第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「健康づくりは幸せづくり」を基本に、総合健康企業として、クオリティ・オブ・ライフの向上に貢献するため、国際的な医療ニーズに応えた医薬品やセルフメディケーションを指向したコンシューマーヘルスケア製品の研究開発、製造販売に取り組んでおります。

また、社会規範と行動規範を遵守し、企業活動すべてにおいて、さらには供給する製品すべてにおいて、ベスト・クオリティを追求し、信頼と期待に応えるべく健全経営に努めてまいります。

 

(2)経営戦略等

当社グループの特徴は、医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業によるバランスのとれた経営です。

2つのコア事業がそれぞれの強みを活かして収益に貢献することが、持続的な成長をもたらしています。さらにこの安定的な経営基盤が、次の成長のためのM&Aや、多額の費用と長い年月を要する新薬の開発・上市を可能にしています。

得意分野に集中的に経営資源を投入する戦略で、効率的に事業を拡大し、それぞれの事業分野で独自の地位を築いています。医療用医薬品事業では、研究開発から販売まで消化器系領域に特化して、上部から下部消化管領域までラインアップするとともに、研究開発においては、消化器系領域に続く領域として癌を選定し、これらに特化することで国際競争力の強化を図っています。コンシューマーヘルスケア事業では、セルフメディケーション(セルフケア)に貢献する独創的な製品開発に注力しています。

さらに、売上・利益に貢献し、シナジーが得られることを目指したM&Aやアライアンスによるグローバル展開も進めています。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営指標については、連結売上高及び海外売上高比率を重視しております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルス感染拡大の影響からは回復基調にあるとはいえ、エネルギー・原材料価格の高騰や物流コストの上昇、急激な円安の進行などは今後の企業収益に多大な影響を与えるものと考えられます。さらに、医療用医薬品におきましては、薬価制度の見直しや後発医薬品の使用促進などによる医療費抑制策が従来にも増して強力に推進されており、国内市場は成長の鈍化が不可避であると考えられます。またOTC医薬品におきましても、市場競争の激化に加え、インバウンド需要の回復には時間を要すると考えられることから、今後とも厳しい経営環境が続くものと思われます。

このような状況のもと、当社グループは2023年度を起点とした3カ年の第11次中期経営計画(2023年度~2025年度)の初年度をスタートさせました。

当社グループは第11次中期経営計画の3年間において、グローバル展開のさらなる加速、「車の両輪」である医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業の事業拡大と収益性の改善、財務体質の強化を通じて、ゼリアグループの持続的な発展と企業価値向上を果たすとともに、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。また、グループの事業基盤の強化・拡充に資するM&Aやアライアンスにも引き続き積極的に取り組んでいく方針としております。これらの活動を通じ、「連結売上高900億円」をはじめとした経営目標の達成を目指してまいります。

医療用医薬品事業におきましては、引き続き国内外での消化器領域におけるプレゼンスの向上に努めてまいります。「アサコール」につきましては、海外における1600mg製剤の販売国の拡大などを通じ、市場シェアの拡大を図ってまいります。「ディフィクリア」につきましては、欧州の感染症診療ガイドラインで第一選択薬として推奨されており、今後も欧州地域を中心に需要の拡大が見込まれます。また、国内におきましても2023年4月より「ダフクリア」の製造販売承認を承継し、当社での販売を開始したことから、国内外ともに営業リソースを集中させ、売上の伸長を図ってまいります。「エントコート」につきましては、欧州の一部の国で発売された後発医薬品の影響を、営業戦略・リソースの最適化などにより最小限にとどめてまいります。また、国内における「フェインジェクト」の市場構築に引き続き注力し、医療用医薬品事業の業容の拡大と収益性の改善を図ってまいります。

コンシューマーヘルスケア事業におきましては、生活者の行動様式の変化やニーズに沿った販売促進活動、製品特性をより明確に訴求した広告宣伝活動などに注力し、主力製品群である「ヘパリーゼ群」や「コンドロイチン群」、「ウィズワン群」の売上拡大を図ってまいります。また、新たな販売チャネルの開拓や主力製品に次ぐ製品群の育成に注力してまいります。2022年10月発売のローヤルゼリーを有効成分として配合した滋養強壮保健剤「ハイゼリー顆粒EX」や、歯周病・口臭対策用薬用歯みがき「マスデント群」、2023年4月より第2類医薬品へ移行したことで取扱店舗の増加が見込まれる月経前症候群(PMS)治療薬「プレフェミン」をはじめとする西洋ハーブ製剤など、特長ある製品群の市場認知度向上を図ってまいります。また、化粧品事業につきましては、SNSなどのWEB広告の強化により「イオナ」ブランドの市場浸透をさらに推進し、同事業をコンシューマーヘルスケア事業の柱の1つとして育成してまいります。

グローバル展開におきましては、引き続き海外子会社3社を軸として、欧州およびアジア地域における事業拡大に一層注力してまいります。欧州におきましては、新たに欧州事業本部を設置し、欧州子会社との連携を強化することにより、欧州事業の継続的な発展と市場拡大を図ってまいります。また、成長著しいアジア地域におきましては、ベトナムの子会社であるPharmaceutical Joint Stock Company of February 3rd (以下「F.T.Pharma」)を早期に成長軌道に乗せるとともに、アセアン各国への展開を視野に入れて、ベトナムで新工場の建設を進めており、新規事業の開始に向けた準備に注力しております。さらには、OTC医薬品・健康食品についてもアジア地域における事業展開の準備を進めており、これらの活動によりアジア事業を欧州事業とともに当社グループのグローバル展開の柱に成長させてまいります。また、自社オリジナル品である「アコファイド」につきましては、2023年5月にF.T.Pharmaがベトナムにおける製造販売承認申請を実施済みで、承認・販売に向けた準備を進めております。さらには、既にMeiji Seika ファルマ株式会社およびFAES FARMA,S.A.に導出済みの地域(インドネシア・タイおよびメキシコを含む中南米12カ国)における未承認国での承認取得の促進を支援するとともに、販売地域の拡大に向けて、新たなライセンス活動にも注力し、製品価値の向上を図ってまいります。

研究開発におきましては、Tillotts Pharma AGとの連携によるグローバル開発体制のもと、国内外における新薬開発を着実に進めてまいります。「Z-100」につきましては、非臨床研究を進めるとともに、特定臨床研究への支援などを通じて、新たな臨床試験の開始に向けた活動を加速してまいります。また、製品価値を向上させる活動を強力に実行すべく、ライフサイクルマネジメントの取り組みに注力するとともに、医師主導の臨床研究についても積極的に支援してまいります。さらに、市場ニーズに沿ったコンシューマーヘルスケア製品の開発に迅速かつ積極的に取り組んでまいります。

さらには、コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実を進め、企業理念ならびにサステナビリティ基本方針に則った経営を実行していくことで、グループ経営の信頼性を一層高める努力を継続するとともに、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、社会・環境問題を含むサステナビリティを巡る諸課題について、経営の重要課題として取り組んでおります。2021年度に「ゼリア新薬工業のサステナビリティ基本方針」を策定し、社会・環境問題等に対する具体的な取り組みを進めております。サステナビリティを含む経営に重大な影響を与えるおそれのある事項につきましては、経営会議、常勤役員会または取締役会に付議し、経営レベルでの充分な検討と対応策の決定を行う体制としております。

また、コンプライアンス担当部門や内部監査・内部統制担当部門を設置し、リスク発生の未然防止ならびにリスク管理に取り組む体制を構築しております。コンプライアンス担当部門は、当社グループ社員が取るべき行動規範を制定し、全従業員に浸透を図っています。内部監査・内部統制担当部門は、財務報告に係る内部統制が機能していることの監査に加え、グループ全体を含めた内部統制の状況および業務プロセスの適正性をモニタリングしております。監査等の結果は、定期的に取締役会へ報告を行うとともに、取締役会による監督・助言を受ける体制としております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

・温室効果ガス排出削減

・多様な人財の活躍

それぞれの項目にかかる当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

 

①温室効果ガス排出削減

工場や研究所等における環境配慮型設備の導入、営業車へのハイブリッド車両採用等の温室効果ガス排出削減策を講じており、今後も2050年度のカーボンニュートラルに向けた取り組みを推進してまいります。

 

②多様な人財の活躍

当社グループでは、「人材」を「人財」と表現しています。それは、人が経営資源の中で最も重要な要素であり、会社の「財産」であると考えているからです。そのため、社員育成においても、「ヒトは人財」を理念に掲げ、社会の期待と信頼に応えることができる人財を育てるべく教育・研修体制の充実に努めています。そして、人々の生命と直接に関わりを持つ医薬品メーカーとして、その責務を真摯に受けとめ、専門的な業務知識や行動規範の周知徹底を図るだけでなく、優れた社会人としての素養と人格の育成を行っています。

また、当社グループは、女性社員、中途採用者を含めた全従業員に対して、成果主義による人事処遇、昇格・昇進を公平に行っており、多様な人財が働きやすい環境を整備しております。2023年度末までに管理職に占める女性比率を10%にまで伸ばすことを目標に、働き方改革を推進し、フレックスタイム制や在宅勤務制度の整備、育児・介護に関わる社員への支援、高齢者・障がい者雇用の推進などに取り組んでおります。

なお、女性管理職比率の2022年度実績につきましては「第1 企業の概況 5 従業員の状況」をご参照ください。

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

医薬品等の安全性

販売中の医薬品等に関して、予期せぬ副作用や安全性上の懸念が生じる場合があります。これらの副作用や安全性上の懸念が重篤な場合には、その医薬品等の使用が制限されたり、販売を中止する可能性があります。主力製品にそのような事態が発生した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、副作用の収集に努め、その内容を必要に応じて規制当局に報告するとともに、定期的に措置の検討を行い、使用上の注意を改訂するなど製品の適正使用を推進しております。また、使用する原料については、受入れ試験の実施とともに、原料工場への定期的な調査、さらには複数社から原材料を購入することによりリスクを最小限にするよう努めております。

 

研究開発の成否

医薬品等の開発に関しては、多大な時間と費用を要します。研究段階において医薬品の候補になり得る化合物を創製できる可能性は、高いものではありません。また、臨床研究の段階で予期しない副作用の発生や期待する有効性が確認できない場合もあります。

このような理由から、途中で開発を断念したり、開発計画の変更により開発期間が延長される可能性があります。こうした事態が発生した場合には、事業計画の大きな変更を迫られたり、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、グローバル開発体制による綿密な治験計画の策定と進捗管理を行っております。また、開発着手時及び次相の開発段階に移行するごとに、有効性と安全性のバランス及び投資対効果の観点から、開発の継続・中止を適切に判断しております。

 

関連する諸法規等

医薬品等の販売や製造・研究開発は、その実施に関して薬機法等関連法規によって規制されています。これらの法規制の変更により、販売の中止や制限、研究開発の変更などをせざるを得ない場合があります。これらの事態が発生した場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

医療用医薬品については国により薬価基準が定められております。この薬価基準は、市場実勢価格に合わせて見直し(薬価の引き下げ)が実施されます。この場合、売上高や利益を確保・増加させるには、販売数量の増加へ向けた努力が必要になりますが、引き下げ幅が多大であった場合または期待した販売数量増が達成できない場合には、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、既存の薬剤にとって代わる新薬の開発と上市が計画通り進行していない場合には、その影響が中長期的にも甚大なものとなる可能性があります。

また、医療政策や保険制度の変更が医薬品の処方等に影響を与え、市場の成長を変化させる可能性もあります。

当社グループは、各種業界団体への加盟等、国内外の規制情報をタイムリーに収集することにより、社内体制の整備並びに社内方針の見直しなど必要な措置を迅速に講じております。また、原料・製造コストの低減に努めるとともに、持続的成長に向けた販売戦略を実行しております。

 

提携関係等

医薬品等の販売や研究開発の過程では、他社との間で、製品導入、共同販売、共同開発などが行われています。これらの関係は、今後発生するさまざまな事情から解消される可能性を否定できません。現実に解消があった場合には、期待した経営成果を実現することができなくなり、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループは、収益の柱となる主力品を複数育成することで、提携関係の解消等があった場合の業績への影響を最小限にするよう努めております。

 

ジェネリック医薬品の参入等

自社の医療用医薬品について、特許期間が満了したり、国によって定められた再審査期間が終了した場合には、ジェネリック医薬品の参入が予想されます。これにより医療用医薬品市場での競合が激化し、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新薬の開発と上市が計画通り進行していない場合には、その影響が中長期的にも甚大となる可能性があります。

当社グループは、デジタルマーケティング等を活用した医療機関への情報提供活動を一層充実させることで、医薬品の適正使用を促進していくとともに、新薬の上市や既存品のライフサイクルマネジメントを適切に行うことで、業績への影響を最小限にするよう努めております。

 

のれん、販売権等

国内外における事業拡大の一環として企業買収を実施してきた当社グループにおいては、買収後の連結貸借対照表に多額の「のれん」が計上されております。これまでTillotts Pharma AGをはじめ、買収を通じてグループ企業となった連結子会社はグループ業績に多大な貢献をしてきておりますが、これら子会社の今後の業績がさまざまな要因により低迷した場合には、のれんの減損により当社グループの業績、財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの連結貸借対照表には多額の「販売権」及び「商標権」が計上されております。これら無形固定資産については、のれんと同様に定期的に減損の兆候の有無の評価が必要となりますが、減損が生じていると判断される場合には、減損損失の計上により、当社グループの業績、財政状態に甚大な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、企業買収を行う場合に、買収前の外部評価を含むデューデリジェンス、取締役会や経営会議における買収案件の適切性に関する審議、買収後のシナジー実現に向けたフォローアップ等を実施することにより、事業発展に資する企業買収となるよう取り組んでおります。

また、「販売権」、「商標権」などの無形固定資産の計上にあたっては、外部専門家による適切な評価及び償却期間の設定を行っており、資産計上後は毎期、適切に資産の測定を実施しております。

 

訴訟の発生等

人々の健康に直接的に係りを持つ医薬品事業等の展開にあたっては、副作用や品質管理上の問題により予期せぬ健康被害の発生に直面する可能性を否定できません。また、幾多の提携関係等をベースとして事業を営む当社グループにおいては、提携等の内容・条件や提携関係の継続の可否を巡って、相手先との間で紛争の発生する可能性も否定できません。これらの事態が訴訟に進展した場合、その結果によっては、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

災害の発生等

大規模な災害やパンデミックの発生等により工場または原材料等の仕入先または物流網が被災した場合には、その程度によっては工場の操業や物流網が一時的に停止する可能性があります。操業や物流網の停止が長期にわたる場合には、製品供給に支障を来たし、当社グループの業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、これらの事態の対応として、生産部門では、製品供給を確保するため、パンデミック対応手順による感染防止対策を徹底するとともに、複数購買による原材料の確保や工場設備の耐震補強等の防災対策、物流部門は各物流センターの製品在庫の確保により対応しております。

なお、新型コロナウイルス感染症に対しては、職場における感染予防、健康管理の強化に努めるとともに、在宅勤務や時差出勤などの柔軟な勤務体制への移行、災害対策マニュアルやBCPプランに沿った対応の実施、事業リスク極小化にむけた事業部門別の施策推進を行っております。

 

海外展開等

海外での事業展開にあたっては、展開する国や地域の法令、税制、薬事行政等の変更により、期待する事業展開が困難となったり、事業の収益性に重大な影響が生じる可能性があります。今後アジア地域における事業展開の本格化を経営課題の1つに掲げる当社グループにとって、これらの事態に直面した場合には、期待する経営成果を実現することができなくなる可能性があります。

当社グループは、進出国の法令、税制、薬事行政や、経済情勢、戦争・紛争発生のリスク等についてタイムリーに情報を収集し、業績への影響を最小限にするよう努めております。

 

なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、ウィズコロナのもとで各種政策の効果もあって社会経済活動は正常化へと向かいつつあり、個人消費や企業の設備投資に持ち直しの動きがみられました。一方、新型コロナウイルス感染拡大によるインバウンド需要の減少は本格的な回復には至らず、さらに長期にわたるロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・原材料価格の高騰や物流コストの上昇、急激な円安の進行、海外経済の減速要因などが、今後のわが国経済に与える影響について、不透明感の増す状況が続いております。

医薬品業界におきましては、医療用医薬品は、薬価の毎年改定や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が従来にも増して強力に推進されており、事業環境は一層厳しさを増しております。また、OTC医薬品市場におきましても、市場競争の激化に加え、インバウンド需要の低迷などにより、ともに厳しい環境下で推移いたしました。

このような状況の中、当社グループは、第10次中期経営計画(2020年度~2022年度)の最終年度にあたる当連結会計年度において、グローバル展開を強力に推進する中、Tillotts Pharma AGが主に欧州地域にて販売中のクロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」が大きく寄与し、海外売上高を大幅に拡大させました。一方、国内市場におきましては、医療用医薬品事業は薬価改定の影響などを受け苦戦し、コンシューマーヘルスケア事業もヘパリーゼ群などの売上増加により回復基調とはなったものの、全体としては十分な成果を上げるには至りませんでした。

これらの活動の結果、当連結会計年度の売上高は、683億83百万円(前期比14.9%増)となりました。利益につきましては、営業利益90億14百万円(前期比41.6%増)、経常利益75億79百万円(前期比27.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益61億95百万円(前期比56.4%増)となりました。

なお、当連結会計年度の海外売上高比率は47.4%(前期41.4%)となっております。

また、クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」につきましては、当社グループの事業基盤強化に資するM&A、アライアンスに積極的に取り組む中、国内につきましても2023年4月にアステラス製薬株式会社より製造販売承認を承継し、販売を開始いたしました(国内販売名:ダフクリア)。

 

次にセグメントの状況につきまして、ご報告申し上げます。

 

(医療用医薬品事業)

当事業におきましては、プロモーションコードの遵守を基本に、デジタルマーケティングを含めたMR(医薬情報担当者)の情報提供活動を一層充実させ、製品価値の最大化を図ってまいりました。

主力製品である潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」につきましては、国内市場においては薬価改定や競合品の影響を受け、苦戦いたしましたが、海外市場において1600mg製剤の伸長を背景に北欧やイギリスなどの地域で好調に推移した結果、全体では増収となりました。炎症性腸疾患治療剤「エントコート」(国内販売名:「ゼンタコート」)につきましては、カナダ、2021年に現地法人を設立し、自販体制に移行したイタリアなどで伸長し、売上が増加いたしました。なお、2022年9月より欧州の一部の国で後発医薬品が上市されたものの、当連結会計年度の業績への影響は軽微でありました。また、クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤「ディフィクリア」につきましては、欧州の感染症診療ガイドラインで第一選択薬として推奨される中、営業リソースを積極的に投入した結果、売上が大幅に拡大いたしました。2020年9月に国内において上市いたしました鉄欠乏性貧血治療剤「フェインジェクト」につきましては、産婦人科・消化器科領域を中心に市場構築に努めております。

これらの結果、当事業の売上高は、431億45百万円(前期比16.6%増)、営業利益は87億21百万円(前期比26.2%増)となりました。

 

(コンシューマーヘルスケア事業)

当事業におきましては、超高齢社会が進展する中、生活者のセルフメディケーションをサポートする製品の供給を通じて市場構築を進めてまいりました。

主力製品である「ヘパリーゼ群」につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症やインバウンド需要停滞の影響を受けたものの、医薬品ヘパリーゼ群・コンビニエンスストア向けヘパリーゼW群ともに回復基調となり、売上は増加いたしました。また、「コンドロイチン群」につきましても、積極的な広告宣伝投資などの効果もあり堅調に推移いたしました。一方、植物性便秘薬「ウィズワン群」につきましては、競合品の影響などにより苦戦いたしました。

なお、製品ラインアップ強化に努め、ローヤルゼリーを有効成分として配合した滋養強壮保健剤「ハイゼリー顆粒EX」やコンドロイチン配合点眼薬「ビュークリアHi40アクティブ」などの新製品を発売いたしました。また、月経前症候群(PMS)治療薬「プレフェミン」につきましては、2023年4月より第2類医薬品に移行したことで取扱店舗の増加が見込まれることから、さらなる製品認知度向上に努めております。

これらの結果、当事業の売上高は、250億85百万円(前期比12.1%増)、営業利益は49億70百万円(前期比23.1%増)となりました。

 

(その他)

当事業の売上高は、保険代理業・不動産賃貸収入などにより1億52百万円(前期比2.8%減)、営業利益は2億42百万円(前期比7.2%減)となりました。

 

(財政状態)

当連結会計年度末の総資産は1,350億34百万円となり、前連結会計年度末対比107億52百万円の増加となりました。その内訳は流動資産が482億3百万円で、前連結会計年度末対比65億40百万円の増加、固定資産が868億30百万円で、前連結会計年度末対比42億12百万円の増加となっております。流動資産の増減の主なものは、現金及び預金の増加45億14百万円、売掛金の増加12億56百万円であります。また、固定資産の増減の主なものは、有形固定資産の増加14億52百万円、投資その他の資産の増加20億35百万円であります。

当連結会計年度末の負債合計は693億53百万円となり、前連結会計年度末対比1億63百万円の増加となりました。その内訳は流動負債が471億58百万円で、前連結会計年度末対比29億65百万円の増加、固定負債が221億95百万円で、前連結会計年度末対比28億1百万円の減少となっております。流動負債の増減の主なものは、短期借入金の増加10億47百万円、未払金の増加等流動負債のその他の増加16億56百万円であります。また、固定負債の増減の主なものは、長期借入金の減少38億44百万円、繰延税金負債の増加12億85百万円、退職給付に係る負債の減少8億39百万円等であります。

当連結会計年度末の純資産は656億80百万円となり、前連結会計年度末対比105億88百万円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上61億95百万円、前期末及び当中間期の配当の実施15億93百万円、為替換算調整勘定の増加48億円によるものであります。

これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末と比べ4.3%上昇し、48.5%となりました。また、連結自己資本当期純利益率は前連結会計年度末と比べ3.2%上昇し、10.3%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、期首残高対比45億14百万円増加し、160億94百万円となりました。これは投資活動によるキャッシュ・フローが25億74百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが74億15百万円のマイナスであったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが131億57百万円のプラスであったためであります。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度は131億57百万円の資金の増加となりました(前連結会計年度対比42億6百万円増)。これは、税金等調整前当期純利益の計上72億72百万円、減価償却費の計上54億31百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度は25億74百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度対比3億18百万円増)。これは、有形固定資産の取得による支出23億99百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度は74億15百万円の資金の減少となりました(前連結会計年度対比25億73百万円減)。これは、長期借入金の返済による支出56億28百万円、配当金の支払い15億89百万円等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

イ. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

医療用医薬品事業

39,548,879

9.7

コンシューマーヘルスケア事業

24,502,933

13.2

 報告セグメント計

64,051,813

11.0

その他

合計

64,051,813

11.0

 (注) 金額は正味販売価格換算で表示しております。

 

ロ. 受注実績

当社グループは販売計画並びに生産計画に基づいて生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

ハ. 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

医療用医薬品事業

777,108

39.1

コンシューマーヘルスケア事業

1,098,217

3.6

報告セグメント計

1,875,326

15.8

その他

合計

1,875,326

15.8

 (注) 金額は実際仕入額で表示しております。

 

ニ. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

金額(千円)

前期比(%)

医療用医薬品事業

43,145,144

16.6

コンシューマーヘルスケア事業

25,085,823

12.1

報告セグメント計

68,230,968

14.9

その他

152,258

△2.8

合計

68,383,227

14.9

 (注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの分析)

「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(資金需要)

当社グループの運転資金需要の主なものは、原材料、仕入商品の購入などのほか、製造費用、販売費及び一般管理費などの営業費用です。研究開発費は、販売費及び一般管理費に計上されております。一方、設備投資をはじめとして有形・無形固定資産などへの投資資金需要が発生いたします。当社グループはこれらの資金需要に自己資金及び社債の発行、長・短期借入金にて対応しております。

当連結会計年度の設備投資資金につきましては、自己資金及び借入金で調達しており、当連結会計年度末における借入金の残高は494億31百万円であります。また、当社グループでは取引銀行7行と当座貸越契約並びに貸出コミットメント契約を締結し、総枠で324億50百万円の極度枠(当連結会計年度末の未利用額は102億88百万円)を確保しております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は160億94百万円であります。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、その計上額に影響する見積りや判断を用いなければなりませんが、当社は特に以下の重要な会計方針が見積りや判断の要素が高いものであると考えております。

 

(のれん等の減損)

当社グループはのれんその他の無形固定資産について定期的に減損の兆候の有無を評価し、減損が生じている

と判断される場合には、公正価値まで減損処理することとしております。この公正価値の見積りには、将来キャッシュ・フローや割引率等多くの見積りや前提を使用しておりますが、前提条件等の変化によって見積りが変更されることにより公正価値が下落し減損損失の計上が必要となる可能性があります。

 

(投資の減損)

当社グループは投資の公正価値が帳簿価額を下回り、かつ回復の見込があると認められる場合を除き、その帳簿価額を実現可能価額まで減損処理することとしております将来の市況悪化または投資先の業績不振により評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

(退職給付費用)

当社グループは退職給付費用及び債務の計上にあたって、数理計算上で設定される割引率、期待運用収益率、昇給率、退職率等の基礎率を前提条件としております。この設定された基礎率と実際の結果との間に差異が生じた場合や設定された基礎率自体を変更する必要が生じた場合には、退職給付費用及び債務に影響を与える可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは繰延税金資産を計上するにあたって、将来の収益力に基づく課税所得及び将来加算一時差異の十分性等からその回収可能性について慎重に検討しております。

5【経営上の重要な契約等】

(1) 技術導入等契約

契約会社名

相手先

国名

契約の内容

対価

契約期間

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

丸 山 茂 雄

丸 山 達 雄

亀 谷 道 子

日本

「SSM」及びこれに関連する医薬品の製造販売及び技術指導等に関する契約

一定率のロイヤリティー(支払)

1992.3.23

~「SSM」の有償治験終了まで

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

Eli Lilly and

Company

アメリカ

2受容体拮抗剤「アシノン」の日本国内における商標権を含むすべての権利等の取得

契約一時金

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

Tillotts

Pharma AG

(連結子会社)

スイス

炎症性腸疾患治療剤「アサコール」の開発、製造、販売に関する契約

一定率のロイヤリティー(支払)

2019.12.10

~5年間、その後1年毎自動更新

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

HemCon Medical

Technologies,

Inc.

アメリカ

国内におけるHemCon社製止血・創傷治療用品の包括的・独占的開発、輸入、販売に関する契約

契約金(支払)

2010.4.8

~5年間、その後特許権利存続期間満了日まで1年毎自動更新

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

日産化学株式会社

日本

カルシウム拮抗剤「ランデル」の製造販売承認の承継及び商標権を含むすべての権利等の取得

契約一時金

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

Vifor

(International) AG

スイス

鉄欠乏性貧血治療剤「Ferinject」の日本国内における独占的開発及び販売に関する契約

契約金及び一定率のロイヤリティー(支払)

2013.7.31

~20年間

Tillotts Pharma AG(連結子会社)

AstraZeneca AB

スウェーデン

IBD治療剤「Entocort」(一般名:ブデソニド)の米国を除く全世界における権利

契約一時金

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

Vifor

(International) AG

スイス

高カリウム血症治療薬「Veltassa」の日本国内における独占的開発及び販売に関する契約

契約金及び一定率のロイヤリティー(支払)

2018.3.20

~20年間

Tillotts Pharma AG(連結子会社)

Astellas Pharma Europe Ltd.

イギリス

欧州、中東、アフリカ、独立国家共同体における「ディフィクリア錠」の製造販売権の承継

契約一時金

Tillotts Pharma AG(連結子会社)

MSD International GmbH

スイス

欧州、中東、アフリカ、独立国家共同体における「ディフィクリア錠」の独占的開発及び販売に関する契約

一定率のロイヤリティー(支払)

2020.11.30~

四半期ベースで後発品のシェアが一定率を超えるまで(その後Tillottsが販売継続オプション権を有する)

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

アステラス製薬株式会社

日本

日本国内における「ダフクリア錠」の製造販売権の承継

契約一時金

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

MSD International Business GmbH

スイス

日本国内における「ダフクリア錠」の独占的開発及び販売に関する契約

一定率のロイヤリティー(支払)

2023.4.3~半期ベースで後発品のシェアが一定率を超えるまで(その後当社が販売継続オプション権を有する)

 

 

 

(2) 技術導出契約

契約会社名

相手先

国名

契約の内容

対価

契約期間

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

SK Chemicals Co., Ltd.

韓国

韓国における抗潰瘍剤「プロマック」の技術導出、当該製剤の輸出

契約金及び一定率のロイヤリティー(受取)

2006.2.27~販売承認後10年間

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

Meiji Seika

ファルマ株式会社

日本

機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」のタイ、インドネシアにおける独占的開発及び販売に関する契約

契約金及び一定料率のロイヤリティー(受取)

2019.10.28~当該地域での上市から10年間

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

FAES FARMA,S.A.

スペイン

機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」のラテンアメリカにおける独占的開発及び販売に関する契約

契約金及び一定料率のロイヤリティー(受取)

2020.1.30~当該地域での上市後10年間、その後2年毎自動延長

Tillotts Pharma AG(連結子会社)

A.Menarini International Trading

中国

ASACOL製品群の中国(香港・マカオ・台湾を除く)における流通・マーケティング契約

契約金及び一定料率のロイヤリティー(受取)

2019.10.14

~販売承認権取得後10年間、その後1年毎自動更新

 

(3) 取引契約

契約会社名

相手先

国名

契約の内容

契約期間

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

伊藤忠商事

株式会社

株式会社スーパーレックス

日本

物流業務委託に関する基本契約

2013.3.15

~2014.3.31、その後1年毎自動更新

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

浜理薬品工業

株式会社

日本

抗潰瘍剤「プロマック」の原薬の仕入契約

2007.8.10~
5年間、その後1年毎自動更新

ゼリア新薬工業

株式会社(当社)

株式会社スーパー

レックス

日本

物流業務委託に関する基本契約

2020.11.1~2026.3.31

その後1年毎自動更新

 

6【研究開発活動】

研究開発におきましては、Tillotts Pharma AGとの連携によるグローバル開発体制のもと、開発テーマを厳選のうえ、重点領域である消化器分野を中心に、導入品を含めた新薬の研究開発を推進してまいりました。

「Z-100」につきましては、新たな適応症での早期臨床試験の開始に向けて、臨床開発計画の策定ならびに非臨床試験を進めております。

自社オリジナル品の「Z-338(一般名:アコチアミド)」につきましては、Meiji Seika ファルマ株式会社及びFAES FARMA,S.A.との独占的開発・販売に関するライセンス契約に基づき、機能性ディスペプシアを適応症としてそれぞれタイ・インドネシア及びラテンアメリカ12カ国で申請し、ラテンアメリカ地域でメキシコを含む5カ国で承認を取得いたしました。また、国内におきましては、小児機能性ディスペプシア患者を対象としたフェーズⅢ試験を実施しており、主として薬物動態及び安全性を確認するPart1を完了し、有効性及び安全性を確認するPart2を推進しております。さらに、自社オリジナル品アコチアミドのさらなる医療への貢献を目指した新テーマ「ZG-802」につきましては、超高齢社会が進展する中、世界的に医学的な関心が高まっているものの、未だ有効な薬物療法が確立されていない低活動膀胱を対象としたフェーズⅡ試験を国内で開始いたしました。

スイスVifor(International)AGから導入いたしました「ZG-801」につきましては、国内において高カリウム血症を対象としたフェーズⅢ試験を終了し、申請に向け準備を進めております。

コンシューマーヘルスケア製品につきましても、当社オリジナルのフリーズドライ製法を採用したローヤルゼリーを含有する医薬品「ハイゼリー顆粒EX」などの特長ある製品を順次発売いたしました。

これらの活動の結果、当連結会計年度の研究開発費は前年度実績から減少し、3,456百万円(前期比27.8%減)となりました。セグメント別の研究開発費は医療用医薬品事業2,772百万円、コンシューマーヘルスケア事業683百万円でありました。