当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当グループは豊かな社会づくりに貢献することを企業理念とし、以下の経営方針を掲げております。
・「お客様第一」を心がけたマーケットから学ぶ経営
・安全と環境に配慮した品質第一のものづくりとサービスをする経営
・「生きがいのある企業」を目指す経営
・法を遵守し自主性と相互信頼を重んじ、相手を尊重する経営
・夢を持ち、自己変革にはげみ、目標に対しチャレンジする経営
(2)経営環境
当グループを取り巻く経営環境は政治、経済の動向に加え、地球環境に関する議論の進展によっても影響を受けます。当連結会計年度において、世界景気は感染症拡大による影響から持ち直しの動きにあったものの、地政学的緊張の継続から資源価格が高止まりし、原材料費、輸送費などの上昇による影響がありました。こうした経営環境の変化に対応するとともに、当グループはモビリティ(移動)に対する需要は長期的に変化していくという前提にたって開発プロジェクトを推進し、生産性を向上し、様々な経営環境の変化に対応できる体制を築いてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当グループは「ものづくり」を基盤とした持続可能な高収益企業を目指し、安全、品質、健康、教育、コンプライアンスをすべての活動の礎とし、以下の課題に対処してまいります。
・地球と社会の持続可能性を高め、自らも発展するというサイクルの実現
・開発力、競争力を高める活動の継続
・DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進
・従業員エンゲージメントの向上
・適正に価格転嫁しコスト上昇に対応するとともに、キャッシュを保全し資金を安定調達
・感染症、地政学リスクなどによる事業環境の変化に対応し、事業継続する体制の維持
(4)経営戦略
2013年にスタートさせた長期経営計画「VISION 2023」を2021年に見直し「VISION 2023 Final STAGE」を推進しております。気候変動とデジタル化に向けた取り組みを強化することを計画に織り込み、以下の活動、施策、戦略を実行することで課題に対処してまいります。
① 2050年カーボンニュートラルを目標にした活動
・2030年までにScope1とScope2の温室効果ガスを2016年比50%削減するための着実な取り組み
・Scope3の温室効果ガスを削減するための販売、開発体制
② 経営資源の最適配分
・全体最適の視点から経営資源を配分し、資源価格上昇などによる影響を最小
・インド事業の更なる成長に向けた戦略的な資源配分
③ コスト上昇への対応
・原材料費、輸送費、動力費、労務費などコスト上昇分の販売価格への適切な転嫁
④ 長期的な開発戦略に基づく製品開発の効率化
・電動化を中心にパワートレインの多様化を支える戦略製品の開発
・全社が一体となったフロントローディングとDX推進による開発リードタイムの短縮
・モデルベース開発による開発効率と開発品質の向上及び提案力の強化
⑤ グローバル市場における存在価値向上を目指した顧客戦略、生産戦略
・顧客とのコミュニケーションを通じた戦略製品の拡販
・仕入から生産、販売までを見通したトータルでのコスト削減活動の推進
・中国をはじめとするグローバル生産拠点の再編
⑥ 競争力と自己変革力の強化を目指したDX
・あらゆるプロセスの時間短縮を実現するDXを推進
・「つながる工場」を目指した活動による生産の効率化と製造品質の向上
・事業環境の変化を予測し、素早く対応する柔軟性と機動力をもった組織づくり
⑦ 従業員エンゲージメントを高め、人的資本経営を推進
・従業員と中長期のビジョンを共有
・双方向のコミュニケーションにより従業員エンゲージメントを高め人的資本による価値を最大限に引き出す
・健康経営の推進による生産性向上
⑧ ステークホルダーの期待に応える財務戦略
・経営環境の変化に対応し得る財政状態の実現
・資産の最適化、利益率の改善により投下資本利益率を向上
当グループは「私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし豊かな社会づくりに貢献します」との企業理念を掲げ、企業理念に忠実に活動を展開しております。企業理念には地球環境に配慮し、地球規模で発生する様々なリスクと機会に対応していくという当グループの意思を反映しており、地球と社会の持続可能性を高め、自らも発展するというサイクルを実現したいとの思いが込められています。当グループは企業理念に忠実に活動することで、自らのサステナビリティを高めるのみならず、地球や社会のサステナビリティにも貢献できると考えております。
(1)ガバナンス
当グループではより包括的なサステナビリティ推進のため、代表取締役社長を委員長としたサステナビリティ委員会を設け、取締役会を通じ適切な管理体制を整備しております。サステナビリティ委員会は4つの部会で構成し、それぞれ取締役・執行役員等を部会長とした推進体制で運営しております。
1) カーボンニュートラル部会 CO2排出・気候変動へのリスク・機会に対する活動
2) 災害対策部会 地震・風水害・感染症などの災害リスク・機会に対する活動
3) 海外危機管理部会 海外出向者や出張者のリスク・機会に対する活動
4) 情報セキュリティ部会 情報セキュリティのリスク・機会に対する活動
(2)戦略
当グループでは長期環境ビジョンに基づき、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言しております。中間目標として2030年までにScope1とScope2の排出量及びミクニグループがコントロールできるScope3の排出量をそれぞれ2016年比50%削減する目標を取締役会にて決定しております。
Scope1及びScope2の排出量削減に関しては、使用するエネルギーの総量を削減するほか、化石燃料を再生可能エネルギーに置き換える、再生可能電力を自社で発電するなどの取組みを進めています。Scope3の削減に向けては、原材料、輸送等による温室効果ガス排出量の削減に努めるほか、販売した製品による温室効果ガスの排出量を
削減するため、高効率でクリーンな最終製品への搭載を増やすことを目指し、販売、開発体制を強化し、カーボンニュートラル部会を中心に管理・運営しております。
また、燃費や排ガスなどの規制強化や四輪車・二輪車の電動化といったパワートレインの多様化を事業の機会ととらえ、より多くの顧客と密接にコミュニケーションをとりながら、製品開発を進めています。なかでも電動化については大きな機会として捉え、四輪車用製品の売上高のうちハイブリッド車、プラグインハイブリッド車を含む電動車向け製品の割合を2030年度に70%以上にするという目標を掲げております。
また、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、添付図にある「ミクニの人的資本経営推進の型」に基づき推進しております。
「ミクニの人的資本経営推進の型」の推進については、投入する「労働力」とその「生産性」が、創出しうる付加価値を決定づけるとした場合、生産年齢人口が減少している状況下において、今までのやり方の踏襲だけではアウトプットは縮小することとなるため、付加価値の極大化を図る上では添付図にある通り、それら2要素をそれぞれ強化することで、記載された項目ごとにそれぞれ適切な施策を実施しております。
(3)リスク管理
当グループでは取締役、執行役員等で構成されるサステナビリティ委員会が多方面におけるリスク発生原因を把握、分析しリスクの顕在化を回避するとともに、リスク顕在化の際の損失を最小限に抑える取り組みを実施しております。詳細は「事業等のリスク」をご参照ください。
激甚化する気象災害などの物理リスクについては、サステナビリティ委員会の災害対策部会にて管理し、災害発生時には各社各部署が直ちに適切なサプライチェーン全体での対応を行うと同時に、海外における有事の際の社内および関係者との情報共有の基点となる緊急連絡網の整備と定期的な更新を海外危機管理部会で管理し、迅速な処置対応を行う体制を整備しております。
また、情報セキュリティ部会を中心に、ウイルス感染や不正侵入などのサイバーセキュリティ上のリスクに対するIT部門を中心としたCSIRT体制の整備に加え、従業員への情報セキュリティに対する意識向上を目的とした、不定期なインシデント訓練なども実施し、リスク抑制の取り組みを実践しております。
(4)指標及び目標
当グループは「2050年カーボンニュートラル」を宣言しており、その中間目標として2030年までにScope1とScope2の排出量及び当グループがコントロールできるScope3の排出量をそれぞれ2016年比50%削減する目標を取締役会にて決定しております。
「(2)戦略」に記載の人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に
ついては、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りであります。
|
指標 |
目標 |
実績(当事業年度) |
|
従業員エンゲージメントの向上 |
エンゲージメントスコアを2025年度までに2022年度比10ポイント増 |
エンゲージメントスコア 36.4ポイント |
|
健康診断二次検査受診率 |
健康診断二次検査受診率を |
67.7% |
|
DX人材の育成実績 |
2023年度までに全社員を対象としたeラーニング受講率100% |
84.5% |
(注)上記は、提出会社における指標・目標・実績であります。
当グループにおいては取締役、執行役員等で構成されるサステナビリティ委員会が環境マネジメント、労働安全衛生マネジメントの担当も包括し、多方面におけるリスク発生要因を想定、分析し、リスクの顕在化を回避するとともに、リスク顕在化の際の損失を最小限に抑える取り組みを実施しております。サステナビリティ委員会は、上記に加え、ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点から長期的リスクを想定し、対応を進めております。
企業倫理や法令等への違反を含むコンプライアンスリスクに関しては、コンプライアンス委員会が研修などを通じリスクを最小化する取り組みを進めるほか、内部通報制度を周知しコンプライアンスが遵守されていることを確認しております。
有価証券報告書に記載の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであり、将来発生しうる全てのリスクを必ずしも網羅したものではありません。
① 感染症に関するリスク
新型コロナウイルス感染症の拡大から世界はようやく社会活動を正常化し始めています。とはいえ、新たな感染症が拡大するリスクは常にあり、引き続きグループを挙げて感染予防と感染拡大防止の対策を徹底するとともに、世界での感染症の状況を注視し、必要に応じて当グループの活動、組織を見直してまいります。
② 地政学リスク
地政学的な緊張が続いており、特にロシアによるウクライナ侵攻後は各国でエネルギー政策の見直しが進み、産業の変化について長期的な予測が困難になっています。当グループは短期的、長期的な経営環境の変化に対し素早く対応できるようリスクを想定し、複数の調達先を確保するなどして生産の安定化に努めるとともに、脱炭素に向けた解を複数想定し製品開発を進めております。
③ コスト上昇のリスク
感染症拡大からの景気回復、地政学リスクの高まりによる資源価格の高騰などから原材料費、輸送費、燃料費等が上昇しています。当グループはこうしたコストの上昇を適切に販売価格に転嫁することに努めております。
④地球環境に関するリスク
地球環境に関する議論が世界的に進展し、自動車の排ガス規制、工場の汚染物質排出規制など環境に係る規制が変化し、当グループの開発、生産活動が影響を受ける可能性があります。同時に気候変動問題の解決は地球規模の課題であり、「私たちは地球的視野にたち、人と技術を活かし豊かな社会づくりに貢献します」との理念を掲げる当グループが第一に取り組むべき課題であると認識しております。当グループは「2050年カーボンニュートラル」を宣言しており、その中間目標として2030年までにScope1とScope2の排出量及びミクニグループがコントロールできるScope3の排出量をそれぞれ2016年比50%削減する目標を取締役会にて決定しております。Scope3の温室効果ガスの排出量削減に向けては、販売した製品による温室効果ガスの排出量を削減するため、高効率でクリーンな最終製品への搭載を増やすことを目指し、販売、開発体制を強化しています。
⑤ 競合・需要変動等に関するリスク
当グループの事業は、国内外の景気動向によって影響を受けるほか、サプライチェーンにおいては他の部品メーカーや納入先メーカーの生産状況によっても影響を受けます。また、主力である自動車関連品事業においては、長期的に自動車の電動化や自動運転の実証研究が進むことが想定され、他産業の企業が自動車産業に進出する機会が増えています。これにより、当グループの事業環境が長期的に変化する可能性があります。さらに、感染症の拡大によって需要が影響を受けると同時に、部品不足によってサプライチェーンの生産が制約を受けることも経験しました。これらのリスクに対応するため、当グループは長期の技術動向を慎重に見極めるとともに、開発期間の短縮を図り市場の変化に対応してまいります。組織においては、営業と開発、生産と購買の機能を一体化し運営することで、自動車関連品事業の効率を向上してまいります。
⑥ 為替・金利などの金融市場変動によるリスク
当グループは日本の他に北米、欧州、アジアにおいても事業を展開しており、為替変動が当グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。また、各国のインフレ対策や金融政策の動向によっては、日本及び各現地法人の金融収支等が影響を受けます。金融市場の変動が当グループの財政状態等に影響を及ぼす可能性もあります。当グループは、取引における為替リスクを軽減するため、仕入と販売における通貨のマッチング、為替先物予約等によるヘッジなどを実施しております。
⑦ 製品の品質に関するリスク
当グループは品質を最優先にして製品を設計、生産、販売しておりますが、予期せぬ原因により製品に欠陥が生じるリスクがあります。加えて、品質に対する信頼性の低下は、当グループの製品需要を減退させる要因ともなり得るため、品質に関するリスクが当グループに及ぼす影響は非常に大きいと認識しております。品質に関するリスクに対応するため、当グループは常日頃から製品の品質に関する会社全体の意識を高めるとともに、仕入から生産、物流、販売までを一貫して見通せる仕組みを取り入れ、製品の品質確保に努めております。
⑧ 大規模災害に関するリスク
当グループの国内拠点の多くが東海地震及び都市直下型地震の対象地域に所在しております。「つながる工場」を目指してネットワークを活用することに加え、サイバー攻撃による影響もリスクとして想定しております。当グループは大規模地震、サイバーテロの発生による被害を最小限に抑え、事業継続を図るべく、危機管理に関する規程類や体制を整備するほか、サステナビリティ委員会が中心となり具体的諸施策を検討し、実行しております。地震等の自然災害に対しては、データセンター棟や生産棟の一部に免震装置を備えるなど、建屋の耐震性強化を図っております。加えて、従業員、お取引先向けの安否確認システムを導入したほか、防災・災害復旧マニュアルを整備し、防災訓練を実施、事前対策に取り組んでおります。
⑨ グローバルな事業展開に関するリスク
当グループの拠点が所在する国や地域においては、次のような様々なリスクが考えられます。それぞれのリスクには適宜対応しておりますが、これらの事象が発生した場合は、当グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
・新たな感染症の拡大
・紛争の勃発
・法律・規制・税制等の変更
・労働環境の違いによる争議等の発生
・サイバーテロを含むテロ攻撃、戦争、財政破綻などのリスク
・コピー製品等の当グループが保有する知的財産権への侵害
・予期せぬ訴訟リスク
経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(令和4年4月1日~令和5年3月31日)におけるわが国経済は、社会活動の正常化が進み、景気が緩やかに持ち直しました。一方で、エネルギー価格の上昇、為替の変動などもあり先行き不透明な状況が続きました。米国、欧州では金融引き締めの動きが加速し、一部で金融システムへの影響が懸念されました。中国では経済活動の抑制から持ち直しの動きが見られ、アセアン、インドでは景気の持ち直しが続きました。
このような経営環境のなか当グループにおいては、主力の自動車関連品事業が増収となり、売上高は938億4千7百万円(前期比16.2%増)となりました。半面、原材料費、輸送費等の上昇による影響もあり、営業利益は30億8千9百万円(前期比6.9%減)となり、経常利益は26億4千4百万円(前期比15.7%減)となりました。一方、グローバルで生産拠点を再編したことに伴い特別損失が発生したこともあり、親会社株主に帰属する当期純損失は16億8千2百万円(前期は13億1千8百万円の当期純利益)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
[自動車関連品事業]
四輪車・二輪車・汎用エンジン用燃料供給装置類及びエンジン関連機能品類の製造販売を中心とする当事業の売上高は、前期に比べて増加しました。サプライチェーンにおける部品不足の影響があったものの、車両生産は回復基調にありました。北米を中心に船外機の需要が高まっていることに加え、インド市場では好調が続きました。為替換算の影響もあり、当事業の売上高は771億9千7百万円(前期比16.5%増)となりました。一方で原材料費、輸送費、燃料費等の上昇による影響もあり、営業利益は33億6千2百万円(前期比5.7%減)となりました。
[生活機器関連品事業]
ガス機器用制御機器類及び水制御機器類などの製造販売を中心とする当事業の売上高は、ほぼ前期並みとなりました。中国では不動産不況が続き競争が激化しましたが、拡販活動を続け当事業の売上高は67億8千6百万円(前期比0.5%増)となりました。半面、原材料費や燃料費の上昇による影響もあり、営業損失は6億3千6百万円(前期は4億9千1百万円の営業損失)となりました。
[航空機部品輸入販売事業]
航空機部品類の売上高は、前期に比べて増加しました。社会活動の正常化に伴い旅客需要が増加していることに加え、取り扱い商品の拡大もあり、当事業の売上高は25億4千5百万円(前期比57.6%増)となり、営業利益は3億4千7百万円(前期比21.5%増)となりました。
[芝管理機械等販売事業]
芝管理機械等販売事業の売上高は、前期に比べて増加しました。ゴルフ場を中心に顧客の設備投資が堅調で、当事業の売上高は48億6百万円(前期比24.0%増)となりました。アフターサービスに注力し商品構成が改善していることもあり、営業利益は6千3百万円(前期は3千3百万円の営業損失)となりました。
[その他事業]
福祉介護機器等の製造販売を中心とするその他事業の売上高は、前期に比べて増加しました。福祉介護機器の需要が好調に推移し、その他事業の売上高は25億9百万円(前期比9.2%増)となりました。一方、原材料費の上昇に加え円安による輸入価格への影響もあり、営業損失は4千8百万円(前期は1千万円の営業損失)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて13億4千7百万円減少し、37億1千2百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は、48億8千万円(前年同期は50億7千8百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費51億4千9百万円並びに生産拠点再編費用22億9千5百万円による資金増加要因が、売上債権及び契約資産の増加8億5千8百万円並びに法人税等の支払額15億8千8百万円による資金減少要因を上回ったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果使用した資金は、54億4千1百万円(前年同期は23億7千1百万円の支出)となりました。これは主に、固定資産の取得による支出61億3千9百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果使用した資金は、9億4千万円(前年同期は24億7千4百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額3億4千1百万円であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連品(百万円) |
78,253 |
109.5 |
|
生活機器関連品(百万円) |
5,880 |
88.9 |
|
航空機部品輸入販売(百万円) |
- |
- |
|
芝管理機械等販売(百万円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(百万円) |
84,133 |
107.8 |
|
その他(百万円) |
1,020 |
103.6 |
|
合計(百万円) |
85,154 |
107.7 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.収益認識会計基準等適用前の有償支給された材料代込みの価格で記載しております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連品(百万円) |
- |
- |
|
生活機器関連品(百万円) |
- |
- |
|
航空機部品輸入販売(百万円) |
24,699 |
139.1 |
|
芝管理機械等販売(百万円) |
5,304 |
153.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
30,003 |
141.4 |
|
その他(百万円) |
1,295 |
108.0 |
|
合計(百万円) |
31,299 |
139.6 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.当グループの役割が代理人に該当する取引について、当該対価の総額から第三者に対する支払額を差し引いた純額で収益を認識する収益認識会計基準等の適用前の価格にて記載しております。
③ 受注実績
顧客から提示される納期の短縮化が進んだことにより受注から出荷までの期間が非常に短いため、当グループは原則として一部の確定受注や過去の生産実績等を参考とした見込み生産を行っております。よって受注実績につきましては、記載を省略しております。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
自動車関連品(百万円) |
77,197 |
116.5 |
|
生活機器関連品(百万円) |
6,786 |
100.5 |
|
航空機部品輸入販売(百万円) |
2,545 |
157.6 |
|
芝管理機械等販売(百万円) |
4,806 |
124.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
91,337 |
116.4 |
|
その他(百万円) |
2,509 |
109.2 |
|
合計(百万円) |
93,847 |
116.2 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりで
あります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 令和3年4月1日 至 令和4年3月31日) |
当連結会計年度 (自 令和4年4月1日 至 令和5年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
スズキ株式会社 |
7,570 |
9.4 |
8,842 |
9.4 |
|
ヤマハ発動機株式会社他 |
7,373 |
9.1 |
8,105 |
8.6 |
|
Maruti Suzuki India Limited |
1,562 |
1.9 |
3,323 |
3.5 |
2.上記「ヤマハ発動機株式会社他」には、関係会社であるヤマハモーターパワープロダクツ株式会社を含めて表示しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当グループは存在価値と競争力を高め、連結売上高990億円規模、連結営業利益40億円規模とすることを将来的に目指しております。これに対して、当連結会計年度の連結売上高は938億4千7百万円、連結営業利益は30億8千9百万円でした。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において判断したものであります。
(1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、1,001億8百万円となり、前連結会計年度末に比べて31億9千1百万円増加しました。
流動資産は、534億2百万円となり、前連結会計年度末に比べて23億9千1百万円増加しました。これは主に、売掛金が13億5千8百万円並びに棚卸資産が11億2千2百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、467億5百万円となり、前連結会計年度末に比べて7億9千9百万円増加しました。これは主に、投資有価証券が6億6百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、679億9百万円となり、前連結会計年度末に比べて29億1千万円増加しました。
流動負債は、375億7千9百万円となり、前連結会計年度末に比べて40億2千5百万円増加しました。これは主に、短期借入金が40億1千3百万円増加したことによるものであります。
固定負債は、303億3千万円となり、前連結会計年度末に比べて11億1千4百万円減少しました。これは主に、長期借入金が11億8千9百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、321億9千9百万円となり、前連結会計年度末に比べて2億8千万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失を16億8千2百万円計上したものの為替換算調整勘定が17億3千4百万円増加したことによるものであります。
(2)経営成績の分析
① 売上高
売上高は、前連結会計年度の807億8千9百万円に比べて増加し、938億4千7百万円(前年同期比16.2%増)となりました。セグメント別の売上高の状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概況 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、前連結会計年度の664億2千6百万円に比べて増加し、785億7千7百万円(前年同期比18.3%増)となりました。売上に対する売上原価の比率は1.5ポイント上昇しております。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の110億4千4百万円に比べて増加し、121億8千万円(前年同期比10.3%増)となりました。
③ 営業利益
営業利益は、前連結会計年度の33億1千8百万円に比べて減少し、当連結会計年度は30億8千9百万円(前年同期比6.9%減)となりました。
④ 営業外収益、営業外費用
営業外収益は、前連結会計年度の6億1百万円に比べて減少し、5億1千5百万円となりました。また、営業外費用は、前連結会計年度の7億8千2百万円に比べて増加し、9億6千万円となりました。これは主に、支払利息が増加したためであります。
⑤ 経常利益
経常利益は、前連結会計年度の31億3千7百万円に比べて減少し、当連結会計年度は26億4千4百万円(前年同期比15.7%減)となりました。
⑥ 特別利益、特別損失
特別利益は、前連結会計年度の3億2千4百万円に比べて減少し、1億5千1百万円となりました。これは主に、投資有価証券売却益が減少したためであります。また、特別損失は、前連結会計年度の3億5千8百万円に比べて増加し、25億8千9百万円となりました。これは主に、当期にて生産拠点再編費用が発生したためであります。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失
前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益13億1千8百万円でしたが、当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失16億8千2百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① 資金需要
当グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備資金、借入金の返済、法人税等の支払、配当金の支払等であります。なお、設備投資の状況については、「第3 設備の状況 1 設備投資等の概要」に記載の通りであります。
② 財務政策
当グループでは、中長期的な資本効率の向上と財政状態の健全化を重要課題として捉え、キャッシュの配分については株主還元、更なる成長投資の実行、有利子負債の返済等で最適なバランスを取ることを基本方針としております。
資金調達については、資本効率の向上によるキャッシュの創出を基本として、必要に応じて金融機関からの借入を実施しております。短期運転資金は短期借入、設備投資や長期運転資金は長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における有利子負債の年度別返済額は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 ⑤ 連結附属明細表 借入金等明細表」に記載の通りであります。
令和5年3月31日現在、短期及び長期借入金(1年以内返済予定含む)の残高は357億3千4百万円であります。また、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行9行との間で合計62億円のコミットメントライン契約(特定融資枠契約)を締結しております。なお、コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
③ 今後のキャッシュ・フロー
令和6年3月期の設備投資につきましては、生産性向上のための合理化並びに省力化投資、新規受注に伴う設備及び金型投資及び海外生産拠点への投資を中心に総額74億7千5百万円を実施する予定であります。
当該資金調達方法につきましては、自己資金及び借入金の予定であります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、本項に記載した予想、予見、見通し、方針等の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当グループが判断したものであります。次期の見通し及び将来に関する事項には、不確実性が内在しており、また、リスクを含んでいるため、様々な要因の変化により将来生じる実際の結果と異なる可能性もありますので、ご留意ください。
当社は特に以下の重要な会計方針が、当グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要である固定資産の減損損失及び製品保証引当金につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
① 繰延税金資産
当グループは、繰延税金資産の将来の回収可能性を十分に検討して、回収可能な額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得、事業計画及び税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産純額の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取り崩し、税金費用の追加計上が発生する場合があります。
② 棚卸資産
当グループは、通常の販売目的で保有する棚卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、収益性が低下しているものとみなして、正味売却価額を貸借対照表価額とし、評価減を計上しております。評価時点における正味売却価額については、売却市場の時価を基礎に見積もっておりますが、実際の将来需要又は市場状況が悪化した場合、追加の評価減が必要となる場合があります。
③ 貸倒引当金
当グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権につきましては貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込み額を計上しております。顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる場合があります。
④ 退職給付に係る負債
当グループは、退職給付に係る負債につきましては、従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込み額に基づき計上しております。見込み額と実績額との差又は見込み額算定の基礎となる前提条件の変更により、退職給付に係る負債に影響を及ぼす場合があります。
⑤ 生産拠点再編引当金
生産拠点再編に伴い、今後発生が見込まれる費用について合理的な見積額を計上しております。
該当事項はありません。
当グループでは、開発部門及び各事業部に所属する技術グループにおいて研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当グループ全体の既存製品の改良・応用等を含む研究開発費用総額は
(1)自動車関連品事業
自動車関連品では、CO2削減に向け、燃費向上、電動化に寄与する電子制御燃料噴射システムとサーマルマネージメント開発に取り組んでおります。主要製品である二輪車向けエンジンコントロールユニットや四輪車向け冷却水制御バルブ、電動オイルポンプ、電動バキュームポンプを主体に、これらの基礎となる制御技術、アクチュエータ技術、センシング技術、材料技術等の研究開発を行っております。開発スピードと精度向上のため、シミュレーション技術の高度化と車両実験による効果検証に取り組んでおります。
当事業に係る研究開発費用は
(2)生活機器関連品事業
生活機器関連品では、地球温暖化対策や暮らしの更なる利便性や快適さ向上実現に向け、立ち消え安全装置、ガス制御ユニット、ガス開閉弁など家庭用ガス機器関連製品、家庭内の水回りを中心とした水制御製品の開発を行っております。
当事業に係る研究開発費用は
(3)航空機部品輸入販売事業
該当事項はありません。
(4)芝管理機械等販売事業
該当事項はありません。
(5)その他事業
その他事業では、障がい者用運転補助装置、介護用入浴リフトなどの福祉機器等の製造販売に加え、大・中型車両などの自動運転技術開発の実証実験に協力しております。また、キャンピング車両向けのシート及びスライド装置の開発を行っております。
当事業に係る研究開発費用は75百万円であります。