文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は、グループの目指すべき方向を共有し、社会的な責任を全うすることを目的に以下のグループ経営理念を掲げております。
① 熱処理技術を中核として、常に新商品・新事業の開発を進め社会の発展に貢献します。
② 世界をリードする技術力、高品質、高いお客様満足度、そして透明で公正な企業文化を背景に社会から信頼されるパートナーを目指します。
③ たゆまぬ自己変革に努め、常に成長することを目指します。
④ 安全及び健康を基本とし、人を育て、活力ある企業グループを目指します。
⑤ 地球環境との共生を基本とし、企業の社会的責任を果たします。
企業価値の向上を目指し、収益性及び資本効率の向上に注力しております。
具体的には、ROA(総資産経常利益率)及びROE(自己資本当期純利益率)を中長期的な経営指標としております。
当社グループは、IH熱処理技術を中核とし、たゆまぬ自己変革に努め、常に成長する活力ある企業グループを目指してまいりました。無公害(Ecological)・省資源(Economical)のダブル・エコ(W-Eco)のIH技術を強みに、長期的な視野のもと環境貢献を重視し、当社グループの10年後のあるべき姿と目指す姿を長期経営ビジョン「NETUREN VISION 2030(2021年4月~ 2031年3月)」としてまとめました。
① あるべき姿
企業価値を高め続けるとともに持続可能な社会づくりに貢献する。
② 目指す姿
・CO2排出削減に有効なIH熱処理技術を核とする技術・製品を通じ、企業価値を高めて環境負荷を軽減する。
・N-DX(※)の展開を進め、グループ全員の力を結集して進化を続け、グローバルに躍進する。
この長期経営ビジョンのスローガンを「進化と躍進」と定め、ネツレングループが一丸となり、あるべき姿、目指す姿を追求し実現すること、また、総合的に企業価値が向上し、成長していく企業グループになる狙いを込めております。
(※)N-DX…NETUREN Digital Transformation
また、上記の長期経営ビジョンの達成に向け、第15次中期経営計画「Change!! New NETUREN 2023(2021年4月~2024年3月)」を策定しております。本計画の3年間をビジョン達成に向けた第1フェーズとして位置づけ、持続可能な社会への貢献と企業価値向上を目指してまいります。本計画のスローガンには、「変わろう、変えよう、進化しよう。グループの総智・総力を結集して、新しいネツレンを創り上げよう。」という趣旨を込めております。
しかしながら、第15次中期経営計画策定後、新型コロナウイルス感染症拡大による経済の停滞、その後の同感染症対策と社会・経済活動の正常化の遅れに加え、半導体等の部品不足による生産の停滞や、鋼材などの材料費、電力費や原油価格の高騰が当社グループの企業活動に大きな影響を与えました。このような経済環境の中、当社グループの取組みとして、コア事業の拡大、材料費や電力費等のコスト増加分の販売価格への転嫁を進めておりますが、これらの厳しい経営環境が継続すると見込まれることから、下記のとおり最終年度の数値目標を見直しました。
当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しております。「(3)中長期的な会社の経営戦略」で記載したとおり、第15次中期経営計画「Change !! New NETUREN 2023」の連結経営目標の見直しを行いました。
当社グループは、このような状況におきましても、企業価値の向上を目指し、下記の第15中期経営計画に掲げた基本戦略である、重点施策を中心にあらゆる施策を実施してまいります。
① コア事業の更なる競争力強化、新技術・新商品・新規事業の市場投入で利益基盤を確立
② N-DX体制の構築によるデジタル化の促進で、情報展開力を向上
③ SDGsを経営の中心に据え、CO2削減を推進し持続可能な社会づくりに貢献
④ グローバルにグループ営業力、マーケティング力の強化を担う人財の輩出
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、2021年4月をスタートとする「NETUREN VISION 2030」と第15次中期経営計画「Change!! New NETUREN 2023」を策定し、今まで以上にSDGsやサステナブルな社会への貢献を経営上の課題としております。この中長期計画において、CO2排出量削減の長期目標を「2030年度に30%削減(2013年度比)」、「2050年度実質ゼロ」と設定し、実現に向けて取り組んでおります。
この取り組みは、当社グループのCSR活動として、社長執行役員を委員長とする全社CSR推進委員会で活動の基本方針策定と進捗管理、個別課題についての審議を行っております。
なお、サステナビリティ経営のさらなる推進として、社長執行役員を委員長とし、取締役や監査役(社外を含む)、執行役員、関連部室長等で構成される全社サステナビリティ推進委員会を立ち上げております。

なお、上記サステナビリティ推進体制のほか、コンプライアンス委員会、全社安全衛生推進委員会等を設置しております。
当社グループの基幹技術であるIH(誘導加熱)熱処理技術は、CO2の排出量が少ないクリーン技術で、短時間加熱のため生産効率が高く、省エネ化にも寄与しております。当社グループは、社会のさまざまな環境・社会課題を認識し、当社ならではの「ものづくりの力」とサステナビリティ経営により社会に新たな価値を創造し、持続可能な社会づくりに貢献しております。
また、当社グループの経営理念は元来サステナビリティを意識したものとなっており、社会への貢献を追求する姿勢は常に当社の根幹にあります。これを大前提とし、SDGsを経営の中心に据えて策定したのが「NETUREN VISION 2030」と第15次中期経営計画であります。
各項目における戦略は以下のとおりであります。
①脱炭素に向けては、従来のスコープ1、スコープ2に加えてスコープ3(※) のCO2排出量の数値化に取り組んでおります。バリューチェーン全体での排出削減がきわめて重要であり、今後は環境負荷の小さい当社製品・技術をお客さまが採用することによる環境貢献量についても算出し、見える化を進めてまいります。
(※)スコープ1:直接排出、スコープ2:エネルギー使用に伴う間接排出、 スコープ3:事業者の活動に関連する他社の排出
②人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
(人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針)
当社グループでは人財育成の基本理念として、「人は当社の財産であり、経営基盤を成すものである。」と定め、当社グループの経営理念である「人を育て、活力ある企業グループを目指す。」を具現化するため、人財育成を経営活動の最重要課題として位置付けております。
当社グループの人財育成に関する方針は、10年を単位とする経営計画としての「NETUREN VISION 2030」に含まれております。その中の4つの柱の1つとして人財を掲げており、「自発的貢献意欲を持ち、果敢に挑戦し、成長を続ける多様性のあるグローバル人財を輩出、持続可能な社会づくりに貢献し、世界に躍進する企業グループとなる。」としております。
人財のダイバーシティについては、女性や外国籍人財の活躍推進を継続・強化するとともに、「多様な視点を得て、事業のリスク低減や新たな価値創造につなげる」というダイバーシティの本質に注目し、さまざまな人財の力を活かしてまいります。
人権問題については、グローバル企業としての当社の考え方を明確にするため、2022年4月に「ネツレングループ人権方針」を制定、本方針を10カ国語に翻訳し、世界のグループ全拠点で徹底して浸透を図ってまいります。
(社内環境整備に関する方針)
当社は、企業価値を高め続けるとともに持続可能な社会づくりに貢献するため、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等多様性の確保は「NETUREN VISION 2030」に掲げております。実現に向け、管理職昇格は評価基準(評価ポイント、マネジメント能力、行動特性等)を踏まえて昇格試験、面接を行い、透明性・納得性の高い人事運営を実施するとともに、研修等を通じた育成を実施しております。多様な人財の確保と活躍支援は、育児・介護等に関する制度、フレックスタイム制度、在宅勤務制度を充実させて、利用しやすい環境を整備しております。
当社グループは、「リスクマネジメント基本規程」及び「関係会社管理規程」を定め、管理本部管理部が事務局となって全社的リスクマネジメントを推進しており、その基本方針は以下のとおりであります。
①リスクマネジメントの実践を通じ、当社事業の継続及び安定的発展を確保する。
②製品・サービスの品質及び安全性確保を最優先とし、未然にお客様、株主・投資家、地域社会、地球環境等の各ステークホルダー並びに社員等の利益阻害要因を除去・軽減することに努める。
③常に、社会において使用されている製品・サービスを供給する者としての責任を自覚し、高品質の製品・サ ービスを安定的に供給することを社会的使命として行動する。
④社員等はコンプライアンスの精神に則り、各種法令、規則等を遵守し、各人が企業行動倫理基準に即して行動する。
また、当社グループは、サステナビリティに関する環境リスクや雇用・人事リスクなど対象とするリスクを定めており、そのリスクについては定期的なチェックとリスク評価の細分化を実施しております。
リスク管理体制の整備と運用状況は以下のとおりであります。
品質、コンプライアンス、災害、環境、情報管理等に係る当社グループ全体のリスク管理については、「リスクマネジメント基本規程」及び「関係会社管理規程」を定め、管理本部管理部及び安全衛生・環境対策室が組織横断的にリスク状況の監視及び全社的対応を行っております。また、内部監査室が定期的に各部門のリスク管理の状況を監査し、必要に応じて、取締役会またはコンプライアンス委員会等に報告することとしております。その運用状況は、上記規程が制定され、定期的に当社のリスク分析が行われ対処がなされております。
また、「危機管理規程」を定め、危機(重大な不測の事態)が発生した場合の情報収集、報告方法及び緊急対策本部設置等の対応方法を明確化するとともに、地震、水害等の自然災害や新型コロナウイルス感染症に対しては別途対応マニュアルを定めることとしております。その運用状況は、危機が発生した場合は、緊急対策本部を設置するとともに、グループ会社では管理担当部門長に速やかに事態を報告し対処する体制ができております。
①当社グループは、CO2排出量を2030年に2013年度比30%削減することを目標に掲げております。

②人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
当社グループでは人財育成に関する方針について、女性活躍推進法における行動計画として次の指標を公表しております。当該指標に関する目標及び実績は次のとおりであります。
また、当社グループでは、上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に係る指標について、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取り組みが行われているものの、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、連結グループにおける記載が困難であります。このため、次の指標に関する目標及び実績は、連結グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
(※)当事業年度における管理職に占める女性労働者の割合は2.5%で、2022年3月末比1.2倍となります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業環境の変化による受注減少が業績に与えるリスク
新型コロナウイルス感染症については、今後も新たな変異ウイルスの脅威や各国の対応策の変化などにより、見通すことが困難な状況が継続しております。また、半導体等の部品不足による生産活動の停滞など、世界経済に与える負の影響が長期化しております。このような状況にともない、主要顧客からの受注が想定以上に減少すると、人件費や減価償却費など固定費の負担が相対的に重くなり、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。さらには、設備投資資金の回収が遅れた場合は、減損損失発生の要因となる可能性もあります。
受注減少が業績に与えるリスクについては、当社グループが製品を提供している業界の動向はもとより、顧客からの受注状況等を勘案したうえで、素早く適切な対策を講じてまいります。具体的には、これまで生産革新活動で培ってきたノウハウに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大状況下での経験を生かして原価低減を強力に推し進め、受注の変動に強い事業構造を構築してまいります。このため、間接部門を含め多能工化を推進し、適切な人員配置を目指します。また、自動化設備など省力化に資する設備を中心に投資してまいります。
当社グループは、主として土木・建築業界や、自動車業界等に幅広く製品を提供しております。これらの製品は、非常に重要な部位に使用されるため、供給者としての責任を自覚し、品質検査及び性能確認には十分注意を払っております。
しかしながら、万一、品質上のトラブルが発生し、人的、社会的な被害が生じた場合は、当社グループの信用及び業績に影響を与える可能性があります。
製品品質に関するリスクについては、これまでもISO9000の認証取得などについて積極的に取り組み、品質保証体制の確立に鋭意努めております。また品質保証本部を設置しており、全社横断的な品質保証体制を構築しております。
ウクライナ紛争の影響もあり、資源・エネルギー価格の高騰を背景に、電気料金が上昇しております。当社グループの事業の中核である熱処理技術を用いた工程は、主として電力をエネルギーとして使用しているため、電気料金は、製造コストを構成する重要な要素です。
今後の電気料金の値上げの状況によっては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
電気料金に関するリスクについては、太陽光発電の導入を含め、あらゆる省エネ策を推進してまいります。
鋼材を中心とする原材料価格が高騰しております。当社グループの事業のうち、特に製品事業部関連事業の主要な材料は鋼材であり、製造コストを構成する重要な要素であります。想定以上に価格が変動した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、生産に必要な資材の入手が難しくなる可能性もあります。
資材調達に関するリスクについては、コストアップ分の販売価格への転嫁とともに、継続的なコスト低減を推進してまいります。
当社グループは、今後とも事業のグローバル展開を促進していく方針であります。グローバル事業においては、進出国の経済情勢、法制度、政治的動向や治安に至るまでのリスクを認識しなければなりません。また、事業の投資額が多額となることもあります。
進出国において、想定外の法制度の変更、政治や経済状況の変化が生じた場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
グローバル事業展開に関するリスクについては、事業計画立案時から事業運営に至る各プロセスにおいて、主幹事業部と事業開発本部をはじめとする各機能本部が連携し、課題の抽出とその解決のためのコントロールを着実に実施できる体制の整備を図ってまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における我が国及び世界の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症対策と社会・経済活動の両立により回復の兆しがみられたものの、中国における一部の都市のロックダウンやその後の政策転換による感染再拡大等が、経済・物流面で世界的に悪影響を与えました。また、半導体等の部品不足による生産の停滞が想定以上に長期化するとともに、鋼材などの材料費、電力費や物流費の高騰によるコストアップが継続しました。さらには、ウクライナ情勢を巡る世界経済の混乱や日米金利差の拡大による急激な円安が、資源・エネルギー価格の高騰に拍車をかけるなど、企業の事業環境を悪化させております。
このような状況のもと、当社グループは、第15次中期経営計画「Change!! New NETUREN 2023」(2021年4月より2024年3月までの3ヵ年計画)に掲げた基本方針である、
①コア事業の更なる競争力強化、新技術・新商品・新規事業の市場投入で利益基盤を確立
②N-DX体制の構築によるデジタル化の促進で、情報展開力を向上
③SDGsを経営の中心に据え、CO2削減を推進し持続可能な社会づくりに貢献
④グローバルにグループ営業力、マーケティング力の強化を担う人財の輩出
を推進することにより、企業価値の向上を図ってまいりました。
しかし、土木・建築業界、建設機械業界及び工作機械業界からの受注は比較的堅調に推移しているものの、下期後半になって回復すると想定していた自動車業界からの受注は、本格的な回復には至りませんでした。
この結果、当連結会計年度の売上高は、販売価格の改定や円安による海外連結子会社業績の為替換算の影響などにより、過去最高の57,524百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益は、材料費、電力費などの高騰の影響が大きく、販売価格の改定、原価低減に努めているものの、コスト増分をカバーできるまでには至らず、2,396百万円(前年同期比35.3%減)、経常利益は3,088百万円(前年同期比30.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に1,852百万円の減損損失を計上したことなどにより、381百万円(前年同期比85.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
土木・建築関連製品の売上高は、受注が堅調に推移したこと、土木関連製品において材料費や電力費などのコスト増分の販売価格への転嫁が進んだことなどにより、前年同期と比較し増加いたしました。自動車関連製品の売上高は、主として海外において販売量が伸びたこと、材料費や電力費などのコスト増分の販売価格への転嫁が進んだこと、さらに円安の影響などにより、前年同期と比較し増加いたしました。建設機械関連製品の売上高は、受注が堅調に推移しており、前年同期と比較して増加いたしました。
この結果、売上高は36,870百万円(前年同期比18.2%増)、主力の建築関連製品においてコスト増分の転嫁が遅れたこと、半導体等の部品不足による国内自動車メーカーの減産や建設機械用の一部材料の供給不安定による生産性低下などにより、営業利益は986百万円(前年同期比25.1%減)となりました。
熱処理受託加工関連の売上高は、建設機械業界、工作機械業界からの受注は堅調に推移しているものの、半導体等の部品不足が長期化しているため、自動車関連業界からの受注が想定以上に低調に推移しました。自動車業界からの受注の減少分を建設機械業界や工作機械業界向けで挽回するに至らず、前年同期と比較し減少いたしました。誘導加熱装置関連の売上高は、受注は堅調に推移しているものの、複数の案件で新型コロナウイルス感染症の影響や部品不足により販売が次期にずれこむこととなったため、前年同期と比較し減少いたしました。
この結果、売上高は20,514百万円(前年同期比5.3%減)、主として熱処理受託加工関連における電力費の高騰による製造コストのアップ、自動車関連顧客からの想定以上の受注低迷や短期的な受注変動による生産効率の悪化などもあり、営業利益は1,353百万円(前年同期比41.9%減)となりました。
当該セグメントは、報告セグメントに含まれない不動産賃貸事業等であります。当社保有の賃貸物件については、小規模ではありますが安定的に業績に寄与しております。
この結果、売上高は139百万円(前年同期比5.0%増)、営業利益は51百万円(前年同期比4.9%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造費によっており、セグメント間の取引については消去しております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 IH事業部関連事業のうち、熱処理受託加工関連は継続的な取引が多く、加工賃収入のため受注高及び受注残高の把握が困難のため、誘導加熱装置関連の受注状況を記載しております。
2 受注金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については消去しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額は、セグメント間の内部売上高を消去しております。
当連結会計年度末における総資産は79,888百万円(前年同期比2.6%減)となりました。この主な要因は、棚卸資産が増加しましたが、自己株式の取得により現金及び預金が減少したこと、減損損失の計上により有形固定資産が減少したことなどによります。
セグメントごとの資産は、製品事業部関連事業においては増加いたしました。この主な要因は棚卸資産が増加したことなどによります。一方、IH事業部関連事業においては減少いたしました。この主な要因は、減損損失の計上により有形固定資産が減少したことなどによります。
なお、セグメントごとの資産は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に記載しております。
当連結会計年度末における負債は13,338百万円(前年同期比11.9%減)となりました。この主な要因は、未払法人税等や長期借入金が減少したことなどによります。
当連結会計年度末における純資産は66,549百万円(前年同期比0.5%減)となりました。この主な要因は、円安により為替換算調整勘定が増加しましたが、減損損失の計上による利益剰余金の減少、積極的な自己株式取得の実施などによります。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は74.3%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、16,911百万円(前連結会計年度末と比べて1,188百万円の減少)となっておりますが、その内訳は以下のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、3,888百万円(前年同期は6,335百万円の収入)であります。
これは、税金等調整前当期純利益を1,279百万円計上したこと、資金の支出を伴わない減損損失の計上が1,852百万円あったこと、売上債権が888百万円減少したことなどによります。
投資活動の結果支出した資金は、1,203百万円(前年同期は40百万円の支出)であります。
これは、有形固定資産の取得による支出が1,240百万円あったことなどによります。
財務活動の結果支出した資金は、4,286百万円(前年同期は1,970百万円の支出)であります。
これは、自己株式の取得による支出が1,500百万円、配当金の支払額が1,254百万円、長期借入金の返済による支出が540百万円あったことなどによります。
キャッシュ・フロー関連指標
(注) 1 各指標の算出方法
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額(株価終値×発行済株式総数)/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い金額
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金を対象としております。また、利払い金額については、連結損益及び包括利益計算書に計上されている支払利息の金額を使用しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のように認識しております。
当社グループは、設備投資計画に照らして、設備投資に必要な資金は自己資金及び金融機関からの借入でまかなっております。また、短期的な運転資金は主に自己資金及び金融機関からの借入でまかなっております。なお、設備投資額及び設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照願います。 連結財務諸表の作成にあたっては、報告期間の期末日における資産・負債の計上、期中の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。この会計上の見積り及び仮定は、その性質上不確実であり、実際の結果と異なる可能性があります。
今後の新型コロナウイルス感染症による経済への影響を見通すことは困難であり、半導体等の部品不足による生産の停滞、鋼材などの材料費、電力費や物流費の高騰によるコストアップも引き続き懸念される状況です。さらには、ウクライナ情勢を巡る世界経済の混乱が、資源・エネルギー価格の高騰に拍車をかけるなど、企業の事業環境を悪化させております。
これらの要因が当社グループの業績に与える影響については、合理的な見積りが極めて困難な状況にありますが、しばらくは予断を許さない状況が継続し、当社グループの業績に何らかの影響を与えるという仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。
当社は、これらの見積りは合理的であると考えておりますが、不確定要素が多く、想定を超えた変化等が生じた場合、当社グループの連結財務諸表に大きな影響を及ぼすことがあります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、原則として、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積り、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性及び必要額を評価するに当たっては、課税主体ごとに将来の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収見込みを慎重に検討しておりますが、課税所得見積りの前提とした諸条件・諸前提の変化により、追加引当又は引当額の取崩しが必要となる可能性があります。
技術援助契約(供与)
(注) 対価として売上高の一定料率のロイヤルティを受け取っております。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、IH(誘導加熱)技術を基幹として、ニーズに沿った商品や技術をスピーディーに市場に提供できるよう、また、次世代ニーズを先取りできるよう研究開発に取り組んでおります。
研究開発体制は、中長期的な開発テーマの推進や誘導加熱に関する基礎研究など当社グループ全体に係わる研究開発、技術課題への対応及び調査分析・試験を広範に実施する研究開発本部とオリジナルブランド製品の設計や当社グループにおける新規技術案件の起案から開発、FS(事業可能性の検証)、事業化を目指した活動を実施する製品技術本部を中心とした組織で構成されております。この両組織と各事業部門が密接に連携、情報共有することで、より効果的かつスピーディーな研究開発活動が実施できると考えております。
また、当社グループの研究開発活動においては、大学及び研究機関等との共同研究も多数行っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は
当社グループ全体及び各セグメントにおける研究開発の主な成果は以下のとおりであります。
部材の高強度化、高機能化、定・低(ダブル・テイ)変形焼入れの技術開発進化を目指し、高周波熱処理と他の表面改質技術を組み合わせた複合熱処理技術、表面を高周波焼入れ後も光輝状態を保つことができる無酸化焼入れなど、種々の高周波熱処理技術の開発と実用化を進めております。
高周波電源では、新電源の次世代のパワー半導体素子SiCを用いた高性能電源を開発し、従来電源に対し、大幅な小型、軽量、高効率化が図れ、販売を開始しており、さらに適用周波数の拡大開発も完了し、販売を開始しております。電源制御基板のFPGAによるデジタル化した開発電源は、優れたメンテナンス性、基板の小型化が図れており、販売を拡大しております。
誘導加熱における加熱コイルは、これまでは熟練した技術者による手作業で製作されておりましたが、昨今の技術革新により、純銅の造形が可能な金属3Dプリンターによる誘導加熱コイルの製作装置を導入し、熱処理技術開発のリードタイム短縮を目指します。
高周波熱処理シミュレーション(CAE)技術は、加熱、冷却だけでなく、前工程の影響を考慮した解析技術も進歩し、より高精度な焼入硬化層分布、変形や残留応力予測も可能になっております。実物品データとリンクした適用例を増やし、現業での活用が進むだけでなくお客様からの依頼も多く、当社グループ各部門の技術開発と営業活動を支えております。
非破壊検査技術においては、大学との共同で製品の重要な品質管理項目の一つである有効硬化層深さについて製品を傷つけることなく検査できる計測器を開発しました。これにより非破壊で全数検査が可能となります。本技術はN-DXに基づいた品質保証のIT化にも展開してまいります。
材料分析、解析技術においては、保有する高度な試験、分析装置を駆使して、社内での材料課題調査対応や研究開発に活用しております。また、IT技術を活用し、今まで蓄積してきた技術情報を技術・技能伝承に役立てております。
自動車のEV化による部品軽量化ニーズに応えるために、EPS(電動パワーステアリング)用の各種中空ラックバーの開発を継続するとともに、軽量化技術を応用して他分野での鋼管の薄肉加工を使用した新商品開発に取り組んでおります。
各種開発案件の成果を当社グループの生産現場へ供給するとともに、その技術を用いた自動化、工程改善を実施し、新製品の工程検討、設備製作、生産ラインの工程検討、設備導入等により各事業所の収益改善を支援しております。
また、弊社長期経営ビジョンのキーワードであるCO2削減の為の太陽光発電の導入、電動化設備開発、N-DXのキーとなる製造部門のICT化を進める為、各工場の製造ラインICT対応工事を進めています。
当セグメントにおきましては、自動車・土木・建築・建設機械・工作機械などの市場を対象に、お客様のニーズにお応えできるように、材料、IH熱処理技術を中心に研究開発を進めております。
自動車関連分野では、市場全体のEV化対応として、材料、IH熱処理技術だけでなく、加工技術と検査技術の開発を進め、高強度軽量化、高精度高耐久によるブランド力向上を進めております。
土木・建築関連分野では、既存商品の機能向上と適用範囲拡大、新商品のさらなる一般化を目指した設計施工方法の開発を進めております。また、高強度材料を使うことによる耐久性向上、施工の工程省略及び資材節減(CO2排出量低減)なども提案しております。
建設機械・工作機械分野では、加工技術開発による機能向上、高精度化による顧客工程省略に取組んでおります。
また、自部門の現場力向上を目指して、直接部門、間接部門を問わずデジタル化・自動化にも取り組んでおります。
当セグメントにおきましては、あらゆる産業分野において、様々な形状・寸法・鋼種の機械部品、自動車部品、建設機械部品の高周波熱処理への対応を行っております。高周波熱処理シミュレーション(CAE)技術やFTC(ファインテクノセンター)での最先端熱処理技術を活用し、高周波熱処理の幅広い用途開発を研究開発本部・製品技術本部と協働しながら実施しております。
製造部署では製品技術本部と共同してスキャンカメラを利用した工程の完全自動化、DX対応としてICTを利用した工程の見える化等の新技術を導入して付加価値の高い製造工程造りに取組んでおります。
高周波装置は、新規開発されたSiC半導体を用い、FPGA制御を利用したDX対応機能、高効率、省スペースを実現し、市場販売を進めております。本熱処理装置ではお客様の多種多様なご要望にお応えするために、3Dプリンターを活用して長寿命、高効率な加熱コイルの技術開発に取り組み、信頼性の高いIH熱処理装置でCO2削減、DX活用によるお客様の満足度を高めると同時に、当社グループの製造工程でも重要な役割を果たしております。