験のない新規設備を導入するにあたり工場・メーカー等とコラボレーションしながら早期立ち上げ及び確実な品質評価手法の確立を行っております。これらの手法は、国内で量産工法として技術確立した後、海外拠点で生産している溶接系フレームの自動化手法として新規ラインへ拡大展開し、2023年6月から量産を開始する計画です。
なお、自動車関連事業に係る研究開発費は
② 建設機械関連事業
建設機械分野ではキャブの商品力向上と品質信頼性向上を図ってまいりました。ROPS対応、視界性向上や意匠性向上を加味した新形状異形鋼管加工ピラーの新成形技術の構築を目指し開発を推進し、得られた成果をお客様に提案し、高い評価をいただいております。またROPS対応ではFEM解析での事前検証により各部位の板厚や補強構造を最適とする事で軽量化や開発期間の短縮にも貢献しております。
これらの取組みは、国内メーカーのみならず、海外メーカーのお客様とのワールドワイドな新たなビジネスチャンスに繋がっています。
なお、建設機械関連事業に係る研究開発費は
(3) 全社共通
環境問題への対応は世界全体で取り組む喫緊の課題です。当社グループも2050年目標としてカーボンニュートラル実現を掲げ、全社を挙げて推進しております。中間目標として、Scope1,2は2019年度比で2025年度までに21%削減、2030年度までに41%削減を設定しております。2022年度は目標5.8%削減の目標に対し9.2%削減しており、2025年度の中間目標は、前倒しで達成見込みとなっています。
また、国内全工場、事務所におきましてISO14001を遵守した活動を継続しています。開発部門におきましても、環境に優しくさらに世の中に活用される技術の開発を継続的に取り組んでおります。