第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ビジョン

 「世の中にない新たなサービスを創り出し、社会の役に立つ」

 

(2)事業コンセプト

 「From the Stations~駅から始めよう~」

 事業コンセプトにあります「Stations」とは、鉄道の駅だけではなく、バスの停留所、MaaS(Mobility as a Service)基地など、今後MaaS領域で展開されるマルチモーダルの「起点・中継点・終点」を指し示しています。「Stations」を基点に、高齢化、過疎化、都市への人口集中などの社会問題や、新型コロナウイルス感染症により生じたライフスタイルの変化を捉えて、人々の健康で活き活きした生活を支え、社会の役に立つサービスを創り出していきます。

 

(3)経営環境

 新型コロナウイルス感染症による度重なる感染拡大により、人の移動や経済活動が制限され、当社グループにおいても事業に大きな影響をもたらしましたが、その状況は終息傾向に向かっており、状況は改善していることから、当社グループを取り巻く環境も回復傾向にあります。

 また、当社の主要事業である乗換案内事業は、日常生活での人々の移動をサポートする、利用頻度の高いサービスとして世の中に広く定着しておりますが、コモディティ化やwithコロナ、afterコロナによるニューノーマルへの生活者の意識・行動の変化によって、乗換案内の有料会員サービスの収益が継続的に減少しており、新たな柱となる事業創出が急務となっております。

 

(4)経営戦略

 このような事業環境下において、2023年6月16日に公表いたしました中期経営計画に従い、当社グループの事業資産を最大活用し、「地域の生活者のニーズ」と「地域の事業者の提供サービス」を結びつけ、新たな収益の柱を創出する、各事業セグメントを包括する取り組みである「地域マーケティングプラットフォーム」構想を掲げ、この実現に向けて、以下の事業戦略を推進してまいります。

①RMP(Regional Marketing Platform)戦略

・メディア事業

 既存の乗換案内サイトに加え、新たに駅探PICKS、駅探LOCAL、駅探おでかけラボのサイトを追加いたしました。これらのサイトに駅・駅周辺・地域情報と様々なコンテンツを充実させることで、地域に強い集客サイトを目指します。それにより、地域に関連した検索エンジンの検索結果で上位に表示されることで、メディア訪問者数が増加し、アドネット広告、アフィリエイト広告の売上拡大に繋げてまいります。

・広告配信事業

 アドネットワークシステムを保有する株式会社サークア、インターネット広告代理機能とDSP(Demand Side Platform)を保有するプラウドエンジン株式会社を子会社化し、広告事業に参入いたしました。各社の強みを活かし、事業拡大を図るとともに、両社の持つ広告配信関連技術等を地域マーケティングプラットフォーム構想に適用することで、グループ全体の収益を拡大してまいります。

・ソリューション事業

 既存の乗換案内に関する法人向けソリューションに加え、地域マーケティングプラットフォーム構想に沿って、地方自治体及び鉄道会社との関係強化を図り、当社が保有しているMaaSパッケージや集客等のマーケティング活動に貢献するソリューションを開発し、展開してまいります。

 

②M&A・アライアンス戦略

 投資・インキュベーション事業に特化した株式会社駅探I&Iを2023年4月に設立し、M&A・アライアンス戦略を加速化し、更なるポートフォリオの強化を推進してまいります。

 

(5)目標とする経営指標

 当社グループは、営業利益、EBITDAを重要な経営指標と考えており、中期経営計画の数値達成に向け、「地域マーケティングプラットフォーム」構想の実現を目指してまいります。

 

(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 中期経営計画達成のためには、以下の事項を重要課題と捉え、その対応に引き続き取り組んでまいります。

 

①事業戦略

 当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の影響による人々の外出・移動の減少により大きな影響を受けております。感染症拡大が終息に向かい環境は改善傾向にあるものの、持続的な成長に向けた事業展開が必要であり、既存事業の展開に加え中期経営計画に示す「地域マーケティングプラットフォーム」構想の具体化を推進してまいります。

 

 モビリティサポート事業では、新型コロナウイルス感染症の拡大終息によりサイトやアプリへのアクセス数が増加し、広告収入が増加しておりますが、有料会員数についてはサービスのコモディティ化など市場環境の要因により継続的に減少しております。機能改善や集客手法の改善によりアクセス数の増加、有料会員減少傾向の改善に取り組んでまいります。一方で、利用者の目的や嗜好に応じて最適な移動手段を提示し、利便性を高めるサービスである「MaaS」が新たな成長分野として拡大しており、今後のサービス強化によりユーザー拡大に努めてまいります。法人向けサービスでは、従来のサービスに加えてMaaS分野でのパッケージ開発や、地域マーケティングプラットフォーム構想による事業者とユーザーをつなぐ取り組みにより、地方自治体や交通事業者等に新たな価値を提供するサービスを展開してまいります。

 

 広告配信プラットフォーム事業では、2021年4月1日に株式を取得した株式会社サークア、2022年11月30日に株式を取得したプラウドエンジン株式会社の事業資産を活用し、「地域マーケティングプラットフォーム」構想への貢献を加速化し収益拡大を目指してまいります。インターネット広告分野は年率10%以上の継続した拡大が見込まれる市場であり、ここを成長領域としてグループのシナジーを発揮し収益拡大を目指してまいります。また各種サービスカテゴリーについて駅ごとに実店舗を掲載する「駅探PICKS」において、より地域軸を強みとしたサービス展開により他社との差別化を図り成長を目指してまいります。

 

②技術開発

 当社グループは、事業戦略で定めた成長戦略を実現するためのエンジンやサービスの開発において、スピード感を持ち柔軟に遂行できる体制構築が重要な課題と考えております。採用の強化と社内体制改善や、技術力アップのための育成施策に加え、提携やM&Aの活用による体制強化を進めてまいります。

 また、サービスの多様化に伴ってサービスやデータ、システムの運用コストが肥大化することを防ぎ、効率的な運用の仕組みを構築することが収益性を確保する上での重要課題と認識しており、運用の効率化や自動化に継続的な取り組みを行ってまいります。

 

③コーポレート・ガバナンス体制の強化

 当社グループは、株主をはじめ、顧客、従業員、地域社会等のステークホルダーに対する社会的責任を果たすとともに、企業価値の最大化を図るためには、各ステークホルダーの立場を踏まえた上で、透明性が高く、公正かつ迅速で、果断な意思決定を行うための仕組みとしてのコーポレート・ガバナンス体制の構築と改善、強化が重要であると認識しております。業容拡大に伴う業務の増大に対応して、常に見直しを図り、内部統制の仕組みを改善し、連結子会社を含む当社グループ全体への教育や啓蒙を行い、必要に応じて管理部門の人員を強化することで、より強固なコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。

 

④人材の育成

 当社グループは、中期経営計画を達成するためには会社を支える優秀な人材の確保と育成こそが最も重要であると考えております。豊かな経験と高いスキルを持つ人材や、潜在能力の高い人材の獲得に向けて採用活動を行うとともに、社員の役割に見合ったスキルの獲得のための育成施策の実施、また適正な評価がなされる企業風土の構築が必要であると認識しており、個々の総合的な能力を高め、結果として組織力を向上させることに努めてまいります。あわせて、テレワークの環境整備や各種制度の改善により、社員がその能力を十分に発揮でき、モチベーションを高められる環境整備に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、環境、社会、経済の視点に立ち、持続的な企業価値向上を目指す、サステナビリティ経営を実践してまいります。

 当社グループ戦略の中核を占める、中期事業構想「地域マーケティングプラットフォーム」構想は、地域軸でユーザーとサービスを繋げることをコンセプトとしております。正確なモビリティ情報提供による移動の効率化と移動資源削減、地域経済発展への寄与による地域貢献、MaaS(Mobility as a Service)サービスによる交通弱者対策等の事業活動を通して、当社グループは環境、社会、経済の発展へ寄与してまいります。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

 当社は、取締役会の活動を通し、サステナビリティ経営を実現するための当社グループ戦略の実施について管理監督を行っております。また、コンプライアンス・リスク管理委員会の活動を通じ、サステナビリティ関連のリスクを認識、評価し、対処するための取り組みを行っております。コンプライアンス・リスク管理委員会は、四半期に1度開催され、事業におけるリスクの他、人材、セキュリティ、コンプライアンス、ハラスメント等について、リスクの識別と評価を行っております。

 

(2)人的資本にかかる戦略、指標及び目標

当社グループは、社員一人一人が、それぞれのバックグラウンドやライフステージの違いを越え、ワークライフバランスを充実し、能力を発揮することが重要と考え、リモートワーク等の制度やそれを下支えする情報システムの導入をすすめております。当該施策に対する指標並びにその目標及び実績は次のとおりです。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

リモートワーク実施率※

80%

88.3%

育児休暇取得率

女性100%

男性 50%

女性100%

男性該当者なし

※概ね週に1回以上の頻度でリモートワークを実施した社員の割合

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書において記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。

 また、必ずしも事業上のリスクに該当しないものについても、投資判断の上で、あるいは当社グループの事業を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業に関するリスク

 ①乗換案内有料課金サービスについて

 モビリティサポート事業の乗換案内サービスは、売上・利益への貢献度が高いサービスですが、近年、会員数は減少傾向にあります。広く普及しております無料サービスの拡充や、他社サービスとの差別化が図れないことによって、今後も会員数が減少し続ける場合は、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 乗換案内サービスのMaaS(Mobility as a Service)対応などの機能強化、付加価値強化に向けた取り組みを行うとともに、通知機能などの活用によりつながりを維持し、会員数の減少抑制に努めております。またSEO施策等によりサイトへのアクセスを増加させ、自社メディアや収益シェア型の提携パートナーのメディアを活用した広告収益を拡大させるなど、収益モデルの多様化を進めております。さらにMaaS等の法人向けサービスの拡充及び、事業提携・M&Aの実施を推進することにより、事業ポートフォリオ強化に取り組んでまいります。当連結会計年度には、連結売上高に占める乗換案内を含むモビリティサポート事業の売上高の割合を広告配信プラットフォーム事業の売上高割合が初めて上回り、ポートフォリオ強化の実現につながっております。

 

 ②情報の誤謬について

 当社グループで使用している時刻表等の交通情報系のデータは、自動で誤り検出を行うとともに、複数の担当者によるチェックを行っております。しかしながら重大な情報の誤謬が発生した場合、当社グループの信頼性が損なわれ経営に影響を与える可能性があります。また、情報の誤謬に基づく賠償責任については、利用規約において免責される旨を規定しておりますが、かかる免責条項が無効と判断され、損害賠償債務が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、情報の品質・精度を管理し、向上させるための体制や運用ルールを構築するとともに、問題発生時の改善策・回避策に関わるノウハウの蓄積と社内共有を進めております。また、その体制やルール自体の有効性を高めるための見直しを定常的に実施しております。当連結会計年度には、大規模データ改正の時期に対応するための体制整備に取り組み、データ受領から改正日までの猶予期間が短い場合が多い、バスダイヤの改正対応を改善いたしました。

 

 ③広告配信プラットフォーム事業の成長性について

 近年、インターネット広告市場は、インターネットの普及と急激な技術革新により、急速に拡大してまいりました。このような傾向は今後も継続し、広告配信プラットフォーム事業は当社グループにとっての成長領域になると考えております。しかし、景気の悪化や、市場環境の変化等の要因により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 現行サービスレベルを向上させるとともに、広告商品の取り扱いの拡充や営業体制の強化を図り、より多くの、そしてより多様な広告主や掲載メディアの開拓を推進し、持続的な事業成長に努めてまいります。

 

 ④技術開発について

 当社グループは、IT技術を活用した個人向け、法人向けサービスを提供しております。個人向けにはスマートフォン、PC等の様々なデバイスを介して、法人向けにはASPやクラウド等の形式でシステムを構築し、多様な技術要素を組み合わせてサービスを提供しております。IT技術は日々進化を続けており、多様化するデバイスやAI等の新技術等、ユーザーのニーズに対応するために必要な技術開発力が業界の技術から大きく乖離することがあった場合、その開発、運用に掛かるコストが著しく増加することがあった場合は、当社グループの事業展開及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、新たに市場に展開される様々なデバイスやOSへの対応、またクラウド等様々なシステム形態への対応、AI等の新技術への対応を常に行い、技術開発、運用を行っております。実際に自社メディア上の記事作成において、生成型AIの活用を進めております。また各サービス企画、開発部門において、技術動向の把握を日常的に進めており、さらに教育・採用を通じ技術力の習得・拡充を行い、新技術へ対応をしております。

 

 ⑤サービスの安定運営について

 当社グループの事業は、インターネットを通じて24時間、ユーザーにサービスを提供しております。当社グループでは、自社システムに関して、各種サーバーの増強及び二重化、データのバックアップ等によるシステム冗長化、ファイヤウォールの設置を含むセキュリティ対策を行っております。しかしながら、自然災害、大地震、不慮の事故又はウイルスにより当社グループシステムの運営に障害が生じた場合には、当社グループのサービスを提供することが困難になります。万一システムに障害が発生し、サービスが長時間にわたって停止した場合は、当社グループサービスの信頼性の低下を招き、当社グループの事業展開及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、障害発生の未然防止と障害発生時の影響極小化の両面から、公知の市販製品の不具合情報や対処情報の積極的な収集、過去発生した障害の原因分析結果と再発防止策の社内共有、故障発生時の運用体制の構築や障害監視システムの継続的強化等の様々な活動を実施し、システムの安定運用と、継続したサービス提供に努めております。

 

 ⑥今後の事業展開について

 当社グループでは今後も引き続き、企業価値の継続的な向上を目指し、事業規模の拡大と収益の多様化を実現するために、当社グループのノウハウを活かした新規事業・サービスの創出及び協業・戦略的提携に積極的に取り組んでいきますが、新規の取り組みが安定して収益を生み出すまでには一定の期間を要することが予想され、全体の利益率を低下させる可能性があります。また、期待した成果があがらない場合や、将来の事業環境の変化、予想困難なリスクの発生等により、当初の計画どおりに推移せず、投資に対し十分な回収を行うことができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループでは、サービスの企画・提案フェーズから各段階に合わせた会議体を設置し、市場調査、競合優位性、販売計画・戦略、投資計画など、様々な観点から慎重に検討を行い、新規事業・サービスの創出を行っております。また、新規事業・サービスへの取り組み開始後も、PDCAサイクルを管理する体制を構築し、定期的にモニタリングを行うことで、リスクの最小化を図っております。

 

 ⑦M&Aによる事業拡大について

 当社グループは、グループの成長を実現するために、事業展開のスピード向上を図る目的でM&Aを積極的に行ってまいります。当社グループでは企業買収や事業提携を行う際に、事前にリスクを把握・回避するために、対象となる企業の財務内容や事業についてDD(デューデリジェンス)を実施しております。しかしながら、買収後に予期しない債務が発生する可能性や、事業環境や競合状況の変化等により当社グループの事業計画に支障をきたす可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 対象企業についてDDを実施し、想定外債務の可能性を回避できるようにDDを実施する専門家とすり合わせ、詳細に調査いたします。また、適正な買収価格を決定すべく、VA(バリュエーション)の基となる売り手の事業計画が実現可能か、専門家のヒアリングや面談を通じて慎重に判断してまいります。また2023年4月25日に設立した、投資・インキュベーション事業を行う株式会社駅探I&Iには豊富なノウハウをもつ人材が参画しており、M&Aに伴うリスクの低減に貢献してまいります。

 

(2)外部環境に関するリスク

 ①競合等の状況について

 当社グループが提供する乗換案内サービスは、有力な競合他社が複数存在します。中核となる乗換機能そのものは成熟期に入り、基本機能による差別化が困難になったり、価格競争が進みつつあります。その結果、法人向けを含め、ユーザーによる競合他社へのサービス切り替えが起こり、その傾向が長期間にわたった場合、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 また広告配信サービスについても同様に有力な競合他社の存在及び新規参入事業者による競争の激化があります。優れた競合企業・サービスの登場により当社グループのシェアが低下し、経営成績に影響を与える可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 乗換案内サービスにおいては、サービスの競争力維持・強化のために、MaaSに対応する新乗換案内エンジンの開発や、法人向けの新たな業務ソリューション等のサービス開発と新たな収益モデルの構築に向けて積極投資を行っております。これにより、高付加価値化・差異化を進め、競争優位性を構築してまいります。

 また広告配信サービスにおいては、業界動向を注視し、新しい技術を取り入れたサービスの提供や、顧客のニーズを把握して迅速、適切に対応することにより、競合企業との差別化を図ってまいります。

 

 ②法的規制について

 当連結会計年度末現在、乗換案内サービスに関連した法的規制は、事業特有の規制ではない特定商取引に関する法律(通信販売)、不正競争防止法、消費者契約法、個人情報の保護に関する法律等を除きありませんが、今後、規制対象となる法的規制等が制定されることもありえます。

 広告関連サービスにおいてはインターネット広告市場において関係事業者を規制対象とした法令である「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)等の改定や、行政指導等により、新たな規制への対応が必要になる可能性があります。また法令の改正等により広告配信における審査の基準を変更することで、一部業界では広告効率が低下し、その結果として広告出稿量が減少し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、社員教育の徹底、コンプライアンス体制の整備など管理体制の構築等により法令遵守の体制を整備し、関連する法令の制定、改定に関する動向を注視し、適切に対処できるよう取り組んでいく方針です。

広告関連サービスにおいては、関連法規に専門性のある弁護士と協議のもと法令等に則った広告掲載基準を設定し、適正な広告配信を行ってまいります。また、営業体制を強化することで幅広い広告主・掲載メディアを獲得し、特定の業界に依存しない顧客基盤を構築してまいります。

 

 ③インターネットプライバシー保護への対応について

 インターネット広告において、プライバシー保護の観点から大手プラットフォーム各社がCookieの利用を制限する等の動向があり、一方ユーザーにおいてはデータ提供に対する意識が高まり機能に制限をかけるなど、環境が変化しております。変化に対する当社グループの対応が遅れ、サービスの競争力が低下した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 大手プラットフォーム各社の動向を把握し、その技術情報をいち早く入手し、プライバシー保護に関わる環境変化に適応しながら自社サービスの先進性やユニーク性を確保してまいります。

 

 ④自然災害、テロ、戦争等について

 当社グループは各種サービスを運営するためコンピュータシステムを使用しており、取引先やデータセンターのシステムとネットワークで接続されています。ネットワーク障害や、地震、台風等の不慮の災害、大規模停電、テロ、戦争等によるデータセンターを含むコンピュータシステムの停止、誤作動等が発生した場合、あるいは現在のネットワーク環境の変化等が発生した場合、業務遂行に支障を来たし、業務が正常に行えなくなることによる機会損失の発生、損害賠償責任、社会的信用の悪化等を通じて当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、日頃よりシステムの安定稼動の維持に努めるとともに、乗換案内サービスの提供を担う重要なシステムについては、バックアップシステムや、回線がダウンしたときに瞬時にそれを補完するよう別回線に切り替わるような迂回経路を確保し、定期的な保守点検を実行し、万一の際にもシステムが正常稼働する体制を整えております。

 

 ⑤重大な感染症等について

 新型コロナウイルス感染症のような大規模な感染症の発生によって、従業員等の感染や、オフィスへの出勤停止措置等による人的リソースの低下により、サービスの提供が困難になることがあります。

 また事業面では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止を目的とした企業及び消費者への活動自粛要請によって、移動に関連する特定広告主の広告出稿の抑制やサイトのアクセス数減少等が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、従業員等の安全の確保と事業の継続を目的として、原則として全従業員の在宅勤務への移行と、そのための情報システムの整備・運用ルールによるテレワークの推進、オンライン商談等の励行によって、事業及び営業活動の継続に取り組んでおります。

 また、事業面でのリスクの対応については、コロナウイルス感染症拡大の影響による一般生活者の行動変化を踏まえ、移動に関連するサービスだけではなく、蓄積したデータを活用した広告配信サービス等を含む「地域マーケティングプラットフォーム」へ事業を拡大させ、事業ポートフォリオの強化に努めてまいります。

 

(3)会社組織に関するリスク

 ①事業規模に応じた内部管理体制について

 当社グループは当連結会計年度末現在において、組織の規模が小さく、内部管理体制も規模に応じたものになっております。今後規模拡大に伴い、当社グループの事業の多様化や人員増加に対して適切かつ十分な対応ができなかった場合には、当社グループの経営活動に支障が生じる可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループでは、今後も事業規模に応じて業務遂行体制及び内部管理体制の一層の充実に努める方針であります。具体的には、有識者の積極的な採用と既存社員への教育を継続して努めていくことで、業務遂行に影響が及ぶリスクの低減を図っております。

 

 ②知的財産権について

 当社グループはこれまで、他者の知的財産権を侵害したとして、損害賠償や使用差し止めの請求を受けたことはありません。しかしながら、今後当社グループの事業分野における第三者の特許等が成立した場合、また、当社グループ事業分野において認識していない特許等が既に成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止め等の訴えを起こされる可能性、並びに当該特許等に関する対価の支払等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループでは、知的財産に対する担当を設け、調査、出願等の活動を行っております。既存事業に関連する、又は将来関連しそうな特許について調査を実施し、他者の知的財産権を侵害している可能性は無いか確認を行っており、必要に応じ当社グループサービス実施前に侵害調査をしております。また、特許事務所と顧問契約を締結しており定期的及び随時に専門家を交えたミーティングを実施しており、こうした活動を通じ、適法な知的財産権の利用に努めております。

 

 ③個人情報管理について

 当社グループでは、販売促進キャンペーンへの参加顧客情報、支払いが遅れたユーザーに関する未回収顧客情報等、各種個人情報を保有しております。外部からの侵入者及び当社グループ関係者並びに業務委託先等によりユーザーの個人情報が外部に流出して不正に使用された場合、当社グループの責任が問われるとともに当社グループの評判を著しく低下させ、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、個人情報の管理にあたっては、当社グループのシステム上でのセキュリティ強化を随時実施するとともに、全ての役員及び従業員が個人情報保護規程を厳格に遵守し、徹底した個人情報流出の防止に取り組んでおります。

 

 ④コンプライアンスについて

 コンプライアンスに関するリスクが多様化・複雑化する中で、長時間勤務の管理やパワハラ・セクハラ等の人事・労務問題に加え、今後データ利活用ビジネスが増加していく中で、データの取り扱い不備による重大なコンプライアンス違反等が発生する可能性があります。その結果、当社グループの社会的信用の低下や、発生した損害に対する賠償金の支払い、重要取引先の見直し等が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループでは、コンプライアンス・リスク管理委員会を設置し、当社グループに内在するコンプライアンス推進上の課題を可視化して、そのひとつひとつに具体策を講じており、コンプライアンス意識の徹底に取り組んでおります。また、パワハラ・セクハラ等につきましては、「ハラスメントの防止等に関する規程」を制定し、役員及び全社員に対して、遵守の徹底に努めております。

 

 ⑤人材の確保と育成について

 技術進化が著しくかつ厳しい競争に晒される環境の中にあって、当社グループが顧客の信頼を得て持続的成長を実現していくためには、専門的な情報技術を持ち顧客の潜在的なニーズにも対応できる人材を適時的確に確保あるいは育成していくことが極めて重要であると認識しております。しかしながら、適切な人材が十分に確保、育成できない場合は、開発規模の縮小などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、広く採用活動を行っているほか、技術等の習得のための勉強会の開催、働き方改革を通した勤務環境の向上等、様々な施策を通じて人材の確保・育成に努めております。

 

(4)財務に関するリスク

 ①のれんの減損損失について

 当社グループでは、中期経営計画に従い、事業ポートフォリオの強化のための成長戦略としてM&Aを積極的に活用しています。そのため、市場環境や競争環境がM&A実行時の想定から大きく変化した場合、買収先会社の業績が悪化し、のれんの減損損失が発生する可能性があります。

 

[リスクへの対応策]

 当社グループは、企業買収にあたっては、企業価値算定、投下資金の回収見込み、買収金額の妥当性、リスク等について、専門家によるDD(デューデリジェンス)を実施し、その結果を踏まえ、取締役会で十分な審議を行った上で意思決定を行っております。また買収後は役員を派遣して事業に関与するなど管理体制を整え、リスクの軽減に努めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

[経営成績等の状況の概要]

(1)経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、徐々に経済社会活動の制限が緩和され、国内の経済活動は一定の回復傾向がみられました。

 一方で、長期化するロシア・ウクライナ情勢に伴うエネルギーコストの上昇による物価の上昇が少しずつ広がりを見せ、個人消費マインドへの影響が懸念されており、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、モビリティサポート事業においては、乗換案内サイトやアプリといった保有メディアへのアクセス数増による広告収入の増加やMaaS(Mobility as a Service)等の法人向けサービスの受注により伸長しました。一方で、乗換案内等の有料会員サービスにおいては、コモディティ化等の市場環境の影響による有料会員の減少傾向に伴い、当サービスにおける収益は継続的に減少しております。また、広告配信プラットフォーム事業では、株式会社サークアが運営する広告配信サービス「Cirqua」において、2021年8月の改正薬機法の影響で収益が大きく落ち込んだものの、改正薬機法に対応した新掲載基準による運用で収益状況が改善されたことに加え、第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社が新たに連結子会社となったことにより、売上高は増加しました。その結果、グループ全体の売上高は、前連結会計年度と比べて、増収となりました。

 利益面では、バックオフィス業務の内製化、効率化によるコスト削減に加え、新型コロナウイルス感染症対策をきっかけに原則在宅勤務への移行に伴い、オフィス縮小による賃借料の削減等、徹底的なコスト削減に努めてまいりましたが、利益率の高い有料会員サービスの売上高減少分を補うには至らず、また、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」における改修コストが増加したため、営業利益及び経常利益は、減益となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社の株式会社ラテラ・インターナショナルにおいて、債務免除益を特別利益に計上したこと等により、増益となりました。

 この結果、当連結会計年度における売上高は3,206,085千円(前年同期比10.9%増)、営業利益は105,084千円(前年同期比24.3%減)、経常利益は104,496千円(前年同期比25.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は89,827千円(前年同期比12.0%増)となりました。

 なお、当社グループでは、M&Aを活用した事業拡大を積極的に推進していく中で、各国の会計基準の差異にとらわれることなく企業比較が可能なEBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)を重要な経営指標と位置づけ、EBITDAを業績指標に採用しております。当連結会計年度のEBITDAは296,856千円(前年同期比7.0%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

①モビリティサポート事業

 乗換案内サービスのコモディティ化による継続的な有料会員の減少に伴い、減収傾向で推移しました。一方で、乗換案内サイトやアプリといった保有メディアへのアクセス数増による広告収入の増加や北海道江差町エリアでの地域住民向けMaaSの実証実験等の法人向けサービスの受注により伸長したものの、有料会員サービスの売上高、利益の減少分を補うには至らず、また、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」において、サプライヤーによるシステムの改修に伴い、当社もその対応を行っておりましたが、それに伴うコストが想定より増加したため、減収減益となりました。

 この結果、売上高は1,595,863千円(前年同期比2.4%減)、EBITDAは515,738千円(前年同期比17.2%減)、セグメント利益は457,538千円(前年同期比17.5%減)となりました。

②広告配信プラットフォーム事業

 株式会社サークアが運営する広告配信サービス「Cirqua」において、2021年8月の改正薬機法の影響で収益が大きく落ち込んだものの、改正薬機法に対応した新掲載基準による運用で収益状況が改善されたことに加え、第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社を当セグメントに追加したことに伴い、増収となりました。一方で、利益面においては、売上高の増加が寄与し、損失額は縮小しましたが、のれん等の償却費の計上に加え、前連結会計年度からサービスを開始しておりますバーティカルメディア「駅探PICKS」において、先行投資を実施したことにより、損失となりました。

 この結果、売上高は1,610,222千円(前年同期比28.3%増)、EBITDAは66,899千円(前年同期比245.1%増)、セグメント損失は61,499千円(前年同期比は77,228千円のセグメント損失)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,868,574千円となり、前連結会計年度末に比べ554,121千円減少しました。固定資産は1,284,373千円となり、前連結会計年度末に比べ165,563千円増加しました。この結果、総資産は3,152,947千円となり、前連結会計年度末に比べ388,558千円減少しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は438,139千円となり、前連結会計年度末に比べ34,414千円増加しました。固定負債は226,833千円となり、前連結会計年度末に比べ72,007千円減少しました。この結果、負債合計は664,973千円となり、前連結会計年度末に比べ37,593千円減少しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は2,487,974千円となり、前連結会計年度末に比べ350,965千円減少しました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ654,593千円減少し、1,424,983千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、63,211千円の収入(前年同期は345,490千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益123,028千円、減価償却費140,461千円、その他111,428千円、法人税等の支払額99,291千円があったことなどによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、265,555千円の支出(前年同期は772,428千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出231,520千円、新規連結子会社の取得による支出20,761千円があったことなどによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、452,250千円の支出(前年同期は77,987千円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出375,332千円、配当金の支払額76,917千円があったことによるものです。

 

[生産、受注及び販売の実績]

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

モビリティサポート事業(千円)

58,038

335.5

広告配信プラットフォーム事業(千円)

合計

58,038

335.5

(注)1.広告配信プラットフォーム事業においては、主に広告配信サービスの提供を行っており、生産実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

2.当連結会計年度において生産実績に著しい変動がありました。これは、モビリティサポート事業においてチケットレス出張手配サービス「BTOnline」関連の受託業務が増加したこと等によります。

 

(2)受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

モビリティサポート事業

71,349

191.4

13,650

93.2

広告配信プラットフォーム事業

合計

71,349

191.4

13,650

93.2

(注)1.広告配信プラットフォーム事業においては、主に広告配信サービスの提供を行っており、受注実績を定義することが困難であるため、記載しておりません。

2.当連結会計年度において受注実績に著しい変動がありました。これは、モビリティサポート事業においてチケットレス出張手配サービス「BTOnline」関連の受託業務が増加したこと等によります。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

  至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

モビリティサポート事業(千円)

1,595,863

97.6

広告配信プラットフォーム事業(千円)

1,610,222

128.3

合計

3,206,085

110.9

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社NTTドコモ

759,520

26.3

660,409

20.6

株式会社アップデイト

360,710

12.5

340,042

10.6

 

[経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容]

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等の分析

イ.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高3,206,085千円(前年同期比10.9%増)、営業利益105,084千円(前年同期比24.3%減)、経常利益104,496千円(前年同期比25.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益89,827千円(前年同期比12.0%増)となりました。

(単位:千円)

 

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に

帰属する当期純利益

2023年3月期

3,206,085

105,084

104,496

89,827

2022年3月期

2,891,166

138,809

140,911

80,206

増減率

10.9%

△24.3%

△25.8%

12.0%

 

(売上高)

 コモディティ化等による有料会員サービスの収益が減少したことにより、モビリティサポート事業の売上高は減少しましたが、広告配信プラットフォーム事業において、プラウドエンジン株式会社が新たに連結子会社となったことが寄与し、グループ全体の売上高は、前年同期比10.9%増となりました。

(単位:千円)

 

 

モビリティサポート事業

広告配信プラットフォーム事業

2023年3月期

1,595,863

1,610,222

3,206,085

2022年3月期

1,635,863

1,255,303

2,891,166

増減率

△2.4%

28.3%

10.9%

 

・モビリティサポート事業

 乗換案内サイトやアプリといった保有メディアへのアクセス数増による広告収入の増加やMaaS等の法人向けサービスの受注により伸長しましたが、乗換案内等の有料会員サービスにおいて、コモディティ化等の市場環境の影響による当サービスの売上高が減少した結果、前年同期比で2.4%減となりました。

 

・広告配信プラットフォーム事業

 株式会社サークアが運営する広告配信サービス「Cirqua」において、2021年8月の改正薬機法の影響で収益が大きく落ち込んだものの、改正薬機法に対応した新掲載基準による運用で収益状況が改善されたことに加え、第3四半期連結会計期間からプラウドエンジン株式会社を当セグメントに追加したことに伴い、売上高は前年同期比で28.3%増となりました。

 

(営業利益、経常利益)

 バックオフィス業務の内製化、効率化によるコスト削減に加え、新型コロナウイルス感染症対策をきっかけに原則在宅勤務への移行に伴い、オフィス縮小による賃借料の削減等、徹底的なコスト削減に努めてまいりましたが、利益率の高い有料会員サービスの売上高減少分を補うには至らず、また、チケットレス出張手配サービス「BTOnline」における改修コストが増加したため、減益となりました。この結果、営業利益は前年同期比24.3%減、経常利益は前年同期比25.8%減となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 連結子会社の株式会社ラテラ・インターナショナルにおいて、債務免除益を特別利益に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比で12.0%増となりました。

 

ロ.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は1,868,574千円となり、前連結会計年度末に比べ554,121千円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少654,593千円、売掛金及び契約資産の増加67,667千円によるものであります。固定資産は1,284,373千円となり、前連結会計年度末に比べ165,563千円増加しました。これは主に、ソフトウエアの増加56,898千円、無形固定資産「その他」の増加83,385千円によるものであります。この結果、総資産は3,152,947千円となり、前連結会計年度末に比べ388,558千円減少しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は438,139千円となり、前連結会計年度末に比べ34,414千円増加しました。これは主に、買掛金の増加79,563千円、未払法人税等の減少34,409千円によるものであります。固定負債は226,833千円となり、前連結会計年度末に比べ72,007千円減少しました。これは主に、役員退職慰労引当金の減少19,800千円、固定負債「その他」の減少37,098千円によるものであります。この結果、負債合計は664,973千円となり、前連結会計年度末に比べ37,593千円減少しました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は2,487,974千円となり、前連結会計年度末に比べ350,965千円減少しました。これは主に、剰余金の配当77,135千円、親会社株主に帰属する当期純利益89,827千円、自己株式の取得372,353千円によるものであります。この結果、自己資本比率は78.9%となり、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント低下しました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

 「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ654,593千円減少し、1,424,983千円となりました。当連結会計年度の区分ごとのキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フロー63,211千円、投資活動によるキャッシュ・フロー△265,555千円、財務活動によるキャッシュ・フロー△452,250千円であります。

 当社グループの主な資金需要は、人件費や外注費等の売上原価の支払、販売費及び一般管理費の支払、配当金の支払、借入金の返済及び法人税等の支払等であります。また、事業戦略として、M&Aによる事業拡大を推進しており、有望な案件があれば投資を実行してまいります。これらの必要な資金に関しては、自己資金により充当し、大型投資の資金は必要に応じて金融機関からの借入等により資金調達することを基本方針としております。

 当連結会計年度末現在、借入金の残高は100,000千円であります。また、当社は、取引銀行と当座貸越契約を締結しており、当連結会計年度末における当座貸越契約の極度額の総額は500,000千円であり、借入実行残高はありません。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)時刻表データに関する契約

相手方の名称

契約名称

契約内容

契約期間

株式会社交通新聞社

時刻情報使用許諾契約書

JR各社の時刻表データをパソコン向けに使用することの許諾契約

2004年5月1日から2005年4月30日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

時刻情報使用許諾追加契約書

JR各社の時刻表データを携帯電話等、パソコン以外で使用することの許諾契約

2004年5月1日から2005年4月30日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

 

(2)携帯電話向けの情報提供に関する契約

相手方の名称

契約名称

契約内容

契約期間

株式会社NTTドコモ

iモード情報サービス提供者契約書

公式サイトとしてのコンテンツ提供

2000年1月31日から2000年3月31日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

iモードサービスに関する料金収納代行回収契約書

公式サイト月額利用料の回収代行

2000年1月31日から2000年3月31日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

スゴ得コンテンツに関する契約書

スゴ得コンテンツへのコンテンツ提供

2013年6月4日から2018年6月3日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

KDDI株式会社

コンテンツ提供に関する契約書

公式サイトとしてのコンテンツ提供

2000年9月25日から2001年3月31日まで。特段の申し出がない限り、6ヶ月間の自動継続

情報料回収代行サービスに関する契約書

公式サイト月額利用料の代行回収

2000年11月1日から2001年3月31日まで。特段の申し出がない限り、6ヶ月間の自動継続

ソフトバンク株式会社

コンテンツ提供に関する基本契約書

公式サイトとしてのコンテンツ提供

2000年11月1日から2001年3月31日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

債権譲渡契約書

公式サイト月額利用料の債権をソフトバンク株式会社に対して譲渡する契約書

2000年11月1日から2001年3月31日まで。特段の申し出がない限り、1年間の自動継続

 

(3)資本・業務提携に関する契約

相手方の名称

契約名称

契約内容

契約期間

株式会社

Bold Investment

提携合意書

1.株式会社Bold Investment及び当該企業グループと当社の連携・協業等を通じ、当社中期経営計画の実現に向けて、両社で協力を行う

2.株式会社Bold Investmentは、当社取締役会にて指名された取締役候補者の選任議案が株主総会に上程された場合原則として賛成の議決権行使を行い、当社の取締役会にて指名された者以外の取締役候補者の選任議案については、原則として賛成の議決権行使をしない

 

(4)株式取得に関する契約

 当社は、2022年10月24日開催の取締役会において、デジタルマーケティング・インターネット広告領域で事業展開を行うプラウドエンジン株式会社の全株式を取得し、完全子会社化することについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。なお、2022年11月30日付で当該株式を取得いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(5)合弁会社の設立及び合弁会社による株式取得に関する契約

 当社は、2023年4月20日開催の取締役会において、株式会社アイティエルホールディングス(以下、「ITLHD社」という。)との間で合弁会社設立に関する契約を締結するとともに、ITLHD社の完全子会社である、グロースアンドコミュニケーションズ株式会社、株式会社サイバネット及び株式会社アイティジェイの全株式を新設される合弁会社が取得する旨の基本合意書の締結を決議いたしました。なお、2023年4月25日付でITLHD社を設立し、株式譲渡契約を締結し、2023年4月28日付で株式を取得いたしました。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、端末・インフラ・コンテンツという3つの要素をネットワークで結ぶことで事業基盤が成り立っております。当社グループは、サービス向上のためにこれらの技術向上を適時に捉え、有望と思われる技術を積極的に研究しサービスを開発していくよう努めております。

 当連結会計年度において当社グループが支出した研究開発費の総額は917千円であります。

 

(モビリティサポート事業)

 モビリティサポート事業では、鉄道会社、携帯キャリア等の主要顧客向けサービス及び業務系ソリューションサービスの機能向上について、研究開発を行っております。当連結会計年度における研究開発費の金額は917千円であります。

(広告配信プラットフォーム事業)

 該当事項はありません。

(全社共通)

 該当事項はありません。