文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営の基本方針
当社グループは、経営理念「複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境へ貢献する」に基づき、世界で通用する企業グループをめざしてグローバルに展開し、収益力を高めるべく連結経営の強化をはかるとともに、社会的課題に対する解決策を提供する事業展開によって健全な成長を持続することを基本方針としている。
こうしたグループ経営を推進することにより、株主の皆様の信頼と期待、そして満足を担える企業グループであり続けたいと願っており、さらに、企業活動を通じて従業員の幸福、取引先の繁栄に加え、サステナブルな社会実現への貢献を果たし続ける。
(2)目標とする経営指標
当社グループでは、企業として本来の事業活動の成果を示す営業利益を重要な経営指標と位置付け、収益性を重視し、更なる営業利益率の向上に努めている。また、キャッシュ・フロー経営に基づく財務の健全性を維持・向上しながら、RОEを重要な経営指標として捉え、資本をより有効に活用し、一層の企業価値向上をめざす。また、株主還元にも力を入れ、連結配当性向を35%以上に維持しつつ、過去の配当実績なども踏まえながら安定的な配当の継続を基本として取り組んでいる。
(3)中長期的な経営戦略
当社グループでは、「人的資本の価値最大化」「成長戦略による拡大」「サステナビリティ経営の推進」を基本方針とした、長期ビジョン『積水樹脂グループビジョン2030』を策定した。当該ビジョンを確実に実現させるべく、成長戦略の推進を担う「グローイング事業本部」の新設を含めて、組織最適化に取り組んでいる。
具体的な施策として、DXによる業務改革、積極的な戦略投資、新事業領域への進出や海外展開を強化するとともに、人的資本を最重要な経営資源と位置づけ、職場におけるダイバーシティ&インクルージョンとウェルビーイングの推進、人財育成の充実をはかり、当社グループの成長スピードを加速させる。さらには、サステナビリティ要素を経営の中核に取り込み、持続可能な成長と中長期的な企業価値向上を目指す。
(4)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症や原材料・部品の供給制約の影響が緩和するなか、GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた政府の取り組みや製造業の国内回帰に関連した投資の活性化が期待されるものの、ウクライナ情勢の展開、資源価格、金融・為替市場や物価の動向など、依然として先行き不透明で予断を許さない状況が続くものと予測する。
このような情勢下、AI・IoT技術を活用した製品の付加価値向上や、グローバル事業への資源配分強化など成長戦略に関する取り組みに加えて、主要製品の生産能力向上・事業拡大に向けた設備の増強、販売・生産プロセスを革新するデジタル投資や働きやすい職場環境の整備など、将来に繋がる投資を推進する。
また、これまでのCSV(Creating Shared Value;共有価値の創造)の活動領域を更に広げ、気候変動を巡る地球環境問題など刻々と変化する多様なニーズに対し、従来の地球環境調和型製品に、社会課題の解決に繋がる社会貢献製品を加えたサステナビリティ貢献製品を開発・拡販するとともに、再生可能エネルギーの活用や3R(リデュース・リユース・リサイクル)活動など脱炭素・低炭素社会に対応するべく取り組む。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)サステナビリティに関する基本方針
当社グループは、経営理念として「複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境に貢献する企業グループを目指します。」と掲げている。この理念に基づき、健全で透明性の高い経営と、社会・環境に調和した事業活動を通じて、全てのステークホルダーの皆様の信頼を確かなものにするとともに、社会と当社グループの持続的な発展に繋がる重要課題を特定し、SDGsの達成を含め社会課題の解決を図ることで更なる企業価値の向上を目指すことを基本方針としている。
(2)サステナビリティに関する取り組み
当社グループでは、サステナブルな社会の実現に向けた取り組みをグループ全社で横断的に推進するべく、2021年4月に「SJCグループサステナビリティ推進委員会」を設置し、同委員会を通じて、サステナビリティに関する方向性の検討、マテリアリティ(重要課題)の特定、目標設定および進捗状況のモニタリングや達成内容の評価などを行っている。その推進を担う機能として4つの部会「事業部会」、「ものづくり部会」、「開発部会」、「人財・ガバナンス部会」を設置し、事業活動との統合を図っている。
また、2022年9月には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、情報開示の充実および中長期的な経営戦略への反映に努めている。
①ガバナンス
当社グループでは、CEOをはじめとする経営陣で構成するSJCグループサステナビリティ推進委員会を原則3ヵ月に1回開催し、サステナビリティ活動に関する取り組みを管理・推進することで実効性を高めている。また、取締役会は同委員会の活動状況等について定期的に報告を受け、適切な監督を行うとともに、重要な課題・指標の決定については、取締役会で決議することで、その取り組みの更なる推進を図っている。
②戦略
当社グループでは、特定したマテリアリティ(重要課題)を経営戦略に統合させ、事業戦略を策定している。
また、気候変動がもたらす影響について分析を進めており、今後、想定するシナリオに基づく財務インパクトの定量評価から影響度の大きいリスクと機会に対する戦略策定および事業戦略への統合を進め、企業としてのレジリエンス向上に努める。
また、当社グループにおける人財の多様性の確保を含む人財の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を、以下のように定めている。
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<人財育成方針> 積水樹脂グループの経営理念・ビジョンの実現に向け、自ら考え、行動し、挑戦し続ける人財の育成に取り組んでいきます。 あるべき組織像 〇 新たな価値創造にチャレンジできる組織 〇 オープンなコミュニケーションができる組織 〇 働きがいを感じ、一人ひとりがイキイキと活躍できる組織 求める人財像 挑戦:好奇心を持ち、柔軟な発想で変革に挑戦し続ける人財 私たちが目指すもっと素敵な「いつも」をつくるためには、過去の価値観にとらわれず、常に未来志向を持って、変革し続けることが必要であると考えています。そのため私たちは、好奇心を持ち、柔軟な発想で変革に挑戦し続けることができる人財の育成を進めていきます。 協働:共通の目標に向けて協働し、成果を最大化できる人財 私たちは同じ志をもつ多種多様な従業員が、良好なコミュニケーションのもと、熱意と執念をもって課題解決に取り組むことにより、イノベーティブなアイデアや成果を創出できると確信しています。そのため私たちは、共通の目標に向けて協働し、成果を最大化できる人財の育成を進めていきます。 感謝:感謝の気持ちを大切にし、公正・誠実に行動できる人財 私たちは、高い倫理観のもと、常におごらず広く社会のすべてに感謝し、謙虚に学ぶことが大事だと考えています。そのため私たちは、当社グループの利益に貢献するだけでなく、社会に貢献しようとする高い志と感謝の気持ちを大切にし、公正・誠実に行動できる人財の育成を進めていきます。 |
<取り組み>
経営理念および長期ビジョンの実現に向け、人財育成基本方針および人財育成プログラムを制定し、自律型人財の育成、マネジメントの強化を主軸に、階層別、選択型等、教育プログラムを推進している。ダイバーシティ&インクルージョンの推進として、女性・外国人・キャリア採用者の管理職登用等、多様な人財を積極的に受け入れ、多様な価値観を認め合い、新たな価値創造にチャレンジできる企業風土づくりに努めている。
女性の活躍推進策として、一般職から総合職へのコース転換制度、ライフイベントとの両立支援制度の充実に取り組み、従業員に占める女性従業員比率、係長(主任)・管理職に占める女性従業員比率の向上に向け取り組んでいる。
グローバルに活躍できる人財育成として、2013年に海外研修制度を立ち上げ、制度経験者を海外事業に積極的に登用する一方、海外子会社においてはローカル化の方針のもと、女性を含めた外国人管理者を登用している。今後も多様な人財を積極的に受け入れ、能力を最大限に発揮できる企業文化の醸成をめざす。
従業員ファーストの考えのもと、従業員のゆとりと豊かさを実現するためのウェルビーイング経営を推進している。ハラスメントなど人権課題に関する継続的な啓発活動、業務効率化や生産性向上への取り組み、男性従業員の育児休業取得率の向上など、安全で安心な、働きやすい職場環境の実現に向け、家族を含めた従業員の健康増進活動を行っている。
なお、当連結会計年度末後において、以下のポリシーおよび宣言を制定した。
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<ダイバーシティ&インクルージョンポリシー> 「従業員と紡(つむ)ぐ、SJCの未来物語」 積水樹脂グループは、人々の安全・安心・快適な暮らしを支えることに尽力し、成長を重ねてきました。価値ある製品の創造とサービスを通じて、世界の人々に信頼され、感動を提供する企業グループとして成長を加速するために、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営基盤として位置づけ、積極的に取り組みます。 1.多様な人財を活かします 女性活躍推進とともに、国籍・年齢・キャリア・障がいなどに関わらず、多様な人財多様な価値観 を認め合い、従業員一人ひとりが能力を発揮できる組織風土をつくります。 2.柔軟な働き方を実現します 仕事と育児・介護・治療等との両立を支援し、柔軟な働き方とワークライフバランスを実現します。 3.健康と安全に配慮した働きやすい職場環境を確保します 従業員とその家族の安全・安心・健康を第一に考え、心と体の健康保持・増進に努め、働きやすい 職場環境をつくります。
<健康経営宣言> 「人も組織もイキイキと輝く、Well-being経営」 積水樹脂グループは、複合技術による価値ある製品の創造とサービスを通じて社会の安全・安心・環境に貢献する企業グループを目指しています。 そのためには、積水樹脂グループで働く従業員が心身ともに健康であることが最も重要な経営基盤と考えています。 従業員が働きがいを感じ、一人ひとりがその能力を最大限に発揮する職場環境づくりに取り組み、積極的にウェルビーイング経営を推進します。 1.会社は、従業員の心身の健康保持・増進に積極的に取り組み、健康づくりをサポートします。 2.従業員は、自らの健康について意識し、家族も含めた健康保持・増進に取り組みます。 3.従業員がやりがいを持って、新たな価値創造にチャレンジできる安全で安心な、働きやすい職場環境 を実現します。 |
③リスク管理
当社グループでは、グループ全体のリスクマネジメントプロセスの一環として、気候変動リスクを含む全社的
なリスクの洗い出し、経営への影響度、顕在化時期や財務影響度などを外部の知見等を有効に活用しながら、重要性の識別・評価を行い、SJCグループサステナビリティ推進委員会で検討し、これらの内容を取締役会へ報告する仕組みとしている。
④指標及び目標
当社グループでは、経営戦略とマテリアリティに対する取り組みを一体としたマネジメントを行うため、経営
戦略で掲げるサステナブル目標とともに、マテリアリティに対する取り組みに指標(KPI)を設定し、SJCグルー
プサステナビリティ推進委員会で進捗管理を行い、推進している。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人財の多様性の確保を含む人財の育成に関す
る方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いている。当該指標に関する提出会社の目標及び実績は、次のとおりである。
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指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
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全従業員に占める女性従業員の割合 |
2030年3月期までに30% |
15.8% |
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管理職に占める女性従業員の割合 |
2030年3月期までに12% |
1.5% |
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中核人財に占める多様性(女性・外国人・キャリア採用者等)の割合 |
2030年3月期までに30% |
24.9% |
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男性従業員の育児休業取得率 |
2030年3月期までに100% |
83.3% |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を把握した上で、その発生の回避及び発生した場合の迅速・的確な対応に努める方針である。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1)公共投資の動向
当社グループは、公共事業に供される製品の製造・販売を行っており、公共投資の動向を受けるものがある。公共投資の影響を緩和するため、公共分野に限定した事業を行うのではなく、民間分野との2つのセグメントで事業活動を行っている。しかし、公共投資は政府及び地方自治体の政策によって決定されるため、今後、公共投資が大幅に縮減された場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(2)原材料の市況・調達変動
当社グループは、石油化学製品や鉄鋼等の原材料価格の動向に対応した戦略購買及び原材料の安定調達に注力しているが、原材料の市況変動をタイムリーに製品価格に転嫁できない場合並びに急激な原材料の入手難により調達に遅れが発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(3)海外事業活動
当社グループの海外での事業活動には、為替の変動、宗教や文化の相違、商習慣の違い、予期しえない法規制の改正、社会・政治的混乱、テロ並びに国際紛争の勃発、流行性疾病の発生等、様々なリスクが存在する。これらの様々なリスクに対して、為替予約、現地の文化・法制度等の情報収集、従業員の安全確保等に努めているが、海外での事業活動におけるリスクに十分に対処できない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(4)知的財産権
当社グループは、開発された技術・製品を保護するために、特許権等の知的財産権の取得を進めるほか、製品及び商品の製造・販売に先立ち、第三者が保有する知的財産権を十分調査し、権利を侵害しないように努めている。しかし、当社グループと第三者との間で予期し得ない知的財産権に関する訴訟の提起や紛争が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(5)製造物責任
当社グループは、製品の開発、生産にあたって安全性や品質に十分に配慮しているが、製品の予期し得ない欠陥によって、製品回収や損害賠償につながる可能性がある。保険に加入し、賠償に備えているものの、保険による補填ができない事態が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(6)自然災害・産業事故災害
当社グループは、事業活動全般において無事故、無災害に努めており、大規模な地震、火災、暴風等の自然災害及び産業事故災害による被害を最小限にするために、危機管理マニュアルの策定、防災訓練の実施、損害保険の付保等によりリスク管理に努めている。しかし、人員の被災、生産設備等への影響を完全に防止できる保証はなく、当社グループの事業拠点が重大な被害を受けた場合、生産設備復旧の費用や生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償、被災地域への損害賠償や社会的信用の失墜等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(7)感染症
当社グループは、従業員の安全を最優先に考え事業活動を行っている。しかし、従業員への感染を完全に防止できる保証はなく、従業員への感染が確認・拡大した場合、一時的な事業所の閉鎖、生産活動の停止による機会損失により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。特に新型コロナウイルス感染症に対しては、政府の基本的な対処方針に基づいて適切に対処することとしている。
(8)情報セキュリティ
当社グループの事業活動は、情報システムの使用に依拠している。コンピュータウィルスの侵入やサイバー攻撃に対して、当社グループの基本方針として「情報セキュリティ基本方針」を定め、組織的な管理体制の整備や情報セキュリティの高度化、情報システムの定期的な保守点検や従業員教育の実施などにより対策に努めているが、事業活動への影響を完全に防止できる保証はない。サイバー攻撃等による個人情報や営業秘密の漏洩、システムネットワークに対する重大な障害が発生した場合、情報漏洩に対する補償、社会的信用の失墜や業務が一時的に中断することによる機会損失により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,759百万円増加し、139,366百万円となった。
流動資産は、81,062百万円(前連結会計年度末は79,540百万円)となり、1,522百万円増加した。増加の主なものは、電子記録債権(前期比1,207百万円増)である。
固定資産は、58,303百万円(前連結会計年度末は56,066百万円)となり、2,237百万円増加した。増加の主なものは、長期性預金(前期比3,000百万円増)である。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ557百万円増加し、27,776百万円となった。
流動負債は、24,038百万円(前連結会計年度末は23,139百万円)となり、898百万円増加した。増加の主なものは、電子記録債務(前期比999百万円増)である。
固定負債は、3,738百万円(前連結会計年度末は4,079百万円)となり、340百万円減少した。減少の主なものは、長期未払金(前期比299百万円減)である。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,201百万円増加し、111,589百万円となった。増加の主なものは、利益剰余金(前期比3,997百万円増)である。
②経営成績
当連結会計年度の連結業績は、売上高は65,897百万円(前期比0.0%減)、営業利益は9,007百万円(前期比
17.2%減)、経常利益は9,501百万円(前期比16.6%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6,653百万円(前期比13.2%減)となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
<公共分野>
交通・標識関連事業:防音壁材は、昨年に集中した高規格道路や新幹線向けの物件が一巡した影響を受け、前期を大幅に下回る成績となった。標識関連製品も、設置物件の減少を背景に売上減となった。一方、路面標示材は、自転車道整備や通学路安全対策にカラー標示材が採用されるなど、堅調に推移した。交通安全製品は、車線分離標「ポールコーン」が昨年の高規格道路向け大口物件の反動影響を受けたものの、カーブミラーが生活道路の安全対策として整備が進むなど、前期並みの成績を収めた。
景観・スポーツ関連事業:防護柵製品は、交差点や通学路の安全対策として車両用防護柵や高強度車止めの総合提案が功を奏し、大幅な売上伸長となった。通路シェルター製品は、「スカイウィング」が大型屋根による利用者の移動に配慮したデザイン性を評価され駅前整備や物流施設向けの受注を増やすなど、好調に推移した。人工芝は、熱中症対策としての温度抑制機能を備えたグラウンド用途や植物由来ポリエチレンを使用した環境配慮型のテニスコート用途が売上に寄与するとともに、大型物件の回復も相まって、大きく売上を伸ばした。一方、高欄は、橋梁修繕向け物件の減少により、売上減を余儀なくされた。
関連グループ会社事業
高速道路向け路面標示材は、修繕用途が低調に推移するとともに工期遅延などの影響を受け、大幅な売上減となった。欧州における交通安全製品は、「凍結防止ハイドロミラー」が好評を博したものの、車止めや車線分離標「ポールコーン」の受注が減少したことにより、前期を下回る成績となった。
<民間分野>
住建関連事業:メッシュフェンスは、施工性や設計対応力が評価され戸建て住宅や集合住宅向けが好調に推移した。めかくし塀も、通学路の安全対策を目的としたブロック塀の改修や物流施設向けの提案を強化したことにより、順調な成績を収めた。一方、防音めかくし塀は、居住地域における工場や保育施設などに採用されたものの、建築着工数減少の影響を受け、前期並みに推移した。
総物・アグリ関連事業:梱包結束用バンドは、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に対応した製品の提案を強化し、売上は好調に推移したものの、原料価格の高騰などにより利益面での課題を残した。一方、ストレッチフィルム包装機は、物流現場の人手不足による省人化ニーズが継続しているものの、電子部品の入荷遅れなどが影響し、売上減を余儀なくされた。アグリ関連製品は、幼齢木を保護する資材が獣害対策用途として各地で採用され売上に寄与したものの、農業・園芸資材ともに需要低迷の影響を受け、前期を下回る成績となった。
関連グループ会社事業
アルミ樹脂積層複合板は、看板用途の製品が好評を博したものの、仮設防音パネルが昨年のインフラ改修用途の反動を受けるなど、低調に推移した。組立パイプシステム製品は、物流分野向けに売上を伸ばしたものの、自動車、電機製品などの主要ユーザー向けが減少し、前期を下回る成績となった。デジタルピッキングシステム製品は、国内の新規大口物件減少の影響を受け売上減となった。
この結果、公共分野の売上高は31,891百万円(前期比1.9%減)、営業利益は4,792百万円(前期比 17.4%減)、民間分野の売上高は34,006百万円(前期比1.8%増)、営業利益は4,843百万円(前期比 14.6%減)となった。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,126百万円減少(前期比4.5%減)し、44,905百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益9,862百万円に加え、売上債権や棚卸資産の増加による資金減少の一方、仕入債務の増加による資金の増加、法人税の支払等を行ったことにより4,946百万円の収入となった(前期は8,792百万円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得や長期性預金の預入等により3,170百万円の支出となった(前期は2,322百万円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
自己株式の取得や配当金の支払等を行ったことにより4,233百万円の支出となった(前期は6,870百万円の支出)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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公共分野 |
30,674 |
△5.9 |
|
民間分野 |
33,053 |
1.6 |
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合計 |
63,727 |
△2.2 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
b.受注実績
当社及び連結子会社は主として見込み生産を行っており、受注生産は殆ど行っていない。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
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公共分野 |
31,891 |
△1.9 |
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民間分野 |
34,006 |
1.8 |
|
合計 |
65,897 |
△0.0 |
(注)主な販売先について、総販売実績に対する相手先別の販売実績の割合が100分の10未満につき、記載を省略している。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び②経営成績」に記載のとおりである。
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和による経済活動の回復が期待されたものの、ウクライナ情勢の長期化、急激な為替変動や物価の上昇、原材料価格・エネルギーコストの高騰や供給面での制約など、経営環境は依然として予断を許さない状況が継続した。
このような経営環境下において、当社グループは、2022年4月1日より新たな経営体制をスタートさせ、「中期経営計画2024」の基本戦略である「基盤事業の拡大」、「未来に向けた新たな基盤づくり」や「環境対策」を着実に推進するとともに、成長の原動力である「人的資本の価値最大化」を経営の軸として、事業活動を推進している。
当連結会計年度は、自然災害に対する防災・減災対策、国土強靭化による安心して暮らせるまちづくりや、生活道路・通学路における歩行者の交通安全対策などの社会課題に対し、引き続き「サステナビリティ貢献製品」の提案に注力するとともに、環境面ではTCFD提言への賛同、社会面では人財育成方針の制定、人事諸制度や職場環境の変革を行うなど、サステナビリティ経営の一層の強化に努めた。
また、原材料価格・エネルギーコストの高騰に対応した製品価格改定、戦略購買や輸送費高騰対策に加えて、有効な設備投資による生産性向上や省エネルギー対策など、収益性を重要視した事業経営を推進するとともに、デジタル技術を活かした業務効率化などにも積極的に取り組んだ。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、メーカーとして「複合技術を活かした安全・安心、環境保全に貢献するモノづくり」のための材料費、研究開発費、営業活動費、一般管理費等がある。また、持続的な成長を支えるための人的資本投資の需要に加え、設備資金需要として、製品開発や生産性向上への有形固定資産投資等があり、さらに欧州、東南アジアにおける更なる海外事業拡大および国内事業強化領域の進化を、スピードをもって実行するためのM&A投資資金需要等がある。
財政政策
当社グループは、現在、運転資金、設備投資およびM&A投資等の資金需要については主に内部資金より充当し、必要な資金を将来に亘り安定的に確保するため、金融機関からの短期借入により資金調達を行っている。なお、本報告書提出時点において格付投資情報センターにて「A-」の格付を取得している。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。
なお、将来の業績予測等に反映させることが難しい要素もあるが、期末時点において入手可能な情報を基に検証等を行っている。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、重要な経営指標と位置付けている本来の事業活動の成果を示す「営業利益」の向上を目指すとともに、ROEを重視し資本効率の改善に努めている。加えて、株主還元を充実させていくことも経営の最重点課題と考えており、安定的な配当の継続を利益還元の基本方針として、連結配当性向を35%以上に維持しつつ、過去の配当実績なども踏まえながら決定している。さらには、自己株式の取得や消却についても、事業環境や財務状況などを考慮しながら必要に応じて適切に実施する。
なお、当連結会計年度における営業利益は90億7百万円、営業利益率は13.7%となり、ROEは6.1%となった。また、年間配当金については、14期連続で増配し連結配当性向は38.5%、取得した株式の総数は810,000株(取得価格の総額1,409百万円)となった。
当社と積水化学工業株式会社との標章使用許諾に関する契約
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①契約の内容 |
積水化学工業株式会社の所有する一定の標章(商標を含む)の使用許諾を受ける。 |
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②期間 |
1980年4月1日より3ヶ年間。 但し、上記契約は期間満了に伴い更新された。期間満了後特別の事情のない限り、さらに3年継続し、以後この例による。 |
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③対価 |
年額18百万円 |
当社グループの研究開発は、基礎研究と商品開発に分けられ、基礎研究は技術研究所、製品開発では機能・コスト・施工・デザイン等、多角的な観点から各セグメントに所属する開発室にて推進している。
基礎研究では、当社コア技術の高度化を目指して防音技術の研究として特に吸音性能の向上を図る研究、循環型社会構築に求められるリサイクル樹脂の高度利用としてリサイクル樹脂の評価技術と配合技術・成型技術を組合せた研究に取り組んでいる。他方で新規コア技術の獲得として、次世代通信の電波環境改善技術の研究や、広域通信技術を活用したサービスの研究に取り組んでいる。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
(1)公共分野
交通・標識関連事業:防音壁材は、道路分野と鉄道分野それぞれの事業拡大に向け、高速道路リニューアルプロジェクトとして首都高速道路向けに「アルミ枠大型挿入式透明板」および民間鉄道向けに「両面吸音板」を上市した。交通・標識製品は、無線にて機器間の連動発光を実現したLED視線誘導標「サンデリーⅢ」、コンクリート縁石への簡易施工など、従来品から設置可能箇所を拡大した「ポールコーンガイド R」を上市した。また、路車間連携による新しい交通安全施設の研究としてスマートポールITS用LED情報板を開発し、自治体の社会実証試験に参画した。
景観・スポーツ関連事業:景観製品は、交差点での歩行者安全対策製品として優れた衝突強度を持つ「プロテクトボラード」シリーズに横断防止ビーム付タイプを追加した他、橋梁・高架部における新規整備や維持補修に向け、橋梁上には投物防止機能を持つ「クラスタ―バリア EZI ストレートタイプ」、取付道路部には「高強度めかくし柵 VS」を上市した他、河川や海岸沿い整備に向けて耐食性にすぐれたアルミ製勾配自在柵「アルクスロープ」、公園や歩道空間の休憩施設向けに支柱径をスリムにした「テンダーウッド藤棚シリーズ」を上市した。人工芝は環境問題を背景にゴムチップを使用しない次世代型ノンフィル人工芝「Motion XT」を上市するとともに、環境省や大阪府などが開催する人工芝と環境問題のワーキンググループに参画し、「環境保全」をキーワードに掲げた取り組みを更に強化した。
公共分野に係る研究開発費は
(2)民間分野
住建関連事業:外構製品では、マンションなどの集合住宅や施設外構に向けた独自素材であるプラメタル面材を使用した「めかくし塀F型」シリーズに、防音機能を搭載した「めかくし塀FH型遮音タイプ」を上市した。縦格子フェンスシリーズには、マットグレイシリーズの展開を進めた。また新しい領域の製品として、水路への転落事故を抑制するメッシュパネルによるカバー構造をもつ「用水路カバー」を上市した。
総物・アグリ関連事業:物流資材関連製品は、工場・物流センターの現場ニーズに応えたアルミ安全柵とスチール安全柵の展開を強化した。またRFIDタグによる物流管理の効率化を行っている現場に向け、透明電波遮蔽・吸収パネルを上市し、用途展開を推進した。現場の省人化ニーズに応えるために、フィルムつなぎ装置搭載全自動ストレッチ包装機を上市した。アグリ関連製品は、被害が深刻化している獣害対策製品を強化し、農業分野では電気柵FRPポールの品揃え、林業分野では単木保護資材の品揃えとして施工性を向上したタイプを上市した。
民間分野に係る研究開発費は