当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営ビジョン
当社グループは社是である「信頼」を基に、グローバル企業として世界中の人々に信頼される企業グループであり続けたいと考えています。この「信頼」を合言葉とし、「人と人のつながり」を大切にする精神をもとに、社員全員の瞳が輝く企業を目指してまいります。
(2) 経営戦略等
これら構造的な課題を解決するため、2019年11月の創業60周年を機に、当社初となる「10年長期経営計画」を策定しました。長期経営計画は、7つの基本戦略「OCEAN+2戦略」を掲げ、高い技術力と強い企業力によりお客様に必要とされ続けるリーディング企業を目指しています。
<10年長期経営計画>
「OCEAN+2戦略」の7つの基本戦略
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One |
Arkh.3Gの薄型化を武器とした「一社供給」 |
|
Cost |
Arkh新シリーズの世界最安直材費による「低コスト域への挑戦」 |
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Element |
育成/研磨技術を活かしたウエハ販売による「材料ビジネス」 |
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Alliance |
オープンイノベーション/コラボレーションによる「共創」 |
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Niche |
ニッチな市場で安定的な利益を確保する「残存者利益」 |
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+1 |
新たな結晶の育成に挑戦する「新たな結晶」 |
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+2 |
新しい要素技術の確立による価値創造を目指す「新たなデバイス」 |
長期経営計画は3つのフェーズに分け、それぞれマイルストーンを設定しています。策定2年目となる2021年4月からの3ヵ年は、第1中期「基盤整備フェーズ」となり、次の取組みを推進しております。市場環境としては、あらゆるアプリケーションに通信機能が融合され、マーケットの拡大が進むことで、水晶デバイスの需要が高まるものと予想しております。水晶デバイスに対しては、低遅延、高周波、高精度、超小型、低電力といった要求が高まることが想定されるため、「フォトリソ仕様の小型/高周波品」、「価格競争に追随したモノづくり」、「環境に配慮した安定供給体制」を重点的に取組んでおります。具体的には、フォトリソ品の材料から組立てまでの生産能力の増強、Arkh.3Gの本格量産とArkh新シリーズの拡充を進めております。そして、既存品とArkhシリーズ、それぞれモノづくりの概念を刷新した製造ライン/プロセスを開発し、利益率No.1の水晶業界のリーダーを目指してまいります。
<中期経営計画>
第1中期 2022-2024年3月期 基盤整備フェーズ
第2中期 2025-2027年3月期 基盤確立フェーズ
第3中期 2028-2030年3月期 成長発展フェーズ
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
昨今の経済環境は、ウクライナ情勢に端を発するインフレの高止まりや、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めにより、世界的な景気減速が懸念されています。また、新型コロナウイルスの拡大により発生した巣ごもり需要の反動もあり、業界全体の在庫調整が長引いています。
しかし、こういった市場環境においても、あらゆるものに通信機能が搭載される「IoT」化の勢いは止まることなく、更なる拡大が見込まれます。既存の通信環境においても、動画送受信の拡大はもとより、ビジネスのクラウド化やEV/自動運転の広まりから、これまで以上の高速大容量低遅延の通信が求められています。また、衛星通信の本格的な拡大も期待されます。このような市場要求に対し、大真空ではフォトリソグラフィ技術を用いた小型/高周波/高安定の水晶デバイスの供給を拡大させてきています。しかしこの市場要求に対し、満足に対応していくためには、生産工場の拡張と莫大な設備投資が必要となり、CO2排出量の増大を招くことにつながります。そこで我々は「安定供給」と「環境対応」を両立させる方法として、Arkhシリーズの生産拡大を推進しています。Arkhシリーズの生産により、自社生産が可能な水晶パッケージ採用による外部調達比率の低減、フルオート生産を行うことによる単位面積当たり生産数7倍(従来比)、大判ウエハ採用によるコスト低減等により「安定供給」「環境対応」の両立が実現可能と考えています。このように当社オリジナルの新たな価値を創造し、持続的な社会の成長/発展を可能とするサステナブル企業として邁進してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益力の強化、経営資源の有効利用、財務戦略による有利子負債の削減を進めるとともに、経営環境の変化に柔軟に対応できる経営基盤の確立と業績の向上に努めてまいります。また引き続きキャッシュ・フローを重視した経営を推進し、更なる財務体質の改善、バランスシートの健全化を目指していきます。
当社グループはESGを重視し持続的な企業成長と企業価値向上を図るために人的資本、多様性等への対応も含めサステナブル経営を推進しております。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
当社グループでは、各拠点・地域ごとに環境管理委員会を設置し環境活動を推進するとともに、その統括組織として取締役及び執行役員から執行責任者を選任した全社環境管理委員会を設置しています。
全社環境管理委員会は経営層の直下組織として、①~③について審議/決定を行っています。
①全体的な方向性(意図した成果)を確立し、環境方針・環境目標・プロセスを策定する。
②全体的な環境マネジメントシステムパフォーマンスを監視し、運用をレビューする。
③順守義務を満たすことを確実にし、継続的改善を促進する。
また、全社環境管理委員会は四半期に1回の頻度で開催し、気候関連リスクと機会について実効性評価と見直しを行うとともに、委員会の執行責任者は、取締役会にて逐次進捗状況を報告し、取締役会で審議された内容を全社環境管理委員会へフィードバックしています。
この体制のもと、当社グループでは気候関連リスクにおける移行リスクに注目し、CO2削減に対する取り組みを強化する目的で、「2030年 チャレンジ カーボンニュートラル “Scope1+2”」を気候変動に関連する共通方針として掲げています。なお、取締役会において毎年期初に「経営方針」、「経営目標値」、「事業戦略」などを盛り込んだビジネス計画書を当期の最重要経営計画書として審議/決議していますが、本計画書にも気候変動に関連する共通方針を記載し、全社として取り組む意思を表明しています。
(2)リスク管理
当社グループでは、全社環境管理委員会において原則年1回、短期(1年)、中期(3年)、長期(10年)の観点から気候関連リスクおよび機会の評価をしています。評価されたリスクおよび機会から課題項目を抽出し取り組み方法などを設定後、各部門から得られた情報と実績に鑑みて、重大なリスクおよび機会としてその取り組み内容と併せて審議/決定します。
また、当社グループでは内部統制基本方針を定めリスク予防に重点をおいた全社的リスクマネジメント体制を構築/推進しています。取締役及び執行役員から管理責任者を選任しており、事業の継続・安定的発展を確保するため気候関連リスクだけでなく、さまざまなリスクを識別/把握し、そのリスク管理を含めた内部統制に関する整備計画書を取締役会に報告しています。
(3)戦略並びに指標及び目標
■当社グループの人材の育成について
人には様々な個性があり、それぞれ強みがあります。自己の強みとは何か、やりたいことは何か、それらを会社の中でどうやって活かすことができるのか。人的資本を最大化する為には、働きがいの向上が大切であると考えています。しかし、当然のことながら全員が全員得意分野の仕事をしているだけでは、組織としてやらなければならない仕事(Must)を達成できるわけではありません。社員の得意分野を組み合わせても埋まらないピースもあります。「得意な人がいないなら自分がやろう」、「今はできないけど、こんなこともできるようになりたい」、「この人にはこんなこともできるよう育成したい」。このように組織/チームのために行動できる誠実さや真摯さ「インテグリティ」の向上と、得意分野(Will、Can)を広げていく「チャレンジ」する風土づくりに注力しております。
■当社グループの環境整備について
人的資本を最大化する為には、働きがいの向上とともに、安心して働ける環境や働きやすさが必要であり、様々な制度拡充や安全衛生等の取り組みによる環境改善を行っています。
また、当社は、グローバル企業として、多様な人材がそれぞれの強みを活かし活躍するからこそ、強い企業になると考えています。その施策の一環として、女性の活躍推進を図るために女性が働きやすい職場作りに取り組んでいます。
社員全員が安心/安全に働ける環境づくりに今後も取り組みます。
■具体的取り組み内容
(人材育成)
①マネージャー教育
様々な階層別・職掌別教育を実施している中でも、特に管理職については、合宿集合研修、グループディスカッション、Web研修等、様々な形で、重点的に研修を実施しています。
2022年度以降、特に組織力・チーム力強化に重点を置き、組織・チームの力を最大限に引き出すことに注力しています。
②インテグリティ教育
組織力・チーム力強化のためにも、組織/チームのために行動できる誠実さや真摯さ「インテグリティ」 の向上が不可欠と考えております。
2022年度に、まずは管理職及び職位者(係長、主任、副主任)を対象に、自らがインテグリティを実践してモデルとなるよう教育を実施。全社的にインテグリティを浸透させるため、対象を全社員に拡大し、継続的に教育を行います。
(働きがいの向上)
①主体的にチャレンジする風土づくり
主体的にチャレンジする風土づくりの一環として、当社では社長プレゼンの場を設けています。チャレンジしたいテーマについて、即決・実行できるチャンスを提供することにより、チャレンジしたいことにチャレンジできる仕組みを構築しています。
②賃金・評価制度の大幅な変更
2020年10月より賃金・評価制度の大幅な変更を行いました。年齢や経験年数に関係なく能力・役割に基づく賃金体系への変更と、相対評価から絶対評価への変更により、モチベーションを引き上げる仕組みとしました。また、マネジメント型人材とスペシャリスト型人材をともに処遇する複線型の制度にすることで、より適性を発揮しやすい仕組みにも変更しました。
(安心して働ける環境づくりと働きやすさの向上)
①時差・時短勤務、在宅勤務制度
ケガ、病気、育児、介護、配偶者転勤等、突然の出来事でも、仕事を休んだり辞めたりせず「働ける」選択肢を設ける為、時差勤務・時短勤務・在宅勤務の制度を見直し、利用しやすい制度づくりを進めています。
通院や育児介護の時間を確保するために、時差時短勤務を活用する。配偶者の転勤に帯同した後も、在宅勤務で仕事を続ける。「働ける」安心のために、制度拡充を推進していきます。
②安全で衛生的な職場環境構築
2022年度より、全社安全衛生委員会を見直し、社長室直轄の組織として「労災ゼロが当たり前の会社」になれるよう安全衛生の取り組みを強化しました。
安全朝礼の実施、3S活動の強化、ヒヤリハット情報の収集・改善の取り組み等全社一丸となって安全衛生活動を推進しています。
人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備について、実績は、次のとおりであります。
(育児休業)
法律を上回る制度を整備し、家庭と仕事の両立を支援しています。
育児休業後の復帰率は2013年以降100%を達成。引き続き100%達成を目指します。
男性の育休実績も増加傾向で推移しており、引き続き取得促進を図ります。
育休取得実績は次のとおりであります。
(単位:人)
|
|
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
|
男性 |
0 |
0 |
1 |
3 |
|
女性 |
3 |
4 |
5 |
4 |
|
計 |
3 |
4 |
6 |
7 |
(女性活躍推進)
女性管理職、職位者の比率を増やします。目標比率:管理職 7%、職位者 7%
|
|
管理職 |
職位者 |
||||||
|
男性 (人) |
女性 (人) |
計 (人) |
女性比率 (%) |
男性 (人) |
女性 (人) |
計 (人) |
女性比率 (%) |
|
|
2020年度 |
84 |
3 |
87 |
3.4 |
92 |
2 |
94 |
2.1 |
|
2021年度 |
94 |
3 |
97 |
3.1 |
95 |
4 |
99 |
4.0 |
|
2022年度 |
93 |
3 |
96 |
3.1 |
98 |
7 |
105 |
6.7 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の変動要因について
当社グループは、水晶業界に属し音叉型水晶振動子、一般水晶振動子、水晶応用製品等、電子部品の重要パーツを生産しておりますが、顧客であるスマートフォン、パソコンや薄型TV等のデジタル家電、カーエレクトロニクス業界における競争の激化や市場環境の変動により価格や需要動向が業績の変動要因となり、その影響を受けることがあります。水晶業界の構造的な問題に対しては、10年長期経営計画を完遂させることが対策となります。また、品質管理には万全を期しておりますが、製造物責任による損害賠償が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。その対応については、当社グループが掲げる品質目標であるゼロディフェクトの実現に努めております。なお、当社グループは将来を見据え抜本的な経営改革を行い、コスト構造の変革を推進し、関係会社の再編など、グループ全体での業績向上活動を遂行していく過程におきまして、単年度の業績が少なからず変動する可能性がありますが、長期経営計画などにより将来の業績向上を示すことで理解いただけると考えます。
(2) 貸倒リスクについて
当社グループでは、貸倒による損益の状況を最小限にとどめるために、与信管理を徹底する一方、金銭債権に対し貸倒引当金を充分に見積もっておりますが、市場環境の悪化等によりさらに貸倒が発生した際に損失による利益の影響が出てくる場合があります。取り組みとしてグループ全体で与信管理を徹底、また新規および回収遅延顧客については信用調査を必ず行うなど顧客管理の強化に努めています。
(3) 為替変動の要因について
当社グループは、アジア、アメリカ、ヨーロッパといった海外での事業が多く、連結売上高に占める海外売上高の割合は2023年3月期において84.6%となっております。また、海外販売や海外子会社からの仕入れに対して大半が米ドル取引となっており、事業上の取引やその決済時の収支において為替変動による影響を直接的に受けることはありませんが、決算上の外貨建資産・負債・収益・費用及び海外子会社における現地通貨を円貨に換算する割合が大きいために、為替相場の変動が連結決算において換算額に影響を与える可能性があります。対応として債権債務の差額減少、為替予約等によりリスクヘッジに努めております。
(4) 金利変動について
当社グループの借入金残高は、2023年3月31日末現在で304億円(総資産の36.4%)であり、今後の市場金利の動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。ただし、有利子負債残高の大半は長期借入金等であり、そのほとんどは固定金利にて調達したものであります。また、財務体質強化目的により有利子負債残高の削減にも取り組んでおります。
(5) 株価の変動リスクについて
当社グループは2023年3月31日末時点で、取引先や金融機関等の株式を中心に約28億円の市場性のある株式を保有しており、これらの株価変動リスクを負っております。当社グループは、対象株式を取得することで得られる効果を定量的、定性的に測定し、当社の資金使途として適切かどうか検討した上で、毎年、取締役会において合理性を確認し、保有継続の可否及び株式数の見直しを実施しております。検証の結果、初期の保有目的を達成したものや保有効果が薄れたと判断されたものについては、売却等を検討いたします。
(6) 特定の原材料及び部品の外部業者への依存について
当社グループは、多数の外部の取引先より原材料及び部品を購入しておりますが、製品の製造において使用するいくつかの部品・原材料につきましては、一部の取引先に依存しております。効率的に、かつ安いコストで供給を受け続けられるかどうかは、当社グループがコントロール出来ないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因の中には、取引先が継続的に原材料及び部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。主要な取引先を失うことにより、当社グループの生産に影響し、コストを増加させる可能性があります。
外部の取引先に対して事業継続計画(BCP)をより実績的・効果的にするためにアンケートの実施や事業説明会を開催し、継続して改善を進めると共にリスクを考慮した安定在庫の確保・複数社の認定・共通部品化を進め、リスク低減に努めております。
(7) 新製品の開発について
当社グループは水晶振動子の小型化や高機能化の需要に対応するべく、積極的な研究開発を行っておりますが、その全てが今後順調に研究・開発が進み販売が出来るとは限らず、途中で開発を断念したり、新製品や新技術の商品化が遅れること等により市場の需要に対応できなくなる可能性があります。
また、当社が開発しました新製品・新技術が、独自の知的財産としまして保護される保障はありません。
なお、当社グループにおきまして、研究開発上様々な知的所有権を使用しており、それらは当社所有のものであるか、あるいは適法に使用承諾を受けたものであると認識しておりますが、当社の認識の範囲外で第三者の知的所有権を侵害する可能性があります。
当社が、第三者より知的所有権に関する侵害訴訟等を提訴され、係争が生じた場合には当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
上記リスクを含め、当社グループにおいて業界及び市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を低下させ、業績及び財務状況等に影響をおよぼす可能性があります。それらの対応として、開発テーマに関しては市場動向を見ながら四半期ごとに見直し、優先度を決めて市場需要に合致した開発を行っております。また、市場要求に照らし合わせ中期計画を立案し開発テーマに基づき開発を行っております。知的所有権に関しては、開発初期段階で関連技術分野の知的財産権を調査し、第三者の知的財産権を侵害しないようにしております。また、その後も定期的に発行される第三者の特許公報の内容を、分野ごとに決められた担当者がチェックする仕組みを運用しており、必要に応じて設計変更やライセンス契約の検討を行っております。
(8) 環境問題について
当社グループでは環境保全活動を重要な経営方針の一つとして掲げ、社会的責任という観点に立って活動し、これまで当社グループは重大な環境問題を発生させたことはありません。しかし、あらたな環境規制によっては対策費用等が発生する可能性があります。環境規制の変化点の情報収集に努め、早期かつ適切に対応いたします。
(9) 不測の事故、自然災害(BCP)、感染症等について
当社グループは、地震や風水害等の自然災害や火災等の事故災害などの発生を想定し、安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を講じておりますが、発生するリスクを全て回避するのは困難であり、当社グループの生産体制や事業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。またテロや戦争による社会的混乱の発生、その国における政情の悪化等により当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。対応マニュアルの整備に努めるとともに、自然災害等に対応できる体制を強化してまいります。
感染症の拡大によるパンデミック等が発生した場合、その影響を最小限に抑えるため、当社グループの事業拠点では安全衛生対策を徹底して行っております。しかしながら、感染拡大やそれを受けた各国における経済活動抑制の方針が当社製品に対する需要の大幅な減少や当社事業拠点を含むサプライチェーンに損害を生じさせた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 情報管理(情報セキュリティ)について
当社グループでは信頼される企業であり続けるために、情報資産の保護を目的とした各種社内規程を定め、情報の適切な取り扱いに向けたルールやシステムの整備と改善に取り組んでいます。しかし、サイバー攻撃などの手口は常に巧妙化しており、情報セキュリティは常に脅威にさらされています。巧妙化するサイバー攻撃に対し、ツールによる対策と教育による社員のセキュリティに対する意識向上を継続的に取り組んでまいります。
(11) 競合の激化について
当社グループが属する水晶業界は日系企業との競争に加え、中国/台湾など海外メーカーが台頭しコモディティ化が加速するなど、競争激化による価格変動が収益に影響を及ぼす可能性があります。これらの対応として「新たなマーケットの創造」と「特定マーケットへの特化」を推進し、高付加価値な差別化商品の投入や、低価格マーケットでも利益を確保できる新しい技術を使った製品を投入してまいります。また、今後の水晶デバイスの核となるフォトリソ技術に必要不可欠となるであろう大型ウェハを製造するため、人工水晶育成から加工までの前工程の技術をさらに進化させることで参入障壁を高めるとともにウェハの外部への販売も計画しております。
(12) 設備投資のリスクについて
当社グループでは、事業の維持・成長等のために、継続的な設備投資を必要としていますが、需要予測に大きな変動が生じた場合や設備納期リードタイムの長期化など外部環境の変化等により、計画どおりの収益が得られない可能性があります。上記変化などあらゆる条件を考慮する高いマーケティング能力を備え、早期の経営判断等によりリスク軽減に努めてまいります。
(13) 人材(人財)確保について
当社グループは、真のグローバル企業として継続的に発展するため、適切な人財確保が必要であると考えております。しかしながら、少子高齢化社会の進行などに伴い、人財の確保が困難となる場合や、人財の育成が順調に進まない場合、当社グループの業績及び財務状況等に影響を与える可能性があります。新卒、キャリア採用を積極的に推進することで若手・優秀人財の確保や技能継承に努めております。また人財の定着化施策として賃金・評価制度や教育制度の見直しにも努めております。
(14) コンプライアンスに関するリスクについて
当社グループは、コンプライアンス経営の確立に努めるとともに全社員への研修など取り組み強化を進め、法規制を遵守しております。しかしながら、予期せぬ法令・諸規則の改正もしくは新設により、その遵守のための対策費用の発生や法規制違反による課徴金等の行政処分など、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。コンプライアンス体制の基礎として、企業理念及び行動基準並びにCSR行動規範を定め、周知徹底を図るとともに、当社グループ内で展開しております。また、全社員を対象としたコンプライアンス教育を定期的に実施し、社員のコンプライアンス意識の向上に努めております。企業経営に深く関わる法規制については、適宜モニタリングも行い、法令遵守に努めております。
(15) ITシステムのBCP対策について
ハードウェアや人的ミスによる障害、サイバー攻撃などによるウイルス感染に加え、災害などによりITシステムに障害が発生した場合、システムダウンにより事業を継続することが困難になる可能性や、その影響でお客様に損害が生じれば、賠償責任を負うリスクも発生いたします。当社グループではサーバーの定期的なバックアップ実施やバックアップデータの遠隔地保管を実施しており、また、一部のサーバーに関しては堅牢なデータセンターでの運用も開始しており、情報資産の保護やBCPへの取り組みの一環として取り組んでおります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経済情勢は、各国のインフレ進行に対する金融政策などにより、景気には減速感が見られました。当該年度において、為替相場の変動に加え、半導体不足の長期化、ウクライナ情勢に起因するエネルギー供給リスク問題など、依然として先行き不透明な状況が継続しています。
ICT(情報通信技術)や自動車を含むエレクトロニクスマーケットにおきましては、景気停滞に加え、テレワーク/巣ごもり需要にピークアウト感が見られ通信、民生市場を中心に需要が低迷、車載市場ではADAS(先進運転支援システム)の普及や電装化は進展しましたが半導体不足の影響が顕在化するなど、マーケット全体として低調に推移しました。
このような状況下におきまして、当社グループでは今後の成長を担うフォトリソ製品を中心とする生産設備の増強や基幹システムの再構築など引き続き成長のための投資を行いました。また、今後の注力市場であるインドで開催された「electronica India 2022」やドイツで開催された「electronica 2022」に出展し、当社オリジナル製品である「Arkh(アーク)シリーズ」や「モールドタイプ水晶発振器」を紹介することで多方面から注目を集めました。
さらに、当社がコアテクノロジーと位置づける水晶ウエハの大判化に向け、世界最大となる6inchウエハ用人口水晶の引き上げに世界で初めて成功しました。水晶ウエハが大きくなればなるほど、同じ工数で水晶チップの取れ数は大幅に増加し、さらなる企業競争力の強化に繋がります。今後も6inchウエハの量産展開やさらなる大型原石の育成に取り組んでまいります。
これらの結果、当連結会計年度におきまして、ADASの進展などにより車載向けの販売は増加しましたが、通信分野では中国スマホや通信モジュール向けの製品が低調に推移し、民生分野ではテレワーク/巣ごもり重要がピークアウトしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,304百万円増加し、83,622百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ646百万円減少し、40,439百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,951百万円増加し、43,182百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は38,430百万円(前年同期比7.0%減)、営業利益は4,210百万円(前年同期比19.0%減)、経常利益は5,106百万円(前年同期比22.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,208百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
日本は、売上高は8,134百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は2,780百万円(前年同期比29.1%増)となりました。
北米は、売上高は1,755百万円(前年同期比17.2%増)、セグメント利益は2百万円(前年同期比88.9%減)となりました。
欧州は、売上高は3,654百万円(前年同期比16.0%増)、セグメント利益は52百万円(前年同期比11.6%減)となりました。
中国は、売上高は13,042百万円(前年同期比11.7%減)、セグメント利益は538百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
台湾は、売上高は9,066百万円(前年同期比20.1%減)、セグメント利益は658百万円(前年同期比75.2%減)となりました。
アジアは、売上高は2,777百万円(前年同期比21.1%増)、セグメント利益は220百万円(前年同期比136.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益などがあったことにより、前連結会計年度末に比べ79百万円減少し、当連結会計年度末には18,437百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動の結果得られた資金は5,859百万円(前期比2,903百万円減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益5,127百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は6,524百万円(前期比1,348百万円増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出5,808百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動の結果得られた資金は1,298百万円(前期比915百万円増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出6,687百万円、長期借入れによる収入10,575百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
16,505,052 |
△6.5 |
|
中国(千円) |
5,553,574 |
33.8 |
|
台湾(千円) |
7,883,622 |
△41.0 |
|
アジア(千円) |
7,771,566 |
11.9 |
|
合計(千円) |
37,713,817 |
△10.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
日本 |
7,168,926 |
△17.8 |
1,799,465 |
△35.4 |
|
北米 |
1,692,525 |
2.6 |
424,226 |
6.1 |
|
欧州 |
3,043,561 |
△17.7 |
633,250 |
△45.0 |
|
中国 |
9,859,850 |
△32.7 |
2,195,944 |
△52.4 |
|
台湾 |
9,592,371 |
△26.3 |
3,175,798 |
28.6 |
|
アジア |
2,354,088 |
△18.8 |
883,792 |
△19.6 |
|
合計 |
33,711,323 |
△24.4 |
9,112,477 |
△27.2 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日本(千円) |
8,134,899 |
△1.3 |
|
北米(千円) |
1,755,999 |
17.2 |
|
欧州(千円) |
3,654,095 |
16.0 |
|
中国(千円) |
13,042,475 |
△11.7 |
|
台湾(千円) |
9,066,248 |
△20.1 |
|
アジア(千円) |
2,777,236 |
21.1 |
|
合計(千円) |
38,430,954 |
△7.0 |
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、下記のとおりです。
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産は83,622百万円であり、前連結会計年度末と比較して2,304百万円増加しております。これは建設仮勘定の増加などによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は40,439百万円であり、前連結会計年度末と比較して646百万円減少しております。これは主に支払手形及び買掛金の減少などによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は43,182百万円であり、前連結会計年度末と比較して2,951百万円増加しております。これは主に利益剰余金の増加などによるものであります。
これらにより自己資本比率は2.2ポイント増加して、42.9%となりました。
b.経営成績
(売上高)
ADAS(先進運転支援システム)の進展などにより車載向けの販売は増加しましたが、通信分野では中国スマホや通信モジュール向けの製品が低調に推移し、民生分野ではテレワーク/巣ごもり需要がピークアウトしたことから、売上高は前連結会計年度に比べ7.0%減少の38,430百万円となりました。そのうち、国内売上高は5,918百万円、海外売上高は32,512百万円となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高が減少したことなどの影響により、前連結会計年度に比べ7.9%減少の26,788百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、給与の増加などにより前連結会計年度に比べ5.7%増加の7,432百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、為替差益809百万円を営業外収益に計上したことなどにより3,208百万円(前年同期比16.6%減)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、水晶製品事業における価格競争は引き続き厳しいものとなっており、当社グループが属する製品市場における市場価格についても顧客製品の価格動向によっては競争の激化に直面すると思われます。また、為替につきましても、為替相場の変動によっては業績に影響を及ぼす可能性があります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
日本国内におきましては、情報機器関連などが前年を下回り、売上高は8,134百万円と前年同期と比べ103百万円(1.3%減)の減収となりましたが、為替変動を含む価格是正効果などにより、セグメント利益(営業利益)は2,780百万円と前年同期と比べ627百万円(29.1%増)の増益となりました。
(北米)
北米におきましては、車載向けなどの販売が増加し、売上高は1,755百万円と前年同期と比べ257百万円(17.2%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は2百万円と前年同期と比べ18百万円(88.9%減)の減益となりました。
(欧州)
欧州におきましては、産業、車載向けなどが前年を上回った結果、売上高は3,654百万円と前年同期と比べ503百万円(16.0%増)の増収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は52百万円と前年同期と比べ6百万円(11.6%減)の減益となりました。
(中国)
中国におきましては、通信向けなどが前年を下回り、売上高は13,042百万円と前年同期と比べ1,730百万円(11.7%減)の減収となりましたが、高付加価値品の増産などにより、セグメント利益(営業利益)は538百万円と前年同期と比べ67百万円(14.3%増)の増益となりました。
(台湾)
台湾におきましては、通信向けや情報機器関連などの販売が減少し、売上高は9,066百万円と前年同期と比べ2,286百万円(20.1%減)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は658百万円と前年同期と比べ1,991百万円(75.2%減)の減益となりました。
(アジア)
その他アジアにおきましては、車載、産業向けなどの販売が増加し、売上高は2,777百万円と前年同期と比べ483百万円(21.1%増)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は220百万円と前年同期と比べ127百万円(136.4%増)の増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資本の流動性については、下記のとおりです。
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、財務の健全性・資本効率・株主還元の観点からバランスのとれた最適な資本構成のもと、継続的に企業価値を向上させることを基本としております。財務の健全性については「負債資本倍率(DEレシオ)」や「自己資本比率」の改善を図り、資本効率については「株主資本利益率(ROE)」を、企業価値を高める目的として「投下資本利益率(ROIC)」を向上させることを目指してまいります。また、CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の改善をさらに推進するとともに手元資金の活用などによりキャッシュ・フローの最大化と資金効率の改善を強化いたします。
b.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、設備資金需要につきましては、当社グループの製品製造のための生産設備及び建物の購入等になります。
c.資金調達
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。設備投資に必要な資金は、事業が生み出す営業キャッシュ・フロー及び手元流動性資金で賄うことを基本とし、また、長期経営計画の基盤整備となる第1中期経営計画の実現を可能にするための成長投資実行については、銀行借入または資本市場からの調達も検討し、堅実かつ柔軟な資金調達を行うものとしています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
パートナーシップに関する契約
(製品の販売に関する契約)
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契約書名 |
パートナーシップ契約 |
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契約会社名 |
SiTime Corporation |
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契約締結日 |
2015年10月27日 |
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契約期間 |
2015年10月27日から2025年10月26日まで(期間満了の1年前までに契約終了の意思表示がない場合、更に自動更新されるものとする。) |
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主な契約内容 |
新市場でのシェア確保及び販売金額増加を目的としパートナーシップ契約を締結 ・MEMS Timing DeviceのKDSブランド販売 |
当社グループは水晶を利用した電子デバイスの専業メーカーとして、新製品並びに新技術の研究開発に鋭意努力しております。当社グループにおける新製品・新技術の開発活動は、高度化する社会のニーズに応える水晶デバイスを、蓄積された要素技術により積極的に提案することを目的とし現在85名の従業員が当社グループの研究開発に従事しております。
当連結会計年度における研究開発費は
(1) Arkhシリーズ関係
① Arkh.3G 低電圧水晶発振器DS1008JN型(外形寸法:1.0×0.8×0.24mmH)を開発しました。省スペース化が求められる機器では同時に発熱を低減させるための低電圧化が求められており、本製品はよりそれらに対応していきます。現在、サンプル出荷を開始しております。
② Arkh.3G 差動出力水晶発振器DS1008JC,D,J,K型(外形寸法:1.0×0.8×0.24mmH)を開発しました。光ネットワーク市場の省スペースが求められる用途に対応します。現在、サンプル出荷を開始しております。
③ Arkh.3G 水晶振動子の製造コスト削減に取り組んでおります。使用する水晶ウェハを大判化することで生産能力を向上させるとともに、大判化に必要な製造技術の開発を行います。将来的には6インチの水晶ウェハを使用して更なる低コスト化を図ります。
④ Arkh.5G 小型恒温槽内蔵水晶発振器を開発中です。5G基地局や、各種装置の基準クロック向けにKDS独自技術を生かした製品として開発を進めております。
(2) 水晶振動子、水晶発振器関係
① AFC補正付き温度補償水晶発振器DSA535SGB型(外形寸法:5.0×3.2×1.35mmH)を開発しました。高温度範囲にわたって準OCXOクラスの周波数安定度を5.0×3.2mmサイズで実現し、スモールセル基地局、Stratum3、業務用無線基地局に対応します。
② 低消費電流、高精度を特長とした32.768kHz出力TCXO(外形寸法:1.6×1.2×0.59mmH)を開発しました。小型高精度対応技術を採用した超小型低消費電流のTCXOで、時計機能のクロック源として、ウエアラブル、コンピュータ等の多くの電子機器に対応します。2023年度下半期より量産開始予定です。
③ 高速起動SPXO(外形寸法:3.2×2.5×1.1mmH)を開発しました。工場のオートメーション化に必要なロボットアームやPLCなどのFA機器のように、高速にシステムを起動する必要がある用途に対応します。2023年度上半期より量産開始予定です。
④ 樹脂モールド型リアルタイムクロック(外形寸法:3.2×2.5×1.1mmH)を開発しました。当社の音叉型水晶振動子を樹脂モールドパッケージに内蔵し、生産性向上と安定供給を図ります。2023年度上半期より量産開始予定です。
⑤ 樹脂モールド型SPXO(外形寸法:2.0×1.6×1.64mmH)を開発中です。当社のArkh.3G小型振動子を樹脂モールドパッケージに内蔵し、SPXOの市場シェアの拡大と安定供給を図ります。また、省エネルギー化に向けた低電圧水晶発振器(外形寸法:2.0×1.6×1.64mmH)を開発中です。いずれも、2023年度下半期より量産開始予定です。
⑥ 小型高周波対応低位相ノイズ温度補償型水晶発振器DSB1612WEB型(外形寸法:1.6×1.2×0.55mmH)を開発しました。5Gなどの高速モバイル通信、Wi-Fi等の次世代無線規格で要求される高周波、低位相ノイズへ対応可能です。2023年度下半期より量産開始予定です。