第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

ロート製薬は、創業以来「健康」をコアバリューに、一般用医薬品やスキンケア商品の提供を通じて、多くの方に身近な「健康」をお届けしてまいりました。生活者の皆さま一人ひとりの健康寿命が延伸し、生活の質(Quality of Life)が向上することによって、社会全体の経済活動は活性化し、増加する社会保障費も抑制され、持続的な健康長寿社会の実現につながると考えます。当社の存在意義(パーパス)は、世界の人々に商品やサービスを通じて『健康』をお届けすることによって、 当社を取り巻くすべての個人や社会を『Well-being』に導くこと。これからも、事業活動を通じて世界の人々のWell-beingに貢献するとともに、健康で幸せに過ごすことができる持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

経営理念

①  豊かで幸せな生活を送るための心身の健康に貢献し続けることが当会社の最大の責務と捉え、 その実現のために長期視点での経営と価値創出に努める

②  当会社は、社会の公器としての使命を自覚し、当会社を取りまく全ての人たちと協働して 社会課題を解決し、これにより得られた便益を共有する

 

当社の考える「Well-being」

肉体的健康、精神的健康、社会的健康、そしてそれを取り巻く環境面の健康、すべてにおいて満たされた幸福な状態

 

当社の目指す「Well-being経営」

社内外に「Well-being」の輪を広げていくために、「健康」「美」「サイエンスに基づく高い品質」「一人ひとりが自律し、チャレンジを続ける企業文化」といった当社の事業的強みや文化的特徴をベースとしながら、当社と当社を取り巻く世界中の人々が、健康で笑顔あふれる幸せな毎日を過ごしながら、長寿を全うできる社会環境の実現を目指し、社内外の仲間と手を携え挑戦し続けることです。

 

(2)経営環境および対処すべき課題等

当社グループを取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対する行動制限の緩和が進んだことにより、経済活動に一定の改善の兆しがみられました。一方、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化および中国のゼロコロナ政策とその解除に伴う混乱、急激な円安方向の為替変動など、世界情勢は依然として不安定な状態が続いております。個人消費につきましても、原材料価格の高騰や物流費上昇の影響による物品・サービスの相次ぐ値上げにより消費行動や価値観が変化し、経営環境も不透明な状況で推移いたしました。

このような状況のもと、当社は2019年に制定した総合経営ビジョン2030「Connect for Well-being」の推進に全力を注ぎ、果敢にリスクを取る意思決定や、変化に柔軟に対応できる経営によって持続的な成長を目指しており、コア事業である一般用医薬品、スキンケアを中心とした6つの事業領域に積極投資を行い、イノベーションを起こすことに取り組んでおります。

また、サステナビリティにおける重点課題の解決に向けた取り組みを推進するため、事業活動を通じて優先的に取り組むべき課題としてESG/SDGsの観点から、①事業を通じたWell-beingの実現、②企業価値向上に向けた人的資本の最大化、③持続可能な地球環境への貢献、④社会との共生、⑤さらなる経営基盤の強化、という5つのマテリアリティ(重要課題)を特定いたしました。各マテリアリティの取り組みを推進し、企業価値向上と持続的成長の実現を目指してまいります。

これらを成長軌道に乗せるためには人財育成が益々重要になるとの考えのもと、2022年10月に人事・報酬制度を見直しいたしました。仕事の価値や業績への貢献度に応じた報酬設計としており、従業員一人ひとりが「プロの仕事人」として成長することで、「仕事の価値」の創出とWell-beingの実現を追求してまいります。

さらには、2023年3月にガバナンス強化の一環として新たにコンプライアンス推進部を設置いたしました。経営リスクおよび経営倫理の適切な管理を行ってまいります。

 

   目標とする経営指標

当社グループでは、すべてのステークホルダーの満足度向上を図るという目標に向けて、ヘルスケア市場において、その分野でトップあるいは主要なブランドを築くことを目指すとともに、営業利益率や自己資本当期純利益率、総資産経常利益率に代表される収益指標を重視し、経営管理を行っております。

 

② ビジョン2030に掲げる6つの事業

当社が取り組む事業領域は、健康、未病、軽度疾患、病気の全てのステージにおける美と健康の提供です。

これを6つの分野に分けて、それぞれにおいて貢献することを目指しております。

 

 1. OTC医薬品事業

“日本におけるOTC医薬品リーディングカンパニーを目指す”

医療費膨張傾向の中、セルフメディケーションの考え方はますます重要性を増しております。健康寿命の延伸に対する貢献にOTC医薬品は欠かせません。当社は長年の技術とブランド力を活かし、OTC医薬品リーディングカンパニーを目指してまいります。リーディングは必ずしも規模のことに限定せず、顧客満足や市場での影響力、健康意識への貢献度の点において業界トップを走るということであります。既存の眼科用薬、皮膚用薬、胃腸薬、漢方薬、検査薬などに加え、高齢化ニーズ、女性の健康ニーズに応えるカテゴリーに積極的に挑戦します。その基盤となる開発と技術力の優位性を維持していくため技術革新に注力するとともに、ベンチャー企業や国内外研究者との共同研究を図るなど、有機的な研究体制の構築を積極的に推進しております。また必要に応じて異業種を含め他社との提携強化を行ってまいります。

 

 2.スキンケア事業

“肌本来の機能に働きかけ、健やかさを再生するスキンケアを創造する”

既に売上の6割強を占めるスキンケア事業については、引き続き、安全性・有効性・メカニズムを追求するエビデンスベースの研究開発を進めてまいります。再生医療研究の過程で得られた知見の応用や、長年の研究の蓄積である基幹技術をベースにした他社にはできない機能性の高い商品を提供し続けます。またDXを見据えて、顧客との共創関係を構築したマーケティングを実装してまいります。

 

 3.機能性食品事業

“エビデンスと信用に基づく食品事業を第三の柱に育てる”

機能性食品は医薬品の代替になり得る2030年までに最も伸長する可能性が高い領域であり、当社は、当領域のアンメットニーズを狙い差別性の高い商品開発を行ってまいります。グループ会社や提携会社で保有する素材技術、製造設備、販売ルート、顧客との関係性を最大限活用して顧客満足の向上に努めます。特に重点課題として「目」「妊娠」「更年期」「生活習慣病」「肌」「免疫」に機能する分野における開発に取り組んでおります。また異業種とのコラボ、ブランディングについても探索してまいります。

 

 4.医療用眼科事業

“アイケアリーダーとして医療用眼科チャネルを開拓し、早期の収益化を実現する”

当社は2020年3月に医療用眼科用薬メーカーである㈱日本点眼薬研究所(現・ロートニッテン㈱)を子会社化し、製造および販売に掛かるリソースを確保いたしました。また他企業とも提携を進めながら、医療用眼科用薬の開発を進めております。同時に眼科領域における再生医療研究、眼科用医療機器の開発も進めており、早期の収益化を目指しております。

 

 5.再生医療事業

“革新的なライフサイエンス技術を事業化する”

当社は2013年に再生医療に取り組む再生医療研究企画部を新設以来、再生医療・バイオ事業に注力してまいりました。多様な可能性を秘めた脂肪由来幹細胞を応用してプロフェッショナルメディケーションに挑戦しております。2021年3月には整形外科分野における再生医療アプローチを推進する子会社を買収し、対象患者の多い変形性膝関節症対応の医薬品開発にも取り組んでおります。また、これらをスキンケア等の既存事業と掛け合わせることで、当社にしかできない新しいWell-beingの創造に努めてまいります。

 

 6.開発製造受託事業

“独自開発力を付加した開発製造受託(CDMO)へ進化する”

現状の医薬品製造受託(CMO)事業を進化させ、独自の開発力を活かした開発・製造をワンストップに提供する開発製造受託(CDMO)事業を推進することで競争優位性を実現してまいります。内服剤分野においては当社子会社であるクオリテックファーマ㈱、医療用眼科用薬分野においては当社子会社であるロートニッテン㈱、再生医療分野においては京都府木津川市の当社研究所において、それぞれ開発製造受託が可能な高い技術力とコスト競争力を実現すべく取り組んでおります。

 

③ デジタルトランスフォーメーション

DXの推進は経営戦略の重要な課題と捉え、継続的なイノベーションの創出を行うとともに、新しいヘルスケアビジネスのモデルとしてデジタルヘルスケアへのシフトに対応してまいります。顧客データを通じて、一人ひとりのヘルスケアに向き合う、また新たなニーズを発掘するConnect for Customer(D2Cプラットフォーム)を実装し、顧客との信頼関係を創出してまいります。また全社員がDXについての見識を深め、現場起点でのデジタル活用アイデアが生まれやすい環境を構築するためにDX人財育成ロードマップを策定し、推進してまいります。

 

④ グローバル事業

全体売上の約4割を占め、2023年3月末時点で110か国以上をカバーしている海外事業については、引き続き現地に根付いて消費者と向き合いながら企業価値の向上を目指してまいります。特にOTC目薬、スキンケアの導入を進めてまいります。日本とビジネス上の親和性の高いアジア地域(中国および東南アジア)を中心に積極的に経営資源の投入を行い、欧米については子会社メンソレータム社の成長戦略の策定と実行を軸に維持・拡大に努めます。

 

⑤ SDGs

当社の持続的な成長、ひいては持続的な社会成長を目指し、環境に配慮した生産活動、販売活動を推進してまいります。2022年9月に当社のマザー工場である上野テクノセンター(三重県伊賀市)において新しい工場棟が稼働を開始しました。新しい工場棟では再生可能エネルギーの使用や廃棄物をできる限り削減する仕様に努めております。また機械にできることは機械に任せ、人はより創造的な業務に対処することで生産効率を向上させることを狙います。販売活動においては空容器の回収、再利用というサイクルができるような仕組みの構築、推進に努めてまいります。またロートのESH(Environment+Social+Health)の追求、発信源として、持続性のあるアグリファーム事業、地域創生事業についても実践してまいります。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、実際の結果とは異なる可能性があります。

 

(1)サステナビリティに関する考え方

当社にとってのサステナビリティは、事業を通じて健康に関わる多様な社会課題を解決して、それが企業成長につながる、社会的価値と企業価値の双方を生み出す活動としてとても親和性の高いものであると考えています。中核事業であるOTC医薬品事業とスキンケア事業をはじめとした6つの事業領域を通じて当社のパーパスであるWell-beingな社会の実現を目指して事業活動に取り組み、より一層ESG/SDGsの価値基準を経営に反映させていきます。

 

①サステナビリティ方針

当社は、経営理念、価値行動規範(7つの宣誓)、各種方針等に基づき、生活者、取引先、従業員、株主・投資家、地域社会など全てのステークホルダーの皆様と協働し、Well-beingな社会の実現に向けて社会的責任を果たすとともに、企業価値の向上に努めます。

 

②サステナビリティ行動指針

・事業活動を通じてWell-beingな社会の実現や環境問題の解決に貢献します。

・「社会の公器」たる企業として、すべてのステークホルダーとの共栄を目指します。

・企業活動を健全なガバナンスのもとに行い、公正かつ透明性の高い信頼ある経営を目指します。

 

③ガバナンス

サステナビリティ施策推進のため、取締役会の諮問委員会として、サステナビリティ委員会を設置し、ESG、SDGsをはじめとするサステナビリティ関連の課題や方針、対策等について議論し、特定された課題に対して対策方針、実行計画を策定し、進捗状況のモニタリング評価を行っています。本委員会にて審議された内容は、適宜取締役会に報告・提言され、特に重要な案件については取締役会において議論・決議されます。本委員会の運営体制は、取締役副社長(CFO兼ESG担当)を委員長とし、委員は、委員長が指名した取締役及びアドバイザーとして1名の社外監査役により構成しています。取締役副社長は当社グループのチーフファイナンシャルオフィサー(CFO)の役職も兼ねており、サステナビリティ課題を財務課題として評価・管理する役割を担っております。本委員会の事務局は経営企画部と広報・CSV推進部が担っており、実務的なサステナビリティ推進体制として、広報・CSV推進部内にESG関連の取り組みを推進する専任部署であるESH経営推進室を設置しています。

 

④リスク管理

サステナビリティ委員会において、気候変動や人的資本など、サステナビリティに関するリスクと機会について協議し、取り組み方針の決定を行い、その方針をグループに展開する体制を取っております。取締役会はその検討・協議内容について報告を受け、当社グループのサステナビリティ対応について、ステークホルダーへの開示および対話、長期視点での資本支出計画など検討を行い、また実行に際して監督を行う体制としております。

 

 

(2)人材への取組

①人財育成方針(ダイバーシティ・マネジメント方針)

Well-beingな社会の実現に貢献しつつ、会社が持続的に成長するためには、常に新しい価値を創造し、世の中から必要とされる存在でなくてはなりません。その担い手はもちろん社員一人ひとりであり、社員の成長なくして組織の成長はありません。事業の多様化、グローバル化が急速に進む中、当社がこれからも継続的に価値を創出するには、多様な人財が価値観を共有し、切磋琢磨しながら成長していくことが不可欠です。当社はWell-being経営推進のため、社員が主体的に事業活動に参画し、プロの仕事人として自律的にキャリアビジョンを実現できるようダイバーシティ・マネジメントを推進するとともに、多様な“個”を活かした組織づくりを通じて、社員個人と会社が共に成長することで、Well-beingな社会の創造を目指します。

 


 

②社内環境整備方針

当社は、会社とは“所属する場所”ではなく“志を同じくする個人が参画する共同体”であり、従業員は「プロの仕事人」として自律(自立)し、未来を自らの意思で切り拓いていくことが必要だと考えています。そのうえで、当社が人財マネジメントで重要と考えている点は、当社のパーパス(存在価値)と従業員個々人のパーパスとの連動です。「Well-being な社会の実現」という当社グループのパーパスと、多様な従業員一人ひとりのパーパスとの共鳴が高まれば高いエンゲージメントが得られると考えています。そのために会社は、多様な価値観を持つ自律した個人が、自己成長のために学び続ける意思を持ち続けられるよう、自己成長機会の提供や、チームワークやコミュニケーションの向上を促進するとともに、不当な差別なく快適に働くことができる環境や選択肢を整備・提供していくことも併せて重要だと考えています。具体的には、多様な働き方の推進、人権の尊重 、ダイバーシティ推進、教育研修、労働災害の防止や健康経営の推進による安全・安心な職場環境の提供など、社員のWell-being を向上させるような環境整備を推進していきます。

 

 

③人的資本に関連する指標及び目標(当社単体)

 

 

KPI

実績

目標

2022年度

2030年度

人権の尊重

全従業員に対する人権・ハラスメント教育の実施

不定期実施

100%

ダイバーシティの推進
(働き方改革含む)

男性育児休暇取得率

26.5%

100%

障がい者雇用率

2.42%

3.0%以上

50歳以上の従業員に対するキャリア研修実施

未実施

100%

自社所有事業所内におけるジェンダーフリートイレ設置

2025年度までのうち、できるだけ早期に実施

有給休暇取得率

72.9%

80%以上

5日以上連続した有給休暇取得率

23.0%

80%以上

労働安全衛生の確保

休業労働災害発生件数

8件

0件

従業員エンゲージメント向上

Well-being アンケートスコア
※従業員のWell-beingに関する自己評価

5項目平均6.8pt

全項目満点

健康経営の推進
(※太枠内は2023年に向けた
健康経営目標値)

健康診断受診率

99.9%

100%

ストレスチェック受検率

94.6%

100%

メタボリックシンドローム該当者の割合(メタボ+予備軍)

14.8%(6.1%+8.7%)

0%

貧血該当者(女性)の割合

14.2%

0%

健全年齢<実年齢の割合

59.6%

80%

喫煙者の割合

2.8%

0%

適正飲酒量を守っている割合

76.9%

100%

睡眠6.5時間以上の割合

32.4%

50%

30分の運動を週2回以上実践者の割合

38.3%

50%

1日8,000歩及び20分早歩き実践者の割合

16.5%

50%

 

 

(3)環境への取組

地球環境を守り、それを次世代に継承することは私たちの責務です。当社は「環境方針」を定め、企業活動を通じて地域及び地球環境の汚染の予防と継続的な改善を行っています。当社は環境に関するサステナビリティ課題のマテリアリティとして、「環境に配慮した商品開発を続けること」を掲げ、国内外のサプライヤー、小売店、代理店とも協働しながら、地球の健康寿命の延伸に挑戦しております。また地球温暖化による自然災害の影響を重く見て、2021年6月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)による提言に賛同を表明するとともに、CO2排出削減目標を設定しております。TCFDの推奨する項目に沿った当社の気候関連情報は以下の通りであります。

 

1.戦略

当社の気候変動に関するリスクおよび機会が事業に及ぼす影響を主に財務面でのインパクトを中心に評価いたしました。当社は主要な展開国においては現地に開発・生産拠点を保有し、気候変動に伴うバリューチェーンの分断に強い体制を築いております。ここでは主要なグローバル拠点である日本、中国、ベトナム、米国等を総合し、2℃シナリオを想定してそのインパクトを分析しております。移行リスク・物理的リスクそれぞれにおける事業インパクト、影響度および現時点での対応は以下の表の通りであります。現時点では2℃シナリオのみの分析となりますが、今後継続的に分析と評価を進め、多様なシナリオにおいての対策検討を実施するとともに、不確実な将来に向けてのレジリエンスを高めてまいります。

 

移行リスクと機会

リスク項目

事業インパクト

影響度

現時点での対応

大分類

小分類

2℃シナリオ

政策/規制

炭素税の導入

輸送コストの上昇に伴い、売上原価および販管費が増加すること(リスク)

効率的な配送やパレタイズの推進

不良品等の廃棄コストの上昇に伴い、売上原価が増加すること(リスク)

在庫の縮減や返品の削減・旧品や返品のエシカル販売

CO2排出量の制限規制

再生可能エネルギーへの切替えに係る電力代上昇に伴い、売上原価および販管費が増加すること(リスク)

太陽光発電システム(自家発電)や排熱利用システムの導入

市場

需要の変化・消費志向の変化

環境に配慮した製品の開発に伴う費用および原材料費の増加に伴い、売上原価が増加すること(リスク)

ラベルレスの採用や添付文書の削減による原材料の使用量削減

環境に配慮した製品のニーズ拡大に伴う売上向上と当該取組みに対する市場からの評価向上(機会)

ラベルレスの採用や添付文書の削減および環境に配慮した原材料の使用

 

物理的リスクと機会

リスク項目

事業インパクト

影響度

現時点での対応

大分類

小分類

2℃シナリオ

慢性

平均気温上昇・異常気象

天然原材料の供給不足などの影響で調達コストが上昇すること(リスク)

分散調達の推進ならびに在庫水準の適正化

冷暖房設備の稼働延長に伴い、光熱費負担が増加すること(リスク)

サマータイムやビジネスカジュアルの導入・省エネ推進

働き方改革の推進等による無駄な残業の削減

海面の上昇

低海抜拠点の工場やオフィスが浸水すること(リスク)

現時点はほぼ影響なしと分析

季節商材の需要変動

乾燥対策商品の売上が減少すること(リスク)

特定商品に依存しないポートフォリオ

日やけ止め等の売上が増加すること(機会)

急性

台風等の自然災害・異常気象

サプライチェーンの寸断により調達および供給が停止され、収益が減少すること(リスク)

サプライヤーおよび販売代理店との緊密な連携、分散調達の推進

 

 

2.リスク管理

① 気候関連リスクの識別・評価プロセス

TCFDが提唱するフレームワークに則り、外部環境の変化を予測し、当社のリソースおよび提供サービスを踏まえて、気候変動が事業に与えるリスクについてその影響度をサステナビリティ委員会において識別しています。

② 気候関連リスクを管理するプロセス

識別したリスクはサステナビリティ委員会において管理し、対応について協議を行います。必要に応じて関連部門の責任者を委員会に招集し、より具体的な施策を確認、機動的に推進する体制を取っています。

③ 上記プロセスが当社総合的リスク管理に統合される体制

環境課題以外のリスクも含めて総合的に当社事業の継続性に影響を与えるものについてもサステナビリティ委員会において評価・管理します。案件に応じて代表取締役社長を委員長とするコンプライアンス委員会とも協議を行い、BCPを策定します。

 

3.指標と目標

① 気候リスクと機会を評価するために用いる指標と目標

当社の非財務KPIとしてのCO2は排出量削減目標は以下の通りであります。

・Scope1と2の合計CO2排出量を2030年度に2013年度比△46%にする

・中間目標として、2025年度に2013年度比△30%にする

 

その目標達成に向けてのアクションおよび達成目標は以下の通りであります。

・CO2フリー電力の購入(Scope2)

水力、風力、太陽光等CO2を発生しない再生可能エネルギーで発電された電気を購入し、買電電力消費によるCO2排出量を2030年度まで27.6%削減。主要事業所(本社工場、上野テクノセンター、リサーチビレッジ京都)においては2025年度までに100%の購入比率を目指す。

・上野工場の新工場棟への太陽光発電設備の設置(Scope1&2)

稼働状況に合わせ、2023~2024年度に太陽光発電設備を設置し、発電及び買電電力消費によるCO2排出量を既存と合わせ毎年1~2%削減

・保全・運用改善、排熱利用、エネルギー転換(Scope1&2)

エネルギー消費を2030年度まで年間1%以上削減

 

またReduce・Reuse・Recycleを意識した商品仕様の実現、返品の削減、良品廃棄の削減についても取組みを進めており、今後具体的な目標設定とその進捗を開示してまいります。

 

② 2022年度のCO2排出量実績(速報値)

当社におけるScope1、Scope2のCO2排出量は以下の通りであります。

 

 

2022年度

2013年度比

Scope1・2排出量計

13,120t

△17%

内訳

Scope1排出量

7,184t

 +18%

Scope2排出量

5,936t

△39%

 

 

Scope1・2排出量合計の2013年度比は△17%であります。今後、Scope1、Scope2につきましては主要な生産拠点を持つ国内外子会社の排出量を合計して算定します。またScope3についても、今後集計の精緻化を図るとともに目標設定に向けて取り組んでまいります。

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローに影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。なお、当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 法的規制並びに制度・行政

当社グループの事業は、医薬品医療機器法等関連法規の規制(規制緩和も含む)の影響を受けます。将来、これらの規制が変更された場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 海外展開

当社グループはグローバルに事業展開をしており、近年海外売上のシェアが一定割合に達しております。(当連結会計年度の海外売上高は、連結売上高の43.5%)このため、現地での予期せぬ政治的及び経済的状況の悪化並びに法規制の変更等により、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 特定の取引先への依存

当社グループの取引高は、得意先の上位3社に売上高の35.3%が集中しており、上位取引先の営業活動の状況や倒産等による貸倒れが発生した場合は、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 他社との提携解消

当社グループは、共同開発、共同販売、製品導入(ライセンス契約に基づく製造販売も含む)等、様々な形で他社との提携を行なっておりますが、今後、何らかの事情によりこれらの提携関係を解消することになった場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 事業投資

当社グループは、既存事業の拡大や新たな事業展開を図るため、当社グループ及びグループ外の他社との提携関係の強化又は新規提携を行うことがあります。そのため、他社と提携して新会社の設立、又は既存の企業へ投資する等の投資活動を行っており、今後も投資活動を行う可能性があります。投資先の企業価値や株式等の市場価値が下落した場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 販売中止、製品回収等

当社グループの製品の一部が、製品の欠陥、予期せぬ副作用、異物混入等により、販売中止又は製品回収などの事態となった場合、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 知的財産権、訴訟

当社グループが知的財産権を適切に保護できない場合、第三者が当社グループの技術等を使用し当社グループの市場における競争力に悪影響を与える可能性があります。また、当社グループは第三者の知的財産権を侵害しないように留意し、調査を行なっておりますが、万一当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償請求等の訴えを起こされる可能性や対価の支払等が発生し、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。知的財産権以外にも製造物責任関連、環境関連、その他に関して訴訟を提起される可能性があり、訴訟等の内容及び結果によっては、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報システム・情報管理

当社グループでは、各種の情報システムを利用して業務を遂行しているため、システムの停止や機能障害により効率的な業務遂行を妨げる可能性があり、また、個人情報を含め多くの情報を保有しているため、社内管理体制を整備し、情報管理の充実を図っておりますが、万一情報漏洩が発生するような場合には、信用失墜により、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 自然災害等

当社グループは、国内で販売する主要な製品を当社の本社工場、上野工場等で生産し、中央物流センター等から出荷しております。安全管理には、十分に注意を払っておりますが、当該工場や物流センター等が火災、地震その他の災害等により操業停止となった場合は、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 為替、株価、金利の変動

当社グループはグローバルな事業展開をしていることから、為替レートの変動が、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、時価のある有価証券、有利子負債等を保有しており、株価や金利の動向等が、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 気候変動等の社会的課題への対応に関するリスク

気候変動の影響により、原材料や燃料の継続的な高騰が予想され、原価の上昇につながる可能性があります。また当社グループの事業は、消費者・顧客のニーズの変化に影響を受けます。サステナビリティに対する顧客ニーズの高まりに対応した商品やサービスを提供するための開発費用の増加によって業績に影響をおよぼす可能性があります。

(12) その他の外部要因

冷夏・暖冬・花粉飛散量等の季節要因による出荷・返品の増減、及び厳しい競合環境下での予想を上回る市場価格の低下等が、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

上記以外にも様々なリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

また、当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。

 

(1)経営成績

 当連結会計年度のわが国の経済は、新型コロナウイルス変異株による感染拡大の影響が続いたものの、行動制限の緩和が進んだことにより、経済活動に一定の改善の兆しが見られました。一方、ロシアのウクライナ侵攻の長期化と、中国のゼロコロナ政策や2022年12月の政策解除に伴う混乱に加えて、物品・サービスの値上げの傾向が顕著となりました。さらに世界的な金融引き締めや急激な為替の変動などにより、今後の世界経済は不透明感を増している状況にあります。

 このような状況のもと、当社グループは世界の人々が身体も心もイキイキと様々なライフステージにおいて笑顔 あふれる幸せな毎日を過ごせるよう「Connect for Well-being」のスローガンを掲げ、さらなる企業価値の向上を 目指し「総合経営ビジョン2030」の実現に向けて取り組んでおります。

 その結果、当連結会計年度における売上高は、2,386億6千4百万円(前期比19.5%増)と大幅な増収となりました。国内におきましては、経済活動再開により消費マインドが回復したことに加え、お客様のニーズに合った商品提案により増収となりました。海外におきましても、原材料価格の高騰があったものの経済活動の回復や円安の影響により増収となりました。

 利益面につきましても、大幅な増収となったことに加え、販売費及び一般管理費の効率的活用に努めた結果、営業利益は339億5千9百万円(同17.0%増)、経常利益は355億6千8百万円(同23.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、263億7千7百万円(同24.9%増)と全ての利益段階で大幅な増益となりました。


 報告セグメントの概況は次のとおりであります。

 

 

売上高(外部顧客への売上高)

 

 

前連結会計年度
(百万円)

当連結会計年度
(百万円)

増減額
(百万円)

増減率
(%)







日本

121,417

136,668

15,250

12.6

アメリカ

10,037

16,655

6,617

65.9

ヨーロッパ

10,297

12,231

1,934

18.8

アジア

55,988

70,773

14,785

26.4

197,740

236,327

38,586

19.5

その他

1,906

2,337

431

22.6

合計

199,646

238,664

39,018

19.5

 

 

 

<日本>
 外部顧客への売上高は、1,366億6千8百万円(前期比12.6%増)と大幅な増収となりました。
 酵素洗顔が好調の「メラノCC」や日やけ止めに新機能を付加した「スキンアクア」、「肌ラボ」、「ロートV5粒」が引き続き好調に推移いたしました。マスク着用習慣により伸び悩んでいたリップクリームも回復傾向に転じています。 国内グループ会社におきましても、2021年8月に子会社化した「ボラギノール®」を主力商品とする天藤製薬㈱ やロートニッテン㈱も増収に寄与しました。
 セグメント利益(営業利益ベース)につきましては、211億5千万円(同10.1%増)と大幅な増益となりました。

<アメリカ>
 外部顧客への売上高は、166億5千5百万円(前期比65.9%増)と大幅な増収となりました。
 2021年10月に子会社化した医療用消毒薬等を製造・販売するハイドロックス・ラボラトリーズ社が増収に大きく貢献しました。
 セグメント利益(営業利益ベース)につきましては、原材料の調達コストや人手不足による労務費上昇により原価率が悪化したものの、販売費及び一般管理費の効率的活用により、7億2千4百万円(同234.6%増)と大幅な増益となりました。

<ヨーロッパ>
 外部顧客への売上高は、122億3千1百万円(前期比18.8%増)と大幅な増収となりました。
 主力の消炎鎮痛剤が引き続き好調に推移し増収に寄与しました。「Hadalabo Tokyo」も英国、東欧及び中東主要国で好調に推移しました。また、2021年5月にCEマークを取得し発売したドライアイ点眼剤である「ロートドライエイド」により、目薬市場の開拓を引き続き進めており好調に推移しています。
 セグメント利益(営業利益ベース)につきましては、エネルギーコストや原材料の調達コストが増加し原価率が悪化したものの、販売費及び一般管理費の効率的活用により、9億7千8百万円(同73.6%増)と大幅な増益となりました。

<アジア>
 外部顧客への売上高は、707億7千3百万円(前期比26.4%増)と大幅な増収となりました。
 「50の恵」が人気の香港をはじめ、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどの東南アジア諸国が引き続き成長を維持しており売上を牽引しています。中国では、12月のロックダウン緩和施策により中国全土に感染が拡大し消費行動がスローダウンしましたが、通年では堅調に推移しました。製品別では、前述の「50の恵」、目薬、東南アジア諸国で人気のフケ抑制シャンプー「セルサン」が好調に推移いたしました。さらに、「肌ラボ」や日やけ止め、リップクリームも増収に寄与いたしました。
 セグメント利益(営業利益ベース)につきましては、売上が好調であったことにより、103億9千2百万円(同24.2%増)と大幅な増益となりました。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

①生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

日本

130,273

102.8

アメリカ

12,595

200.2

ヨーロッパ

8,622

113.2

アジア

59,584

119.1

211,075

110.7

その他

1,129

110.0

合計

212,204

110.7

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

 

②仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

日本

17,032

123.5

アメリカ

1,017

121.7

ヨーロッパ

2,071

101.6

アジア

2,798

116.0

22,920

120.1

その他

672

123.2

合計

23,593

120.2

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、仕入価格によっております。

 

③受注状況

一部の子会社では受注生産を行っておりますが、大部分は見込生産でありますので記載しておりません。

 

 

④販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

日本

136,668

112.6

アメリカ

16,655

165.9

ヨーロッパ

12,231

118.8

アジア

70,773

126.4

236,327

119.5

その他

2,337

122.6

合計

238,664

119.5

 

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱大木

36,702

18.4

39,220

16.4

㈱PALTAC

20,031

10.0

23,544

9.9

 

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末における資産総額は3,096億7千7百万円となり、前連結会計年度末より348億円増加いたしました。これは、現金及び預金が71億6千万円、受取手形及び売掛金が63億7千6百万円、投資有価証券が55億5百万円それぞれ増加した一方、建設仮勘定が20億4千8百万円減少したこと等によるものであります。

 負債総額は945億9千9百万円となり、前連結会計年度末より37億1千6百万円増加いたしました。これは、未払費用が45億1千万円、支払手形及び買掛金が23億6千5百万円それぞれ増加した一方、長期借入金58億3千3百万円減少したこと等によるものであります。

 また、純資産につきましては2,150億7千8百万円となり、前連結会計年度末より310億8千3百万円増加いたしました。これは、利益剰余金が217億1百万円、為替換算調整勘定が76億5千6百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
 

 

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ67億8千6百万円増加し、776億9千1百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は、前年同期に比べ36億7千4百万円増加309億2千4百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益が342億9千万円あり、キャッシュ・フローの増加要因である減価償却費が74億1千8百万円あった一方、キャッシュ・フローの減少要因である売上債権の増加額が75億6千万円、法人税等の支払額が69億6千2百万円、棚卸資産の増加額が61億5百万円あったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、131億7千6百万円と前年同期に比べ32億3千万円減少しました。これは、有形固定資産の取得による支出が84億7千3百万円、投資有価証券の取得による支出が44億1千7百万円あったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、161億9千9百万円となりました(前年同期は34億7千万円の収入)。これは、長期借入金の返済による支出が87億6千1百万円、配当金の支払額が46億7千6百万円あったこと等によるものであります。

 

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金等につきましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び手元資金で賄うことを基本とし、それを超える投資規模の場合には、金融機関からの借入により調達しております。当社グループの当連結会計年度末における手元流動性残高は、776億9千1百万円あり、加えて緊急時の流動性確保のために金融機関との間で貸出コミットメント契約を113億6千4百万円締結しております。

 

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記情報(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、少子高齢化の時代を迎える国内においても、より多くの人々が、快適に暮らすことのできるWell-beingな社会の実現を目指し、健康と美に関するソリューションを提供することで、健康寿命の延伸に挑戦しております。研究開発活動としましては、先端技術の研究に注力し、既存領域であるアイケア、スキンケア並びに内服薬領域のさらなる独創的かつ付加価値製品の開発を進めるとともに、健康の維持増進に欠かせない機能性食品や検査薬開発への取り組みを精力的に進めております。また、セルフケア領域に加えて医療分野への拡充を進め、医療用眼科薬の開発や、幹細胞を用いた再生医療による新規治療薬の研究開発につきましても、難治性疾患治療への適応に取り組んでおります。当連結会計年度においても、国内外の大学をはじめとした外部研究機関やベンチャー企業を含む他企業との連携による技術アライアンスを推進し、医薬品をはじめ機能性化粧品や機能性食品の領域に、エビデンスと高い技術力に裏打ちされた実効性のある独自性の高い新製品を投入することによって、引き続き事業基盤の強化を図っております。
 当連結会計年度の研究開発費総額は、11,115百万円(セグメント間の取引消去後)であり、セグメントごとの研究開発活動は、次のとおりであります。

 

<日本>

アイケア関連におきましては、自社技術のさらなる強化・分野拡大とともに、国内外のグループ企業及び外部研究機関との連携・共同開発を積極的に行って、競争優位性の維持強化を進めております。

当連結会計年度における主な成果としまして、コンタクトレンズユーザーの年齢層の変化に伴う新たな目悩みを解消するため「ロートゴールド40コンタクト」シリーズを発売いたしました。また、第四世代のコーティング技術を使用した2週間交換ソフトコンタクトレンズ「2weekフレッシュビューS」も発売いたしました。

スキンケア関連におきましては、医薬品、医薬部外品および化粧品等の分野を中心として、様々な皮膚疾患や肌、毛髪の健康・美容に対する研究開発を積極的に進め、製薬企業としての技術基盤に基づく、高い機能性を有した製品の開発により競争優位性を確保することを重点課題として、研究開発活動を行っております。また、継続して外部研究機関との連携を強化し、新規技術の確保と新規領域への拡大に注力しております。

当連結会計年度における主な成果としまして、皮膚薬関連では、鼻の周りや入口部分(鼻前庭)の炎症用に、『プレドニゾロン吉草酸酢酸エステル』をはじめとする4種の有効成分を配合した「メンソレータムメディクイックN軟膏」を発売した他、デリケート部位のかゆみ用に、『ウフェナマート』をはじめとする5種の有効成分を配合した「メンソレータムカブレーナ乳液」を発売いたしました。

オバジXから「ダーマアドバンスドリフトクリーム」をリニューアル発売し、そのハリ・乾燥への実効感の高さから多くの美容家や美容雑誌に支持され、多数のベスコス賞を受賞しました。オバジブランドの新規ユーザー獲得にも貢献しました。まつ毛美容液として発売した「ラッシュリッチ」では、国内ロート独占原料を高配合したアイケア発想の処方がSNSを通して非常に好評で、まつげ市場の活性化に繋がりました。日やけ止めではスキンアクアのNEXTA(ネクスタ)シリーズから新製品となるトーンアップUVエッセンスを発売し、ブランドの拡大に努めました。メラノCCでは「メラノCCディープクリア酵素洗顔」を全国展開し、各種媒体から受賞頂く等、大変好評頂いています。また、荒れがちな唇ケアに特化した新ブランドとなる「薬用リップリペアワン」を発売いたしました。

内服関連におきましては、目の健康維持を目的とする内服薬やサプリメントの開発と、根本からの体質改善を狙った漢方薬の開発を積極的に進めております。主な成果としまして、Vロートプレミアムの内服薬シリーズとして、“夜の見えづらさ”に焦点を当てた医薬品(ビタミンA主薬製剤)の「Vロートナイトプレミアムアイ内服薬」を、また、目のサプリメントでは、従来のルテイン、ゼアキサンチンに更にGABAを配合し、見る力に加え、認知機能の維持に対する訴求を加えた機能性表示食品「ロートV5記憶力サポート」、網膜の血流を改善する赤ショウガエキスやクロセチン、ルテインを配合した「ロートクリアビジョンRC」を発売いたしました。漢方薬では、女性の生理の諸症状を緩和する当帰芍薬散製剤「ルナエール」、のどの違和感や声枯れを緩和する響声破笛丸処方の飴製剤「コエスット」を発売いたしました。

検査技術関連では、妊活関連分野、感染症分野を中心に、新たな検査ニーズに応えるべく、競争優位性のある製品開発を進めると共に、新たな技術探索を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、9,675百万円であります。

 

<アメリカ>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、391百万円であります。

 

<ヨーロッパ>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、193百万円であります。

 

<アジア>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。

アジアでは、「50の恵」や「セルサン」のヘアケア製品が大幅に伸長しました。特に香港では「50の恵」に新商品を投入し、ヘアケア製品売上No.1を維持・拡大しました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、827百万円であります。

 

<その他>

消費者のヘルス&ビューティーのニーズに応えるべく、製薬会社としての技術基盤を応用し、一層の安全性、有効性、機能性を向上させた、競争優位性のある製品の開発を進めております。オーストラリアでは、「Deep Heat」シリーズが堅調に推移しました。また新たに「Hadalabo Tokyo」の発売を開始しました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は、26百万円であります。