事業を取り巻く社会・経済の環境変化が大きくなり、益々先行きが不透明な時代となる中、日常の経営・事業活動の基軸となるパーパス、そして、経営計画をステークホルダーの皆さんと共有することが重要と考え、2023年5月、当社の「パーパス」と中期経営計画「23中計」を策定し、公表いたしております。
当社の基軸となる存在意義を明確にするために策定した「パーパス」、及び「パーパス」を一言で表現する「スローガン」は以下のとおりであります。
パーパス ひたむきに防食技術を追求し、社会基盤の価値をまもり続けることにより、安全安心な日常を次代につなげます
スローガン いまある“価値”を次代へ!
「23中計」においては、2023年度から2025年度までの3年間を事業基盤整備の期間と位置付け、対処すべき課題への対応として以下に注力することを骨子としております。
① 当社の主力である港湾事業を中心とした既存事業で堅実な業績を確保する。
② 「23中計」期間後に新規事業が収益貢献するための基盤を形成する。
③ 業務効率化を推進して建設業の2024年問題に対応し体質を強化する。
④ ESGの取組みを開始し、内部ステークホルダーのエンゲージメント向上と気候変動リスク対応に取り組む。
また、財務面におきましては、当社は有利子負債がなく、十分な流動性を確保しているため、株主への利益還元に優先的に取り組んでおります。
実績及び計画の数値につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
(1) ガバナンス(サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視、及び管理するためのガバナンスの過程、統制及び手続)及びリスク管理(サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別、評価、及び管理するための過程)について
当社が営む防食事業は、インフラ施設の長寿命化を通じて廃棄物削減・資源保護・災害防止・再生可能エネルギーの導入等を促進し、持続可能な社会の実現に貢献するものであります。「23中計」においては、これに加えてより能動的なESGの取組みを開始することとしております。その方針並びに戦略は経営企画部が中心となって策定し、他部署と連携を図りながら推進しております。同部がまとめたアイデアやシステムは、逐次、経営判断を仰ぐかたちで適時に実施してまいります。
2023年度においては、「内部ステークホルダーのエンゲージメント向上」、「気候変動リスクへの対応」をマテリアリティとし、前者については協力会社様を含めた働き易さの向上、後者については社有車のハイブリッド車への更新、工場等での再生可能エネルギーの導入検討を進めます。
なお、既述のサステナビリティに関する当社のガバナンス及びリスク管理は、以下の体制で運営されております。

(2) 戦略並びに指標及び目標のうち、重要なものについて
当社にとって最も大切なステークホルダーは社員であるとの認識のもと、働き方改革を推進し社員並びに協力会社様のエンゲージメント向上に努めます。また、気候変動リスクへの対応については、インフラ設備の維持延命化を通して経済や日常生活、地球環境を守ることを目的とした当社の事業領域において重要なマテリアリティであるとの認識のもと、積極的に推進すべき項目と考えております。
なお、以下に示す内容は全てのリスクを網羅しているものではなく、現時点で予見し得ない、かつ、優先的な対応事項としていないリスクの影響を将来的に受ける可能性を含んでおります。
(3) 人的資本に関する「人材育成方針」と「社内環境整備方針」について
人的資本(人材の多様性を含む。)に関する戦略並びに指標及び目標について
① 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針(例えば、人材の採用及び維持並びに従業員の安全及び健康に関する方針等)の戦略について
1) 人材の採用及び維持に関する方針
ア.人材の採用
a.多様な人材確保の推進
当社では、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保する上での強みになり得るとの認識に立ち人材の採用を実施しており、ダイバーシティの推進を行っております。
現在当社は、毎年採用する基幹社員のうち、10%以上は女性が占めることを目標に採用を行っております。例年、女性基幹社員は安定的に入社しており着実にその人数を伸ばしております。2008年度から2022年度までの15年間の女性基幹社員の年平均採用比率は15.0%で推移しております。また、女性基幹社員が長期に継続就労できる環境整備も並行して注力してきた結果、育児休業、育児短時間勤務等の支援制度では法律の定めよりも優遇した支援制度を定め運用しております。制度の活用を通じて仕事と家庭の両立を図ることができる職場環境の実現により、女性基幹社員の活躍とその定着にも繋がっております。2008年度から2022年度までの過去15年間に入社した女性基幹社員の離職率は23.8%であり、概ね人員の定着が図られております。
また、外国人社員につきましても、当社の事業領域がほぼ国内に限られるため特に採用の目標は設定しておりませんが、採用活動は国籍を問わずに行うことを方針としております。2021年に、アフリカ圏の国を出身地とする女性が技術職の基幹社員として日本の大学を卒業後に当社へ入社しております。
中途採用(キャリア採用)の基幹社員については、随時必要に応じ採用活動を実施しており、入社後は能力に応じ中核人材(又は管理職人材)としても登用する方針であり、実際に常務執行役員に登用した事例を筆頭に、管理職として活躍する社内事例も増加しております。
イ.人材の維持
a.パーパスに基づく育成
創業以来、金属の腐食防止技術の発展に情熱を注いできた当社は、その実績を社会から高く評価され、リーディングカンパニーとして業界を牽引しつつ成長を続けております。持続可能な社会の実現に向けて世界が大きく変わりつつある中、この度当社は、社会から求められる価値を改めて問い直し、当社の存在意義を「いまある“価値”を次代へ!」をスローガンとするパーパスとして制定いたしております。このパーパスを基軸とし全社でベクトルを合わせワンチームとなるためには、個々の人材において、当社事業の基盤となる技術と知識の習熟が不可欠であります。
これら基盤技術の主なものとしては、豊富な知見に基づく防食技術とその開発力、並びに、調査・診断・設計・施工の各工程技術が挙げられます。当社の人材育成は、こうした基盤技術の養成を体系の基本に据え各種プログラムを展開しており、パーパスの実現に繋がる人材のスキルアップを目指しております。
b.社員のエンゲージメント向上への取組み(働き方改革)
2022年度より経営企画部内にDX推進チームを設置し、主に業務のデジタル化を通じて社内業務の効率化や超過労働時間の削減を主眼に取り組んでおります。業務の品質を落とすことなく、社員の業務負荷軽減に資する新たな業務システムを逐次提案するとともに、当社業務への最適化も試みつつ、その導入実現に取り組んでおります。
また、スライド勤務制度の導入をはじめ月額賃金のアップ等、働き方の改善、ワークライフバランスの向上を図ることを通じて、社員一人ひとりの意欲を高める取組みを展開しております。さらに、社員間の繋がりや協働の風土をより一層培うため、2022年7月に本社オフィスを移転しワンフロア化を実施しております。什器も一新し、明るくオープンな談話スペースをフロアの各所に設置することで、部署や立場にこだわらない自由で円滑なコミュニケーションを容易にするオフィス環境を実現しております。この職場環境の変革をきっかけに、組織の繋がりを更に広げ、かつ、強化していくとともに、当社で働くことの自負や愛着をも社員の意識に根付かせ、従業員満足度を高めていくことに注力しております。
2) 従業員の安全及び健康に関する方針
当社では、経営方針の最重要項目に「安全第一」を掲げ、常に収益や納期・工期よりも安全を優先することを基本姿勢とし、日常の事業活動において実践しております。さらに、当社が定める安全衛生基本方針においても社内に働く全ての人々の安全と健康が事業活動において最も重要であるとし、安全と健康の維持・向上を通じて安心して働ける職場環境作りに全員参加で取り組んでおります。
具体的な取組みは、当社の安全環境室が中心となり安全・衛生に関する年間推進事項を毎年度設定し計画的に実施しております。2023年度の推進事項は、①安全衛生活動の推進、②健康管理の推進、③労働災害撲滅運動の推進、④交通災害の撲滅運動の推進、⑤職場環境5S運動の5項目を掲げております。これらの推進事項に基づき、危険の要因を事前に摘み取るヒヤリ・ハット、キガカリ運動の推進をはじめ、安全パトロールの全国展開、職場環境・車両の点検整備、夏場の熱中症対策等を通じて工事現場での災害防止の徹底に取り組んでおります。また、健康管理への社員の意識を高める施策として、希望社員を対象に定期的な産業医面談の実施をはじめ、外部の医療機関による要再健診者を対象に特定保健指導の実施等に取り組んでおります。
② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容、並びに当該指標を用いた目標及び実績について
上記「① 人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針(例えば、人材の採用及び維持並びに従業員の安全及び健康に関する方針等)の戦略について 1) 人材の採用及び維持に関する方針 ア.人材の採用 a.多様な人材の確保の推進」に記載した方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績
1) 各年度の新卒基幹職社員に占める女性比率の目標を10%とする
2020年度 3名(42.9%)
2021年度 1名(9.1%)
2022年度 3名(42.9%)
2) 中途採用者(目標設定はしていない)
ア.採用実績
2020年度 5名
2021年度 3名
2022年度 1名
イ.管理職登用実績(※全管理職の内、中途採用で入社した者の比率)
2020年度 21名(25.9%)※
2021年度 19名(23.5%)※
2022年度 17名(21.5%)※
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
当社の基幹事業である港湾関連施設の防食事業は主に官公庁を対象としており、公共投資の動向に大きく左右されます。
公共投資は財政の制約から、既存設備を延命化し、更新投資の発生を極力抑える取組みが進められておりますが、設備の延命化を目的とした防食事業にとっては、中長期的に追い風となる状況であり、地域ごとに濃淡はあるものの、全国規模で官需が大幅に減少するリスクは当面極めて少ないと認識しております。
また、需要の一時的な増減に対しては、コスト・ダウンや生産性向上による利益率の確保、新たな防食対象の掘り起こし等により対処しております。
当社事業の防食工事は、お客様から単体で直接請け負うことは少なく、全体工事をゼネコン等の建設業者が元請し、当社は防食工事部分を下請することが多い状況にあります。
公共工事については、入札により小規模の建設業者が元請することも多く、与信リスクは取引社数の面では増大しておりますが、社内与信管理システムの強化により、与信問題の発生を最小限に抑えるよう努めております。
当社製品の主要原材料であるアルミニウム地金等の価格が高騰した場合、それを直ちに製品価格に転嫁しづらいというリスクがあります。
アルミニウム地金の購入価格が年平均で10円/kg上昇し、かつ製品価格に転嫁できない場合、約30百万円/年の売上利益の減少となります。
当社は地金取扱商社各社から日々相場情報を入手するとともに、予算設定価格を下回っている場合は数ヶ月先まで多めに手当てし、上回っている場合は極力買いを控えることにより、価格高騰リスクの軽減を図っております。
海外からの防食材料の流入、国内の異業種からの事業参入等があります。当社は電気防食を中核として、防食に関する調査、設計、製造、施工までを一貫して行う防食専業者として長年培った技術力・営業力によるお客様の信頼に加え、継続したコスト削減の実施により、競争力の維持を図っております。
当社事業の対象物は、鋼構造物が主体であり、鉄から他の素材への転換に伴う需要の喪失リスクが一部想定されますが、中長期的な経済性等から判断し、事業への大きな影響はないと判断しております。
当事業年度(2022年度)においては、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は軽微なものに留まりました。2023年度においても、現段階で受注・売上への影響は表面化しておらず、原材料の調達においても特段の支障は生じておりません。
ただし、今後民間案件を中心に工事の延期・中止が増加した場合、業績に影響を与える可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当事業年度におきましては、老朽化する社会インフラへの維持管理、長寿命化への取組みが続いており、期初から港湾事業を中心に大型案件の出件が相次いだほか、地中事業が周期的な需要の低迷から上向きました。このような状況のもと、当社は、調査業務や提案営業に注力しつつ、新技術・新工法の開発、展開に積極的に取り組んでまいりました。
結果、受注高は前事業年度に比べ1,344百万円増の14,550百万円となり、売上高は前事業年度に比べ1,248百万円増の14,158百万円となりました。受注残高は前事業年度末に比べ391百万円増の3,410百万円となりました。
損益面では、主要原材料及びエネルギーコストの高騰影響、本社移転に伴う一過性の経費支出があったものの、前事業年度を上回る売上高に支えられ、経常利益は前事業年度に比べ177百万円増の1,273百万円となり、当期純利益は同135百万円増の899百万円となりました。
各セグメントの分析については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 1) 経営成績の分析」に記載しております。
当事業年度末の総資産合計は、前事業年度末に比べ559百万円増の11,419百万円となりました。
負債合計は、前事業年度末に比べ191百万円増の3,410百万円となりました。
純資産合計は、前事業年度末に比べ367百万円増の8,008百万円となりました。
なお、財政状態の詳細については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 2) 財政状態の分析」に記載しております。
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度に比べ506百万円収入減少の822百万円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは前事業年度に比べ38百万円支出減少の185百万円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは前事業年度に比べ256百万円支出減少の544百万円の支出となりました。
この結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、前事業年度末に比べ92百万円増の3,418百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細については、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 3) キャッシュ・フローの分析」に記載しております。
(注) 1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事施工高-前期の次期繰越工事施工高)に一致しております。
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 比率は請負工事高の比率であります。
(注) 1.官公庁の金額及び比率は建設会社、商社等民間を経由して官公庁から受注した物件も含めて表示しております。
2.当社の一般的な工事の場合、受注から完工まで3ヶ月程度、着工から完工まで2ヶ月程度の期間を要しております。
3.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
4.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。
(注) 1.官公庁の金額及び比率は建設会社、商社等民間を経由して官公庁から受注した物件も含めて表示しております。
2.当社の一般的な工事の場合、受注から完工まで3ヶ月程度、着工から完工まで2ヶ月程度の期間を要しております。
3.手持工事のうち主なものは、次のとおりであります。
(注) 1.製品品目によっては、複数のセグメントに使用するため、セグメント別の集計はしておりません。
2.当社は埼玉県上尾市に所在する工場において、工事用材料を生産しております。
3.工事用材料については、当社請負工事として使用される場合と、外部に製品として販売される場合があります。
4.アルミニウム合金陽極には外部に委託した重量(当事業年度758トン、前事業年度713トン)が含まれております。また、この委託生産品の仕入価額は 4) 商品等仕入実績に含まれております。
5.電極製品については種類が多岐にわたるため、標準原価による表示としております。
(注) 1.仕入品目によっては、複数のセグメントに使用するため、セグメント別の集計はしておりません。
2.金額は、仕入価額によっており、生産に投入した額は除いております。
3.仕入品は製品等販売に供する仕入で、主に防食工事用副材料として使用しております。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。その作成においては、貸借対照表上の資産・負債の計上額、及び損益計算書上の収益・費用の計上額に影響を与える見積りを必要とします。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 注記事項 重要な会計方針」に記載しておりますが、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、特に重要なものは以下のとおりであります。
1) 履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法による完成工事高の計上基準
当社の完成工事高の計上について、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法では、見積総原価に対する発生原価の割合(インプット法)で、履行義務の充足に係る進捗率を算出しております。総原価の見積りは実行予算によって行いますが、実行予算作成時には作成時点で入手可能な情報に基づいた施工条件によって総原価を見積り、受注・着工後完成に至るまで随時総原価の検討・見直しを行っております。また、実際の工事の進捗率と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで完成工事高計上額の妥当性を検証しております。このように、履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法による完成工事高計上の基礎となる総原価の見積りは、適時かつ適切に行っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。
手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、将来の損失に備えるため、その損失見込額を計上しております。損失見込額の算定に際しては現在入手可能な情報に基づいた施工条件によって総原価を適時かつ適切に見積っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。
当社の当事業年度の売上高は、港湾事業の堅調な出件に加え、地中事業が周期的な需要の低迷から上向き、前事業年度に比べ1,248百万円増の14,158百万円となりました。
売上原価は、材料費及びエネルギーコストの高騰等により、前事業年度に比べ912百万円増の10,742百万円となりました。この結果、売上総利益は前事業年度に比べ335百万円増の3,415百万円となり、売上総利益率は前事業年度に比べ0.2ポイント上昇し、24.1%となりました。
販売費及び一般管理費は、本社移転に伴う一過性の経費支出により、前事業年度に比べ152百万円増の2,169百万円となりました。この結果、売上総利益の増335百万円と合わせ、営業利益は前事業年度に比べ183百万円増の1,246百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加に伴い、前事業年度に比べ177百万円増の1,273百万円となりました。加えて、特別損益、税金費用を計上した結果、当期純利益は前事業年度に比べ135百万円増の899百万円となりました。
各セグメントの概況は以下のとおりであります。
港湾事業につきましては、期初より幅広く出件があり、受注高は前年同期に比べ336百万円増の8,967百万円となり、売上高は同21百万円減の8,693百万円となりました。
地中事業につきましては、周期的な需要の低迷から上向き、受注高は前年同期に比べ516百万円増の2,700百万円となり、売上高は同832百万円増の2,712百万円となりました。
陸上事業につきましては、受注高は前年同期に比べ177百万円増の949百万円となり、売上高は同93百万円増の839百万円となりました。
その他につきましては、受注高は前年同期に比べ314百万円増の1,933百万円となり、売上高は同344百万円増の1,912百万円となりました。
当事業年度末の総資産につきましては、前事業年度末に比べ559百万円増の11,419百万円となりました。主な増加要因は、現金預金の増538百万円、電子記録債権、完成工事未収入金及び売掛金の増667百万円であり、主な減少要因は、関係会社預け金の減445百万円であります。
負債につきましては、前事業年度末に比べ191百万円増の3,410百万円となりました。主な減少要因は、工事未払金及び買掛金の減132百万円であり、主な増加要因は、未払法人税等及び未払消費税等の増212百万円であります。
純資産につきましては、前事業年度末に比べ367百万円増の8,008百万円となりました。主な増加要因は、利益剰余金の増357百万円であります。
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は前事業年度末に比べ92百万円増の3,418百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と主な増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で獲得した資金は822百万円(前事業年度は1,328百万円)となりました。資金の主な増加要因は、税引前当期純利益の1,283百万円及び減価償却費147百万円であり、資金の主な減少要因は、売上債権の増加487百万円、法人税等の支払い256百万円及び仕入債務の減少132百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は185百万円(前事業年度は224百万円)となりました。このうち主な使途は、事業活動に必要な固定資産の取得184百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は544百万円(前事業年度は800百万円)となりました。このうち主な使途は、配当金の支払い542百万円であります。
当社は、運転資金、設備投資資金及び株主還元のための資金につき、全て内部資金で賄っており、有利子負債はございません。当事業年度末の現金及び現金等価物の残高は3,418百万円(売上高の2.9ヶ月分)であり、上記の資金需要に対して十分な流動性を確保しております。
<キャッシュ・フロー関連指標の推移(金額:百万円)>
「23中計」期間中の事業環境は、港湾・港湾RC分野の成長が期待できる一方、地中・陸上分野は概ね現状水準で推移し、全体としては緩やかに成長するものと予測しております。
新規事業については、特に洋上風力発電分野と橋梁RC分野に注力し、「23中計」期間後に収益貢献するよう、尽力してまいります。
また、株主への利益還元を更に充実させるため、配当性向70%を目途とするとともに、安定配当の維持に加え、資本効率の向上を図るため、2019年3月期より5年間の平均株主資本総還元率5%の範囲内で、配当と自己株式の取得を実施してまいります。
<経営指標等の推移>
(注)株主資本総還元率:(当事業年度の配当金額+翌事業年度の自己株式取得額)÷当事業年度末株主資本
該当事項はありません。
当社の事業は、国内における戦略的なインフラ整備の実施に伴い、構造物の長寿命化対策として、益々重要な役割を担っております。このインフラ整備の実施が継続される中で、当社の研究開発活動は、安心・安全の確保を前提とした既存技術の更なる品質向上と適用した防食対策工法の適切な維持管理手法や構造物への新たな補修対策工法を提案し、お客様と社会からいただく厚い信頼を維持向上させるために尽力してまいりました。
当事業年度における研究開発費は、総額で
なお、当事業年度に実施した研究開発活動は、事業の種類別セグメントに明確な関連付けができないため、セグメント別の記載を省略しております。